JP3824859B2 - 靴用滑り止め - Google Patents
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Description
本発明は、靴の底やかかとに用いる靴用滑り止め(クリート、cleat)の取り付けの改良に関する。
【0002】
例えばゴルフシューズの底に、ねじ付きスピゴットを介して滑り止めを取り付けることは良く知られている。ねじ付きスピゴットは、滑り止めの上部に位置づけられていて、靴底に形成された対応するねじ付きソケットと係合するようになっている。ソケットは、普通は、別個に形成されたレセプタクルとして与えられる。このレセプタクルは、モールディング成形される靴底に組み込んで合体させてもよいし、あるいはまた、革、EVA、その他のシート材料で本底を形成するものを含む複合式靴底構造内に取り付けるようにしてもよい。通常は、滑り止めは、過度に摩耗したり損傷を受けたりしたときに交換できるよう、ねじを緩めて外せるようになっている。
【0003】
このようにして取り付けられる滑り止めは、地面に突き刺さるスタッドまたはスパイク(例えばGB−A−2028102に開示されているようなもの)、あるいは他の形態の地面を把持する要素(例えばEP−A−0342232に開示されているようなもの)を備えている。これらは円盤状のフランジ本体の下面から突出している。スピゴットは、フランジ本体の上面から突出している。
【0004】
ねじ付き滑り止めの最も良く知られた形態は、多条ねじではなく、一条ねじを利用している。一条ねじは、最も簡単なねじの構造であるばかりでなく、滑り止めをソケット内に固く挿入した後にねじを緩めようとしたときに、より大きな抵抗を与えるという点で、多条ねじよりも優れている。しかしながら、手で挿入する場合でも、工場で自動機械により組み付ける場合でも、多条ねじを使用した方が有利である。特に、急峻な角度のねじれ角を有する多条ねじを使用すると、任意の与えられた長さのスピゴットをソケット内に挿入するとき、より少ない回転で挿入することができ、したがって、短時間で挿入することができる。さらに、多条ねじを使用すると、任意の角度向きからねじ込み始めたとき、ねじが係合するまでの平均の必要回転量が少なくて済む。また、多条ねじは一条ねじよりも深く切り込んで作られるので、ねじの剪断強度が、より大きくなる。したがって、スピゴットの長さを短くすることができる。
【0005】
より柔らかい材質の地面把持要素を使用することが最近の傾向である。かかる滑り止めの耐久性はかなり低い。したがって、ゴルファーは、より頻繁に滑り止めを交換する必要がある。また、ゴルファーは、色々な条件に適合するよう、種類の異なるセットの滑り止めを持つことが普通になってきている。プレーをする前にコースのコンディションを見てその結果により滑り止めを変えるのである。一条ねじシステムのものを使用した場合、滑り止めの交換は長時間の大変な仕事になろう。滑り止めを外したり挿入したりするのに何回も回す必要があるからである。この作業は手作業で行われることがほとんどであるから、多くのゴルファーは、滑り止めを交換する必要を認めながらもそれをあきらめざるを得なかった。
【0006】
従来の一条ねじによる固定に伴う労力の大変さ、すなわち、滑り止めを挿入したり外したりする際に何回も回転させなければならない点を解消するため、バイオネット形式(差し込んでひねることにより固定する形式)の滑り止め固定方法が提案された。バイオネット形式の結合にすれば、非常に小さい回転角度で滑り止めをホルダに対して着脱することができる。しかしながら、実際には、かかる迅速結合連結方式は完全に満足のゆくものではない。まず第1に、使用時に滑り止めをホルダからもぎ取ろうとするように作用する負荷は、非常に大きくなることがある。ねじによる連結は、比較的しっかりとしており、構成要素間の負荷を支持するための接触面積も広く分布しているが、バイオネット形式の連結は、非常に少ない接触点に頼っており、その少ない接触点がすべての負荷を支持しなければならず、大きなダメージ(例えばバイオネット・ピンの剪断など)を受けることもある。かかるダメージを受けたとき、損傷部分が全体にわたるものではない場合には、そのダメージを受けた滑り止めがかえって取り外しにくくなることあがり、また、ダメージによって滑り止めが紛失してしまうこともある。第2に、滑り止めはホルダに対してスライドして容易に出入りするように設計されてはいるが、実際には、構成要素のゆがみや、土の侵入や、保護システムの働きなどによって、滑り止めが入る通路は邪魔されやすい。
