JP3822070B2 - 基準マーク検出装置およびその方法並びに当該方法を実行するためのプログラム - Google Patents

基準マーク検出装置およびその方法並びに当該方法を実行するためのプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用紙上に印刷された基準マークを検出する基準マーク検出装置およびその方法並びに当該方法を実行するためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル画像データに基づいて印刷版上に画像を形成する製版装置(印刷版記録装置)、いわゆるCTP(Computer To Plate)装置を機内に組み込んだ印刷装置が実用化されている。このような印刷装置はデジタル印刷機と呼称されており、画像データから直接印刷物が得られるため作業時間が短い多品種少部数印刷等に適している。このデジタル印刷機では、非熟練者でも容易に扱えるように製版工程等が自動化されているが、印刷工程におけるインキ供給制御等については更なる自動化が望まれている。
【0003】
従来の印刷装置におけるインキ供給制御では、取り出した印刷サンプルをテーブル上で測定する別置きの色見台を使用するのが一般的であるが、この場合、オペレータが適宜の印刷サンプルを取り出して印刷物の色測定を行わなければならないという問題がある。
【0004】
上記のようなオペレータが介在する作業を軽減するために、特許第2824334号公報に開示されているような印刷装置に印刷物の画像を撮像する手段を備える印刷装置が開示されている。この当該印刷装置では、当該印刷装置の圧胴上で印刷物を撮像して画像データを得るとともに、この画像データと予め制御の基準となる印刷物を読んだ基準画像データとの比較によってインキ供給量を制御するようにしている。この当該印刷装置では、当該印刷装置内で印刷物の画像を撮像するようにしているので、色見台を用いる場合のようにオペレータが介在しなくてもよいという利点がある。
【0005】
ところが当該印刷装置では、印刷物全体の画像を読み取って基準画像と比較するようにしているので扱う画像データが大きくなり、画像データ処理に時間がかかるという問題がある。また基準画像を予め準備しなければならないので、上記多品種少部数印刷のように瞬発力の要求されるような作業には不向きである。
【0006】
従来、このような問題を解決するために、印刷物上に画像データとは別のカラーチャートを印刷し、このカラーチャートを印刷装置内で測定するカラーチャート測定装置がある。図10は、当該カラーチャートの具体例示す図である。以下、図10を用いて、当該カラーチャートの構成を説明する。
【0007】
図10(a)において、印刷用紙100上には、印刷物を表す画像imとカラーチャートccとが印刷され、カラーチャートccの位置は画像imの後端に続く位置となっている。ここで印刷用紙100における画像imの位置は、印刷先頭側(紙咥え側)から所定の咥え量fだけ離れた位置に位置決めして配置されるものとし、上記画像imのサイズ(印刷方向サイズ)をサイズm、カラーチャートccの幅を幅nとすると、カラーチャートccの配置される領域は、印刷用紙の先頭からf+m〜f+m+nまでの地点となる。すなわち、一般的には、咥え量fやカラーチャートccの幅nは一定値であるから、画像imのサイズmに基づいてカラーチャートccが配置される領域を演算することができる。
【0008】
図10(b)は、カラーチャートccの具体的な例を示した図である。このカラーチャートccは、複数のカラーチャート領域crと、各カラーチャート領域cr間に設けられた基準マークrm1〜rm3(総称する場合はrmとする)とを印刷幅方向に沿って直列的に配置した図案である。上記カラーチャート領域crは、各色毎に予め定めた濃度の網領域やベタ領域を所定の順に繰り返し配置したものである。したがって、このカラーチャート領域crを測定してベタ濃度や網パーセントを演算し、予め定められた値と比較することにより、インキ供給量の過不足を判断することができる。なお、基準マークrm1を挟んで配置されたカラーチャート領域crの配置は、基準マークrm1を中心に点対称に配置されている。
【0009】
図10(c)は、基準マークrmの拡大図である。この基準マークrmは、K色(ブラック)の1色で印刷された位置決めのためのマークであって、印刷方向に沿って所定の長さを有する2本のバーbと、このバーbの間に設けられた十字マークdとからなる。上記十字マークdの横線の位置は、上記カラーチャート領域crの略中心高さにあり、カラーチャート領域crの印刷方向位置を特定することができる。またカラーチャート領域crに隣接する上方には、未印刷領域となる紙白領域hr(図10(c)を参照)が設けられており、上記バーbの長さは上記カラーチャート領域crの幅を越えて上記紙白領域hrを含むように設定されている。したがって、印刷方向においてバーbの検出範囲であれば、紙白領域hrの範囲と判断することができる。なお、基準マークrm1はカラーチャートccの中央に、基準マークrm2およびrm3は左右両端近傍に設けられている。
【0010】
このように構成されたカラーチャート領域crを印刷装置内で測定することにより、扱う画像データが小さくなり、また基準画像を予め準備する必要がないという利点がある。
【0011】
ここで、上記カラーチャート領域crを印刷装置内で測定するためには、領域crの位置を検出しなければならない。このため、上述した基準マークrmをパターン認識することにより基準マークrmの位置を検出し、その基準マークrmを基準として、それぞれの領域crの位置を算出している。基準マークrmの検出方法として、まず、予め基準マークrm内のバーbで挟まれた十字マークdの中心の画素配列パターンを得ておく。例えば、図10(d)は、図10(c)における十字マークdの中心付近におけるα領域の画素配列パターン例である。この例では、理解しやすいように簡略化して十字マークdの中心ラインβは、バーbの幅が黒2画素、バーbと十字マークdの横線との間が白1画素、十字マークdの横線が黒7画素で表されている。次に、図10(d)の中心ラインβの画素配列パターンが、撮像された読取画像データに含まれるか否かを1画素ずつ順にずらせて照合する。このような手法を、上記読取画像データを格納したメモリ上の直交するXY方向にそれぞれ個別に実施する。
【0012】
上記画素配列パターンと読取画像データとを照合する計算は、相関係数が用いられる。例えば、ラインβのパターンを2値で表現すると、1101111111011となる。この場合、ラインβを検索パターンx:
x=(1,1,0,1,1,1,1,1,1,1,0,1,1)
とし、マッチングされる対象データy:
【数1】
Figure 0003822070
として、対象データyを1画素ずつずらせながら、相関係数ρを順次計算する。ここで、相関係数ρは、
ρ=([x]*[y])/(σx×σy)
で表される。ただし、[x]*[y]は行列の積の和であり、それぞれの行列の成分を同じ行列成分同士で乗算した後、総和する。つまり、それぞれが1行3列の行列の場合、
(u111)*(u222
=(u1×u2)+(v1×v2)+(w1×w2
となる。また、σxは検索パターンxの標準偏差であり、σyは対象データyの標準偏差である。そして、それぞれの相関係数計算結果を比較し、最も相関係数の高い位置を基準マークrmの位置とする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した相関係数ρの計算では、検索パターンxおよび対象データyの標準偏差で除算しているため、各々の画素のデータの大きさ(信号の強弱)に関係なく、検索パターンxと類似のパターンに対して相関係数ρが大きな値となり強い相関性を示す。つまり、上記基準マークrmの近傍において、光学系のフレアや印刷汚れ等の影響により、画素の信号レベルは弱いが検索パターンxと類似のパターンがあれば、その部分を基準マークrmと認識する。このため、基準マークrmが検出されず、検出位置が異なることがある。すなわち、この場合、基準マークrmの検出位置がずれるため、それぞれのカラーチャート領域crも検出できず、カラーチャート領域crを測定できなかった。
【0014】
それ故に、本発明の目的は、印刷用紙上に印刷された基準マークを誤検出なく確実に検出し、その基準マークの位置を演算できる基準マーク検出装置およびその方法並びに当該方法を実行するためのプログラムを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、用紙上の位置基準となる基準マークが少なくとも1つ印刷された印刷用紙に対して、基準マークを撮像し、撮像で得られた画像データから印刷用紙上の基準マークの位置を演算する基準マーク検出装置であって、
印刷用紙から基準マークを撮像する撮像部と、
予め設定された基準マークの基準ピクセルパターンおよび基準ピクセルパターンの反転ピクセルパターンと撮像部で得られた画像データとをパターンマッチングすることにより、基準マークを検出し、基準マークの印刷用紙上の位置を演算する基準マーク検出部とを備え、
基準マーク検出部は、
画像データから演算対象とする画像パターンを抽出し、その後、所定のピクセル単位で画像パターンを順次移動させて新たな画像パターンを抽出する画像パターン抽出部と、
基準ピクセルパターンと画像パターン抽出部から送出された画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、反転ピクセルパターンと画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する相関係数演算部と、
相関係数演算部の相関係数の演算結果から最大値を検出することにより、その最大値を示す画像ピクセルの位置を基準マークの位置とする基準マーク位置検出部とを含む。
【0016】
第1の発明によれば、基準マークを表す基準ピクセルパターンに対して相関係数演算部で相関係数を演算することにより、その信号レベルおよび形状を確実に区別することができるため、上記基準マークを印刷用紙から高精度に検出することができる。これは、上記基準ピクセルパターンと類似した信号レベルを有したピクセルや、光学系のフレアや印刷汚れ等の影響による上記検索パターンと類似した形状に対しても、確実に相関性を区別することができる。また、相関係数の演算では、従来用いられていた標準偏差を算出せずに簡単な計算式で演算できるため、基準マーク検出に関する処理が簡単になり、処理速度を向上させることができる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
