JP3825227B2 - 光電気回路基板の製造方法 - Google Patents

光電気回路基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3825227B2
JP3825227B2 JP2000188026A JP2000188026A JP3825227B2 JP 3825227 B2 JP3825227 B2 JP 3825227B2 JP 2000188026 A JP2000188026 A JP 2000188026A JP 2000188026 A JP2000188026 A JP 2000188026A JP 3825227 B2 JP3825227 B2 JP 3825227B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
optical waveguide
circuit board
fluororesin
multilayer wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000188026A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002006156A (ja
Inventor
勝弘 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000188026A priority Critical patent/JP3825227B2/ja
Publication of JP2002006156A publication Critical patent/JP2002006156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3825227B2 publication Critical patent/JP3825227B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信モジュール等に用いられる光電気回路基板に関し、より詳細には、フッ素樹脂を誘電体層に用いた多層配線部を有する電気回路基板上に光導波路を形成した、高周波電気特性に優れるとともに光伝送特性にも優れる光電気回路基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光モジュールに用いられる光電気回路基板としては、電気配線を形成したシリコン基板上に火炎堆積法やプラズマCVD法等によりシリカ膜を成膜して光導波路を形成した光電気回路基板がある。また、特開平8−194137号公報に提案されているような銅ポリイミド多層配線基板上にポリマ光導波路を形成した光電気回路基板がある。
【0003】
一方、高周波電気回路基板としては、銅ポリイミド多層配線基板が高周波特性に優れた電気回路基板として最も認知されているが、さらなる高周波化に対応するべく、銅ポリイミド多層配線基板より高周波特性に優れた電気回路基板の研究開発が進められている。そのような中で、ポリイミド樹脂よりも誘電率が低く誘電正接が小さい誘電体材料を用いた電気回路基板の研究開発が進められている。中でもフッ素樹脂は現存の誘電体材料の中で最も誘電率が低くまた誘電正接が小さい材料の一つであることから、フッ素樹脂を誘電体層に用いた多層配線基板の研究開発が進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
シリコン基板上に光導波路を形成した光電気回路基板においては、シリコン基板の誘電損失や寄生容量のために10GHzを超えるような周波数の高周波電気信号を伝送することができないという問題点があった。シリコン基板を用いた場合でも電気的な絶縁層と光導波路の下部クラッド層とを兼ねたシリカバッファ層を厚くすることによって高周波電気特性を向上することが可能であるが、10GHzを超えるような高周波電気信号を伝送するためには、50μmを超えるような厚みのシリカバッファ層を形成する必要があり、その場合、膜応力により基板が大きく反ったり、クラックが生じるといった問題点があった。
【0005】
また、現在、高周波特性に優れた電気回路基板として最も認知されている銅ポリイミド多層配線基板においても、数十GHz程度の周波数までの信号伝送しかできないため、今後求められる100GHzあるいはTHzオーダーの周波数の高周波電気伝送に対応できないという問題点があった。
【0006】
一方、誘電体層にフッ素樹脂を用いた多層配線基板は100GHzあるいはTHzオーダーの周波数の高周波電気伝送用の電気回路基板として有望であるが、フッ素樹脂から成る誘電体層を用いた多層配線基板上に光導波路を形成しようとした場合、光導波路層とフッ素樹脂層との密着性が極めて悪いことから、光導波路を良好に形成することができないという問題点があった。
【0007】
