JP3827358B2 - 塩酸水溶液の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレンの塩素化によりアリルクロライドを製造する工程において、副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガスより塩酸水溶液を製造するための新規な製造方法に関する。詳しくは、該混合ガスより、高純度の塩酸水溶液を簡易な手段で製造する方法である。
【0002】
【従来の技術】
アリルクロライドの製造方法として、プロピレンと塩素ガスとを気相で接触させ、下記の反応によってアリルクロライドを生成させる方法が一般に行われている。
【0003】
36 + Cl2 → C35Cl + HCl
上記反応においては、反応生成物に原料の塩素が残留することによる危険性、腐食の影響等を防止するため、一般に、プロピレンを過剰に供給して反応が行われる。それ故、反応生成物中には、該原料プロピレンが含有される。
【0004】
上記反応により得られた反応生成物は、生成するアリルクロライドと副生する塩化水素及び過剰に供給されたプロピレンより主としてなるため、蒸留によって塩化水素とプロピレンを分離除去してアリルクロライドを得る。
【0005】
従来、かかる蒸留によってプロピレンと共に分離除去された塩化水素は、水と接触させて該水に吸収せしめ、塩酸水溶液の製造に利用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法によって製造された塩酸水溶液は、続いて、エアレーションなどの手段により、含有される有機塩化物等の揮発成分を除去して精製されるが、塩化水素に同伴されるプロピレンの一部が水と反応してイソプロピルアルコール(IPA)を生成し、このIPAが上記精製後も残存するという問題を有する。そして、該IPAは、塩酸水溶液の品質検査において、CODとして検出され、該塩酸水溶液の製品としての価値を著しく低減させていた。
【0007】
この問題を解決する手段として、上記IPAを含む塩酸水溶液を蒸留してIPAを除去する方法や、塩化水素とプロピレンとの混合ガスよりプロピレンを分離除去した後、塩化水素を水と接触させる方法などが考えられる。しかし、上記のIPAを含む塩酸水溶液の蒸留は、IPAの濃度を十分に低くすることが困難であり、また、塩化水素をプロピレンと蒸留分離する方法は、高圧を必要とし、特殊な高圧化設備や蒸留設備を必要とするばかりでなく、エネルギーコストも極めてかかるという問題を有する。
【0008】
従って、IPAの含有量が低い塩酸水溶液を簡易な手段により製造する方法の開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、塩化水素とプロピレンとの混合ガスを水と接触させて得られる塩酸水溶液の塩酸濃度を特定の範囲に調整することにより、IPAの生成が著しく低下し、極めて高純度の塩酸水溶液が簡易に得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、プロピレンの塩素化によりアリルクロライドを製造する工程より得られる、副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガスを、溶解した塩化水素の濃度が20重量%以下となる条件下で水と接触させることを特徴とする塩酸水溶液の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガスは、プロピレンの塩素化によりアリルクロライドを製造する公知の工程より得られるものが特に制限なく使用される。
【0012】
アリルクロライドを製造する工程は、プロピレンと塩素ガスとを450〜500℃の高温下、0.5〜1.0kg/cm2程度の圧力下に、気相反応させる方法が一般的である。この場合、生成するアリルクロライド中への塩素の混入を避けるため、原料のプロピレンは、塩素1モルに対して、3〜4モルの過剰量使用される。
【0013】
従って、上記反応によって得られる反応生成物は、アリルクロライドと副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とし、該反応生成物より、アリルクロライドを蒸留により分離することにより、本発明の原料となる副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガスを得ることができる。
【0014】
かかる混合ガスは、通常、副生塩化水素と未反応プロピレンとの合計を100容量%としたとき、副生塩化水素を19〜24容量%、未反応プロピレンを76〜81容量%の割合で含有する。また、場合によっては、これに反応で副生する少量のプロパンを更に含有する。
【0015】