さらに、基準マーク検出部で演算された基準マークの位置データから、カラーチャート領域の印刷用紙上の位置を演算するカラーチャート実在位置算出部と、
カラーチャート実在位置算出部で演算されたカラーチャート領域の位置データに対応するカラーチャート領域を撮像部で得られた画像データから読み出し、カラーチャート領域のカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算部とを備える。
【0018】
第2の発明によれば、基準マーク位置データを用いて、印刷用紙上のカラーチャート領域の位置を演算するため、高精度に上記カラーチャート領域の位置を演算することができる。また、上記カラーチャート情報を演算することにより、上記カラーチャート領域の状態を明確にできる。
【0019】
第3の発明は、第2の発明に従属する発明であって、
基準マーク検出装置は、印刷用紙上に複数色の多色印刷を行う印刷装置に設けられ、
撮像部は、印刷装置によって搬送中の印刷用紙から基準マークおよびカラーチャート領域を撮像し、
カラーチャート情報演算部は、印刷装置がインキ濃度を制御するためのカラーチャート情報を演算する
【0020】
第3の発明によれば、多色印刷を行う印刷装置のインラインに用いることにより、印刷用紙の搬送中にカラーチャート情報を演算し、その結果から当該印刷装置のインキ濃度を制御することができる。
【0021】
第4の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
相関係数演算部は、基準ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された基準ピクセルパターンと画像パターン抽出部から送出された画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、反転ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された反転ピクセルパターンと画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する。
【0022】
第4の発明によれば、基準ピクセルパターンに応じた重み付けを行い相関係数を演算するため、形状や信号レベルの異なった基準ピクセルパターンに対しても、同じ評価基準で上記相関係数を取り扱うことができる。
【0023】
第5の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
撮像部は、RGB毎に撮像することによりそれぞれの画像データを送出し、
基準マーク検出部は、基準ピクセルパターンおよび反転ピクセルパターンと撮像部で得られたRGB毎の画像データとをパターンマッチングする。
【0024】
第5の発明によれば、基準マークの色を限定せずに用いることができる。
【0025】
第6の発明は、用紙上の位置基準となる基準マークが少なくとも1つ印刷された印刷用紙に対して、基準マークを撮像し、撮像で得られた画像データから印刷用紙上の基準マークの位置を演算する基準マーク検出方法であって、
印刷用紙から基準マークを撮像する撮像ステップと、
予め設定された基準マークの基準ピクセルパターンおよび基準ピクセルパターンの反転ピクセルパターンと撮像ステップで得られた画像データとをパターンマッチングすることにより、基準マークを検出し、基準マークの印刷用紙上の位置を演算する基準マーク検出ステップとを備え、
基準マーク検出ステップは、
画像データから演算対象とする画像パターンを抽出し、その後、所定のピクセル単位で画像パターンを順次移動させて新たな画像パターンを抽出する画像パターン抽出ステップと、
基準ピクセルパターンと画像パターン抽出ステップから送出された画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、反転ピクセルパターンと画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する相関係数演算ステップと、
相関係数演算ステップの相関係数の演算結果から最大値を検出することにより、その最大値を示す画像ピクセルの位置を基準マークの位置とする基準マーク位置検出ステップとを含む。
【0026】
第7の発明は、第6の発明に従属する発明であって、
さらに、撮像ステップは、印刷用紙から基準マークと共に印刷用紙に印刷されたカラーチャート領域も撮像し、
さらに、基準マーク検出ステップで演算された基準マークの位置データから、カラーチャート領域の印刷用紙上の位置を演算するカラーチャート実在位置算出ステップと、
カラーチャート実在位置算出ステップで演算されたカラーチャート領域の位置データに対応するカラーチャート領域を撮像ステップで得られた画像データから読み出し、カラーチャート領域のカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算ステップとを備える。
【0027】
第8の発明は、第7の発明に従属する発明であって、
基準マーク検出方法は、印刷用紙上に複数色の多色印刷を行う印刷装置で実行され、
撮像ステップは、印刷装置によって搬送中の印刷用紙から基準マークおよびカラーチャート領域を撮像し、
カラーチャート情報演算ステップは、印刷装置がインキ濃度を制御するためのカラーチャート情報を演算する。
【0028】
第9の発明は、第6の発明に従属する発明であって、
相関係数演算ステップは、基準ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された基準ピクセルパターンと画像パターン抽出ステップで送出された画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、反転ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された反転ピクセルパターンと画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する。
【0029】
第10の発明は、第6の発明に従属する発明であって、
撮像ステップは、RGB毎に撮像することによりそれぞれの画像データを送出し、
基準マーク検出ステップは、基準ピクセルパターンおよび反転ピクセルパターンと撮像ステップで得られたRGB毎の画像データとをパターンマッチングする。
【0030】
第11の発明は、用紙上の位置基準となる基準マークが少なくとも1つ印刷された印刷用紙に対して、基準マークを撮像し、撮像で得られた画像データから印刷用紙上の基準マークの位置を演算するコンピュータによって実行される基準マーク検出プログラムであって、
印刷用紙から基準マークを撮像部によって撮像する撮像ステップと、
記憶部に予め設定されて記憶された基準マークの基準ピクセルパターンおよび基準ピクセルパターンの反転ピクセルパターンと撮像ステップで得られた画像データとをパターンマッチングすることにより、基準マークを検出し、基準マークの印刷用紙上の位置を演算する基準マーク検出ステップとを、コンピュータに実行させ
基準マーク検出ステップは、
画像データから演算対象とする画像パターンを抽出し、その後、所定のピクセル単位で画像パターンを順次移動させて新たな画像パターンを抽出する画像パターン抽出ステップと、
記憶部に記憶された基準ピクセルパターンと画像パターン抽出ステップ送出された画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、反転ピクセルパターンと画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する相関係数演算ステップと、
相関係数演算ステップにおける相関係数の演算結果から最大値を検出することにより、その最大値を示す画像ピクセルの位置を基準マークの位置とする基準マーク位置検出ステップとを含む。
【0031】
第12の発明は、第11の発明に従属する発明であって、
さらに、撮像ステップは、印刷用紙から基準マークと共に印刷用紙に印刷されたカラーチャート領域も撮像部で撮像され
基準マーク検出プログラムは、基準マーク検出ステップで演算された基準マークの位置データから、カラーチャート領域の印刷用紙上の位置を演算するカラーチャート実在位置算出ステップと、
カラーチャート実在位置算出ステップで演算されたカラーチャート領域の位置データに対応するカラーチャート領域を撮像ステップで得られた画像データから読み出し、カラーチャート領域のカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算ステップとを、さらにコンピュータに実行させる。
【0032】
第13の発明は、第12の発明に従属する発明であって、
基準マーク検出プログラムは、印刷用紙上に複数色の多色印刷を行う印刷装置に設置されたコンピュータで実行され、
撮像ステップは、印刷装置によって搬送中の印刷用紙から基準マークおよびカラーチャート領域が撮像部で撮像され
カラーチャート情報演算ステップでは、印刷装置がインキ濃度を制御するためのカラーチャート情報が演算される。
【0033】
第14の発明は、第11の発明に従属する発明であって、
相関係数演算ステップは、基準ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された基準ピクセルパターンと画像パターン抽出ステップで送出された画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、反転ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された反転ピクセルパターンと画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものが減算されることにより、相関係数演算される。
【0034】
