JP3815434B2 - 車両のルーフモール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両のルーフモールに関し、特にルーフサイドへの確実な設置が可能なモール形状の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4には車両ルーフの前端部側縁を示し、ルーフサイドに沿って車両前後方向へルーフモール6が設置されて、その前端61はフロントガラスのガラスモール(図示略)に接する位置まで延びている。すなわちルーフサイドでは、図5に示すように、互いに隣接するルーフパネル2の外側縁21とサイドアウタパネル3の内側縁31が略L字断面をなすように下方へ屈曲させられて、車両前後方向へ延びる溝部4を形成しており、溝部4の底壁を構成する外側縁21と内側縁31の水平部211,311は互いに重ね合わせて接合されている。ルーフモール6は溝部4内に装着されて、その上面が車両ルーフ面の一部を構成している。溝部4の側壁を構成する外側縁21と内側縁31の垂直部212,312は途中が段付きとなってそれぞれ水平面213,313が形成され、これら水平面213,313がルーフモール頭部61の両側縁611,612下面を支持する支持面となっている。
【0003】
なお、特許文献1には、溝部にスタッドを設ける一方、ルーフモールにはクリップを設けて、当該クリップに、上記スタッドが係止される係止溝を形成したルーフモールの取付構造が示されている。
【特許文献1】
実開平6−29952号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サイドアウタパネル3の断面形状は、車両ルーフ側部の大部分では、上述したように内側縁31の垂直部312に水平面313が形成されているが、フロントウインドウ7の側部では垂直部312に水平面313が形成されていない。すなわち、サイドアウタパネル垂直部312の水平面313は、フロントウインドウ7に近づくにつれて次第に高さが低くなって水平部311と一体化するようになっており、これに対して押出し成形により成形されるルーフモール6は、側縁611下面の高さが一定であるから、図5に示すようにサイドアウタパネル3の垂直部312に形成された水平面313との間に隙を生じ、ルーフモール6に下方への力が作用するとこれが鎖線で示すように傾いて外観を損なうという問題があった。
【0005】
そこで本発明はこのような課題を解決するもので、車両ルーフの溝部内で傾くことなく確実な設置が可能な車両のルーフモールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明では、ルーフパネル(2)とサイドアウタパネル(3)の境界にこれら両パネル(2,3)によって車両前後方向に沿って形成された溝部(4)内に装着され、溝部(4)の両側壁にそれぞれ形成された受け面(213,313)によってその頭部(12)の両側縁(121,122)下面が支持される車両のルーフモール(1)であって、受け面の一方(313)が頭部(15)の一方の側縁(151)下面から下方へ離れるルーフモール(1)のモール前端部(17)において、押出し成形されたルーフモール(1)の前端部に射出成形により一体に形成されたモール前端部(17)の下面に、下方へ突出する支持脚(171)を形成して、当該支持脚(171)の下端を溝部(4)の底壁上に固着することなく位置させ、支持脚(171)によって下方への力に抗してモール前端部(17)の頭部(15)の傾きを防止する。
【0007】
押出し成形により成形されるルーフモールは断面形状が一定であるから、ルーフモールの頭部下面を支持するように溝部の側壁に形成された受け面の高さがルーフパネルやサイドアウタパネルの成形上の理由でルーフモールの端部付近で変化すると、上記頭部下面と受け面との間に隙を生じて、ルーフモールに下方への力が作用した場合にルーフモールが傾くおそれがある。そこで、本第1発明のように、ルーフモールの端部に射出成形により一体に形成されるモール前端部の下面に、下方へ突出する支持脚を形成して、その下端を溝部の底壁上に位置させてルーフモールを支持させることにより、ルーフモールに下方への力が作用してもルーフモールが傾くおそれはなく、溝部内へのルーフモールの確実な設置が可能となる。
【0008】
本第2発明では、上記支持脚(171)の下端の一部(172)を、ルーフパネル(2)とサイドアウタパネル(3)の接合部に塗布したシーラのはみ出しを避けるように切り欠く。本第2発明によれば、シーラのはみ出しに支持脚が乗り上げて支持が不安定になるのが避けられる。
【0009】
