JP3823510B2 - 筒内直噴式内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は筒内直噴式内燃機関において、とくに燃料噴射時期を吸排気弁のバルブタイミングに対応して制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平8−35429号公報にもあるように、火花点火式内燃機関であって、燃焼室に設けた燃料噴射弁から、圧縮行程の後半において気筒内に直接的に燃料を噴射し、点火栓の付近に可燃混合気を集めて成層燃焼を行い、全体として超希薄な混合気でありながら、安定した燃焼を実現できるようにした筒内直噴式内燃機関が提案されている。圧縮行程の後半に燃料を噴射することで、噴射燃料の拡散を防ぎ、点火時の点火栓近傍に比較的濃い混合気層を維持し、安定した着火燃焼と、火炎伝播を可能とするもので、全体的には超希薄混合気による運転を可能として、燃費と排気組成の大幅な改善を図っている。
【0003】
特開平2−245406号公報にも記載されているが、内燃機関のバルブタイミング、つまり吸排気弁の開閉時期を運転条件によって変化させ、同時に点火時期や空燃比を調整することにより、例えば低負荷域などでバルブオーバラップを比較的大きくすることで、排気系から吸気系に逆流する排気量を大きくして内部排気還流(EGR)率を高め、これによりNOxの排出量を減少させることなどが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の筒内直噴式内燃機関にあっては成層燃焼時の燃料噴射時期については、原則的には成層燃焼に必要な可燃混合気層を形成し、維持するのに必要なタイミングに固定されている。
【0005】
このため、吸排気弁バルブタイミングの可変制御を加えたときに、燃焼の安定性などが必ずしも最適に維持されるとは限らず、機関の排気性能や燃費特性などを最大限に引き出すことが難しかった。
【0006】
本発明は、このような技術的な課題を解決するもので、成層燃焼時のバルブタイミングの変化に応じて燃料噴射時期を変化させることにより、燃焼安定性を維持しつつNOxやHCのさらなる低減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで第1の発明は、燃焼室内に直接的に燃料を噴射する燃料インジェクタと、成層燃焼時に燃料インジェクタからの燃料噴射が圧縮行程の後半となるように設定する燃料噴射時期制御手段と、噴射燃料を点火させる点火栓とを備えた筒内直噴式内燃機関において、吸気弁ないし排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを可変的に制御するバルブタイミング可変制御手段と、成層燃焼時の燃料噴射時期をバルブタイミングの変化に応じて補正する燃料噴射時期補正手段とを備え、前記燃料噴射時期補正手段は、バルブタイミングの変化によりバルブオーバラップ量が大きくなるほど燃料噴射時期を遅角側に補正する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記燃料噴射時期補正手段は、実際のバルブタイミングの変化を検出しながら燃料噴射時期を補正する。
【0010】
第3の発明は、第1、第2の発明において、前記燃料噴射時期補正手段は、バルブオーバラップ量に基づいての第1の補正量と、機関回転数と負荷に応じた第2の補正量とを算出し、これらに基づいて噴射時期を遅角側に補正する。
【0011】
第4の発明は、第1の発明において、前記燃料噴射時期補正手段は、バルブタイミングの変化により変動する燃焼安定度に応じて燃料噴射時期を遅角側に補正する。
【0012】
第5の発明は、第4の発明において、前記燃料噴射時期補正手段は、燃焼安定度としての回転数変動が大きくなるほど燃料噴射時期を遅角側に補正する。
【0013】
