JP3826389B2 - 縫製装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は縫製装置に関し、特に、刺繍縫製中に、本体ケースと分割ケース間の隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥らないように、また、布保持枠に保持されている加工布が挟まって刺繍縫目が乱れないようにした縫製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミシンに着脱可能に装着される刺繍装置として、本願出願人は、本体ケースと、本体ケースの左端側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを左右へ駆動する左右駆動機構と、着脱自在に装着された布保持枠を前後へ駆動する前後駆動機構とを備えた刺繍装置を提案し実用化している(特願平9−91701号参照)。
【0003】
この刺繍装置においては、本体ケースと分割ケースとを接触させた状態、つまり本体ケースと分割ケースとの間に隙間がない状態で、鉛直姿勢にしてミシンアーム部等を覆うカバーとして使用できるとともに、水平姿勢にしてミシンベッド部に装着しベッド面を拡張する補助ベッドとして使用できるよにうなっている。そして、ミシンベッド部に装着した状態で、布保持枠を分割ケースの前後駆動機構に装着し、この布保持枠が前後駆動機構と左右駆動機構により前後左右に駆動され、ミシンの縫製手段と協働して布保持枠の加工布に刺繍縫製が施される。
【0004】
ところで、刺繍縫製の際の布保持枠の左右移動ストロークは、布保持枠の大きさ等の条件に基いて設定されるが、本体ケースと分割ケースとを接触させた状態で前記カバーや補助ベッドとして使用することも関係して、布保持枠とともに左右へ駆動される分割ケースの刺繍縫製の際の右限位置は、本体ケースと略接触した位置に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記刺繍装置では、分割ケースの刺繍縫製の際の右限位置が本体ケースと略接触した位置に設定されているため、刺繍縫製中に、左右駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、本体ケースと分割ケースの間の隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥ったり、布保持枠に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるという問題がある。しかも、本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まった状態で、分割ケースが本体ケースに接近する方向へ無理に駆動されると、左右駆動機構等が損傷するという虞もある。
【0006】
一方、分割ケースの刺繍縫製の際の右限位置を、本体ケースと接触した位置から離隔した位置に設定し、刺繍縫製中に、本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まらないように構成することが可能であるが、刺繍縫製しない状態では本体ケースと分割ケースとを接触させるため、分割ケースの左右移動ストロークが大きくなり、左右駆動機構が大型化しその製作コストが高価になること、駆動される分割ケースのガタツキが生じ易くなること等の問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、本体ケースと分割ケースとを有する縫製装置において、刺繍縫製中に、本体ケースと分割ケースの隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを防止すること、布保持枠に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを防止すること、更に、左右駆動機構等の損傷を防止すること、左右駆動機構を小型化しその製作コストを安価にすること、駆動される分割ケースのガタツキを極力防止すること、等である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の縫製装置は、本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、前記第1方向駆動機構で駆動される連結部材に連結され且つ分割ケース内に設けられた支持フレームに、分割ケースを第1方向へ所定ストローク移動自在に支持する支持機構と、前記支持フレームに対して分割ケースを本体ケースに接近する方向へ付勢する付勢部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
分割ケースは、支持機構により支持フレームに第1方向へ所定ストローク移動自在に支持され、付勢部材により支持フレームに対して本体ケースに接近する方向へ付勢されている。従って、通常時の分割ケースは、支持フレームに対して本体ケースから離隔する方向へ前記所定ストローク移動可能な位置にある。
第1方向駆動機構により分割ケースとともに布保持枠が第1方向へ駆動され、第2方向駆動機構により布保持枠が第2方向へ駆動され、縫製手段と協働して布保持枠に保持された加工布に刺繍縫製が施される。付勢部材としては、刺繍縫製中、第1方向駆動機構で分割ケースが第1方向へ駆動されても、分割ケースを支持フレームに対して相対移動させない付勢力を有するものが適用される。
【0010】
刺繍縫製中、第1方向駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まると、支持フレームは本体フレームに接近する方向へ移動するが、分割ケースは付勢部材の付勢力に抗して支持フレームに対して相対移動するので、例えば、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを防止でき、更に、分割ケースが無理に駆動されないため第1方向駆動機構等の損傷を防止できる。尚、本体ケースと分割ケースの間の隙間に異物が挟まれることを想定した場合、前記所定ストロークを10〜20mmにするのが望ましい。
【0011】
