JP3815042B2 - 回転電機の固定子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機の固定子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スタータモータ等の小型直流電動機の固定子においては、無負荷運転時の異常高速回転による機械的破損(例えばスタータのピニオンギヤの破損)を防止するため、フィールドコイル(以下メインコイルと呼ぶ)の他に、補助の分巻コイル(以下シャントコイルと呼ぶ)を設けた複巻式コイルを具備した構造が知られている(例えば特開昭63−154055号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の複巻式コイル構造においては、その構成に起因する問題点があった。
以下に従来の工程と課題を説明する。
先ず、予め固定子の極数と同数の巻線用ボビンを用意する。
続いて、巻線装置を用いてメインコイルとシャントコイルを同一のボビンに順次巻線する。この時、各巻線の端末(巻初めと巻終わり)をそれぞれボビンの外側に引き出しておく必要がある。端末数は、固定子の極数をNとすると、2(メイン・シャント)×2(巻初めと巻終わり)×N=4Nとなる。
続いて、巻線後のボビンを単体のポールコア(ヨークに固定する前のポールコア)に装着し、そのボビンが装着されたポールコアをネジ締めやかしめ等によってヨークに固定する。この様にボビンに巻線する(間接巻)場合は、ボビンへの巻線工程とボビンの装着工程とを分離する必要が生じるので、巻線のばらけ防止のためにテープ等で保持しておく必要がある。
【0004】
続いて、各巻線の端末を結線して所定の電気回路を構成するために、コネクションバーを用いて各端末を所定箇所毎に電気的に接続する。
一般的にシャントコイルは、メインコイルに対して極細線を用いるので、コネクションバーとの接続に際して、その確実性が重要となる。このため、接続箇所の数を減らすことが極めて重要となるが、ボビンを用いて巻線すると、必然的にシャントコイルも極数分に分割しなければならないので、接続箇所を減らすことができない。このため、シャントコイルとコネクションバーとの接続作業が煩雑となり、各ボビン毎に巻線されているメインコイル及びシャントコイルのそれぞれを渡り線によって結線するための作業スペースが極めて小さくなってしまう。その結果、結線作業の難易度が高くなり、自動化が困難で手作業に頼ることになるため、信頼性及び生産性が低下するという問題があった。
また、メインコイルとシャントコイル個々の性能を確実に検査するのに極めて手間が掛かるため、完成品の電気的検査方法が困難であった。
【0005】
上記の問題は、シャントコイルとメインコイルを予めボビンに間接巻することから派生する問題であり、これを解決する手段として、各コイルをポールコアに直接巻線する方法が考えられる。しかし、その具体的な巻線方法が実現されていない。その理由は、各コイルをポールコアに直接巻線する際に生じる課題を解決する技術的手段が未だ確立されていないことにある。
各コイルをポールコアに直接巻線する上での課題を列記する。
(1)シャントコイルとメインコイルの巻線順序において、巻線効率、端末処理性の点で最適な順序が不明である。
(2)シャントコイルのポール間の渡り線の断線、傷の防止手段が不明である。
(3)端末処理において、接合部位の低減と接続作業の作業性を両立させる構成が不明である。
(4)大量生産に最適な製品構成、工程、検査方法が不明である。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、メインコイルとシャントコイルとを具備する固定子の信頼性及び生産性を向上でき、且つ電気回路の電気的検査を確実に行うことのできる回転電機の固定子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
予めポールコアがヨークに固定されている状態で、1本に繋がったシャントコイルを少なくとも2個のポールコアに順次巻線した後、メインコイルを複数のポールコアに巻線する。なお、シャントコイルは、ポールコアが4極以上ある場合でも、少なくとも2個のポールコアに巻線されていれば良い。勿論、全てのポールコアに巻線しても良いことは言うまでもない。
この場合、メインコイルより細いシャントコイルをメインコイルより先に巻線するため、シャントコイルの渡り線がシャントコイルの上層に巻線されるメインコイルとヨークの内壁との間で強固に保持される構造となる。これにより、1本の極細線を多層巻するシャントコイルの断線を防止でき、耐振性に優れた固定子を提供できる。また、予めヨークに固定されているポールコアに直接シャントコイルとメインコイルを巻線することにより、作業効率が高く、自動化も容易であり、安価な固定子を提供することが可能である。
【0010】
更に、シャントコイルとメインコイルとをポールコアに巻線した後、以下の手順で電気回路の不良を検出する。
