JP3683492B2 - カラーチャート測定方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オフセット印刷などにおいてインキ濃度を管理するカラーチャートの測定方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル画像データに基づいて印刷版上に画像を形成する製版装置(印刷版記録装置)、いわゆるCTP(Computer-To-Plate)装置を機内に組み込んだ印刷装置が実用化されており、例えば特開平10−272756号公開公報などに開示されている。このような印刷装置はデジタル印刷機と呼称されており、画像データから直接印刷物が得られるため作業時間が短い多品種少部数印刷などに適している。このデジタル印刷機では、非熟練者でも容易に扱えるように製版工程などが自動化されているが、印刷工程におけるインキ供給制御等については更なる自動化が望まれている。
【0003】
従来の印刷装置におけるインキ供給制御では、取り出した印刷サンプルをテーブル上で測定する別置きの色見台を使用するのが一般的であるが、この場合、オペレータが適宜の印刷サンプルを取り出して印刷物の色測定を行わなければならないという問題がある。
【0004】
この問題を解決するために、特許第2824334号に開示されているように、印刷装置に印刷物の画像を撮像する手段を備える印刷装置が開示されている。この従来技術では、印刷装置の圧胴上で印刷物を撮像して画像データを得るとともに、この画像データと予め制御の基準となる印刷物を読んだ基準画像データとの比較によってインキ供給量を制御するようにしている。この従来技術では、印刷装置内で印刷物の画像を撮像するようにしているので、色見台を用いる場合のようにオペレータが介在しなくてもよいという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来技術では、印刷物全体の画像を読み取って基準画像と比較するようにしているので扱う画像データが大きくなり、画像データ処理に時間がかかるという問題がある。また基準画像を予め準備しなければならないので、前記多品種少部数印刷のように瞬発力の要求されるような作業には不向きである。
【0006】
このため本出願人は、印刷物上にカラーチャートを印刷し、このカラーチャートを印刷装置内で測定するカラーチャート測定装置を考えた。このようにカラーチャートを用いれば扱う画像データが小さくなり、また基準画像を予め準備する必要がないという利点がある。しかしながら、印刷物の余白に配置されるカラーチャートは小さなサイズでなければならず、搬送される印刷用紙上から当該カラーチャートを精度よく測定するのは困難である。特に印刷機が枚葉印刷機であれば印刷用紙は先頭側のみが挟持されて搬送される。そして一般的にはカラーチャートは印刷用紙の後端側に設けられるため、カラーチャート近傍で紙のバタツキが大きくなる傾向にある。これによれば搬送に伴う印刷用紙のバタツキによりカラーチャート各部において読み取りレベルが異なってしまうという問題がある。
【0007】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、搬送中の印刷用紙のバタツキなどによって印刷用紙各部の読み取りレベルが変化しても精度良くカラーチャートの測定が行えるカラーチャート測定方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数のカラーチャート領域を備えた印刷用紙上のカラーチャートを撮像し、撮像で得られた画像データからカラーチャート情報を測定するカラーチャート測定方法であって、前記印刷用紙上には前記カラーチャート領域に近接して未印刷領域が設けられており、前記印刷用紙の先端を挟持した状態で搬送する工程と、搬送中の前記印刷用紙のカラーチャート領域と未印刷領域とを撮像する工程と、各カラーチャート領域の画像データから各カラーチャート領域に対応する色データを演算する工程と、各カラーチャート領域に対して近接する未印刷領域の画像データから各カラーチャート領域に対応した個別の白データを演算し、各カラーチャート領域のそれぞれに対応する白データに基づいて各カラーチャート領域の色データ補正する工程と、からなる。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のカラーチャート測定方法であって、前記撮像は複数の撮像素子からなる撮像手段によって行われ、前記撮像手段は、カラーチャートの撮像の前に予め静止した状態で配置した白基準物を読み取っておいて撮像した画像データのシェーディング補正を行なうことを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載のカラーチャート測定方法であって、各カラーチャート領域の色データをc1、対応する未印刷領域の白データをc0とすると、前記補正による各カラーチャート領域の色濃度Dは、D=−k*log(c1/c0)で演算されることを特徴とする。(ただしkはゲイン係数)
【0012】
請求項に記載の発明は、印刷用紙上に複数色の多色印刷を行なう印刷装置に備えられ、複数のカラーチャート領域を備えた印刷用紙上のカラーチャートを撮像し、撮像で得られた画像データからカラーチャート情報を測定するカラーチャート測定装置であって、前記印刷用紙の先端を挟持した状態で搬送する搬送手段と、前記印刷用紙上には前記カラーチャート領域に近接して未印刷領域が設けられており、搬送中の印刷用紙からカラーチャートと当該カラーチャートに近接する未印刷領域とを含む画像を読み取る撮像手段と、得られた画像データから各カラーチャート領域の色データと、近接する未印刷領域の白データとを演算し、前記色データを対応する白データにより補正する紙白補正手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
