JP3813800B2 - 液晶セルパラメータ検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置等に用いられる液晶セルにおける、液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度等のパラメータを迅速に検出する液晶セルパラメータ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の液晶表示装置に広く使われている液晶セルとしては、液晶分子が2枚の基板面に対して平行に配向しており、その配向が両基板間で徐々にねじれて、90度ねじれるようにしたツイステッドネマティック液晶セル(以下、「TNセル」という)や、180度から270度程度ねじれているスーパーツイステッドネマティック液晶セル(以下、「STNセル」という)等が広く使われている。また、液晶セルの基板面内方向の電界成分により液晶分子の配向がねじれるように制御することで表示を行う、インプレーンスイッチング液晶セル(以下、「IPSセル」という)が広視野角特性を有することで広く使われている。このようなTNセルやSTNセルまたはIPSセルにおいては、表示の品質は液晶層の厚みや液晶分子配向のねじれの角度等に関わる液晶セルパラメータに強く依存する。したがって、液晶セルを製造する際や、その特性を評価する際には、液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度を迅速に検出することがきわめて重要である。
【0003】
従来、液晶層の厚みや液晶分子配向のねじれの角度を検出する方法としては、2枚の直線偏光板の間に液晶セルを配置し、光弾性変調素子により光路差を可変して透過光強度特性を求めカーブフィッティングすることで液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度を検出する方法や、液晶セル及び直線偏光板のいずれかを回転させて透過光強度が最大もしくは最小となる角度を求め、ジョーンズマトリクス法を用いて液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度を求める方法等が知られている。これらは、「Jpn.J.Appl.Phys.」(Vol.33,頁L434−436)、「Jpn.J.Appl.Phys.」(Vol.33,頁L1242−L1244)、「Jpn.J.Appl.Phys.」(Vol.35,頁4434−4437)、「第22回液晶討論会講演予稿集」(頁139−140)等に記載されている。また、液晶セルのストークスパラメータを求めて液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度を検出する方法が特開平10−153780号、特開平11−83730,特開平11−84335に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の方法は、液晶セルの透過光強度特性のカーブフィッティングを行い、または液晶セルや直線偏光板を回転させて透過光強度が最大もしくは最小となる角度を測定するものであり、また液晶セルのストークスパラメータを求めるため、装置が複雑で、操作や処理が面倒であり、特に測定に長時間を要するという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、上述の各問題を解決し、簡単な構成できわめて迅速に液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度等のパラメータを検出することができる液晶セルパラメータ検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、直線偏光と直線偏光が同心円もしくは放射状に分布した状態の間の偏光変換機能を有する2個の偏光変換素子をその中心をずらして配置し、前記偏光変換素子の間に液晶セルを挿入し、液晶セルを透過した光の透過光強度をそれぞれ複数箇所で検出し、透過光の強度が極値をとる座標を求め、求めた座標に基づいて液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度の少なくとも一方を求めることを特徴とする液晶セルパラメータ検出装置である。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶セルパラメータ検出装置において、波長が異なる複数の光の透過光強度をそれぞれ複数箇所で検出し、前記波長が異なる透過光の強度が極値をとる座標を求め、求めた座標に基づいて液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度の少なくとも一方を求めることを特徴とする液晶セルパラメータ検出装置である。
