JP3826099B2 - 温度センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属酸化物などの半導体からなるサーミスタや金属抵抗体等を感温素子として備える温度センサに関する。更に詳しくは、自動車の排気ガス浄化装置の触媒コンバータ内部や排気管内等といった被測定流体(例えば排気ガス)が流通する流通路内に素子を配置し、被測定流体の温度検出を行う温度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気管(流通管)に装着され、排気ガス通路(流通路)内を流れる排気ガス(被測定流体)の温度を感温素子であるサーミスタ素子によって検出する温度センサ、いわゆる排気温センサが知られている。そして、この種の温度センサとして、サーミスタ素子を収納した金属チューブをフランジに固定した構造の温度センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−266609号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような金属チューブを備える温度センサでは、通常、金属管の先端部をカーリングした後、中心部に残る孔を溶接により塞いで形成した底壁部を有する金属チューブが使用される。しかし、金属チューブの底壁部を上述のように溶接により塞いで形成したのでは、溶接部自身がその他の金属チューブ(管壁)の厚さよりも厚くなってしまう。一方、通常の温度センサでは、排気管内の排気ガス温度を精度良く検出すべく、サーミスタ素子を金属チューブの底壁部側に近付けて配置させる構造が採用される。そのために、上述した金属チューブを備える温度センサでは、サーミスタ素子近傍に位置する溶接部(底壁部)の肉厚が他の部分の肉厚よりも厚いことに起因して、サーミスタ素子近傍に位置する金属チューブ先端側の受熱に偏りを生じ易く、センサ自身の応答性が低下して温度測定精度の低下を招くことがあった。
【0005】
また、金属チューブの底壁部に上記溶接部が存在する場合には、温度センサ自体を排気管に装着したときに、上記溶接部が排気ガス流通路内といった高温(200〜1000℃程度)環境下に直接晒されるため、長期間の使用に伴い酸化してしまうことがある。そして、この溶接部の外面はもとより内面までが酸化されると、金属チューブ内の酸素濃度が著しく低下し、感温素子の表面が還元される等の理由で同感温素子の特性変化を生ずることに繋がる。
【0006】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するものであり、センサ自身の応答性に優れ、感温素子が収納された金属チューブ内部の酸素濃度の低下による当該感温素子の特性変化を抑制可能な温度センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
その解決手段は、内孔を有するフランジと、フランジの内孔内に圧入固定されるとともに、先端側に底壁部を有する有底筒状の金属チューブと、金属チューブの先端側内部に収納され、温度によって電気的特性が変化する感温素子とを備える温度センサであって、底壁部を含む前記金属チューブ全体が金属板の深絞り加工により形成されていると共に、固溶化熱処理がなされており、金属チューブのうちで、底壁部を含む感温素子近傍の厚さが、フランジに圧入固定されている部分の厚さよりも薄く形成されている温度センサである。
【0008】
本発明の温度センサにおいて注目すべきことは、感温素子を収納するための金属チューブ全体が、金属板の深絞り加工により形成されていることである。
【0009】
このように深絞り加工により底壁部を含む金属チューブ全体を形成した本発明の温度センサにおいては、底壁部に溶接部が存在しない。そのため、底壁部を含む感温素子近傍の金属チューブの厚さは、従来のように歪まず、略一定に形成される。したがって、本発明の温度センサでは、感温素子近傍に位置する金属チューブ先端側の受熱に偏りが生じ難く、センサ自身の応答性を従来に比して高めることができる。
【0010】
また、本発明の温度センサでは、金属チューブ先端側に当該金属チューブを閉塞するための溶接部が存在しないので、温度センサ自体を被測定流体が流れる流通管に装着したときに、従来のように酸化が生じて、溶接部にて生じて感温素子の特性変化を来たすといったおそれがない。そのため、本発明の温度センサは、自動車の触媒コンバータ内部、或いは排気管内等の高温雰囲気の温度検知を行う温度センサとして好適に用いることができる。
【0011】