[カラーチャートの実施の形態]
まず本発明で用いるカラーチャートの構成について説明する。図6は本発明に係るカラーチャートの具体例を示す説明図である。図6(A)において、印刷用紙S上には印刷物を表す画像imと、カラーチャートccとが印刷され、カラーチャートccの位置は画像imの後端に続く位置となっている。ここで印刷用紙Sにおける画像imの位置は、印刷先頭側(紙咥え側)から所定の咥え量fだけ離れた位置に位置決めして配置されるものとし、前記画像imのサイズ(印刷方向サイズ)をm、カラーチャートccの幅をrとすると、カラーチャートccの配置される領域は「印刷用紙の先頭からf+mの地点」〜「同f+m+rまでの地点」となる。すなわち、一般的には、咥え量fやカラーチャートccの幅rは一定値であるから、画像imのサイズmに基づいてカラーチャートccが配置される領域を演算することができる。
【0014】
図6(B)はカラーチャートccの具体的な例を示した図である。このカラーチャートccは、複数のカラーチャート領域crと、各カラーチャート領域cr間に設けられた基準マークrm1〜rm3(総称する場合はrmとする)とを印刷幅方向に沿って直列的に配置した図案である。前記カラーチャート領域crは各色毎に予め定めた濃度の網領域やベタ領域を所定の順に繰り返し配置したものである。従ってこのカラーチャート領域を測定してベタ濃度や網パーセントを演算し、予め定められた値と比較することによりインキ供給量の過不足を判断することができる。なお、基準マークrm1を挟んで配置されたカラーチャート領域の配置は、基準マークrm1を中心に点対称に配置されている。
【0015】
図6(C)は基準マークrmの拡大図である。本実施の形態では、基準マークrmは、K色(ブラック)の1色で印刷された位置決めのためのマークであって、印刷方向に沿って所定の長さを有する2本のバーbと、このバーbの間に設けられた十字マークdとからなる。前記十字マークdの横線の位置は前記カラーチャート領域crの略中心高さにあり、カラーチャート領域crの印刷方向位置を特定することができる。またカラーチャート領域crに隣接する上方には未印刷領域となる紙白領域hr(図6(B)を参照)が設けられており、前記バーbの長さは前記カラーチャート領域crの幅を越えて前記紙白領域hrを含むように設定されている。従って印刷方向においてバーbの検出範囲であれば紙白領域hrの範囲と判断することができる。なお、本実施の形態では、基準マークrm1はカラーチャートccの中央に、基準マークrm2およびrm3は、左右両端近傍に設けられている。
【0016】
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係るカラーチャートならびにカラーチャート測定方法を用いる印刷装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る印刷装置の一例を示す側面概要図である。まず図1に示すように、この印刷装置は、印刷機構として、印刷版を保持する第1および第2の版胴1、2と、それぞれの版胴からインキ画像を転写するための第1および第2ブランケット胴3、4と、印刷用紙を保持して両ブランケット胴3、4からインキ画像が転写される圧胴5と、圧胴5に対し印刷用紙を供給または排出する給紙胴6および排紙胴7と、前記第1および第2の版胴1、2上の印刷版に対し湿し水またはインキを供給する湿し水供給手段8およびインキ供給手段9と、積載された未印刷の印刷用紙を順次供給する給紙部10と印刷された印刷用紙を順次積載する排紙部11とを備える。
【0017】
一方、この印刷装置は、製版機構として、前記第1および第2の版胴1、2に対し未露光の印刷版を供給する印刷版供給部12と、版胴上の印刷版に対し画像を記録する画像記録部13と、画像が記録された印刷版を現像処理する現像部14と、使用済みの印刷版を排出する印刷版排出部15とを備える。また、この印刷装置は、印刷された印刷用紙上の画像を撮像する撮像部16と、圧胴5の回転位置を検出するエンコーダ手段17と、給紙部10から給紙される印刷用紙を検知する紙検知センサー18とを備える。
【0018】
以下、前記各部の詳細について説明する。第1の版胴1は、図示しない版胴駆動機構によって図1の実線で示す第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能なように構成されており、第2の版胴2についても同様に図示しない版胴駆動機構によって図1の実線で示す第2の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能なように構成されている。すなわち第1および第2の版胴1、2は、印刷作業を実行する時にはそれぞれ第1または第2の印刷位置に配置され、製版作業を実行する時には、順次交代して画像記録位置に配置されて各版胴上での印刷版の製版処理が行われる。この第1の版胴1と第2の版胴2とは、それぞれ2色分の印刷版を保持可能な周面を有し、各印刷版をその周面上で180度対向した位置に固定するための図示しない咥え手段を備える。
【0019】
第1のブランケット胴3は、前記第1の印刷位置にて第1の版胴1と当接して回転するように構成されており、第2のブランケット胴4についても同様に前記第2の印刷位置にて第2の版胴2と当接して回転するように構成されている。この第1および第2のブランケット胴3、4は、前記第1および第2の版胴1、2と同じ直径を有し、各版胴から2色分のインキ画像を転写可能なブランケットをその周面に装着している。
【0020】
