JP3819990B2 - 像形成物質除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像形成物質除去装置に関し、詳細には、像保持体から像形成物質を確実に除去し、再利用可能な状態に像保持体を再生する像形成物質除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のOA(Office Automation)化により、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録されるようになり、オフィスでは、この情報の記録されたプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生するが、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状である。
【0003】
これらの情報の記録された用紙は、廃棄処理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化につながる。
【0004】
従来、この問題を解消して、紙のリサイクルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用する処置を施していた。
【0005】
この古紙を再生する処理では、大規模な古紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるをえなかった。
【0006】
そこで、近時、1度使用した用紙上の文字画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリンティングに再利用することのできる紙が開発されている。例えば、特開平1−101576号公報には、像形成物質(トナー)で画像の形成された画像形成支持体(用紙)を、像形成物質を溶解する有機溶媒中で超音波処理することにより、像形成物質を画像形成支持体から除去する像形成物質除去方法が開示されている。
【0007】
また、廃紙の印字部分に溶剤を浸漬、噴霧あるいは塗布等による方法で付着させてトナーを溶解し、溶解したトナーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接触、機械剥離あるいは静電気吸着などによる方法で除去する像形成物質除去方法が提案されている(特開平4−300395号公報参照)。
【0008】
さらに、本出願人は、先に、記録済の像保持体に、不安定化液としての水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液から少なくとも一種類の水あるいは水溶液を保持させるとともに、剥離部材を介在させ、像形成物質を該剥離部材に加熱接着あるいは加圧接着して像保持体から剥離する像形成物質除去方法を提案している(特開平7−84396号公報参照)。
【0009】
これらによれば、像保持体の紙質を比較的損傷することなく、像形成物質のみを像保持体から除去することができる。
【0010】
また、本出願人は、像形成物質を除去、剥離する手段の前処理として、像保持体に対する像形成物質の定着力を低下させ、像保持体からの像形成物質の剥離を容易に行うための手段を有する装置及び画像除去促進液を付与後、剥離部材に像形成物質を転写除去する像形成物質除去装置において、該液体を付与するに先立って、像形成物質の一部除去、像形成物質からなる像中の微視的な隙間の拡大、あるいは、像形成物質からなる像の破損ないし破壊の処理を施して、該画像除去促進液を効率的に像形成物質と像保持体との界面部に侵入させる手段を有する像形成物質除去装置を提案している(特開平7−20754号公報、特開平7−175255号公報参照)。
【0011】
さらに、画像除去促進液を用いて像保持体上の像形成物質を除去する装置において、コピー定着時のシリコーンが原因とされる再生不良を改善するために、少なくとも1種類のシリコーン系界面活性剤を含有することを特徴とする画像除去促進液を提案している(特開平7−234535号公報参照)。
【0012】
これによれば、シリコーン、ひいてはシリコーンの付着したトナーと画像除去促進液との親和性が向上し、トナーと画像除去促進液とのはじきが発生しにくくなり、画像除去促進液が像保持体と像形成物質との付着力を効率的に低下させることができ、像形成物質の除去能力を向上させることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報記載のものにあっては、効率的に、かつ、確実に像保持体から像形成物質を除去する上で、なお改良の余地があった。
【0014】
すなわち、特開平1−101576号公報記載の画像を除去する方法にあっては、有機溶剤を使用するため、有機溶剤による公害が発生するという新たな問題があるとともに、有機溶剤の引火や毒性により、その取り扱いに注意を必要とし、一般のオフィスや家庭で使用するには、やはり問題があった。
【0015】
また、特開平4−300395号公報記載の像形成物質除去方法にあっては、トナーを溶解し、溶解したトナーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接触、機械剥離あるいは静電気吸着などによる方法で除去していたため、像形成物質除去装置が大型化するとともに、高価なものになるという問題があった。
【0016】
さらに、本出願人が先に出願した特開平7−84396号公報記載の像形成物質除去方法及び特開平7−20754号公報、特開平7−175255号公報記載の像形成物質除去装置にあっては、表面に像形成物質が固着している像保持体の表面上に直接剥離部材を接触させて、像形成物質を除去したり、画像除去促進液を付与した後、剥離部材を接触させて、像形成物質を除去していたため、像形成物質の表面に、剥離部材と像保持体表面上の像形成物質との間の付着力を低下させる阻害物質、例えば、塵、埃、シリコーンや油脂等のオイル成分等が付着していると、この阻害物質により剥離部材と像形成物質の付着力が阻害され、像保持体上の像形成物質を剥離部材により効率的に、かつ、確実に除去することが困難となる。
【0017】
すなわち、図12に示すように、像保持体である転写紙1の表面に像形成物質2が固着されて固着画像が形成されている場合、その表面に塵、埃、あるいは、シリコーンや油脂等のオイル成分等の阻害物質3が付着していると、剥離部材4と像形成物質2との付着を、転写紙1や像形成物質2の表面の阻害物質3が阻害し、像形成物質2を剥離部材4に付着させて、転写紙1から除去することが困難となり、像形成物質除去性能を向上させる上で改良の余地があった。
【0018】
そこで、請求項1記載の発明は、熱可塑性または熱溶融性の像形成物質により皮膜状の固着画像が形成された像保持体の前記像形成物質が付着されている面に、前記像形成物質に対して前記像保持体よりも強い接着力を有する剥離部材を接触させた状態で加圧及び加熱した後、前記剥離部材と前記像保持体とを分離して、前記像形成物質を前記剥離部材に付着させて前記像保持体から前記像形成物質を除去する像形成物質除去装置において、前記像保持体と前記剥離部材とを接触させる前に少なくとも前記像形成物質の表面から前記剥離部材と前記像形成物質との付着を阻害する阻害物質を除去する阻害物質除去手段として、前記像保持体に接触して回転しながら前記阻害物質を粘着除去する粘着ローラを備えたことにより、剥離部材と像形成物質を適切に付着させ、像保持体からの像形成物質の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができ、さらに阻害物質除去手段として、像保持体に接触して回転し、阻害物質を粘着除去する粘着ローラを用いることにより、簡単な構成で、より安価に像保持体表面や像形成物質表面から阻害物質を除去して、像保持体からの像形成物質の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することのできる像形成物質除去装置を提供することを目的としている。
【0019】
請求項2記載の発明は、前記粘着ローラが、前記剥離部材と前記像形成物質との付着を阻害するオイル成分を含む前記阻害物質を除去することにより、像保持体や像形成物質の表面にオイル成分を含む阻害物質が付着している場合にも、当該オイル成分を含む阻害物質を剥離部材を像保持体に付着する前に除去して、剥離部材と像形成物質を適切に付着させ、像保持体からの像形成物質の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することのできる像形成物質除去装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の像形成物質除去装置は、所定の像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された像保持体の前記像形成物質の付着されている面に、前記像形成物質に対して前記像保持体よりも強い接着力を有する所定の剥離部材を接触させた状態で加圧あるいは及び加熱した後、前記剥離部材と前記像保持体を分離して、前記像形成物質を前記剥離部材に付着させて前記像保持体から前記像形成物質を除去する像形成物質除去装置において、前記像保持体と前記剥離部材を接触させる前に少なくとも前記像形成物質の表面から前記剥離部材と前記像形成物質の付着を阻害する阻害物質を除去する阻害物質除去手段を設けることにより、上記目的を達成している。
【0021】
上記構成によれば、像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された像保持体の像形成物質の付着されている面に、剥離部材を接触させる前に、阻害物質除去手段により、少なくとも像形成物質の表面から剥離部材と像形成物質の付着を阻害する阻害物質を除去し、その後、剥離部材を接触させた状態で加圧あるいは及び加熱した後、剥離部材と像保持体を分離して、像形成物質を剥離部材に付着させて像保持体から像形成物質を除去しているので、剥離部材と像形成物質を適切に付着させて、像保持体から像形成物質を効率的に除去することができ、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0022】
さらに、上記構成によれば、阻害物質除去手段として、像保持体に接触して回転し、阻害物質を粘着除去する粘着ローラを用いているので、簡単な構成で、より安価に像保持体表面や像形成物質表面から阻害物質を除去することができ、像保持体からの像形成物質の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0023】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記阻害物質は、前記剥離部材と前記像形成物質の付着を阻害するオイル成分を含み、前記阻害物質除去手段は、前記オイル成分を含む前記阻害物質を除去するものであってもよい。
【0024】