先ず、メインコイルにメインターミナルを電気的に接続した後、メインコイルとヨークとの間の絶縁状態を検査し、
続いて、ターミナル保持手段に保持されているシャントターミナルにシャントコイルを電気的に接続した後、シャントコイルとヨークとの間の絶縁状態を検査し、
続いて、−側のシャントターミナルをヨークに電気的に接続した後、再度メインコイルとヨークとの間の絶縁状態を検査し、
続いて、ターミナル連結手段に+側のシャントターミナルと+側のメインターミナルとを電気的に接続した後、メインコイルとシャントコイルとの短絡検査、及びメインコイルの抵抗値とシャントコイルの抵抗値とを検査する。
上記の手順に従って各検査を行うことにより、メインコイルとシャントコイルのアース、短絡、抵抗値に係わる不良を確実に検出できるため、高品位で信頼性の高い固定子を提供できる。
なお、ターミナル保持手段は、+側シャントターミナルと−側シャントターミナルとの間、及び+側シャントターミナルとヨークとの間を絶縁していることは言うまでもない。即ち、ターミナル保持手段は、熱可塑性樹脂等の絶縁材料で形成されることが好ましく、伝導性材料でも表面に絶縁処理が施されていれば良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は固定子の軸方向から見た上側平面図である。
本実施例の固定子1は、例えばスタータモータ等の直流電動機に具備されるもので、以下に説明する各部品〔ヨーク2、ポールコア3(3A〜3D)、シャントコイル4、メインコイル5、ブッシング・インシュレーション6、シャントターミナル7(7A、7B)、メインターミナル8(8A、8B)、コネクションバー9、リード線10、ブラシ11等〕より構成される。なお、直流電動機の固定子1以外の構造は極めて公知であるので、説明を省略する。
【0012】
a)ヨーク2
鉄や鋼材等の強磁性体で円筒形状に形成されている(図4及び図5参照)。
b)ポールコア3
図4に示すように、ヨーク2の内壁に所定数(本実施例では4個)のポールコア3が固定され、各ポールコア3がヨーク2の周方向に等間隔に配置されている。このポールコア3は、コア部3aとツバ部3b(磁極片)とから成り、コア部3aの周囲にシャントコイル4とメインコイル5が巻線される。
c)シャントコイル4
シャントコイル4は、1本の電線を絶縁皮膜で覆った被覆電線を使用し、その被覆電線を各ポールコア3に連続して順次巻線される(図3参照)。
d)メインコイル5
メインコイル5は、複数本の電線を束ねて絶縁被膜で覆った被覆電線を使用し、その被覆電線を各ポールコア3のシャントコイル4の上層に所定数巻き付けられる(図3参照)。
【0013】
e)ブッシング・インシュレーション6(以下、インシュレーション6と略す)
シャントターミナル7を保持する円環状の部品で、ヨーク2の一方の開口端内周に装着される。このインシュレーション6には、図6に示すように、その外径側にメインコイル5の引出し線を引き出すためのメインコイル引出し部6aと、シャントコイル4の引出し線を引き出すためのシャントコイル引出し部6bとが形成されている。なお、各コイル引出し部6a、6bには、図7〜9に示すように、それぞれ各コイル4、5の引出し線を案内するためのテーパ部6cを設けても良い。
このインシュレーション6は、ヨーク2に装着された状態で+側のシャントターミナル7Aと−側のシャントターミナル7Bとを保持するため、絶縁材料が好ましく、特に熱可塑性樹脂が最適である。但し、伝導性材料であっても、表面に絶縁処理を施せば使用可能である。
【0014】
f)+側シャントターミナル7A
インシュレーション6の一方のコイル引出し部6bより引き出されたシャントコイル4の引出し線(端末)に接続されて、コネクションバー9との電気的接続を行う部品であり、図10に示すように、ベース部70にインシュレーション6との接続手段(図10では2個の嵌合穴7a)、コネクションバー9との接合継ぎ手部7b、及びシャントコイル4との接合継ぎ手部7cが設けられている。この+側シャントターミナル7Aは、鉄や銅等の導電性材料(銅が最適)から成り、コネクションバー9との溶接性向上のためにメッキ処理(すずメッキが最適)を施すと良い。なお、図10に示すシャントコイル4との接合継ぎ手部7cは、略V字状に開口しているが、図11に示すように平板状に設けても良い。また図12に示すように、接合継ぎ手部7cの他に仮保持用の継手部7dを設けても良い。
【0015】
g)−側シャントターミナル7B
インシュレーション6の他方のコイル引出し部6bより引き出されたシャントコイル4の引出し線(端末)に接続されて、ヨーク2との電気的接続を行う部品であり、図13に示すように、ベース部71にインシュレーション6との接続手段(図13では2個の嵌合穴7a)、ヨーク2との接合継ぎ手部7e、及びシャントコイル4との接合継ぎ手部7fが設けられている。この−側シャントターミナル7Bは、鉄や銅等の導電性材料(銅が最適)から成り、ヨーク2との溶接性向上のためにメッキ処理(すずメッキが最適)を施すと良い。
なお、+側と−側の各シャントターミナル7A、7Bの板厚は、シャントコイル4の線径×(0.6〜0.9)とすると良い。