圧胴5は、前記第1および第2の版胴1、2の1/2の直径を有し、第1および第2のブランケット胴3、4の両方と当接して回転するように構成されている。この圧胴5には、前記印刷版に対応する大きさの印刷用紙を1枚保持可能な図示しない咥え手段を備えている。この咥え手段は図示しない開閉機構によって所定のタイミングで開閉して、前記印刷用紙の前端部を挟持することができる。一方この実施の形態では、圧胴5には同軸でエンコーダ手段17が設けられており、これによって圧胴5の回転位置を検知することができる。なお、このようなエンコーダ手段17は圧胴5の回転位置を制御するために一般的に設けられており、本発明ではこれを流用して印刷用紙の搬送位置を検出するようにしている。
【0021】
給紙胴6および排紙胴7は、圧胴5と同じ直径を有し、前記圧胴5に備えられた咥え手段と同様の図示しない咥え手段を備える。この給紙胴6および排紙胴7の咥え手段は、前記圧胴5の咥え手段と同期して印刷用紙を受け渡し可能なように配置されている。
【0022】
上記第1および第2の印刷位置に配置された第1および第2の版胴1、2と、第1および第2のブランケット胴3、4と、圧胴5と、給紙胴6および排紙胴7とは、それぞれの胴に対し各胴の直径と同じ大きさの図示しない駆動ギアが胴端に備えられており、各々当接する胴の間で各ギアが噛合している。従って、このギアを図示しない印刷駆動用モータにより駆動することで、上記各胴を同期して回転駆動することができる。
【0023】
なお、本実施の形態の印刷装置では、圧胴5に対し版胴1、2およびブランケット胴3、4が2倍の周長を有するため、版胴1、2およびブランケット胴3、4が1回転する毎に圧胴が2回転する。従って、圧胴5が印刷用紙を保持したまま2回転すると、第1および第2の版胴1、2から、2色+2色の合計4色の多色印刷が行える。
【0024】
湿し水供給手段8は、第1および第2の印刷位置における各版胴1、2に対しそれぞれ2組づつ配置されており、各版胴1、2上の2つの印刷版に対し選択的に湿し水を供給することができる。この湿し水供給手段8は、湿し水を貯留する水舟と、水舟内の湿し水を汲み上げて印刷版面に渡す湿し水ローラ群とからなり、湿し水ローラのうち少なくとも印刷版面に当接するローラは、図示しないカム機構によって版胴面に対し当接または離間するするように構成されている。なお印刷版が湿し水を不要とするタイプの印刷版であれば、湿し水供給手段8は不要となる。
【0025】
インキ供給手段9は、第1および第2の印刷位置における各版胴1、2に対しそれぞれ2組づつ配置されており、各版胴1、2上の2つの印刷版に対し選択的に異なる色のインキを供給することができる。このインキ供給手段9は、印刷幅方向の複数の領域毎にインキ出し量を調整する事が可能なインキ壷手段と、このインキ壷手段から出されたインキを練って印刷版面に対し供給する複数のインキローラとからなり、インキローラのうち少なくとも印刷版面に対し当接するローラは図示しないカム機構によって版胴面に対し当接または離間するように構成されている。また各インキ供給手段9のインキは、例えば第1の版胴1に対しては、K色(ブラック)とM色(マゼンタ)のインキ供給手段8が配置され、第2の版胴2に対しては、C色(シアン)とY色(イエロー)のインキ供給手段8が配置される。なお、湿し水供給手段8とインキ供給手段9のいくつかは、前記第1および第2の版胴1、2の移動にともない、その移動経路から待避できるように構成されている。
【0026】
給紙部10は、未使用の印刷用紙を積載したパイルから印刷用紙を一枚ずつ取りだして給紙胴6に渡すものであって、この実施の形態では、給紙胴の2回転毎に1回印刷用紙を供給するよう動作する。なお、給紙部10には、印刷用紙の通過を光学的に検知する紙検出センサー18が備えられている。このような紙検出センサー18は、紙詰まりや2枚取り検出のために一般的に設けられているものであるが、本実施の形態では、この紙検出センサー18の検出結果に応じて、圧胴5または給紙胴6に印刷用紙が給紙される回か、それとも給紙されない回かを判断することができる。一方、排紙部11は、印刷された印刷用紙を排紙胴7から受け取って積載するものである。この排紙部11の詳細については撮像部16の構成とともに後述する。
【0027】
次に、この印刷装置の製版機構について説明する。この印刷装置では、製版作業を実行する時には、第1および第2の版胴1、2を交互に画像記録位置に移動させる。この画像記録位置では、図示しない摩擦ローラが版胴に当接されて回転駆動するように構成されている。
【0028】
印刷版供給部12は、ロール状の未露光印刷版を遮光して保管したカセットロールと、引き出した印刷版を版胴1、2まで搬送する搬送ローラおよび搬送ガイドと、前記印刷版をシート状に切断する切断手段と、を有する。この実施の形態では、印刷版としては銀塩感材を用いており、レーザ光によって画像を記録するものである。なお印刷版の供給動作手順は、まず前記カセットロールから引き出した印刷版の先端を前記版胴1、2の図示しない咥え手段に挟持させ、この状態で版胴1、2を回転させて印刷版を版胴1、2上に巻回し、この後、所定長で印刷版を切断して印刷版の後端を他方の咥え手段により挟持するものである。
【0029】
画像記録部13は、レーザ光のon/offによって印刷版上に露光を施して前記画像imとカラーチャートccとを記録するものである。この実施の形態では、図示しないレーザ発信源から発射されたレーザ光を図示しないポリゴンミラーなどの偏光器によって版胴の軸線方向に沿って主走査するとともに、版胴を回転させることで印刷版面を副走査する構成になっている。なお、走査方式としては、複数のレーザビームを版胴軸線方向に併設しておいて版胴の回転にともない主走査する形式であってもよい。また、印刷版および画像記録部13としては、露光により画像を記録するものだけでなく、熱や放電加工によって画像を記録するものであってもよい。
【0030】
現像部14は、前記画像記録部13により露光された印刷版を現像処理するものである。この実施の形態では、現像部14は、図示しない処理槽に貯留された処理液を塗布ローラにより汲み上げて印刷版に対し塗布して現像処理を行う構成になっており、版胴から待避する位置と版胴へ近接する位置とに移動する図示しない昇降手段が備えられている。なお現像処理が要らない画像記録方法を採用すれば、現像部14はなくてもよい。