上記構成によれば、阻害物質が、剥離部材と像形成物質の付着を阻害するオイル成分を含んでいる場合に、阻害物質除去手段で、オイル成分を含む阻害物質を除去しているので、像保持体や像形成物質の表面にオイル成分を含む阻害物質が付着している場合にも、当該オイル成分を含む阻害物質を剥離部材を像保持体に付着する前に除去して、剥離部材と像形成物質を適切に付着させることができ、像保持体からの像形成物質の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0025】
さらに、例えば、前記阻害物質除去手段は、前記像形成物質に接触して前記像保持体から前記阻害物質を転写除去する転写除去部材と、前記転写除去部材を前記像形成物質に加熱接触あるいは及び加圧接触させる接触部材と、を備えたものであってもよい。
【0026】
上記構成によれば、阻害物質除去手段として、像形成物質に接触して像保持体から阻害物質を転写除去する転写除去部材と、転写除去部材を像形成物質に加熱接触あるいは及び加圧接触させる接触部材と、を備えたものを用いているので、低温では除去できない阻害物質を適切に除去することができ、像保持体から像形成物質を効率的に除去して、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0027】
また、例えば、前記阻害物質除去手段は、前記像保持体に接触して前記阻害物質を前記像保持体から掻き取り除去するブレードであってもよい。
【0028】
上記構成によれば、阻害物質除去手段として、像保持体に接触して阻害物質を像保持体から掻き取り除去するブレードを用いているので、阻害物質が像形成物質に物理的に強固に付着している場合に、阻害物質を像形成物質及び像保持体から簡単な構成で効率的に除去することができ、像保持体から像形成物質を効率的に除去して、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を安価に除去することができる。
【0029】
さらに、例えば、前記阻害物質除去手段は、前記像保持体に接触して前記阻害物質を前記像保持体から掃き取り除去するブラシであってもよい。
【0030】
上記構成によれば、阻害物質除去手段として、像保持体に接触して阻害物質を像保持体から掃き取り除去するブラシを用いているので、像保持体を傷めることなく、阻害物質を除去することができ、像保持体から像形成物質を簡単な構成で効率的に除去することができる。したがって、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を安価に除去することができる。
【0031】
また、例えば、前記阻害物質除去手段は、前記像保持体に接触して前記阻害物質を前記像保持体から拭き取り除去する拭取部材であってもよい。
【0032】
上記構成によれば、阻害物質除去手段として、像保持体に接触して阻害物質を像保持体から拭き取り除去する拭取部材を用いているので、像保持体及び像形成物質表面から一様に阻害物質を除去することができ、像保持体から像形成物質を確実に除去することができる。したがって、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0033】
さらに、例えば、前記阻害物質除去手段は、前記拭取部材に前記像保持体から前記阻害物質を除去する所定の除去液が含有されていてもよい。
【0034】
上記構成によれば、阻害物質除去手段として、拭取部材に像保持体から阻害物質を除去する所定の除去液が含有されているものを用いているので、物理的に阻害物質を除去することができるとともに、オイル成分等の物理的に確実に除去することが困難な阻害物質を化学的に確実に除去することができ、像保持体から像形成物質をより確実に除去することができる。したがって、より低温で、かつ、より一層確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0035】
また、例えば、前記阻害物質除去手段は、前記像保持体に当該像保持体から前記阻害物質を除去する所定の除去液を付与する除去液付与手段であってもよい。
【0036】
上記構成によれば、阻害物質除去手段として、像保持体に当該像保持体から阻害物質を除去する所定の除去液を付与する除去液付与手段を用いているので、オイル成分等の物理的に確実に除去することが困難な阻害物質を化学的に確実に除去することができ、像保持体から像形成物質を効率的に除去して、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0038】
図1〜図4は、本発明の像形成物質除去装置の第1の実施の形態を適用した像形成物質除去装置を示す図であり、本実施の形態は、電子写真複写機等で画像形成された像保持体である紙(転写紙)等の表面から阻害物質を粘着ローラにより除去した後、像形成物質を剥離・除去して、再生する像形成物質除去装置に適用したものである。
【0039】
図1は、像形成物質除去装置10の全体構成図であり、像形成物質除去装置10は、給紙ユニットU1、阻害物質除去ユニットU2、液付与ユニットU3、剥離・移動ユニットU4、乾燥ユニットU5及び紙受けユニットU6等を備えている。剥離・移動ユニットU4には、除去した像形成物質を剥離部材から除去するクリーニング部11が設けられている。
【0040】
像形成物質除去装置10は、給紙ユニットU1から再生対象である転写紙105(図2参照)を1枚ずつ阻害物質除去ユニットU2に給紙して、阻害物質除去ユニットU2で転写紙105上の阻害物質を除去して、液付与ユニットU3に送給して、液付与ユニットU3で転写紙105に画像除去促進液を付与した後、剥離・移動ユニットU4で、転写紙105上の像形成物質を剥離・除去し、乾燥ユニットU5で像形成物質の剥離・除去された転写紙105を乾燥させて、紙受けユニットU6に載置させる。
【0041】
上記像形成物質除去装置10は、具体的には、図2に示すように、構成されており、以下、各ユニットU1〜U6について順次説明する。給紙ユニットU1は、給紙ケース101、給紙ローラ102、一対のレジストローラ103及びガイド板104等を備えており、給紙ケース101内には、再生対象である像保持体としての転写紙105が複数枚収納される。
【0042】
給紙ケース101は、図示しないが、その内部に、転写紙105の載置される底板を備えており、該底板は、図示しないスプリング等により上方に付勢されて、給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ102側の端部を上方に持ち上げる。給紙ローラ102は、図示しない駆動モータ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から順次送り出す。
【0043】
給紙ローラ102により送り出された転写紙105は、図示しない剥離機構で重送紙が分離され、一枚の転写紙105のみが、タイミング調整及びスキュー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板104を介して阻害物質除去ユニットU2に給紙される。
【0044】
上記像保持体である転写紙105は、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に水を含む画像除去促進液312により膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等の多糖天然高分子を主成分とする紙層を有しており、通常の複写用紙あるいはプリンティング用紙である。なお、像保持体としては、上記のものに限るものではなく、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層を設けた画像形成が可能な像保持体であれば、全てが紙層でなくてもよく、また、紙及び紙質層を含むものに限るものではなく、例えば、OHP等のフィルムであってもよい。
【0045】
また、転写紙105には、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式により画像が形成されているが、画像形成方法としては、これに限るものではなく、例えば、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法で形成されていてもよく、要は、図3に示すように、像保持体(転写紙105)上に熱可塑性または熱溶融性の像形成物質20からなる皮膜状画像を形成する画像形成方法であればよい。
【0046】
皮膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの膜を形成している必要はなく、単に像形成物質が像保持体内部に浸透していないことや、染料を含有する水性インクで印刷した場合のように、像形成物質がほとんど分子レベルで像保持体に吸着されている状態でないことを意味し、熱可塑性あるいは熱溶融性の像形成物質20で形成されているものをいう。
【0047】
熱可塑性または熱溶融性の像形成物質20としては、具体的には、ポリスチレン、ポリアクリル酸アルキル等上記列挙したものの少なくとも1種を含有するものを用いることができる。
【0048】
また、像形成物質20に含まれる色材としては、無機及び有機顔料、例えば、カーボンブラック、キナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベンチジンイエロー等及び油溶性染料を用いることができる。
【0049】
さらに、画像形成方法よっては、各種添加剤が含有され、例えば、電子写真方式においては、荷電制御剤が含有され、熱転写インクでは、ビヒクルとして各種ワックス及び粘着剤としてロジン(アビエチン酸)誘導体が加えられる。
【0050】
上記阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2は、図3に示すように構成されており、搬送コロ対201と搬送コロ対202の間に粘着ローラ203が配設されており、給紙ユニットU1から送り出された転写紙105を搬送コロ対201と搬送コロ対202により図3中矢印方向に搬送しつつ、粘着ローラ203により転写紙105上、特に、転写紙105に固着されている像形成物質20上に付着している阻害物質21を粘着ローラ203に付着させて、像形成物質20上から阻害物質21を除去する。転写紙105を挟んで、粘着ローラ203に対向する位置には、図示しないが、転写紙105を粘着ローラ203に押し付けつつ転写紙105を搬送するバックアップ部材、例えば、スプリング等で粘着ローラ203方向に付勢された加圧ローラ等が配設されていてもよい。
【0051】
この粘着ローラ203に付着されて像形成物質20上から除去された阻害物質21は、クリーニング機構204により粘着ローラ203から取り除かれる。クリーニング機構204は、例えば、ブレード205と阻害物質受け器206等を備え、ブレード205で、粘着ローラ203から阻害物質21を掻き取って粘着ローラ203をクリーニングして、掻き取った阻害物質21を阻害物質受け器206に回収する。なお、クリーニング機構204としては、上記構成のものに限るものではなく、例えば、水を含んだ不織布等により粘着ローラ203表面を拭き取るものであってもよい。また、クリーニング機構204を設けなくても、ある程度の枚数の転写紙105から阻害物質21を除去することができる。
