JP3824608B2 - 脚式移動ロボット及びその動作制御方法 - Google Patents

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Description

[技術分野]
本発明は、生体のメカニズムや動作を模した構造を有するリアリスティックなロボット及び動作制御方法に係り、特に、ヒトやサルなどの直立歩行型の身体メカニズムや動作を模した構造を有する脚式移動ロボット及びその動作制御方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、左右の可動脚による単脚支持期及び両脚支持期を交互に繰り返すことによって脚式作業を安定且つ正確に実現する脚式移動ロボット及びその動作制御方法に係り、特に、単脚支持から両脚支持に移行するなど立脚が切り替わる場合に、脚式移動ロボットが床面や壁面などとの間で開リンク機構から閉リンク機構に遷移する際に、予測と実測とのギャップに基因する剥離や衝突に対応した姿勢安定制御を行なう脚式移動ロボット及びその動作制御方法に関する。
[背景技術]
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の”ROBOTA(奴隷機械)”に由来すると言われている。わが国においてロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
アーム式ロボットのように、ある特定の場所に植設して用いるような据置きタイプのロボットは、部品の組立・選別作業など固定的・局所的な作業空間でのみ活動する。これに対し、移動式のロボットは、作業空間は非限定的であり、所定の経路上又は無経路上を自在に移動して、所定の若しくは任意の人的作業を代行したり、ヒトやイヌあるいはその他の生命体に置き換わる種々の幅広いサービスを提供することができる。なかでも脚式の移動ロボットは、クローラ式やタイヤ式の移動ロボットに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、階段や梯子の昇降や障害物の乗り越えなど、整地・不整地の区別を問わない柔軟な歩行・走行動作を実現できるという点で優れている。
最近では、ヒトのような2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間形」若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)など、脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。例えば、ソニー株式会社は、2000年11月25日に2足歩行の人間型ロボット”SDR−3X”を公表した。
人間形若しくは人間型と呼ばれる2足直立歩行の脚式移動ロボットを研究・開発する意義を、例えば以下の2つの視点から把握することができよう。
1つは、人間科学的な視点である。すなわち、人間の下肢及び/又は上肢に似た構造のロボットを作り、その制御方法を考案して、人間の歩行動作をシミュレートするというプロセスを通じて、歩行を始めとする人間の自然な動作のメカニズムを工学的に解明することができる。このような研究成果は、人間工学、リハビリテーション工学、あるいはスポーツ科学など、人間の運動メカニズムを扱う他のさまざまな研究分野の進展に大いに還元することができるであろう。
もう1つは、人間のパートナーとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動の支援を行なう実用ロボットの開発である。この種のロボットは、人間の生活環境のさまざまな局面において、人間から教わりながら個々に個性の相違する人間又は環境への適応方法を学習し、機能面でさらに成長していく必要がある。このとき、ロボットが「人間形」すなわち人間と同じ形又は同じ構造をしている方が、人間とロボットとのスムースなコミュニケーションを行なう上で有効に機能するものと考えられる。
例えば、踏んではならない障害物を避けながら部屋を通り抜ける方法を実地においてロボットに教示するような場合、クローラ式や4足式ロボットのように教える相手が自分と全く違う構造をしているよりも、同じような格好をしている2足歩行ロボットの方が、ユーザ(作業員)ははるかに教え易く、またロボットにとっても教わり易い筈である(例えば、高西著「2足歩行ロボットのコントロール」(自動車技術会関東支部<高塑>No.25,1996 APRIL)を参照のこと)。
人間の作業空間や居住空間のほとんどは、2足による直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様式に合わせて形成されている。言い換えれば、人間の住空間は、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の機械システムが移動するのにはあまりに多くの障壁が存在する。機械システムすなわちロボットがさまざまな人的作業を支援又は代行し、さらに人間の住空間に深く浸透していくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれとほぼ同じであることが好ましい。これが、脚式移動ロボットの実用化が大いに期待されている所以でもある。人間型の形態を有していることは、ロボットが人間の住環境との親和性を高める上で必須であると言える。
2足歩行による脚式移動を行うタイプのロボットに関する姿勢制御や安定歩行に関する技術は既に数多提案されている。ここで言う安定な「歩行」とは、「転倒することなく、脚を使って移動すること」と定義することができる。
ロボットの姿勢安定制御は、ロボットの転倒を回避する上で非常に重要である。何故ならば、転倒は、ロボットが実行中の作業を中断することを意味し、且つ、転倒状態から起き上がって作業を再開するために相当の労力や時間が払われるからである。また、何よりも、転倒によって、ロボット本体自体、あるいは転倒するロボットと衝突する相手側の物体にも、致命的な損傷を与えてしまう危険があるからである。したがって、脚式移動ロボットを設計・開発するにあたって、歩行やその他の脚式作業時における姿勢安定制御は最も重要な技術的課題の1つである。
歩行時には、重力と歩行運動に伴なって生じる加速度によって、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが作用する。いわゆる「ダランベールの原理」によると、それらは路面から歩行系への反作用としての床反力、床反力モーメントとバランスする。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形の辺上あるいはその内側にピッチ及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する。