【0031】
この印刷装置では、第1および第2の版胴1、2を画像記録位置へ移動させ、印刷版の供給と画像の記録および現像とを行って製版作業を実行する。製版作業が完了すれば、第1および第2の版胴1、2を第1および第2の印刷位置に配置して印刷作業を行うことができる。
【0032】
一方、この印刷装置は印刷作業の終了後に印刷版を自動で排出することができる。この実施の形態では、印刷版排出部15は、画像記録位置にある版胴から印刷版を剥離する剥離手段と、剥離された印刷版を搬送する搬送手段と、搬送された使用済みの印刷版を排出する排出カセットとを備える。
【0033】
次に、図2を用いて本発明に係る撮像部16と前記排紙部11との構成について説明する。なお、図2は排紙部11近傍の側面概要図である。まず排紙部11は、前記排紙胴7と、この排紙胴7と略同径の2つのギア7’(図2の紙面において垂直方向に併設)との間に掛け回された2本の無端状のチェーン20と、この2本のチェーンによって搬送され、印刷用紙Sを搬送するための複数の咥え手段21と、これらの咥え手段21により搬送された印刷用紙Sを積載するための排紙台22とからなる。
【0034】
前記排紙胴7の両端部には、それぞれチェーン20と係合するための図示しないギア部を備えており、このギア部に対向して略同径の2つのギア7’が配置されている。そして排紙胴7のギア部とギア7’とにおいて無端状のチェーン20が掛け回されている。このチェーン20の長さは、前記排紙胴7の周長の整数倍の長さに設定されている。
【0035】
咥え手段21は、印刷用紙Sの先端を挟持するための開閉可能な爪部材を有し、複数の咥え手段21が前記2つのチェーン間に渡って固定されている。前記チェーン20上における咥え手段21の配置間隔は前記排紙胴7の周長に相当する。一方、各咥え手段21は、図示しないカム機構によって前記排紙胴7に設けられた咥え手段(図示しない)と同期して開閉するように構成されており、排紙胴7から印刷用紙Sを受け取り、チェーン20の回転に伴って印刷用紙Sを搬送して排紙台22上で排出する。
【0036】
排紙台22は、複数の印刷用紙Sを積載可能なパレット状部材であって、図示しない昇降手段によって上下移動をする。すなわち印刷用紙Sが排出されるに従って順次排紙台32が下降することにより印刷用紙Sの排出高さを一定にし、印刷用紙Sの排出動作を円滑にすることができる。
【0037】
上記排紙部11では、印刷用紙Sの先端を咥え手段21で挟持して搬送するため、印刷用紙Sの後端は固定されていない状態で搬送される。このため搬送にともない印刷用紙Sのばたつきが発生する。本実施の形態では、この印刷用紙Sのばたつきを抑制するために、排紙台22の前方側において印刷用紙Sの搬送状態を安定させる吸着ローラ23を備えている。
【0038】
この吸着ローラ23は、その表面に微細な吸着孔を多数備えており、図示しない真空ポンプと接続されている。この吸着ローラ23は、そのローラ軸線が前記2つのチェーン20間に掛け渡された咥え手段21に対し平行となり、前記チェーン20の下方通過位置と略同じ高さにローラの頂部が位置するように配置されている。なお、吸着ローラ23は、前記咥え手段21の通過速度に合わせて回転駆動するか、もしくは回転自在にのみ構成されている。従って、印刷用紙Sは、吸着ローラ23上を通過する際には吸着ローラ23の表面に吸着された状態となって搬送されるので、この吸着ローラ23上の部分では印刷用紙Sはばたつかない。なお吸着ローラ23に代えて、前記印刷用紙Sを平面的に吸着するような吸着板部材を採用してもよい。
【0039】
撮像部16は、搬送される印刷用紙を照明する照明手段24と、照明された印刷用紙上の画像を撮像して画像データを得るための撮像手段25とからなる。照明手段24は、前記吸着ローラ23に沿って配置され、前記吸着ローラ23上の印刷用紙Sを照明する複数の線状光源からなり、前記チェーン20の上下走行間に設けられている。なお、前記光源の中央部には撮像用のスリットが形成されている。
【0040】
撮像手段25は、遮光および防塵のための筐体26と、この筐体内部に配置されたミラー27、レンズ28、CCDラインセンサ29とを備える。この撮像手段35は、前記吸着ローラ23上の印刷用紙の画像を前記照明手段24のスリットを通して撮像するものであり、ミラー27で折り返された画像の入射光は、レンズ28を通ってCCDラインセンサ29で受光される。なお、CCDラインセンサはRGBの3色に対応して画像を読み取る。この実施の形態では、印刷用紙の搬送にともない、印刷用紙上の画像が順次ライン毎に読み取られることになる。
【0041】
なお、本実施の形態では、前記撮像手段25は、図2の紙面垂直方向に沿って2個併設されており、印刷用紙Sの幅方向の画像を2分割して撮像するように構成している。この構成について図5を用いて説明する。なお、図5は撮像手段25が印刷幅方向に沿って2つ併設された状態を示す説明図である。図5に示すように2つの撮像手段25R、25Lは、それぞれ印刷幅方向にカラーチャートccを分割して撮像するように配置されており、前記撮像手段25Rと25Lとでは、CCDラインセンサ29の読取方向が一致するように組み込まれている。また各撮像手段25R、25Lの撮像する領域は中央部で一部重なっている。そして、この重なった領域に基準マークrm1が位置するように配置されている。この実施の形態によれば、基準マークrm1によって2つの撮像手段25R、25Lにより読み取った読取画像データの位置合わせを行うことができる。
【0042】