第15の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
撮像ステップは、撮像部でRGB毎に撮像されることによりそれぞれの画像データ送出され
基準マーク検出ステップは、基準ピクセルパターンおよび反転ピクセルパターンと撮像ステップで得られたRGB毎の画像データとでパターンマッチングされる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係るカラーチャート測定方法を用いる印刷装置の一例を示す側面概要図である。図1において、当該印刷装置は、印刷機構として、印刷版を保持する第1および第2の版胴1および2と、第1および第2の版胴1および2からインキ画像を転写するための第1および第2ブランケット胴3および4と、印刷用紙を保持して第1および第2のブランケット胴3および4からインキ画像が転写される圧胴5と、圧胴5に対し印刷用紙を供給または排出する給紙胴6および排紙胴7と、上記第1および第2の版胴1および2上の印刷版に対し湿し水またはインキを供給する湿し水供給手段8およびインキ供給手段9と、積載された未印刷の印刷用紙を順次供給する給紙部10と、印刷された印刷用紙を順次積載する排紙部11とを備えている。また、当該印刷装置は、製版機構として、上記第1および第2の版胴1および2に対して未露光の印刷版を供給する印刷版供給部12と、版胴上の印刷版に対し画像を記録する画像記録部13と、画像が記録された印刷版を現像処理する現像部14と、使用済みの印刷版を排出する印刷版排出部15とを備えている。さらに、当該印刷装置は、印刷された印刷用紙上の画像を撮像する撮像部16と、圧胴5の回転位置を検出するエンコーダ手段17と、給紙部10から給紙される印刷用紙を検知する紙検知センサー18とを備えている。
【0036】
以下、上述した各部の詳細について説明する。第1の版胴1は、図示しない版胴駆動機構によって、図1の実線で示す第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能なように構成されており、第2の版胴2についても同様に図示しない版胴駆動機構によって、図1の実線で示す第2の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能なように構成されている。すなわち、第1および第2の版胴1および2は、印刷作業を実行する時にはそれぞれ第1または第2の印刷位置に配置され、製版作業を実行する時には順次交代して上記画像記録位置に配置されて各版胴上での印刷版の製版処理が行われる。この第1の版胴1と第2の版胴2とは、それぞれ2色分の印刷版を保持可能な周面を有し、各印刷版をその周面上で180度対向した位置に固定するための図示しない咥え手段を備えている。
【0037】
第1のブランケット胴3は、上記第1の印刷位置にて第1の版胴1と当接して回転するように構成されており、第2のブランケット胴4についても、同様に上記第2の印刷位置にて第2の版胴2と当接して回転するように構成されている。この第1および第2のブランケット胴3および4は、上記第1および第2の版胴1および2と同じ直径を有し、各版胴から2色分のインキ画像を転写可能なブランケットをその周面に装着している。
【0038】
圧胴5は、上記第1および第2の版胴1および2に対して1/2の直径を有し、第1および第2のブランケット胴3および4の両方と当接して回転するように構成されている。この圧胴5には、上記印刷版に対応する大きさの印刷用紙を1枚保持可能な図示しない咥え手段を備えている。上記咥え手段は図示しない開閉機構によって所定のタイミングで開閉して、上記印刷用紙の前端部を挟持することができる。一方、当該実施形態では、圧胴5には同軸でエンコーダ手段17が設けられており、これによって圧胴5の回転位置を検知することができる。なお、このようなエンコーダ手段17は、既に公知で圧胴5の回転位置を制御するために一般的に設けられており、本発明ではこれを用いて印刷用紙の搬送位置を検出するようにしている。
【0039】
給紙胴6および排紙胴7は、圧胴5と同じ直径を有し、上記圧胴5に備えられた咥え手段と同様の図示しない咥え手段を備えている。この給紙胴6および排紙胴7の咥え手段は、上記圧胴5の咥え手段と同期して印刷用紙を受け渡し可能なように配置されている。
【0040】
上記第1および第2の印刷位置に配置された第1および第2の版胴1および2と、第1および第2のブランケット胴3および4と、圧胴5と、給紙胴6および排紙胴7とは、それぞれの胴に対し各胴の直径と同じ大きさの図示しない駆動ギアが胴端に備えられており、各々当接する胴の間で各ギアが噛合している。したがって、このギアを図示しない印刷駆動用モータにより駆動することで、上記各胴を同期して回転駆動することができる。
【0041】
なお、当該印刷装置では、圧胴5に対して、第1および第2の版胴1および2と第1および第2のブランケット胴3および4とが2倍の周長を有するため、第1および第2の版胴1および2と第1および第2のブランケット胴3および4とが1回転する毎に圧胴5が2回転する。したがって、圧胴5が印刷用紙を保持したまま2回転すると、第1および第2の版胴1および2から、2色+2色の合計4色の多色印刷が行える。
【0042】
湿し水供給手段8は、第1および第2の印刷位置における第1および第2の版胴1および2に対して、それぞれ2組ずつ配置されており、第1および第2の版胴1および2上の2つの印刷版に対し選択的に湿し水を供給することができる。この湿し水供給手段8は、湿し水を貯留する水舟と、水舟内の湿し水を汲み上げて印刷版面に渡す湿し水ローラ群とからなり、湿し水ローラのうち少なくとも印刷版面に当接するローラは、図示しないカム機構によって版胴面に対し当接または離間するするように構成されている。なお印刷版が湿し水を不要とするタイプの印刷版であれば、湿し水供給手段8は備えなくてもかまわない。
【0043】
インキ供給手段9は、第1および第2の印刷位置における第1および第2の版胴1および2に対し、それぞれ2組ずつ配置されており、第1および第2の版胴1および2上の2つの印刷版に対し選択的に異なる色のインキを供給することができる。このインキ供給手段9は、印刷幅方向の複数の領域毎にインキ出し量を調整する事が可能なインキ壷手段と、このインキ壷手段から出されたインキを練って印刷版面に対し供給する複数のインキローラとからなり、インキローラの内少なくとも印刷版面に対し当接するローラは、図示しないカム機構によって版胴面に対し当接または離間するように構成されている。また各インキ供給手段9のインキは、例えば第1の版胴1に対しては、K色(ブラック)とM色(マゼンタ)のインキ供給手段8が配置され、第2の版胴2に対しては、C色(シアン)とY色(イエロー)のインキ供給手段8が配置される。なお、湿し水供給手段8とインキ供給手段9のいくつかは、上記第1および第2の版胴1および2の移動にともない、その移動経路から待避できるように構成されている。
【0044】
給紙部10は、未使用の印刷用紙を積載したパイルから印刷用紙を一枚ずつ取りだして給紙胴6に送るものであって、当該印刷装置では、給紙胴6の2回転毎に1回印刷用紙を供給するよう動作する。なお、給紙部10には、印刷用紙の通過を光学的に検知する紙検出センサー18が備えられている。このような紙検出センサー18は、紙詰まりや2枚取り検出のために一般的に設けられているものであるが、当該印刷装置では、この紙検出センサー18の検出結果に応じて、圧胴5または給紙胴6に印刷用紙が給紙される時期か否かを判断することができる。一方、排紙部11は、印刷された印刷用紙を排紙胴7から受け取って積載するものである。この排紙部11の詳細については、撮像部16の構成とともに後述する。
【0045】
次に、当該印刷装置の製版機構について説明する。当該印刷装置では、製版作業を実行する時には、第1および第2の版胴1および2を交互に画像記録位置に移動させる。この画像記録位置では、図示しない摩擦ローラが第1および第2の版胴1および2に当接されて回転駆動するように構成されている。
【0046】
印刷版供給部12は、ロール状の未露光印刷版を遮光して保管したカセットロールと、引き出した印刷版を第1および第2の版胴1および2まで搬送する搬送ローラおよび搬送ガイドと、上記印刷版をシート状に切断する切断手段とを有する。当該印刷装置では、印刷版として銀塩感材を用いており、レーザ光によって画像を印刷版に記録するものである。なお、上記印刷版の供給動作手順は、上記カセットロールから引き出した印刷版の先端を、上記第1および第2の版胴1および2の図示しない一方の咥え手段に挟持させ、この状態で第1および第2の版胴1および2を回転させて上記印刷版を第1および第2の版胴1および2上に巻回し、この後、所定長で上記印刷版を切断してその印刷版の後端を他方の咥え手段により挟持する。
【0047】
画像記録部13は、レーザ光のon/offによって印刷版上に露光を施して、上記画像imとカラーチャートccとを記録するものである。当該印刷装置では、図示しないレーザ発信源から発射されたレーザ光を図示しないポリゴンミラー等の偏光器によって版胴の軸線方向に沿って主走査するとともに、第1および第2の版胴1および2を回転させることで印刷版面を副走査する構成になっている。なお、走査方式としては、複数のレーザビームを版胴軸線方向に併設しておいて第1および第2の版胴1および2の回転にともない主走査する形式であってもよい。また、印刷版および画像記録部13としては、露光により画像を記録するものだけでなく、熱や放電加工によって画像を記録するものであってもよい。
【0048】
現像部14は、上記画像記録部13により露光された印刷版を現像処理するものである。当該印刷装置では、現像部14は、図示しない処理槽に貯留された処理液を塗布ローラにより汲み上げて印刷版に対し塗布して現像処理を行う構成になっており、第1および第2の版胴1および2から待避する位置と第1および第2の版胴1および2へ近接する位置とに移動する図示しない昇降手段が備えられている。なお、現像処理が要らない画像記録方法を採用すれば、現像部14はなくてもかまわない。
【0049】
当該印刷装置では、第1および第2の版胴1および2を上記画像記録位置へ移動させ、印刷版の供給と画像の記録および現像とを行って製版作業を実行する。上記製版作業が完了すれば、第1および第2の版胴1および2を第1および第2の印刷位置に配置して印刷作業を行うことができる。