【0016】
h)+側メインターミナル8A
インシュレーション6の2箇所のコイル引出し部6aより引き出されたメインコイル5の引出し線にそれぞれ具備されて、コネクションバー9との電気的接続を行う部品であり、鉄や銅等の導電性材料から成り、略コ字状に形成されている(図33参照)。
i)−側メインターミナル8B
インシュレーション6の他の2箇所のコイル引出し部6aより引き出されたメインコイル5の引出し線に具備されて、ブラシ11との電気的接続を行う部品であり、鉄や銅等の導電性材料から成り、略コ字状に形成されている(図33参照)。
【0017】
j)コネクションバー9
2個の+側メインターミナル8Aと+側シャントターミナル7Aとを電気的に接続するためのターミナル連結部品である(図1及び図3参照)。
このコネクションバー9は、鉄や銅等の導電性材料(銅が最適)から成り、各ターミナル8A、7Aとの溶接性向上のためにメッキ処理(すずメッキが最適)を施すと良い。
k)リード線10
図示しないバッテリより固定子1の電気回路に電気エネルギーを供給するためのリード線10であり、一端がバッテリの+側電極に接続され、他端がコネクションバー9に接続されている(図1及び図3参照)。
l)ブラシ11
図示しない回転子の整流子面を摺動することにより、固定子1と回転子との間の電流通路を形成している。
【0018】
次に、固定子1の電気回路(シャントコイル4とメインコイル5の各結線構造)を図3に基づいて説明する。なお、図3は固定子1を内径側から見た場合の展開図の一例である。
シャントコイル4の結線構造……リード線10→コネクションバー9→+側シャントターミナル7A→シャントコイル4の引出し線4a→第1のポールコア3Aに対し左回転に巻線→渡り線4b→第2のポールコア3Bに対し右回転に巻線→渡り線4c→第3のポールコア3Cに対し左回転に巻線→渡り線4d→第4のポールコア3Dに対し右回転に巻線→シャントコイル4の引出し線4e→ー側シャントターミナル7B→ヨーク2にアース。
メインコイル5の結線構造……リード線10→コネクションバー9→+側メインターミナル8A(2個)→第1と第3のポールコア3A、3Cに対し左回転に巻線及び第2と第4のポールコア3B、3Dに対し右回転に巻線→ー側メインターミナル8B(2個)→ブラシ11→整流子を介して回転子へ。
【0019】
続いて、本実施例の固定子1を製造するための加工装置について説明する。
加工装置は、ワークW(被加工物)を搭載して各工程間を搬送するためのパレット12(図14参照)、シャントコイル4の巻線機13(図15参照)、メインコイル5の巻線機14(図17参照)、シャントコイル4の端末処理装置15(図19参照)等より構成されている。
a)パレット12
パレット12は、図14に示すように、ベース部120、ワーク保持部121、及びシャントコイル4の端末保持手段122を具備している。
ベース部120は、製造ライン(図21参照)上を移動する際のガイド部として機能する。
【0020】
ワーク保持部121は、ベース部120上にて円筒形に設けられ、その円筒内部にヨーク2の他方の開口部側(図2の下側端部)を受け入れてヨーク2(ワークW)を保持する。
端末保持手段122は、ポールコア3に巻線されたシャントコイル4の引出し線(巻初め線と巻終わり線)を保持しておくもので、シャントコイル4の引出し線が引き出される近傍のベース部120上に2箇所設けられている。この端末保持手段122は、例えば弾力を利用して引出し線を保持(把持)する機構が良い。また、端末保持手段122は、保持しているシャントコイル4の引出し線が各工程での作業の邪魔にならないように、ワーク保持部121に保持されているワークW(ヨーク2)の上側開口部より低い位置に設けた方が良い。
【0021】
b)シャントコイル4の巻線機13
巻線機13は、図15に示すように、テンション発生装置130、巻線装置131、ノズル部132、端末処理機構133、パレット移動機構134、巻線パック135等より構成される。
テンション発生装置130は、電線Dに所定のテンションを発生させることができる。
巻線装置131は、電線Dをノズル部132へ供給する経路(図示しない)と、ポールコア3のツバ部3bと略相似形のカム機構(図示しない)とを備え、巻線時にツバ部3bの回りを略倣う軌跡をたどりつつ高速で回転する。
ノズル部132は、図16に示すように、ノズル部132の側面に1個の巻線ノズル136を具備し、ノズル部132がポールコア3の内周側で回転するのに対して、巻線ノズル136が電線Dをポールコア3の磁極部へ供給することにより巻線時の効率を上げることができる。
【0022】
端末処理機構133は、シャントコイル4の端末(巻初め線と巻終わり線)をパレット12の端末保持手段122に保持させるための機構であり、端末の保持以外に上昇、下降、回転の各動作が可能である。
パレット移動機構134は、パレット12を所定の位置へ回転させる機能と、巻線処理時及び端末処理時の上昇・下降の機能を有している。