第6の発明は、燃焼室内に直接的に燃料を噴射する燃料インジェクタと、成層燃焼時に燃料インジェクタからの燃料噴射が圧縮行程の後半となるように設定する燃料噴射時期制御手段と、噴射燃料を点火させる点火栓と、排気の一部を吸気中に還流する排気還流装置とを備えた筒内直噴式内燃機関において、成層燃焼時に吸気弁ないし排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを可変的に制御するバルブタイミング可変制御手段と、このバルブタイミングの変化に応じて成層燃焼時の燃料噴射時期を補正する燃料噴射時期補正手段ととを備え、前記燃料噴射時期補正手段は、バルブタイミングの変化によりバルブオーバラップ量が大きくなるほど燃料噴射時期を遅角側に補正する一方、燃焼安定度を測定する手段と、成層燃焼時の燃焼安定度を内部排気還流による燃焼安定度の安定限界と外部排気還流による安定限界との各設定値と比較した結果に基づいてバルブタイミング可変制御手段または排気還流装置の異常を判定する手段とを備える。
【0014】
第7の発明は、第6の発明において、前記異常判定手段は、バルブタイミング可変制御手段の異常を判定したときにはバルブオーバラップ量と噴射時期の補正量をそれぞれ最小値に設定する。
【0015】
【発明の作用・効果】第1の発明において、成層燃焼時にバルブタイミングを変化させると、これに応じて内部排気還流率が変動する。内部排気還流率が多くなると、それだけNOxを低減できるが、高温の還流排気により噴射燃料の温度上昇が進み、燃料が拡散しやすくなるため、成層燃焼が不安定となりやすい。このようなときには、燃料噴射時期を遅らせることにより、燃料噴射後に点火するまでの期間を短くすることで、燃料の拡散が抑えられる。これにより点火時に点火栓近傍に可燃混合気層を形成、維持し、安定した成層燃焼を保つことができ、このようにして、さらにNOxやHCを低減しつつ、燃焼安定度を確保することができる。
【0016】
第2の発明では、実際のバルブタイミングに対応して燃料噴射時期を補正するので、内部排気還率を正確に反映した制御が行える。
【0017】
第3の発明では、同一のバルブオーバラップでもそのときの回転数と負荷が変動すると内部排気還流率が変化するが、この回転数や負荷変動分に対応しても燃料噴射時期を補正しているので、燃焼安定度の高い制御が行える。
【0018】
第4、第5の発明では、回転数変動などを検出することにより実際の燃焼安定度を測定しながら燃料噴射時期を制御するので、バルブタイミングのオープン制御でありながら、燃焼安定度の高い制御が可能となる。
【0019】
第6の発明において、内部排気還流と外部排気還流とに異常が発生し、過剰に排気還流されたときには、燃焼安定度が著しく損なわれるが、同一の排気還流率であっても内部排気還流の方が、還流排気温度が高く、燃料の拡散が早いため、成層燃焼が損なわれやすく、燃焼安定度は悪化する。そこで燃焼の安定限界の設定値に差異を持たせることで、いずれの原因により異常が発生したかが直ちに判定できる。
【0020】
第7の発明では、バルブタイミングの制御に異常が発生したときには、オーバラップ量が最小となるように補正されるので、フェールセーフ機能が発揮でき、燃焼の不安定化を阻止できる。
【0021】
【実施の形態】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0022】
図1において、1はシリンダブロック、2はシリンダヘッド、3はピストンであり、これらによって区画形成された燃焼室11には、燃料インジェクタ5から直接的に燃料が噴射される。4は点火栓であって、噴射燃料との混合気を圧縮上死点近傍で点火燃焼させる。
【0023】
6は吸気通路、7は排気通路、8は吸気通路6に設けた吸気絞弁、9は吸気弁、10は排気弁であり、また23はNOxを低減するために排気の一部を吸気中に還流する排気還流通路、24は排気還流量を調整する制御弁で、これらは外部排気還流装置(外部EGR装置)を構成している。
【0024】
前記吸気弁8と排気弁9のバルブタイミングのうち、少なくとも一方を運転条件に応じて可変的に変化するように、図示しない周知のバルブタイミング可変制御機構が備えられる。この可変制御機構は、例えば吸気弁8を駆動するカムシャフトの回転角度を相対的に進角あるいは遅角させるもので、遅角させることによって吸気弁8の閉弁時期が遅れると、排気弁9とのバルブオーバラップ(期間)が大きくなる。
【0025】