脚式移動ロボットの姿勢安定制御や歩行時の転倒防止に関する提案の多くは、このZMPを歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMP規範に基づく2足歩行パターン生成は、足底着地点をあらかじめ設定でき、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力ではなく機体の軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味するので、技術的に実現可能性が高まる。
なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボットの安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic著”LEGGED LOCOMOTION ROBOTS”(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。
一般には、4足歩行よりもヒューマノイドのような2足歩行のロボットの方が、重心位置が高く、且つ、歩行時のZMP安定領域が狭い。したがって、このような路面状態の変化に伴う姿勢変動の問題は、2足歩行ロボットにおいてとりわけ重要となる。
しかしながら、脚式移動ロボットは、研究段階からようやく実用化への第1歩を踏み出そうとしているのが現状であり、いまだ数多の技術的課題が残されている。
人間の住環境での活躍が期待される脚式移動ロボットは、基本的には、回転関節で構成される「肢」を複数備えているが、安定した2足歩行や安定した双腕作業など、外界や作業対象に対して、閉リンク状態と開リンク状態の切替え動作を高速に行なうことが求められている。
例えば、脚式移動ロボットは、通常、左右の可動脚による単脚支持期及び両脚支持期を交互に繰り返すことによって、歩行やその他のさまざまな脚式作業を実行することができる。ここで、単脚支持から両脚支持に移行する場合のように、脚式移動ロボットが床面や壁面などとの間で開リンク機構から閉リンク機構に遷移する際には、例えば着床する足先において、制御上の予測値と実測値とのギャップが発生することがしばしばある。
このような予測と実測とのギャップにより、足先が着床すると予測された時点では未だ床面に到達していない「剥離」や、逆に足先が着床すると予測された時点よりも早く床面に到達してしまう「衝突」といった現象を招来する。これら、剥離や衝突は、脚式移動ロボットにおける機体の姿勢安定制御に大きな影響を及ぼす。
従来は、肢の先に配設した力センサ情報や、関節を駆動するアクチュエータからのトルク情報などを用いて、ソフトウェアによるフィードバック制御によって、開リンク状態から閉リンク状態への切替え動作を高速に行なうことが試みられてきた。しかしながら、この方法による安定動作の実現は、非現実的と言えるほど、高速なフィードバック周期、高い関節駆動分解能、高い関節駆動速度並びに加速度が要求され、技術的に極めて困難である。
[発明の開示]
本発明の目的は、左右の可動脚による単脚支持期及び両脚支持期を交互に繰り返すなど、立脚切替えを繰り返すことによって脚式作業を安定且つ正確に実現することができる、優れた脚式移動ロボット及びその動作制御方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、単脚支持から両脚支持に移行する場合のように、脚式移動ロボットが床面や壁面などとの間で開リンク機構から閉リンク機構に遷移する際に、予測と実測とのギャップに基因する剥離や衝突に対応した姿勢安定制御を行なうことができる、優れた脚式移動ロボット及びその動作制御方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、外界や作業対象に対して、開リンク状態と閉リンク状態の切替え動作を、機体の姿勢安定性を失うことなく高速に行なうことができる、優れた脚式移動ロボット及びその動作制御方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、少なくとも可動脚を持つ脚式移動ロボットであって、
前記可動脚は複数の関節自由度を備えるとともに、各関節に対して動的閉合誤差を除去するための優先順位付き受動自由度が配置されている、
ことを特徴とする脚式移動ロボットである。
本発明の第1の側面に係る脚式移動ロボットによれば、1以上の回転型関節(1関節当り2自由度以上備えていてもよい)で構成される肢を持つロボットにおいて、各肢に動的閉合誤差を除去するために最低限必要な受動自由度(減速機のバックラッシュなど)を配し、さらに各肢の可動範囲を適切に管理することができる。
したがって、たとえ、関節部を駆動するアクチュエータがトルク情報を取得する手段を持たない場合であっても、閉リンク状態と開リンク状態の高速切替え動作を安定に実現することができる。
脚式移動ロボットが、例えば左右の可動脚を備える2足歩行型のロボットであるような場合には、左右の可動脚における受動自由度の配置が略同一となるように構成してもよい。この結果、機体は左右が略対称的な特性を持つことになり、姿勢安定制御が容易になる。
また、可動脚における各関節自由度は減速機が接続されたアクチュエータで構成することができる。このような場合には、各関節における受動自由度はアクチュエータに接続された減速機が持つバックラッシュ量によって実現することができる。
また、肢の端に近い関節ほどバックラッシュ量を大きく設定するようにすることで、各リンクの揺動量により生じる外乱を軽減するとともに、高ゲインの局所フィードバック制御系による高トルク発生を抑えて、足底の急激な滑りや急激な剥離を防止することができる。
前記可動脚は、股関節ロール軸、足首ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足首ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備えている。このような場合、股関節ロール軸のバックラッシュ量、足首ロール軸のバックラッシュ量、股関節ピッチ軸のバックラッシュ量、膝関節ピッチ軸のバックラッシュ量、足首ピッチ軸のバックラッシュ量、股関節ヨー軸のバックラッシュ量の順番でバックラッシュ量が小さくなるように構成することで、各リンクの揺動量により生じる外乱を軽減するとともに、高ゲインの局所フィードバック制御系による高トルク発生を抑えて、足底の急激な滑りや急激な剥離を防止することができる。
また、遊脚が着床時に生じる動的閉合誤差が除去されるときの各リンクの揺動量を足部>下腿部>上腿部の順に管理することによって、各リンクの揺動量により生じる外乱を軽減するとともに、高ゲインの局所フィードバック制御系による高トルク発生を抑えて、床面に対する足底の急激な滑りや急激な剥離を防止することができる。
また、機体のZMP姿勢安定制御性を確保するために、肢全体の各自由度方向におけるバックラッシュ量の総和を管理するようにしてもよい。例えば、1つの下肢におけるロール軸回りの総バックラッシュ量が0.05〜2.0[deg]の範囲内に収まるように構成することが望ましい。また、1つの下肢におけるピッチ軸回りの総バックラッシュ量が0.10〜4.0[deg]の範囲内に収まるように構成することが好ましい。