請求項2の縫製装置は、請求項1の発明において、前記分割ケースが付勢部材の付勢力に抗して支持フレームに対して相対移動したのを検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基いて、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるように第1方向駆動機構を駆動制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0012】
刺繍縫製中、第1方向駆動機構により、分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まり、支持フレームに対して分割ケースが付勢部材の付勢力に抗して相対移動すると、検出手段により分割ケースが相対移動したのが検出され、検出手段からの検出信号に基いて、制御手段により第1方向駆動機構が駆動制御され、分割ケースが本体ケースから離隔する方向へ移動駆動される。従って、本体ケースと分割ケースの隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを確実に防止でき、また、布保持枠に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを防止できる。その他請求項1と同様の作用を奏する。
【0013】
請求項3の縫製装置は、本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、前記本体ケースと分割ケースの一方に設けられ、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを検出する感圧式検出手段と、前記感圧式検出手段からの検出信号に基いて、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるように第1方向駆動機構を駆動制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
刺繍縫製中、第1方向駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、感圧式検出手段により、本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まったことが検知されると、感圧式検出手段からの検出信号に基いて、制御手段により第1方向駆動機構が駆動制御され、分割ケースが本体ケースから離隔する方向へ移動駆動される。従って、本体ケースと分割ケースの隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを確実に防止でき、また、布保持枠に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを確実に防止でき、更に、分割カバー無理に駆動されないため第1方向駆動機構等の損傷を防止できる。
【0015】
請求項4の縫製装置は、請求項3の発明において、前記感圧式検出手段は、本体ケースと分割ケースの相対向する対向側端部に沿って設けられた多点検知型感圧スイッチであることを特徴とするものである。それ故、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを確実に検知することができる。その他請求項3と同様の作用を奏する。
【0016】
請求項5の縫製装置は、請求項2〜4の何れか1項の発明において、前記制御手段は、前記検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断することを特徴とするものである。従って、刺繍縫目が乱れるのを防止できるとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。その他請求項2〜4の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0017】
請求項6の縫製装置は、請求項2〜5の何れか1項の発明において、前記制御手段は、前記検出信号に基いて縫製動作を中止させることを特徴とするものである。従って、刺繍縫目が乱れるのをより確実に防止することができる。その他請求項2〜5の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0018】
請求項7の縫製装置は、請求項2〜4の何れか1項の発明において、前記制御手段は、前記検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間から物体を除去可能なストロークだけ、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させることを特徴とするものである。従って、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を確実に除去できるとともに、その物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。その他請求項2〜4の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0019】
請求項8の縫製装置は、本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、前記本体ケースと分割ケースの一方に設けられ、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
刺繍縫製中、第1方向駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、検出手段により本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まったことが検出されると、検出手段からの検出信号に基いて、制御手段は第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するため、刺繍縫目が乱れるのを防止できるとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。
【0021】
請求項9の縫製装置は、請求項8の発明において、前記制御手段は、前記検出信号に基いて縫製動作を中止させることを特徴とするものである。従って、刺繍縫目が乱れるのをより確実に防止することができる。その他請求項8と同様の作用を奏する。