【0052】
上記粘着ローラ203は、転写紙105表面の繊維を剥ぎ取らずに、像形成物質20上の阻害物質21を転写除去できる程度の粘着性、例えば、像形成物質20と転写紙105との粘着力よりも所定量弱く、像形成物質20と阻害物質21との粘着力よりも所定量強い粘着性を有するものを使用する。このような粘着ローラ203としては、例えば、ブチルゴム等からなる清掃用粘着ローラ等を使用することができる。
【0053】
なお、図3では、転写紙105の下側が画像形成面であり、この画像形成面に付着されている阻害物質21を粘着ローラ203により除去するように示されているが、転写紙105から阻害物質21を除去するする構成は、これに限るものではなく、例えば、粘着ローラ203を2個設けて、転写紙105の両面の阻害物質21を除去するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された転写紙105の両面から阻害物質21を一度に除去することができる。
【0054】
阻害物質除去ユニットU2は、粘着ローラ203で阻害物質21を除去した転写紙105を搬送ローラ202により液付与ユニットU3に搬送する。
【0055】
液付与ユニットU3は、図2に示すように、補給液容器301、液自動補給機302、液容器303、液汲み上げローラ304、液塗布ローラ305、押さえローラ306、搬送ベルト307、駆動ローラ308及びガイド板309等を備えており、補給液容器301と液自動補給機302及び液自動補給機302と液容器303は、それぞれパイプ310、311により接続されている。
【0056】
補給液容器301及び液容器303内には、画像除去促進液312が収納されており、液容器303には、図示しないが、液量センサーが設けられている。
【0057】
液自動補給機302は、液量センサーの検出結果に基づいて動作して、補給液容器301内の画像除去促進液312を汲み上げて、液容器303に画像除去促進液312を補給する。
【0058】
液汲み上げローラ304と液塗布ローラ305は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ304は、回転駆動されることにより、液容器303内の画像除去促進液312を汲み上げて、当接する液塗布ローラ305に絞られることにより、所定量の画像除去促進液312を液塗布ローラ305に付着させる。液塗布ローラ305は、付着した所定量の画像除去促進液312を、押さえローラ306との間に阻害物質除去ユニットU2から給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布し、画像除去促進液312の塗布された転写紙105は、ガイド板309に案内されつつ、駆動ローラ308により駆動される搬送ベルト307により剥離・移動ユニットU4に送り出される。
【0059】
なお、図2では、転写紙105の下側が画像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ305により画像除去促進液312が塗布されるように示されているが、転写紙105に画像除去促進液312を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布ローラ305を2個設けて、転写紙105の両面に画像除去促進液312を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像を一度に除去することができる。また、液塗布ローラ305を転写紙105に接触させて塗布する方法ではなく、非接触で画像除去促進液312を付与したり、あるいは液塗布ローラ305と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0060】
画像除去促進液312が、画像が形成されている側の転写紙105に付与されると、画像除去促進液312の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU4に搬送される間に、画像除去促進液312により、表面近傍が膨潤して、像形成物質20と転写紙105との膨潤量の差により、両者の間にせん断力が発生して像形成物質20と転写紙105との接着力が低下する。
【0061】
すなわち、像形成物質20の接着力を低下させるためのものであり、水分を含有している。画像除去促進液312には、水に対する分散または溶解安定性の高い界面活性剤を添加することができ、水に添加される界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
【0062】
具体的には、陰イオン界面活性剤としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホ琥珀酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸エステル塩を用いることができる。
【0063】
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いることができる。
【0064】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0065】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0066】
シリコーン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン変性シロキサン、カルボキシル化ポリオキシアルキレン変性シロキサン等を用いることができる。
【0067】
フッ素系界面活性剤としては、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩、フロロアルキルリン酸エステル等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、フロロアルキルエチレンオキサイド付加物、フロロアルキルオリゴマー、フロロアルキルアミンオキサイド等のノニオン系、フロロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン系等の上記列挙したものを用いることができる。
【0068】
また、画像除去促進液312には、像形成物質20を可塑化する化合物(以下、可塑剤という。)を添加することができ、この可塑剤を添加すると、当該可塑剤が像形成物質20に作用して、転写紙106の表面の傷みを低減することができるとともに、像形成物質20を加熱加圧及び加熱接触を利用して、転写紙106から剥離する場合には、剥離時の設定温度を下げることができ、必要電力消費量の低減することができる。
【0069】
画像除去促進液312に添加する可塑剤としては、安定性の高いものとして、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等の上記列挙したものを用いることができる。
【0070】
さらに、画像除去促進液312には、防腐防黴剤を添加することができ、防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用することができる。
【0071】
また、画像除去促進液312には、重金属イオンの封止剤で剥離助剤としてキレート試薬が添加され、キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0072】
さらに、画像除去促進液312には、防錆剤を添加することができ、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム等の上記列挙したものがある。
【0073】
また、画像除去促進液312には、再生後の転写紙105の白色度を向上させる目的で、漂白剤を添加することができ、酸化漂白剤としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等がある。
【0074】
さらに、画像除去促進液312には、蛍光染料、青み付け染料及び酵素等を添加することもできる。
【0075】
上記画像除去促進液312の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU4に搬送される間に、上述のように、転写紙105の膨潤により転写紙105と像形成物質20との接着力の弱められる。
【0076】
剥離・移動ユニットU4は、複数の剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402d、複数の搬送ローラ403a〜403eと搬送ローラ404a〜404d、2個の剥離ベルト(剥離部材)405a、405b、クリーニング部11としての2個のスパイラルローラ406a、406bと像形成物質受け器407、一対の送り出しローラ408、搬送ベルト409及び搬送ローラ410等を備えている。
【0077】
複数の剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402dは、それぞれ相互に当接するとともに、ジクザグ状に配設され、剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402dの間をジグザグに縫うように、密着された2個の剥離ベルト405a、405bがはい回されている。剥離ローラ401a〜401eが剥離ベルト405a、405bの下側に配設され、剥離ローラ402a〜402dが剥離ベルト405a、405bの上側に配設されている。剥離ローラ401a〜401eの上端と剥離ローラ402a〜402dの下端がそれぞれ交差する状態で配設され、剥離ローラ401a〜401eが図外の駆動機構により回転駆動されることにより、密着一体化した剥離ベルト405a、405bをジグザグに、図2中左から右方向に搬送・移動させる。なお、剥離ローラ402a〜402dが図外の駆動機構により回転駆動され、剥離ローラ401a〜401eが吊れ回りするようにしてもよいし、剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402dの双方が図外の駆動機構により回転駆動されるようにしてもよい。
【0078】
剥離ベルト405aは、所定の幅、例えば、各種サイズの転写紙105を挟持して、転写紙105上の像形成物質20を剥離・転写させるのに十分な幅を有したリング状に形成されており、搬送ローラ403a〜403eに案内されて、剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402dからなるジグザグ搬送路に供給される。
【0079】
剥離ベルト405bは、剥離ベルト405aと同様の幅を有したリング状に形成されており、搬送ローラ404a〜404dに案内されて、ジグザグ搬送路に供給される。
【0080】
したがって、剥離ベルト405aと剥離ベルト405bは、密着一体化して、ジグザグ搬送路を移動する。
【0081】