【0007】
このようなさまざまな理由により、多条ねじの使用が魅力的なものになっている。多条ねじ形式を使用した一つの例が、WO91/04685に開示されている。これは二条ねじに関するものである。
【0008】
滑り止めのねじが不用意に緩んでしまわないように(使用しているのが一条ねじか多条ねじかにかかわらず)、多くの形態のロック・ラチェットが提案された。これらの多くは、スピゴットをソケット内に挿入する、最後の段階にのみ、遊びを設けるというものである。例えば、よく提案される構成では、ねじの軸線に対して垂直な面上に対向する環状の歯列を設け、これらの歯列が互いに係合するようになされている。かかる構成配置では、歯が相互係合する深さ(程度)に変化の幅がほとんどなく、したがって、もしロック・ラチェットが適切に係合するとすれば、ソケット内へのスピゴットの挿入の深さにもほとんど変化の幅がない。ここでいう変化の幅は、ソケットが複合式靴底構造に設けられる場合には重要である。ソケットに対して本底の外表面が正確なレベル(高さ)となるよう製造されているという保証はないからである。
【0009】
かかる不都合を解消する別形式のロック・ラチェットがUS−A−5036606に開示されている。この構造においては、一方の構成要素に設けられた、リング状に並んだ半径方向突出歯が、他方の構成要素のリングの回りに配置構成された軸方向に延びるスプラインと係合するようになされている。スピゴットがソケット内に挿入されて二つの構成要素が相対的に回転せしめられるにつれて、歯はスプラインを乗り越える(歯はスプライン間の空間内に入る)。スプラインの軸方向長さは、スピゴットがソケット内に挿入される深さの範囲を超えてまで、歯とスプラインとが相互に完全に協働できる程度となされている。しかしながら、この配置構成では、歯および/またはスプラインの摩耗が激しく、滑り止めを何回も挿入したり外したりしているうちにシステムが機能しなくなってしまうことが分かった。
【0010】
そこで本発明の目的は、ソケット内へのスピゴットの挿入の深さの範囲を超えてなお、効果的なロック(係止)作用を行うことのできる、改良された靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせを提供することにある。
【0011】
本発明によれば、靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせにして、二つの構成要素のうちの一つのねじ付きスピゴットが、他方の構成要素のねじ付きソケット内に回転しながら挿入されることにより、これらの構成要素が一緒になって組立体となるようになされており、且つ、組み立てた後に組立体のねじが緩むのに抵抗するために、前記スピゴットが前記ソケット内に挿入される際に前記二つの構成要素のロック手段が相互に係合するようになされている、靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせにおいて、
前記ロック手段が、前記構成要素のいずれか一方から軸方向に延び且つリング状に配列されている柱と、他方の構成要素にて半径方向に突出し且つリング状に配列されている歯とを含んでおり、
前記リング状に配列された柱と前記リング状に配列された歯とは、ねじの軸線と同軸配置とされており、
前記スピゴットが前記ソケット内に挿入される際の少なくとも後半の段階で、前記リング状に配列された柱と前記リング状に配列された歯とが相対回転したとき、前記歯と前記柱とが係合することにより、前記柱が弾力性をもって撓み、また、前記歯が前記柱間に係合することにより、前記ロック手段どうしの相互係合が行われるようになされていることを特徴とする、靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせが提供される。
【0012】
柱の軸方向長さの範囲は、柱と歯とが一緒になって効果的なロック手段を形成している限り、挿入の深さの範囲全体にわたってロックが達成されうることが確実とされる程度とされる。このとき、柱の弾力性は、摩耗を最小限にする。
【0013】
歯の数は、柱の数の整数倍とすることができる。その整数を1とし、歯の数を柱の数と同じにすることができる。
従来のように、スピゴットを滑り止めに設け、ソケットをホルダに設けるようにしてもよいが、逆の配置にしてもよい。
【0014】