一方、基準マークrm2およびrm3は印刷用紙の左右両端近傍に設けられており、撮像手段25Rでは、基準マークrm1およびrm2を撮像可能であり、撮像手段25Lでは基準マークrm1およびRM3を撮像可能である。このように各々の撮像手段25R、25Lに2つの基準マークrmを撮像するようにしているので、各基準マークrm1〜rm3の位置検出によってカラーチャートccの傾斜量を求めることができる。すなわち、印刷用紙上のカラーチャートccが傾斜して印刷されている場合や印刷用紙の搬送に傾斜が生じた場合には、読取画像データ内のカラーチャートccの画像も傾斜するが、このような場合でも前記基準マークrm1〜rm3の位置検出によって傾斜を補正することができる。
【0043】
なお、上記のような傾斜補正を考えると、基準マークrm2およびrm3の位置は出来る限り印刷用紙Sの幅一杯の位置に配置するのが望ましい。本実施の形態では、印刷装置に使用可能な最小幅の印刷用紙Sminに合わせて、その位置が設定されている。この場合は、印刷用紙Sのサイズに関係なく、常に一定のカラーチャートccを形成すればよいという利点がある。
【0044】
次に印刷装置の制御部について、図3および図4を用いて説明する。なお、図3は印刷装置全体のブロック図であり、図4は同ブロック図を機能的な構成で示した機能ブロック図である。 図3のブロック図で示されるように、この印刷装置は、画像データを編集したり印刷装置への印刷作業を指示するための制御端末30と、印刷装置各部の制御を行うための印刷制御部31とを備え、各々はLANなどによって接続されている。
【0045】
前記制御端末30は、演算を行うCPUやメモリ、CRTなどの表示装置、キーボードやマウスなどの入力装置、各種画像データやプログラムどを保管するための磁気ディスクなどの記憶装置を備えたコンピュータシステムであり、印刷装置本体外部に設けられている。この制御端末30は、画像データを直接作成するか、または他の画像データ作成装置から受け取った画像データを編集することで、印刷物を表す印刷画像データを準備するものである。
【0046】
印刷制御部31は、印刷装置本体内部に設けられたCPU基板などからなるコンピュータシステムであって、各種I/Fを介して印刷装置各部の制御を行う。なお、前記撮像手段25によって撮像された読取画像データを処理してカラーチャートを測定するためのカラーチャート測定制御部32は、前記印刷制御部31に対し別の基板で構成されおり、印刷制御部31に対し接続されている。このカラーチャート測定制御部32もCPU基板等からなるコンピュータシステムであって、撮像手段25との接続に加え、前記エンコーダ手段17や紙検出センサー18からの検出信号も受信するように構成されている。
【0047】
次に、図4を用いて本発明に係る前記制御部の構成を機能的に説明する。前記制御端末30は、予め準備されたカラーチャートccを表す画像データ(以後、カラーチャートデータcdという)を記憶しておくカラーチャートデータ記憶手段40と、記憶されたカラーチャートデータcdを印刷画像データpdに付加するカラーチャート付加手段41と、カラーチャートデータcdが付加された印刷画像データpdをRIP処理(raster-image-processing)して、2値の画像データpd2を生成するRIP処理部42とを備える。本実施の形態では、カラーチャート付加手段41は予め定められた配置条件、例えば「カラーチャートccを印刷画像imの後端に続く位置に付加する」等、に従って自動的に処理するものであるが、オペレータが手動によりカラーチャートccの位置を決定するものであってもよい。なおRIP処理部42で作成された画像データpd2は印刷制御部31を介して画像記録部13に送られる。
【0048】
一方、制御端末30は、カラーチャートccを付加した位置を演算するカラーチャート配置位置演算手段43も備える。このカラーチャート配置位置演算手段43は、例えば前記配置条件が「カラーチャートccを印刷画像imの後端に続く位置に付加する」であれば、予め定めた咥え量fと印刷画像データpdの画像サイズmとを加算して、印刷用紙S上におけるカラーチャートccの位置を演算することができる。ここで画像サイズmは、制御端末3が前記印刷画像データpdから求めても良いし、当該印刷画像データpdを作成した図示しない前段の画像データ作成装置から得てもよい。演算されたカラーチャートの配置位置は、カラーチャート位置データidとして印刷制御部31を介してカラーチャート測定制御部32へ送られる。なおオペレータが任意の位置にカラーチャートccを配置した場合は、その印刷画像データpdに対するカラーチャートccを配置した相対位置に基づいて演算を行えばよい。
【0049】
次にカラーチャート測定制御部32は、前記カラーチャート位置データidに基づいて前記撮像手段25の読取領域を設定する読取期間設定手段44と、撮像手段25が読み取った読取画像データrdを記憶する読取画像データ記憶手段45と、読取画像データrdから基準マークrmの位置を検出する基準マーク検出手段46と、検出した基準マークrmの位置に基づいて各カラーチャート領域crの実在位置を算出するカラーチャート実在位置算出手段47と、前記実在位置の画像データを読み出す読取画像データ読出手段48と、読み出した画像データに基づいて印刷用紙の白基準に基づく補正を行う紙白補正手段49と、各カラーチャート領域crの色濃度や網パーセントなどのカラーチャート情報を演算するカラーチャート情報演算手段50とを備える。
【0050】
読取期間設定手段44は、カラーチャート位置データidとエンコーダ手段17のエンコーダ信号と紙検知センサー18の紙検知信号とに基づいて印刷用紙S上のカラーチャートccを含む読取領域を撮像手段25が読み取るように読取期間を設定する。ここでは、まずエンコーダ手段17のエンコーダ信号を計数することにより印刷用紙Sが前記排紙部11のいずれに位置するかが分かる。従って、読み取り期間設定手段44は、カラーチャート位置データidに定められたカラーチャートccを含む読取領域が撮像手段25の読取位置にあるタイミングを前記エンコーダ信号の計数から判別して、前記撮像手段25に読み取り開始および終了の指令を出す。
