JP3825013B2 - 色変換装置及び色変換方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたカラー画像信号に色変換を施すことにより、処理後のカラー画像信号が表示される際に視覚的に良好な画像を提供可能とする色変換装置及び色変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カラー画像信号を表示する際に、表示部(表示部はカラー表示が可能であれば、その表示方法は任意である。表示部は例えばCRT、液晶ディスプレイ、又はプラズマディスプレイである。)の色再現特性を補正するために、色変換を施した後に表示部に出力する装置がある。また、異機種間でカラー画像信号を通信して記録・再生する際に、受信側の装置は送られてきたカラー画像信号を色変換して再生する場合がある。
従来例1の色変換装置が特開2002−116750号公報に記載されている。従来例1の色変換装置は、マトリクス演算による線形空間変換により、色変換を実行する。しかし、表示部は、入力される全てのカラー画像信号を再現出来る訳ではなく、表示部固有の色再現可能範囲(例えばRGBの発光素子のスペクトルの波長及び最大出力レベル、色フィルタの透過波長及び透過率等の特性に基づいて定まる範囲である。)を有する。従来例1の色変換装置がマトリックス演算により線形空間変換したカラー画像信号は、表示部の色再現可能範囲を超える恐れがある。
【0003】
表示部の色再現の限界を超えた色情報(色再現の限界外において、色が変化するとする。)を含むカラー画像信号を従来例1の色変換装置及び表示部に入力すると、表示部は、入力されたカラー画像信号を一律に色再現可能範囲の境界の色として表示する。色変換されたカラー画像信号が表示部の色再現の限界を超えていれば、表示部が表示する画面において、入力したカラー画像信号に含まれていた色の違いによって本来現れていた模様又は色の濃淡等の情報が全て失われてしまう。
【0004】
色変換されたカラー画像信号が表示部の色再現可能範囲を超えないように、出来るだけ正確に色を再現するように、且つ入力されたカラー画像信号に含まれる、色の違いによって現れた模様又は色の濃淡の変化等の情報が失われないように、色変換処理を行う従来例2の色変換方法が特許第2996522号公報に記載されている。
従来例2の色変換方法は、カラー画像信号の個々の画像データ(例えば各ピクセルのRGBの画像データ)に基づいて、画面を複数の色再現範囲(1つの色再現範囲は、均一の色の領域を形成する。)に分割する。従来例2の色変換方法は、各々の色再現範囲毎にその画像データに応じて、複数の変換方法の中から、その画像データを表示部の色再現範囲内の画像データに変換する変換方法を選択して、色変換を行う。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−116750号公報
【特許文献2】
特許第2996522号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1の色変換装置において、特定の色成分レベルのみが大きく、他の色成分レベルが小さい画像信号が入力されたときに、マトリクス演算の変換係数の値によっては、入力レベルの小さい色成分レベルに対応する出力色成分レベルが0もしくは負の値になってしまい(色再現可能範囲を超えてしまい)、色の細かい変化が正常に再現されなくなるという課題がある。
従来例2の色変換方法によって上記課題を解決することは可能である。しかし、従来例2の色変換方法は色領域の各々を判定し、色領域に応じた変換方法を選択するために処理量が多くなる。特に動画を入力してリアルタイムで色変換する場合、プロセッサ上のソフトウエアにより従来例2の変換処理を実行したならば、プロセッサの処理速度が間に合わない。そのため従来例2の変換処理を実行する場合、色変換方法全体をハードウエアで実現する必要がある。しかし、色領域の各々を判定し、色領域に応じた変換方法を選択するために、ハードウエアの回路規模が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み、特定の色成分レベルのみが大きく、他の色成分レベルが小さい入力画像信号に対しても色の細かい変化を再現することが可能である(色変換されたカラー画像信号が表示部の色再現可能範囲を超えない)と共に、処理量が少なく、ハードウエアの回路規模が小さく(又はソフトウエアによっても処理可能な)色再現が良好な色変換装置及び色変換方法を提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。