【0022】
請求項10の縫製装置は、本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、前記本体ケースと分割ケースの一方に設けられ、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを検出する検出手段と、前記検出信号からの検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間から物体が除去可能なストロークだけ、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させる制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
刺繍縫製中、第1方向駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、検出手段により本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まったことが検出されると、検出手段からの検出信号に基いて、制御手段は第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するとともに、制御手段により第1方向駆動機構が駆動制御され、分割ケースが本体ケースから離隔する方向へ、本体ケースと分割ケースとの間の隙間から物体が除去可能なストロークだけ移動駆動される。従って、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を確実に除去できるとともに、その物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。
【0024】
請求項11の縫製装置は、本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、前記本体ケースと分割ケースとの間の少なくとも上面側と前面側の隙間を塞ぐ伸縮可能なカバー部材を設けたことを特徴とするものである。
【0025】
前記本体ケースと分割ケースとの間の少なくとも上面側と前面側の隙間を塞ぐ伸縮可能なジャバラ状のカバー部材を設けたので、分割ケースの第1方向への移動を許容して、本体ケースと分割ケースとの間の少なくとも上面側と前面側の隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥ったり、布保持枠の加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを未然に防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施例は、着脱自在に装着される刺繍装置を備えた家庭用の比較的小型のミシンに、本発明を適用した場合の一例である。
【0027】
刺繍装置1は、図1に示すように、ミシン収納時には鉛直姿勢にしてミシンMのアーム部5等を覆うカバーとして使用でき、図2に示すように、通常縫製時には水平姿勢にしてミシンMのベッド部3に装着しベッド面11を拡張する補助ベッドとして使用でき、図3、図4に示すように、ミシンMのベッド部3に装着した状態で、着脱自在に装着された布保持枠34を前後左右に駆動し、ミシンMの縫製手段と協働して刺繍縫製できるように構成してある。
【0028】
最初に、ミシンMについて図1〜図4を参照して説明する。
ミシンMのベッド部3の上面部には、その左端及び前後両端に段落ち部10が形成され、段落ち部10以外の上面がベッド面11に形成されている。ベッド部3の左部には、袖口等の筒物を縫製する為のフリーアーム部12が、ベース部13の上側に間隙13aを空けて片持ち状に設けられている。尚、ベッド部3には、通常縫製時に布を前後方向へ送る為の送り歯、送り歯を上下動させる送り歯上下動機構、送り歯を前後動させる送り歯前後動機構等が設けられている。
【0029】
前記間隙14の右端部にはコネクタ14が設けられ、刺繍装置1をベッド部3に装着すると、このコネクタ14と刺繍装置1側のコネクタ35とが接続されて、刺繍装置1に設けられた左右駆動機構32のステッピングモータ60と、前後駆動機構33のステッピングモータ80と、検出スイッチ92等が、ミシンMの制御装置Cに電気的に接続される(図11参照)。
【0030】
ミシンMの脚柱部4の前面部には、縫製模様や種々のメッセージを表示可能な液晶ディスプレイ16と、所望の縫製模様等を選択編集する為のテンキーからなる模様選択編集キー17と、刺繍縫製を開始する為の開始キー18及び中断する為の中断キー19及び再開させる為の再開キー20等が設けられている。尚、脚柱部4の右端部のカード用スロット(図示略)から、多数の刺繍模様の刺繍データ等を格納したROMカード21(図11参照)を挿入し制御装置Cに電気的に接続して使用することが可能である。
【0031】
ミシンMのアーム部5の頭部22には、下端部に縫針23を着脱可能に装着した針棒24が、針棒駆動機構(図示略)により上下動可能に、針棒揺動機構(図示略)により左右へ揺動可能に支持されている。頭部22の前面部には通常縫製の起動と停止を指令する為の起動・停止スイッチ25が設けられている。尚、針棒24の近傍には布押え足(図示略)が取外し可能に設けられている。
【0032】
尚、図示していないが、アーム部5内には、前記針棒駆動機構と針棒揺動機構の他に、天秤を駆動する天秤駆動機構等が設けられ、前記送り歯上下動機構と針棒駆動機構と天秤駆動機構とはミシンモータ26で駆動され、針棒揺動機構は針棒揺動用ステッピングモータ27で駆動され、送り歯前後動機構は送り歯駆動用ステッピングモータ28で駆動される(図11参照)。
【0033】
刺繍装置1について説明する。但し、水平姿勢にしてミシンMのベッド部3に装着可能な姿勢の刺繍装置1の前後左右を前後左右として説明する。
【0034】
図1〜図5に示すように、刺繍装置1は、本体ケース30と、本体ケース30の左端側に対向状に配設される分割ケース31と、本体ケース30内に設けられ分割ケース31を左右へ駆動する左右駆動機構32(第1方向駆動機構に相当する)と、分割ケース31内に設けられ且つ着脱自在に装着される布保持枠34を前後へ駆動する前後駆動機構33(第2方向駆動機構に相当する)等を有する。
【0035】