【0050】
一方、当該印刷装置は、印刷作業の終了後に印刷版を自動で排出するために、印刷版排出部15を備えている。この印刷版排出部15は、上記画像記録位置にある第1および第2の版胴1および2から印刷版を剥離する剥離手段と、剥離された印刷版を搬送する搬送手段と、搬送された使用済みの印刷版を排出する排出カセットとを備えている。
【0051】
次に、当該印刷装置の撮像部16と上記排紙部11との構成について説明する。なお、図2は、排紙部11近傍の側面概要図である。まず排紙部11は、上記排紙胴7と、この排紙胴7と略同径の2つのギア7’(図2の紙面において垂直方向に併設)との間に掛け回された2本の無端状のチェーン20と、この2本のチェーン20によって搬送され、印刷用紙Sを搬送するための複数の咥え手段21と、これらの咥え手段21により搬送された印刷用紙Sを積載するための排紙台22とからなる。
【0052】
上記排紙胴7の両端部には、それぞれチェーン20と係合するための図示しないギア部を備えており、このギア部に対向して略同径の2つのギア7’が配置されている。そして排紙胴7のギア部とギア7’とにおいて無端状のチェーン20が掛け回されている。このチェーン20の長さは、上記排紙胴7の周長の整数倍の長さに設定されている。
【0053】
咥え手段21は、印刷用紙Sの先端を挟持するための開閉可能な爪部材を有し、複数の咥え手段21が上記2つのチェーン間に渡って固定されている。上記チェーン20上における咥え手段21の配置間隔は、上記排紙胴7の周長に相当する。一方、各咥え手段21は、図示しないカム機構によって上記排紙胴7に設けられた咥え手段(図示しない)と同期して開閉するように構成されており、排紙胴7から印刷用紙Sを受け取り、チェーン20の回転に伴って印刷用紙Sを搬送して排紙台22上で排出する。
【0054】
排紙台22は、複数の印刷用紙Sを積載可能なパレット状部材であって、図示しない昇降手段によって上下移動をする。すなわち印刷用紙Sが排出されるに従って順次排紙台32が下降することにより印刷用紙Sの排出高さを一定にし、印刷用紙Sの排出動作を円滑にすることができる。
【0055】
上記排紙部11では、印刷用紙Sの先端を咥え手段21で挟持して搬送するため、印刷用紙Sの後端は固定されていない状態で搬送される。このため搬送にともない印刷用紙Sの後端が不安定になるため、排紙台22の前方側において印刷用紙Sの搬送状態を安定させる吸着ローラ23を備えている。
【0056】
この吸着ローラ23は、その表面に微細な吸着孔を多数備えており、図示しない真空ポンプと接続されている。この吸着ローラ23は、その吸着ローラ23の軸線が上記2つのチェーン20間に掛け渡された咥え手段21に対し平行となり、上記チェーン20の下方通過位置と略同じ高さに吸着ローラ23の頂部が位置するように配置されている。なお、吸着ローラ23は、上記咥え手段21の通過速度に合わせて回転駆動するか、あるいは回転自在に構成されている。したがって、印刷用紙Sは、吸着ローラ23上を通過する際には吸着ローラ23の表面に吸着された状態となって搬送されるので、この吸着ローラ23上の部分では印刷用紙Sの後端が安定する。なお、吸着ローラ23の代わりに、上記印刷用紙Sを平面的に吸着するような吸着板部材を採用してもよい。
【0057】
撮像部16は、搬送される印刷用紙を照明する照明手段24と、照明された印刷用紙上の画像を撮像して画像データを得るための撮像手段25とを備えている。照明手段24は、上記吸着ローラ23に沿って配置され、上記吸着ローラ23上の印刷用紙Sを照明する複数の線状光源からなり、上記チェーン20の上下走行間に設けられている。なお、上記光源の中央部には、撮像用のスリットが形成されている。
【0058】
撮像手段25は、遮光および防塵のための筐体26と、この筐体26の内部に配置されたミラー27、レンズ28、CCDラインセンサ29とを備える。この撮像手段25は、上記吸着ローラ23上の印刷用紙の画像を上記照明手段24のスリットを通して撮像するものであり、ミラー27で折り返された画像の入射光が、レンズ28を通ってCCDラインセンサ29で受光される。なお、CCDラインセンサ29は、RGBの3色に対応して画像を読み取る。当該印刷装置では、印刷用紙の搬送にともない、印刷用紙上の画像が順次ライン毎に読み取られることになる。
【0059】
ここで、上記撮像部16で読み取られる画像について説明する。当該印刷装置では、印刷物上に画像データとは別のカラーチャートを印刷し、このカラーチャートを上記撮像部16で読み取ってそのカラーチャート情報を解析することによりインキ供給量を制御するようにしている。つまり、基準画像等との比較が不要であり、扱う画像データを少なくする利点がある。なお、図3は、当該印刷装置で用いるカラーチャートを示す図である。以下、図3を用いて、当該カラーチャートの構成を説明する。
【0060】
図3(a)において、印刷用紙S上には、印刷物を表す画像imとカラーチャートccとが印刷され、カラーチャートccの位置は画像imの後端に続く位置となっている。ここで、印刷用紙Sにおける画像imの位置は、印刷先頭側(紙咥え側)から所定の咥え量fだけ離れた位置に位置決めして配置されるものとし、上記画像imのサイズ(印刷方向サイズ)をサイズm、カラーチャートccの幅を幅nとすると、カラーチャートccの配置される領域は、印刷用紙の先頭からf+m〜f+m+nまでの地点となる。すなわち、一般的には、咥え量fやカラーチャートccの幅nは一定値であるから、画像imのサイズmに基づいてカラーチャートccが配置される領域を演算することができる。
【0061】
図3(b)は、カラーチャートccの具体的な例を示した図である。このカラーチャートccは、複数のカラーチャート領域crと、各カラーチャート領域cr間に設けられた基準マークrm1〜rm3(総称する場合はrmとする)とを印刷幅方向に沿って直列的に配置した図案である。上記カラーチャート領域crは、各色毎に予め定めた濃度の網領域やベタ領域を所定の順に繰り返し配置したものである。したがって、このカラーチャート領域crを測定してベタ濃度や網パーセントを演算し、予め定められた値と比較することにより、インキ供給量の過不足を判断することができる。なお、基準マークrm1を挟んで配置されたカラーチャート領域crの配置は、基準マークrm1を中心に点対称に配置されている。
【0062】
図3(c)は、基準マークrmの拡大図である。この基準マークrmは、K色(ブラック)の1色で印刷された位置決めのためのマークであって、印刷方向に沿って所定の長さを有する2本のバーbと、このバーbの間に設けられた十字マークdとからなる。上記十字マークdの横線の位置は、上記カラーチャート領域crの略中心高さにあり、カラーチャート領域crの印刷方向位置を特定することができる。またカラーチャート領域crに隣接する上方には、未印刷領域となる紙白領域hr(図3(c)を参照)が設けられており、上記バーbの長さは上記カラーチャート領域crの幅を越えて上記紙白領域hrを含むように設定されている。したがって、印刷方向においてバーbの検出範囲であれば、紙白領域hrの範囲と判断することができる。なお、基準マークrm1はカラーチャートccの中央に、基準マークrm2およびrm3は左右両端近傍に設けられている。
【0063】
このようなカラーチャートccを読み取るために、当該印刷装置では、上記撮像手段25を図2の紙面垂直方向に沿って2個併設しており、印刷用紙Sの幅方向の画像を2分割して撮像するように構成されている。図4は、撮像手段25が印刷幅方向に沿って2つ併設された状態を示す説明図である。図4において、2つの撮像手段25Rおよび25Lは、それぞれ印刷幅方向に上述したカラーチャートccを分割して撮像するように配置されており、上記撮像手段25Rと25Lとでは、CCDラインセンサ29の読取方向が一致するように組み込まれている。また各撮像手段25Rおよび25Lの撮像する領域は、中央部で一部重なっている。そして、この重なった領域に基準マークrm1が位置するように配置されている。当該印刷装置によれば、基準マークrm1によって2つの撮像手段25Rおよび25Lにより読み取った読取画像データの位置合わせを行うことができる。
【0064】
一方、基準マークrm2およびrm3は印刷用紙の左右両端近傍に設けられており、撮像手段25Rでは基準マークrm1およびrm2を撮像可能であり、撮像手段25Lでは基準マークrm1およびRM3を撮像可能である。このように、それぞれの撮像手段25Rおよび25Lに2つの基準マークrmを撮像するようにしているので、各基準マークrm1〜rm3の位置検出によってカラーチャートccの位置を検出することができる。なお、当該印刷装置では、使用可能な最小幅の印刷用紙Sminに合わせて、各基準マークrm1〜rm3の位置が設定されている。したがって、印刷用紙Sのサイズに関係なく、常に一定のカラーチャートccを形成すればよいという利点がある。
【0065】
次に印刷装置の制御部について、図5および図6を用いて説明する。なお、図5は印刷装置全体のブロック図であり、図6は同ブロック図を機能的な構成で示した機能ブロック図である。 図5において、当該印刷装置は、画像データを編集したり印刷装置への印刷作業を指示するための制御端末30と、当該印刷装置各部の制御を行うための印刷制御部31とを備え、それぞれLAN等によって接続されている。
【0066】
上記制御端末30は、演算を行うCPUやメモリ、CRT等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置、各種画像データやプログラムなを保管するための磁気ディスク等の記憶装置を備えたコンピュータシステムであり、当該印刷装置本体外部に設けられている。この制御端末30は、画像データを直接作成するか、または他の画像データ作成装置から受け取った画像データを編集することで、印刷物を表す印刷画像データを準備するものである。
【0067】