【0008】
請求項1に記載の液晶セルパラメータ検出装置及び請求項2に記載の液晶セルパラメータ検出装置を用いれば、簡単な構成できわめて迅速に液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度を検出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1には本発明における液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度検出装置の一実施形態の概略構成図を示している。図1において、1は光源であり、例えば波長が488nm、550nm、又は633nmを透過波長帯とする干渉フィルターとタングステンランプを組み合わせたものが用いられる。2は波長に依存せずに同心円もしくは放射状の偏光変換機能を有する偏光変換素子であり、入射した直線偏光を直線偏光が同心円もしくは放射状に分布した偏光状態に変換する。3はTNセル、STNセルIPSセル等の液晶セルである。4は直線偏光が同心円もしくは放射状に分布した偏光状態を直線偏光に変換する偏光変換素子であり、2の偏光変換素子を裏返したものに対応する。以降、これら2又は4の偏光変換素子を同心円もしくは放射状の変換機能を有する偏光変換素子と呼ぶ。また、同心円もしくは放射状の変換機能を有する偏光変換素子2と4は、その中心をずらして配置する。5はCCDカメラ等の2次元の光検出器であり、液晶セル3の複数箇所を透過した光の透過光強度を同時に検出することができ、液晶セル3の複数箇所の透過光強度信号を同時に出力する。6はデータ処理用のパーソナルコンピュータ等の処理装置であり、光検出器5から出力される液晶セル3の複数箇所の透過光強度信号に基づいて液晶セル3における液晶層の厚みや液晶分子配向のねじれの角度等を演算する。
【0010】
次に、本発明の液晶セルパラメータ検出装置の実施の形態の基本原理を説明する。本発明において使用する同心円もしくは放射状の変換機能を有する偏光変換素子2,4としては、同心円−ホモジニアス配向処理を行った2枚のガラス基板の間にネマティック液晶を封入した液晶セルと直線偏光板を組み合わせたものを使用することができる。すなわち、液晶分子が基板面に平行な方向に配向するような配向膜、例えばポリビニルアルコール膜やポリイミド膜等を付けたガラス基板を用い、図2に示すように一方のガラス基板7には同心円状に配向するようなラビング処理を行い,他方のガラス基板8にはホモジニアス配向となるように一方向にラビング処理を施した後、適当なスペーサを間に挟んでネマティック液晶(K15)を封入して同心円−ホモジニアス配向の液晶セルを作製した。液晶層の厚みはガラスロッドスペーサを用いて40μmとしたが、この厚みは入射偏光光線が液晶分子の配向方向に沿って回転して透過できるためのモーガン条件を満足している。なお、モーガン条件を満足していれば、他の厚みに設定することもできる。
【0011】
以上のようにして作製した同心円−ホモジニアス配向液晶セルの、ホモジニアス配向基板側に液晶分子の配向方向と同じ方向に直線偏光板の偏光方向が一致するように配置すると、入射光の偏光方向が液晶分子の配向が変化する方向に追随して変化するため、液晶セルを透過して同心円配向側から出射する際には、入射光の波長によらずその分子配向方向すなわち同心円状に分布した直線偏光状態となる。また、ホモジニアス配向基板側で液晶分子の配向方向に垂直な方向に直線偏光板の偏光方向が一致するように配置すると、出射光の偏光は同心円状の偏光に対して垂直に偏光している放射状に分布した直線偏光状態となる。一方、同心円配向側から同心円状に分布した直線偏光の光が入射すると、ホモジニアス配向側からはその液晶分子の配向方向に偏光した直線偏光の光が出射し、一方放射状に分布した直線偏光の光が入射すると液晶分子の配向方向に垂直に偏光した直線偏光の光が出射することになる。なお、このような偏光変換特性には波長依存性がないことが特徴である。すなわち、同心円−ホモジニアス配向の液晶セルと直線偏光板の組み合わせを用いることで、本発明において必須な素子である偏光変換素子2,4を構成することができる。
【0012】
前記の同心円−ホモジニアス配向の液晶セルを用い、出射光の偏光が放射状に分布するように直線偏光板をホモジニアス配向基板側で液晶分子の配向方向に対して偏光方向が垂直となるように配置した2個の偏光変換素子を、同心円ラビング側を内側にしてそれぞれの中心をずらして配置した場合を図3に示す。図3で、それぞれの偏光変換素子2,4は特殊な偏光板として機能している。すなわち、図3の矢印はそれぞれ放射状に分布した偏光方向を表しており、偏光方向が互いに平行または直交となっている位置では、それぞれ2枚の直線偏光板の偏光方向が互いに平行になる、または偏光方向が直交となるような状態に対応している。すなわち、二個の同心円−ホモジニアス配向液晶セル及び直線偏光板の組み合わせからなる偏光変換素子の各々の中心をずらして配置することで、偏光変換素子の偏光方向のあらゆる角度での組み合わせが空間的に分布している状態を得ることができる。なお、同心円状に分布した偏光を出射するような偏光変換素子も同様に使用することができる。