本体ケース30は上壁40と下壁41と前壁42からなり、その後側と左右両側が開放している。上壁40の前後方向中央部分には、右端開放状の切欠き開口43が形成され、刺繍装置1がミシンMのベッド部3に装着された状態で、この切欠き開口43がベッド部3の段落ち部10に係合し、上壁40の上面とミシンMのベッド面11とが連なり、水平作業面が形成される。
【0036】
分割ケース31は上壁45と下壁46と前壁47と左側壁48からなり、その後側と右側が開放している。分割ケース31は、本体ケース30の約1/5の左右長と同じ前後幅及び高さを有し、その右端部が本体ケース30の左端部に接触した状態で、上壁45の上面が本体ケース30の上壁40の上面に連なり、前記水平作業面の一部が形成される。上壁45と左側壁48の交差部には、布保持枠34を前後駆動機構33に装着する為の前後に長い開口49が形成されている。
【0037】
左右駆動機構32について説明する。
図6、図7に示すように、左右駆動機構32は、本体ケース30内の後端部分に設けられ、本体ケース30の下壁41に固定された左右に長い水平の支持フレーム50、支持フレーム50の左右両端の鉛直部50a,50bに両端部が固着された左右に長いロッド51、支持フレーム50のガイド部50cとロッド51に左右方向へ移動自在にガイド支持された可動フレーム52、可動フレーム52を左右へ駆動する駆動機構53、可動フレーム52と前後駆動機構33の支持フレーム70とを連結するプレート状の連結部材54等を有する。
【0038】
駆動機構53は、ステッピングモータ60と、ステッピングモータ60の出力軸に固着の駆動ギヤ61と、ギヤ62〜64と、駆動プーリ65及び従動プーリ66と、駆動プーリ65と従動プーリ66とに掛装された無端状のタイミングベルト67を有する。ステッピングモータ60とギヤ62〜64とプーリ65,66は支持フレーム50に装着されている。
【0039】
可動フレーム52に固着の連結片68の前端部に、タイミングベルト67の一部分が固定的に連結され、ステッピングモータ60が駆動されると、ギヤ61〜64、プーリ65,66、タイミングベルト67、連結片68を介して、可動フレーム52とともに連結部材54が左右へ駆動される。尚、連結片68の後端部が支持フレーム50のガイド部50cにガイド支持されている。また、可動フレーム52の原点位置を検出する原点位置検出スイッチ60a(図11参照)が設けられている。
【0040】
前後駆動機構33について説明する。
図6、図8〜図10に示すように、前後駆動機構33は、左右駆動機構32の連結部材54の左端部に連結された且つ分割ケース31内に設けられた前後に長い鉛直の支持フレーム70、支持フレーム70の前後両端の鉛直部70a,70bに両端部が固着された前後に長いロッド71、支持フレーム70のガイド部70cとロッド71に前後方向へ移動自在にガイド支持された可動フレーム72、可動フレーム72を前後へ駆動する駆動機構73等を有する。
【0041】
駆動機構73は、ステッピングモータ80と、ステッピングモータ80の出力軸に固着の駆動ギヤ81と、ギヤ82〜84と、駆動プーリ85及び従動プーリ86と、駆動プーリ85と従動プーリ86とに掛装された無端状のタイミングベルト87を有する。ステッピングモータ80とギヤ82〜84とプーリ85,86は支持フレーム70に装着されている。
【0042】
可動フレーム72に固着の連結片88の下端部に、タイミングベルト87の一部分が固定的に連結され、ステッピングモータ80が駆動されると、ギヤ81〜84、プーリ85,86、タイミングベルト87、連結片88を介して、可動フレーム72が前後へ駆動される。尚、連結片88の上端部が支持フレーム70のガイド部70cにガイド支持されている。また、可動フレーム72の原点位置を検出する原点位置検出スイッチ80a(図11参照)が設けられている。
【0043】
分割ケース31は、支持機構90により、支持フレーム70に左右方向へ所定ストローク移動自在に支持され、1対の圧縮コイルバネ91(付勢部材)により、支持フレーム70に対して本体ケース30に接近する右方向へ付勢されている。また、分割ケース31の左側壁48と支持フレーム70の間には、分割ケース31が圧縮コイルバネ91付勢力に抗して支持フレーム70に対して左方へ相対移動したのを検出する検出スイッチ92が設けられている。
【0044】
支持機構90について説明すると、分割ケース31の左側壁48の内面部に、右方へ突出する前後1対の突出部93と、突出部93から右方へ延び突出部93より小径のボス部94が一体形成され、これらボス部94に、支持フレーム70の前後の鉛直部95に形成された1対の孔部96が摺動自在に外嵌され、各ボス部94の右端部に庇97を当接させ、ボルト98で締結することにより、分割ケース31が左右へ所定ストローク移動自在に支持されている。
【0045】
圧縮コイルバネ91は、支持フレーム70の鉛直部95と庇97の間において、ボス部94に外装され、分割ケース31が支持フレーム70に対して本体ケース30に接近する右方向へ付勢されている。従って、通常時の分割ケース31は、支持フレーム70に対して本体ケース30から離隔する左方向へ前記所定ストローク移動可能な位置にある。
【0046】
検出スイッチ92は、コネクタ35に電気的に接続された1対の検出片92a,92bを有する。これら検出片92a,92bは、連結部材99aを介して支持フレーム70に支持された保持部材99に保持され、図9に示すように、通常時の検出片92aは分割ケース31の左側壁48に押されて検出片92bに接触している。図10に示すように、分割ケース31が検出スイッチ92に対して左方へ移動すると、検出片92aが検出片92bから離隔し、分割ケース31が圧縮コイルバネ91の付勢力に抗して支持フレーム70に対して左方へ相対移動したことが検出される。
【0047】
ここで、布保持枠34について説明すると、図5、図6に示すように、布保持枠34は、布をピンと張った状態で保持可能な保持部100 と、保持部100 から左方へ延びるバー101 と、バー101 の先端部に固着され下方へ延びる鉛直の連結片102 を有し、連結片102 が分割ケース31の開口49から挿入され、その下端の連結孔103 が前後駆動機構33の可動フレーム72の上端の連結部104 に連結解除可能に連結される。尚、加工布は、布保持分割100 に布を挟着する為の着脱枠(図示略)を介して布保持部100 に装着される。