深絞り加工に用いられる金属板としては、十分な強度及び耐熱性等を有しておれば特に限定されず、プレス成形加工に一般に用いられる圧延鋼板及び帯鋼等を使用することができる。また、深絞り加工に用いる金属板の材質としては、耐熱性、耐腐食性等の観点から、ステンレス鋼板またはインコネル鋼板を用いることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の温度センサでは、感温素子を収納する金属チューブとフランジとを圧入により固定している。ところで、金属チューブをフランジの内孔に圧入する場合、圧入時のフランジとの間の摩擦抵抗によってチューブ自体に変形が生じないように、金属チューブの厚さを厚くしておくことが好ましい。しかし、金属チューブ全体の厚さを厚くしたのでは、サーミスタ素子近傍に位置する金属チューブ先端側の厚みまでも厚くなるため、センサ自身の応答性の向上を図る観点からは好ましいものとは言い難い。
【0014】
そこで、本発明の温度センサでは、金属チューブのうちで底壁部を含む感温素子近傍の厚さを、フランジに圧入固定されている部分の厚さよりも薄く形成しているのである。なお、本発明においても、金属板の深絞り加工により、金属チューブ全体の肉厚を上述したように形成することができる。通常、金属板の深絞り加工は、ポンチとダイス型からなる絞り型を複数準備し、各絞り型を用いて段階的に絞りを加えていくことで行われるものであるが、その絞りを加えていく過程で、ダイス型の形状(ポンチとの間で金属板を挟む部分の形状)或いはポンチの形状(ダイス型との間で金属板を挟む部分の形状)を適宜調整しておくことで、金属チューブの上述した厚みを有する形態に調整可能である。
【0015】
このようにして、金属チューブのうちフランジに圧入固定される部分の厚みを厚く形成することで、圧入時における当該金属チューブの変形を抑制し、さらには先端側に位置する底壁部を含む感温素子近傍の厚みを上記フランジに圧入固定される部分よりも薄く形成することで、センサ自身の応答性の向上を図ることができる。なお、「金属チューブの底壁部を含む感温素子近傍」とは、金属チューブのうちで、少なくとも底壁部を含み且つ感温素子の径方向周囲を取り囲む部分を指すものとする。また、金属チューブのうちで底壁部を含む感温素子近傍の厚さが、フランジに圧入固定されている部分の厚さよりも薄く形成される形態には、圧入固定されている部分から底壁部に向けて連続的に厚さが変化する形態も含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明の実施形態1である温度センサ1について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の温度センサ1の構造を示す部分破断断面図である。この温度センサ1は、サーミスタ素子2を感温素子として用いたものであり、同センサ1を自動車の排気管に装着することにより、サーミスタ素子2を排気ガスが流れる排気管内に配置させて、排気ガスの温度検出に使用するものである。
【0017】
底壁部35を含む金属チューブ3全体は、ステンレス鋼板(具体的にはSUS310S鋼板)の深絞り加工により軸線方向に延びる形態で形成されており、この先端側31の内部にサーミスタ素子2が収納される。そして、金属チューブ3の内部であってサーミスタ素子2の周囲には、セメント10が充填されており、これにより使用時の振動等によるサーミスタ素子2の揺動が防止される。金属チューブ3の後端側32は開放されており、この後端側32はフランジ4に圧入固定されている。なお、本実施形態1の金属チューブ3は、上述したようにその全体が深絞り加工により形成されているものであって、厚みが全体にわたって0.3mmに形成され、軸線方向における全長が60mmに形成されている。また、金属チューブ3のフランジ4に圧入固定される部分の外径、及びサーミスタ素子2の径方向周囲を取り囲む部分の外径が3.3mmに形成されている。
【0018】
フランジ4は、ステンレス合金により形成されており、軸線方向に延びる鞘部42と、この鞘部42の先端側に位置し、径方向外側に向かって突出する突出部41と、軸線方向に貫通した内孔48とを有している。突出部41は、先端側に図示しない排気管の装着部のテーパ部に対応したテーパ形状をなす座面45が環状に形成されており、座面45が上記装着部のテーパ部に当接することで、排気ガスが排気管外部へ漏出するのを防止するようになっている。また、鞘部42は環状に形成される一方、先端側に位置する先端側段部44と先端側段部44よりも小さい外径を有する後端側段部43とを備える二段形状をなしている。
【0019】
