JP3827118B2 - パワー電子回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワー電子回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータ制御用インバータ回路などに用いられる半導体スイッチング素子は大電流スイッチングにより温度が上昇して接合が破壊される可能性があり、その通電電流を予め決められた電流制限値以下に制限して用いられる。
ただ、素子温度は素子が放熱すべき外気温度などの放熱条件により大きく変化するので、素子近傍に温度センサを設けて素子近傍温度を検出し、この素子近傍温度が許容最高温度Tmaxを超えないように電流制限を行うことが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した素子近傍温度制御型電流制限を行うパワー電子回路装置において、温度センサをできるだけチップに近接して設けても、温度センサが検出する素子近傍温度は半導体スイッチング素子チップの接合温度Tjと相違するので、使用条件によってはまだ余裕があるにもかかわらず、電流制限を行ってしまい、性能の低下を招くという不具合が生じた。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、素子安全性を低下させることなく、装置構造の複雑化を招くことなく、出力電流の増大を実現することができるパワー電子回路装置を提供することを、その解決すべき課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の構成は、電力断続用の半導体スイッチング素子が形成された半導体チップが金属ブロックに固定されてなる合計6個のパワーモジュールと、前記各パワーモジュールの金属ブロックが絶縁フィルムを介してそれぞれ固定される金属製のベースプレートと、前記各半導体チップに個別に近接して前記各金属ブロックに個別に固定されて前記各半導体チップ近傍の温度を個別に検出する合計6個の温度センサと、前記半導体スイッチング素子の電流に関連する状態量を検出する検出手段と、前記各温度及び前記状態の両方に基づいて前記半導体スイッチング素子の電流を制限する電流制限手段とを備え、三相インバータ回路をなすことを特徴とするパワー電子回路装置である。
本構成では、各温度センサが検出する各半導体スイッチング素子近傍温度と、半導体スイッチング素子の電流に関連する状態量とに基づいて、半導体スイッチング素子の電流制限を実施する。
【0006】
このようにすれば、従来技術に比較して、各半導体スイッチング素子の安全性をそれぞれ確保しつつ、装置構造の複雑化を招くことなく、出力電流の増大を実現することができる。
【0007】
これにより、請求項1記載の作用効果を一層向上することができる。
請求項3記載の構成によれば請求項1記載の構成において更に電流制限手段は、検出する温度及び電流と半導体チップの接合温度Tjとの関係を予め記憶しておき、検出した温度とこの関係とから電流の許容最大値を求め、検出した電流を許容最大値以下に制限する。
【0008】
このようにすれば、すばやくかつ高精度に請求項1記載の作用効果を実現することができる。
【0009】
【発明を実施するための態様】
パワーモジュールの金属ブロックは外気に直接放熱したり、冷却部材を通じて外気に間接的に放熱したりすることができる。
以下、本発明の好適な態様を以下の実施例に基づいて説明する。
【0010】
【実施例1】
本発明のパワー電子回路装置の一実施例を図1を参照して以下に説明する。
このパワー電子回路装置1は、車両空調用モータ制御装置であって、図示しない車載バッテリからの直流電力を断続して三相交流電力を形成し、空調装置のコンプレッサ駆動用モータMに供給する三相インバータ回路2と、三相インバータ回路2に制御電圧を印加するゲートコントローラ3と、入力信号に基づいてゲートコントローラ3を制御する空調モータ制御用コントローラ4とからなる。5は三相インバータ回路2内に設けられた温度センサであり、6は三相インバータ回路2の出力電流を検出する電流センサである。温度センサ5は後述するように三相インバータ回路2内の素子近傍温度を検出するためのものであり、電流センサ6は、三相インバータ回路2の出力電流を検出して空調モータ制御用コントローラ4に出力する。これら三相インバータ回路2、ゲートコントローラ3、空調モータ制御用コントローラ4、温度センサ5及び電流センサ6は図2に示すケース7に密閉されている。
【0011】
三相インバータ回路2は、従来のものとまったく同じ回路構成を有し、合計6個のIGBTチップ212及びこれらIGBTチップ212と逆並列接続されたダイオード(図示せず)とからなり、3つのIGBTチップ212が上アームを構成し、3つのIGBTチップ212が下アームを構成する。ただし、図2ではこれら各IGBTチップ212を収容したIGBTモジュール21を略示する。
【0012】
ケ−ス7は、図2に示すように、アルミダイキャストで作製されたベースプレート71と、ベースプレート71に固定された角箱状のアルミカバー72とからなる。ベースプレート71は外側に互いに平行な多数の冷却フィン73を有しており、各冷却フィン73はエンジンルーム内にて車体の前後方向へ延設されている。
【0013】
IGBTモジュール21はヒートシンクをなす金属ブロック211上にIGBTチップ212をマウントした構造を有しており、金属ブロック211の底面はベースプレート71の上面に絶縁フィルムを介して固定されている。更に、金属ブロック211上には温度センサ5が設けられており、結局、三相インバータ回路2は合計6個の温度センサ5を内蔵している。
【0014】
一つのIGBTチップ212の放熱系について以下に説明する。