例えば、有機系光導波路を作製する場合には、一般的に有機系光導波路材料の有機溶媒溶液をスピンコート法やディップコート法等を利用して基板上に塗布した後、熱処理を行ない光導波路層を形成するが、フッ素樹脂層の表面上に有機系光導波路材料の有機溶媒溶液を塗布しようとしても濡れ性が極めて悪く、溶液がはじかれてしまって塗布することができない。また、溶液の粘度等を調整して光導波路層が形成できたとしても、光導波路層とフッ素樹脂層との密着性は極めて乏しいため、その後の光導波路のコア部形成工程、例えば、コア部ドライエッチングのためのマスクパターン形成やドライエッチング、ウエットエッチング等の工程で、光導波路層がフッ素樹脂層から剥離したり、光導波路層にしわやクラックが発生する等の問題点があった。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、高周波電気伝送特性に優れたフッ素樹脂を誘電体層に用いた多層配線基板上に十分な密着強度で光導波路を形成した光電気回路基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光電気回路基板の製造方法は、基板上にフッ素樹脂から成る誘電体層と導体層とが積層されて成る多層配線部が形成されるとともに、該多層配線部の前記誘電体層上に設けられた金属から成る中間層と、該中間層の上面に設けられ、表面が水酸基で終端された、酸化珪素あるいは珪素から成る層を介在させて有機系光導波路が形成されて成る光電気回路基板の製造方法であって、前記有機系光導波路は、下部クラッド層および上部クラッド層から成るクラッド部と、該クラッド部中に形成されたコア部とを有し、前記下部クラッド層は、水酸基もしくはアルキル基を有する有機系材料を前記酸化珪素あるいは珪素から成る層の上に塗布・熱処理して形成することを特徴とするものである。このとき、前記フッ素樹脂は、主鎖に含フッ素樹脂脂肪族環構造を含む下記の化学式(1)〜(4)で表される含フッ素重合体の少なくとも1種類から成るようにするとよい。
【化5】
Figure 0003825227
【化6】
Figure 0003825227
【化7】
Figure 0003825227
【化8】
Figure 0003825227
【0010】
また、本発明の光電気回路基板の製造方法は、上記構成において、前記有機系光導波路がシロキサン系ポリマから成ることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の光電気回路基板の製造方法によれば、基板上にフッ素樹脂からなる誘電体層と導体層とが積層されて成る多層配線部が形成され、この多層配線部のフッ素樹脂から成る誘電体層上に金属から成る中間層を介在させて光導波路が形成されていることから、フッ素樹脂から成る誘電体層に対する光導波路の密着性を向上させることができ、光導波路の剥離あるいはしわやクラックの発生を防止して光導波路を安定かつ良好に形成することができる。その結果、高周波電気伝送特性に優れたフッ素樹脂を用いた多層配線基板上に光導波路を形成した光電気回路基板を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光導波路の製造方法について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本発明の製造方法に係る光電気回路基板の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は基板、2はフッ素樹脂から成る誘電体層と導体層とが積層されて成る多層配線部、3は多層配線部2の誘電体層上に形成された金属から成る中間層、4は中間層3上に形成された光導波路の下部クラッド層、5は光導波路のコア部、6は上部クラッド層である。
【0014】
基板1は光電気回路が形成される支持基板として機能するものであり、光集積回路基板や光電子混在基板等の光信号を扱う基板として使用される種々の基板、例えばシリコン基板やアルミナ基板・ガラスセラミック基板・多層セラミック基板・プラスチック電気配線基板等が使用できる。
【0015】
多層配線部2は、フッ素樹脂からなる誘電体層と所定の電気回路を構成する導体層とを多層に積層形成して多層電気配線回路を構成するものである。この多層配線部2の誘電体層に用いられるフッ素樹脂としては、例えば、環化ポリフッ化エチレン樹脂・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)・ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)・テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)・ポリビリニデンフルオロライド(PVDF)・ポリビニルフルオライド(PVF)・テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体・クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体・テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)等を用いることができる。その形成方法としては、その有機溶剤溶液をスピンコート法やディップコート法等によって基板1上に塗布した後、熱処理を行ない成膜すればよい。