請求項1に記載の発明は、マトリクス演算によりカラー画像信号の色変換処理を施す色変換装置であって、入力したカラー画像信号の各色成分と変換係数とを乗算する複数の乗算部と、前記乗算部の出力値の負の値に対するレベルを制限する複数の制限部と、複数の前記制限部の出力値をそれぞれ加算して色変換後の各色成分を生成する複数の加算部と、を有することを特徴とする色変換装置である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、マトリクス演算によりカラー画像信号の色変換処理を施す色変換方法であって、入力したカラー画像信号の各色成分と変換係数とを乗算する乗算ステップと、前記乗算ステップの出力値の負の値に対するレベルを制限する制限ステップと、前記制限ステップの出力値をそれぞれ加算して色変換後の各色成分を生成する加算ステップと、を有することを特徴とする色変換方法である。
【0010】
従来例1の色変換装置において変換係数に負の値が存在する場合、例えば特定の色成分レベル(例えばG(Green)成分とする。)のみが大きく、他の色成分レベル(例えばB(Blue)成分とする。)が小さい画像信号を入力すると、変換後のB成分の出力は0又は負値になり易い。表示部は負値のB成分を表示できず(色変換されたカラー画像信号が表示部の色再現可能範囲を超える。)、負の値の大きさにかかわらず、一律にB成分が0レベルである色を表示する。入力されたカラー画像信号に含まれる、B成分の色の違いによって本来現れていた模様又は色の濃淡の変化等を表示できない。
【0011】
本発明の色変換装置及び色変換方法は、カラー画像信号の各色成分と変換係数とを乗算した結果が負の値であった場合に、その負の値が所定の値未満にならないように制限値を設ける。これにより、特定の色成分レベル(例えばG成分とする。)のみが大きく、他の色成分レベル(例えばB成分とする。)が小さい画像信号を入力しても、変換後のB成分は負値になりにくい。それ故、このようなカラー画像信号を入力しても、B成分の色の違いによって生じる色の細かい変化を再現できる。本発明は、特定の色成分レベルのみが大きく、他の色成分レベルが小さい入力画像信号に対しても色の細かい変化を再現する色再現の良い色変換装置及び色変換方法を実現できる。
従来例2の色変換方法と異なり、画像データの値に依存することなく(例えば入力信号の色相が異なる場合にも)同一の処理方法を実行する故に、本発明の色変換装置は小さな回路規模で実現可能であり、本発明の色変換方法は少ない処理量で実現可能である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記制限部は、負の制限値に対して漸近する飽和特性を持つ関数で前記乗算部の出力値を変換して出力することを特徴とする請求項1に記載の色変換装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制限ステップは、負の制限値に対して漸近する飽和特性を持つ関数で前記乗算ステップの出力値を変換して出力することを特徴とする請求項4に記載の色変換方法である。
【0013】
例えば一定の制限値を設け、乗算部の出力値がその制限値を超えた場合は一定の制限値を出力し、乗算部の出力値がその制限値以下である場合は乗算部の出力値をそのまま出力する方法がある。しかし、入力したカラー画像信号の色成分がこの制限値以下の値からこの制限値を超える値にわずかに変化した場合、制限部での演算内容が大きく変化することに起因して、画面上の色再現が極端に変化する恐れがある。又、カラー画像信号の色成分がこの制限値をわずかに下回る領域と、カラー画像信号の色成分がこの制限値をわずかに超える値の領域と、が隣接している場合、2つの領域の境界に擬似輪郭が発生する恐れがある。
本発明の色変換装置及び色変換方法は、負の制限値付近で色変換の演算内容が極端に変化することがない。これにより、乗算出力が負の制限値付近に相当する入力画像信号に対して、出力画像信号に上記のような弊害が発生する恐れのない色変換装置を実現できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記変換係数が、対角成分が全て正値の定数である正方行列の各成分で表される場合に、対角成分の演算に対応する前記乗算部の出力に対しては前記制限部を設けず、対角成分以外の成分の演算に対応する前記乗算部の出力に対してのみ前記制限部を設けることを特徴とする請求項1に記載の色変換装置である。