【0051】
しかしながら本印刷装置は圧胴5の2回転毎に印刷用紙を給排する形式のため、実際には2回転に1回しか印刷用紙は搬送されていない。従って本実施の形態では、前記紙検知センサー18による紙検出信号にともない、印刷用紙Sが撮像手段25下を搬送されている場合にだけ撮像を行うように制御している。なお、実際にはカラーチャートの測定は、予め定められた所定サンプリング枚数毎に行われる。このように読取期間設定手段44は、紙検出信号によって印刷用紙Sが撮像手段25下を通過する回であると判断された圧胴回転時に、圧胴5の回転位置に従って印刷用紙の搬送位置を予測して撮像手段25に読取期間を指示するものである。なお撮像手段25の読取領域は、多少のズレが生じても問題がないようにカラーチャートccの幅よりも大きく設定してある。
【0052】
前記読取期間設定手段44の指令により撮像手段25は印刷用紙S上の画像を読み取り、読み取った読取画像データrdは読取画像データ記憶手段45に記憶される。読込画像データ記憶手段45は、前記撮像手段25R、25Lに各々対応した2セットのメモリからなり、撮像手段25Lで読み込んだ読込画像データrdは、記憶の際に、メモリの後方から逆に記憶される。これによって、前記撮像手段25R、25Lから得られた読取画像データを読み出す際には同一の手順で読み出すことができるようになる。なお、上記では読取画像データrdを記憶する際に一方をメモリの後方から格納するようにしているが、予め一方のCCDラインセンサ29の読取方向を逆方向にして配置しておいてもよい。
【0053】
基準マーク検出手段46は、前記記憶された読取画像データrdから画像処理によって前記基準マークrmを検出するものである。まず、予め基準マークrm内のバーbで挟まれた十字マークdの中心の画素配列パターンを予め得ておく。例えば図6(C)における十字マークdの中心におけるア方向の画素配列パターン例を図6(D)に示す。この例では、理解しやすいように簡略化してバーbの幅が黒3画素、バーbと十字マークdの横線との間が白2画素、十字マークdの横線が黒5画素で表されている。前記基準マーク検出手段46は、図6(D)の画素配列パターンがメモリ上の読取画像データに含まれるかどうかを1画素づつ順にずらせて照合する。このような手法を前記読取画像データrdを格納したメモリ上の直交するXY方向にそれぞれ個別に実施する。そして前記画素配列パターンが存在した位置をXYそれぞれにヒストグラムにとり、最もヒストグラムの高い位置を基準マークrmの位置とすることができる。なお、この手法はパターン認識の一例であり、基準マークrmの位置が判別できれば他の手法を採用してもよい。
【0054】
カラーチャート実在位置算出手段47は、まず検出した2つの基準マークrmの位置から当該マーク間の距離を演算する。これによりカラーチャートccの傾斜を検出することができる。図7はカラーチャートccの傾斜補正を説明する説明図であるが、この例では2つの基準マークrm1とrm2とのY方向距離(印刷方向のズレ)がh、X方向距離(印刷幅方向の距離)がwであり、予め既知である基準マークrm1とrm2との間の距離をLとする。ここで目標となるカラーチャート領域crxが基準マークrm1から既知のxの距離にあるものとすると、当該目標となるカラーチャート領域crxは、基準マークrm1の位置を原点基準として、X方向にx・w/L、Y方向にx・h/Lの位置が読取画像データrd内における実在位置となる。このように、撮像手段25により少なくとも2つの基準マークrmを読み取るようにすれば、カラーチャートccの傾斜を補正することができる。
【0055】
読取画像データ読出手段48は、前記実在位置に対応するメモリ内の読取画像データを読み出すものであって、ここでは対応するカラーチャート領域crの画像データと、その直上にある紙白領域hrの画像データとを読み出す。なお、画像データの読み出しは予め定められた微小サイズの領域で行われるが、これはメモリ上の所定のアドレス空間を指定して行われる。従って本実施の形態では、予め定められた読取アドレスに対し前記傾斜補正によるアドレス操作を行うことにより対応している。例えば前述の例であれば、予め定められた読出アドレスに対し、X方向アドレスに対しx・w/Lを、またY方向アドレスにはx・h/Lを加算すればよい。なお紙白領域hrの実在位置は、前記各基準マークrmを構成するバーbによって範囲が定められている。この紙白領域hrの印刷幅方向の位置は該当する各カラーチャート領域crと同じ位置であり、印刷方向の位置は前記バーbの検出範囲内の予め定められた所定ライン位置に定めることができる。
【0056】
紙白補正手段49は、読み出された紙白領域hrの画像データから白データを作成し、この白データに基づいて前記カラーチャート領域crから算出した色データを補正するものであって、例えば前記色データをC1、白データをC0、求める色濃度をDとすると、D=−k・log(C1/C0)で求められる。(ただしkはゲイン係数)この実施の形態では、各カラーチャート領域の1つずつに対しそれぞれ隣接する紙白領域hrから白基準となる白データを得るようにしているため、例えば印刷用紙のバタツキや浮き上がりなどが生じて印刷用紙の各所において撮像レベルが変化しても適切な測色が行えるという利点がある。
【0057】
カラーチャート情報演算手段50は、前記カラーチャート領域crのカラーチャート情報、例えば前記色濃度Dの他に網パーセントなどを演算するものである。また得られた色濃度Dに基づいてYMCKのインキ濃度に変換したり、必要によってはインキ壺手段のインキキーの開度量などに換算するようにしてもよい。
【0058】
このようにして得られたカラーチャートのカラーチャート情報は、インキや湿し水の供給量の調整に用いられる。すなわちカラーチャート測定制御部32または印刷制御部31は、前記測定されたカラーチャート情報を予め設定された基準値と比較してインキや湿し水の過不足を判断し、インキや湿し水の適切な供給量の制御を行うようにする。