また、本発明の第2の側面は、少なくともロール軸及びピッチ軸回りの事由度を有する関節部を備えた脚を有するロボット装置であって、
前記関節部には、それぞれロール軸バックラッシュ量ΔR、ピッチ軸バックラッシュ量ΔPが設定され、前記それぞれのバックラッシュ量は、
ΔP > ΔR
の条件を満たしていることを特徴とするロボット装置である。
ここで、前記ピッチ軸バックラッシュ量ΔPは、少なくとも前記ロール軸バックラッシュ量ΔRの1.5倍以上となるように設定してもよい。
脚式移動ロボットは、体幹部、股関節、足首などの各関節部位においては、ロール軸とピッチ軸の組み合わせによって関節自由度が構成されている。同じ関節部位においては、ピッチ軸回りのバックラッシュ量ΔPをロール軸回りののバックラッシュ量ΔRよりも大きくなる(すなわち、ΔP>ΔR)ように機体を設計することを、本発明者等は推奨する。直進歩行を考えた場合、ヨー軸の運動は伴わないため、ロール軸とピッチ軸の運動が支配的であり、さらに、2足歩行型の脚式移動ロボットの場合、X方向の安定領域の方がY方向の安定領城よりも広いため、ΔP>ΔRという結論が見出される。
また、ヨー軸が脚の根本に配置されている場合、旋回時のようにヨー軸運動が発生するときでも、脚部座標系(股関節軸を原点とする)における足平のピッチ運動やロール運動とは干渉しない。すなわち、ヨー軸のバックラッシュ量ΔYによる足平の姿勢偏差はヨー軸角度にのみ影響し、実質安定領域がその偏差に対して充分に大きければ無視することができる。
一方、ヨー軸が大腿部や下腿部に配置されている場合には、ヨー軸のバックラッシュ量ΔYが脚部座標系(股関節軸を原点とする)における足平のピッチ運動やロール運動に干渉する。そこで、ヨー軸におけるバックラッシュΔYの管理の重要性が増す。
また、本発明の第3の側面は、少なくとも可動脚を持つ脚式移動ロボットの動作制御方法であって、
前記可動脚は位置サーボ制御複数の関節自由度からなり、
各関節における動的閉合誤差を除去するための受動自由度を配置するステップを備える、
ことを特徴とする脚式移動ロボットの動作制御方法である。
本発明の第3の側面に係る脚式移動ロボットの動作制御方法によれば、1以上の回転型関節(1関節当り2自由度以上備えていてもよい)で構成される肢を持つロボットにおいて、各肢に動的閉合誤差を除去するに最低限必要な受動自由度(減速機のバックラッシュなど)を配し、さらに各肢の可動範囲を適切に管理することができる。
前記の受動自由度を配置するステップでは、各関節における比例ゲインを操作することにより動的閉合誤差を除去することができる。
また、前記脚式移動ロボットが左右の可動脚を備えた2足歩行型のロボットである場合には、前記の受動自由度を配置するステップでは、左右の可動脚における受動自由度の配置が略同一となるように、各関節における比例ゲインを操作する。この結果、機体は左右が略対称的な特性を持つことになり、姿勢安定制御が容易になる。
また、前記の受動自由度を配置するステップでは、肢の端に近い関節ほど受動自由度が大きくなるように、各関節における比例ゲインを操作することがより好ましい。
例えば、前記可動脚は、股関節ロール軸、足首ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足首ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備える場合においては、前記の受動自由度を配置するステップでは、股関節ロール軸、足首ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足首ピッチ軸、股関節ヨー軸の順番で受動自由度が小さくなるように、各関節における比例ゲインを操作することが好ましい。この結果、各リンクの揺動量により生じる外乱を軽減するとともに、高ゲインの局所フィードバック制御系による高トルク発生を抑えて、足底の急激な滑りや急激な剥離を防止することができる。
また、前記の受動自由度を配置するステップでは、遊脚が着床時に生じる動的閉合誤差が除去されるときの各リンクの揺動量を足部>下腿部>上腿部の順に管理するように、各関節における比例ゲインを操作するようにしてもよい。この結果、各リンクの揺動量により生じる外乱を軽減するとともに、高ゲインの局所フィードバック制御系による高トルク発生を抑えて、足底の急激な滑りや急激な剥離を防止することができる。
また、機体のZMP姿勢安定制御性を確保するために、前記の受動自由度を配置するステップでは、肢全体の各自由度方向における受動自由度の総和を管理するようにしてもよい。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
[発明を実施するための最良の形態]
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1及び図2には本発明の実施に供される脚式移動ロボット100を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。さらに、図3には、この脚式移動ロボット100が具備する関節自由度構成を模式的に示している。
図3に示すように、脚式移動ロボット100は、2本の腕部と頭部1を含む上肢と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成された、複数の肢を備えた構造体である。
頭部1を支持する首関節は、首関節ヨー軸2と、首関節ピッチ軸3と、首関節ロール軸4という3自由度を有している。
また、各腕部は、肩関節ピッチ軸8と、肩関節ロール軸9と、上腕ヨー軸10と、肘関節ピッチ軸11と、前腕ヨー軸12と、手首関節ピッチ軸13と、手首関節ロール軸14と、手部15とで構成される。手部15は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。但し、手部15の動作はロボット100の姿勢制御や歩行制御に対する寄与や影響が少ないので、本明細書ではゼロ自由度と仮定する。したがって、各腕部は7自由度を有するとする。
また、体幹部は、体幹ピッチ軸5と、体幹ロール軸6と、体幹ヨー軸7という3自由度を有する。
また、下肢を構成する各々の脚部は、股関節ヨー軸16と、股関節ピッチ軸17と、股関節ロール軸18と、膝関節ピッチ軸19と、足首関節ピッチ軸20と、足首関節ロール軸21と、足部22とで構成される。本明細書中では、股関節ピッチ軸17と股関節ロール軸18の交点は、本実施形態に係る脚式移動ロボット100の股関節位置を定義する。人体の足部22は実際には多関節・多自由度の足底を含んだ構造体であるが、本実施形態に係る脚式移動ロボット100の足底はゼロ自由度とする。したがって、各脚部は6自由度で構成される。
以上を総括すれば、本実施例に係る脚式移動ロボット100全体としては、合計で3+7×2+3+6×2=32自由度を有することになる。但し、エンターティンメント向けの脚式移動ロボット100が必ずしも32自由度に限定される訳ではない。設計・製作上の制約条件や要求仕様等に応じて、自由度すなわち関節数を適宜増減することができることは言うまでもない。