本発明は、処理量が少なく、ハードウエアの回路規模が小さい色変換装置を実現できる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記制限ステップは、前記変換係数が負の値である乗算結果にのみレベル制限を施すことを特徴とする請求項4に記載の色変換方法である。
本発明の色変換方法は、あらかじめ変換係数が負であるかどうかを判定して、変換係数が負である部分の乗算結果のみにレベル制限を施すようにすることで、演算処理量を減らすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0017】
《実施の形態1》
図1〜3を用いて、本発明の実施の形態1の色変換装置及び色変換方法を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における色変換回路の構成を示すブロック図である。図1において、1、2、3はカラー画像信号の入力端子、4、5、6は出力端子、10〜18は変換係数の入力端子、20〜28は乗算器、30〜35は加算器、40、41、42はクリップ部、50〜58はリミッタ部である。
実施の形態1の色変換回路は、カラー画像信号として8ビットのデジタルRGB信号を入力する。入力端子1はR信号、入力端子2はG信号、入力端子3はB信号をそれぞれ入力する。このとき、出力端子4はR’信号、出力端子5はG’信号、出力端子6はB’信号をそれぞれ出力する。
図1の色変換回路は、リミッタ部50〜58の効果を除くと、基本的には式(1)に示すマトリクス演算を実行する。
【0018】
【数1】
Figure 0003825013
【0019】
入力端子10は変換係数A11を、入力端子11は変換係数A12を、入力端子12は変換係数A13を、入力端子13は変換係数A21を、入力端子14は変換係数A22を、入力端子15は変換係数A23を、入力端子16は変換係数A31を、入力端子17は変換係数A32を、入力端子18は変換係数A33をそれぞれ入力する。
【0020】
乗算器20は、入力端子10から入力された変換係数A11と、入力端子1から入力されたR信号とを乗算する。その結果(A11×R)は、リミッタ部50を介して加算器30に出力される。同様に乗算器21は、入力端子11から入力された変換係数A12と、入力端子2からのG信号とを乗算する。その結果(A12×G)はリミッタ部51を介して加算器30に出力される。従って、加算器30は(A11×R)と(A12×G)とを加算し、その結果(A11×R+A12×G)は加算器31に出力される。同様に、乗算器22は、入力端子12から入力された変換係数A13と、入力端子3から入力されたB信号とを乗算する。その結果(A13×B)はリミッタ部52を介して加算器31に出力される。従って、加算器31は、(A11×R+A12×G+A13×B)を出力する。クリップ部40は、加算器31が出力した値を8ビット幅(0〜255)に収まるようにクリップして、出力端子4に出力する。
他の変換係数に関しても同様の信号処理が行われ、その結果として出力端子5は、(A21×R+A22×G+A23×B)の結果を出力する。出力端子6は、(A31×R+A32×G+A33×B)の結果を出力する。変換係数A11〜A33の値は、図示しない色変換回路外部のソフトウエアもしくはハードウエアを用いて決定される。
【0021】
次に、変換係数A11〜A33の値を決定する方法について説明する。図2は変換係数A11〜A33の値を決定する方法の一例を示す概念図である。図2のxy色度図上において、R点300、G点301、B点302が形成する三角形は、図1の色変換回路の出力以降に出力される表示部の色再現範囲を示す。R点306、G点307、B点308が形成する三角形は、入力RGB画像信号において想定されている色再現範囲を示しており、この色再現範囲は一般にNTSCなどの画像信号規格により決められた値である。
入力RGB画像信号をそのまま表示部に入力すると、実際に表示される画像はR点300、G点301、B点302が形成する三角形が示す色再現範囲を基準として表示される。このため、入力RGB画像信号が想定している色再現範囲に対して狭い色範囲しか再現できず、色鮮やかでない画像が表示されることになる。
【0022】
これに対して実施の形態1においては、図2の矢印で示すように、表示部の色再現範囲を入力RGB画像信号が想定している色再現範囲に写像するように変換係数を決定する。すなわち、R点300をR点306に、G点301をG点307に、B点302をB点308にそれぞれ擬似的に合わせるように、色信号の振幅を広げる処理を行う。