【0013】
次に、本発明の液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度検出方法の基本原理を説明する。ここで、図4に示すような座標系をとる。図4に示す座標系において、液晶セル3における液晶分子配向のねじれの角度をφ、光入射側の基板における液晶のダイレクタとx軸とのなす角度をγとする。実効的に作用する偏光子及び検光子の偏光方向とx軸とのなす角度をα及びβとする。ここで、α及びβは座標x、yの関数である。2次元の座標系x、yにおいて、2枚の偏光板すなわち偏光子と検光子の間に配置した液晶セル3の透過光強度分布T(x,y)をジョーンズマトリクスを用いて解析すると(1)式のように示される。
【0014】
【数1】
(1)式において、u、θは
【0015】
【数2】
である。ここで、Δnは液晶の異常光に対する屈折率と常光に対する屈折率の差すなわち複屈折であり、dは液晶層の厚みであり、λは入射光の波長である。
【0016】
透過光強度T(x,y)が極大値または極小値をとる座標の値から、以下の方法により液晶層の厚みdや液晶分子配向のねじれの角度φを求めることができる。(1)式から、T(x,y)は(β−α)及び(β+α)の関数であるので、T(x,y)が極値をとる場合には次の(3)式及び(4)式が同時に成り立つことが必要とされる。
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
したがって、(5)式及び(6)式が得られる。
【0019】
【数5】
【0020】
【数6】
(5)式及び(6)式でm及びnは整数である。図5及び図6にβ(x,y)−α(x,y)及びβ(x,y)+α(x,y)の分布特性を示す。すなわち、α(x,y)及びβ(x,y)は図5及び図6に示したように透過光強度T(x,y)が極小値あるいは極大値をとる座標から求めることができる。また、m及びnの値は、液晶分子配向のねじれの角度φまたは液晶層の厚みdの値が概略見当がつくものとすれば、それぞれ適切な値に定めることができる。Δn及びλは測定時において既知のパラメータであるので、ねじれの角度φ又は液晶層の厚みdのどちらかの値が分かれば(5)式及び(2)式を用いて他の未知の値を求めることができる。さらに波長λとして、複数の値を用いることで、(2)式及び(5)式においてそれぞれβ(x,y)−α(x,y)及びmを与えることにより、ねじれの角度φ及び液晶層の厚みdを求めることができる。さらに(5)式により求めたφの値を(6)式に代入し、β(x,y)+α(x,y)及びnを与えることにより、γを求めることができる。
【0021】
次に、図1に示した液晶セルパラメータ検出装置を用い、本発明の実施の形態により液晶層の厚みd及び液晶分子の配向のねじれの角度φ等のパラメータを検出する処理の手順について説明する。
【0022】
まず、CCD等の撮像素子からなる二次元の光検出器5を用い、2個の偏光変換素子2,4の間に挿入した液晶セル3の透過光強度T(x,y)の二次元分布を測定し、T(x,y)が極小値あるいは極大値を示す座標(x,y)を求める。
【0023】
次に偏光変換素子により生成される検光子及び偏光子の実効的な偏光方向に対応する角度β(x,y)及びα(x,y)の値を前記の手法により求めた座標(x,y)から求める。入射光の波長λは既知であり、それぞれ測定に用いた波長における液晶の複屈折Δnの値も既知であるため、液晶層の厚みdが分かっている場合には(2)式にそれらの値を代入するとu及びθをねじれの角度φのみで表すことができる。このようにして求めたu及びθとT(x,y)が極値をとる座標(x,y)から求めたβ(x,y)−α(x,y)を(5)式に代入することによりφを決定することができる。また、ねじれの角度φが分かっている場合にも同様の手法により液晶層の厚みdを求めることができる。なお、(2)式において示されるuは波長λの関数であるため、複数の波長λにおいて極値を求める手順を行うことによって、ねじれ角φのみならず液晶層の厚みdを同時に求めることができる。
【0024】