上述したような脚式移動ロボット100が持つ各自由度は、実際にはアクチュエータを用いて実装される。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状に近似させること、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行うことなどの要請から、アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。本実施例では、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載することとした。なお、この種のACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2000−299970号公報(特願平11−33386号)に開示されている。
図4には、脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボット100は、ヒトの四肢を表現した各機構ユニット30,40,50R/L,60R/Lと、各機構ユニット間の協調動作を実現するための適応制御を行う制御ユニット80とで構成される(但し、R及びLの各々は、右及び左の各々を示す接尾辞である。以下同様)。
脚式移動ロボット100全体の動作は、制御ユニット80によって統括的に制御される。制御ユニット80は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどの主要回路コンポーネント(図示しない)で構成される主制御部81と、電源回路やロボット100の各構成要素とのデータやコマンドの授受を行うためのインターフェース(いずれも図示しない)などを含んだ周辺回路82とで構成される。
本発明を実現する上で、この制御ユニット80の設置場所は特に限定されない。図4では体幹部ユニット40に搭載されているが、頭部ユニット30に搭載してもよい。あるいは、脚式移動ロボット100外に制御ユニット80を配備して、脚式移動ロボット100の機体とは有線若しくは無線で交信するようにしてもよい。
図3に示した脚式移動ロボット100内の各関節自由度は、それぞれに対応するアクチュエータによって実現される。すなわち、頭部ユニット30には、首関節ヨー軸2、首関節ピッチ軸3、首関節ロール軸4の各々を表現する首関節ヨー軸アクチュエータA、首関節ピッチ軸アクチュエータA、首関節ロール軸アクチュエータAが配設されている。
また、体幹部ユニット40には、体幹ピッチ軸5、体幹ロール軸6、体幹ヨー軸7の各々を表現する体幹ピッチ軸アクチュエータA、体幹ロール軸アクチュエータA、体幹ヨー軸アクチュエータAが配備されている。
また、腕部ユニット50R/Lは、上腕ユニット51R/Lと、肘関節ユニット52R/Lと、前腕ユニット53R/Lに細分化されるが、肩関節ピッチ軸8、肩関節ロール軸9、上腕ヨー軸10、肘関節ピッチ軸11、肘関節ロール軸12、手首関節ピッチ軸13、手首関節ロール軸14の各々を表現する肩関節ピッチ軸アクチュエータA、肩関節ロール軸アクチュエータA、上腕ヨー軸アクチュエータA10、肘関節ピッチ軸アクチュエータA11、肘関節ロール軸アクチュエータA12、手首関節ピッチ軸アクチュエータA13、手首関節ロール軸アクチュエータA14が配備されている。
また、脚部ユニット60R/Lは、大腿部ユニット61R/Lと、膝ユニット62R/Lと、脛部ユニット63R/Lに細分化されるが、股関節ヨー軸16、股関節ピッチ軸17、股関節ロール軸18、膝関節ピッチ軸19、足首関節ピッチ軸20、足首関節ロール軸21の各々を表現する股関節ヨー軸アクチュエータA16、股関節ピッチ軸アクチュエータA17、股関節ロール軸アクチュエータA18、膝関節ピッチ軸アクチュエータA19、足首関節ピッチ軸アクチュエータA20、足首関節ロール軸アクチュエータA21が配備されている。
各関節に用いられるアクチュエータA,A…は、より好ましくは、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニット内に搭載したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータ(前述)で構成することができる。
頭部ユニット30、体幹部ユニット40、腕部ユニット50、各脚部ユニット60などの各機構ユニット毎に、アクチュエータ駆動制御用の副制御部35,45,55,65が配備されている。さらに、各脚部60R,Lの足底が着床したか否かを検出する接地確認センサ91及び92を装着するとともに、体幹部ユニット40内には、姿勢を計測する姿勢センサ93を装備している。
接地確認センサ91及び92は、例えば足底に設置された近接センサ又はマイクロ・スイッチなどで構成される。また、姿勢センサ93は、例えば、加速度センサとジャイロ・センサの組み合わせによって構成される。
接地確認センサ91及び92の出力によって、歩行・走行などの動作期間中において、左右の各脚部が現在立脚又は遊脚いずれの状態であるかを判別することができる。また、姿勢センサ93の出力により、体幹部分の傾きや姿勢を検出することができる。
主制御部80は、各センサ91〜93の出力に応答して制御目標をダイナミックに補正することができる。より具体的には、副制御部35,45,55,65の各々に対して適応的な制御を行ない、脚式移動ロボット100の上肢、体幹、及び下肢が協調して駆動する全身運動パターンを実現することができる。
ロボット100の機体上での全身運動は、主制御部81において、足部運動、ZMP(Zero Moment Point)軌道、体幹運動、上肢運動、腰部高さなどを設定するとともに、これらの設定内容に従った動作を指示するコマンドを各副制御部35,45,55,65に転送することによって実現される。ここで言う「ZMP」とは、歩行中の床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことであり、また、「ZMP軌道」とは、例えばロボット100の歩行動作期間中にZMPが動く軌跡を意味する(前述)。各々の副制御部35,45…では、主制御部81からの受信コマンドを解釈して、各アクチュエータA,A…に対して駆動制御信号を出力する。また、主制御部81は、関節自由度を構成する各アクチュエータA,A…の比例ゲインKを操作するための制御信号を出力する。各々の副制御部35,45,55,65においては、各関節アクチュエータA,A…の比例ゲインを調整することによって、バックラッシュに相当する受動自由度を変更することができる(後述)。
本実施形態に係る脚式移動ロボット100は、基本的には、回転関節で構成される「肢」を複数備えた構造体であり、その機体は、安定した2足歩行や安定した双腕作業など、外界や作業対象に対して、閉リンク状態と開リンク状態の切替え動作を行なう。この閉リンク状態と開リンク状態の切替え動作時には、予測と実測とのギャップにより、外界や作業対象との「剥離」や「衝突」などの問題が生ずる。