20は燃料インジェクタ5の制御装置であり、運転条件に応じて燃料の噴射時期及び噴射期間を制御する。このため制御装置20には、吸入空気量を検出するエアフロメータ12、エンジンクランク角度を検出するクランク角センサ13、冷却水温を検出する水温センサ14、排気中の酸素濃度を検出する排気空燃比センサ15、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ16、車速を検出する車速センサ17、燃料噴射圧力を検出する燃圧センサ18などからの運転状態を代表する信号が入力する。21は燃料噴射圧力(コモンレール圧力)を制御するための燃圧制御装置であり、燃圧と燃料噴射期間とから実際の燃料噴射量が決まる。
【0026】
燃料インジェクタ5からは、図2にも示すように、機関負荷の部分負荷域などで実行される希薄成層燃焼時には、原則的に圧縮行程の後半で燃料噴射が行われるように噴射時期が決められ、点火時における燃料の拡散を防いで点火栓近傍に可燃混合気層を形成し、全体としては超希薄な混合気でありながら安定した成層燃焼を実現し、これに対して機関の高負荷域などで行われる理論空燃比での均質予混合(通常)燃焼時には、吸気行程で燃料噴射が行われ、点火時に燃焼室内に均質的に混合された混合気を形成する。
【0027】
そして、この発明では、図3のように、成層燃焼時には通常燃焼時よりもバルブオーバラップが大きくなるようにバルブタイミングを変化させ、前記外部EGRとは別に、内部排気還流(内部EGR)率を高め、NOxの発生をより一層低減させるとともに、これによる燃焼の不安定化を阻止するために、前記制御装置20が成層燃焼時における燃料の噴射時期をバルブオーバラップが大きくなるのに応じて遅角側へ補正制御している。
【0028】
この制御の内容について、図4のフローチャートにしたがって説明する。
【0029】
まず、ステップS1で現在の運転条件が成層燃焼であるかどうか判断し、部分負荷時などの成層運転のときには、ステップS2に進んで、機関回転数Nと燃料噴射パルス幅(負荷)Tpの大きさに基づいて基本的な燃料噴射時期ITと点火時期(進角値)ADVを設定する。基本燃料噴射時期ITは、図5にも示すように、回転数と負荷が大きくなるほど、進角側(圧縮行程の前側)になるように設定される。
【0030】
ステップS3では回転数Nと負荷Tpに基づいてバルブタイミング(吸排気弁のバルブオーバラップ量)ΔVが設定される。このバルブオーバラップが大きくなるほど、排気が吸気系へ逆流する量が多くなり、内部EGR量(残留排気量)は大きくなり、これによってNOxの発生量をそれだけ低減できる。
【0031】
このバルブタイミングΔVとなるようにバルブタイミング可変制御機構が吸排気弁の作動タイミングを制御し、ステップS4ではこれに応じて変化する実際のバルブタイミングΔV’を検出する。
【0032】
ステップS5で目標バルブタイミングΔVとして、実際のバルブタイミングΔV’を置き換え、このバルブタイミングΔVに基づいて図6に示すような特性に設定されたテーブルから、燃料噴射時期の補正量ΔITを算出する。
【0033】
一般にバルブオーバラップ量が大きく、内部EGR量が多くなると、高温の排気により燃料の気化が進み、同時に燃料が拡散し、圧縮上死点付近における点火栓近傍での混合気層がそれだけ希薄になりやすく、着火及びその後の火炎伝播の安定性が損なわれがちとなる。これに対して、燃料噴射時期を遅角すると、その分だけ点火までの期間が短くなり、噴射されてから点火するまでの燃料の拡散が抑制され、可燃混合気層の維持が容易となり、成層燃焼が安定する。したがって補正量ΔITは、バルブオーバラップ量が大きくなるほど遅角量も大きくなるように設定される。
【0034】
なお、補正量ΔITを実際のバルブタイミングの検出値に基づいて算出するので、燃料噴射時期を内部EGR量に正確に対応させることが可能となる。
【0035】
そしてステップS7では燃料噴射時期として、前述の燃料噴射時期ITにこの補正量ΔITを加わえ、燃料噴射時期IT=IT+ΔITとして設定し(遅角側に補正される)、これによって燃料インジェクタからの噴射制御を行う。
【0036】
次に全体的な作用について説明する。
【0037】
機関の部分負荷運転時など、超希薄混合気により成層燃焼が行われる。このときは燃料インジェクタ5から圧縮行程の後半に燃料が噴射され、上昇するピストン頂面の半球形空間(ボール)3aの内部に噴射燃料が滞留し、可燃混合気層を形成維持する。これに点火栓4により点火されると、層状混合気に火炎が伝播し、全体的には極めて希薄な混合気であっても、安定して燃焼が行われる。