巻線パック135は、電線供給用のパックであり、内部にシャントコイル4用の電線Dを収容している。
この巻線機13は、巻線装置131とパレット移動機構134との協業によってヨーク2の軸芯に対して各ポールコア3と巻線ノズル136との相対位置を決め、図16に示すように、ノズル部132が巻線装置131のカム機構によってポールコア3のツバ部3bの形状に倣い回転動作を行うことにより、所定のポールコア3に巻線することができる。
【0023】
c)メインコイル5の巻線機14
巻線機14は、図17に示すように、テンション発生装置140、巻線装置141、ノズル部142、端末処理機構143、パレット移動機構144、巻線パック145等より構成される。
テンション発生装置140は、電線Dに所定のテンションを発生させることができる。
巻線装置141は、電線Dをノズル部142へ供給する経路(図示しない)と、ポールコア3のツバ部3bと略相似形のカム機構(図示しない)とを備え、ツバ部3bの回りを略倣う軌跡をたどりつつ高速で回転する。
ノズル部142は、図18に示すように、ノズル部142の側面に複数(図18では2個)の巻線ノズル146を具備し、ノズル部142がポールコア3の内周側で回転するのに対して、巻線ノズル146が電線Dをポールコア3の磁極部へ供給することにより巻線時の効率を上げることができる。
【0024】
端末処理機構143は、メインコイル5の端末(巻初め線と巻終わり線)を保持して、所定の処理動作を行うための機構である。
パレット移動機構144は、パレット12を所定の位置へ回転させる機能と、巻線処理時及び端末処理時の上昇・下降の機能を有している。
巻線パック145は、電線供給用のパックであり、内部にメインコイル5用の電線Dを収容している。
この巻線機14は、巻線装置141とパレット移動機構144との協業によってヨーク2の軸芯に対して各ポールコア3と巻線ノズル146との相対位置を決め、図18に示すように、ノズル部142が巻線装置141のカム機構によってポールコア3のツバ部3bの形状に倣い回転動作を行うことにより、所定のポールコア3に巻線することができる。
【0025】
d)シャントコイル4の端末処理装置15
この端末処理装置15は、パレット12の端末保持手段122に保持されているシャントコイル4の端末をワークWに組み付けられたシャントターミナル7に仮固定させるものであり、図19に示すように、パレット12を搭載する機台150、端末配回しアーム151、端末位置決め機構152、ターミナルかしめ機構153等より構成される。
端末配回しアーム151は、パレット12の端末保持手段122に保持されているシャントコイル4の端末を把持し、ワークWに組み付けられているシャントターミナル7の所定位置に配回しする。この端末配回しアーム151は、複雑な動作が必要とされるので、多軸ロボットや、複数のローダーの組み合わせによって構成されている。
【0026】
端末位置決め機構152は、シャントコイル4の端末を最終的に所定位置へ位置決めする機構である。つまり、端末配回しアーム151では、シャントコイル4の端末を把持して配回しするので、シャントターミナル7に仮固定させるシャントコイル4の端末根元部の位置が不安定となる。そこで、端末位置決め機構152により、シャントコイル4の端末根元部をシャントターミナル7の根元保持部に位置決めして挿入する。
ターミナルかしめ機構153は、シャントコイル4の端末根元部をシャントターミナル7に仮固定(かしめ)させるものである。
【0027】
次に、固定子1の製造工程を図20及び図21に基づいて説明する。
なお、図20は工程順を説明する工程ブロック図であり、図21は各工程を連続的に配置して各工程間の搬送を自動化した製造ラインを示すもので、生産効率を飛躍的に向上した製造工程の概念図である。図21に示す製造ラインには、パレットを搬送するための搬送手段V(例えばベルト)と、加工完了後のパレット(空の状態)を循環させる循環手段(図示しない)が具備されている。
工程001…パイプ状の素材を切断したり、プレスによる絞り加工や丸め加工等により円筒形状のヨーク2を形成する。
工程002…切削、冷鍛、プレス等によって、コア部3aとツバ部3bとから成るポールコア3を形成する。
工程003…パレット12のワーク保持部121に保持されたヨーク2の内壁にポールコア3を螺子締め、かしめ、溶接等により固定する(図22参照)。
工程004…ヨーク2の内壁およびポールコア3の巻線部(コア部3a)に対して絶縁構造を形成する。例えば、粉体塗装を用いたり、ポールコア3をヨーク2に固定する前に予め樹脂製のボビンをポールコア3に装着して絶縁構造を形成しても良い。
【0028】
工程005…巻線機13によってシャントコイル4の巻初め線4aを予め所定の長さだけ引き出した上で各ポールコア3(3A〜3D)にシャントコイル4を連続して巻線し、その巻終わり線4eを所定の長さだけ引き出しておく。このシャントコイル4の巻線工程を図23及び図24に示す。なお、シャントコイル4の両端末4a、4eは、巻線機13に具備されている引出し機構(図示しない)によって所定の長さだけ引き出すことができる。