上記各剥離ローラ401a〜401eには、加熱ランプ411a〜411eが内蔵されており、加熱ランプ411a〜411eは、図示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電制御部により通電制御されて、剥離ローラ401a〜401eを所定温度に加熱する。
【0082】
また、各剥離ローラ402a〜402dには、加熱ランプ412a〜412dが内蔵されており、加熱ランプ412a〜412dは、図示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電制御部により通電制御されて、剥離ローラ402a〜402dを所定温度に加熱する。
【0083】
この加熱ランプ411a〜411eによる剥離ローラ401a〜401eの加熱温度及び加熱ランプ412a〜412dによる剥離ローラ402a〜402dの加熱温度は、像形成物質20の物性によるが、転写紙105上の像形成物質20が溶融しない程度に行うのが望ましい。すなわち、加熱ランプ411a〜411e及び加熱ランプ412a〜412dにより剥離ローラ401a〜401e及び剥離ローラ402a〜402dを加熱するのは、転写紙105に固着している像形成物質20を加熱により軟化させて、転写紙105から剥がれやすくするためであり、像形成物質20が溶融してしまうと、転写紙105上の像形成物質20を転写紙105側と剥離ベルト405a、405b側とに分断することなく剥離ベルト405a、405b側に転写させるのが困難になるためである。また、剥離ローラ401a〜401e及び剥離ローラ402a〜402dを加熱しすぎると、転写紙105が剥離・移動ユニットU4を通過中に乾燥しすぎて、転写紙105が像形成物質20を介して剥離ベルト405a、405bに張り付いてしまい、分離できなくなるおそれがある。したがって、剥離・移動ユニットU4を通過した転写紙105に多少の湿り気が残っていて、像形成物質20の転写紙105への再付着を防止できる程度に加熱することが望ましい。
【0084】
上記剥離ベルト405a、405bは、像保持体である転写紙105上の像形成物質20と接着して転写紙105から像形成物質20を剥離・転写するための部材であり、剥離ベルト405a、405bを構成する材料としては、像形成物質20に対して、転写紙105表面と像形成物質20との付着力よりも大きい付着性を有するとともに、加熱する場合には耐熱性を有することが必要である。
【0085】
剥離ベルト405a、405bとしては、例えば、イソプレンゴム、ネオプレンゴム、クロオプレンゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、天然のゴム、ビスフェノール・エピクロルヒドリン縮合物などのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂、テンペンフェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂等のフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのビニル系共重合体、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリイミド、6、6−ナイロン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエラレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹脂、ニッケル、鉄、アルミニウム等の金属及びその酸化物やセラミックス材料等を用いることができる。
【0086】
上記各材料は、単独でも使用が可能であるが、耐久性及び剥離特性等を向上させるために、積層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チタン等の他の添加剤を加えるなどにより複合して用いることもできる。
【0087】
最適な剥離ベルト405a、405bの材料は、剥離しようとする像形成物質20の種類、像形成物質除去プロセス条件等により選定されるべきであるが、剥離ベルト405a、405bを繰り返し使用することが再生コストを下げるなど種々の点で有利であり、その場合には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が要求される。
【0088】
画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥離ベルト405a、405bの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレスチール、ニッケル、アルマイトを挙げることができる。
【0089】
クリーニング部11は、スパイラルローラ406a、406bと像形成物質受け器407を備え、スパイラルローラ406a、406bは、各剥離ベルト405a、405bに当接して、回転することにより、剥離ベルト405a、405bに転写された像形成物質20を掻き落して、剥離ベルト405a、405bをクリーニングする。スパイラルローラ406a、406bの下方に、像形成物質受け器407が配設されており、スパイラルローラ406a、406bにより掻き落とされた像形成物質20が像形成物質受け器407内に収納される。
【0090】
上記液付与ユニットU3で画像除去促進液312が付与され、像形成物質20と転写紙105との接着力の弱められた転写紙105は、搬送ローラ403aと搬送ローラ404aの間から剥離ベルト405aと剥離ベルト405bの間に挿入され、剥離ベルト405aと剥離ベルト405bの間に挟持される。
【0091】
像形成物質20の形成された転写紙105は、剥離ベルト405aと剥離ベルト405bとの間に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト405a、405bの接着力により剥離ベルト405a、405bに所定の接着力で接着された状態で、ジグザグ搬送路を、図2中左から右方向に搬送される。
【0092】
このジグザグ搬送路が剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402dによりジグザグ状に形成されているため、転写紙105は、剥離ベルト405a、405bに密着一体的に挟持された状態でジグザグ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト405a、405bとが相対変位し、転写紙105と剥離ベルト405a、405bとの間にせん断力が発生する。このせん断力により転写紙105から像形成物質20が剥離して、剥離ベルト405a、405bに剥離・転写され、像形成物質20の除去された転写紙105が搬送ローラ403bと搬送ローラ404bの間から送り出しローラ408に搬出される。
【0093】
剥離ベルト405a、405bに挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送されている間に、剥離ローラ401a〜401e及び剥離ローラ402a〜402dに内蔵された加熱ランプ411a〜411e及び加熱ランプ412a〜412dにより加熱され、転写紙105上に画像を形成している像形成物質20が軟化して、剥離し易い状態となり、効率的に剥離ベルト405a、405bに転写・除去される。
【0094】
上述のようにして、像形成物質20の転写・除去された転写紙105は、搬送ローラ403bと搬送ローラ404bの間から送り出しローラ408に搬出され、送り出しローラ408により搬送ベルト409に送り出される。
【0095】
搬送ベルト409は、回転駆動される搬送ローラ410により駆動されて、転写紙105を乾燥ユニットU5に搬送する。
【0096】
また、剥離ベルト405a、405bに転写された像形成物質20は、スパイラルローラ406a、406bにより掻き落とされ、像形成物質受け器407内に収納される。
【0097】
なお、上記においては、1対の剥離ベルト405a、405bにより転写紙105の両面の像形成物質20を同時に剥離・除去しているが、一方の剥離ベルト405a、405b、例えば、剥離ベルト405bを剥離ベルト405aとの間に転写紙105を狭持するシール部材を用いてもよい。すなわち、転写紙105に画像が片面のみに形成されている場合や画像が両面に形成されている場合においても片面ずつ像形成物質20を除去する場合に、シール部材を用いる。シール部材は、剥離ベルト405aと密着一体化して、転写紙105を挟持するためのものであり、像形成物質20を転写させる必要がないため、接着性を必要としない点以外は、剥離ベルト405a、405bと同様の特性を有していることが望ましい。
【0098】
乾燥ユニットU5は、転写紙105を乾燥させるものであり、加熱ランプ501を内蔵したアルミ等で形成された乾燥ドラム502、仕上げベルト503及び回転ローラ504a〜504d等を備えている。
【0099】
仕上げベルト503は、乾燥ドラム502及び回転ローラ504a〜504dの外周部に沿って図2R>2中時計方向に回転し、乾燥ドラム502と回転ローラ504a〜504dとは、いずれかが図外の駆動モータ等により回転駆動されて、他方が仕上げベルト503により吊れ回りする。なお、乾燥ドラム502と回転ローラ504a〜504dの双方を駆動モータ等により回転駆動するようにしてもよい。仕上げベルト503は、通気性がよく、かつ、耐熱性が良好で、表面平滑性の高い材質、例えば、キャンバス地、木綿地、テトロン地、あるいは、アラミド繊維を用いた織り布等の布を用いることができる。
【0100】
剥離・移動ユニットU4から搬送されてきた転写紙105は、乾燥ドラム502と回転ローラ504aと間から乾燥ドラム502と仕上げベルト503との間に導入され、加熱ランプ501により加熱された乾燥ドラム502により余分な水分が乾燥されて、乾燥ドラム502と回転ローラ504dの間から紙受けユニットU6に排出される。
【0101】
このとき、仕上げベルト503が通気性が良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成されているため、転写紙105が適切に乾燥されるとともに、転写紙105が仕上げベルト503に付着したり、傷ついたりすることなく、適切に転写紙105を乾燥することができる。
【0102】
なお、乾燥ユニットU5は、上記構成のものに限るものではなく、例えば、上記構成のものに、代わって、あるいは、上記構成のものに加えて、ローラ対の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0103】
紙受けユニットU6は、ガイド部材601、排紙トレー602及び排出ローラ603等を備えている。
【0104】
乾燥ユニットU5から排出された転写紙105は、ガイド部材601により排出ローラ603に案内され、排出ローラ603は、転写紙105を排紙トレー602上に排出・載置させる。
【0105】