この場合、三角形の中心に近い色度を持つ信号、すなわち元々の彩度が低い信号においては、入力RGB画像信号が想定している色再現範囲と同一の色再現範囲を持つ表示部を用いて表示した場合と同等の、色鮮やかな画像を表示することが可能である。ただし、表示部そのものの色再現範囲が広がったわけではないため、もともと三角形の外側に近い色度を持つ信号、すなわち彩度の高い信号においては、表示部の色再現範囲で制限され、それよりxy色度図上で外側の色は表現できない。R点300、G点301、B点302の示す三角形で画像の色が飽和するような形で表示される。
【0023】
ここで、式(1)において入出力信号はRGB信号となっているが、図2はxy色度図上に示されているので、この間の変換を考慮する必要がある。表示部の色再現範囲上における、ある色の色度をx、y、zとすると、XYZ系の三刺激値X、Y、Zは式(2)となる。
【0024】
【数2】
Figure 0003825013
【0025】
一方、入力RGB画像信号が想定している色再現範囲上における、対応する色の色度をx’、y’、z’とすると、XYZ系の三刺激値X’、Y’、Z’は式(3)となる。
【0026】
【数3】
Figure 0003825013
【0027】
XYZ系三刺激値からRGB三刺激値への変換は、式(4)で行うことが出来る。
【0028】
【数4】
Figure 0003825013
【0029】
従って、入力信号がそのまま表示部が持つ色再現範囲上に表示された場合におけるRGB各色度点のxy色度をR(Rx,Ry,Rz)、G(Gx,Gy,Gz)、B(Bx,By,Bz)とし、これを入力RGB画像信号が想定している色再現範囲におけるRGB各色度点のxy色度R’(Rx’,Ry’,Rz’)、G’(Gx’,Gy’,Gz’)、B’(Bx’,By’,Bz’)に合わせるための変換係数は、式(1)〜式(4)を用いて、式(5)より求めることができる。
【0030】
【数5】
Figure 0003825013
【0031】
各変換係数は一定の値でもよく、例えば入力されたRGB信号又はRGB信号から導出された輝度信号Yのレベルに応じて変化しても良い。
次に、リミッタ部50〜58の効果について説明する。表示部の色再現範囲を測定し、RGB画像信号の規格に示された色再現範囲を用いて、式(5)により変換係数を求めた結果として式(6)を想定する。
【0032】
【数6】
Figure 0003825013
【0033】
この変換係数を用いて、図1の色変換回路を用いてRGB画像信号に色変換を施す際に、入力信号の値がR=255、G=24、B=18のように特定の色成分レベルのみが大きく、他の色成分レベルが小さい画像信号が入力された場合、G成分に対する色変換の演算は式(7)のようになり、演算結果が負の値(−7.448)になる。
【0034】
【数7】
Figure 0003825013
【0035】
この演算結果がクリップ部41に入力されると8ビット幅に収めるために値0にクリップされて出力される。実施の形態1のクリップ部40、41、42は、単純に負の値は0に、255以上の値は255にリミットしたうえで小数点以下を丸め処理する。この場合のマトリクス演算の結果(クリップ前出力)とクリップ部40、41、42の出力とを表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003825013
【0037】
レベルの大きいRに対する変換係数A21が負の値であるため、式(7)の結果は負の値になる。この場合GやBの値が多少変化したとしても、(A21×R)の成分が大きいために、演算結果におけるGの値は0もしくは負の値になってしまう。従って、クリップ部41の出力は0に固定された状態となり、色の細かい変化が正常に再現されなくなる。
【0038】
図3に実施の形態1におけるリミッタ部50〜58の入出力特性を示す。このような入出力特性を示す回路は、入力信号が−4より負方向に大きい値かどうかを判定するレベルコンパレータと、入力信号と固定値(−4)のどちらかを選択して出力するセレクタとを用いて容易に実現することが可能である。
リミッタ部50〜58が図3の入出力特性を持つことにより、式(7)の計算は式(8)のように変化する。
【0039】
【数8】
Figure 0003825013
【0040】