金属チューブ3は、自身の後端側32からフランジ4の内孔48の先端側より挿入されて、該内孔48内に圧入固定されている。そして、金属チューブ3の外周面と、鞘部42の後端側段部43の内周面との重なり合う部分が、周方向にわたってレーザー溶接されている。このレーザー溶接がなされることにより、図1に示すように、鞘部42の後端側段部43と金属チューブ3とに跨る溶接部L1が形成され、金属チューブ3がフランジ4に対して強固に固定される。
【0020】
フランジ4の周囲には、六角ナット部51及びネジ部52を有するナット5が回動自在に嵌挿されている。温度センサ1は、排気管の装着部にフランジ4の突出部41の座面45を当接させ、ナット5により固定される。また、フランジ4の内で鞘部42の先端側段部44の径方向外側には、筒状の継手6が気密状態で接合されている。具体的には、鞘部42の先端側段部44の外周面に継手6の内周面が重なり合うように、同継手6を鞘部42の先端側段部44に圧入して、継手6と先端側段部44を周方向にわたってレーザー溶接している。このレーザー溶接がなされることにより、図1に示すように、鞘部42の先端側段部44と継手6とに跨る溶接部L2が形成される。
【0021】
金属チューブ3、フランジ4及び継手6の内部には、一対の金属芯線7を内包するシース部材8が配置される。金属チューブ3の内部においてシース部材8の先端側から突出する金属芯線7には、サーミスタ素子2がPt/Rh合金線9を介して接続される。この合金線9は、サーミスタ素子2と同時に焼成されるものである。合金線9及び金属芯線7は互いに抵抗溶接される。尚、シース部材8は、詳細は図示しないが、SUS310Sからなる金属製の外筒と、SUS310S等からなる導電性の一対の金属芯線7と、外筒と各金属芯線7の間を絶縁し、金属芯線7を保持する絶縁粉末とから構成される。
【0022】
継手6の内部にてシース部材8の後端側へ突き出す金属芯線7は、加締め端子11を介して一対の外部回路(例えば車両のECU等)接続用のリード線12が接続される。一対の金属芯線7及び一対の加締め端子11は、絶縁チューブ15により互いに絶縁される。リード線12は、ステンレス合金製の導線を絶縁性の被覆材にて被覆したものであり、継手6の後端側開口に備えられる耐熱ゴム製の補助リング13に挿通される。そして、補助リング13は、継手6の上から丸加締め或いは多角加締めされることにより、両者13、6が気密性を保ちながら互いに固定される。これにより、サーミスタ素子2が、金属チューブ3、フランジ4及び継手6を金属包囲部材として形成される閉空間に収容されることになる。そして、サーミスタ素子2の出力は、シース部材8の金属芯線7からリード線12により、図示しない外部回路に取り出され、排気ガスの温度が検出される。
【0023】
ここで、本実施形態1の温度センサ1では、外部からリード線12の内側の空隙を介して大気が継手6の内部に入り込むと、その大気は、継手6、金属チューブ3及びフランジ4の内部が閉空間に形成される関係上、金属チューブ3内にまで入り込むことになる。したがって、温度センサ1では、外部(リード線12の内部)から金属チューブ3内までの通気が確保されることになり、サーミスタ素子2を収納する金属チューブ3が酸化した場合にも、同金属チューブ3内の酸素濃度の低下が抑えられ、サーミスタ素子2の特性変化を抑制することができる。
【0024】
なお、この温度センサ1は1000℃にも達する高温環境下で使用されるため、各々の構成部材は十分な耐熱性を有している必要がある。そのため、金属チューブ3、フランジ4及び金属芯線7は、Feを主成分とし、C、Si、Mn、P、S、Ni及びCrを含有する耐熱合金であるSUS310Sにより形成されている。また、継手6は、SUS304に形成されている。
【0025】
ついで、上述した本実施形態1の温度センサ1の製造方法について説明する。まず、ポンチとダイス型からなる絞り型を複数(例えば15台)準備する。ついで、平らなSUS310S鋼板を準備し、この鋼板を第1のダイス型の所定位置にセットした上で、第1のポンチを用いて絞り加工を加える。そして、第1の絞り絞り型により絞られた鋼板を、第2の絞り型によりさらに絞り加工を加える。これを第3の絞り型以降においても順に繰り返していき、最終的に肉厚が略一定の有底筒状の金属チューブ3を形成する。なお、SUS310S鋼板の深絞り加工を行うにあたって、各絞り型のポンチとダイスの形状を、絞り後の金属チューブ全体の肉厚が略一定となるように、予め調整しておく。そして、深絞り加工後の金属チューブ3に対して、固溶化熱処理を行い、その後急冷を行うことで内部応力を除去したものを得る。また、別途SUS310Sの金属体に対して冷間鍛造又は/及び切削加工を施し、内孔48と、先端側段部44と後端側段部43とを有する二段形状をなす鞘部42と、この鞘部42の先端側に位置し、径方向外側に向かって突出する突出部41とを有するフランジ4を形成する。