また、リング状の柱は滑り止めに設け、リング状の歯はホルダに設けることが望ましい。最も望ましくは、歯はホルダのハブ(ねじ付きソケットを形成する)の外側円柱面から突出するものとし、これらの歯は使用時にはリング状の柱内に受け入れられるようにし、ハブはスピゴットと柱との間に形成された環状の凹所内に受け入れられるものとする。
【0015】
望ましくは、互いに間隔をおかれた該柱間に形成された凹所内に歯が係合する際に、この係合と係合との間に歯が柱の表面を滑らかに通過できるように、柱は、リング状の歯に向かって凸となるプロファイルを有する、半径方向を向いた内面を備えるものとする。この内面の円周方向両側の端部は、それぞれ異なるプロファイルを有し、ねじ締めの場合とねじ緩めの場合とで、柱を通過する歯の動きに対する抵抗を異ならしめるようにしてもよい。望ましくは、ねじ緩めのときよりも、ねじ締めのときの場合の抵抗が小さくなるように、それぞれのプロファイルは定められる。これにより、挿入が楽になり、失敗により滑り止めのねじが緩んでしまう、ということもない。柱は、対ごとに配列してもよく、各対の柱は共通のベースを有するものとしてもよく、あるいはまた、各柱が拘束されることなく立設されるようにしてもよい。
【0016】
スピゴットおよびソケットのねじは多条ねじ(最も望ましくは三条ねじ)とすることが好ましい。こうすることにより、スタッドおよびホルダの迅速かつ効果的な組立を行うことができる。最も望ましくは、リングにおける柱の数は、ねじの条数の整数倍とされる。例えば、三条ねじを使用したときは、柱の数は6,9または12となる。
【0017】
半径方向を向いた柱の内面のプロファイルは、本発明の特徴の一つである。
本発明によれば、ホルダのソケット内に回転しながら挿入可能とされるねじ付きスピゴットを有する靴用滑り止めにして、該挿入によって前記ホルダと一緒になって組立体となる靴用滑り止めにおいて、
前記ホルダに設けられた複数の歯と係合するよう、それぞれが拘束されることなく立設され且つ軸方向に延びている、リンク状に配列された柱を備えており、該柱のそれぞれは、半径方向を向いた内面を有しており、該内面は、凸状のプロファイルを持つ中央領域と、それぞれ異なるプロファイルを持つ第1および第2の円周方向端部とを有している、靴用滑り止めが提供される。
【0018】
第1および第2の円周方向端部のプロファイルを互いに異ならしめたことにより、滑り止めがホルダ内に挿入される場合と、滑り止めがホルダから外される場合とで、歯が柱を通過するときに柱が歯に与える抵抗を異ならしめることができる。
【0019】
望ましくは、プロファイルは、滑り止めがホルダ内に挿入されるときの方が、滑り止めがホルダから外されるときの方よりも、柱が歯に与える抵抗が小さくなるように形状づけられるものとする。円周方向端部のうち、滑り止めをホルダ内に挿入する際にリーディング端となる円周方向端部が、歯に向かって凹となるプロファイルを有するようにし、歯の通過を促進させるようにしてもよい。一方、円周方向端部のうち、滑り止めをホルダから外す際にリーディング端となる円周方向端部が、歯に向かって凸となるプロファイルを有するようにし、ねじを緩める必要のないときにはねじを緩める動きに対して抵抗を与えるようにしてもよい。
【0020】
もし、滑り止めが種々異なる材料から作られるとするなら、柱の摩擦特性および弾力特性も異なってくる。円周方向両側の端部のプロファイルもそれに応じて変更することができ、それによって、各滑り止めが、どのような材料で作られようとも、挿入の場合と取り外しの場合とでほぼ同じ力が適用されることを必要とするようにすることができる。
【0021】
本発明による靴用滑り止めにおいても、先に述べた靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせの場合と同様、各柱が拘束されることなく立設されるようにしてもよく、あるいはまた、柱が対ごとに配列され、各対の柱が共通のベースを有するようにしてもよい。スピゴットのねじは、望ましくは、多条ねじとされ、最も望ましくは、三条ねじとされる。
【0022】
以下、添付図面にしたがって本発明の実施例について説明する。互いに係合可能なスタッドおよびソケットを形成する構成要素の構造や、協働の仕方は、例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0023】