この場合のマトリクス演算の結果(クリップ前出力)とクリップ部40、41、42の出力とを表2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0003825013
【0042】
G成分は負の値にならず、一定の値をとるようになる。リミッタ部50〜58の効果により、G、B成分の変化がレベルの大きなRの値によって隠蔽されることなく、色の細かい変化が正常に再現できるようになる。
【0043】
図1に示したブロック図において、乗算器20〜28の出力全てにリミッタ部を接続する構成を示した。しかし、色変換回路を用いて色反転などの特殊効果を施さず、単に表示部の色再現範囲の狭さを補正もしくは色強調して表示する目的で色変換を行う場合には、変換係数が、対角成分が全て正の定数(典型的には1)である正方行列の各成分で表される。この場合、対角成分の演算に対応する乗算器の出力、すなわち(A11×R)、(A22×G)、(A33×B)が負の値になることは無い。そこで、対角成分の演算に対応する乗算器の出力に対してはリミッタ部(リミッタ部50、リミッタ部54、リミッタ部58)を設けず、対角成分以外の成分の演算に対応する乗算器の出力に対してのみリミッタを設けても良い。乗算器21、24、28の出力を加算器30、32、35に直結することでハードウエア規模をさらに小さくしたうえで同等の効果を得ることが出来る。
【0044】
実施の形態1においては図1に示したブロック図を全てハードウエアで実現する場合について説明した。これに代えて、図1に示したブロック図の全部、もしくは一部をソフトウエアにより実現することも可能である。リミッタ部50〜58をソフトウエアにより実現する場合は、あらかじめ変換係数が負であるかどうかを判定して、変換係数が負である部分の乗算結果のみにリミッタ処理を施すようにすることで、演算処理量を減らすことが可能である。
以上のように、実施の形態1においては、特定の色成分レベルのみが大きく、他の色成分レベルが小さい入力画像信号に対しても色の細かい変化を表示画面上で再現することが可能であると共に、処理量が少なく、ハードウエアの回路規模が小さい色変換装置及びソフトウエアによる処理量が少ない色変換方法を実現できる。
【0045】
《実施の形態2》
図4〜6を用いて、本発明の実施の形態2の色変換装置及び色変換方法を説明する。実施の形態2の色変換装置及び色変換方法は、リミッタ部の構成及び動作のみが実施の形態1と異なる。それ以外の点において、実施の形態2は実施の形態1と同一である。実施の形態2のリミッタ部の構成及び動作を説明する。
図4は、実施の形態2におけるリミッタ部50〜58の入出力特性を示す。
実施の形態1のリミッタ部50〜58の入出力特性(図3)においては、乗算結果が−4の境界付近に相当する入力画像信号の色成分が制限値−4以下の値からこの制限値−4を超える値にわずかに変化した場合、リミッタ部での演算内容が大きく変化することに起因して、画面上の色再現が極端に変化する恐れがある。又、カラー画像信号の色成分がこの制限値−4をわずかに下回る領域と、カラー画像信号の色成分がこの制限値−4をわずかに超える値の領域と、が隣接している場合、2つの領域の境界に擬似輪郭が発生する恐れがある。
【0046】
実施の形態2のリミッタ部50〜58は、負の制限値−4によるクリッピングではなく、負の制限値−4に漸近するような飽和特性を持つ(図4)。これにより、制限値付近で色変換の演算内容が極端に変化することを防ぐことができ、乗算出力が負の制限値−4付近に相当する入力画像信号に対して、出力画像信号に上記の弊害が発生する恐れのない色変換装置及び色変換方法を実現出来る。
【0047】
図5は実施の形態2におけるリミッタ部50〜58の実現例を示すブロック図である。図5において、100は入力端子、101は制御部、102は乗算器、103は加算器、104は出力端子、106は終了Y座標値記憶部、107は開始Y座標値記憶部、108は終了Y座標値選択部、109は開始Y座標値選択部、110は減算器、111は除算器、112はセレクタ、120はパラメータ入力端子、121、122は入力端子である。Y座標値は、図6に示すX−Y座標のY座標値(リミッタ部の出力レベル)である。
実施の形態2におけるリミッタ部(図5)は、図4に示した入出力特性を6領域に分割した折れ線により近似する。すなわち入力信号は、そのレベルにより6つの領域のいずれに属するかを判定され、判定結果に応じた領域で直線近似演算により出力値に変換される。
【0048】