【0048】
次に、ミシンMの制御装置Cを含む制御系について説明する。
図11に示すように、制御装置Cは、CPU110 、CPU110 にデータバスなどのバス113 を介して接続されたROM111 、RAM112 、入力インターフェース114 、出力インターフェース115 等で構成されている。
【0049】
入力インターフェース114 には、起動・停止スイッチ25、開始キー18、中断キー19、再開キー20,模様選択編集キー17、タイミング信号発生器116 が接続され、刺繍装置1をベッド部3に装着した状態では、コネクタ14,35を介して刺繍装置1の検出スイッチ92と原点位置検出スイッチ60a,80aが接続される。多数の模様についての模様データ等を格納しいてるROMカード21は前記カード用スロットに装着されて入力インターフェース114 に接続される。
【0050】
出力インターフェース115 には、ミシンモータ26、針棒揺動用ステッピングモータ27、送り歯駆動用ステッピングモータ28、ディスプレイ(LCD)16用のディスプレイコントローラ(LCDC)117 が接続され、刺繍装置1をベッド部3に装着した状態では、コネクタ14,35を介して刺繍装置1のステッピングモータ60,80が接続される。尚、前記タイミング信号発生器116 は、ミシンモータ26で回転されるミシン主軸に接近して設けられ、針上位置や針下糸等を含む各種のタイミング信号を発生する。出力インターフェース115 には、ミシンモータ26の為の駆動回路、針棒揺動用ステッピングモータ27の為の駆動回路、送り歯駆動用ステッピングモータ28の為の駆動回路を有する。
【0051】
制御装置CのROM111 には、複数の縫製データを含む模様データ、縫製データに基いてモータ26〜28,60,80を駆動制御するプログラム、刺繍模様を選択編集するプログラム、前記検出スイッチ92からの検出信号に基いて、縫製動作を中止させ、分割ケース31を本体ケース30から離隔する左方向へ移動させるようにステッピングモータ60,80を駆動制御するとともに、駆動機構32,33を作動させる為の縫製データの読込み中断させるプログラム等が格納されている。RAM112 には、前記制御に必要な種々のポインタやカウンタやフラグメモリやバッファとCPU110 で演算処理した演算結果を一時的に格納する種々のメモリ等が設けられている。
【0052】
次に、この制御装置Cにより実行される刺繍縫製制御について、図12のフローチャートに基いて説明する。但し、図中のSi(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す。
【0053】
電源投入によりこの制御が開始され、初期設定(S1)後、先ず、刺繍模様選択編集処理が実行される(S2)。この刺繍模様選択編集処理においては、ユーザーによる模様選択編集キー17のキー操作により、制御装置CのROM111 又はROMカード21に格納されている多数の刺繍模様の中から所望の模様が選択編集される。
【0054】
その後、開始キー18がONされると(S3;Yes)、S2の刺繍模様選択編集処理で選択編集された模様の縫製データがRAM112 に格納され(S4)、その縫製データの複数の針落ちデータのうちの第1針落ちデータのアドレスにポインタPが設定され(S5)、続いて、P番目の針落ちデータが読込まれ、その針落ちデータに基いて縫製処理が実行される(S6)。
【0055】
その後、縫製終了でなく(S7;No )、中断キー19がONでないときには(S8;No )、S9において検出スイッチ92がONか否か判定される。検出スイッチ92がONのとき(S9;Yes)、つまり本体ケース30と分割ケース31の間に物体が挟まっているときには、モータ26〜28,60,80の駆動を停止して縫製動作を中止し(S10)、その後、分割ケース離隔処理が実行される(S11)。
【0056】
S11の分割ケース離隔処理においては、左右駆動機構32のステッピングモータ60が駆動制御され、本体ケース30と分割ケース31との間の隙間から物体を除去可能なストロークだけ、分割ケース31が本体ケース30から離隔する方向へ移動駆動され、その後、物体を除去し再開キー20をONする旨のメッセージをディスプレイ16に表示する(S12)。
【0057】
次に、再開キー20がONされず(S13;No )、縫製終了のときには(S14;Yes)、リターンする。検出スイッチ92がONでないとき(S9;No )、又は、再開キー20がONのときには(S13;Yes)、Pがインクリメントされた後(S15)、S6以降が繰返し実行される。但し、分割ケース離隔処理後、再開キー20がONされたときには、分割ケース31が前記の縫製動作中止位置に復帰した後、S6以降が実行される。
【0058】
中断キー19がONのときには(S8;Yes)、モータ26〜28,60,80の駆動を停止して縫製動作を中止し(S16)、S13以降が実行される。また、縫製終了でないときには(S14;No )、S12へリターンする。
【0059】
この刺繍装置1の作用・効果について説明する。
分割ケース31は、支持機構90により支持フレーム70に左右へ所定ストローク移動自在に支持され、1対の圧縮コイルバネ91により支持フレーム70に対して本体ケース30に接近する右方へ付勢されている。従って、図9に示すように、通常時の分割ケース31は、支持フレーム70に対して本体ケース30から離隔する左方へ前記所定ストローク移動可能な位置にある。
【0060】
図3、図4に示すように、左右駆動機構32により分割ケース31とともに布保持枠34が左右へ駆動され、前後駆動機構33により布保持枠34が前後へ駆動され、ミシンMの縫製手段と協働して布保持枠34に保持された加工布に刺繍縫製が施される。圧縮コイルバネ91においては、刺繍縫製中、左右駆動機構32で分割ケース31が左右へ駆動されても、分割ケース31を支持フレーム70に対して相対移動させない付勢力を有するものが適用される。
【0061】
刺繍縫製中、左右駆動機構32により分割ケース31が本体ケース30に接近する方向へ駆動されるときに、図10に示すように、本体ケース30と分割ケース31の間の隙間に物体が挟まると、支持フレーム70は本体フレーム30に接近する右方へ移動するが、分割ケース31は圧縮コイルバネ91の付勢力に抗して支持フレーム70に対して左方へ相対移動するので、例えば、本体ケース30と分割ケース31の間に異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを防止できる。