例えば、足先が着床すると予測された時点では未だ床面に到達していない「剥離」や、逆に足先が着床すると予測された時点よりも早く床面に到達してしまう「衝突」といった現象を招来する。これら、剥離や衝突は、脚式移動ロボットにおける機体の姿勢安定制御に大きな影響を及ぼす。
そこで、本実施形態においては、脚式移動ロボット100の各肢に動的閉合誤差を除去するに最低限必要な受動自由度を配し、さらに各肢の可動範囲を適切に管理するようにした。この結果、関節部を駆動するアクチュエータがトルク情報を取得する手段を持たない場合であっても、閉リンク状態と開リンク状態の高速切替え動作を安定に実現することができる。
本実施形態に係る脚式移動ロボット100は、2足歩行を実現するために、片脚につき以下の6個の関節自由度を備えている(図3を参照のこと)。
股関節ヨー軸(TH_Y)
股関節ロール軸(TH_R)
股関節ピッチ軸(TH_P)
膝関節ピッチ軸(KN_P)
足首関節ピッチ軸(AK_P)
足首関節ロール軸(AK_R)
脚部は、股関節ヨー軸(TH_Y)が機体の腰部に配置され、足平部に足首の各関節が配置されている。本実施形態では、2足歩行の脚式移動ロボット100の姿勢安定制御を容易にするために、上述した6個の関節自由度を構成するアクチュエータの出力部、並びに、関節を構成する部分のバックラッシュ量の最適化を行なう。
最適化を行なうために、これら6個の関節におけるバックラッシュ量に対して優先順位を付ける。すなわち、バックラッシュ量の小さい順(すなわちよい順)に並べると以下の通りとなる。
1.股関節ロール軸のバックラッシュ量 : ΔTH_R
2.足首関節ロール軸のバックラッシュ量 : ΔAK_R
3.股関節ピッチ軸のバックラッシュ量 : ΔTH_P
4.膝関節ピッチ軸のバックラッシュ量 : ΔKN_P
5.足首関節ピッチ軸のバックラッシュ量 : ΔAK_P
6.股関節ヨー軸のバックラッシュ量 : ΔTH_Y
《条件1》
ΔTH_R<ΔAK_R<ΔTH_P<ΔKN_P<ΔAK_P<ΔTH_Y 図1〜図3に示したような左右対称な脚式移動ロボット100の場合、上述した各関節間の優先順位は、左右の各脚において同様であると理解されたい。また、左右の脚で該当する関節のバックラッシュ量を等しくすることが、姿勢安定制御を容易にする上で好ましい。
左脚をL、右脚をRと表記すると、左右対称な脚部を以下の関係式によって定義される。
《条件2》
ΔLTH_R=ΔRTH_R
ΔLAK_R=ΔRAK_R
ΔLTH_P=ΔRTH_P
ΔLKN_P=ΔRKN_P
ΔLAK_P=ΔRAK_P
ΔLTH_Y=ΔRTH_R
但し、機体の設計上、あるいはその他の制約条件のために上式を満たすことができない場合には、1つの肢における各自由度方向の総バックラッシュ量を管理する。より具体的には、以下の式が成立するようにすることで、略同一の作用効果を実現することができる。
《条件3》
ΔLTH_R+ΔLAK_R=ΔRTH_R+ΔRAK_R ≦ γ
ΔLTH_R+ΔLKN_P+ΔLAK_P=ΔRTH_R+ΔRKN_P+ΔRAK_P≦δ
ΔLTH_Y=ΔRTH_Y
以上を要言すれば、本実施形態では、《条件1》、《条件2》、又は《条件3》に示す条件を満たすように各関節のバックラッシュ量の配分を設定することによって、脚式移動ロボット100の機体設計を最適化する。
このように、脚部の各関節におけるアクチュエータ出力部のバックラッシュ量の配分を最適化することにより、2足歩行型の脚式移動ロボット100の姿勢安定制御を容易にすることができる。
上記の《条件1》、《条件2》、又は《条件3》を満たすように、脚式移動ロボット100の機体設計を最適化するための第1の方法は、各関節を構成するアクチュエータに取り付けられる減速機のバックラッシュ量を測定し並びに選別して、各関節に対して該当するバックラッシュ量を持つ減速機付きアクチュエータを配置して、機体を構成することである。
また、脚式移動ロボット100の機体設計を最適化するための第2の方法は、均一のバックラッシュ量を有する減速機付きアクチュエータのサーボ制御器のゲインを調整することで、上記の《条件1》、《条件2》、又は《条件3》を満たすように構成することである。
脚式移動ロボット100を最適化するための第1の方法は、各肢に動的閉合誤差を除去するに最低限必要な受動自由度を配し、さらにその各々の可動範囲を適切に管理するものである。ここで言う閉合点とは、図5に示すように、遊脚を着床した際に、両脚リンクが床平面と幾何図形的に閉じた状態になる場合の遊脚接地点のことである。さらに、動的閉合誤差とは、目標姿勢と実姿勢における、閉合点(面)に対する閉合部位の距離の誤差と角度の誤差、すなわち、閉合面が空間的にずれている量のことである。また、受動自由度は、主として、減速機におけるバックラッシュ量を用いて実現される。すなわち、脚部の該当する関節部を駆動するためのアクチュエータに接続される減速機のバックラッシュを適切に管理することで、たとえその関節部を駆動するアクチュエータにトルク情報を取得するための手段が装備されていなくとも、開リンク状態と閉リンク状態の高速切替え動作を安定に実現することができる。
この第1の方法によれば、物理的なバックラッシュ量で脚の特性を規定することができるので、フィード・フォワード的に歩行に適した脚の特性を常に得ることができる。
脚式移動ロボット100を最適化するための第1の方法の基本原理は、肢の端に近い関節ほど、バックラッシュ量を大きく設定して、各自由度方向の総和を管理することにある。
これによって、例えば遊脚が着床時に生じる動的閉合誤差が除去されるときの、各リンクの揺動量を、足部>下腿部>上腿部の順に管理することができる。したがって、遊脚着床時の各リンクの揺動量により生じる外乱を軽減するとともに、高ゲインの局所フィードバック制御系による高トルク発生を抑制して、足底の急激な滑りや急激な剥離を防止することができる。
ここで、総バックラッシュ量が同じであると仮定して、本発明とは逆に、股関節>膝関節>足関節の順でバックラッシュ量が配される場合について考察してみる。
この場合、股関節部のバックラッシュが大きいので、遊脚の足底における「位置と姿勢」の偏差が大きくなり、立脚切替え時のZMP制御精度がますます悪化してしまう。さらに、遊脚着床時には、肢の先のバックラッシュ量が小さいため、各リンクの揺動量が「上腿部=下腿部=足部」に近い状態になる。このため、遊脚着床時の各リンクの揺動量により生じる外乱が増大するとともに、足部と膝部のアクチュエータに高ゲインの局所フィードバック制御系による急激な高トルク発生の確率が増加し、足底の急激な剥離(ひいては機体が転倒する)可能性が増加するであろう。
図5には、2足歩行型の脚式移動ロボット100における脚式動作中の動的閉合誤差を図解している。動的閉合誤差は、機体の現実姿勢と目標姿勢との偏差であり、時間の経過とともに変化する距離と角度の誤差として表される。動的閉合誤差そのものをなくすことはできない。
肢の端に近い関節ほどバックラッシュ量を大きく設定して、各自由度方向の総和を管理するという、脚式移動ロボット100を最適化するための第1の方法は、勿論、上述したような下肢だけではなく手や上肢に対しても同様に適用することができる。