【0016】
なお、これらフッ素樹脂は1種のみに限って使用すべきものではなく、数種の樹脂を併用して使用してよいことは言うまでもない。特に、主鎖に含フッ素樹脂脂肪族環構造を有する下記の化学式(1)〜(4)で表される含フッ素重合体の少なくとも1種類から成るフッ素樹脂は、誘電率が低く、また誘電正接も小さいため優れた高周波電気特性が得られるとともに、導体層を形成する電気配線用導体材料との密着性に優れており、多層電気回路の形成、さらに光導波路の積層形成を行なう際に好適な誘電体層を得ることができるものである。
【0017】
【化9】
Figure 0003825227
【0018】
【化10】
Figure 0003825227
【0019】
【化11】
Figure 0003825227
【0020】
【化12】
Figure 0003825227
【0021】
導体層を形成するための電気配線用導体材料としては、例えばAuやPt・Al・Cu・W・Ti・Mo・Cr・Ni等の周知の電気配線用導体材料を使用すればよい。この導体層で構成される配線導体は、例えばスパッタリング法・電子ビーム蒸着法・イオンビーム蒸着法・レーザアブレーション成膜法・CVD法等を利用して導体層を形成した後、フォトリソグラフィ等の薄膜加工技術を用いて所望の配線パターンに加工すればよい。
【0022】
中間層3は、多層配線部2の上面の誘電体層の表面に形成された、金属から成る層である。この中間層3の形成方法としては、スパッタリング法・電子ビーム蒸着法・イオンビーム蒸着法・レーザアブレーション成膜法・CVD法等を利用することができる。中でも、スパッタリング法やイオンビーム蒸着法・レーザアブレーション成膜法は、多層配線部2表面への成膜材料粒子の打ち込み効果が大きいので、アンカー効果によって中間層3と多層配線部2の誘電体層との密着強度が大きくなることから好適である。
【0023】
特に、主鎖に含フッ素樹脂脂肪族環構造を有する化学式(1)〜(4)で表される含フッ素重合体の少なくとも1種類から成るフッ素樹脂誘電体層の表面にスパッタリング法を用いて中間層3として金属薄膜を形成した場合には、誘電体層に対して10N/cm以上の密着強度が得られ、この中間層3上に光導波路の積層が可能である。
【0024】
また、中間層3としてCu薄膜を形成した場合には、さらに密着強度を向上することができ、例えば20N/cm2以上の密着強度を得られることを見出しており、密着性がより良好なものとなって信頼性の高いものとなる。
【0025】
本発明の製造方法では、中間層3の上面に酸化珪素あるいは珪素から成る層を形成して、この中間層3の上面に形成された酸化珪素あるいは珪素から成る層の上に水酸基もしくはアルキル基を有する有機系材料からなる層を下部クラッド層とした有機系光導波路を積層形成するようにしている。そのため、中間層3表面終端の水酸基と光導波路層の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコール重合によって結合することから、より大きな密着強度を得ることができ、より信頼性に優れた有機系光導波路を形成することができる。
【0026】
中間層3の厚さとしては、多層配線部2の誘電体層に対する中間層3による十分な被覆性を得るために10nm以上の厚さとすることが好ましい。一方、金属をスパッタリング法・電子ビーム蒸着法・イオンビーム蒸着法・レーザアブレーション成膜法・CVD法等で成膜した場合は、膜応力が通常数10MPa以上であり、層の厚さが厚い場合には、膜応力によって下地となるフッ素樹脂層にクラック・しわを発生させたり、基板表面から金属層が剥がれたりする問題がある。これに対し、中間層3の厚さが3μm以下であれば、このような問題が生じないことを知見している。
【0027】
多層配線部2の上面に、フッ素樹脂から成る誘電体層との間に中間層3を介在させて形成される有機系光導波路は、下部クラッド層4および上部クラッド層6から成るクラッド部中にコア部5が形成された三次元導波路形状の有機系光導波路である。その形成材料としては、例えばポリイミド・フッ化ポリイミド・シロキサン系ポリマ・PMMA(ポリメチルメタアクリレート)・オレフィン系樹脂等の有機系の光学材料を用いる。
【0028】
図1に示した構成の有機系光導波路の作製方法としては、まず下部クラッド層4を形成する。これにはポリイミド・フッ化ポリイミド・シロキサン系ポリマ・PMMA・オレフィン系樹脂等の水酸基もしくはアルキル基を有する有機系光学材料の有機溶媒溶液を、多層配線部2および中間層3が形成された基板1にスピンコート法等により所定厚みに塗布し、熱処理することにより形成する。
【0029】
