JP3813310B2 - (メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、パップ剤(貼布剤)等の粘着基材等に好適に用いられる(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、(メタ)アクリル酸塩系重合体は、その重合度が高くなる程、つまり、高分子量になる程、増粘作用等が向上するので、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となる。また、上記用途に好適に用いることができるように、(メタ)アクリル酸塩系重合体は、水溶性に優れていることが好ましい。
【0003】
従来より、高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を製造する方法が種々提案されている。例えば、特開昭51−68690号公報には、アクリル酸ナトリウムを、重合開始剤として過硫酸塩とアミン類とを用いて重合させることにより、ポリアクリル酸ナトリウムを製造する方法が開示されている。また、例えば、特開平6−56912号公報には、(メタ)アクリル酸を主成分とする重合性単量体を、アルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンと、エチレングリコールやプロピレングリコール等の水酸基含有水溶性化合物との存在下でラジカル重合させることにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体を製造する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭51−68690号公報に開示されている製造方法では、極限粘度(固有粘度)が8.9dl/g程度のポリアクリル酸ナトリウムしか得ることができない。また、特開平6−56912号公報に開示されている製造方法では、重量平均分子量(Mw)が150万程度の(メタ)アクリル酸塩系重合体しか得ることができない。従って、上記従来の製造方法では、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となるような分子量を備えた(メタ)アクリル酸塩系重合体、即ち、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となるような、重量平均分子量が数百万以上の、いわゆる超高分子量の(メタ)アクリル酸塩系重合体を得ることができないという問題点を有している。それゆえ、超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造する方法が嘱望されている。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となるような、超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法について鋭意検討した。その結果、(メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で、より好ましくは反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させて重合させることにより、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となるような、超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造することができることを見い出して、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、請求項1記載の発明の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、(メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で、反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させて重合させることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法において、(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコールの量が、0.01重量%〜20重量%の範囲内であることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、(メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で重合させ、(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコールの量が、0.01重量%〜20重量%の範囲内であることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1、2、または3記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法において、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の量が、1×10-5モル〜1×10-2モルの範囲内であることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の発明の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし4の何れか1項に記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法において、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の量が、1×10-6モル〜5×10-4モルの範囲内であることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の発明の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし5の何れか1項に記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法において、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の量をaモルとし、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の量をbモルとするとき、両者の積(a×b)が1×10-10 〜1.5×10-8の範囲内であることを特徴としている。
【0013】
上記の方法によれば、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の相乗効果により、従来の方法と比較して(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度を著しく高くすることができる。そして、反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させることにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をより一層高くすることができる。その上、(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の量を或る範囲内に設定することにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をさらに一層高くすることができる。これにより、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となるような、重量平均分子量が数百万以上の、いわゆる超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造することができる。
【0014】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0015】
本発明にかかる(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、(メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で、より好ましくは反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させて重合させる方法である。
【0016】