ゴルフシューズに使用するのに適した、スタッドの形態をした靴用滑り止め(図1および図2)は、円盤状のフランジ10を備えている。ねじ付きスピゴット12がフランジの上面から突出しており、接地スパイク14がフランジの下面から突出している。スピゴットおよびスパイクは、フランジの中央に位置している。フランジおよびスピゴットは、プラスチック材料の一体モールディング成形により作られている。スパイクは金属製ピンにより形成されており、該ピンはモールディング成形物を貫通して軸方向に延び、リベットによりモールディング成形物に取り付けられている。
【0024】
スタッドは、ソケットを形成するレセプタクル(図3および図4)の形態をしたホルダによって、ゴルフシューズの底やかかとに取り付けられるようになされている。レセプタクルは、ねじ付きソケット穴18を有するハブ16を含んでいる。ハブの穴は、上端20にて閉じられている。フランジ22はハブを取り囲んでおり、フランジには開口24が形成されている。使用に供するために、レセプタクルは、ゴルフシューズのモールディング成形された又は複合式の本底(またはかかと)内へ組み込まれてねじ付き孔18を臨ませ、靴にスタッドを取り付けられるように、補完的なねじを設けられたスピゴット12を受け入れるようになる。レセプタクルは、プラスチック材料の一体モールディング成形物として形成される。
【0025】
かかるスタッドおよびレセプタクルの組み合わせは、上述した内容の限りにおいては当業界において周知である。
本発明において、スタッドおよびレセプタクルの互いに補完的なねじの形態は、三条ねじであり、これは比較的急峻な角度のねじれ角を有しており、それによって、最小の回転角度でスタッドをレセプタクル内に挿入できる。スタッドをレセプタクル内に螺入させて取り付けるために、ロック(係止)手段が使用される。ねじれ角が急峻であるため、ねじの緩みに対する摩擦抵抗が比較的小さいからである。ロック手段は、軸方向に延び且つリング状に配列された歯26を含む。これらの歯26は、レセプタクルのハブ16の外周に形成されており、ハブ16がカラー28内に挿入されるときにカラー28の内面に係合するようになる。
【0026】
図3および図4に示すように、歯26はハブ16の外側円柱面30から半径方向外方へと突出している。歯26は、ハブ16の軸線に対して平行な方向に延びる、短くずんぐりしたリブの形態をしている。横断面で見ると、リブは、ほぼ三角形状をしているが、丸められた頂点を有している。リブは、ハブ16の軸線と同軸のリング状となるよう、該ハブ16の周囲に均一に分布配置されている。図示例では、30度の角度間隔で12個のリブが設けられている。
【0027】
スタッドのカラー28(図1および図2)は、フランジ10から軸方向に延び、ねじ付きスピゴット12の高さの約半分にまで及んでいる。カラー28はスピゴット12を同軸状に囲んでいる。スピゴット12とカラー28との間には、レセプタクルのハブ16を受け入れるための環状の凹所32が形成されている。カラー28は、リング状に配列された12個の個別のセグメントを含んでいる。これらのセグメントは、拘束されることなく立設された柱34を形成している。柱34は、スタッドの軸線回りに30度の角度間隔をあけて均一に分布配置されている。柱34は、狭いスリット36によって互いに分離されている。柱34の、半径方向を向いた外面38は、カラー28の外側円柱面を作り上げている。柱34の、半径方向を向いた内面40(組立体における歯26の方を向いている)は、スタッドの軸線に垂直な面で見ると(図2)、わずかに凸状になっており、カラー28の内面を画成している。このカラー28の内面は、スリット36によって分断されており、スタッドの軸線の回りを円周方向にほぼうねるように波打っている。
【0028】
レセプタクルの軸線から測ったときの、歯26の半径方向突出端までの距離は、スリット36のすぐ隣りの円周方向位置における柱34の内面までの距離と実質的に等しい。すなわち、レセプタクルの歯26がカラーのスリット36と半径方向に整合するときでない限り、歯26と柱34との間には半径方向の干渉が存在し、これによって、構成要素間の相対回転に対する摩擦抵抗が生じる。レセプタクルに対するスタッドの回転は、歯26が柱34に次々と係合することにより、抵抗を受ける。スタッドがレセプタクル内に完全に挿入された場合にも、不完全に挿入された場合(ただし、歯と柱とが相互係合する程度の挿入であること)にも、このことは言える。
【0029】