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1にはルーフモールの縦断面図を示し、図2、図3にはそれぞれ図1のII−II線、III−III線に沿う横断面図を示す。ルーフモール1の本体11は押出し成形によって成形されており、その断面は図2に示すように、インサート111が貫設された幅広の上端頭部12と、頭部12の下面中央から下方へ突出する脚部13と、脚部13から左右へ略水平に突出する係止部14とを備えている。各係止部14の先端は薄肉のリップ部141となっている。
【0011】
ルーフパネル2の外側縁21とサイドアウタパネル3の内側縁31は従来と同一形状である。すなわち、上記外側縁21と内側縁31は略L字断面をなすように下方へ屈曲させられて、車両前後方向へ延びる溝部4を形成し、溝部4の底壁を構成する外側縁21と内側縁31の水平部211,311は互いに重ね合わせて接合されている。溝部4の側壁を構成する上記外側縁21と内側縁31の垂直部212,312には途中に段付きの受け面たる水平面213,313が形成されている。ルーフモール1は上方から溝部4内に押し込まれており、各係止部14の先端リップ部141がルーフパネル外側縁21とサイドアウタパネル内側縁31の垂直部212,312に弾接して、溝部4からのルーフモール1の抜けが防止されている。この状態で、ルーフモール頭部12の両側縁121,122下面が上記各垂直部212,312に形成された水平面213,313に当接して位置決めされている。このように、モール本体11の一般部は水平面213,313によって位置決めされるから、頭部12に下方への力が作用してもルーフモール1が傾くおそれはない。
【0012】
ルーフモール1の本体11前端部(図1の左端部)では、押出し成形によって成形された本体11一般部から、頭部15と、頭部15から下方へ突出する短い脚部16を残して下半部を切除することにより、これら頭部15と脚部16が形成されている。そして、本体11前端部では、既に従来技術で説明した理由で、サイドアウタパネル内側縁31の垂直部312に形成された水平面313は、頭部15の側縁151下面から離れた下方に位置して、水平面313と側縁151下面との間に隙を生じている(図3)。
【0013】
ここで、脚部16の下面からルーフモール本体11の前端を覆って、射出成形によりモール前端部17が形成されており、モール前端部17はモール本体11の前端から逆L字形に前方へ延びて、その端面にフロントガラス5のガラスモール51のリップ部511が当接している。そして、モール前端部17は下面の一部が下方へ突出して支持脚171となっており、支持脚171は一定幅の矩形板状に成形されて(図3)、その下端が、溝部4の底壁を構成するルーフパネル外側縁21の水平部211上面に載っている。これにより、モール前端部17は支持脚171によって位置決めされるから、頭部15に下方への力が作用してもこの部分でルーフモール1が傾くおそれはない。なお、ルーフパネル外側縁21の水平部211端縁に近い支持脚171のコーナ部は切り欠いてある。この切欠き部172によって、水平部211端縁に塗布されるシーラのはみ出しに支持脚171が乗り上げるのが避けられる。
【0014】
【発明の効果】
このように、本発明の車両のルーフモールは、車両ルーフの溝内で傾くことなく確実な設置が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すルーフモールの縦断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】従来例を示す車両ルーフの前端部側縁の斜視図である。
【図5】図4のIV−IV線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1…ルーフモール、12,15…頭部、121,122,151…側縁、17…モール前端部、171…支持脚、172…切欠き部、2…ルーフパネル、213,313…水平面(受け面)、3…サイドアウタパネル、4…溝部。
Claims (2)
- ルーフパネルとサイドアウタパネルの境界にこれら両パネルによって車両前後方向に沿って形成された溝部内に装着され、前記溝部の両側壁にそれぞれ形成された受け面によってその頭部の両側縁下面が支持される車両のルーフモールであって、前記受け面の一方が前記頭部の一方の側縁下面から下方へ離れる前記ルーフモールのモール前端部において、押出し成形された前記ルーフモールの端部に射出成形により一体に形成された前記モール前端部の下面に、下方へ突出する支持脚を形成して、当該支持脚の下端を前記溝部の底壁上に固着することなく位置させ、前記支持脚によって下方への力に抗して前記モール前端部の頭部の傾きを防止したことを特徴とする車両のルーフモール。
- 前記支持脚の下端の一部を、前記ルーフパネルとサイドアウタパネルの接合部に塗布したシーラのはみ出しを避けるように切り欠いた請求項1に記載の車両のルーフモール。
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