なお、前記の手順により液晶層の厚みd及び液晶分子配向のねじれの角度φのみならず、(4)式及び(6)式を用いると、さらに入射光側の液晶のダイレクタがx軸となす角度γも同時に求めることができる。このことはすなわち、2個の偏光変換素子2、4の間に挿入して液晶層の厚みや液晶分子配向のねじれの角度を測定する液晶セル3における液晶のダイレクタの方向を正確に設定する必要がないことを意味している。さらに、本実施例においては光検出器としてCCDカメラを用いており、ビデオレートで画像を取り込んで処理を行っているので、液晶分子配向のねじれの角度が高速に変化するような場合であっても、この速度に対応する速度で液晶分子配向のねじれの角度及びその変化等を検出することができる。
【0025】
次に、本発明による液晶層の厚みd及び液晶分子配向のねじれの角度φを求めるための具体例として、液晶分子配向のねじれの角度を求める例を示す。2個の偏光変換素子2,4の間に挿入した液晶セル3の透過光強度T(x,y)の二次元分布特性の一例を図7(a)に示す。液晶セル3は、液晶材料としてK15を用い、配向膜としてポリビニルアルコールの膜を使用した。2枚のガラス基板を同一の条件下において一方向にラビング処理を施した。ラビング方向の組み合わせ角は90度となるように設定し、TNセルを作製した。TN液晶セル3に液晶を充填する前の空セルの状態において光干渉法により2枚のガラス基板間の間隔を測定した結果5.2μmであった。光源1としてはタングステンランプによる白色光源に550nmの波長帯を透過する干渉フィルタを組み合わせた単色光を使用した。このような単色光を用いることで、レーザ光源を使用する場合に見られる干渉効果がなく、より高品質の透過光強度分布画像を得ることができるため、測定の精度を向上させることができた。図7(a)に対応するシミュレーションを行った結果を図7(b)に示した。わずかなコントラストの相違及び倍率の違い等を除いて、シミュレーションによる結果と実測値はよく一致していることがわかる。なお、図7(a)及び図7(b)から、T(x,y)が極小値をとる位置が2箇所あることがわかる。いずれの極小値をとる座標を用いても同様の結果が得られるが、液晶セル3における液晶層の厚みに分布がある場合には少し異なった値が得られる場合もある。液晶層の厚みが均一であるとしてシミュレーションを行った結果からは、極小値をとる2箇所での値に差は生じなかった。
【0026】
同様に、光源1としてタングステンランプによる白色光源に550nm又は633nmの波長帯を透過する干渉フィルターを組み合わせた単色光を使用して透過光強度T(x,y)の二次元分布特性を測定し、極小値をとる座標の値(x,y)からそれぞれの波長におけるβ−αの値を求めた結果を図8に示す。また、(5)式を用いてφ及びu等をパラメータとして実測値ともっともよく適合するようにした(カーブフィッティング)場合の例を図8中に実線で示す。これらの結果から液晶層の厚みd及び液晶分子配向のねじれの角度φを求めたところ、それぞれ液晶層の厚みdについては5.3μm、液晶分子配向のねじれの角度φについては84.8度という値が得られた。なお、透過光強度が極小値(又は極大値)をとる座標は、光源の波長によって異なるため、液晶層の厚みdと液晶分子配向のねじれの角度φは同一の場所におけるそれぞれの値に対応しているとは限らない。また、本実施例では光源の波長をそれぞれ切り替えて透過光強度が極値をとる座標を求めたが、たとえば488nm(青色),550nm(緑色),633nm(赤色)の三原色に対応する単色光の中の二組もしくは三組全部を同時に入射し、CCDカラー撮像素子を用いて青色、緑色、赤色、各々の画像における強度の極値を同時に求めることにより、きわめて迅速に液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度を検出することができる。複数の単色光のみを同時に透過するフィルターとしては、リオフィルター等のフィルターを使用することができる。
【0027】
次に、本発明による液晶セルパラメータを検出する装置を用いて高速測定を行った例について説明する。通常のディスプレイ等に使用されている液晶セルでは、液晶層の厚みは時間と共に変化しないと考えられるので、時間と共に変化する液晶セルのパラメータの実測結果として、液晶分子配向のねじれの角度変化について測定した。液晶分子に対する配向規制力が比較的弱く、また時間の経過と共に液晶分子配向のねじれの角度が変化する配向膜として知られているポリメチルメタクリレート(PMMA)膜を用いて作製したTN液晶セル3における液晶分子配向のねじれの角度φの時間経過による変化を測定した結果を図9に示す。ここで、液晶セル3の厚みは14.5μmである。その他の作製条件は図7(a)の場合と同様である。液晶K15は毛細管現象を利用して空セル内に注入し、測定する領域に液晶が流動により到達した時点を時刻t=0秒としている。図9から、tが数秒程度以下の場合においても、液晶分子配向のねじれの角度φが測定できていることがわかる。また、ねじれの角度φが時間の経過とともに減少していることも確認できる。なお、図9では1秒程度よりも短いtの値での測定値が示されていないが、これは毛細管現象により液晶が空セル内に流動注入されている状況下での測定のためであり、実際にはビデオレートである数10ミリ秒程度の時間内でねじれの角度を測定することが可能である。高速ビデオを用いて撮影を行うことで、より早い変化を測定することはもちろん可能である。