コア部5は、下部クラッド層4上にポリイミド・フッ化ポリイミド・シロキサン系ポリマ・PMMA・オレフィン系樹脂等の有機系光学材料の有機溶媒溶液を例えばスピンコート法等により所定厚みに塗布し、熱処理することにより層形成した後、フォトリソグラフィやRIE(リアクティブイオンエッチング)等の周知の薄膜微細加工技術を用いて所定の形状で形成すればよい。ここで、コア部5は下部クラッド層4よりも高い屈折率を有する材料とする。
【0030】
上部クラッド層6は、コア部5を形成した後に、ポリイミド・フッ化ポリイミド・シロキサン系ポリマ・PMMA・オレフィン系樹脂等の有機系光学材料の有機溶媒溶液を例えばスピンコート法等により所定厚みに塗布し、熱処理することにより形成する。
【0031】
ここで、コア部5の高さや幅・屈折率、下部クラッド層4の厚さ・屈折率、上部クラッド層6の厚さ・屈折率は、周知の光導波路理論を用いて所望の仕様で設計すればよい。
【0032】
以上のようにして、埋め込み型の三次元導波路形状の有機系光導波路を作製する。
【0033】
本発明の製造方法に係る光電気回路基板において、光導波路を形成する有機系光学材料としてシロキサン系ポリマを用いた場合には、例えばシロキサン系ポリマの有機溶媒をスピンコート法等により多層配線部2の最上層の誘電体層上面に塗布した後、130℃から300℃程度の低温熱処理によって下部クラッド層4を形成することができ、また、屈折率を制御するために金属アルコキシドを混合して金属を含有したシロキサン系ポリマを容易に作製することができてそれにより所望の屈折率に精度良く制御できるので、光導波路の作製が容易となる。さらに、層形成の際の収縮が小さいので、多層配線部2が形成された基板1表面に形成した層の表面の平坦化性・平滑化性に優れており、基板1として表面粗さが大きな基板1や導体層による大きな起伏がある電気回路基板を用いた場合でも、その上にも精度良く光導波路を作製することができる。また、膜形成後の膜応力が20MPa程度と小さいため、下地の多層配線部2の誘電体層についても膜応力によるしわ・はがれ・クラックの発生を抑えることができる。
【0034】
このような光導波路のクラッド部(下部クラッド層4・上部クラッド層6)およびコア部5に用いるシロキサン系ポリマとしては、基本的にポリマの骨格にシロキサン結合が含まれている樹脂であればよく、例えばポリフェニルシルセスキオキサン・ポリジフェニルシルセスキオキサン・ポリメチルフェニルシルセスキオキサン等を用いることができる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明の製造方法に係る光導波路について具体例を説明する。
【0036】
まず、アルミナ基板上に電気配線層としてのCuから成る導体層と環化ポリフッ化エチレン樹脂からなる誘電体層とを逐次積層した多層配線部を形成した多層配線基板を作製した。
【0037】
次に、スパッタリング法によって多層配線部上面の全面に厚さ0.3μmのCu膜を形成した。
【0038】
次に、この基板上に、シロキサンポリマの有機溶媒溶液をスピンコート法によって塗布し、85℃/30分および150℃/30分の熱処理を行ない、厚さ12μmのクラッド層(屈折率1.4405,λ=1.3μm)を形成した。
【0039】
次に、シロキサンポリマとテトラ−n−ブトキシチタンとの混合液をスピンコート法によってクラッド層上に塗布し、85℃/30分および150℃/30分の熱処理を行ない、厚さ7μmのコア層(屈折率1.4450,λ=1.3μm)を形成した。
【0040】
続いて、厚さ0.5μmのAl膜をスパッタリング法によりコア層上に形成し、コア部のパターンとなるフォトレジストパターンをフォトリソグラフィ手法により形成した。次いで、燐酸・酢酸・硝酸の混合溶液によりAl膜をエッチングし、レジストパターンが転写されたAlパターンを形成した。
【0041】
次いで、レジストを除去した後、CF4ガスとO2ガスを用いたRIE加工によりコア部のエッチング加工を行ない、幅7μm×高さ7μmの断面がほぼ矩形のコア部を形成した。
【0042】
その後、Alパターンを除去し、上記と同様にしてクラッド層(屈折率1.4405,λ=1.3μm)を形成してコア部を埋め込み、クラッド部がシロキサン系ポリマ、コア部がチタン含有シロキサン系ポリマから成るステップインデックス型光導波路を形成した。
【0043】
このとき、作製中に光導波路層の剥がれやクラック・しわの発生は見られなかった。
【0044】
また、光導波路の光学特性は、シリコン基板上に上述と同様にして作製した、クラッド部がシロキサン系ポリマから成り、コア部がチタン含有シロキサン系ポリマから成るステップインデックス型光導波路の光学特性と同等であり、特に問題は見られなかった。
【0045】
以上のように、本発明によれば、フッ素樹脂多層配線基板上に光導波路を形成し得ることが確認できた。
【0046】