本発明の特徴は、上記混合ガスを水と接触させて、副生塩化水素を水に吸収させ、塩酸水溶液を製造する際、該塩酸水溶液の濃度が20重量%以下、好ましくは、15重量%以下となる条件下で上記混合ガスと水との接触を行う点にある。
【0016】
尚、該混合ガスと接触させる水は、塩化水素を溶解していない水に限らず、上記の濃度範囲内で塩化水素を溶解し得る塩酸水溶液をも含むものである。
【0017】
即ち、本発明者らは、得られる塩酸水溶液の濃度と含有されるIPAの濃度との関係についての研究を重ねた結果、驚くべきことに、塩酸水溶液の濃度が20重量%以下では、混合ガスと水との接触によるIPAの生成が著しく低減され、得られる塩酸水溶液中のIPA濃度を10ppm以下にまで低減し得ることを見い出したのである。
【0018】
従って、得られる塩酸水溶液の濃度が20重量%を越える条件で混合ガスと水との接触を行った場合には、IPA濃度が急激に上昇し、本発明の目的を達成することができない。
【0019】
前記混合ガスと水との接触方法は、特に制限されない。一般には、公知の吸収塔、例えば、向流接触方式の充填塔を使用した方法が好適である。また、上記塩酸水溶液の濃度を20重量%以下に制御する方法は、公知の濃度検出器を使用して行うことができる。
【0020】
また、本発明において、得られる塩酸水溶液の濃度を制御することに加えて、混合ガスと水との接触時の温度を45℃以下、好ましくは、30〜40℃に制御することは、IPAの生成防止に相乗的に作用し、好適である。
【0021】
更に、本発明において、得られる塩酸水溶液は、20重量%以下の濃度で得られるため、必要に応じて、濃度を上げることも可能である。濃度を上昇させる代表的な方法を例示すれば、該塩酸水溶液を水素と塩素との反応によって得られる塩化水素(合成塩化水素)を水又は水溶液に吸収させる、合成塩酸塔に供給する方法が挙げられる。かかる方法によれば、塩酸水溶液の純度を低下させることなく、高濃度の塩酸水溶液を得ることが可能である。
【0022】
上記合成塩酸塔としては、公知の構造のものが特に制限なく使用され、公知の条件で塩酸水溶液に塩化水素を吸収させることができる。
【0023】
また、塩酸水溶液の濃度を上昇させるための手段として、上記方法の他に、該塩酸水溶液を濃縮する方法も挙げられる。
【0024】
また、混合ガスより塩化水素を吸収後に残存するプロピレンは、必要に応じて前記のアリルクロライドの製造に循環使用することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明によれば、プロピレンの塩素化によりアリルクロライドを製造する工程において、副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガスより、高純度の塩酸水溶液を簡易な手段で製造することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するために、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1〜3、比較例1
プロピレンの塩素化により得られた反応生成物より、アリルクロライドを蒸留により分離して下記組成の混合ガスを得た。
【0028】
【表1】
Figure 0003827358
【0029】
上記混合ガスを向流接触方式の充填塔よりなる吸収塔に2900m3/時間で連続的に供給し、表2に示す温度で水と接触させた。上記の凶器有する水の供給量を調整することにより、吸収塔からの取り出される塩酸水溶液の濃度が表2に示す濃度となるように調整した。
【0030】
得られた塩酸水溶液中に含有されるIPAの濃度を表2に併せて示す。
【0031】
【表2】
Figure 0003827358
【0032】
実施例4
実施例1で得られた塩酸水溶液を2.8m3/時間で塩酸合成塔に供給し、ここで、塩素を300m3/時間、水素を330m3/時間で供給して塩化水素を生成させ、該生成した塩化水素を上記塩酸水溶液に吸収させた。
【0033】
上記方法により得られた塩酸水溶液の濃度は、35.5重量%であり、IPAの含有量は、1.5ppmであった。

Claims (3)

  1. プロピレンの塩素化によりアリルクロライドを製造する工程より得られる、副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガスを、溶解した塩化水素の濃度が20重量%以下となる条件下で水と接触させることを特徴とする塩酸水溶液の製造方法。
  2. ガス成分と水との接触を50℃以下で行う、請求項1記載の塩酸水溶液の製造方法。
  3. 請求項1で得られた塩酸水溶液を水素と塩素との反応によって得られる塩化水素と接触させて該塩化水素を塩酸水溶液に吸収せしめる高濃度塩酸水溶液の製造方法。
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