【0028】
なお、本発明においては、透過光強度分布特性の分布において液晶セル3の厚みの不均一性が測定誤差の一因となる。このことについては、測定領域をごく狭い範囲に限定することで液晶層の厚みの不均一による影響を減少させることができる。測定誤差に影響する他の重要な要因は、透過光強度が極大あるいは極小となる座標の測定精度、すなわち光検出器5に用いるCCDカメラの分解能である。本実施例においては、使用したCCDカメラによる測定画像の画素数は640×480であった。この場合には、ねじれの角度における測定精度は約1度である。さらに高い分解能をもつ光検出器を用いて透過光強度分布に対応する画像を測定することによって、より高精度の測定システムを構成することができる。また、液晶セル3の透過光強度分布からジョーンズマトリクスを用いて解析する場合についての実施例を示したが、4×4マトリクス法を適用すると、さらに高精度で液晶セルの厚みや液晶分子配向のねじれの角度等のパラメータを検出することが可能となる。
【0029】
本発明による液晶セルパラメータ検出装置を用いると、特に液晶セルにおける配向膜近傍での液晶のダイレクタの動的な挙動を解析するために有用であり、またこの解析により液晶と配向膜の界面における動的な物性を解明するための有用な手段として利用できる。さらに、IPSセルにおける液晶のダイレクタの動的な解析や評価等においても有用な手段になり得る。光検出器として、高速動作の電子式カメラ等を使用することで、さらに高速で液晶セルのパラメータを測定することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によると、簡単な構成できわめて迅速に液晶セルにおける液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度等のパラメータを測定することができ、特に液晶分子配向のねじれの角度における時間依存性を高速で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における液晶セルパラメータ検出装置の一実施の形態の構成図である。
【図2】同心円ラビング及び一方向ラビングを施した基板を用いて構成した偏光変換素子の構成図である。
【図3】2個の偏光変換素子の中心をずらして配置した構成図である。
【図4】入射光の偏光方向、液晶分子の配向方向、液晶分子の配向のねじれの角度、偏光子及び検光子の関係を示す図である。
【図5】β(x,y)−α(x,y)の角度分布特性を示す図である。
【図6】β(x,y)+α(x,y)の角度分布特性を示す図である。
【図7】二次元の透過光強度分布T(x,y)の(a)実測値、及び(b)シミュレーションによる結果を示す図である。
【図8】二波長におけるβ(x,y)−α(x,y)の実測値とパラメータの最適化(カーブフィッティング)曲線を示す図である。
【図9】液晶分子配向のねじれの角度φの時間変化特性を示す図である。
【符号の説明】
1 光源(タングステンランプと干渉フィルタ)
2 偏光変換素子
3 液晶セル
4 偏光変換素子
5 光検出器
6 処理装置
7 同心円状に配向するようにラビング処理を行ったガラス基板
8 ホモジニアス配向となるように一方向にラビング処理を行ったガラス基板
Claims (2)
- 直線偏光と直線偏光が同心円もしくは放射状に分布した状態の間の偏光変換機能を有する2個の偏光変換素子をその中心をずらして配置し、前記偏光変換素子の間に液晶セルを挿入し、液晶セルを透過した光の透過光強度をそれぞれ複数箇所で検出し、透過光の強度が極値をとる座標を求め、求めた座標に基づいて液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度の少なくとも一方を求めることを特徴とする液晶セルパラメータ検出装置。
- 請求項1に記載の液晶セルパラメータ検出装置において、波長が異なる複数の光の透過光強度をそれぞれ複数箇所で検出し、前記波長が異なる透過光の強度が極値をとる座標を求め、求めた座標に基づいて液晶層の厚み及び液晶分子配向のねじれの角度の少なくとも一方を求めることを特徴とする液晶セルパラメータ検出装置。
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