なお、本発明は以上の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。例えば、金属から成る中間層の上面に有機系光導波路を形成する際に、その中間層上に、スパッタリング法等を用いて厚さ10nm程度の酸化珪素層から成る層を形成してもよい。これにより前述のように、より大きな密着強度を得ることができ、より信頼性に優れた有機系光導波路を有する光電気回路基板を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光電気回路基板の製造方法は、基板上にフッ素樹脂から成る誘電体層と導体層とが積層されて成る多層配線部が形成されるとともに、該多層配線部の前記誘電体層上に設けられた金属から成る中間層と、該中間層の上面に設けられ、表面が水酸基で終端された、酸化珪素あるいは珪素から成る層を介在させて有機系光導波路が形成されて成る光電気回路基板の製造方法であって、前記有機系光導波路は、下部クラッド層および上部クラッド層から成るクラッド部と、該クラッド部中に形成されたコア部とを有し、前記下部クラッド層は、水酸基もしくはアルキル基を有する有機系材料を前記酸化珪素あるいは珪素から成る層の上に塗布・熱処理して形成することから、フッ素樹脂から成る誘電体層と光導波路との密着性を向上させて良好な特性の光導波路を形成することができ、高周波電気伝送特性に優れたフッ素樹脂を誘電体層に用いた多層配線基板上に十分な密着強度で光導波路を形成した光電気回路基板を得ることができる。また、中間層表面終端の水酸基と光導波路層の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコール重合によって結合することから、より大きな密着強度を得ることができ、より信頼性に優れたものとなる。
【0048】
また、有機系光導波路をシロキサン系ポリマで形成した場合には、130℃から300℃程度の低温熱処理によって光導波路を形成することができるとともに、金属アルコキシドを混合して容易に所望の屈折率に精度良く制御できるので、光導波路の作製が容易となる。さらに、層形成の際の収縮が小さいので表面の平坦化性・平滑化性に優れており、表面に大きな起伏がある多層配線基板を用いた場合でも精度良く光導波路を作製することができ、また、膜形成後の膜応力が小さいため下地の多層配線部の誘電体層についても膜応力によるしわ・はがれ・クラックの発生を抑えることができて、良好な光電気回路基板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に係る光電気回路基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・多層配線部
3・・・金属から成る中間層
4・・・光導波路の下部クラッド層
5・・・光導波路のコア部
6・・・光導波路の上部クラッド層

Claims (3)

  1. 基板上にフッ素樹脂から成る誘電体層と導体層とが積層されて成る多層配線部が形成されるとともに、該多層配線部の前記誘電体層上に設けられた金属から成る中間層と、該中間層の上面に設けられ、表面が水酸基で終端された、酸化珪素あるいは珪素から成る層を介在させて有機系光導波路が形成されて成る光電気回路基板の製造方法であって、
    前記有機系光導波路は、下部クラッド層および上部クラッド層から成るクラッド部と、該クラッド部中に形成されたコア部とを有し、
    前記下部クラッド層は、水酸基もしくはアルキル基を有する有機系材料を前記酸化珪素あるいは珪素から成る層の上に塗布・熱処理して形成することを特徴とする光電気回路基板の製造方法。
  2. 前記フッ素樹脂は、主鎖に含フッ素樹脂脂肪族環構造を含む下記の化学式(1)〜(4)で表される含フッ素重合体の少なくとも1種類から成ることを特徴とする請求項1記載の光電気回路基板の製造方法。
    Figure 0003825227
    Figure 0003825227
    Figure 0003825227
    Figure 0003825227
  3. 前記有機系光導波路がシロキサン系ポリマから成ることを特徴とする請求項1または2記載の光電気回路基板の製造方法。
JP2000188026A 2000-06-22 2000-06-22 光電気回路基板の製造方法 Expired - Fee Related JP3825227B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000188026A JP3825227B2 (ja) 2000-06-22 2000-06-22 光電気回路基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000188026A JP3825227B2 (ja) 2000-06-22 2000-06-22 光電気回路基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002006156A JP2002006156A (ja) 2002-01-09