【0062】
更に、検出スイッチ92により、分割ケース31が支持フレーム70に対して左方へ相対移動したのが検出され、検出スイッチ92からの検出信号に基いて、左右駆動機構32のステッピングモータ60が駆動制御され、分割ケース31が本体ケース30から離隔する左向へ移動駆動されるので、本体ケース30と分割ケース31の間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを確実に防止できるとともに、布保持枠34に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを防止できる。また、分割ケース31が無理に駆動されないため左右駆動機構32等の損傷を防止できる。
【0063】
その結果、分割ケース31の左右移動ストロークを小さくすることができるため、左右駆動機構32が小型化しその製作コストも安価になり、左右駆動機構32で駆動される分割ケース31のガタツキも極力防止することができる。
【0064】
更に、検出スイッチ92からの検出信号に基いて、左右駆動機構32と前後駆動機構33を作動させる為の縫製データの読込みを中断し、モータ26〜28,60,80の駆動を停止して縫製動作を中止するので、刺繍縫目が乱れるのを確実に防止できるとともに、本体ケース30と分割ケース31との間の隙間に挟まった物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることができる。
【0065】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同じものには同一符号を付して説明する。
【0066】
第1別実施形態・・・図13、図14参照
第1別実施形態の刺繍装置1Aは、前記実施形態の枢支機構90、圧縮コイルバネ91、検出スイッチ92を省略し、分割ケース31の右端部に、本体ケース30と分割ケース31との間の隙間に物体が挟まったことを検出する感圧式検出スイッチ122 を設けたものである。つまり、支持フレーム70の前後1対の鉛直部95が分割ケース31の左側壁48の前後1対の突出部93にボルト98により固定されている。
【0067】
分割ケース31の上面側と前面側の右端部には、L型のスイッチ取付け枠120 が嵌合にて固着され、スイッチ取付け枠120 の鉛直面部121 に、L型の感圧式検出スイッチ122 が装着されている。それ故、本体ケース30と分割ケース31の間の隙間の上面側と前面側に物体が挟まったことを確実に検出することができ、その検出信号に基いて、左右駆動機構32のステッピングモータ60が駆動制御され、分割ケース31が本体ケース30から離隔する左向へ移動駆動されるので、本体ケース30と分割ケース31の間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを確実に防止できるとともに、布保持枠34に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを防止できる。
【0068】
尚、分割ケース31の上面側と前面側の右端部の代わりに、本体ケース30の上面側と前面側の左端部に、スイッチ取付け枠を介して感圧式検出スイッチを装着してもよい。また、分割ケース31又は本体ケース30の上面側と前面側に加えて下面側にも、スイッチ取付け枠を介して感圧式検出スイッチを装着してもよい。
【0069】
第2別実施形態・・・図15、図16参照
第2別実施形態の刺繍装置1Bは、前記実施形態の枢支機構90、圧縮コイルバネ91、検出スイッチ92を省略し、本体ケース30Bと分割ケース31Bとの間の上面側と前面側と背面側の隙間を塞ぐ伸縮可能なカバー部材130 を設けたものである。つまり、支持フレーム70は分割ケース31Bの左側壁48に固定されている。
【0070】
従って、この刺繍装置1Bにおいては、分割ケース31Bの左右方向への移動を許容して、本体ケース30Bと分割ケース31Bとの間の上面側と前面側と背面側の隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥ったり、布保持枠の加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを未然に防止することができる。尚、本体ケース30Bと分割ケース31Bとの間の背面側の隙間のカバー部材130 を省略してもよい。
【0071】
その他、前記メイン実施形態及び第1別実施形態において、本体ケース30と分割ケース31の間の隙間の上面側と前面側に物体が挟まったことを検出した際に、縫製動作を中止するだけで、分割ケース31を本体ケース30から離隔する方向へ移動させないようにしてもよい。即ち、図12のフローチャートにおいて、S11の分割ケース離隔処理を省略してもよい。
【0072】
上述した実施の形態においては、ミシンMに着脱式の刺繍装置1について説明したが、刺繍装置1の一部が接近・離隔するタイプの刺繍装置であれば、ミシンMに一体式の刺繍装置であってもよい。また、上述した実施形態においては、刺繍装置1がミシンMの左方に配置されるが、ミシンMの後方であってもよい。
【0073】
また、上述したミシンMにおいては、刺繍装置1の左右方向を第1方向とし、前後方向を第2方向としているが、互いに直交しているのであれば、刺繍装置1の布保持枠を取付ける部分が左右に移動してもよい(前後と左右とが入替わる)。更に、第1方向と第2方向との交差角度が90度以外であっても互いに直交する方向の移動成分を有している構成で布保持枠を移動するのであれば、厳密に直交である必要もなく、その直交との相違を演算により補正して所望の形状を形成すればよい。
【0074】
尚、本発明に係る縫製装置は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加して、前記実施形態の刺繍装置を備えたものに限らず、刺繍縫製可能な種々のミシンに適用することができる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の縫製装置によれば、第1方向駆動機構で駆動される連結部材が連結され且つ分割ケース内に設けられた支持フレームに、分割ケースを第1方向へ所定ストローク移動自在に支持する支持機構と、支持フレームに対して分割ケースを本体ケースに接近する方向へ付勢する付勢部材とを設けたので、第1方向駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まれても、分割ケースは付勢部材の付勢力に抗して支持フレームに対して相対移動する。