【0038】
この成層燃焼時に排気還流通路23からの外部排気還流に加えて、吸排気弁バルブタイミングを変化させ、バルブオーバラップ量を大きくすると、これに応じて気筒内の内部EGR量(残留排気量)が多くなり、この内部EGR量の増加に伴いNOxの発生量が相対的に減少する。ただし、高温の内部還流排気の増加によって圧縮行程で噴射された燃料の気化と同時に燃料の拡散が進む。燃料が燃焼室内に広く拡散すると、点火時に点火栓4の付近の混合気濃度が薄くなり、可燃混合気が維持できず、着火の安定性が損なわれる。
【0039】
しかし、バルブオーバラップ量を大きくしたときは、これに応じて燃料噴射時期が遅角側に補正、つまり、より圧縮行程の後半に噴射時期がずれる。このため、噴射燃料が高温排気により拡散する傾向が強まっても、噴射から点火までの期間が短くなり、点火時に点火栓4の近傍に確実に可燃混合気層を形成維持することが可能となる。
【0040】
このようして、バルブオーバラップを大きくしたときには、図3にも示すように、これに応じて燃料噴射時期を遅らせることにより、混合気の成層化を維持し、かつ噴射燃料の気化促進もあって、良好な成層燃焼の維持を実現し、内部EGR量の増加によるなお一層のNOxの低減が図れるのである。この場合、図3からも分かるように、あるバルブオーバラップ量についての最適な燃料噴射時期よりも、噴射時期を進めても、遅らしても燃焼安定度は悪くなるのであり、そのバルブオーバラップにおいてそれぞれ燃料噴射時期の最適値があることが理解できる。
【0041】
なお、理論空燃比による通常燃焼時には、バルブタイミングは通常燃焼に最適な時期に制御され、また燃料噴射時期もこれに応じた最適なタイミングに調整される。
【0042】
次に他の実施の形態を図7によって説明する。
【0043】
吸排気弁のバルブタイミングが一定であっても、機関運転条件が異なると内部EGR量は変動する。例えば図8にも示すように、負荷が小さく、また回転数が小さくなるほど、内部EGR量は多くなる。
【0044】
そこで、この実施の形態では、実際の内部EGR量に対応して燃料の噴射時期を補正するようにしたものである。
【0045】
図7に燃料噴射時期の制御動作のフローチャートを示し、ステップS6のバルブタイミングΔVからΔITを算出するまでは図4と同じであるが、その後に、ステップS7において、回転数Nと負荷Tpの大きさに基づいて、図8に示すようなテーブルから、第2の補正量ΔIT1を演算し、ステップS8で燃料の噴射時期を、基本噴射時期ITにバルブタイミングに基づいての第1の補正量ΔITと、運転状態に応じての第2の補正量ΔIT1とを加算して求める。
【0046】
このようすると、同じバルブタイミングであっても、負荷や回転数が小さくなるほど燃料噴射時期は遅角側に補正され、実際の内部EGR量の増加に見合った噴射時期に制御され、成層燃焼の安定性を確実に維持できる。
【0047】
次に図9のさらに別の実施形態を説明する。
【0048】
これは、バルブタイミングの変換量つまりバルブオーバラップ量と燃焼安定度には一定の相関があるので、燃焼安定度との関係で燃料噴射時期の補正量を算出するようにしたものである。
【0049】
このため、ステップS4において、燃焼安定度ΔNに基づいて実際のバルブタイミングに相当するΔV1を算出している。この場合、ΔNは、機関回転数変動として、回転数Nの単位時間当たりの変動量として求められ、この回転数変動に基づいて、図10に示すテーブルからバルブタイミングΔV1を算出するのである。外部EGR率を一定とするならば、バルブオーバラップ量(内部EGR量)が大きくなるほど燃焼安定度が悪化し、回転数変動も大きくなる。
【0050】
そして、ステップS5ではこのΔV1を実際のバルブタイミングΔVとして置き換え、これに基づいて燃料噴射時期の補正量ΔITを上記と同じように求め(ステップS6)、ステップS7で燃料噴射時期をIT=IT+ΔITとして算出する。
【0051】
このようにすると、内部EGR量を反映する実際のバルブタイミングを検出しなくても、クランク角センサ出力の微分値などから求まる回転数変動から実質的な内部EGR量が正確に把握でき、これに対応して適切な燃料噴射時期の遅角補正が行える。
【0052】