【0026】
そして、フランジ4の内孔48の先端側より金属チューブ3の後端側を挿入して、内孔48に対して金属チューブ3を圧入固定する。この両者の圧入後、フランジ4の鞘部42の後端側段部43と金属チューブ3を周方向にわたってレーザー溶接する。ついで、金属チューブ3内に所定量の未固化状態のセメント10を充填し、シース部材8の金属芯線7の先端部とサーミスタ素子2の電極とを接続した組立体を、サーミスタ素子2側から該金属チューブ3の内部に挿入する。その後、セメント10を固化させる。ついで、公知の手法により、加締め端子11を用いてシース部材8の金属芯線7の後端部とリード線12とを接続する。その後、筒状の継手6を、鞘部42の先端側段部44の径方向外側に圧入して、継手6と先端側段部44を周方向にわたってレーザー溶接する。そして、補助リング13やナット5等を適宜組み付ける。このようにして、温度センサ1が完成する。
【0027】
以上に説明したように、本実施形態1の温度センサ1では、底壁部35を含む金属チューブ3全体が、SUS310S鋼板の深絞り加工により形成されている。このため、従来のように底壁部を形成するにあたって溶接部を形成する必要はなく、底壁部35を含むサーミスタ素子2の径方向周囲を取り囲む部分はもとより、金属チューブ3の全長にわたって肉厚を略一定に形成することができる。したがって、本実施の形態の温度センサ1では、サーミスタ素子2近傍に位置する金属チューブ3の先端側31の受熱に偏りが生じ難く、センサ自身の応答性を従来に比して高めることができる。また、金属チューブ3の底壁部35に酸化しやすい溶接部を有しないため、耐久性、信頼性に優れた温度センサ1とすることができる。
【0028】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2の温度センサ100について、図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態2の温度センサ100は、実施形態1の温度センサ1と比較して、金属チューブ3の形状が異なるものであり、その他の部分については略同様である。したがって、実施形態1と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については、説明を省略または簡略化する。
【0029】
まず、温度センサ100の構造を示す部分破断断面図を図2に、図2に示す温度センサ100の要部である金属チューブの先端側131を拡大した断面図を図3に示す。上述した実施形態1の温度センサ1では、深絞り加工により形成される金属チューブ3の肉厚を、全体にわたって略一定に形成していた。これに対し、本実施形態2の温度センサ100では、底壁部135を含む金属チューブ130全体を、同様に金属板(具体的にはSUS310S鋼板)の深絞り加工により形成するが、底壁部135を含むサーミスタ素子2近傍の厚さがフランジ4に圧入固定される部分の厚さよりも薄くなるよう形成している。具体的には、フランジ4の内孔48に圧入固定される部分の厚さが0.3mm、サーミスタ素子2の径方向周囲を取り囲む部分から底壁部135にかけての厚さが0.2mmに形成されている。なお、金属チューブ130のうちで、圧入固定される部分とサーミスタ素子2の径方向周囲を取り囲む部分との間は、肉厚が連続的に薄くなるように形成されている。また、この金属チューブ130では、軸線方向における全長が60mmに形成されると共に、金属チューブ3のフランジ4に圧入固定される部分の外径が3.3mm、サーミスタ素子2の径方向周囲を取り囲む部分の外径が3.1mmに形成されている。
【0030】
本実施形態2の金属チューブ130においても、ポンチとダイス型からなる絞り型を複数(例えば15台)準備し、SUS310S鋼板に対して第1の絞り型、第2絞り型といった順に絞りを段階的に加えていくことで形成される。但し、本実施形態2では、この深絞り加工を行う際に、絞り後の金属チューブ130において底壁部135を含むサーミスタ素子2近傍の厚さがフランジ4に圧入固定される部分の厚さよりも薄くなるように、各絞り型のポンチとダイス型の形状を予め調整しておく。このようにして、深絞り加工により、上述した肉厚の分布を有する有底筒状の金属チューブ130を得ることができる。なお、本実施形態2においても、金属チューブ130の内部応力を除去するために、深絞り加工後の金属チューブ130に対し固溶化熱処理を行い、その後急冷を行っている。