図6は、図5のリミッタ部における処理内容を説明する図である。横軸が入力端子100から入力される信号レベルであり、縦軸が出力端子104から出力される信号レベルを示す。なお、ここでは乗算器の出力における整数部が符号つき10ビット(511〜−512)である場合について説明する(リミッタ部50〜58は、負の制限値−4によるクリッピングではなく、負の制限値−4に漸近するような飽和特性を持つ。)。乗算器の出力における小数部ビットの扱いについては任意であり、その有無や存在する場合のビット幅は以下の説明には影響しない。すなわち、上記のように符号つき10ビットとして説明した部分が整数部となり、小数部が必要であればさらに下位の方向にビット幅を拡張して符号付(10+小数部)ビットで考えることになる。この小数部のビット幅は、加算器の部分でどれだけの精度を必要とするかによって決定される。
リミッタ部の出力信号は10ビット(−4〜511)に、必要に応じて小数部分を下位側に拡張したデータであるが、クリップ部40において、256以上のデータを255でクリップし、負値を0でクリップし、符号ビット、絶対値部分のMSB、及び小数部分を切り捨て、8ビット(0〜255)のデータにしている。
【0049】
入力信号は入力値により区切られた6領域に分けられ、それぞれ6本の直線(直線201−202(入力レベルが−16以下)、直線202−203(入力レベルが−16〜−12の間)、直線203−204(入力レベルが−12〜−8の間)、直線204−205(入力レベルが−8〜−4の間)、直線205−206(入力レベルが−4〜0の間)、直線206−207(入力レベルが0以上))に合わせて近似処理される。
6本の直線の開始Y座標、すなわち図6の各直線における左側の折れ点が示す出力レベル値が開始Y座標値として入力端子122を介して開始Y座標値記憶部107に記憶される。また、6本の直線の終了Y座標、すなわち図6の各直線における右側の折れ点が示す出力レベル値が終了Y座標値として入力端子121を介して終了Y座標値記憶部106に記憶される。
【0050】
図5において、入力端子100から入力された信号は、全ビットがセレクタ112に、符号を含む上位8ビットが制御部101に、整数部の下位2ビット及び小数部(もし存在していれば)が乗算器102にそれぞれ入力される。制御部101は入力された信号が図6における各折れ線のいずれの領域に相当するかを判定する。その判定結果に基づいて判定結果信号105を出力することにより、終了Y座標値選択部108、開始Y座標値選択部109、セレクタ112を制御する。
制御部101は、入力された信号の符号ビットを判定し、入力信号が正の値を持つ場合、入力端子100からの信号を直接出力端子104に出力するようにセレクタ112を制御する。折れ線206−207の特性はこの経路により実現される。一方、入力信号が負の値を持つ場合、制御部101は、加算器103の出力が出力端子104に出力されるようにセレクタ112を制御する。
【0051】
終了Y座標値選択部108及び開始Y座標値選択部109は、制御部101からの制御により、終了Y座標値記憶部106及び開始Y座標値記憶部107に記憶された各折れ点のY座標値から入力信号が属する領域の両端に対応するY座標値をそれぞれ出力する。
終了Y座標値選択部108の出力から開始Y座標値選択部109の出力を減算器110により減算した結果を、さらに除算器111により固定値4で除算する。その値が対応する折れ線の傾きである(図6)。なお、折れ線201−202は横軸上の折れ点間隔が4ではないが、この場合の扱いについては後述する。
【0052】
乗算器102は除算器111からの傾き値と、入力端子100からの入力信号における整数部の下位2ビット及び小数部とを乗算した結果、すなわち入力信号の、対応する折れ線における開始Y座標値からのY軸上のオフセット値を加算器103に出力する。
加算器103は入力されたオフセット値と、開始Y座標値選択部109から入力された入力信号に対応する折れ線における開始Y座標値とを加算して出力レベルの値を求め、出力端子104に出力する。
ここで、入力レベルが−16以下であった場合、折れ線201−202は図6における横軸上の折れ点間隔が4ではないが、開始Y座標値、終了Y座標値が共に−4で差分が0となるため、横軸上の折れ点間隔が異なっていても傾き値は0のまま変化せず、問題はない。このとき、加算器103に入力されるオフセット値は0になり、開始Y座標値選択部109から入力された開始Y座標値は−4であるため、加算器103の出力は−4となり、図6に示した特性が得られる。
【0053】