さらに別の実施形態を図11に基づいて説明する。
【0053】
ここでは、燃焼安定度、すなわち回転数変動の大きさからバルブタイミング(内部EGR)の異常や外部EGRの異常を判定し、これらの異常の発生時に燃料噴射時期の制御が混乱することのないようしている。
【0054】
このため、ステップS4で燃焼安定度ΔNを読み込んだら、ステップS5において、これを安定限界を示す第1の所定値ΔN1と比較する。
【0055】
この第1の所定値ΔN1は前記した図10にも示すように、外部EGR率を一定にしたときにバルブオーバラップ量を大きくしていったときの燃焼安定度の限界値であり、このΔN1よりもΔNが大きいときは、安定限界を越えたものと判断する。そしてステップS6に移行して、バルブタイミングΔVと噴射時期補正量ΔITをそれぞれゼロに設定し、つまり内部EGR率を最小値に戻し、ステップS7でバルブタイミングが異常であるとする判定を行う。
【0056】
これに対して、ステップS5で燃焼安定度ΔNがΔN1以下と判断されたときは、ステップS6で第2の所定値ΔN2との大小を比較する。この第2の所定値ΔN2は、図12にも示すように、バルブタイミングΔVを一定(同一負荷、回転数ならば内部EGR量一定)として外部EGR率を大きくしていったときの燃焼安定度の限界値であり、このΔN2よりもΔNが大きいときは、安定限界を越えたものとして、ステップS9に移行して外部EGRが過剰に行われているものとして、異常の判定を行う。
【0057】
なお、図13にも示すように、安定限界値としては、ΔN1の方がΔN2よりも大きくなっている。同一量の内部EGRと外部EGRとでは、内部EGRの方が筒内温度が高くなり、このため噴射燃料が拡散しやすく燃焼安定度は相対的に悪化するので、同一のEGR率のときの安定限界値として、内部EGRによるときの限界値を大きくしている。
【0058】
燃焼安定度がΔN2以下のときは、内部EGR、外部EGRのいずれもが正常範囲とみなしてステップS10に進み、図9の実施形態と同じように、ΔNに基づいてバルブタイミングΔV1を算出し、これをΔVに置き換えた上、このΔVに応じて補正量ΔITを算出し、さらに噴射時期ITに補正量ΔITを加算することで、燃料噴射時期を求める(ステップS10〜ステップS13)。
【0059】
成層燃焼が正常に行われているときは、運転条件に対応して外部EGR率が決まり、これとは別に内部EGR率、つまりバルブオーバラップ量が制御され、燃焼安定度を損なわない範囲でNOxを低減させるように設定されるのであるが、外部EGR装置やバルブタイミング可変制御機構に故障などの異常が発生し、EGRが過剰に行われると、燃焼が著しく不安定となる。
【0060】
しかし、このようなときでも、燃焼安定度(回転数変動)ΔNを判断し、もしも燃焼安定度が第1の限界値ΔN1よりも悪化しているときは、少なくともバルブタイミングの可変制御機構に故障などの異常が発生しているものと判定する(ただし同時に外部EGR装置にも故障が発生している場合も含まれる)。
【0061】
これに対して、第1の限界値以内にあるときは、バルブタイミング可変制御機構は正常に機能しているものと判定し、こんどは外部EGR装置が正常かどうかを判定するために第2の限界値ΔN2との比較を行う。そして第2の限界値よりも燃焼安定度が悪化しているときは、外部EGR装置が故障などの異常状態にあると判定できるのであり、これらの判定結果を表示することなどにより、それぞれに応じて適切な処置を促すことができる。
【0062】
また、第1の限界値よりも燃焼安定度が悪いときは、バルブタイミングの変換量をゼロ、また噴射時期補正量をゼロにして、内部EGRを減らすので、フェールセーフの機能が発揮でき、また第1の限界値以下ではあるが第2の限界値よりも悪いときは、外部EGR装置の故障判定を行うが、燃焼の安定度については第1の限界値までは達していないので、そのまま噴射時期の補正を継続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の全体構成を概略構成図である。
【図2】成層燃焼時の燃料噴射時期を示す説明図である。
【図3】成層燃焼時のバルブタイミング(バルブオーバラップ量)と燃料噴射タイミングを変化させたときの燃焼安定度、NOx発生量、などの関係を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図5】燃料噴射時期を回転数及び燃料噴射パルス幅に基づいて示す特性図である。