なお、像形成物質除去装置10は、図示しないが、給紙ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による転写紙105の重送検出手段、転写紙105の像形成物質除去装置10内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、各加熱ランプ411a〜411e、加熱ランプ412a〜412d及び加熱ランプ501の点灯制御手段及び像形成物質受け容器407内の像形成物質20が満杯になったかどうかを検出する満杯検知手段等が設けられている。
【0106】
次に、像形成物質除去装置10の動作について、以下、説明する。像形成物質除去装置10は、転写紙105上の阻害物質21を除去した後、転写紙105に画像除去促進液312を付与して、転写紙105上の像形成物質20と転写紙105との接着力を弱めた状態で、一体密着化された剥離ベルト405a、405bに転写紙105を挟持させて、ジグザグ搬送路を所定量ジグザグ搬送して、剥離ベルト405a、405bと転写紙105の相対変位を促進させることにより、小型で、効率的に、かつ、確実に転写紙105上の像形成物質20を剥離・除去するところにその特徴がある。
【0107】
以下、像形成物質除去装置10の順次動作を説明する。像形成物質除去装置10は、電源が投入され、給紙ケース101に像形成物質20により固着画像の形成された転写紙105が複数枚載置された後、所定のウォーミングアップが完了すると、給紙ユニットU1の給紙ローラ102により給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から、順次阻害物質除去ユニットU2に送り出す。このとき、レジストローラ対103によりタイミング調整を行う。
【0108】
この転写紙105は、通常の複写用紙あるいはプリンティング用紙等であり、転写紙105には、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式の複写機やプリンティング装置等で、像形成物質20により皮膜状の画像が形成されている。
【0109】
阻害物質除去ユニットU2は、図3に示すように、給紙ユニットU1から送り出されてきた転写紙105の表面、特に、像形成物質20の表面に付着している阻害物質21を粘着ローラ203に接着させて除去し、阻害物質21を除去した転写紙105を液付与ユニットU3に搬送する。阻害物質除去ユニットU2は、粘着ローラ203に付着除去された阻害物質21をブレード205で掻き取って阻害物質受け器206内に収納し、粘着ローラ203の転写紙105の阻害物質除去効率を向上させている。
【0110】
液付与ユニットU3は、阻害物質除去ユニットU2から阻害物質21の除去された転写紙105が、液塗布ローラ305と押さえローラ306との間に搬送されてくると、液自動補給機302により補給液容器301から汲み上げられた液容器303内の画像除去促進液312を、液汲み上げローラ304により液塗布ローラ305に付着して、液塗布ローラ305により、押さえローラ306との間に給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布する。
【0111】
液付与ユニットU3は、画像除去促進液312の塗布した転写紙105を、搬送ベルト307により剥離・移動ユニットU4に送り出す。
【0112】
転写紙105は、画像除去促進液312が付与されると、転写紙105の表面近傍が膨潤して、像形成物質20と転写紙105との膨潤量の差により、両者の間にせん断力が発生し、像形成物質20と転写紙105との接着力が低下する。また、像形成物質20と転写紙105とのせん断力は、転写紙105の像形成物質20と接する界面に極力近い部分にまで画像除去促進液312が浸透することにより、特に大きくなると考えられ、画像除去促進液312が転写紙105と像形成物質20とが接触する界面にまで浸透することにより、より一層良好な像形成物質20の除去特性が得られる。さらに、転写紙105と像形成物質20とが接触する界面にまで画像除去促進液312が浸透することは、単に膨潤量の差によるせん断力を生じさせるだけでなく、画像除去促進液312の成分、特に、水や界面活性剤が、像形成物質20と転写紙105との間に介在することにより、像形成物質20と転写紙105との間に働いていた接着力を弱める作用をもすると考えられる。
【0113】
画像除去促進液312の付与された転写紙105は、上記膨潤作用により、剥離・移動ユニットU4に搬送される間に、像形成物質20と転写紙105との接着力が低下した状態で、剥離・移動ユニットU4に搬送される。
【0114】
剥離・移動ユニットU4は、複数の剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402dにより、密着一体化した剥離ベルト405a、405bをジグザグ状に搬送・移動させつつ、各剥離ローラ401a〜401eと剥離ローラ402a〜402dを加熱ランプ411a〜411eと加熱ランプ412a〜412dにより所定温度に加熱し、剥離ベルト405a、405b及び剥離ベルト405a、405bに挟持されてジグザグ搬送路を搬送される転写紙105を加熱する。
【0115】
画像除去促進液312が付与されて像形成物質20との接着力の弱められた状態の転写紙105は、剥離ベルト405aと剥離ベルト405bとの間に挟持され、かつ、剥離ベルト405a、405bの接着力により剥離ベルト405a、405bに所定の接着力で接着された状態で、ジグザグ搬送路を図2中左から右方向に搬送される。
【0116】
転写紙105は、剥離ベルト405a、405bに密着一体的に挟持された状態でジグザグ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト405a、405bとが相対変位し、転写紙105と剥離ベルト405a、405bとの間にせん断力が発生する。このせん断力により転写紙105から像形成物質20が剥離して、剥離ベルト405a、405bに剥離・転写される。
【0117】
また、剥離ベルト405a、405bに挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送されている間に、剥離ローラ401a〜401e及び剥離ローラ402a〜402dに内蔵された加熱ランプ411a〜411e及び加熱ランプ412a〜412dにより加熱され、転写紙105上に画像を形成している像形成物質20が軟化して、剥離し易い状態となり、効率的に剥離ベルト405a、405bに転写・除去される。
【0118】
さらに、剥離・移動ユニットU4に搬送されてくる転写紙105は、図4に示すように、阻害物質除去ユニットU2により転写紙105表面の阻害物質21、特に、像形成物質20上の阻害物質21が除去されているため、剥離ベルト405a、405bと像形成物質20との接着力が阻害物質21により阻害されず、像形成物質20を転写紙105から効率的、かつ、確実に剥離して、剥離ベルト405a、405bに剥離・転写させることができる。
【0119】
上述のようにして、像形成物質20の転写・除去された転写紙105は、送り出しローラ408及び搬送ベルト409により、乾燥ユニットU5に送り出されるとともに、剥離ベルト405a、405bに転写された像形成物質20は、スパイラルローラ406a、406bにより掻き落とされ、像形成物質受け器407内に収納される。
【0120】
乾燥ユニットU5は、剥離・移動ユニットU4から搬送されてきた転写紙105を、加熱ランプ501により加熱された乾燥ドラム502と仕上げベルト503との間に挟んで搬送する間に、転写紙105の余分な水分を乾燥させて、紙受けユニットU6に排出する。
【0121】
紙受けユニットU6は、乾燥ユニットU5から排出された転写紙105を、排出ローラ603により、排紙トレー602上に排出・載置させる。
【0122】
このように、像形成物質除去装置10は、像形成物質20により画像の形成された転写紙105の表面、特に、像形成物質20の表面に付着している阻害物質21を阻害物質除去ユニットU2で除去した後、液付与ユニットU3で、画像除去促進液312を付与して、転写紙105と像形成物質20との接着力を弱めた状態で、剥離・移動ユニットU4の密着一体化した剥離ベルト405a、405bで挟持して、ジグザグ搬送路を搬送して、剥離ベルト405a、405bと転写紙105との相対変位を生じさせ、転写紙105から像形成物質20を剥離して、剥離ベルト405a、405bに転写させているので、剥離ベルト405a、405bと像形成物質20の接着を阻害物質21で阻害されることを防止することができ、像形成物質20を剥離ベルト405a、405bに効率的に、かつ、確実に剥離・転写することができる。したがって、阻害物質除去装置10の剥離・除去性能をより一層向上させることができる。特に、阻害物質除去ユニットU2で、粘着ローラ203を用いて阻害物質21を除去しているので、簡単な構成で、より安価に転写紙105表面や像形成物質20表面から阻害物質21を除去することができ、転写紙105からの像形成物質20の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に転写紙105から像形成物質20を除去することができる。
【0123】
図5は、本発明の像形成物質除去装置の第2の実施の形態を適用した像形成物質除去装置を示す図である。
【0124】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2を、阻害物質を加熱加圧接着により除去するものに変更したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0125】
図5において、阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2Aは、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2の粘着ローラ203を取り除いて、加熱搬送ローラ701、702、除去ベルト703及びクリーニングローラ704等を配設したものであり、加熱搬送ローラ701及び加熱搬送ローラ702には、加熱ランプ705及び加熱ランプ706が内蔵されている。
【0126】
加熱ランプ705及び加熱ランプ706は、図示しない電源から通電されるとともに、その通電が図示しない制御回路により通電制御されており、加熱搬送ローラ701及び加熱搬送ローラ702を加熱するとともに、除去ベルト703を加熱する。この加熱温度としては、像形成物質20の流出開始温度、すなわち、高化式フローテスターにおいて測定物質(像形成物質20)が流出を開始する温度以下であることが望ましい。すなわち、像形成物質20の流出開始温度以上に加熱する、像形成物質20自身が溶融軟化して変形し、阻害物質21を除去しにくくなるからである。
【0127】
除去ベルト703としては、剥離ベルト405a、405bと同様の樹脂フィルム等を使用することができる。
【0128】
加熱搬送ローラ701及び加熱搬送ローラ702は、少なくとも一方が駆動モータ等により図5中矢印で示す時計方向に回転駆動され、除去ベルト703を時計方向に搬送回転させる。
【0129】