本発明において原料として用いられる(メタ)アクリル酸塩系単量体は、(メタ)アクリル酸塩を60重量%以上の割合で含んでいる。つまり、(メタ)アクリル酸塩系単量体は、(メタ)アクリル酸塩だけを含んでいてもよく、必要に応じて、(メタ)アクリル酸塩と共に、該(メタ)アクリル酸塩と共重合可能な単量体(以下、共重合単量体と記す)を、40重量%以下の範囲内で含んでいてもよい。従って、本発明にかかる(メタ)アクリル酸塩系単量体は、(メタ)アクリル酸塩と、必要に応じて用いられる共重合単量体とを含んでいる。
【0017】
(メタ)アクリル酸塩としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら(メタ)アクリル酸塩は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。(メタ)アクリル酸塩のうち、アクリル酸塩がより好ましい。
【0018】
共重合単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド等の不飽和スルホン酸系単量体;上記不飽和スルホン酸系単量体を、1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で部分中和または完全中和してなる中和物;3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレンアルコール)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル、α−ヒドロキシアクリル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ビニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のカチオン性単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の含リン単量体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体;上記不飽和ジカルボン酸系単量体を、1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で部分中和または完全中和してなる中和物;クロトン酸等の不飽和カルボン酸系単量体;上記不飽和カルボン酸系単量体を、1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で部分中和または完全中和してなる中和物;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら共重合単量体は、必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二種類以上を用いてもよい。
【0019】
本発明にかかる多価アルコールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ブタントリオール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら多価アルコールは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の化合物のうち、プロピレングリコール、グリセリンがより好ましい。
【0020】
(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコールの添加量は、特に限定されるものではないが、0.01重量%〜20重量%の範囲内がより好ましく、0.1重量%〜10重量%の範囲内がさらに好ましい。これにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をさらに一層高くすることができる。多価アルコールの添加量が0.01重量%よりも少ない場合、または、多価アルコールの添加量が20重量%を越える場合には、超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造することが困難となるおそれがある。
【0021】
本発明にかかるアミン類としては、具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、エチルヘキシルアミン、エトキシプロピルアミン、ジメチルラウリルアミン、ポリエチレンイミン、ピリジン、アミノ安息香酸、アミノフェノール、アニリン、ジメチルアニリン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらアミン類は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の化合物のうち、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンがより好ましい。
【0022】
(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の添加量は、特に限定されるものではないが、1×10-5モル〜1×10-2モルの範囲内がより好ましく、1×10-4モル〜3×10-3モルの範囲内がさらに好ましい。これにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をさらに一層高くすることができる。アミン類の添加量が1×10-5モルよりも少ない場合には、重合の進行が遅くなる。アミン類の添加量が1×10-2モルを越える場合には、超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造することが困難となるおそれがある。
【0023】
本発明にかかる重合開始剤としては、具体的には、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、クメンハイドロパーオキサイド、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のラジカル重合開始剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の化合物のうち、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩がより好ましい。
【0024】
(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の添加量は、特に限定されるものではないが、1×10-6モル〜5×10-4モルの範囲内がより好ましく、4×10-6モル〜3×10-5モルの範囲内がさらに好ましい。これにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をさらに一層高くすることができる。重合開始剤の添加量が1×10-6モルよりも少ない場合には、重合の進行が遅くなる。重合開始剤の添加量が5×10-4モルを越える場合には、超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造することが困難となるおそれがある。
【0025】
そして、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の添加量をaモルとし、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の添加量をbモルとするとき、両者の積(a×b)は、1×10-10 〜1.5×10-8の範囲内であることが特に好ましい。これにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度を特に一層高くすることができる。
【0026】
本発明にかかる製造方法においては、水等の溶媒の存在下で、つまり、溶液状態で、(メタ)アクリル酸塩系単量体を重合させる。溶液中における(メタ)アクリル酸塩系単量体の濃度が高い程、得られる(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度が高くなり、高分子量となる。従って、溶液中における該濃度は、重合を均一に行うことができる範囲内において、できるだけ高濃度であることが好ましい。
【0027】
溶媒と(メタ)アクリル酸塩系単量体とを混合する方法は、特に限定されるものではない。また、(メタ)アクリル酸塩系単量体に、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤を添加する方法や順序は、特に限定されるものではない。つまり、(メタ)アクリル酸塩系単量体、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤を含んでなる反応液を調製する方法は、特に限定されるものではない。