この巻線工程では、メインコイル5の巻線時にシャントコイル4の渡り線をヨーク2の内壁側へ逃がすことができる様に、各ポールコア3に巻線する時は電線Dにテンションを加え、渡り線を配回しする時はテンションを緩めて渡り線に弛みを持たせておく。あるいは、各ポールコア3に巻線する時はテンションを加え、所定の巻線終了後にテンションを緩めた上、巻線ノズル136を逆転させた後、再度正転(これにより電線に弛みが生じる)させてから渡り線を配回す。
シャントコイル4の巻線終了後、引き出されているシャントコイル4の巻初め線4aと巻終わり線4eをパレット12の端末保持手段122に保持させる(図25参照)。
【0029】
工程006…巻線機14によってメインコイル5をシャントコイル4の上層に巻線する。このメインコイル5を巻線する時は、先ず相対する2個のポールコア3への巻線を同時に行った後、所定の長さの引出し線5aを形成し、次の相対する2個のポールコア3への巻線を同時に行う。このメインコイル5の巻線工程を図26〜図28に示す。なお、メインコイル5の引出し線5a、5bは、巻線機14に具備されている引出し機構(図示しない)によって所定の長さだけ引き出すことができる。
この巻線工程では、既に巻線されているシャントコイル4の渡り線が巻線機14のノズル部142(特に巻線ノズル)と干渉しないように、シャントコイル4の渡り線をヨーク2の内壁側へ逃がすための手段を用いている。その渡り線を逃がすための手段は、例えば、シャントコイル4の渡り線のある場所より内径側に最先端を持つガイド矢を具備し、メインコイル5を巻線する時に、ヨーク2の上側開口部からガイド矢をヨーク2の内側に挿入することでメインコイル5とシャントコイル4の渡り線との干渉を防止することができる。また、ガイド矢をヨーク2の上側開口部からヨーク2の内側に挿入した後、そのガイド矢をヨーク2の内壁側へ拡げることでメインコイル5とシャントコイル4の渡り線との干渉を防止することもできる。
【0030】
工程007…メインコイル5の巻線完了(図29参照)後、図30に示すように、メインコイル5の各引出し線5a、5bを数ターン捻って1本化する。
工程008…図31に示すように、ヨーク2の一方の開口端内周にインシュレーション6を装着する(組付ける)。この時、シャントコイル4の引出し線4a、4e及びメインコイル5の引出し線5a、5bは、インシュレーション6に形成されているコイル引出し部6b及びコイル引出し部6aよりそれぞれ引き出される。
工程009…ヨーク2に装着されたインシュレーション6にシャントターミナル7(2個)を固定する。このシャントターミナル7とインシュレーション6との固定手段として、例えば図32に示すように、インシュレーション6に円形の突起6dを設け、シャントターミナル7A、7Bのベース部70、71に円形の嵌合穴7aを形成して、その嵌合穴7aに突起6dを嵌め込んで熱かしめすることにより固定することができる。あるいは、接着剤により両者を固定しても良いし、樹脂製のインシュレーション6に金属製のシャントターミナル7をインサート成形等で一体に形成しても良い。なお、各シャントターミナル7は、インシュレーション6をヨーク2に装着する前に予めインシュレーション6に保持(固定)させても良い。
【0031】
工程010…メインコイル5の引出し線5a、5bをインシュレーション6にて固定する。ここでは、インシュレーション6にU字状のカラー部を設けておき、そのカラー部にメインコイル5の引出し線を挿入し、カラー部の入口部を熱かしめ、超音波かしめ等により閉じてメインコイル5の引出し線を固定する。これにより、メインコイル5の引出し線の耐振動性を向上できる。
工程011…鉄鋼材料あるいは銅、銅合金等からメインターミナル(フープ材と呼ぶ)8を略コ字状に成形する(図33参照)。
工程012…図33に示すように、メインコイル5の引出し線5a、5bのコネクションバー9との接続予定部にメインターミナル8を装着し、かしめて仮固定する。
【0032】
工程013…メインターミナル8に通電加熱してメインコイル5の絶縁被膜を溶融させ、被膜剥離してメインターミナル8とメインコイル5との電気的接続を行う。ここでは、メインターミナル8より上方に余線が生じるので、必要に応じてメインコイル5の引出し線5a、5bを所定寸法で切断する(図34参照)。この時、メインターミナル8の幅寸法を予め所定寸法として、余線切断時にメインターミナル8を切断しないようにすると、切断カッタの長寿命化が図れる。
工程014…+側または−側の2個のメインターミナル8間の抵抗値を測定し、その測定値よりメインコイル5とヨーク2との間の絶縁状態を判定する。
【0033】
工程015…パレット12の端末保持手段122に保持されているシャントコイル4の両端末を端末保持手段122から外してインシュレーション6に設けられた保持機構にて仮保持する(図35参照)。インシュレーション6には、例えば図36及び図37に示すように、シャントコイル4の引出し線根元部を挿入するための溝6eと、この溝6eに挿入されたシャントコイル4の引出し線根元部を仮保持するための保持片6fとから成る保持機構が設けられている。