【0076】
従って、刺繍縫製中に、本体ケースと分割ケースの間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを防止でき、更に、分割カバーが無理に駆動されないため第1方向駆動機構等の損傷を防止することができる。その結果、分割ケースの第1方向への移動ストロークを小さくすることができるため、第1方向駆動機構が小型化しその製作コストも安価になり、第1方向駆動機構で駆動される分割ケースのガタツキも極力防止することができる。
【0077】
請求項2の縫製装置によれば、請求項1と同様の効果を奏するが、分割ケースが付勢部材の付勢力に抗して支持フレームに対して相対移動したのを検出する検出手段と、検出手段からの検出信号に基いて、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるように第1方向駆動機構を駆動制御する制御手段を設けたので、本体ケースと分割ケースの隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを確実に防止でき、布保持枠に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを確実に防止することができる。
【0078】
請求項3の縫製装置によれば、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを検出する感圧式検出手段と、感圧式検出手段からの検出信号に基いて、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるように第1方向駆動機構を駆動制御する制御手段とを設けたので、刺繍縫製中、本体ケースと分割ケースの隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥るのを確実に防止でき、布保持枠に保持された加工布が挟まって刺繍縫目が乱れるのを防止でき、更に、分割カバーが無理に駆動されないため第1方向駆動機構等の損傷を防止できる。その結果、分割ケースの第1方向への移動ストロークを小さくすることができるため、左右駆動機構が小型化しその製作コストも安価になり、第1方向駆動機構で駆動される分割ケースのガタツキも極力防止することができる。
【0079】
請求項4の縫製装置によれば、請求項3と同様の効果を奏するが、感圧式検出手段は、本体ケースと分割ケースの相対向する対向側端部に沿って設けられた多点検知型感圧スイッチであるので、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを確実に検知することができる。
【0080】
請求項5の縫製装置によれば、請求項2〜4の何れか1項と同様の効果を奏するが、前記制御手段は、前記検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するので、刺繍縫目が乱れるのを防止できるとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。
【0081】
請求項6の縫製装置によれば、請求項2〜5の何れか1項と同様の効果を奏するが、前記制御手段は、前記検出信号に基いて縫製動作を中止させるので、刺繍縫目が乱れるのをより確実に防止することができる。
【0082】
請求項7の縫製装置によれば、請求項2〜4の何れか1項と同様の効果を奏するが、前記制御手段は、前記検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間から物体を除去可能なストロークだけ、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるので、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を確実に除去できるとともに、その物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。
【0083】
請求項8の縫製装置によれば、刺繍縫製中、第1方向駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まっても、制御手段が第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するため、刺繍縫目が乱れるのを防止できるとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。その結果、分割ケースの第1方向への移動ストロークを小さくすることができるため、第1方向駆動機構が小型化しその製作コストも安価になり、第1方向駆動機構で駆動される分割ケースのガタツキも極力防止することができる。
【0084】
請求項9の縫製装置によれば、請求項8と同様の効果を奏するが、前記制御手段は、前記検出信号に基いて縫製動作を中止させるので、刺繍縫目が乱れるのをより確実に防止することができる。
【0085】
請求項10の縫製装置によれば、刺繍縫製中、第1方向駆動機構により分割ケースが本体ケースに接近する方向へ駆動されるときに、検出手段により本体ケースと分割ケースの間の隙間に物体が挟まっても、前記制御手段は、前記検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間から物体を除去可能なストロークだけ、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるので、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に挟まった物体を確実に除去できるとともに、その物体を除去した後、刺繍縫製を再開させることが可能になる。その結果、分割ケースの第1方向への移動ストロークを小さくすることができるため、第1方向駆動機構が小型化しその製作コストも安価になり、第1方向駆動機構で駆動される分割ケースのガタツキも極力防止することができる。
