JP3823869B2 - 爆裂防止機能付き材料試験機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は材料試験機に関し、更に詳しくは、コンクリート等の圧縮試験を行うための材料試験機で、供試体の爆裂を防止する機能を備えてなる爆裂防止機能付き材料試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートの最大強度を測定する一般的な方法として、規定寸法のコンクリートからなる供試体に対し、材料試験機を用いて圧縮試験を行う方法が採用されている。
【0003】
コンクリートの圧縮試験においては、通常、供試体に加える圧縮応力を一定の速度で増大させていき、最大強度が出現した後に負荷を停止する。このような試験において、最大強度が出現した後、コンクリートに対して圧縮力を加え続けると、最終的にはコンクリートが破壊し、破片が周囲に飛び散る「爆裂」と称される現象が生じる(図3参照)。
【0004】
コンクリートの爆裂は大変危険であるため、この種の試験を行うための材料試験機においては、一般に爆裂防止機能が装備されている。この爆裂防止機能とは、図3に示すようなコンクリートの圧縮試験における試験力の推移を利用して自動的に材料試験機の負荷機構を停止もしくは原点復帰させるものである。すなわち、コンクリートの圧縮試験においては、最大強度の出現後に供試体にひび割れが発生して成長する等によって試験力が減少に転じるが、爆裂防止機能とは、試験力を常時監視してその減少を捕らえ、減少割合があらかじめ設定されている割合に達した時点で自動的に負荷機構を停止もくしは原点復帰させる機能をいう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コンクリートの圧縮試験においては、上記したように最大強度の出現後に試験力は減少に転じるが、減少後、爆裂するまでの時間はコンクリートの強度によって異なる。すなわち、強度の高いコンクリートにおいては、図4に示すように、最大強度の出現後、爆裂に至るまでの時間Tが短いため、最大強度の出現後に直ちに爆裂防止機能を働かせなければ供試体が爆裂してしまう。これに対し、強度の低いコンクリートにおいては、図5に示すように、最大強度の出現後、爆裂に至るまでの時間Tが長い。
【0006】
ここで、コンクリートの圧縮試験において、最大強度を検出できたか否かは、試験後に供試体を観察し、ひび割れが生じているかどうかで確認するのであるが、爆裂の発生を恐れて、あるいは低強度のコンクリートの試験に際して高強度のコンクリート用の設定を行って、負荷機構を停止ないしは原点復帰させるための試験力の減少割合を低く設定すると、換言すれば高感度で爆裂防止機能を動作するように設定すると、最大強度の出現後に直ちに負荷機構が停止ないしは原点復帰してしまい、供試体にひび割れが生じないため真の最大強度を検出できたかどうかを確認できないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、高強度および低強度のコンクリートの圧縮試験に際して、爆裂を確実に防止すると同時に、ひび割れを生じることなく試験を終了してしまうことを確実に防止することのできる爆裂防止機能付き材料試験機の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の爆裂防止機能付き材料試験機は、供試体に圧縮荷重を加える負荷機構と、供試体に作用する試験力を検出する試験力検出手段と、その試験力検出手段の出力を取り込んで、供試体に作用する刻々の試験力の減少割合が設定値に達しているか否かを判別し、設定値に達した時点で上記負荷機構を自動的に停止もしくは原点復帰させることにより供試体の爆裂を防止する爆裂防止手段を備えた材料試験機において、試験中における試験力検出手段の出力の大きさに応じて、上記爆裂防止手段で用いる試験力の減少割合の設定値を自動的に逐次変更していく自動変更手段を備えていることによって特徴づけられる。
【0009】
本発明は、爆裂防止機能の動作感度を、試験中における刻々の試験力検出値に応じて自動的に設定変更していくことによって、所期の目的を達成するものである。
【0010】
すなわち、本発明においては、試験中において供試体に作用する刻々の試験力の大きさに応じて、爆裂防止機能の動作感度である試験力の減少割合の設定値を自動的に逐次変更していく。つまり、試験力が大きくなっていくに従って爆裂防止機能の動作感度を高くしていけば、供試体の最大強度が低い場合には低感度のもとに爆裂防止機能が動作し、最大強度が高い場合には高感度のもとに爆裂防止機能が動作する。
【0012】
以上の本発明の構成によれば、オペレータが爆裂防止機能の動作感度を変更することなく、低強度のコンクリートの試験に際しては低感度で爆裂防止機能が動作し、高強度のコンクリートの試験に際しては高感度で爆裂防止機能が動作することになり、供試体の爆裂を確実に防止しつつ、供試体にひび割れを生じずに試験を終了してしまう不具合の発生を確実に防止することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【0014】
試験機本体1は、本体フレーム11にそれぞれ鉛直方向に沿った2本のねじ棹12a,12bを設け、そのねじ棹12a,12bに沿って上下方向に位置調整可能なクロスヘッド13を配置するとともに、そのクロスヘッド13の下方には、本体フレーム11内に設けられた負荷用シリンダ14により上下動するテーブル15を配置した構造を有している。
【0015】
試験すべきコンクリートの供試体Wは、クロスヘッド13の下面に装着された圧板16と、テーブル15の上面に装着された圧板17の間に配置され、この状態で負荷用シリンダ14を駆動してテーブル15を上昇させることによって、供試体Wに圧縮荷重が作用するようになっている。
【0016】
供試体Wに作用する圧縮荷重、つまり試験力は、負荷用シリンダ14に取り付けられている圧力セル18によって検出され、その検出出力はA−D変換器21を介してCPUを主体とする制御装置2に刻々と取り込まれる。
【0017】
負荷用シリンダ14はサーボバルブ19を介して油圧源(図示せず)から供給される作動油によって動作し、このサーボバルブ19は、制御装置2からD−A変換器22を介して供給される操作信号によってその弁開度が制御される。制御装置2では、圧力セル18によって検出される刻々の試験力が、あらかじめ設定されている目標値に一致するようにサーボバルブ19に供給すべき操作信号を生成する。具体的には、あらかじめ設定されている目標値と圧力セル18による刻々の試験力の検出値との偏差をPID等の演算を施したうえで、D−A変換器22を介して操作信号としてサーボバルブ19にフィードバックする。試験中における刻々の試験力の検出値は、表示器23に表示されるとともに、プロッタ24に出力される。