この保持機構によりシャントコイル4の引出し線根元部を保持する時の動作を図38に基づいて説明する。保持片押圧手段16により保持片6fを押圧して溝6eの開口幅を拡げた状態で、コイル端末押圧手段17によりシャントコイル4の引出し線根元部を溝6eへ挿入する。次に、保持片押圧手段16を後退させて保持片6fへの押圧力を解除することにより、弾性力により保持片6fが元の位置へ戻って溝6eに挿入されているシャントコイル4の引出し線根元部を保持する。なお、図38は+側シャントターミナル7Aに接続されるシャントコイル4の引出し線根元部を保持する工程を示しているが、−側シャントターミナル7Bに接続されるシャントコイル4の引出し線根元部を保持する場合も同様に行われる。
【0034】
工程016…シャントターミナル7に設けられている接合継ぎ手部7c、7fをかしめて、インシュレーション6の保持機構に仮保持されているシャントコイル4の引出し線根元部を固定する。シャントターミナル7の接合継ぎ手部7c、7fは、シャントコイル4の線径より大きく開くV字状に設けられ、このV字状の片側先端部にシャントコイル4の潰れ防止のための折り返し部7c1 、7f1 が設けられている。ここでは、接合継ぎ手部7c、7fの折り返し部7c1 、7f1 が設けられている方を加圧してV字部の開口部を閉じることによりシャントコイル4の引出し線根元部をかしめ固定することができる。
工程017…図39に示すように、+側シャントターミナル7Aの接合継ぎ手部7cに一組の電極18、19を通じて通電加熱してシャントコイル4の被膜を溶融させ、シャントコイル4の電線とシャントターミナル7との電気的接続を行う。この工程で生じるシャントコイル4の余線は所定寸法に切断する。なお、図39は+側シャントターミナル7A側を示しているが、−側シャントターミナル7B側でも同様に行われる。
【0035】
工程018…2個のシャントターミナル7A、7B間の抵抗値を測定し、その測定値よりシャントコイル4とヨーク2との間の絶縁状態を判定する。
工程019…−側シャントターミナル7Bのアース接続部(ヨーク2との接続手段)をヨーク2のインロー端部に抵抗溶接、ロー付け等で接続する。
工程020…+側または−側の2個のメインターミナル8間の抵抗値を測定し、その測定値よりメインコイル5とヨーク2との間の絶縁状態を判定する。
工程021…鉄、銅、アルミニウム等の導電性材料よりコネクションバー9を所定形状(本実施例では半円形)に成形する。
工程022…図40に示すように、コネクションバー9をヨーク2に装着する。ここで、コネクションバー9に接続されるリード線10は、コネクションバー9をヨーク2へ装着する前に予め溶接等で接続しても良いし、コネクションバー9をヨーク2へ装着した後に接続しても良い。
工程023…コネクションバー9に+側シャントターミナル7Aと2個の+側メインターミナル8Aとを溶接やロー付け等により機械的且つ電気的に接続する。
【0036】
工程024…焼結にて粉状の炭素・銅粉等から接続線11aをインサート成形したブラシ11を形成する。
工程025…−側メインターミナル8Bにブラシ11を溶接またはロー付け等により機械的、電気的に接続する。
工程026…ブラシ11またはメインターミナル8の両端に抵抗測定用の測定子を接触させてブラシ11間またはメインターミナル8間の抵抗値を測定し、メインコイル5の抵抗値が所定の値となっていることを検査する。
この場合、抵抗値を測定する代わりに電圧降下測定でも良い。またはワークWの温度を測定し、温度補正をするための計算装置を備える場合もある。
【0037】
工程027…+側シャントターミナル7Aのベース部120と−側シャントターミナル7Bのベース部120に抵抗測定用の測定子を接触させて+側と−側の両シャントターミナル7間の抵抗値を測定し、シャントコイル4の抵抗値が所定の値となっていることを検査する。
工程028…メインコイル5とシャントコイル4の層間レアショート(短絡)を検出するために、+側シャントターミナル7Aのベース部120と−側シャントターミナル7Bのベース部120にインパルス試験の測定子を接触させて、+側と−側の両シャントターミナル7間にインパルス電圧を印加し、良品との比較判定を行う。これにより、抵抗測定では検出不可能な微細な欠陥も検出可能となり、高品質の固定子1を提供できる。なお、本工程は、特に耐久寿命が求められたり、大電流が流れる固定子1の場合等、必要に応じて実施するものである。
【0038】
(本実施例の効果)
本実施例の固定子1は、メインコイル5より細いシャントコイル4をポールコア3に巻線した後、そのシャントコイル4の上層にメインコイル5を巻線しているため、シャントコイル4の渡り線がメインコイル5とヨーク2の内壁との間で強固に保持される構造となる。これにより、1本の極細線を多層巻するシャントコイル4の断線を防止でき、耐振性に優れた固定子1を提供できる。また、予めヨーク2に固定されたポールコア3にシャントコイル4とメインコイル5を直接巻線することにより、作業効率が高く、自動化も容易であることから、安価な固定子1を提供することができる。