歯26は、実質的に非圧縮性である。したがって、拘束されずに立設されている柱34が弾力性をもって撓むことにより、構成要素が相対回転する際に歯が柱を通過しやすくなる。柱34の凸状面を有するプロファイルは、互いに間隔をおかれた柱間に形成された凹所内に歯が次々と係合してゆく際に、歯が柱の表面を越えるのを容易にする。スピゴット12がソケット内に螺入されるにつれて、柱34はだんだんと撓みにくくなり、歯が柱を通過することに対する抵抗が大きくなってゆく(歯が、フランジ10における柱のベースに近づいてゆくため)。このことにより、スタッドをレセプタクル内に締めすぎてしまう危険が減じられる。スピゴットおよびソケットのねじが最初に噛み合って(相互係合)から、スピゴットがソケットに対して120度回転すると、スタッドはレセプタクル内に完全に挿入される。この位置で、レセプタクルの歯26は、スタッドのカラーの柱34間のスリット36に対向した状態にある。
【0030】
スタッド上のロック用の柱34は、レセプタクルのロック用の歯26によって乗り越えられるときに外方へと物理的に撓み、歯と歯の間の凹所内に係合したときに元の位置へと戻る。この物理的な動きは、ねじのクリアランスには関係なく、また、ねじの形状によって影響を受けるものでもない。この物理的な動きによって、ねじ組立体の二つの構成要素がしっくりと緊密に連結され、それによって強度が与えられ、外れようとする傾向に抵抗し、組立の際に互いに合わせられる部品の位置決めが容易になる。
【0031】
図5は、スタッド上のカラー28の別の実施例を示す。前の実施例と対応する部分には同じ参照符号を用いている。図5の実施例においては、個別の柱34の代わりに、対になった柱42が使用されている。各対の柱は、共通のベース44を有している。各柱42の半径方向を向いた内面40もまた、前の実施例とは異なる。歯に向かってほぼ凸状になっている点は同じだが、表面の円周方向両側の端部は、鏡面対称とはなっていない。そのかわり、各内面40は、中央の凸状領域と、歯に向かって凹状のプロファイルを有する第1の円周方向端部48と、歯に向かって凸状のプロファイルを有する第2の円周方向端部50とを備えている。スタッドがホルダ内に挿入される際、第1の端部48はリーディング端となり、第2の端部50はトレーリング端となる。スタッドがホルダから外される場合には、この関係が逆になる。第1の端部48の凹状のプロファイルは、スタッド挿入時に歯に与える抵抗がより小さく、第2の端部50の凸状のプロファイルは、スタッド取り外し時に歯に与える抵抗がより大きい。これにより、スタッドの挿入は比較的容易であり、一方で、スタッドが不用意に外れてしまうことが防止される。
【0032】
端部48,50のプロファイルは、ねじ込みやねじ緩めに必要なトルクを変化させるために変えてもよく、また、異なる材料の異なる摩擦特性および弾力特性を利用するために変えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるスタッド側部断面図。
【図2】 本発明の一実施例におけるスタッドの平面図。
【図3】 本発明の一実施例におけるレセプタクル(ソケットを形成する構成要素)の側部断面図。
【図4】 本発明の一実施例におけるレセプタクルの底面図。
【図5】 本発明の別の実施例における、図2と同様の図。
Claims (15)
- 靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせにして、二つの構成要素のうちの一つのねじ付きスピゴット(12)が、他方の構成要素のねじ付きソケット(18)内に回転しながら挿入されることにより、これらの構成要素が一緒になって組立体となるようになされており、且つ、組み立てた後に組立体のねじが緩むのに抵抗するために、前記スピゴット(12)が前記ソケット(18)内に挿入される際に前記二つの構成要素(26,28)のロック手段(26,28)が相互に係合するようになされている、靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせにおいて、
前記ロック手段が、前記構成要素のいずれか一方から軸方向に延び且つリング状に配列されている柱(34,42)と、他方の構成要素にて半径方向に突出し且つリング状に配列されている歯(26)とを含んでおり、
前記リング状に配列された柱と前記リング状に配列された歯とは、ねじの軸線と同軸配置とされており、