以上、実施の形態2においては、リミッタ部の入出力特性を負の制限値−4によるクリッピングとせず、負の制限値−4に漸近するような飽和特性を持たせた。これにより、制限値付近で色変換の演算内容が極端に変化することを防ぐことができ、乗算出力が負の制限値−4付近に相当する入力画像信号に対して、出力画像信号に弊害が発生する恐れのない色変換装置及び色変換方法を提供することが出来る。
なお、本発明の実施の形態においては入力信号を8ビットRGBデジタル信号として説明したが、本発明はこの場合に限らずカラー画像信号一般に適用可能である。また、リミッタ部における制限値を−4としたが、他の値を用いても同様の効果を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、カラー画像信号の各色成分と変換係数とを乗算した結果が負の値であった場合に、負の値に対するレベルを制限することにより、特定の色成分レベルのみが大きく、他の色成分レベルが小さい入力画像信号に対しても色の細かい変化を再現する色変換装置及び色変換方法を実現することができる。
本発明によれば、負の制限値に対して漸近する飽和特性を有し、負の制限値付近で色変換の演算内容が極端に変化することを防ぐことにより、乗算出力が負の制限値付近に相当する入力画像信号に対して、出力画像信号に弊害が発生する恐れのない色変換装置及び色変換方法を実現することができる。
本発明によれば、変換係数が、対角成分が全て正の定数(典型的には1)である正方行列の各成分で表される場合に、対角成分の演算に対応する乗算器の出力に対してはリミッタ部を設けず、それ以外の位置の演算に対応する乗算器の出力に対してのみリミッタ部を設ける。これにより、ハードウエアの回路規模が小さい色変換装置及び演算量の少ない色変換方法を実現できる。
変換係数が負である部分の乗算結果のみにレベル制限を施すようにすることで、演算処理量の少ない色変換方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における色変換回路の構成を示すブロック図
【図2】変換係数A11〜A33の値を決定する方法の一例を示す概念図
【図3】本発明の実施の形態1におけるリミッタ部50〜58の入出力特性を示す図
【図4】本発明の実施の形態2におけるリミッタ部50〜58の入出力特性を示す図
【図5】本発明の実施の形態2におけるリミッタ部50〜58の回路構成を示すブロック図
【図6】図5のリミッタ部における処理内容を説明する図
【符号の説明】
1、2、3 入力端子
4、5、6 出力端子
10〜18 入力端子
20〜28 乗算器
30〜35 加算器
40、41、42 クリップ部
50〜58 リミッタ部

Claims (6)

  1. マトリクス演算によりカラー画像信号の色変換処理を施す色変換装置であって、
    入力したカラー画像信号の各色成分と変換係数とを乗算する複数の乗算部と、
    前記乗算部の出力値の負の値に対するレベルを制限する複数の制限部と、
    複数の前記制限部の出力値をそれぞれ加算して色変換後の各色成分を生成する複数の加算部と、
    を有することを特徴とする色変換装置。
  2. 前記制限部は、負の制限値に対して漸近する飽和特性を持つ関数で前記乗算部の出力値を変換して出力することを特徴とする請求項1に記載の色変換装置。
  3. 前記変換係数が、対角成分が全て正の定数である正方行列の各成分で表される場合に、対角成分の演算に対応する前記乗算部の出力に対しては前記制限部を設けず、対角成分以外の成分の演算に対応する前記乗算部の出力に対してのみ前記制限部を設けることを特徴とする請求項1に記載の色変換装置。
  4. マトリクス演算によりカラー画像信号の色変換処理を施す色変換方法であって、
    入力したカラー画像信号の各色成分と変換係数とを乗算する乗算ステップと、
    前記乗算ステップの出力値の負の値に対するレベルを制限する制限ステップと、
    前記制限ステップの出力値をそれぞれ加算して色変換後の各色成分を生成する加算ステップと、
    を有することを特徴とする色変換方法。
  5. 前記制限ステップは、負の制限値に対して漸近する飽和特性を持つ関数で前記乗算ステップの出力値を変換して出力することを特徴とする請求項4に記載の色変換方法。
  6. 前記制限ステップは、前記変換係数が負の値である乗算結果にのみレベル制限を施すことを特徴とする請求項4に記載の色変換方法。
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