【0039】
シャントコイル4とメインコイル5とをポールコア3に巻線した後、細線が多数集められて形成されるメインコイル5と細線1本のみのシャントコイル4の端末接合をメインターミナル8とシャントターミナル7を用いて、順次に確実に接続できるので、信頼性の高い固定子1を提供できる。
+側のシャントターミナル7Aは、コネクションバー9との接合継ぎ手部7bと、シャントコイル4との接合継ぎ手部7cを具備し、−側のシャントターミナル7Bは、ヨーク2との接合継ぎ手部7eと、シャントコイル4との接合継ぎ手部7fを具備しているので、個々の接続部の信頼性が高く、耐振性の高い固定子1を提供できる。
また、−側のシャントターミナル7Bは、ヨーク2の一方の開口端面に電気的に接続されるので、ヨーク2の絶縁構造に手を加えなくても容易にアース側への接合が可能となる。
【0040】
本実施例では、メインコイル5にメインターミナル8を電気的に接続した後、メインコイル5とヨーク2との間の絶縁状態を検査し、続いて、シャントターミナル7にシャントコイル4を電気的に接続した後、シャントコイル4とヨーク2との間の絶縁状態を検査し、続いて、−側のシャントターミナル7Bをヨーク2に電気的に接続した後、再度メインコイル5とヨーク2との間の絶縁状態を検査し、続いて、コネクションバー9に+側のシャントターミナル7Aと+側のメインターミナル8A(2個)とを電気的に接続した後、メインコイル5とシャントコイル4との短絡検査、及びメインコイル5の抵抗値とシャントコイル4の抵抗値とを検査している。この手順に従って電気回路の検査を行うことにより、メインコイル5とシャントコイル4のアース、短絡、抵抗値に係わる不良を確実に検出できるため、高品位で信頼性の高い固定子1を提供できる。
【0041】
シャントコイル4をポールコア3に巻線した後、シャントコイル4の渡り線をヨーク2の内壁側へ逃がすことにより、メインコイル5を巻線する際に巻線機14の巻線ノズルとシャントコイル4の渡り線との干渉を防止できる。
シャントコイル4の巻初め線と巻終わり線とを所定長さだけ引き出して、両端末をパレット12の端末保持手段122に保持させることにより、メインコイル5をポールコア3に巻線する際に発生するシャントコイル4の巻き込みを防止できる。
メインコイル5の巻線工程では、相対する2個のポールコア3へ同時に巻線した後、次の相対する2個のポールコア3へ同時に巻線することにより、巻線作業を高速化でき、生産性を向上できる。
【0042】
(第2実施例)
この実施例では、シャントターミナル7とシャントコイル4との電気的な接続方法について説明する。図41はシャントターミナル7とシャントコイル4との接続方法を示す平面図、図42は側面図である。
シャントターミナル7には、図41に示すように、シャントコイル4の線径より幅広で平坦な接合継ぎ手部7cが設けられている。
シャントコイル4は、所定の端末を皮膜剥離しない状態で、シャントターミナル7の接合継ぎ手部7cの近傍へ配置され、下記の溶接機にて接合継ぎ手部7cと電気的に接続される。
溶接機は、図41及び図42に示すように、接合継ぎ手部7cを受ける電極20と、接合継ぎ手部7cを加圧する電極21と、加圧前に発熱させるための電極22とを具備している。
この溶接機により、シャントコイル4の皮膜を加熱して溶融させ、皮膜剥離してシャントターミナル7の接合継ぎ手部7cとシャントコイル4の電線とを加圧、通電することによりシャントターミナル7とシャントコイル4との電気的な接続が行われる。
【0043】
(第3実施例)
この実施例では、シャントコイル4の引出し線根元を保持する方法について説明する。
図43はシャントコイル4の引出し線根元を保持する方法を示す平面図、図44は側面図である。
本実施例では、図43及び図44に示すように、シャントコイル4の引出し線4aを+側シャントターミナル7Aの接合継ぎ手部7cにて保持した後、インシュレーション6に形成されている開口部を樹脂23(UV樹脂、接着剤等が最適)によって封入することでシャントコイル4の引出し線根元を保持している。なお、図中の番号24は樹脂を封入するためのノズルである。図43及び図44は+側シャントターミナル7Aを示しているが、−側シャントターミナル7Bでも同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定子の構造を示す平面図である。
【図2】固定子の構造を示す縦断面図である。
【図3】本実施例の電気回路の概念図である。
【図4】ヨークとポールコアを示す平面図である。
【図5】ヨークとポールコアを示す縦断面図である。
【図6】(a)インシュレーションの平面図と(b)断面図である。
【図7】コイル引出し部を示すインシュレーションの部分平面図である。
【図8】コイル引出し部を示すインシュレーションの部分平面図である。
【図9】(a)コイル引出し部を示すインシュレーションの部分平面図と(b)側面図である。