【図6】バルブタイミング(バルブオーバラップ量)と燃料噴射時期の補正量との関係を示す特性図である。
【図7】第2の実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】同一のバルブタイミングにおいて回転数及び負荷変動に対する内部EGR量の変化の関係を示す特性図である。
【図9】第3の実施の形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図10】外部EGR率を一定としたときのバルブタイミングと燃焼安定度の関係を示す特性図である。
【図11】第4の実施の形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図12】内部EGR率を一定としたときの外部EGR率と燃焼安定度の関係を示す特性図である。
【図13】燃焼安定度と安定限界の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
3 ピストン
4 点火栓
5 燃料インジェクタ
6 吸気通路
7 排気通路
9 吸気弁
10 排気弁
20 制御装置

Claims (7)

  1. 燃焼室内に直接的に燃料を噴射する燃料インジェクタと、成層燃焼時に燃料インジェクタからの燃料噴射が圧縮行程の後半となるように設定する燃料噴射時期制御手段と、噴射燃料を点火させる点火栓とを備えた筒内直噴式内燃機関において、吸気弁ないし排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを可変的に制御するバルブタイミング可変制御手段と、成層燃焼時の燃料噴射時期をバルブタイミングの変化に応じて補正する燃料噴射時期補正手段とを備え、前記燃料噴射時期補正手段は、バルブタイミングの変化によりバルブオーバラップ量が大きくなるほど燃料噴射時期を遅角側に補正することを特徴とする筒内直噴式内燃機関。
  2. 前記燃料噴射時期補正手段は、実際のバルブタイミングの変化を検出しながら燃料噴射時期を補正する請求項1に記載の筒内直噴式内燃機関。
  3. 前記燃料噴射時期補正手段は、バルブオーバラップ量に基づいての第1の補正量と、機関回転数と負荷に応じた第2の補正量とを算出し、これらに基づいて噴射時期を遅角側に補正する請求項1または2に記載の筒内直噴式内燃機関。
  4. 前記燃料噴射時期補正手段は、バルブタイミングの変化により変動する燃焼安定度に応じて燃料噴射時期を遅角側に補正する請求項1に記載の筒内直噴式内燃機関。
  5. 前記燃料噴射時期補正手段は、燃焼安定度としての回転数変動が大きくなるほど燃料噴射時期を遅角側に補正する請求項4に記載の筒内直噴式内燃機関。
  6. 燃焼室内に直接的に燃料を噴射する燃料インジェクタと、成層燃焼時に燃料インジェクタからの燃料噴射が圧縮行程の後半となるように設定する燃料噴射時期制御手段と、噴射燃料を点火させる点火栓と、排気の一部を吸気中に還流する排気還流装置とを備えた筒内直噴式内燃機関において、成層燃焼時に吸気弁ないし排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを可変的に制御するバルブタイミング可変制御手段と、このバルブタイミングの変化に応じて成層燃焼時の燃料噴射時期を補正する燃料噴射時期補正手段とを備え、前記燃料噴射時期補正手段は、バルブタイミングの変化によりバルブオーバラップ量が大きくなるほど燃料噴射時期を遅角側に補正する一方、燃焼安定度を測定する手段と、成層燃焼時の燃焼安定度を内部排気還流による燃焼安定度の安定限界と外部排気還流による安定限界との各設定値と比較した結果に基づいてバルブタイミング可変制御手段または排気還流装置の異常を判定する手段とを備えることを特徴とする筒内直噴式内燃機関。
  7. 前記異常判定手段は、バルブタイミング可変制御手段の異常を判定したときにはバルブオーバラップ量と噴射時期の補正量をそれぞれ最小値に設定する請求項6に記載の筒内直噴式内燃機関。
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