本実施の形態によれば、加熱ランプ705、706により加熱搬送ローラ701、702を加熱して、給紙ユニットU1から送り出されてくる転写紙105の表面に付着している阻害物質21を加熱し、阻害物質21を溶融等させて阻害物質21の状態や物性を変化させて、除去ベルト703に接着除去する。したがって、室温では転写紙105から除去しにくい阻害物質21を加熱することにより、阻害物質21の状態や物性を変化させて、除去しやすい状態とすることができ、化学的手段を用いることなく、簡単、かつ、確実に阻害物質21を転写紙105から除去することができる。
【0130】
特に、シリコーン等の定着オイルを使用している複写機等で画像形成した転写紙105には、シリコーン等の定着オイルが阻害物質21として付着しているが、このシリコーン等の定着オイルは、剥離ベルト405a、405bと像形成物質20との接着力を低下させて、剥離・移動ユニット4での像形成物質20の剥離・除去能力を低下させる。この現象は、OHPフィルムあるいはコート紙等のようにオイル成分が内部に浸透しにくく、画像表面に残留しやすい転写紙105において、特に顕著である。ところが、このシリコーン等の定着オイルの阻害物質21は、加熱することで流動性が増し、除去しやすくなり、除去ベルト703により、簡単、かつ、確実に阻害物質21を除去することができる。
【0131】
したがって、剥離・移動ユニットU4において、転写紙105から像形成物質20を確実、かつ、簡単に剥離・除去することができる。
【0132】
図6は、本発明の像形成物質除去装置の第3の実施の形態を適用した像形成物質除去装置を示す図である。
【0133】 本実施の形態は、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2を、阻害物質を掻き取りにより除去するものに変更したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0134】
図6において、阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2Bは、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2の粘着ローラ203を取り除いて、ブレード801及び阻害物質受け器802等を配設したものである。
【0135】
ブレード801は、金属、プラスチックあるいはガラス等で形成され、その先端部が、像形成物質20を破損あるいは破壊させない程度、あるいは、転写紙105から像形成物質20を除去しない程度の圧接力で圧接されている。
【0136】
阻害物質受け器802は、ブレード801の下方に配設され、ブレード801が転写紙105から掻き取った阻害物質21を収納する。
【0137】
本実施の形態によれば、給紙ユニットU1から送り出されてくる転写紙105の表面、特に、像形成物質0の表面に付着している阻害物質21をブレード801で掻き取って、阻害物質受け器802内に収納する。
【0138】
したがって、転写紙105あるいは像形成物質20に比較的弱い付着力で付着している阻害物質21を適切、かつ、安価に除去することができる。
【0139】
図7は、本発明の像形成物質除去装置の第4の実施の形態を適用した像形成物質除去装置を示す図である。
【0140】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2を、阻害物質をブラシローラにより除去するものに変更したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0141】
図7において、阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2Cは、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2の粘着ローラ203を取り除いて、ブラシローラ901、ブレード902及び阻害物質受け器903等を配設したものである。
【0142】
ブラシローラ901は、例えば、軸部に無数の繊維を植設してブラシ901aの形成されたものが使用され、ブラシ901aの先端部により転写紙105の表面、特に、像形成物質20の表面に付着している阻害物質21を掻き取る位置に配設されている。ブラシローラ901は、図示しないモータ等により図7中矢印で示す方向、すなわち、転写紙105の搬送方向と反対方向に回転駆動される。ブラシローラ901に取り付けられているブラシ901aは、金属、樹脂等が用いられており、特に、転写紙105の繊維等の表面を傷つけない所定の弾力性のある材料で形成されていることが望ましい。
【0143】
ブレード902は、ブラシローラ901の下方に当接して、ブラシローラ901に付着した阻害物質21を除去して、ブレード902の下方に配設された阻害物質受け器903内に収納する。
【0144】
本実施の形態によれば、給紙ユニットU1から送り出されてくる転写紙105の表面、特に、像形成物質20の表面に付着している阻害物質21を転写紙105の搬送方向と反対方向に回転するブラシローラ901のブラシ901aにより掻き取って除去し、ブラシローラ901に付着した阻害物質21をブレード902で掻き取って阻害物質受け器903内に収納することができる。したがって、転写紙105あるいは像形成物質20に付着している阻害物質21を適切、かつ、安価に除去することができる。
【0145】
なお、図7には、図示しないが、転写紙105を挟んで、ブラシローラ901に対向する位置に、バックアップローラを配設してもよく、このバックアップローラを配設することにより、ブラシローラ901による転写紙105上の阻害物質21の除去効率を向上させることができる。
【0146】
また、上記ブラシローラ901は、転写紙105の搬送方向と反対方向に回転駆動されているが、ブラシローラ901の回転方向は、転写紙105の搬送方向と同じ方向であってもよい。ただし、転写紙105の搬送方向と反対方向に回転させる方が、転写紙105上の阻害物質21の除去効率を向上させることができる。
【0147】
図8は、本発明の像形成物質除去装置の第5の実施の形態を適用した像形成物質除去装置を示す図である。
【0148】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2を、阻害物質を拭き取りローラにより除去するものに変更したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0149】
図8において、阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2Dは、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2の粘着ローラ203を取り除いて、拭き取りローラとしてフェルトローラ1001等を配設したものである。
【0150】
フェルトローラ1001は、例えば、アルミニウム、ステンレス(SUS)等の金属、あるいは、プラスチック材料等からなる軸ローラの表面に、ウェス、フェルト、布、不織布、スポンジゴム、ポリビニルアルコールスポンジ等を接着することにより形成されている。
【0151】
フェルトローラ1001は、図示しないモータ等により図8中矢印方向、すなわち、転写紙105の搬送方向と反対方向に回転駆動される。
【0152】
本実施の形態によれば、給紙ユニットU1から送り出されてくる転写紙105の表面に付着している阻害物質21を転写紙105の搬送方向と反対方向に回転するフェルトローラ1001により拭き取って、除去する。したがって、転写紙105あるいは像形成物質20に付着している阻害物質21を適切、かつ、安価に除去することができる。
【0153】
なお、転写紙105を挟んでフェルトローラ1001と対向する位置にバックアップ部材を配設して、バックアップ部材により転写紙105をフェルトローラ1001に加圧接触させるようにしてもよく、このようにすると、より一層転写紙105上の阻害物質21を確実に拭き取って、除去することができる。
【0154】
また、フェルトローラ1001を転写紙105の搬送方向に回転駆動しているが、フェルトローラ1001と転写紙105が相対的に移動していれば、転写紙105上の阻害物質21を拭き取ることができるので、フェルトローラ1001は、転写紙105と同じ方向に回転されてもよいし、停止されていてもよい。
【0155】
図9は、本発明の像形成物質除去装置の第6の実施の形態を適用した像形成物質除去装置を示す図である。
【0156】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2を、阻害物質を塗布ローラにより除去液を付与して除去するものに変更したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0157】
図9において、阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2Eは、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2の粘着ローラ203を取り除いて、塗布ローラ1101、液汲み上げローラ1102及び除去液容器1103等を配設したものであり、除去液容器1103内には、除去液1104が入っている。
【0158】
液汲み上げローラ1102と塗布ローラ1101は、所定圧力で当接しつつ図9で示す方向に回転駆動され、液汲み上げローラ1102は、回転駆動されることにより、除去液容器1103内の除去液1104を汲み上げて、当接する塗布ローラ1101に絞られることにより、所定量の除去液1104を塗布ローラ1101に付着させる。塗布ローラ1101は、付着した所定量の除去液1104を、給紙ユニットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、塗布して阻害物質21を可溶化し、可溶化した阻害物質21を塗布ローラ1101で拭き取って転写紙105から阻害物質21を除去する。
【0159】
除去液1104としては、阻害物質21が塵や埃等のみであれば、単なる水であってもよいが、阻害物質21にシリコーンや油脂等のオイル成分が含まれているときには、像形成物質20を溶解させず、かつ、オイル成分を可溶化する有機溶剤、メタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、あるいは、周知の陰イオン系、陽イオン系、非イオン系、シリコーン系等の界面活性剤水溶液等を用いる。
【0160】
本実施の形態によれば、給紙ユニットU1から阻害物質除去ユニットU2Eに送り出されてくる転写紙105の表面に、液汲み上げローラ1102により除去液1104の付与された塗布ローラ1101により、除去液1104を、塗布して阻害物質21を可溶化し、可溶化した阻害物質21を塗布ローラ1101で拭き取って転写紙105から阻害物質21を除去する。塗布ローラ1101は、転写紙105から付着した阻害物質21が液汲み上げローラ1102により除去されて清浄されるとともに、除去液1104が液汲み上げローラ1102から付与され、液汲み上げローラ1102は、除去液容器1103から除去液1104を汲み上げて塗布ローラ1101に除去液1104を付与するとともに、塗布ローラ1101から付着した阻害物質21を除去液容器1103内の除去液1104に溶解させる。したがって、転写紙105や像形成物質20に付着している塵や埃等の阻害物質21及び物理的には除去しにくいシリコーン等のオイル成分からなる阻害物質21をも、化学的に確実、かつ、安価に除去することができる。