【図10】+側シャントターミナルの三面図である。
【図11】+側シャントターミナルの三面図である(他の例1)。
【図12】+側シャントターミナルの三面図である(他の例2)。
【図13】−側シャントターミナルの三面図である。
【図14】(a)パレットの平面図と(b)断面図である。
【図15】シャントコイル巻線機の構成を示す概略図である。
【図16】シャントコイルの巻線工程を示す斜視図である。
【図17】メインコイル巻線機の構成を示す概略図である。
【図18】メインコイルの巻線工程を示す斜視図である。
【図19】シャントコイルの端末処理装置の構成を示す概略図である。
【図20】本実施例の工程順を説明する工程ブロック図である。
【図21】本実施例の製造工程の概念図である。
【図22】製造ラインの一工程を示す斜視図である。
【図23】シャントコイルの巻線開始時の状態を示す平面図である。
【図24】シャントコイルの巻線終了時の状態を示す平面図である。
【図25】シャントコイルの巻線工程を示す斜視図である。
【図26】メインコイルの巻線開始時の状態を示す平面図である。
【図27】メインコイルの巻線途中の状態を示す平面図である。
【図28】メインコイルの巻線終了時の状態を示す平面図である。
【図29】メインコイルの巻線工程を示す斜視図である。
【図30】メインコイルの端末処理工程を示す斜視図である。
【図31】インシュレーションの組付け工程を示す斜視図である。
【図32】インシュレーションにシャントターミナルを固定した状態を示す平面図である。
【図33】インシュレーションの組付け工程を示す斜視図である。
【図34】メインターミナルを組付けた状態を示す斜視図である。
【図35】シャントコイルの端末配回し工程を示す斜視図である。
【図36】シャントコイルの端末保持機構(+側)を示す平面図である。
【図37】シャントコイルの端末保持機構(−側)を示す平面図である。
【図38】シャントコイルの端末保持機構(+側)の作動説明図である。
【図39】シャントコイルと+側シャントターミナルとの接合工程を示す平面図である。
【図40】コネクションバーの組付け工程を示す斜視図である。
【図41】シャントコイルと+側シャントターミナルとの接合工程を示す平面図である(第2実施例)。
【図42】シャントコイルと+側シャントターミナルとの接合工程を示す側面図である(第2実施例)。
【図43】シャントコイルの端末根元部の固定定法を示す平面図である(第3実施例)。
【図44】シャントコイルの端末根元部の固定方法を示す側面図である(第3実施例)。
【符号の説明】
1 固定子
2 ヨーク
3 ポールコア
4 シャントコイル
5 メインコイル
6 ブッシング・インシュレーション(ターミナル保持手段)
6a メインコイル引出し部
6b シャントコイル引出し部
7 シャントターミナル
7b +側シャントターミナルのコネクションバーとの接合継ぎ手部
7c +側シャントターミナルのシャントコイルとの接合継ぎ手部
7e −側シャントターミナルのヨークとの接合継ぎ手部
7f −側シャントターミナルのシャントコイルとの接合継ぎ手部
8 メインターミナル
9 コネクションバー(ターミナル連結手段)
D 電線
Claims (1)
- 円筒状のヨークと、
このヨークの内側に具備された複数のポールコアと、
このポールコアに直接巻線されるメインコイルと、
このメインコイルより細い電線を使用し、前記ポールコアに直接巻線されるシャントコイルと、
前記メインコイルの結線手段であるメインターミナルと、
前記シャントコイルの結線手段であるシャントターミナルと、
前記ヨークの一方の開口端部に装着されて、前記シャントターミナルを保持するターミナル保持手段と、
+側の前記シャントターミナルと+側の前記メインターミナルとを電気的に連結するターミナル連結手段とを具備し、
予め前記ポールコアが前記ヨークに固定されている状態で、1本に繋がった前記シャントコイルを少なくとも2個の前記ポールコアに順次巻線した後、前記メインコイルを前記複数のポールコアに巻線して製造される回転電機の固定子であって、
先ず、前記メインコイルに前記メインターミナルを電気的に接続した後、前記メインコイルと前記ヨークとの間の絶縁状態を検査し、
続いて、前記ターミナル保持手段に保持されている前記シャントターミナルに前記シャントコイルを電気的に接続した後、前記シャントコイルと前記ヨークとの間の絶縁状態を検査し、
続いて、−側の前記シャントターミナルを前記ヨークに電気的に接続した後、再度前記メインコイルと前記ヨークとの間の絶縁状態を検査し、
続いて、前記ターミナル連結手段に+側の前記シャントターミナルと+側の前記メインターミナルとを電気的に接続した後、前記メインコイルと前記シャントコイルとの短絡検査、及び前記メインコイルの抵抗値と前記シャントコイルの抵抗値とを検査することにより、電気回路の不良を検出することを特徴とする回転電機の固定子の製造方法。
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