前記スピゴット(12)が前記ソケット(18)内に挿入される際の少なくとも後半の段階で、前記リング状に配列された柱と前記リング状に配列された歯とが相対回転したとき、前記歯(26)と前記柱(34,42)とが係合することにより、前記柱(34,42)が弾力性をもって撓み、また、前記歯(26)が前記柱(34,42)間に係合することにより、前記ロック手段どうしの相互係合が行われるようになされていることを特徴とする、靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。 - 前記歯(26)の数が前記柱(34,42)の数の整数倍である、請求項1に記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- 前記スピゴット(12)が滑り止めに設けられており、前記ソケット(18)がホルダに設けられている、請求項1または2に記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- 前記リング状に配列された柱(34,42)が滑り止めに設けられており、前記リング状に配列された歯(26)がホルダに設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- 前記歯(26)が前記ホルダのハブ(16)の外側円柱面(30)から突出しており、前記ソケット(18)は前記ハブ(16)に形成されており、前記歯(26)は、使用時に前記リング状に配列された柱(34,42)内に受け入れられるようになされており、前記ハブ(16)は前記スピゴット(12)と前記柱(34,42)との間に形成された環状の凹所(32)内に受け入れられるようになされている、請求項4に記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- 前記柱(34,42)が、半径方向を向いた内面(40)を有しており、該内面(40)は、前記リング状に配列された歯(26)に向かって凸となるプロファイルを有している、請求項1ないし5のいずれかに記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- 前記内面(40)の円周方向両側の端部(48,50)が、それぞれ異なるプロファイルを有している、請求項6に記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- 前記柱(42)が対ごとに配列されており、各対の柱が共通のベース(44)を有している、請求項1ないし7のいずれかに記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- 前記柱(34)のそれぞれが拘束されることなく立設されている、請求項1ないし7のいずれかに記載の靴用滑り止めおよびホルダの組み合わせ。
- ホルダのソケット(18)内に回転しながら挿入可能とされるねじ付きスピゴット(12)を有する靴用滑り止めにして、該挿入によって前記ホルダと一緒になって組立体となる靴用滑り止めにおいて、
前記ホルダに設けられた複数の歯(26)と係合するよう、それぞれが拘束されることなく立設され且つ軸方向に延びている、リング状に配列された柱(42)を備えており、該柱(42)のそれぞれは、半径方向を向いた内面(40)を有しており、該内面(40)は、凸状のプロファイルを持つ中央領域(46)と、それぞれ異なるプロファイルを持つ第1および第2の円周方向端部(48,50)とを有している、靴用滑り止め。 - 前記円周方向両側の端部(48,50)のプロファイルは、滑り止めがホルダ内に挿入されるときの方が、滑り止めがホルダから外されるときの方よりも、前記柱(42)が前記歯に与える抵抗が小さくなるように形状づけられている、請求項10に記載の靴用滑り止め。
- 前記円周方向端部のうち、滑り止めをホルダ内に挿入する際にリーディング端となる円周方向端部(48)が、前記歯(26)に向かって凹となるプロファイルを有している、請求項10または11に記載の靴用滑り止め。
- 前記円周方向端部のうち、滑り止めをホルダから外す際にリーディング端となる円周方向端部(50)が、前記歯(26)に向かって凸となるプロファイルを有している、請求項10ないし12のいずれかに記載の靴用滑り止め。
- 前記柱(42)が対ごとに配列されており、各対の柱が共通のベース(44)を有している、請求項10ないし13のいずれかに記載の靴用滑り止め。
- 前記柱のそれぞれが拘束されることなく立設されている、請求項10ないし13のいずれかに記載の靴用滑り止め。
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