印刷制御部31は、当該印刷装置本体内部に設けられたCPU基板等からなるコンピュータシステムであって、各種I/Fを介して当該印刷装置各部の制御を行う。なお、上記撮像手段25によって撮像された読取画像データを処理して上記カラーチャートccを測定するためのカラーチャート測定制御部32は、上記印刷制御部31に対し別の基板で構成されており、印刷制御部31と互いに接続されている。このカラーチャート測定制御部32も、CPU基板等からなるコンピュータシステムであって、上記撮像手段25との接続に加え、上記エンコーダ手段17や紙検出センサー18からの検出信号も受信するように構成されている。
【0068】
次に、図6を用いて当該印刷装置の上記制御部の構成の詳細を機能的に説明する。上記制御端末30は、予め準備されたカラーチャートccを表す画像データ(以後、カラーチャートデータcdという)を記憶しておくカラーチャートデータ記憶手段40と、記憶されたカラーチャートデータcdを印刷画像データpdに付加するカラーチャート付加手段41と、カラーチャートデータcdが付加された印刷画像データpdをRIP処理(Raster−Image−Processing)して、2値の画像データpd2を生成するRIP処理部42とを備えている。当該印刷装置において、カラーチャート付加手段41は、予め定められた配置条件、例えば、「カラーチャートccを印刷画像imの後端に続く位置に付加する」等にしたがって自動的に処理するものであるが、オペレータが手動によりカラーチャートccの位置を決定してもかまわない。なおRIP処理部42で作成された画像データpd2は印刷制御部31を介して画像記録部13に送られる。
【0069】
一方、制御端末30は、カラーチャートccを付加した位置を演算するカラーチャート配置位置演算手段43も備えている。このカラーチャート配置位置演算手段43は、例えば、上記配置条件が「カラーチャートccを印刷画像imの後端に続く位置に付加する」であれば、予め定めた上記咥え量fと印刷画像データpdの画像サイズmとを加算して、印刷用紙S上におけるカラーチャートccの位置を演算することができる。ここで、画像サイズmは、制御端末30が上記印刷画像データpdから求めても良いし、上記印刷画像データpdを作成した図示しない前段の画像データ作成装置から得てもかまわない。上述のように演算されたカラーチャートの配置位置は、カラーチャート位置データidとして印刷制御部31を介してカラーチャート測定制御部32へ送られる。なおオペレータが任意の位置にカラーチャートccを配置した場合は、その印刷画像データpdに対するカラーチャートccを配置した相対位置に基づいて演算を行えばよい。
【0070】
次に、カラーチャート測定制御部32について説明する。カラーチャート測定制御部32は、上記カラーチャート位置データidに基づいて上記撮像手段25の読取領域を設定する読取期間設定手段44と、撮像手段25が読み取った読取画像データrdを記憶する読取画像データ記憶手段45と、読取画像データrdから基準マークrmの位置を検出する基準マーク検出手段46と、検出した基準マークrmの位置に基づいてそれぞれのカラーチャート領域crの実在位置を算出するカラーチャート実在位置算出手段47と、上記実在位置に対応する画像データを読取画像データ記憶手段45から読み出す読取画像データ読出手段48と、各カラーチャート領域crの色濃度や網パーセント等のカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算手段49とを備えている。
【0071】
読取期間設定手段44は、カラーチャート位置データid、エンコーダ手段17のエンコーダ信号、および紙検知センサー18の紙検知信号に基づいて、印刷用紙S上のカラーチャートccを含む読取領域を撮像手段25が読み取るように読取期間を設定する。つまり、エンコーダ手段17のエンコーダ信号を計数することにより、印刷用紙Sが上記排紙部11のいずれに位置するかが分かる。したがって、読み取り期間設定手段44は、カラーチャート位置データidに定められたカラーチャートccを含む読取領域が、撮像手段25の読取位置にあるタイミングを上記エンコーダ信号の計数から判別して、上記撮像手段25に読み取り開始および終了の指示を行う。
【0072】
しかしながら、当該印刷装置は、圧胴5の2回転毎に印刷用紙を給排する形式のため、実際には2回転に1回しか印刷用紙は搬送されていない。したがって、当該印刷装置では、上記エンコーダ信号に加えて上記紙検知センサー18による紙検出信号を用いて、印刷用紙Sが撮像手段25下を搬送されている場合にだけ撮像を行うように制御している。なお、実際にはカラーチャートccの測定は、予め定められた所定サンプリング枚数毎に行われる。このように、読取期間設定手段44は、上記紙検出信号によって印刷用紙Sが撮像手段25下を通過する回であると判断された圧胴5の回転時に、上記エンコーダ信号による圧胴5の回転位置を用いて印刷用紙の搬送位置を予測して、撮像手段25に読取期間を指示するものである。なお、撮像手段25の読取領域は、多少のズレが生じても問題がないようにカラーチャートccの幅よりも大きく設定するのが好ましい。
【0073】
上記読取期間設定手段44の指令により、撮像手段25は、印刷用紙S上の画像を読み取り、読み取った読取画像データrdを読取画像データ記憶手段45に記憶する。読込画像データ記憶手段45は、上記撮像手段25Rおよび25Lのそれぞれに対応した2セットのメモリからなり、撮像手段25Lで読み込んだ読込画像データrdは、上記メモリへの記憶の際に、上記メモリの後方から逆に記憶される。これによって、上記撮像手段25Rおよび25Lから得られた読取画像データを読み出す際には、同一の手順で読み出すことができるようになる。なお、上述では、読取画像データrdを記憶する際に、一方をメモリの後方から格納するようにしているが、予め一方のCCDラインセンサ29の読取方向を逆方向にして配置してもよい。
【0074】
基準マーク検出手段46は、上記記憶された読取画像データrdから画像処理によって上記基準マークrmを検出するものである。まず、予め基準マークrm内のバーbで挟まれた十字マークdの中心の画素配列パターンを予め得ておく。例えば、上述したように、図3(c)における十字マークdの中心付近におけるα方向の画素配列パターン例を、図3(d)に示している。この例では、理解しやすいように簡略化して中心ラインβを、バーbの幅が黒2画素、バーbと十字マークdの横線との間が白1画素、十字マークdの横線が黒7画素で表されている。上記基準マーク検出手段46は、図3(d)の中心ラインβの画素配列パターンが、上記読取画像データ記憶手段45から読取画像データrdに含まれるかどうかを1画素ずつ順にずらせて相関係数ρmを算出する。このような算出を、上記読取画像データrdを格納した読取画像データ記憶手段45から、直交するXY方向にそれぞれ個別に実施する。そして、それぞれの相関係数計算結果を比較し、最も相関係数ρmの高い位置を基準マークrmの位置とする。なお、この算出についての詳細は、後述する。
【0075】
カラーチャート実在位置算出手段47は、まず検出した2つの基準マークrmの位置から、上記基準マークrm位置とそれぞれの基準マークrm間の距離を演算する。これにより、上記基準マークrmの位置から、上記カラーチャート領域crのそれぞれの実在位置を検出することができる。
【0076】
読取画像データ読出手段48は、上記実在位置に対応する読取画像データ記憶手段45内の読取画像データrdを読み出すものであって、ここでは、対応するカラーチャート領域crの画像データを読み出す。なお、画像データの読み出しは、予め定められた微小サイズの領域で行われるが、これは上記メモリ上の所定のアドレス空間を指定して行われる。
【0077】
カラーチャート情報演算手段49は、上記カラーチャート領域crのカラーチャート情報、例えば、色濃度や網パーセント等を演算するものである。また、得られた色濃度に基づいて、YMCKのインキ濃度に変換したり、必要によってはインキ壺手段のインキキーの開度量等に換算するようにしてもよい。
【0078】
このようにして得られたカラーチャートccのカラーチャート情報は、インキや湿し水の供給量の調整に用いられる。すなわち、カラーチャート測定制御部32または印刷制御部31は、上述のように測定されたカラーチャート情報を予め設定された基準値と比較してインキや湿し水の過不足を判断し、インキや湿し水の適切な供給量の制御を行うようにする。
【0079】
次に、当該印刷装置の動作について、図7および図8を用いて説明する。なお、図7は印刷作業の全体工程を示すローチャート、図8はカラーチャート測定工程を示すフローチャートである。まず、図7において、印刷作業工程の最初に、当該印刷装置の各種設定が行われる(ステップS1)。例えば、使用する印刷画像データpdの指定や、印刷枚数の設定等である。また、上述したように、予め印刷画像データpdには、カラーチャートデータcdが付加される。そして、カラーチャートが付加された位置は、カラーチャート位置データidとして演算される。また、カラーチャートcdが付加された印刷画像データpdは、RIP処理されて画像データpd2が生成される。なお画像データpd2の生成は、印刷版への露光に合わせてリアルタイムに行われてもかまわない。
【0080】
次に、当該印刷装置は、印刷版に対し画像が形成する(ステップS2)。まず、いずれかの版胴1あるいは2が画像記録位置に移動し、その版胴1あるいは2に未露光の印刷版が装着される。そして、上記印刷版に、上記画像データpd2に基づいて画像の露光が行われる。露光終了後は、現像部14により現像処理が行われる。この製版工程は、それぞれの版胴1および2に対して交互に行われる。
【0081】
そして、当該印刷装置は、ステップS2で製版された印刷版に基づいて印刷作業が行われる(ステップS3)。すなわち、版胴1および2上の印刷版に対し湿し水が供給され、次いで各版に対応する色のインキが供給される。この印刷版上のインキ画像はブランケット胴3および4に転写され、圧胴5に給紙された印刷用紙上に転写される。
【0082】
次に、当該印刷装置は、印刷枚数が所望量に達したかどうかを判断し、達していれば本作業を終了する(ステップS4)。未達成の場合は、次のステップに進む。
【0083】
印刷枚数が所望量に未達成の場合、当該印刷装置は、予め定められたサンプリング枚数毎に、カラーチャート測定を行う(ステップS5)。このカラーチャート測定の詳細については、図8のフローチャートを用いて後述する。
【0084】