【0018】
また、この制御装置2には、各種試験条件等を設定するための操作パネル25が接続されている。
【0019】
そして、この制御装置2に書き込まれている動作プログラムは、上記したように試験中における刻々の試験力の検出値を取り込んで、サーボバルブ19の弁開度をフィードバック制御するルーチンと並行して、その刻々の試験力を監視し、試験力の減少割合が設定値に達した時点で自動的に負荷用シリンダ14を停止して原点復帰させる、爆裂防止用のルーチンを含んでいる。しかも、このルーチンにおいては、負荷用シリンダ14を停止させるべき試験力の減少割合の設定値、換言すれば爆裂防止機能の感度も、刻々の試験力の大きさに応じて自動的に逐次変更されていく点に特徴がある。
【0020】
図2はその爆裂防止用のルーチンの内容を示すフローチャートで、以下、この図2を参照しつつ本発明の実施の形態の作用を述べる。
【0021】
この例において、爆裂防止機能の感度である試験力の減少割合Pは3段階に設定されており、試験中における試験力の検出結果Fに応じてその動作感度が自動的に順次高くなっていく。
【0022】
すなわち、試験の開始指令を与えることによって負荷用シリンダ14が起動してテーブル15が上昇し、供試体Wに目標値通りの圧縮荷重が加えられる。そして、その間、供試体Wに作用する試験力Fを刻々と取り込むごとに、その試験力Fの大きさが20N/mm2 未満の状態においては爆裂防止機能の感度が最低感度(負荷用シリンダ14を停止させるための試験力の減少割合P=Pmax )に設定され、試験力が20N/mm2 以上70N/mm2 未満の間に入ると感度は中間感度(P=Pmid )に自動的に変更され、更に試験力が70N/mm以上に達すれば感度は最大感度(P=Pmin )に自動的に変更される。
【0023】
そして、このように試験中における試験力の大きさに応じて爆裂防止機能の動作感度を自動的に変更しつつ、試験力を取り込むごとにその最新の試験力とその直前数個の試験力を併せた試験力の経時的変化をモニタし、試験力が減少している場合にはその減少割合Pt が先に設定されて減少割合Pに達した時点で、負荷用シリンダ14を自動的に停止させて、原点に復帰させる。
【0024】
以上の実施の形態によると、高強度のコンクリートの試験にあっては爆裂防止機能の動作感度が自動的に高くなって爆裂を確実に防止することがきととともに、低強度のコンクリートの試験にあっては、爆裂防止機能の動作感度が自動的に低くなって、試験終了時において供試体Wに確実にひび割れを生じさせることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、試験中における試験力の増大に伴って、爆裂防止機能の動作感度が自動的に最適に設定されるので、オペレータが爆裂防止機能の動作感度を設定することなく、高強度をはじめとして各種強度のコンクリートの試験に際して爆裂の発生を確実に防止することができると同時に、低強度のコンクリートの試験に際してひび割れを生じることなく試験を終了してしまう不具合の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態における制御装置2に書き込まれている爆裂防止のためのルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図3】 コンクリートの圧縮試験における試験力の推移と爆裂を説明するためのグラフである。
【図4】 強度の高いコンクリートの圧縮試験における爆裂の発生例を示すグラフである。
【図5】 強度の低いコンクリートの圧縮試験における爆裂の発生例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 試験機本体
11 本体フレーム
12a,12b ねじ棹
13 クロスヘッド
14 負荷用シリンダ
15 テーブル
16,17 圧板
18 圧力セル
19 サーボバルブ
2 制御装置
21 A−D変換器
22 D−A変換器
25 操作パネル
W 供試体
Claims (1)
- 供試体に圧縮荷重を加える負荷機構と、供試体に作用する試験力を検出する試験力検出手段と、その試験力検出手段の出力を取り込んで、供試体に作用する刻々の試験力の減少割合が設定値に達しているか否かを判別し、設定値に達した時点で上記負荷機構を自動的に停止もしくは原点復帰させることにより供試体の爆裂を防止する爆裂防止手段を備えた材料試験機において、
試験中における試験力検出手段の出力の大きさに応じて、上記爆裂防止手段で用いる試験力の減少割合の設定値を自動的に逐次変更していく自動変更手段を備えていることを特徴とする爆裂防止機能付き材料試験機。
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JP2002113799A JP3823869B2 (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | 爆裂防止機能付き材料試験機 |
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JP2002113799A JP3823869B2 (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | 爆裂防止機能付き材料試験機 |
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Family
ID=29395879
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002113799A Expired - Lifetime JP3823869B2 (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | 爆裂防止機能付き材料試験機 |
Country Status (1)
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2002
- 2002-04-16 JP JP2002113799A patent/JP3823869B2/ja not_active Expired - Lifetime
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