【0086】
請求項11の縫製装置によれば、本体ケースと分割ケースとの間の少なくとも上面側と前面側の隙間を塞ぐ伸縮可能なカバー部材を設けたので、分割ケースの左右移動を許容して、本体ケースと分割ケースとの間の少なくとも上面側と前面側の隙間に、異物が挟まれて縫製に不都合な状態に陥ったり、また、布保持枠の加工布が挟まって刺繍縫製が失敗するのを未然確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るミシン(収納時)の斜視図である。
【図2】ミシン(通常縫製時)の斜視図である。
【図3】ミシン(刺繍縫製時)の斜視図である。
【図4】ミシン(刺繍縫製時)の斜視図である。
【図5】刺繍装置の斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【図8】図6のVIII− VIII 線断面図である。
【図9】図6のIX−IX線断面図である。
【図10】隙間に物体が挟まった状態の図9に対応する図である。
【図11】制御系のブロック図である。
【図12】刺繍縫製制御のフローチャートである。
【図13】第1別実施形態に係る分割ケースの横断面図である。
【図14】第1別実施形態に係る分割ケースの斜視図である。
【図15】第2別実施形態に係る本体ケースと分割ケースの横断面図である。
【図16】第2別実施形態に係る本体ケースと分割ケースの横断面図である。
【符号の説明】
M 刺繍ミシン
1,1A,1B 刺繍装置
30,30B 本体ケース
31,31B 分割ケース
32 左右駆動機構
33 前後駆動機構
34 布保持枠
54 連結部材
70 支持フレーム
90 支持機構
91 圧縮コイルバネ
92 検出スイッチ
122 多点検知型感圧スイッチ
130 カバー部材

Claims (11)

  1. 本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、
    前記第1方向駆動機構で駆動される連結部材に連結され且つ分割ケース内に設けられた支持フレームに、分割ケースを第1方向へ所定ストローク移動自在に支持する支持機構と、
    前記支持フレームに対して分割ケースを本体ケースに接近する方向へ付勢する付勢部材と、
    を備えたことを特徴とする縫製装置。
  2. 前記分割ケースが付勢部材の付勢力に抗して支持フレームに対して相対移動したのを検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基いて、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるように第1方向駆動機構を駆動制御する制御手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の縫製装置。
  3. 本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、
    前記本体ケースと分割ケースの一方に設けられ、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを検出する感圧式検出手段と、
    前記感圧式検出手段からの検出信号に基いて、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させるように第1方向駆動機構を駆動制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする縫製装置。
  4. 前記感圧式検出手段は、本体ケースと分割ケースの相対向する対向側端部に沿って設けられた多点検知型感圧スイッチであることを特徴とする請求項3に記載の縫製装置。
  5. 前記制御手段は、前記検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の縫製装置。
  6. 前記制御手段は、前記検出信号に基いて縫製動作を中止させることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の縫製装置。
  7. 前記制御手段は、前記検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間から物体を除去可能なストロークだけ、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の縫製装置。
  8. 本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、
    前記本体ケースと分割ケースの一方に設けられ、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを検出する検出手段と、
    前記検出手段からの検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする縫製装置。
  9. 前記制御手段は、前記検出信号に基いて縫製動作を中止させることを特徴とする請求項8に記載の縫製装置。
  10. 本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、
    前記本体ケースと分割ケースの一方に設けられ、本体ケースと分割ケースとの間の隙間に物体が挟まったことを検出する検出手段と、
    前記検出信号からの検出信号に基いて第1又は第2方向駆動機構を作動させる為の縫製データの読込みを中断するとともに、本体ケースと分割ケースとの間の隙間から物体が除去可能なストロークだけ、分割ケースを本体ケースから離隔する方向へ移動させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする縫製装置。
  11. 本体ケースと、この本体ケースの端部側に対向状に配設される分割ケースと、分割ケースを第1方向へ駆動する第1方向駆動機構と、着脱自在に装着される布保持枠を第1方向と直交する第2方向へ駆動する第2方向駆動機構とを備えた縫製装置において、
    前記本体ケースと分割ケースとの間の少なくとも上面側と前面側の隙間を塞ぐ伸縮可能なカバー部材を設けたことを特徴とする縫製装置。
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