【0161】
なお、上記除去液1104は、像形成物質20表面の阻害物質21を除去すればよいので、転写紙105に浸透する必要はなく、むしろ転写紙105の剛性劣化などを考慮すると、なるべく浸透しない方がよい。
【0162】
また、転写紙105を挟んで塗布ローラ1101と対向する位置にバックアップ部材を配設して、バックアップ部材により転写紙105を塗布ローラ1101に加圧接触させるようにしてもよく、このようにすると、より一層転写紙105上の阻害物質21を確実に除去することができる。
【0163】
さらに、上記実施の形態においては、塗布ローラ1101により転写紙105に除去液を塗布して阻害物質21を溶解し塗布ローラ1101に付着させて除去しているが、これに限るものではなく、例えば、阻害物質除去ユニットU2Eを、図10に、阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2Fとして示すように、除去液1104の入っている除去液容器1105にバックアップローラ1106と除去ローラ1107を配設し、除去液1104中でバックアップローラ1106と除去ローラ1107を当接させて、バックアップローラ1106と除去ローラ1107の間に給紙ユニットU1から送られてきた転写紙105を搬送する。このようにすると、除去液1104により転写紙105に付着している阻害物質21を溶解しつつ、除去ローラ1107で除去することができる。
【0164】
なお、この場合、除去ローラ1107で阻害物質21の除去された転写紙105から余分の除去液1104を除去するための部材、例えば、ブレードや拭き取りローラ等を配設してもよい。
【0165】
図11は、本発明の像形成物質除去装置の第7の実施の形態を適用した像形成物質除去装置を示す図である。
【0166】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2を、阻害物質を塗布ローラにより除去液を付与して除去するものに変更したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0167】
図11において、阻害物質除去ユニット(阻害物質除去手段)U2Gは、上記第1の実施の形態の阻害物質除去ユニットU2の粘着ローラ203を取り除いて、フェルトローラ1201と除去液供給機構1202等を配設したものであり、除去液供給機構1202は、除去液1104の入った除去液容器1203、除去液容器1203内の除去液1104をフェルトローラ1201に導く供給パイプ1204及び供給パイプ1204を通して除去液容器1203内の除去液1104をフェルトローラ1201に供給するポンプ(図示略)等を備えている。
【0168】
フェルトローラ1201は、例えば、アルミニウム、ステンレス(SUS)等の金属、あるいは、プラスチック材料等からなる軸ローラの表面に、ウェス、フェルト、布、不織布、スポンジゴム、ポリビニルアルコールスポンジ等を接着することにより形成されており、給紙ユニットU1から供給される転写紙105に摺接する状態で配設されている。
【0169】
フェルトローラ1201には、供給パイプ1204を介して除去液容器1203から除去液1104が供給され、除去液1104を含有したフェルトローラ1201は、転写紙105上の阻害物質21と接触摺動して、像形成物質20表面及び転写紙105上の阻害物質21を除去する。
【0170】
本実施の形態によれば、供給パイプ120を介して除去液1104をフェルトローラ1201を供給し、除去液1104を含有したフェルトローラ120を給紙ユニットU1から送り出されてくる転写紙105の表面に接触摺動させて、転写紙105上及び像形成物質20上の阻害物質21を除去する。
【0171】
このとき、フェルトローラ1201の表面が乾燥していると、フェルトローラ1201と転写紙105との摩擦が大きくなり、転写紙105の搬送に支障をきたすおそれがあるが、フェルトローラ1201の表面が除去液1104を含んでいると、フェルトローラ1201と転写紙105との摩擦が低減されるとともに、フェルトローラ1201の表面により転写紙105表面を拭き取って阻害物質21を除去するという物理的除去と、除去液1104により転写紙105上の阻害物質21を化学的に除去するという化学的除去と、を同時に行うことができ、より確実に阻害物質21を除去することができる。
【0172】
上記各実施の形態においては、阻害物質除去ユニットU2を給紙ユニットU1と液付与ユニットU3の間に配設して、転写紙105から阻害物質21を除去しているが、阻害物質21の影響を取り除く方法は、上記方法に限るものではなく、例えば、図1及び図2の像形成物質除去装置10から阻害物質除去ユニットU2を取り除き、液付与ユニットU3で転写紙105に付与する画像除去促進液312に、阻害物質を除去するのに適切な除去液を混ぜて、転写紙105に付与するようにしてもよい。
【0173】
このようにすると、新たに阻害物質除去ユニットを設けることなく、より一層簡単な装置で、確実、かつ、より一層安価に像形成物質20を転写紙105から除去することができる。
【0174】
〈実験例1〉市販のOHPフィルムにオイルレス定着の普通紙複写機を用いてコピーを行い、トナー画像を形成した。
【0175】
当該トナー画像の形成されたOHPフィルムの画像面を、剥離部材としての厚さ100μmの酸化チタン分散ポリエチレンテレフタレート表面と接触させ、115℃に加熱加圧されたローラ対間(ニップ幅4mm、線速10mm/sec、加圧力3Kgf/cm2 )を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着は認められなかった。すなわち、トナーを剥離部材で剥離除去することができなかった。
【0176】
そして、上記装置で、ローラ対を120℃に加熱して、同様に像形成物質除去処理を行わせたところ、剥離部材によりトナーを剥離することができ、剥離部材表面にトナーの接着が認められた。
【0177】
一方、上記同様にしてトナー画像の形成したOHPフィルムを、画像面をポリビニルアルコールスポンジにより拭き取った後、上記同様の剥離部材の表面に接触させて115℃に加熱加圧されたローラ対間を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着が認められた。
【0178】
上記実験から、ポリビニルアルコールスポンジでOHPフィルムを拭くことにより、剥離部材とトナー画像を形成するトナー表面との接着力を阻害するオイル成分の少ない阻害物質を除去して、より低温度で、トナー画像をOHPフィルムから効率的に除去できることが判明した。
【0179】
〈実験例2〉市販のOHPフィルムに定着オイルを使用している普通紙複写機を用いてコピーを行い、トナー画像を形成した。
【0180】
当該トナー画像の形成されたOHPフィルムの画像面を、剥離部材としての厚さ100μmの酸化チタン分散ポリエチレンテレフタレート表面と接触させ、120℃に加熱加圧されたローラ対間(ニップ幅4mm、線速10mm/sec、加圧力3Kgf/cm2 )を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着は認められなかった。
【0181】
そして、上記装置で、ローラ対を130℃に加熱して、同様に像形成物質除去処理を行わせたところ、剥離部材表面にトナーの接着が認められた。
【0182】
一方、上記同様にしてトナー画像の形成したOHPフィルムを、画像面をエタノールを少量含ませたベンコットにより拭き取った後、上記同様の剥離部材の表面に接触させて110℃に加熱加圧されたローラ対間を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着が認められた。
【0183】
上記実験から、エタノールを含ませたベンコットでOHPフィルムを拭くことにより、剥離部材とトナー画像を形成するトナー表面との接着力を阻害する定着オイルを含む阻害物質を除去して、より低温度で、トナー画像をOHPフィルムから効率的に除去できることが判明した。
【0184】
〈実験例3〉市販のOHPフィルムにノンオイル定着の普通紙複写機を用いてコピーを行い、トナー画像を形成した。
【0185】
当該トナー画像の形成されたOHPフィルムの画像面を、剥離部材としての厚さ100μmの酸化チタン分散ポリエチレンテレフタレート表面と接触させ、115℃に加熱加圧されたローラ対間(ニップ幅4mm、線速10mm/sec、加圧力3Kgf/cm2 )を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着は認められなかった。
【0186】
そして、上記装置で、ローラ対を120℃に加熱して、同様に像形成物質除去処理を行わせたところ、剥離部材表面にトナーの接着が認められた。
【0187】
一方、上記同様にしてトナー画像の形成したOHPフィルムを、画像面にブチルゴムからなる粘着ローラを軽く接触回転させた後、上記同様の剥離部材の表面に接触させて115℃に加熱加圧されたローラ対間を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着が認められた。
【0188】
上記実験から、ブチルゴムでOHPフィルムを拭くことにより、剥離部材とトナー画像を形成するトナー表面との接着力を阻害するオイル成分の少ない阻害物質を除去して、より低温度で、トナー画像をOHPフィルムから効率的に除去できることが判明した。
【0189】
〈実験例4〉市販のOHPフィルムに定着オイルを使用している普通紙複写機を用いてコピーを行い、トナー画像を形成した。
【0190】
当該トナー画像の形成されたOHPフィルムの画像面を、剥離部材としての厚さ50μmのポリエーテルエーテルケトンフィルム表面と接触させ、80℃に加熱加圧されたローラ対間(ニップ幅4mm、線速10mm/sec、加圧力3Kgf/cm2 )を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着は認められなかった。
【0191】
このOHPフィルムを、再度、新たに用意した上記同様の剥離部材の表面に接触させて、80℃に加熱加圧された上記ローラ対間を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの接着が認められた。そして、最初の剥離部材の表面を計測したところ、剥離部材表面に複写機の定着オイル成分が確認された。
【0192】
上記実験から、阻害物質を除去する除去部材として剥離部材を利用することより、剥離部材とトナー画像を形成するトナー表面との接着力を阻害する定着オイルを含む阻害物質を除去して、より低温度で、トナー画像をOHPフィルムから効率的に除去できることが判明した。
【0193】
〈実験例5〉市販のOHPフィルムにオイルレス定着の普通紙複写機を用いてコピーを行い、トナー画像を形成した。