JP3825227B2 true JP3825227B2 (ja) 2006-09-27

Family

ID=18687883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000188026A Expired - Fee Related JP3825227B2 (ja) 2000-06-22 2000-06-22 光電気回路基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3825227B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003241784A1 (en) 2002-05-28 2003-12-12 Matsushita Electric Works, Ltd. Material for substrate mounting optical circuit-electric circuit mixedly and substrate mounting optical circuit-electric circuit mixedly
JP5251037B2 (ja) * 2007-08-23 2013-07-31 沖電気工業株式会社 光導波路素子、その製造方法、及び光素子
JP6496784B2 (ja) * 2017-08-08 2019-04-03 田中貴金属工業株式会社 導電シート及び該導電シートの製造方法
TWI731642B (zh) * 2020-04-01 2021-06-21 王怡翔 封閉型插刃導電觸接片之斜張彈力結構

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002006156A (ja) 2002-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107211525B (zh) 用于印刷电路板的高速互连
WO2020113797A1 (zh) 柔性阵列基板及其制作方法、显示面板
US8664096B2 (en) Substrate sheet
JP2002522909A (ja) 金属接触層の下方のポリイミド/酸化珪素二層構造を有する電気光学半導体装置
US7025849B2 (en) Method of attaching optical waveguide component to printed circuit board
JP3825227B2 (ja) 光電気回路基板の製造方法
US7906200B2 (en) Composite circuit substrate structure
JP2008122926A (ja) 光デバイスの製造方法
US10660202B1 (en) Carrier structure and manufacturing method thereof
JP2004311713A (ja) 半導体装置製造用モールド
CN115185038B (zh) 一种半导体器件及其制作方法
KR100664307B1 (ko) 쉐도우 마스크, 및 이를 이용한 수직 테이퍼링 구조물제작방법
JP2005300930A (ja) 光電気混載基板の製造方法
JPH1048449A (ja) ハイブリッド光電子集積用実装基板の製造方法
KR19980030015A (ko) 반도체장치의 다층 배선 형성방법
JP3694630B2 (ja) 光電気回路基板
JP3690648B2 (ja) 光導波路基板
KR100953561B1 (ko) 금속선 광도파로 및 그 제작 방법
JP3559528B2 (ja) 光電気回路基板
JP4759813B2 (ja) 光配線層の製造方法、光配線層および光・電気配線基板
US20020098448A1 (en) Method of producing thin film circuit board
US11500155B1 (en) Optical coupler, grating structure and forming method thereof
JP4895320B2 (ja) 光導波路デバイスの製造方法
US20240111107A1 (en) Methods for fabrication of optical structures on photonic glass layer substrates
US20240111106A1 (en) Photonic glass layer substrate with embedded optical structures for communicating with an electro optical integrated circuit

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060629

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees