JP3823540B2 - 内燃機関用燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル等の内燃機関用燃料噴射弁に関するもので、特にディーゼルエンジンへの燃料噴射を電子制御する電子制御燃料噴射システムの燃料噴射弁に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関、特にディーゼルエンジンより排出される排気ガスのエミッションの低減を図ることで排気規制強化や地球環境保護を目的としたり、ドライバビリティの向上を目的としたりするために、ディーゼルエンジンへの燃料噴射を電子制御する電子制御燃料噴射システムの開発が盛んに行われている。その一例を図4に示す。この電子制御燃料噴射システムによれば、燃料タンク100からフィードポンプ101の作用により吸い上げられた燃料は、電子制御される高圧ポンプ102で高圧燃料としてコモンレール103に圧送される。
【0003】
ここで、コモンレール103への圧送量は、エンジン制御装置(以下ECUと呼ぶ)104からの制御信号により高圧ポンプ102に取り付けた電磁弁を制御することで調整される。燃料噴射量は、ディーゼルエンジンの各気筒にそれぞれ設置されたインジェクタの電磁弁105への通電をECU104から制御することにより決められる。
【0004】
このような電子制御燃料噴射システムに用いられる燃料噴射ノズル(以下インジェクタと呼ぶ)106の概略構造を図5に示す。コモンレール103から供給される高圧燃料は、絞り107を介してコマンドピストン108の図示上方に設けられた制御室109とインジェクタ106のノズル本体110に設けられた小径の燃料孔111を介して油溜まり室112に供給される。
【0005】
一方、ECU104からの制御信号を受けてドライブ回路等からなるEDU113によってコイル114に電流が流れて電磁弁105のバルブ115が開弁すると、制御室109内に充填された高圧燃料が、絞り116を介してリーク経路117に流出する。このため、制御室109の内部圧力が低下し、油溜まり室112内の高圧燃料がノズルニードル119を図示上方に押し上げる力が、コマンドピストン108を図示下方に押し下げる力に打ち勝つ。これにより、ノズルニードル119が図示上方に上昇し、ノズル本体110の先端に設けられた噴孔118から高圧燃料がエンジン燃焼室に噴射される。
【0006】
ここで、理想的な噴射を考えた場合に、エンジン負荷が低負荷の時等の小噴射量時は、HCやスモーク等の微粒子を低減するために、ディーゼルエンジンに噴射する高圧燃料の微粒化が必要であり、そのためには噴孔118の孔径をより小さくするのが有効である。
一方、エンジン負荷が高負荷の時等の大噴射量時には、燃費向上およびスモーク抑制の観点から噴射期間をなるべく短くする必要があり、そのためには、噴孔118の孔径をより大きくするのが有効である。このように燃料噴射量の多少によって要求される噴孔118の孔径が異なるという矛盾が生じる。
【0007】
また、特にエンジン回転速度がアイドル回転速度の時には、騒音低減等の観点から着火遅れ期間中の燃料噴射量を抑える必要がある。これらのことを、燃料噴射量に対する噴射期間というまとめ方をしたものを、図6のグラフに示す。
通常の燃料噴射ノズルでは、図6のグラフ中に破線で示すように、燃料噴射量と噴射期間とはリニアな関係にあるが、図6のグラフ中に実線で示すように、燃料噴射量の少ない領域では着火遅れ期間中の燃料噴射量を抑えるために噴射期間を長く、燃料噴射量の多い領域では燃費、スモークを抑えるために噴射期間を短くする必要があるが、これを達成するには噴射圧力を変えるか、噴孔面積を変える方法がある。なお、噴射圧力では高圧化が必要であり、製品コスト、耐久性の面で不利となってしまう。
【0008】
インジェクタの噴孔面積を変える方法の一例としては、図7に示したように、ノズルニードル121の先端部に突起部122を設け、ノズル本体123の先端部に内部で突起部122が摺動する筒状の摺動部124を設け、その摺動部124にノズルニードル121の上昇量(リフト量)に応じて開放される第1、第2噴孔125、126を設けたインジェクタ(一般に「可変噴孔ノズル」と呼ばれる。特開平7−332199号公報等)120がある。
【0009】
このインジェクタ120によれば、ノズルニードル121のリフトが小さい時には、図8に示したように、ノズルニードル121の突起部122内に設けた連通路127を介して高圧燃料がサック室128に流入して図示下方の第1噴孔125のみから高圧燃料の噴射が行われる。また、ノズルニードル121のリフトが大きくなると、図9に示したように、図示上方の第2噴孔126からも高圧燃料の噴射が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のインジェクタ120のような可変噴孔ノズル構造では、エンジン負荷が低負荷の時等の小リフト時において、本来燃料噴射を行うべき、図示下方の第1噴孔125のみだけでなく、燃料噴射をしてはいけない第2噴孔126からも燃料が噴出されてしまうことが分かった。
【0011】
この理由は、ノズルニードル121を閉弁方向に押し付けるためのコイルスプリング129を収納するスプリング室130の内部圧力が油溜まり室131の内部圧力に対して低圧であるため、高圧のかかる油溜まり室131からのリークを防ぐために摺動部S1においては、ノズルニードル121とノズル本体123とのクリアランスを詰める必要がある。
【0012】
ところが、摺動部S1および摺動部S2の2箇所ともクリアランスを詰めるのは加工上難しく、どちらかのクリアランスを多少犠牲にしなければならない。この場合、クリアランスに対する漏れ面積の小さい突起部122側の摺動部S2をラフにすると、本来、ノズルニードル121が小リフト時に第1噴孔125のみから燃料噴射されるべき時でも、高圧燃料が摺動部S2を通って第2噴孔126からも漏出してしまう。
【0013】
この際、クリアランスを通って燃料が噴出するため、噴射圧力はかなり低く、微粒化の劣った噴霧となり、燃焼が悪くなる。このため、ディーゼルエンジンより排出される排気ガス中の黒煙(スモーク)や炭化水素(HC)等が多くなり、エミッションの悪化を招くという問題が生じる。
【0014】
【発明の目的】
本発明の目的は、ノズルニードルのリフトを段階的に変更することにより、噴孔面積を変えることのできる内燃機関用燃料噴射弁を提供することにある。また、ノズルニードルのリフトの小さい時に第1噴孔のみから確実な燃料噴射を行うことができ、且つ第2噴孔から低い圧力の燃料が漏出することを防止することのできる内燃機関用燃料噴射弁を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、第1噴孔のみから高圧燃料を噴射する際に、スプリングを収納するスプリング室と摺動部の先端側に設けられた第1噴孔付近とを同一圧力とすることにより、内燃機関の負荷が低負荷の時等の小噴射量の時のようにノズルニードルが少し上昇した場合に、第1噴孔のみから高圧燃料の噴射を確実に行うことができ、且つノズルニードルの突起部と摺動部とのクリアランスを通って低圧力の燃料が漏出することはない。したがって、内燃機関より排出される排気ガス中のスモークやHC等が少なくなり、エミッションの低減を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、ノズルニードルが少し上昇した場合に、高圧燃料は、ノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリングを収納するスプリング室から、ノズルニードルの外周に設けた燃料通路を介して第1噴孔に供給される。スプリング室の内部圧力が高圧であるため、燃料通路をシールする必要はなく、燃料通路の通路面積を噴孔面積以上となるように比較的に大きなクリアラスに設定することが可能となる。
【0017】
この結果、精度が必要なのは、ノズルニードルの先端に設けた突起部とノズル本体の摺動部とのクリアランスを詰めることが可能となる。これにより、内燃機関の負荷が低負荷の時等の小噴射量の時のようにニードルリフトが小さい場合に、第1噴孔のみから高圧燃料の噴射を確実に行うことができ、且つノズルニードルの突起部と摺動部とのクリアランスを通って低圧力の燃料が漏出することはない。したがって、内燃機関より排出される排気ガス中のスモークやHC等が少なくなり、エミッションの低減を図ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、ノズル本体の先端部に、ノズルニードルを摺動自在に支持する摺動部を設け、ノズルニードルの先端部に、ノズルニードルが少し上昇した際に、燃料通路と第1噴孔とをサック室を介して連通する連通路が形成された突起部を設けている。それによって、ノズルニードルが多く上昇した際に、燃料通路と第1噴孔および第2噴孔とがサック室および連通路を介して連通することで、高圧燃料が第1噴孔および第2噴孔の両方から噴射される。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔実施例の構成〕
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、図1はインジェクタの概略構造を示した図で、図2はインジェクタの主要構造を示した図である。
【0020】
本実施例の電子制御燃料噴射システムのインジェクタ1は、本発明の内燃機関用燃料噴射弁に相当するもので、例えばディーゼルエンジン(以下エンジンと略す)の各気筒に取り付けられたノズル本体2と、このノズル本体2内を摺動するノズルニードル3と、このノズルニードル3と一体的に往復変位するコマンドピストン4と、ノズルニードル3およびコマンドピストン4を閉弁方向に付勢するコイルスプリング5と、図示しないECUにより電子制御される二方電磁弁6とから構成される。
【0021】
ノズル本体2の先端部には、内周でノズルニードル3を摺動自在に保持する筒状の摺動部10が設けられている。この摺動部10の先端側の外周には、高圧燃料をエンジンの各気筒内に噴射する複数の第1噴孔11が形成されている。そして、摺動部10の後端側の外周には、高圧燃料をエンジンの各気筒内に噴射する複数の第2噴孔12が形成されている。
【0022】
ノズル本体2の中間部には、摺動部10よりも内径の大きい筒状の胴体部13が設けられている。また、ノズル本体2には、胴体部13内にコモンレールで蓄圧された高圧燃料を供給するための燃料孔14、ノズル本体2の後端側に設けられる制御室2a内にコモンレールで蓄圧された高圧燃料を供給するための燃料孔15、および制御室2aからリーク通路(低圧通路)に排出するための燃料孔16が形成されている。その燃料孔15の途中には通路断面積を絞る絞り部17が設けられ、燃料孔16の途中には通路断面積を絞る絞り部18が設けられている。ここで、絞り部17、18には、例えばオリフィス等の固定絞りが使用されている。
【0023】
ノズルニードル3は、先端側にノズル本体2の摺動部10内を摺動自在に変位する突起部21を有し、且つ後端側にノズル本体2の胴体部13内を往復変位すると共に、突起部21よりも外径の大きい大径部22を有している。なお、大径部22の外周とノズル本体2の胴体部13の内周との間には、図3(a)および図3(b)に示したように、燃料通路23が形成されている。
【0024】
また、突起部21には、ノズルニードル3が少し上昇した際に、燃料通路23と第1噴孔11とを摺動部10の先端に設けられたサック室24を介して連通すると共に、ノズルニードル3が多く上昇した際に、燃料通路23と第1、第2噴孔11、12とを摺動部10の先端に設けられたサック室24を介して連通する連通路25、26が形成されている。なお、連通路25は、突起部21の径方向を一文字状または十文字状に貫通する貫通孔で、連通路26は、突起部21の軸方向に形成されて連通路25と突起部21の先端面とを連通する連通孔である。
【0025】
コマンドピストン4は、ノズルニードル3の大径部22の後端面に連結された軸状部27、およびこの軸状部27よりも後端側に設けられて、ノズル本体2の胴体部13よりも後端側の摺動部28内に摺動自在に支持された大径部29を有している。なお、大径部29の後端側には、燃料孔15を介してコモンレールから高圧燃料が供給される上記の制御室(背圧室)2aが形成されている。
【0026】
コイルスプリング5は、コマンドピストン4の軸状部27の外周に配されており、先端(一端)がノズルニードル3の大径部22の後端面(他端面)に保持され、後端(他端)がノズル本体2の胴体部13と摺動部28とを区画する区画部31に保持されている。そして、コイルスプリング5は、ノズル本体2の胴体部13内に形成されるスプリング室32内に収容されている。
【0027】
ここで、本実施例では、ノズルニードル3が少しリフトして、第1噴孔11のみから高圧燃料を噴射する際に、スプリング室32と第1噴孔11付近のサック室24とが同一圧力となる構造にするために、図1ないし図3に示したように、コモンレールから高圧燃料が供給される上記の燃料通路23を形成している。
【0028】
二方電磁弁6は、燃料孔16の途中に設けられており、最適な時期に燃料孔16を開くようにECUにより電子制御される開閉弁である。この二方電磁弁6は、具体的には、燃料孔16を開閉するバルブ、通電されるとバルブを開弁させる電磁コイル、およびこの電磁コイルへの通電が停止された際にバルブを閉弁させるためのリターンスプリング(いずれも図示せず)等よりなる周知の構造を有している。
【0029】
〔実施例の作用〕
次に、本実施例のインジェクタ1の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0030】
1)無噴射時
二方電磁弁6が燃料孔16を閉じているため、コモンレールからの高圧燃料が燃料孔15の絞り部17を通って制御室2a内に満たされる。ここで、ノズル本体2の胴体部13の内部、すなわち、スプリング室32および燃料通路23には、燃料孔14を介して常にコモンレールから高圧燃料が導入されているが、コイルスプリング5の図示下方への付勢力およびコマンドピストン29とノズル3にかかる油圧力によってノズルニードル3がノズル本体2のシート部に着座している。これにより、ノズルニードル3はリフトせず、エンジンへの高圧燃料の噴射は成されない。
【0031】
2)噴射時
二方電磁弁6がECUからの指令により開弁するため、燃料孔16が開かれる。このため、制御室2a内の高圧燃料が燃料孔16を通ってリーク通路に排出され、制御室2aの内部圧力が低圧となる。すると、ノズルニードル3は、燃料孔14を通って燃料通路23内に導入される高圧燃料により図示上向きの力を受けて、少しだけリフトする。これにより、燃料通路23内の高圧燃料が、ノズルニードル3の突起部21に形成された連通路25、26、およびノズル本体2の先端に設けられたサック室24を介して第1噴孔11のみからエンジンに噴射される。
【0032】
さらに、二方電磁弁6の電磁コイルへの通電が続くと、更に制御室2aの内部圧力が低圧となり、ノズルニードル3のリフト量が大きくなる。これにより、燃料通路23内の高圧燃料が、連通路25、26およびサック室24を介して第1噴孔11および第2噴孔12の両方からエンジンに噴射される。
【0033】
3)噴射終了時
二方電磁弁6がECUからの指令により閉弁すると、制御室2aの内部圧力が回復するため、コマンドピストン4が図示下方に押し付けられ、コイルスプリング5の図示下方への付勢力により、ノズルニードル3がノズル本体2のシート部に着座して噴射が終了する。
【0034】
〔実施例の効果〕
以上のように、本実施例の電子制御燃料噴射システムのインジェクタ1は、エンジン負荷が低負荷の時等の小噴射量時に、HCやスモーク等の微粒子を低減するために、エンジンに噴射する高圧燃料の微粒化が必要な際、第1噴孔11のみの燃料噴射とすることで、噴孔の孔径をより小さくすることができる。また、エンジン負荷が高負荷の時等の大噴射量時には、燃費向上およびスモーク抑制の観点から噴射期間をなるべく短くする必要があるため、第1、第2噴孔11、12の両方で燃料噴射することで、見掛け上噴孔の孔径を大きくすることができる。
【0035】
ここで、ノズルニードル3がリフトする際に、高圧燃料は、スプリング室32から燃料通路23および連通路25、26を通ってサック室24に供給される。このため、燃料通路23は、スプリング室32の内部圧力が高圧であるため、シールをする必要はなく、燃料通路23の通路面積(胴体部13の内周と大径部22の外周との隙間)を噴孔面積以上となるように比較的に大きなクリアランスに設定できる。この結果、精度が必要なのは、ノズルニードル3の先端部に設けた突起部21とノズル本体2の先端部に設けた摺動部10(軸方向寸法S3)のみとなるため、この部分のクリアランスを詰めることが可能となる。
【0036】
したがって、エンジン負荷が低負荷の時等の小噴射量時のように、ノズルニードル3のリフトが小さい場合には、第1噴孔11のみから燃料噴射が行われ、従来の技術のような第2噴孔12からの漏出を防止することができ、確実な燃料噴射を行うことができる。これにより、噴射初期に高圧化が図れるために燃料の微粒化が良く、エンジンより排出される排気ガス中の黒煙(スモーク)や炭化水素(HC)等の排出を低減でき、エミッションの低減を図ることができる。
【0037】
さらに、インジェクタ1を上記のような構成とすることで、従来の技術では油溜まりに高圧燃料を導くための燃料孔が不要となるため、インジェクタ1の先端部の細径化が可能となると共に、燃料孔の加工コストも削減できる。
また、高圧部(スプリング室32および燃料通路23)の容積を大きくできるため、噴射による燃料噴射圧力の低下を抑えることもできる。
【0038】
〔変形例〕
本実施例では、所謂可変噴孔ノズルと呼ばれるインジェクタ1を備えた電子制御燃料噴射システム(コモンレールシステム)に適用した例を説明したが、可変噴孔ノズルを使用していればコモンレールシステムに限らず適用できる技術であることは言うまでもない。
本実施例では、燃料孔16の途中に設ける電磁弁として二方電磁弁6を利用したが、燃料孔16の途中に設ける電磁弁として三方電磁弁を利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】インジェクタの概略構造を示した断面図である(実施例)。
【図2】図1のインジェクタの主要構造を示した断面図である(実施例)。
【図3】(a)、(b)は燃料通路の形状を示した断面図である(実施例)。
【図4】電子制御燃料噴射システムの全体構造を示した概略図である(第1従来例)。
【図5】電子制御燃料噴射システムの主要構造を示した概略図である(第1従来例)。
【図6】燃料噴射量と噴射期間との関係を示したグラフである。
【図7】電子制御燃料噴射システムの主要構造を示した概略図である(第2従来例)。
【図8】図7のインジェクタの小リフト時を示した説明図である(第2従来例)。
【図9】図7のインジェクタの大リフト時を示した説明図である(第2従来例)。
【符号の説明】
1 インジェクタ(内燃機関用燃料噴射弁)
2 ノズル本体
2a 制御室
3 ノズルニードル
5 コイルスプリング
6 二方電磁弁
10 摺動部
11 第1噴孔
12 第2噴孔
14 制御室
21 突起部
22 大径部
23 燃料通路
24 サック室
25 連通路
26 連通路
32 スプリング室
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル等の内燃機関用燃料噴射弁に関するもので、特にディーゼルエンジンへの燃料噴射を電子制御する電子制御燃料噴射システムの燃料噴射弁に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関、特にディーゼルエンジンより排出される排気ガスのエミッションの低減を図ることで排気規制強化や地球環境保護を目的としたり、ドライバビリティの向上を目的としたりするために、ディーゼルエンジンへの燃料噴射を電子制御する電子制御燃料噴射システムの開発が盛んに行われている。その一例を図4に示す。この電子制御燃料噴射システムによれば、燃料タンク100からフィードポンプ101の作用により吸い上げられた燃料は、電子制御される高圧ポンプ102で高圧燃料としてコモンレール103に圧送される。
【0003】
ここで、コモンレール103への圧送量は、エンジン制御装置(以下ECUと呼ぶ)104からの制御信号により高圧ポンプ102に取り付けた電磁弁を制御することで調整される。燃料噴射量は、ディーゼルエンジンの各気筒にそれぞれ設置されたインジェクタの電磁弁105への通電をECU104から制御することにより決められる。
【0004】
このような電子制御燃料噴射システムに用いられる燃料噴射ノズル(以下インジェクタと呼ぶ)106の概略構造を図5に示す。コモンレール103から供給される高圧燃料は、絞り107を介してコマンドピストン108の図示上方に設けられた制御室109とインジェクタ106のノズル本体110に設けられた小径の燃料孔111を介して油溜まり室112に供給される。
【0005】
一方、ECU104からの制御信号を受けてドライブ回路等からなるEDU113によってコイル114に電流が流れて電磁弁105のバルブ115が開弁すると、制御室109内に充填された高圧燃料が、絞り116を介してリーク経路117に流出する。このため、制御室109の内部圧力が低下し、油溜まり室112内の高圧燃料がノズルニードル119を図示上方に押し上げる力が、コマンドピストン108を図示下方に押し下げる力に打ち勝つ。これにより、ノズルニードル119が図示上方に上昇し、ノズル本体110の先端に設けられた噴孔118から高圧燃料がエンジン燃焼室に噴射される。
【0006】
ここで、理想的な噴射を考えた場合に、エンジン負荷が低負荷の時等の小噴射量時は、HCやスモーク等の微粒子を低減するために、ディーゼルエンジンに噴射する高圧燃料の微粒化が必要であり、そのためには噴孔118の孔径をより小さくするのが有効である。
一方、エンジン負荷が高負荷の時等の大噴射量時には、燃費向上およびスモーク抑制の観点から噴射期間をなるべく短くする必要があり、そのためには、噴孔118の孔径をより大きくするのが有効である。このように燃料噴射量の多少によって要求される噴孔118の孔径が異なるという矛盾が生じる。
【0007】
また、特にエンジン回転速度がアイドル回転速度の時には、騒音低減等の観点から着火遅れ期間中の燃料噴射量を抑える必要がある。これらのことを、燃料噴射量に対する噴射期間というまとめ方をしたものを、図6のグラフに示す。
通常の燃料噴射ノズルでは、図6のグラフ中に破線で示すように、燃料噴射量と噴射期間とはリニアな関係にあるが、図6のグラフ中に実線で示すように、燃料噴射量の少ない領域では着火遅れ期間中の燃料噴射量を抑えるために噴射期間を長く、燃料噴射量の多い領域では燃費、スモークを抑えるために噴射期間を短くする必要があるが、これを達成するには噴射圧力を変えるか、噴孔面積を変える方法がある。なお、噴射圧力では高圧化が必要であり、製品コスト、耐久性の面で不利となってしまう。
【0008】
インジェクタの噴孔面積を変える方法の一例としては、図7に示したように、ノズルニードル121の先端部に突起部122を設け、ノズル本体123の先端部に内部で突起部122が摺動する筒状の摺動部124を設け、その摺動部124にノズルニードル121の上昇量(リフト量)に応じて開放される第1、第2噴孔125、126を設けたインジェクタ(一般に「可変噴孔ノズル」と呼ばれる。特開平7−332199号公報等)120がある。
【0009】
このインジェクタ120によれば、ノズルニードル121のリフトが小さい時には、図8に示したように、ノズルニードル121の突起部122内に設けた連通路127を介して高圧燃料がサック室128に流入して図示下方の第1噴孔125のみから高圧燃料の噴射が行われる。また、ノズルニードル121のリフトが大きくなると、図9に示したように、図示上方の第2噴孔126からも高圧燃料の噴射が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のインジェクタ120のような可変噴孔ノズル構造では、エンジン負荷が低負荷の時等の小リフト時において、本来燃料噴射を行うべき、図示下方の第1噴孔125のみだけでなく、燃料噴射をしてはいけない第2噴孔126からも燃料が噴出されてしまうことが分かった。
【0011】
この理由は、ノズルニードル121を閉弁方向に押し付けるためのコイルスプリング129を収納するスプリング室130の内部圧力が油溜まり室131の内部圧力に対して低圧であるため、高圧のかかる油溜まり室131からのリークを防ぐために摺動部S1においては、ノズルニードル121とノズル本体123とのクリアランスを詰める必要がある。
【0012】
ところが、摺動部S1および摺動部S2の2箇所ともクリアランスを詰めるのは加工上難しく、どちらかのクリアランスを多少犠牲にしなければならない。この場合、クリアランスに対する漏れ面積の小さい突起部122側の摺動部S2をラフにすると、本来、ノズルニードル121が小リフト時に第1噴孔125のみから燃料噴射されるべき時でも、高圧燃料が摺動部S2を通って第2噴孔126からも漏出してしまう。
【0013】
この際、クリアランスを通って燃料が噴出するため、噴射圧力はかなり低く、微粒化の劣った噴霧となり、燃焼が悪くなる。このため、ディーゼルエンジンより排出される排気ガス中の黒煙(スモーク)や炭化水素(HC)等が多くなり、エミッションの悪化を招くという問題が生じる。
【0014】
【発明の目的】
本発明の目的は、ノズルニードルのリフトを段階的に変更することにより、噴孔面積を変えることのできる内燃機関用燃料噴射弁を提供することにある。また、ノズルニードルのリフトの小さい時に第1噴孔のみから確実な燃料噴射を行うことができ、且つ第2噴孔から低い圧力の燃料が漏出することを防止することのできる内燃機関用燃料噴射弁を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、第1噴孔のみから高圧燃料を噴射する際に、スプリングを収納するスプリング室と摺動部の先端側に設けられた第1噴孔付近とを同一圧力とすることにより、内燃機関の負荷が低負荷の時等の小噴射量の時のようにノズルニードルが少し上昇した場合に、第1噴孔のみから高圧燃料の噴射を確実に行うことができ、且つノズルニードルの突起部と摺動部とのクリアランスを通って低圧力の燃料が漏出することはない。したがって、内燃機関より排出される排気ガス中のスモークやHC等が少なくなり、エミッションの低減を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、ノズルニードルが少し上昇した場合に、高圧燃料は、ノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリングを収納するスプリング室から、ノズルニードルの外周に設けた燃料通路を介して第1噴孔に供給される。スプリング室の内部圧力が高圧であるため、燃料通路をシールする必要はなく、燃料通路の通路面積を噴孔面積以上となるように比較的に大きなクリアラスに設定することが可能となる。
【0017】
この結果、精度が必要なのは、ノズルニードルの先端に設けた突起部とノズル本体の摺動部とのクリアランスを詰めることが可能となる。これにより、内燃機関の負荷が低負荷の時等の小噴射量の時のようにニードルリフトが小さい場合に、第1噴孔のみから高圧燃料の噴射を確実に行うことができ、且つノズルニードルの突起部と摺動部とのクリアランスを通って低圧力の燃料が漏出することはない。したがって、内燃機関より排出される排気ガス中のスモークやHC等が少なくなり、エミッションの低減を図ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、ノズル本体の先端部に、ノズルニードルを摺動自在に支持する摺動部を設け、ノズルニードルの先端部に、ノズルニードルが少し上昇した際に、燃料通路と第1噴孔とをサック室を介して連通する連通路が形成された突起部を設けている。それによって、ノズルニードルが多く上昇した際に、燃料通路と第1噴孔および第2噴孔とがサック室および連通路を介して連通することで、高圧燃料が第1噴孔および第2噴孔の両方から噴射される。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔実施例の構成〕
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、図1はインジェクタの概略構造を示した図で、図2はインジェクタの主要構造を示した図である。
【0020】
本実施例の電子制御燃料噴射システムのインジェクタ1は、本発明の内燃機関用燃料噴射弁に相当するもので、例えばディーゼルエンジン(以下エンジンと略す)の各気筒に取り付けられたノズル本体2と、このノズル本体2内を摺動するノズルニードル3と、このノズルニードル3と一体的に往復変位するコマンドピストン4と、ノズルニードル3およびコマンドピストン4を閉弁方向に付勢するコイルスプリング5と、図示しないECUにより電子制御される二方電磁弁6とから構成される。
【0021】
ノズル本体2の先端部には、内周でノズルニードル3を摺動自在に保持する筒状の摺動部10が設けられている。この摺動部10の先端側の外周には、高圧燃料をエンジンの各気筒内に噴射する複数の第1噴孔11が形成されている。そして、摺動部10の後端側の外周には、高圧燃料をエンジンの各気筒内に噴射する複数の第2噴孔12が形成されている。
【0022】
ノズル本体2の中間部には、摺動部10よりも内径の大きい筒状の胴体部13が設けられている。また、ノズル本体2には、胴体部13内にコモンレールで蓄圧された高圧燃料を供給するための燃料孔14、ノズル本体2の後端側に設けられる制御室2a内にコモンレールで蓄圧された高圧燃料を供給するための燃料孔15、および制御室2aからリーク通路(低圧通路)に排出するための燃料孔16が形成されている。その燃料孔15の途中には通路断面積を絞る絞り部17が設けられ、燃料孔16の途中には通路断面積を絞る絞り部18が設けられている。ここで、絞り部17、18には、例えばオリフィス等の固定絞りが使用されている。
【0023】
ノズルニードル3は、先端側にノズル本体2の摺動部10内を摺動自在に変位する突起部21を有し、且つ後端側にノズル本体2の胴体部13内を往復変位すると共に、突起部21よりも外径の大きい大径部22を有している。なお、大径部22の外周とノズル本体2の胴体部13の内周との間には、図3(a)および図3(b)に示したように、燃料通路23が形成されている。
【0024】
また、突起部21には、ノズルニードル3が少し上昇した際に、燃料通路23と第1噴孔11とを摺動部10の先端に設けられたサック室24を介して連通すると共に、ノズルニードル3が多く上昇した際に、燃料通路23と第1、第2噴孔11、12とを摺動部10の先端に設けられたサック室24を介して連通する連通路25、26が形成されている。なお、連通路25は、突起部21の径方向を一文字状または十文字状に貫通する貫通孔で、連通路26は、突起部21の軸方向に形成されて連通路25と突起部21の先端面とを連通する連通孔である。
【0025】
コマンドピストン4は、ノズルニードル3の大径部22の後端面に連結された軸状部27、およびこの軸状部27よりも後端側に設けられて、ノズル本体2の胴体部13よりも後端側の摺動部28内に摺動自在に支持された大径部29を有している。なお、大径部29の後端側には、燃料孔15を介してコモンレールから高圧燃料が供給される上記の制御室(背圧室)2aが形成されている。
【0026】
コイルスプリング5は、コマンドピストン4の軸状部27の外周に配されており、先端(一端)がノズルニードル3の大径部22の後端面(他端面)に保持され、後端(他端)がノズル本体2の胴体部13と摺動部28とを区画する区画部31に保持されている。そして、コイルスプリング5は、ノズル本体2の胴体部13内に形成されるスプリング室32内に収容されている。
【0027】
ここで、本実施例では、ノズルニードル3が少しリフトして、第1噴孔11のみから高圧燃料を噴射する際に、スプリング室32と第1噴孔11付近のサック室24とが同一圧力となる構造にするために、図1ないし図3に示したように、コモンレールから高圧燃料が供給される上記の燃料通路23を形成している。
【0028】
二方電磁弁6は、燃料孔16の途中に設けられており、最適な時期に燃料孔16を開くようにECUにより電子制御される開閉弁である。この二方電磁弁6は、具体的には、燃料孔16を開閉するバルブ、通電されるとバルブを開弁させる電磁コイル、およびこの電磁コイルへの通電が停止された際にバルブを閉弁させるためのリターンスプリング(いずれも図示せず)等よりなる周知の構造を有している。
【0029】
〔実施例の作用〕
次に、本実施例のインジェクタ1の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0030】
1)無噴射時
二方電磁弁6が燃料孔16を閉じているため、コモンレールからの高圧燃料が燃料孔15の絞り部17を通って制御室2a内に満たされる。ここで、ノズル本体2の胴体部13の内部、すなわち、スプリング室32および燃料通路23には、燃料孔14を介して常にコモンレールから高圧燃料が導入されているが、コイルスプリング5の図示下方への付勢力およびコマンドピストン29とノズル3にかかる油圧力によってノズルニードル3がノズル本体2のシート部に着座している。これにより、ノズルニードル3はリフトせず、エンジンへの高圧燃料の噴射は成されない。
【0031】
2)噴射時
二方電磁弁6がECUからの指令により開弁するため、燃料孔16が開かれる。このため、制御室2a内の高圧燃料が燃料孔16を通ってリーク通路に排出され、制御室2aの内部圧力が低圧となる。すると、ノズルニードル3は、燃料孔14を通って燃料通路23内に導入される高圧燃料により図示上向きの力を受けて、少しだけリフトする。これにより、燃料通路23内の高圧燃料が、ノズルニードル3の突起部21に形成された連通路25、26、およびノズル本体2の先端に設けられたサック室24を介して第1噴孔11のみからエンジンに噴射される。
【0032】
さらに、二方電磁弁6の電磁コイルへの通電が続くと、更に制御室2aの内部圧力が低圧となり、ノズルニードル3のリフト量が大きくなる。これにより、燃料通路23内の高圧燃料が、連通路25、26およびサック室24を介して第1噴孔11および第2噴孔12の両方からエンジンに噴射される。
【0033】
3)噴射終了時
二方電磁弁6がECUからの指令により閉弁すると、制御室2aの内部圧力が回復するため、コマンドピストン4が図示下方に押し付けられ、コイルスプリング5の図示下方への付勢力により、ノズルニードル3がノズル本体2のシート部に着座して噴射が終了する。
【0034】
〔実施例の効果〕
以上のように、本実施例の電子制御燃料噴射システムのインジェクタ1は、エンジン負荷が低負荷の時等の小噴射量時に、HCやスモーク等の微粒子を低減するために、エンジンに噴射する高圧燃料の微粒化が必要な際、第1噴孔11のみの燃料噴射とすることで、噴孔の孔径をより小さくすることができる。また、エンジン負荷が高負荷の時等の大噴射量時には、燃費向上およびスモーク抑制の観点から噴射期間をなるべく短くする必要があるため、第1、第2噴孔11、12の両方で燃料噴射することで、見掛け上噴孔の孔径を大きくすることができる。
【0035】
ここで、ノズルニードル3がリフトする際に、高圧燃料は、スプリング室32から燃料通路23および連通路25、26を通ってサック室24に供給される。このため、燃料通路23は、スプリング室32の内部圧力が高圧であるため、シールをする必要はなく、燃料通路23の通路面積(胴体部13の内周と大径部22の外周との隙間)を噴孔面積以上となるように比較的に大きなクリアランスに設定できる。この結果、精度が必要なのは、ノズルニードル3の先端部に設けた突起部21とノズル本体2の先端部に設けた摺動部10(軸方向寸法S3)のみとなるため、この部分のクリアランスを詰めることが可能となる。
【0036】