手や上肢も場合も、1肢における自由度の方向における総バックラッシュ量を管理しつつ、肢の先の方ほどバックラッシュ量を大きく設定するようにする。これに対し、肢の根元の方のバックラッシュ量を大きくしてしまうと、開リンク状態から閉リンク状態へとの移行するときの肢全体での揺動量が増加してしまい、これによりハンドリング起動制御精度とZMP制御精度が悪化する。
ここで、各肢におけるロール軸回り並びにピッチ軸回りの総バックラッシュ量の目標値を以下に示しておく。
0.15[deg]<ロール軸回りの総バックラッシュ量(γ)<0.40[deg]
0.30[deg]<ピッチ軸回りの総バックラッシュ量(δ)<0.80[deg]
脚式移動ロボット100を最適化するための第1の方法は、各関節アクチュエータに接続された減速機のバックラッシュ量のバラツキを利用したものである、という側面がある。このため、脚式移動ロボット用の関節アクチュエータが量産化され、ある程度一定範囲のバラツキ範囲内でバックラッシュ量を持つ減速機を製造することが可能になった場合には、上述したようなバックラッシュ量を測定し選別するような第1の方法は必ずしも最良とは言い難い。
図6には、量産品でのバックラッシュ量と特性の関係を示している。
脚式移動ロボット100を最適化するための第2の方法は、各関節軸アクチュエータにおける位置サーボ補償器の開ループ・ゲインを任意に調整することで、位置エラー偏差量を制御し、上述した第1の最適化方法と同様の効果を得るものである。
図7には、線形的な位置サーボ補償により調整されたバックラッシュ量と特性の関係を示している。また、図7に示すような特性を制御するための位置サーボ補償器の具体的構成を図8に示している。
図8に示すような位置サーボ系において、比例ゲイン(直列補償ゲイン)Kの値を操作することによって、脚式移動ロボット100を最適化するための第2の方法は実現される。
例えば、量産された減速器のバックラッシュ量の平均値が0.3[deg]であるとする。そして、比例ゲインK=2.0のときに減速機自体の特性(位置決め精度がバックラッシュ量そのものになる)が現れるようになっているとする。
ここで、開ループ・ゲインの周波数応答特性はf≦1Hzで、+30dBの抑圧比を持っていると仮定すれば、比例ゲインをK=1.8まで降下させることにより、位置サーボ系の開ループ・ゲインは約1dBだけ下がるので+29dBとなる。
このゲインの差がどうなるかというと、1Hzの周波数相当の速度で9degの目標角が入力されたとき、比例ゲインがK=2.0では+30dBの抑圧比を持っているので、0.285degの位置偏差量になる。実際には、バックラッシュ量が0.3degなので、それ以下の偏差量にはならないという点には注意されたい。
しかし、比例ゲインをK=1.8に下げると、抑圧比は−29dBになるので、0.32degの位置偏差量になる。これは、物理的にバックラッシュ量を0.02degだけ増やすことと等価である。
比例ゲインと抑圧比との関係を図9に示しておく。
このような操作を脚部の各関節軸に対して適用することによって、最適な脚の特性を得ることができる。これは、任意の関節軸におけるアクチュエータにおいて適用することができるので、量産された部品を用いて作られる脚の特性設計に対して非常に有効な方法と言えよう。
また、図10には、非線形な位置サーボ補償により調整されたバックラッシュ量と特性の関係を示している。図10に示す例では、不感帯をできるだけ少なくして、バックラッシュ量を調整している。また、図10に示すような特性を制御するための位置サーボ補償器の具体的構成を図11に示している。
さらに、図12には、非線形な位置サーボ補償により調整されたバックラッシュ量と特性の関係を示している。図12に示す例では、不感帯をわざと大きくして、ある程度以上回転すると実際の特性を持つようにバックラッシュ量を調整している。また、図12に示すような特性を制御するための位置サーボ補償器の具体的構成を図13に示している。
なお、脚式移動ロボット100は、体幹部、股関節、足首などの各関節部位においては、ロール軸とピッチ軸の組み合わせによって関節自由度が構成されている。同じ関節部位においては、ピッチ軸回りのバックラッシュ量ΔPをロール軸回りののバックラッシュ量ΔRよりも大きくなる(すなわち、ΔP>ΔR)ように機体を設計することを、本発明者等は推奨する。直進歩行を考えた場合、ヨー軸の運動は伴わないため、ロール軸とピッチ軸の運動が支配的であり、さらに、2足歩行型の脚式移動ロボットの場合、X方向の安定領域の方がY方向の安定領域よりも広いため、ΔP>ΔRという結論が見出される。
また、図3に示すような機体の関節自由度構成のように、ヨー軸が脚の根本に配置されている場合、旋回時のようにヨー軸運動が発生するときでも、脚部座標系(股関節軸を原点とする)における足平のピッチ運動やロール運動とは干渉しない。すなわち、ヨー軸のバックラッシュ量ΔYによる足平の姿勢偏差はヨー軸角度にのみ影響し、実質安定領域がその偏差に対して充分に大きければ無視することができる。
一方、ヨー軸が大腿部や下腿部に配置されている場合には、ヨー軸のバックラッシュ量ΔYが脚部座標系(股関節軸を原点とする)における足平のピッチ運動やロール運動に干渉する。そこで、ヨー軸におけるバックラッシュΔYの管理の重要性が増す。
以上のような技術的根拠から、脚式移動ロボットの各関節のバックラッシュ量の配分を一般化すると、以下の通りとなる。
▲1▼ZMP制御上の理由から:
Figure 0003824608
▲2▼動的閉合誤差の理由から:
Figure 0003824608
そして、上記の▲1▼及び▲2▼から各関節のバックラッシュの範囲が決定される。
追補
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
[産業上の利用可能性]
本発明によれば、左右の可動脚による単脚支持期及び両脚支持期を交互に繰り返すなど、立脚切替えを繰り返すことによって脚式作業を安定且つ正確に実現することができる、優れた脚式移動ロボット及びその動作制御方法を提供することができる。
また、本発明によれば、単脚支持から両脚支持に移行する場合のように、脚式移動ロボットが床面や壁面などとの間で開リンク機構から閉リンク機構に遷移する際に、予測と実測とのギャップに基因する剥離や衝突に対応した姿勢安定制御を行なうことができる、優れた脚式移動ロボット及びその動作制御方法を提供することができる。
また、本発明によれば、外界や作業対象に対して、開リンク状態と閉リンク状態の切替え動作を、機体の姿勢安定性を失うことなく高速に行なうことができる、優れた脚式移動ロボット及びその動作制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施に供される脚式移動ロボット100を前方から眺望した様子を示た図である。
図2は、本発明の実施に供される脚式移動ロボット100を後方から眺望した様子を示た図である。
図3は、本実施形態に係る脚式移動ロボット100が具備する自由度構成モデルを模式的に示した図である。