【0031】
この実施形態2の温度センサ100では、金属チューブ130のフランジ4に圧入固定される部分の厚みを厚く形成することで、圧入時における金属チューブ130の変形を抑制することができる。その一方で、金属チューブ130の先端側131に位置するサーミスタ素子2近傍(底壁部135含む)の厚みについては、上記フランジ4に圧入固定される部分よりも薄く形成したので、センサ自身の応答性の向上を図ることができる。
【0032】
以上において、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明は上述した具体的な実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、実施形態1及び2において深絞り加工後の金属チューブ3、130に対して、狙いとする肉厚が変化しない範囲で適宜表面加工を施しても良い。また、実施形態1及び2の温度センサ1、100は、排気温センサのみならず、被測定流体として水や油等の液体が流れる流通路に取り付けられる温度センサにも適用可能である。
【0033】
(実験例)
本発明の効果を調べるために、以下の実験を行った。まず、上述したSUS310S鋼板の深絞り加工により形成された金属チューブ3、130を備える実施形態1及び2の温度センサ1、100を各5本ずつ準備すると共に、比較例として、底壁部を従来のようにカーリングした後に溶接により形成した金属チューブ(SUS310S製)を、実施形態1の温度センサ1の金属チューブ3と取り替えた温度センサを5本準備した。なお、実施形態1及び2の温度センサ1、100における金属チューブ3、130の肉厚は上述した通りである。また、比較例の温度センサにおける金属チューブの肉厚は、先端側に位置する溶接部の最大厚さを0.5mmとし、その他の部分を0.3mmとした。
【0034】
そして、各温度センサの応答性を評価した。なお、応答性の評価にあたっては、温度600℃で流速20m/secの気相中に、フランジよりも先端側に位置する金属チューブの部分(いわゆる感熱部)を室温から投入したときに、センサ検知温度(センサ出力電圧を温度換算した値)が室温(25℃)から飽和温度(600℃)の63%変化温度に到達するまでの時間を計測することで評価した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003826099
【0036】
表1の結果より、SUS310S鋼板の深絞り加工により形成された金属チューブ3、130を備える実施形態1及び2の温度センサ1、100では、応答時間の平均が比較例よりも短く、応答性に優れることが分かる。また、応答性のばらつきについても、実施形態1及び2の温度センサ1、100では3σで0.40以下であり、比較例の温度センサにおける0.93に比較して小さいことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】底壁部を含む金属チューブ全体を金属板の深絞り加工により形成してなる温度センサの一実施例を示す部分破断断面図である。
【図2】底壁部を含む金属チューブ全体を金属板の深絞り加工により形成してなる温度センサの別実施例を示す部分破断断面図である。
【図3】図2に示す温度センサの要部である金属チューブの先端側を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1、100・・・温度センサ、2・・・サーミスタ素子(感温素子)、3、130・・・金属チューブ、35、135・・・底壁部、4・・・フランジ、48・・・内孔、5・・・ナット、6・・・継手、7・・・金属芯線、8・・・シース部材、10・・・セメント、12・・・リード線

Claims (1)

  1. 内孔を有するフランジと、前記フランジの前記内孔内に圧入固定されるとともに、先端側に底壁部を有する有底筒状の金属チューブと、前記金属チューブの先端側内部に収納され、温度によって電気的特性が変化する感温素子とを備える温度センサであって、
    前記底壁部を含む前記金属チューブ全体が金属板の深絞り加工により形成されていると共に、固溶化熱処理がなされており、前記金属チューブのうちで、前記底壁部を含む前記感温素子近傍の厚さが、前記フランジに圧入固定されている部分の厚さよりも薄く形成されていることを特徴とする温度センサ。
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