そして、当該印刷装置は、ステップS5の測定で得られたカラーチャート情報に基づいてインキや湿し水の供給量を調整し(ステップS6)、ステップS3に戻る。
【0085】
次に、当該印刷装置のカラーチャート測定制御部32で行われるカラーチャート測定の工程について説明する。図8において、カラーチャート測定制御部32は、上記ステップS1で演算したカラーチャート位置データidに基づいて読取期間設定手段44により読取期間を設定する(ステップS51)。そして、次のステップに進む。
【0086】
そして、撮像手段25Rおよび25Lは、上記読取期間の開始に伴い、読み取りを開始する(ステップS52)。そして、次のステップに進む。
【0087】
次に、カラーチャート測定制御部32は、ステップS52で入力された画像データrdが撮像手段25Rのデータか否かを判断し(ステップS53)、撮像手段25Rのデータの場合はステップS54へ進み、撮像手段25Lのデータの場合はステップS55へ進む。そして、カラーチャート測定制御部32は、読取画像データ記憶手段45のメモリに対し、順方向に撮像手段25Rの読取画像データrdを格納する(ステップS54)。一方、カラーチャート測定制御部32は、読取画像データ記憶手段45のメモリに対し、逆方向に撮像手段25Lの読取画像データrdを格納する(ステップS55)。
【0088】
上記読取画像データrdの格納が終了すれば、カラーチャート測定制御部32は、各メモリ内の読取画像データrdを画像処理して基準マークrmの検出を行う(ステップS56)。なお、ステップS56の詳細については、後述する。そして、次のステップに進む。
【0089】
次に、カラーチャート測定制御部32は、ステップS56で得られたそれぞれの基準マークrmの位置に基づいて、各カラーチャート領域crの実在位置を算出し、上記メモリ内の画像データを読み出すアドレスを求める(ステップS57)。そして、次のステップに進む。
【0090】
そして、カラーチャート測定制御部32は、ステップS57で求められたアドレス位置から、カラーチャート領域crの画像データを読み出す(ステップS58)。そして、次のステップに進む。
【0091】
次に、カラーチャート測定制御部32は、ステップS58で読み出されたカラーチャート領域crの色濃度データや網パーセントデータ等のカラーチャート情報を求める(ステップS59)。このステップ59で、特定されたカラーチャート領域crに対するカラーチャート情報が確定する。そして、次のステップに進む。
【0092】
そして、カラーチャート測定制御部32は、測定すべき次のカラーチャート領域crがあるか否かを判断する(ステップS60)。まだ、測定すべきカラーチャート領域crが残っている場合、カラーチャート測定制御部32は、ステップS57に戻って測定を繰り返す。一方、測定すべきカラーチャート領域crが残っていない場合、カラーチャート測定制御部32は、フローを終了する。
【0093】
次に、上述したステップS56の基準マークの検出するための演算について詳述する。なお、図9は、カラーチャート測定制御部32で行われる基準マーク検出するための演算動作を示したフローチャートである。以下、図9を用いて、上記基準マーク検出するための演算動作について説明する。
【0094】
図9において、カラーチャート測定制御部32は、各メモリ内に格納された読取画像データrdから演算処理したい基準マークrmに対して、上述したカラーチャートの配置位置を示すカラーチャート位置データid等を用いて、読取画像データrd内の上記基準マークrmが配置されている大略的な範囲を選出し、上記範囲を複数のピクセル列(以下、ピクセルラインとする)に分割する(ステップS561)。そして、処理は次のステップに進む。
【0095】
次に、カラーチャート測定制御部32は、上記複数のピクセルラインから印刷方向に対して最も先頭側のピクセルラインを1つ設定し、最初の演算対象ラインとして指定する(ステップS562)。そして、処理は次のステップに進む。
【0096】
次に、カラーチャート測定制御部32は、指定された演算対象ラインの中の複数のピクセルから、最も印刷幅方向に対して端に位置する最初の演算対象ピクセルを指定する(ステップS563)。そして、処理は次のステップに進む。
【0097】
次に、カラーチャート測定制御部32は、上記演算対象ピクセルと上述した基準マークrmの中心を表す中心ラインβの画素配列パターンとの間の相関係数ρmを演算する(ステップS564)。
【0098】
ここで、ステップS564で演算される相関係数ρmについて詳述する。まず、予め基準マークrm内のバーbで挟まれた十字マークdの中心の画素配列パターンを得ておく。例えば、上述した図3(d)は、図3(c)における十字マークdの中心付近におけるα領域の画素配列パターン例である。この例では、理解しやすいように簡略化して十字マークdの中心ラインβは、バーbの幅が黒2画素、バーbと十字マークdの横線との間が白1画素、十字マークdの横線が黒7画素、合計13画素で表されている。この中心ラインβの画素配列パターンを、基準マークrmを示す検索パターンxとする。この検索パターンxを2値で、黒を1、白を0で表現すると、
x=(1,1,0,1,1,1,1,1,1,1,0,1,1)
となる。
【0099】
また、上記演算対象ピクセルも検索パターンxと同じ13画素で対象データyとする。つまり、対象データyは、
【数2】
Figure 0003822070
となる。この検索パターンxと対象データyとの間の相関係数ρmを演算する。ここで、相関係数ρmは、
Figure 0003822070
で表される。ただし、[x]*[y]は行列の積の和であり、それぞれの行列の成分を同じ行列成分同士で乗算した後、総和する。つまり、それぞれが1行3列の行列の場合、
(u111)*(u222
=(u1×u2)+(v1×v2)+(w1×w2
となる。なお、[x]-1は検索パターンxの反転パターンを表す行列である。
【0100】
この相関係数ρmの演算式は、本発明の原理を簡単に説明するために用いたものであり、本発明ではより確実な画素配列パターンとの相関性を演算するために、読取画像データrdの信号レベルや画素配列パターンの形状に対する重み付けをさらに行って、最も強い相関性を示すときに相関係数ρm=1となり、最も弱い相関性を示すときに相関係数ρm=−1となるようにする。以下、その演算方法について詳述する。
【0101】
上述したように、撮像手段25に設けられているCCDラインセンサ29は、RGBの3色に対応して画像を読み取り、そのRGBそれぞれの画像データを読取画像記憶手段45に送っている。つまり、黒色の上記基準マークの場合、黒色画素に対してはRGB全ての信号レベルが低くなり、白色画素に対してはRGB全ての信号レベルが高くなる。なお、本実施形態では、16進法で演算を行い、白色画素の最も高い信号レベルを16進法の6000(以下、6000hとする)とし、黒色画素の最も低い信号レベルを16進法の0(以下、0hとする)として演算する。したがって、実際のCCDラインセンサ29の信号レベルは、0hから6000hまでの間の値を示す。
【0102】
上記重み付けを行った相関係数ρmは、以下の式で表される。
【数3】
Figure 0003822070
ただし、[ ]は行列を表し、[ ]*[ ]は上述と同様にそれぞれの行列の成分を同じ行列成分同士で乗算した後、総和する行列の積の和を表す。以下、各項についての説明を行う。
【0103】
まず、行列[y]は上述と同様に13ピクセル分の対象データyの行列である。つまり、対象データyの行列は、
【数4】
Figure 0003822070
で表され、上述したように、データy-6〜y+6は、白色画素の最も高い信号レベルを6000hとし、黒色画素の最も低い信号レベルを0hとしている。
【0104】
行列[DDi]は、13ピクセル全てが白色画素を表すダミー行列である。つまり、行列[DDi]は、
【数5】
Figure 0003822070
で表される。ここで、上記式(1)で演算される([DDi]−[y])は、対象データyの行列が全て信号レベルの高い上記ダミー行列から除算されるため、対象データyの各々のピクセルの信号レベルが低いものに対して信号レベルが高く、信号レベルの低いデータに対して信号レベルが高く演算される。つまり、対象データyのピクセルが黒色である場合、信号レベルが高いデータに演算され、黒色基準に置き換えられることになる。
【0105】
行列[x]は、上記検索パターンxを表す行列である。ただし、黒色ピクセルに対しては6000hとし、白色ピクセルに対しては0hとして上記検索パターンxの行列[x]とする。例えば、上述した図3(d)に示す中心ラインβの画素配列パターンを、検索パターンxとすると、行列[x]は、
【数6】
Figure 0003822070
で表される。
【0106】
行列[x]-1は、上記行列[x]の反転パターンを表す行列である。つまり、行列[x]-1は、
【数7】
Figure 0003822070
で表される。
【0107】
係数SMは、検索パターンxの重み係数である。これは、上述したように、黒色ピクセルに対しては6000hとし、白色ピクセルに対しては0hとした上記検索パターンxのそれぞれのピクセルデータを総和したものである。つまり、上記中心ラインβの上記検索パターンxは、6000hのピクセルデータが11、0hのピクセルデータが2つあるため、係数SMは、
SM=6000h×11+0h×2
である。
【0108】
係数SMRは、反転した検索パターンxの重み係数である。つまり、上記反転した上記検索パターンxは、0hのピクセルデータが11、6000hのピクセルデータが2つあるため、係数SMRは、
SMR=6000h×2+0h×11
である。
【0109】
上記式(1)で演算される(SM×6000h)および(SMR×6000h)は、上述したように、それぞれ検索パターンxおよび反転検索パターンxに対応する重み付けとなり、最も強い相関性を示すときに相関係数ρm=1となり、最も弱い相関性を示すときに相関係数ρm=−1となるようにする係数となる。
【0110】