図4は、本実施形態に係る脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示した図である。
図5は、2足歩行型の脚式移動ロボットにおける足式動作中の動的閉合誤差を示した図である。
図6は、量産品でのバックラッシュ量と特性の関係を示したチャートである。
図7は、位置サーボ補償により調整されたバックラッシュ量と特性の関係を示したチャートである。
図8は、図7に示すような特性を制御するための位置サーボ補償器の具体的構成を示した図である。
図9は、比例ゲインと抑圧比との関係を示したチャートである。
図10は、不感帯をできるだけ少なくして、非線形な位置サーボ補償により調整されたバックラッシュ量と特性の関係を示した図である。
図11は、図10に示すような特性を制御するための非線型位置サーボ補償器の具体的構成を示した図である。
図12は、不感帯をわざと大きくして、ある程度以上回転すると実際の特性を持つようにした、非線形な位置サーボ補償により調整されたバックラッシュ量と特性の関係を示した図である。
図13は、図12に示すような特性を制御するための非線型位置サーボ補償器の具体的構成を示した図である。

Claims (29)

  1. 胴体と、該胴体に連結された可動脚を持つ脚式移動ロボットであって、
    前記可動脚は、少なくとも第1の関節と、該第1の関節よりも前記胴体から離れた部位に設けられた第2の関節を備え、
    前記第2の関節は前記第1の関節よりも大きな受動自由度の可動範囲を持つように構成されている、
    ことを特徴とする脚式移動ロボット。
  2. 前記脚式移動ロボットは左右の可動脚を備えるとともに、左右の可動脚における受動自由度の可動範囲の大きさの配置が略同一である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  3. 各関節は減速機が接続されたアクチュエータで駆動されるとともに、各関節における受動自由度の可動範囲はアクチュエータに接続された減速機が持つバックラッシュ量により実現され、前記第2の関節は前記第1の関節よりも大きなバックラッシュ量が設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  4. 前記第1及び第2の関節はロール軸回りの関節自由度を持ち、前記第2の関節のロール軸のバックラッシュ量が前記第1の関節のロール軸のバックラッシュ量よりも大きく設定されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の脚式移動ロボット。
  5. 前記第1及び第2の関節はピッチ軸回りの関節自由度を持ち、前記第2の関節のピッチ軸のバックラッシュ量が前記第1の関節のピッチ軸のバックラッシュ量よりも大きく設定されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の脚式移動ロボット。
  6. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備えるとともに、各関節は減速機が接続されたアクチュエータによって各軸回りに駆動され、
    股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸の順番でバックラッシュ量が小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  7. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備えるとともに、各関節は減速機が接続されたアクチュエータによって各軸回りに駆動され、
    股関節ロール軸のバックラッシュ量が足関節ロール軸のバックラッシュ量より小さくなるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  8. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備えるとともに、各関節は減速機が接続されたアクチュエータによって各軸回りに駆動され、
    股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸の順番でバックラッシュ量が小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  9. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備えるとともに、各関節は減速機が接続されたアクチュエータによって各軸回りに駆動され、
    股関節ピッチ軸のバックラッシュ量が足関節ピッチ軸のバックラッシュ量より小さくなるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  10. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備えるとともに、各関節は減速機が接続されたアクチュエータによって各軸回りに駆動され、
    股関節ピッチ軸のバックラッシュ量が膝関節ピッチ軸のバックラッシュ量より小さくなるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  11. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備えるとともに、各関節は減速機が接続されたアクチュエータによって各軸回りに駆動され、
    膝関節ピッチ軸のバックラッシュ量が足関節ピッチ軸のバックラッシュ量より小さくなるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  12. 前記可動脚は、上腿部、下腿部、足部からなり、
    遊脚が着床時に生じる動的閉合誤差が除去されるときの各リンクの揺動量を足部>下腿部>上腿部の順に管理する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  13. 前記可動脚の各関節は、ロール軸又はピッチ軸回りのうち一方又は両方の関節自由度を備えるとともに、各関節は減速機が接続されたアクチュエータによって各軸回りに駆動され、
    ロール軸及びピッチ軸毎に、前記可動脚全体で各関節の減速機が持つバックラッシュ量の総和を管理する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  14. 前記可動脚全体で各関節のロール軸の減速機が持つバックラッシュ量の総和が0.05〜2.0[deg]の範囲内に収まるように構成される、
    ことを特徴とする請求項13に記載の脚式移動ロボット。
  15. 前記可動脚全体で各関節のピッチ軸の減速機が持つバックラッシュ量の総和が0.10〜4.0[deg]の範囲内に収まるように構成される、
    ことを特徴とする請求項13に記載の脚式移動ロボット。
  16. 少なくともロール軸及びピッチ軸回りの自由度を有する関節部を備えた脚を有するロボット装置であって、