【0059】
次に、本実施の形態に係る印刷装置の動作について、図8のフローチャートを用いて説明する。なお図8(A)は印刷作業の全体工程を示すローチャート、図8(B)はカラーチャート測定工程を示すフローチャートである。まず図8(A)において、印刷作業工程はステップS1において各種設定が行われる。例えば使用する印刷画像データpdの指定や、印刷枚数の設定などである。また予め印刷画像データpdにはカラーチャートデータcdが付加される。そしてカラーチャートが付加された位置はカラーチャート位置データidとして演算される。またカラーチャートcdが付加された印刷画像データpdはRIP処理されて画像データpd2が生成される。なお画像データpd2の生成は印刷版への露光に合わせてリアルタイムに行われても良い。
【0060】
次のステップS2では印刷版に対し画像が形成される。まずいずれかの版胴1、2が画像記録位置に移動し、未露光の印刷版が装着される。そして前記画像データpd2に基づいて画像の露光が行われる。露光終了後は現像部14により現像処理が行われる。この製版工程は、各々の版胴1、2により交互に行われる。ステップ3では製版された印刷版に基づいて印刷作業が行われる。すなわち版胴1、2上の印刷版に対し湿し水が供給され、次いで各版に対応する色のインキが供給される。この印刷版上のインキ画像はブランケット胴3、4に転写され、圧胴5に給紙された印刷用紙上に転写される。
【0061】
ステップS4では印刷枚数が所望量に達したかどうかを判断し、達していれば本作業を終了する。未達成の場合は予め定められたサンプリング枚数毎に、ステップS5のカラーチャート測定を行う。このカラーチャート測定は図8(B)のフローを用いて後述する。ステップS6ではステップS5の測定で得られたカラーチャート情報に基づいてインキや湿し水の供給量を調整し、ステップS3に戻る。
【0062】
次に本発明に係るカラーチャート測定の工程について説明する。図8(B)において、まずステップP1では、前記ステップS1で演算したカラーチャート位置データidに基づいて読取期間設定手段44により読取期間が設定される。ステップP2では、この読取期間の開始にともない、撮像手段25R、25Lが読み取りを開始する。ステップP3では撮像手段が25R、25Lのいずれであるかを判断し、撮像手段が25Rの場合はステップP4へ進み、撮像手段25Lの場合はステップP5へ進む。このステップP4では読取画像データ記憶手段45のメモリに対し順方向に読取画像データrdを格納する。またステップP5では読取画像データ記憶手段45のメモリに対し逆方向に読取画像データrdを格納する。
【0063】
前記読取画像データrdの格納が終了すれば、ステップP6では各メモリ内の読取画像データrdを画像処理して基準マークrmの検出を行う。次のステップP7では、検出した基準マークrm間の距離を演算して、読み取ったカラーチャートccの傾き量を演算する。ステップS8では得られた傾き量に基づいて各カラーチャート領域の実在位置を算出し、前記メモリ内の画像データを読み出すアドレスを補正する。
【0064】
ステップP9では前記傾斜補正により補正されたアドレス位置から、カラーチャート領域crの画像データを読み出す。またステップP9では、当該カラーチャート領域crに隣接する紙白領域hrからも画像データを読み出す。ステップP10では、前記紙白領域hrの画像データに基づいて白基準となる白データを定め、これによってカラーチャート領域crの色濃度を補正する。そしてステップP11ではカラーチャート情報の演算が行われる。ステップP12では、測定すべき次のカラーチャート領域crがあるかどうかを判断する。ここでまだ測定すべきカラーチャート領域crが残っていればステップP8に戻って測定を繰り返す。
【0065】
この第1の実施の形態に係る印刷装置では、搬送中の印刷用紙からカラーチャートを含む領域を読み取ってカラーチャート情報を測定するようにしているため、装置をコンパクトに構成でき、また扱う画像データも少なくてすむという利点がある。特に印刷版記録装置を備えた印刷装置であれば、カラーチャートを配置した位置の情報から読取領域を設定することができるので、例えば画像サイズが異なってカラーチャートの配置位置が変わっても適切に対応することができる。
【0066】
[第2の実施の形態]
前記第1の実施の形態に加えて、この第2の実施の形態ではさらにCCDラインセンサー29のシェーディング補正を行うようにするものである。この実施の形態では以下の手順により行なわれる。
【0067】
まず前記吸着ローラ23上に予め準備された白基準物を静止状態で配置する。もしくは吸着ローラ23の表面上に白基準物を形成しておいてもよい。なお静止状態にすることは搬送中のバタツキに起因する読み取りレベル差を生じさせないようにするためである。前記静止状態の白基準物を撮像手段25で読み取り、各CCDラインセンサー29の各素子毎に白基準データWを得る。他方、各素子の黒基準データ(各素子の暗電流に応じたデータ)Bを得ておく。これによりシェーディング補正を行うための準備が完了する。なおこの準備は工場出荷時やメンテナンス時、または就業時前などに適宜行われればよく、必ずしも全ての作業に付随して行う必要はない。
【0068】
この状態において、実際にCCDラインセンサー29により画像の読み取りが行われる場合には、各素子の読み取りデータSpは、Sp’=(Sp−B)/(W−B)というようにシェーディング補正が行われる。このデータ補正は、例えば図8(B)のステップP4、P5における撮像した画像データの格納前後に行われればよい。
【0069】
[その他の実施の形態]
(1)第1の実施の形態では、印刷用紙Sが排出搬送される排紙部11に撮像手段25を設けたが、圧胴5や排紙胴7上で搬送される印刷用紙Sを読み取るように配置してもよい。
【0070】