次に、上記式(1)により、基準マークrmと一致するピクセルデータに対して強い相関を示す原理を説明する。従来、誤検出されていた光学系のフレアや印刷汚れ等の影響による検索パターンxと類似のパターンに対しては、上述した従来の相関係数ρの演算で標準偏差σx×σyで除算しているため、信号レベルの異なる類似パターンに対して、強い相関性を示していた。しかし、本発明の上記式(1)では、信号レベルの異なる類似パターンに対して、演算される([DDi]−[y])の演算部が小さくなるため、結果的に相関係数ρmは小さくなる。つまり、対象データyは、検索パターンxと類似のパターンであっても、検索パターンxと信号レベルが異なる場合、上記式(1)による相関係数ρmの演算結果が小さくなり、弱い相関を示す。
【0111】
一方、対象データyと検索パターンxとが、類似パターンではないが同じ信号レベルの場合、つまり、上述した図3(d)の中央ラインβの検索パターンxに対して、対象データyの行列[y]のデータy-6〜y+6が全て0h(つまり、全ての画素が黒色のベタパッチ)の場合、上記式(1)による([DDi]−[y])の演算部が最も大きくなる。しかしながら、上記ベタパッチの場合の対象データyは、検索パターンxの反転パターンの行列[x]-1とそれぞれの同じ列の成分同士が乗算され総和された後、除算される演算部(つまり([DDi]−[y])*[x]-1の演算部)も最も大きくなり、除算される数が大きいため、結果的に相殺され相関係数ρmは小さくなる。これに対し、対象データyが上記中央ラインβのピクセルパターンの場合、上述した検索パターンxの反転パターンの行列[x]-1とそれぞれの同じ列の成分同士が乗算され総和された後、除算される演算部には強い相関性を示さないため、相関係数ρmが最も大きな数となり、強い相関性を示す。
【0112】
上述したように、撮像手段25に設けられているCCDラインセンサ29は、RGBの3色に対応して画像を読み取り、そのRGBそれぞれの画像データを読取画像記憶手段45に送っている。上記相関係数ρmの演算は、基準マークrmが黒色の場合、RGBそれぞれの画像に対して行い相関性を算出する。なお、基準マークrmの色が黒色以外の場合、その基準マークrmの色に応じたRGBの画像を演算することにより、同様に相関性を算出することができる。
【0113】
次に、カラーチャート測定制御部32は、指定された演算対象ラインの中の複数のピクセルに対して、全てステップS564の相関係数ρmの演算が実行されているか否かを判断する(ステップS565)。まだ、上記相関係数ρmの演算が実行されていないピクセルがある場合、ステップS564で演算された上記演算対象ピクセルを1ピクセル印刷幅方向に移動させ、新たな演算対象ピクセルとして(ステップS568)、ステップS564に戻る。一方、ステップS565で、カラーチャート測定制御部32が全てピクセルに対してステップS564の相関係数ρmの演算が実行されていると判断した場合、処理は次のステップに進む。
【0114】
次に、カラーチャート測定制御部32は、ステップS561で指定された複数のピクセルラインに対して、全てステップS564の相関係数ρmの演算が実行されたか否かを判断する(ステップS566)。まだ、上記相関係数ρmの演算が実行されていないピクセルラインがある場合、ステップS563で演算された上記演算対象ラインを1ライン印刷方向に移動させ、新たな演算対象ラインとして(ステップS569)、ステップS563に戻る。一方、ステップS566で、カラーチャート測定制御部32が全てピクセルラインに対してステップS564の相関係数ρmの演算が実行されていると判断した場合、処理は次のステップに進む。
【0115】
そして、カラーチャート測定制御部32は、ステップS564で演算された複数の相関係数ρmから、最大値を検出し、その最大値を示すピクセル位置を基準マークrmの位置とする(ステップS567)。その後、フローを終了する。
【0116】
なお、上述したフローチャートでは、ステップS567で、それまでも演算結果の全てから最大値を示す相関係数ρmを検出するようにしているが、常にステップS564の相関係数ρmの演算時に、演算結果を比較することにより相関係数ρmが大きい方を記憶するように処理し、最終ステップで残った相関係数ρmを最大値としてもかまわない。
【0117】
また、上述の説明では、CCDラインセンサ29の出力値を0h〜6000hのデジタル値で示しているが、アナログの出力値を用いて相関係数ρmを演算するようにしてもかまわない。
【0118】
さらに、上述した説明では、基準マークrmの形状として十字マークを用いたが、他の形状であってもかまわない。また、検索パターンxは、13ピクセルの直列棒状パターンを用いたが、それ以外のピクセル数であってもいいし、直列棒状パターンでなくてもかまわない。例えば、上記検索パターンxが2次元パターンであっても、本発明を適用することができる。
【0119】
このように、当該印刷装置によれば、基準マークを表す検索パターンに対して相関係数を演算することにより、その信号レベルおよび形状を確実に区別することができるため、上記基準マークを高精度に検出することができる。これは、上記検索パターンと類似した信号レベルを有したピクセルや、光学系のフレアや印刷汚れ等の影響による上記検索パターンと類似した形状に対しても、確実に相関性を区別することができる。また、当該印刷装置の相関係数ρmの演算では、従来用いられていた標準偏差を算出せずに簡単な計算式で演算できるため、基準マーク検出に関する処理が簡単になり、処理速度を向上させることができる。
【0120】
なお、当該印刷装置では、印刷用紙Sが排出搬送される排紙部11に撮像手段25を設けたが、圧胴5や排紙胴7上で搬送される印刷用紙Sを読み取るように配置してもかまわない。また、制御端末30によってカラーチャートデータcdを付加するようにしているが、印刷制御部31などにおいて予めRIP処理された印刷画像データに対しRIP処理済みのカラーチャートデータを付加するようにしてもかまわない。さらに、当該印刷装置では、撮像手段25を2つ並べて配置しているが、1つ、または3つ以上配置するようにしてもよい。また、当該印刷装置では、カラーチャートccを画像imの後端側に配置しているが、先頭側に設けてもかまわない。また、カラーチャートccは画像imの直後の位置に配置するのではなく、所定距離離れた位置や印刷用紙上の一定の固定位置に配置するものであってもかまわない。
【0121】
さらに、上述では、印刷装置のインラインでカラーチャートを測色する形態を説明したが、印刷装置とは別に印刷物を測色する単独の測色装置に、本発明を適用できることは、言うまでもない。また、本発明を適用させた上記測色装置を、既存の印刷装置に搭載することも可能であり、本発明の相関係数を演算するプログラムを、従来のインライン測色装置を備えた印刷装置に適用することも可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置の一例を示す側面概要図である。
【図2】当該印刷装置における排紙部と撮像部とを示す側面概要図である。
【図3】カラーチャートの構成を示す説明図である。
【図4】当該印刷装置の撮像手段とカラーチャート上の基準マークとの位置の関係を示すための説明図である。
【図5】当該印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】図5のブロック図を機能的に示した機能ブロック図である。
【図7】当該印刷装置の印刷動作を示すフローチャートである。
【図8】当該印刷装置のカラーチャート測定動作を示すフローチャートである。
【図9】当該印刷装置の基準マーク検出動作を示すフローチャートである。
【図10】従来のカラーチャートの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1…第1の版胴
2…第2の版胴
3…第1のブランケット胴
4…第2のブランケット胴
5…圧胴
6…給紙胴
7…排紙胴
9…インキ供給手段
11…排紙部
13…画像記録部
17…エンコーダ手段
18…紙検出センサー
22…排紙台
23…吸着ローラ
25…撮像手段
29…CCDラインセンサ
30…制御端末
31…印刷制御部
32…カラーチャート測定制御部
40…カラーチャートデータ記憶手段
41…カラーチャートデータ付加手段
42…RIP処理部
43…カラーチャート配置位置演算手段
44…読取期間設定手段
45…読取画像データ記憶手段
46…基準マーク検出手段
47…カラーチャート実在位置算出手段
48…読取画像データ読出手段
49…カラーチャート情報演算手段
S…印刷用紙
im…画像
m…画像サイズ
f…咥え量
cc…カラーチャート
cr…カラーチャート領域
hr…紙白領域
rm…基準マーク
b…バー(基準マーク)
d…十字マーク(基準マーク)
cd…カラーチャートデータ
id…カラーチャート位置データ
pd…印刷画像データ
pd2…2値化された印刷画像データ
rd…読取画像データ

Claims (15)

  1. 用紙上の位置基準となる基準マークが少なくとも1つ印刷された印刷用紙に対して、前記基準マークを撮像し、撮像で得られた画像データから前記印刷用紙上の前記基準マークの位置を演算する基準マーク検出装置であって、
    前記印刷用紙から前記基準マークを撮像する撮像部と、
    予め設定された前記基準マークの基準ピクセルパターンおよび前記基準ピクセルパターンの反転ピクセルパターンと前記撮像部で得られた画像データとをパターンマッチングすることにより、前記基準マークを検出し、前記基準マークの前記印刷用紙上の位置を演算する基準マーク検出部とを備え、
    前記基準マーク検出部は、
    前記画像データから演算対象とする画像パターンを抽出し、その後、所定のピクセル単位で前記画像パターンを順次移動させて新たな前記画像パターンを抽出する画像パターン抽出部と、
    前記基準ピクセルパターンと前記画像パターン抽出部から送出された前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、前記反転ピクセルパターンと前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する相関係数演算部と、
    前記相関係数演算部の前記相関係数の演算結果から最大値を検出することにより、その最大値を示す前記画像ピクセルの位置を前記基準マークの位置とする基準マーク位置検出部とを含む、基準マーク検出装置。