    ロール軸が持つ受動自由度の可動範囲ΔRピッチ軸が持つ受動自由度の可動範囲ΔPが、
    ΔP > ΔR
    の条件を満たしていることを特徴とするロボット装置。
  17. 前記ピッチ軸が持つ受動自由度の可動範囲ΔPは前記ロール軸が持つ受動自由度の可動範囲ΔRの1.5倍以上である、
    ことを特徴とする請求項16に記載のロボット装置。
  18. 各関節を駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備え、
    前記サーボ制御器においてアクチュエータへ入力する指示値に対するゲインを操作することにより各関節に対して所望する受動自由度の可動範囲を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  19. 前記第2の関節の方が前記第1の関節よりも受動自由度の可動範囲が大きくなるように、各関節駆動用のアクチュエータのサーボ制御器においてゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の脚式移動ロボット。
  20. 開・閉合遷移部位に近い関節の受動自由度の可動範囲がより大きくなるように、各関節駆動用のアクチュエータのサーボ制御器においてゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の脚式移動ロボット。
  21. 前記第1及び第2の関節はロール軸回りの関節自由度を持ち、前記第2の関節のロール軸回りの受動自由度の可動範囲が前記第1の関節のロール軸回りの受動自由度の可動範囲よりも大きくなるように、各関節駆動用のアクチュエータのサーボ制御器においてゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の脚式移動ロボット。
  22. 前記第1及び第2の関節はピッチ軸回りの関節自由度を持ち、前記第2の関節のピッチ軸回りの受動自由度の可動範囲が前記第1の関節のピッチ軸回りの受動自由度の可動範囲よりも大きくなるように、各関節駆動用のアクチュエータのサーボ制御器においてゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の脚式移動ロボット。
  23. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足首ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備え、各関節は各軸回りに駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備え、
    股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸の順番で受動自由度の可動範囲が小さくなるように、前記サーボ制御器においてアクチュエータへ入力する指示値に対するゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボット。
  24. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足首ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備え、各関節は各軸回りに駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備え、
    立脚切り換え時に立脚から遊脚に遷移する脚の股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足関節ピッチ軸の順番で受動自由度の可動範囲が小さくなるように、前記サーボ制御器においてアクチュエータへ入力する指示値に対するゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボット。
  25. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足首ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備え、各関節は各軸回りに駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備 え、
    股関節ロール軸の可動範囲が足関節ロール軸の可動範囲より小さくなるように、前記サーボ制御器においてアクチュエータへ入力する指示値に対するゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボット。
  26. 前記可動脚は、股関節ロール軸、足関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝関節ピッチ軸、足首ピッチ軸、股関節ヨー軸の各軸回りの関節自由度を少なくとも備え、各関節は各軸回りに駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備え、
    股関節ピッチ軸の可動範囲が足関節ピッチ軸の可動範囲より小さくなるように、前記サーボ制御器においてアクチュエータへ入力する指示値に対するゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボット。
  27. 前記可動脚は、上腿部、下腿部、足部からなり、
    各関節を駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備え、
    遊脚が着床時に生じる動的閉合誤差が除去されるときの各リンクの揺動量を足部>下腿部>上腿部の順に管理するように、前記サーボ制御器においてアクチュエータへ入力する指示値に対するゲインを操作する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボット。
  28. 前記可動脚の各関節は、ロール軸又はピッチ軸回りのうち一方又は両方の関節自由度を備えるとともに、各関節を各軸回りに駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備え、
    ロール軸及びピッチ軸毎に、前記可動脚全体で各関節が持つ受動自由度の可動範囲の総和を管理する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボット。
  29. 各関節を駆動するアクチュエータと、アクチュエータ毎に設けられたサーボ制御器をさらに備え、
    前記サーボ制御器において、アクチュエータ回転軸の回転角0度近傍に設ける不感帯の大きさに基づいて各関節に対して所望する受動自由度の可動範囲を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
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