【0194】
当該トナー画像の形成されたOHPフィルムの画像面を、剥離部材としての厚さ100μmの酸化チタン分散ポリエチレンテレフタレート表面と接触させ、115℃に加熱加圧されたローラ対間(ニップ幅4mm、線速10mm/sec、加圧力3Kgf/cm2 )を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着は認められなかった。
【0195】
そして、上記装置で、ローラ対を120℃に加熱して、同様に像形成物質除去処理を行わせたところ、剥離部材表面にトナーの接着が認められた。
【0196】
一方、上記同様にしてトナー画像の形成したOHPフィルムの画像面を、ポリエチレンテレフタレートからなるブレードにより軽く接触掃引させた後、上記同様の剥離部材の表面に接触させて115℃に加熱加圧されたローラ対間を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着が認められた。
【0197】
上記実験から、ポリエチレンテレフタレートのブレードでOHPフィルムの表面を接触掃引することにより、剥離部材とトナー画像を形成するトナー表面との接着力を阻害するオイル成分の少ない阻害物質を除去して、より低温度で、トナー画像をOHPフィルムから効率的に除去できることが判明した。
【0198】
〈実験例6〉市販のOHPフィルムにオイルレス定着の普通紙複写機を用いてコピーを行い、トナー画像を形成した。
【0199】
当該トナー画像の形成されたOHPフィルムの画像面を、剥離部材としての厚さ100μmの酸化チタン分散ポリエチレンテレフタレート表面と接触させ、115℃に加熱加圧されたローラ対間(ニップ幅4mm、線速10mm/sec、加圧力3Kgf/cm2 )を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着は認められなかった。
【0200】
そして、上記装置で、ローラ対を120℃に加熱して、同様に像形成物質除去処理を行わせたところ、剥離部材表面にトナーの接着が認められた。
【0201】
一方、上記同様にしてトナー画像の形成したOHPフィルムの画像面を、ポリアミドからなるブラシローラを接触回転させた後、上記同様の剥離部材の表面に接触させて115℃に加熱加圧されたローラ対間を通過させた後、OHPフィルムを剥離部材から分離させたところ、剥離部材にトナーの付着が認められた。この再生処理したOHPフィルムを上記実験例5で再生処理したOHPフィルムと比較したところ、像形成物質が表面にない、いわゆる白紙部分でのOHPフィルム表面の損傷がより少なかった。
【0202】
上記実験から、ポリアミドからなるブラシローラをOHPフィルム表面で接触回転させるることにより、剥離部材とトナー画像を形成するトナー表面との接着力を阻害するオイル成分の少ない阻害物質を除去して、より低温度で、トナー画像をOHPフィルムから効率的に除去できることが判明した。
【0203】
〈実験例7〉市販の上質紙に定着オイルを使用している普通紙複写機を用いてコピーを行い、トナー画像を形成した。
【0204】
当該トナー画像の形成された上質紙を、図2R>2の阻害物質除去ユニットU2を省いた像形成物質除去装置10を用い、液付与ユニットU3で画像除去促進液312として界面活性剤水溶液を3g/A4上質紙に付与し、剥離・移動ユニットU4で加熱加圧して、トナーを剥離ベルト405aに転写した後、上質紙を剥離ベルト405aから分離した。
【0205】
この像形成物質除去処理した上質紙のベタ画像部分と、もともと画像のない地肌部分の濃度をマクベス反射濃度計で測定して、その差を取って剥離後の画像濃度とした。剥離後の画像濃度は、0.03であり、部分的に剥離前の文字を読み取ることができた。
【0206】
一方、上記同様の画像形成した上質紙を、上記同様に、図2の像形成物質除去ユニットU2を省いた像形成物質除去装置10を用い、液付与ユニットU3で、上記同様の界面活性剤水溶液に、除去液としてのイソプロピルアルコールを、10重量%添加した画像除去促進液を上記上質紙に付与し、剥離・移動ユニットU4で加熱加圧して、トナーを剥離ベルト405aに転写した後、上質紙を剥離ベルト405aから分離した。
【0207】
この像形成物質除去した上質紙の画像濃度を、上記同様に測定したところ、画像濃度は、0.02であり、像形成物質除去処理前の文字を読み取ることはできなかった。
【0208】
上記実験から、画像除去促進液に除去液を含ませて像保持体である上質紙に付与することにより、阻害物質の影響を抑制して、より効率的に、かつ、確実に像形成物質を像保持体から除去できることが、確認できた。
【0209】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0210】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の像形成物質除去装置によれば、像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された像保持体の像形成物質の付着されている面に、剥離部材を接触させる前に、阻害物質除去手段により、少なくとも像形成物質の表面から剥離部材と像形成物質の付着を阻害する阻害物質を除去し、その後、剥離部材を接触させた状態で加圧あるいは及び加熱した後、剥離部材と像保持体を分離して、像形成物質を剥離部材に付着させて像保持体から像形成物質を除去しているので、剥離部材と像形成物質を適切に付着させて、像保持体から像形成物質を効率的に除去することができ、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0211】
さらに、阻害物質除去手段として、像保持体に接触して回転し、阻害物質を粘着除去する粘着ローラを用いているので、簡単な構成で、より安価に像保持体表面や像形成物質表面から阻害物質を除去することができ、像保持体からの像形成物質の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【0212】
請求項2記載の発明の像形成物質除去装置によれば、阻害物質が、剥離部材と像形成物質の付着を阻害するオイル成分を含んでいる場合に、阻害物質除去手段で、オイル成分を含む阻害物質を除去しているので、像保持体や像形成物質の表面にオイル成分を含む阻害物質が付着している場合にも、当該オイル成分を含む阻害物質を剥離部材を像保持体に付着する前に除去して、剥離部材と像形成物質を適切に付着させることができ、像保持体からの像形成物質の除去を効率的に行って、より低温で、かつ、より確実に像保持体から像形成物質を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の像形成物質除去装置の第1の実施の形態を適用した像形成物質除去装置のブロック構成図。
【図2】図1の像形成物質除去装置の詳細な構成図。
【図3】図1及び図2の阻害物質除去ユニットの詳細な構成図。
【図4】図2の阻害物質が像形成物質上から除去された転写紙と剥離ベルトの関係を示す側面図。
【図5】本発明の像形成物質除去装置の第2の実施の形態を適用した像形成物質除去装置の阻害物質除去ユニットの構成図。
【図6】本発明の像形成物質除去装置の第3の実施の形態を適用した像形成物質除去装置の阻害物質除去ユニットの構成図。
【図7】本発明の像形成物質除去装置の第4の実施の形態を適用した像形成物質除去装置の阻害物質除去ユニットの構成図。
【図8】本発明の像形成物質除去装置の第5の実施の形態を適用した像形成物質除去装置の阻害物質除去ユニットの構成図。
【図9】本発明の像形成物質除去装置の第6の実施の形態を適用した像形成物質除去装置の阻害物質除去ユニットの構成図。
【図10】本発明の像形成物質除去装置の第6の実施の形態を適用した像形成物質除去装置の阻害物質除去ユニットの他の例の構成図。
【図11】本発明の像形成物質除去装置の第7の実施の形態を適用した像形成物質除去装置の阻害物質除去ユニットの構成図。
【図12】転写紙の像形成物質上に阻害物質が存在する場合の転写紙と剥離ベルトの関係を示す側面図。
【符号の説明】
10 像形成物質除去装置
20 像形成物質
21 阻害物質
U1 給紙ユニット
U2、U2A〜U2G 阻害物質除去ユニット
U3 液付与ユニット
U4 剥離・移動ユニット
U5 乾燥ユニット
U6 紙受けユニット
101 給紙ケース
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 ガイド板
105 転写紙
201、202 搬送コロ対
203 粘着ローラ
204 クリーニング機構
205 ブレード
206 阻害物質受け器
301 補給液容器
302 液自動補給機
303 液容器
304 液汲み上げローラ
305 液塗布ローラ
306 押さえローラ
307 搬送ベルト
308 駆動ローラ
309 ガイド板
310、311 パイプ
312 画像除去促進液
401a〜401e 搬送ローラ
402a〜402d 従動ローラ
403a〜403e、404a〜404d 搬送ローラ
405a、405b 剥離ベルト
406a、406b スパイラルローラ
407 像形成物質受け器
408 送り出しローラ
409 搬送ベルト
410 搬送ローラ
411a〜411e、412a〜412d 加熱ランプ
501 加熱ランプ
502 乾燥ドラム
503 仕上げベルト
504a〜504d 回転ローラ
601 ガイド部材
602 排紙トレー
603 排出ローラ
701、702 加熱搬送ローラ
703 除去ベルト
704 クリーニングローラ
705、706 加熱ランプ
801 ブレード
802 阻害物質受け器
901 ブラシローラ
901a ブラシ
902 ブレード
903 阻害物質受け器
1001 フェルトローラ
1101 塗布ローラ
1102 液汲み上げローラ
1103 除去液容器
1104 除去液
1105 除去液容器
1106 バックアップローラ
1107 除去ローラ
1201 フェルトローラ
1202 除去液供給機構
1203 除去液容器
1204 供給パイプ

Claims (2)

  1. 熱可塑性または熱溶融性の像形成物質により皮膜状の固着画像が形成された像保持体の前記像形成物質付着されている面に、前記像形成物質に対して前記像保持体よりも強い接着力を有する剥離部材を接触させた状態で加圧及び加熱した後、前記剥離部材と前記像保持体を分離して、前記像形成物質を前記剥離部材に付着させて前記像保持体から前記像形成物質を除去する像形成物質除去装置において、
    前記像保持体と前記剥離部材を接触させる前に少なくとも前記像形成物質の表面から前記剥離部材と前記像形成物質の付着を阻害する阻害物質を除去する阻害物質除去手段として、前記像保持体に接触して回転しながら前記阻害物質を粘着除去する粘着ローラを備えたことを特徴とする像形成物質除去装置。
  2. 前記粘着ローラが、前記剥離部材と前記像形成物質との付着を阻害するオイル成分を含む前記阻害物質を除去することを特徴とする請求項1記載の像形成物質除去装置。
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