  2. さらに、前記撮像部は、前記印刷用紙から前記基準マークと共に前記印刷用紙に印刷されたカラーチャート領域も撮像し、
    さらに、前記基準マーク検出部で演算された前記基準マークの位置データから、前記カラーチャート領域の前記印刷用紙上の位置を演算するカラーチャート実在位置算出部と、
    前記カラーチャート実在位置算出部で演算された前記カラーチャート領域の位置データに対応する前記カラーチャート領域を前記撮像部で得られた画像データから読み出し、前記カラーチャート領域のカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算部とを備える、請求項1に記載の基準マーク検出装置。
  3. 前記基準マーク検出装置は、前記印刷用紙上に複数色の多色印刷を行う印刷装置に設けられ、
    前記撮像部は、前記印刷装置によって搬送中の前記印刷用紙から前記基準マークおよび前記カラーチャート領域を撮像し、
    前記カラーチャート情報演算部は、前記印刷装置がインキ濃度を制御するための前記カラーチャート情報を演算する、請求項2に記載の基準マーク検出装置。
  4. 前記相関係数演算部は、前記基準ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された前記基準ピクセルパターンと前記画像パターン抽出部から送出された前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、前記反転ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された前記反転ピクセルパターンと前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、前記相関係数を演算する、請求項1に記載の基準マーク検出装置。
  5. 前記撮像部は、RGB毎に撮像することによりそれぞれの前記画像データを送出し、
    前記基準マーク検出部は、前記基準ピクセルパターンおよび前記反転ピクセルパターンと前記撮像部で得られた前記RGB毎の画像データとをパターンマッチングする、請求項1に記載の基準マーク検出装置。
  6. 用紙上の位置基準となる基準マークが少なくとも1つ印刷された印刷用紙に対して、前記基準マークを撮像し、撮像で得られた画像データから前記印刷用紙上の前記基準マークの位置を演算する基準マーク検出方法であって、
    前記印刷用紙から前記基準マークを撮像する撮像ステップと、
    予め設定された前記基準マークの基準ピクセルパターンおよび前記基準ピクセルパターンの反転ピクセルパターンと前記撮像ステップで得られた画像データとをパターンマッチングすることにより、前記基準マークを検出し、前記基準マークの前記印刷用紙上の位置を演算する基準マーク検出ステップとを備え、
    前記基準マーク検出ステップは、
    前記画像データから演算対象とする画像パターンを抽出し、その後、所定のピクセル単位で前記画像パターンを順次移動させて新たな前記画像パターンを抽出する画像パターン抽出ステップと、
    前記基準ピクセルパターンと前記画像パターン抽出ステップから送出された前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、前記反転ピクセルパターンと前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する相関係数演算ステップと、
    前記相関係数演算ステップの前記相関係数の演算結果から最大値を検出することにより、その最大値を示す前記画像ピクセルの位置を前記基準マークの位置とする基準マーク位置検出ステップとを含む、基準マーク検出方法。
  7. さらに、前記撮像ステップは、前記印刷用紙から前記基準マークと共に前記印刷用紙に印刷されたカラーチャート領域も撮像し、
    さらに、前記基準マーク検出ステップで演算された前記基準マークの位置データから、前記カラーチャート領域の前記印刷用紙上の位置を演算するカラーチャート実在位置算出ステップと、
    前記カラーチャート実在位置算出ステップで演算された前記カラーチャート領域の位置データに対応する前記カラーチャート領域を前記撮像ステップで得られた画像データから読み出し、前記カラーチャート領域のカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算ステップとを備える、請求項6に記載の基準マーク検出方法。
  8. 前記基準マーク検出方法は、前記印刷用紙上に複数色の多色印刷を行う印刷装置で実行され、
    前記撮像ステップは、前記印刷装置によって搬送中の前記印刷用紙から前記基準マークおよび前記カラーチャート領域を撮像し、
    前記カラーチャート情報演算ステップは、前記印刷装置がインキ濃度を制御するための前記カラーチャート情報を演算する、請求項7に記載の基準マーク検出方法。
  9. 前記相関係数演算ステップは、前記基準ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された前記基準ピクセルパターンと前記画像パターン抽出ステップで送出された前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、前記反転ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された前記反転ピクセルパターンと前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、前記相関係数を演算する、請求項6に記載の基準マーク検出方法。
  10. 前記撮像ステップは、RGB毎に撮像することによりそれぞれの前記画像データを送出し、
    前記基準マーク検出ステップは、前記基準ピクセルパターンおよび前記反転ピクセルパターンと前記撮像ステップで得られた前記RGB毎の画像データとをパターンマッチングする、請求項6に記載の基準マーク検出方法。
  11. 用紙上の位置基準となる基準マークが少なくとも1つ印刷された印刷用紙に対して、前記基準マークを撮像し、撮像で得られた画像データから前記印刷用紙上の前記基準マークの位置を演算するコンピュータによって実行される基準マーク検出プログラムであって、
    前記印刷用紙から前記基準マークを撮像部によって撮像する撮像ステップと、
    記憶部に予め設定されて記憶された前記基準マークの基準ピクセルパターンおよび前記基準ピクセルパターンの反転ピクセルパターンと前記撮像ステップで得られた画像データとをパターンマッチングすることにより、前記基準マークを検出し、前記基準マークの前記印刷用紙上の位置を演算する基準マーク検出ステップとを、前記コンピュータに実行させ
    前記基準マーク検出ステップは、
    前記画像データから演算対象とする画像パターンを抽出し、その後、所定のピクセル単位で前記画像パターンを順次移動させて新たな前記画像パターンを抽出する画像パターン抽出ステップと、
    前記記憶部に記憶された前記基準ピクセルパターンと前記画像パターン抽出ステップ送出された前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、前記反転ピクセルパターンと前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものを減算することにより、相関係数を演算する相関係数演算ステップと、
    前記相関係数演算ステップにおける前記相関係数の演算結果から最大値を検出することにより、その最大値を示す前記画像ピクセルの位置を前記基準マークの位置とする基準マーク位置検出ステップとを含む、基準マーク検出プログラム。
  12. さらに、前記撮像ステップは、前記印刷用紙から前記基準マークと共に前記印刷用紙に印刷されたカラーチャート領域も前記撮像部で撮像され
    前記基準マーク検出プログラムは、前記基準マーク検出ステップで演算された前記基準マークの位置データから、前記カラーチャート領域の前記印刷用紙上の位置を演算するカラーチャート実在位置算出ステップと、
    前記カラーチャート実在位置算出ステップで演算された前記カラーチャート領域の位置データに対応する前記カラーチャート領域を前記撮像ステップで得られた画像データから読み出し、前記カラーチャート領域のカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算ステップとを、さらに前記コンピュータに実行させる、請求項11に記載の基準マーク検出プログラム。
  13. 前記基準マーク検出プログラムは、前記印刷用紙上に複数色の多色印刷を行う印刷装置に設置された前記コンピュータで実行され、
    前記撮像ステップは、前記印刷装置によって搬送中の前記印刷用紙から前記基準マークおよび前記カラーチャート領域が前記撮像部で撮像され
    前記カラーチャート情報演算ステップでは、前記印刷装置がインキ濃度を制御するための前記カラーチャート情報が演算される、請求項12に記載の基準マーク検出プログラム。
  14. 前記相関係数演算ステップは、前記基準ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された前記基準ピクセルパターンと前記画像パターン抽出ステップで送出された前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものから、前記反転ピクセルパターンの形状の特徴を示す重み付け係数で各成分が除算された前記反転ピクセルパターンと前記画像パターンとをそれぞれ対応する成分同士を乗算しその結果を総和したものが減算されることにより、前記相関係数演算される、請求項11に記載の基準マーク検出プログラム。
  15. 前記撮像ステップは、前記撮像部でRGB毎に撮像されることによりそれぞれの前記画像データ送出され
    前記基準マーク検出ステップは、前記基準ピクセルパターンおよび前記反転ピクセルパターンと前記撮像ステップで得られた前記RGB毎の画像データとでパターンマッチングされる、請求項11に記載の基準マーク検出プログラム。
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