したがって、エンジン負荷が低負荷の時等の小噴射量時のように、ノズルニードル3のリフトが小さい場合には、第1噴孔11のみから燃料噴射が行われ、従来の技術のような第2噴孔12からの漏出を防止することができ、確実な燃料噴射を行うことができる。これにより、噴射初期に高圧化が図れるために燃料の微粒化が良く、エンジンより排出される排気ガス中の黒煙(スモーク)や炭化水素(HC)等の排出を低減でき、エミッションの低減を図ることができる。
【0037】
さらに、インジェクタ1を上記のような構成とすることで、従来の技術では油溜まりに高圧燃料を導くための燃料孔が不要となるため、インジェクタ1の先端部の細径化が可能となると共に、燃料孔の加工コストも削減できる。
また、高圧部(スプリング室32および燃料通路23)の容積を大きくできるため、噴射による燃料噴射圧力の低下を抑えることもできる。
【0038】
〔変形例〕
本実施例では、所謂可変噴孔ノズルと呼ばれるインジェクタ1を備えた電子制御燃料噴射システム(コモンレールシステム)に適用した例を説明したが、可変噴孔ノズルを使用していればコモンレールシステムに限らず適用できる技術であることは言うまでもない。
本実施例では、燃料孔16の途中に設ける電磁弁として二方電磁弁6を利用したが、燃料孔16の途中に設ける電磁弁として三方電磁弁を利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】インジェクタの概略構造を示した断面図である(実施例)。
【図2】図1のインジェクタの主要構造を示した断面図である(実施例)。
【図3】(a)、(b)は燃料通路の形状を示した断面図である(実施例)。
【図4】電子制御燃料噴射システムの全体構造を示した概略図である(第1従来例)。
【図5】電子制御燃料噴射システムの主要構造を示した概略図である(第1従来例)。
【図6】燃料噴射量と噴射期間との関係を示したグラフである。
【図7】電子制御燃料噴射システムの主要構造を示した概略図である(第2従来例)。
【図8】図7のインジェクタの小リフト時を示した説明図である(第2従来例)。
【図9】図7のインジェクタの大リフト時を示した説明図である(第2従来例)。
【符号の説明】
1 インジェクタ(内燃機関用燃料噴射弁)
2 ノズル本体
2a 制御室
3 ノズルニードル
5 コイルスプリング
6 二方電磁弁
10 摺動部
11 第1噴孔
12 第2噴孔
14 制御室
21 突起部
22 大径部
23 燃料通路
24 サック室
25 連通路
26 連通路
32 スプリング室
Claims (3)
- (a)先端に設けられた突起部、およびこの突起部よりも後端側に設けられて前記突起部よりも外径の大きい大径部を有するノズルニードルと、
(b)内部を前記ノズルニードルの突起部が摺動する筒状の摺動部と、
(c)この摺動部の先端側に設けられて、前記ノズルニードルが少し上昇した際に、内燃機関に高圧燃料を噴射するための第1噴孔と、
(d)この第1噴孔よりも先端側に対して逆側の前記摺動部に設けられて、前記ノズルニードルが多く上昇した際に、前記内燃機関に高圧燃料を噴射するための第2噴孔と、
(e)前記ノズルニードルを、前記突起部にて前記第1噴孔および前記第2噴孔を閉塞する閉弁方向に付勢するスプリングと、
(f)前記ノズルニードルの大径部よりも後端側に設けられて、前記スプリングを収納するスプリング室と
を備え、
前記第1噴孔のみから高圧燃料を噴射する際に、前記スプリング室と前記第1噴孔付近とが同一圧力となる構造にしたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射弁。 - (a)先端に設けられた突起部、およびこの突起部よりも後端側に設けられて前記突起部よりも外径の大きい大径部を有するノズルニードルと、
(b)内部を前記ノズルニードルの突起部が摺動する筒状の摺動部と、
(c)この摺動部の先端側に設けられて、前記ノズルニードルが少し上昇した際に、内燃機関に高圧燃料を噴射するための第1噴孔と、
(d)この第1噴孔よりも先端側に対して逆側の前記摺動部に設けられて、前記ノズルニードルが多く上昇した際に、前記内燃機関に高圧燃料を噴射するための第2噴孔と、
(e)前記ノズルニードルを、前記突起部にて前記第1噴孔および前記第2噴孔を閉塞する閉弁方向に付勢するスプリングと、
(f)前記ノズルニードルの大径部よりも後端側に設けられて、前記スプリングを収納すると共に、内部に高圧燃料が供給されるスプリング室と、
(g)前記大径部の周囲に設けられて、前記スプリング室と連通する燃料通路と
を備えた内燃機関用燃料噴射弁。 - 請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射弁において、
前記摺動部は、前記ノズルニードルを摺動自在に支持するノズル本体の先端部に設けられ、
前記突起部は、前記ノズルニードルが少し上昇した際に、前記燃料通路と前記第1噴孔とを前記摺動部の先端に設けられたサック室を介して連通する連通路を設けたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射弁。
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