(2)第1の実施の形態では、制御端末30によってカラーチャートデータcdを付加するようにしているが、印刷制御部31などにおいて予めRIP処理された印刷画像データに対しRIP処理済みのカラーチャートデータを付加するようにしてもよい。
【0071】
(3)第1の実施の形態では、撮像手段25を2つ並べて配置しているが、1つ、または3つ以上配置するようにしてもよい。
【0072】
(4)第1の実施の形態では、カラーチャートccを画像imの後端側に配置しているが、先頭側に設けても良い。またカラーチャートccは画像imの直後の位置に配置するのではなく、所定距離離れた位置や印刷用紙上の一定の固定位置に配置するものであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
請求項1ないし4に記載の発明によれば、各カラーチャート領域毎に対応した未印刷領域の画像データにより紙白補正を行うことができるので、印刷用紙のバタツキや浮き上がりなどに起因する読み取りレベルの差を補正することができる。
【0074】
また、請求項1ないし4に記載の発明によれば、特に印刷用紙を搬送しながらカラーチャートの測定を行う場合に好適である。
【0075】
請求項に記載の発明によれば、静止した白基準物に基づいてシェーディング補正を行うようにしているので、カラーチャート測定の精度を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る印刷装置の一例を示す側面概要図である。
【図2】この印刷装置における排紙部と撮像部とを示す側面概要図である。
【図3】この印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】図3のブロック図を機能的に示した機能ブロック図である。
【図5】撮像手段とカラーチャート上の基準マークとの位置の関係を示すための説明図である。
【図6】カラーチャートの構成を示す説明図である。
【図7】傾斜したカラーチャートの傾斜補正を説明するための説明図である。
【図8】この印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 第1の版胴
2 第2の版胴
3 第1のブランケット胴
4 第2のブランケット胴
5 圧胴
6 給紙胴
7 排紙胴
9 インキ供給手段
11 排紙部
13 画像記録部
17 エンコーダ手段
18 紙検出センサー
22 排紙台
23 吸着ローラ
25 撮像手段
29 CCDラインセンサ
30 制御端末
31 印刷制御部
32 カラーチャート測定制御部
40 カラーチャートデータ記憶手段
41 カラーチャートデータ付加手段
42 RIP処理部
43 カラーチャート配置位置演算手段
44 読取期間設定手段
45 読取画像データ記憶手段
46 基準マーク検出手段
47 カラーチャート実在位置算出手段
48 読取画像データ読出手段
49 紙白補正手段
50 カラーチャート情報演算手段
S 印刷用紙
im 画像
m 画像サイズ
f 咥え量
cc カラーチャート
cr カラーチャート領域
hr 紙白領域
rm 基準マーク
b バー(基準マーク)
d 十字マーク(基準マーク)
cd カラーチャートデータ
id カラーチャート位置データ
pd 印刷画像データ
pd2 2値化された印刷画像データ
rd 読取画像データ

Claims (4)

  1. 複数のカラーチャート領域を備えた印刷用紙上のカラーチャートを撮像し、撮像で得られた画像データからカラーチャート情報を測定するカラーチャート測定方法であって、
    前記印刷用紙上には前記カラーチャート領域に近接して未印刷領域が設けられており、
    前記印刷用紙の先端を挟持した状態で搬送する工程と、
    搬送中の前記印刷用紙のカラーチャート領域と未印刷領域とを撮像する工程と、
    各カラーチャート領域の画像データから各カラーチャート領域に対応する色データを演算する工程と
    各カラーチャート領域に対して近接する未印刷領域の画像データから各カラーチャート領域に対応した個別の白データを演算し、各カラーチャート領域のそれぞれに対応する白データに基づいて各カラーチャート領域の色データ補正する工程と、
    からなるカラーチャート測定方法。
  2. 前記撮像は複数の撮像素子からなる撮像手段によって行われ、
    前記撮像手段は、カラーチャートの撮像の前に予め静止した状態で配置した白基準物を読み取っておいて撮像した画像データのシェーディング補正を行なうことを特徴とする請求項1に記載のカラーチャート測定方法。
  3. 各カラーチャート領域の色データをc1、対応する未印刷領域の白データをc0とすると、
    前記補正による各カラーチャート領域の色濃度Dは、D=−k*log(c1/c0)で演算されることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーチャート測定方法。(ただしkはゲイン係数)
  4. 印刷用紙上に複数色の多色印刷を行なう印刷装置に備えられ、
    複数のカラーチャート領域を備えた印刷用紙上のカラーチャートを撮像し、
    撮像で得られた画像データからカラーチャート情報を測定するカラーチャート測定装置であって、
    前記印刷用紙の先端を挟持した状態で搬送する搬送手段と、
    前記印刷用紙上には前記カラーチャート領域に近接して未印刷領域が設けられており、搬送中の印刷用紙からカラーチャートと当該カラーチャートに近接する未印刷領域とを含む画像を読み取る撮像手段と、
    得られた画像データから各カラーチャート領域の色データと、近接する未印刷領域の白データとを演算し、前記色データを対応する白データにより補正する紙白補正手段と、
    を有することを特徴とするカラーチャート測定装置。
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