ベースプレート71の熱抵抗、金属ブロック211と温度センサ5との間の接触部位の熱抵抗は小さいので、無視するものとするとし、IGBTチップ212の接合温度をTj、温度センサ5が検出する素子近傍温度をTs、IGBTチップ212の接合から温度センサ5までの熱抵抗をr、上記接合での発熱量をQとすれば、
Tj=Q×r+Tsとなり、
発熱量Qを素子全体の電力損失Pとみなせば、電力損失PはIGBTチップ212に流れる電流Iの関数(ほぼIの二乗値に比例する値)であるので、電流変化が緩慢とし、接合から温度センサ5までの熱伝達の時間遅れを無視すれば、接合温度Tjは電流Iの変化に対して図3に示すようになる。
【0015】
なお、図3において、接合温度Tjの特性線Aは素子近傍温度TsがTs1の場合を示し、接合温度Tjの特性線Bは素子近傍温度TsがTs1より高いTs2の場合を示す。
接合温度Tjの許容最高温度Tmaxを125℃とすれば、素子近傍温度TsがTs1の場合には流し得る電流Iの最大値Ipmaxが図3のグラフからわかる。
【0016】
図3の特性に基づいて電流制限を行う空調モータ制御用コントローラ13の制御動作を図4を参照して説明する。
まず、空調熱負荷に基づいてコンプレッサの回転数を決定し、その回転数での運転をゲートコントローラ3に指令する(s100)。
次に、電流センサ6から三相インバータ回路2の出力電流Iを読み込んでその平均値を算出し(s102)、温度センサ5から素子近傍温度Tsを読み込む(s104)。
【0017】
次に、読み込んだ平均出力電流I及び素子近傍温度Tsに基づいて、内蔵マップまたは上述の計算式から接合温度Tjを算出し(s106)、算出した接合温度Tjが125℃未満かどうかを調べ(s108)、未満であれば、s100で設定した回転数での運転をゲートコントローラ3に指令し(s110)、以上であれば、前記設定回転数より所定値だけ低い回転数での運転をゲートコントローラ3に指令して、s100にリターンする。
【0018】
このようにすれば、出力電流I及び素子近傍温度Tsに基づいて推定した接合温度Tjが許容最高温度Tmaxを超えないように電流制限を行うので、素子安全性を低下させることなく、装置構造の複雑化を招くことなく、出力電流の増大を実現することができる。
【0019】
【実施例2】
本発明の車載パワー電子回路装置の他実施例を図9を参照して以下に説明する。
この実施例は、実施例1における制御フローチャートのs100及びs106以降を変更したものであるので、変更点だけを説明する。
【0020】
s100では、車室温度と目標温度との差に基づいて算出される空調熱負荷に基づいて三相インバータ回路2のデューティ比を設定する。なお、空調モータ制御用コントローラ4は、車室温度と目標温度との差とデューティ比との関係を予め記憶しているものとする。
s206では、読み込んだ素子近傍温度Tsと、予め内蔵するマップ(図3参照)またはそれに対応する計算式から電流Iの許容最大値Imaxを求め、次に、s102で検出した電流Iがこの許容最大値Imaxより大きいかどうかを調べ(s208)、以上であれば、三相インバータ回路2のデューティ比を所定量低下させ(s210)、未満であれば、三相インバータ回路2のデューティ比をs100で設定した設定デューティ比の範囲内で所定量増加させる(s212)。
【0021】
このようにすれば、実施例1と同じ作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパワー電子回路装置の一実施例を示すブロック回路図である。
【図2】 図1に示すパワー電子回路装置1の一部断面図である。
【図3】 IGBTモジュール21の接合温度Tjと電流Iと素子近傍温度Tsとの関係を示すグラフである。
【図4】 空調モータ制御用コントローラ4の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】 他の実施例における空調モータ制御用コントローラ4の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
4は空調モータ制御用コントローラ(特に、そのs110、s210は電流制限手段)、5は温度センサ、6は電流センサ(検出手段)、211は金属ブロック、212はIGBTチップ(半導体スイッチング素子が形成された半導体チップ)。
Claims (3)
- 電力断続用の半導体スイッチング素子が形成された半導体チップが金属ブロックに固定されてなる合計6個のパワーモジュールと、
前記各パワーモジュールの金属ブロックが絶縁フィルムを介してそれぞれ固定される金属製のベースプレートと、
前記各半導体チップに個別に近接して前記各金属ブロックに個別に固定されて前記各半導体チップ近傍の温度を個別に検出する合計6個の温度センサと、
前記半導体スイッチング素子の電流に関連する状態量を検出する検出手段と、
前記各温度及び前記状態の両方に基づいて前記半導体スイッチング素子の電流を制限する電流制限手段と、
を備え、
三相インバータ回路をなすことを特徴とするパワー電子回路装置。 - 請求項1記載のパワー電子回路装置において、
前記電流制限手段は、前記温度及び状態量に基づいて求めた前記半導体チップの接合温度Tjが所定の許容最高温度Tmax以下となる範囲に前記電流制限を行うことを特徴とするパワー電子回路装置。 - 請求項1記載のパワー電子回路装置において、
前記電流制限手段は、検出した前記温度及び電流と前記半導体チップの接合温度Tjとの関係を記憶し、前記温度と前記関係とから前記電流の許容最大値を求め、検出した電流を前記許容最大値に制限することを特徴とするパワー電子回路装置。
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