【0028】
上記の反応液は、アルカリ性に調節されていることが望ましく、具体的には、反応液のpHは、8.0〜14の範囲内がより好ましく、9.0〜13.5の範囲内がさらに好ましい。反応液をアルカリ性に調節するには、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を反応液に添加すればよい。また、反応液が溶存酸素を含んでいる場合には、例えば窒素ガスやヘリウムガス等の不活性ガスをバブリングすることによって該溶存酸素を除去することが望ましい。
【0029】
本発明にかかる製造方法においては、上記の反応液を反応装置に仕込み、加温装置を用いて必要に応じて所定温度に加温することにより、重合を開始する。該重合は、例えば窒素ガスやヘリウムガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことがより好ましい。また、重合時の圧力は、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよいが、常圧がより好ましい。
【0030】
重合の形態は、特に限定されるものではないが、水溶液重合並びに静置重合がより好ましく、両者を組み合わせた水溶液静置重合が特に好ましい。上記形態を採用することにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をより一層高くすることができ、超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体をより一層効率的に製造することができるので、工業的に有利である。
【0031】
反応装置は、本発明にかかる製造方法を実施するのに好適な構成となっていればよく、特に限定されるものではない。また、加温装置は、反応装置、即ち、反応液を所定温度に均一に加温することができる構成となっていればよく、具体的には、例えば恒温水槽等が挙げられるが、特に限定されるものではない。例えば反応装置に加熱用のジャケットが設けられている場合には、該ジャケットを加温装置として用いることができる。
【0032】
加温装置の設定温度、つまり、反応液を加温する加温温度は、重合開始時においてはできるだけ低温であることが好ましく、具体的には、5℃〜40℃の範囲内がより好ましい。一方、該加温温度は、重合終了時においては、50℃〜90℃の範囲内がより好ましい。従って、本発明にかかる製造方法においては、反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させることが好ましい。
【0033】
加温温度を昇温させる方法としては、具体的には、例えば、重合開始時における温度を所定時間保持した後、該温度を重合終了時における温度にまで段階的に昇温させる(昇温と保持とを適宜繰り返しながら重合終了時における温度にまで昇温させる)方法;重合開始時における温度を所定時間保持した後、該温度を重合終了時における温度にまで連続的に昇温させる方法;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。要するに、重合開始時における加温温度よりも、重合終了時における加温温度の方が高くなるように、該加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させることができる方法であればよい。
【0034】
加温温度を昇温させる最初のタイミングは、(メタ)アクリル酸塩系単量体の重合(ラジカル重合)が発熱反応であることから、例えば、反応液の重合温度(反応装置の内温)がピーク温度に達してから、0.5時間〜1.0時間程度経過した後とすればよいが、特に限定されるものではない。また、段階的に昇温させる場合における2回目以降のタイミングは、特に限定されるものではない。
【0035】
重合の終了時点は、例えば、反応液の重合温度(反応装置の内温)と、加温温度との温度差が或る範囲内となった時点とすればよい。(メタ)アクリル酸塩系単量体の重合は発熱反応であるので、重合が盛んに行われている間は両温度の温度差が大きくなる一方、重合が殆ど行われなくなってくると両温度の温度差が殆ど無くなる。つまり、両温度の温度差が殆ど無くなった時点で、重合は実質的に完了する。従って、重合時間は、重合の進行度合いを確認しながら適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0036】
次に、本発明にかかる製造方法に好適に用いられる反応装置の一例について、図1および図2を参照しながら、より一層具体的に説明する。尚、反応装置の構成は、下記例示の構成にのみ限定されるものではない。
【0037】
図1および図2に示すように、反応装置としての重合容器は、2枚の型枠1・1を複数のボルト・ナット(図示せず)を用いて締結することにより構成されている。型枠1・1は、厚さ2mmの略「ロ」字状のゴム製パッキング8を介して締結されており、内部に略直方体状の空間部10を有している。型枠1は、390mm×390mmの大きさに形成されている。
【0038】
型枠1・1は、厚さ5mmのステンレス板(SUS 304)からなっている。型枠1は、重合容器となったときに上記空間部10を形成する重合部1a、その重合部1aの周囲に設けられた締結部1b、および、重合部1aと締結部1bとを連結する段差部1dからなっている。締結部1bには複数のボルト孔1c…が形成されている。重合部1a並びに段差部1dの内面、即ち、空間部10が形成される側の面は、三フッ化エチレン樹脂でライニング処理されており、これにより、得られるゲル状の(メタ)アクリル酸塩系重合体が取り出し易くなっている。
【0039】
重合部1aは、締結部1bから外側に24mm突出しており(つまり、段差部1dの高さが24mm)、それゆえ、空間部10の幅は50mmである。また、重合部1aは、300mm×300mmの大きさに形成されており、従って、空間部10の容積は、ほぼ5Lとなっている。
【0040】
また、上記段差部1dにおける所定位置には、(メタ)アクリル酸塩系単量体を含む反応液を空間部10に注入するための反応液注入口2と、温度計9を空間部10に挿入するための温度計挿入口3とが設けられている。反応液注入口2の先端部には、耐圧性ゴム管4を介してガラスコック5が取り付けられている。ガラスコック5は、反応液を注入するときに開状態とされる一方、重合時等には閉状態とされる。温度計挿入口3の先端部には、温度計9を差し込んで固定するための穴を有するシリコーンゴム栓6が取り付けられている。また、温度計挿入口3は、温度計9を挿入したときに、該温度計9の先端部が空間部10の中心部に位置するように、その取付角度が段差部1dに対して設定されている。尚、反応液注入口2は、型枠1・1の両方に設けられており、反応液を注入する際には、何れか一方が注入口となり、他方が空気を抜く排出口となる。また、温度計挿入口3は、何れか一方の型枠1にのみ設けられている。
【0041】
上記構成の重合容器を用いた(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法の一例について、以下に説明する。尚、製造方法の手順は、下記例示の手順にのみ限定されるものではない。
【0042】
先ず、パッキング8を介して型枠1・1を複数のボルト・ナット(図示せず)を用いて締結することにより、重合容器を形成すると共に、温度計9を温度計挿入口3に挿入する。一方、(メタ)アクリル酸塩系単量体を含む反応液5Lを調製する。
【0043】
重合容器の空間部10に反応液注入口2を通じて上記の反応液を入れた後、ガラスコック5・5を閉状態とし、重合容器内部を密閉する。次いで、重合容器を例えば恒温水槽等の加温装置内にセットする。尚、加温装置は、重合容器全体を浸漬することができ、かつ、所定温度に均一に加温することができる構成となっている。
【0044】
次いで、重合を開始する。重合時にはガラスコック5・5が閉状態となっているので、重合容器内部は若干の加圧状態となる。そして、加温温度を前記したように段階的若しくは連続的に昇温させて重合を進行させ、例えば、反応液の重合温度(温度計9が示す温度)と、加温温度との温度差が殆ど無くなった時点で、重合を終了する。重合終了後、重合容器を冷却し、ボルト・ナットを弛めて型枠を開き、内容物であるゲル状の(メタ)アクリル酸塩系重合体を取り出す。
【0045】
上記の製造方法により、ゲル状の(メタ)アクリル酸塩系重合体が得られる。該ゲル状の(メタ)アクリル酸塩系重合体は、必要に応じて、押出機やナイフ等を用いて細断した後、乾燥・粉砕等を行うことにより、粉末状にすることができる。これにより、該(メタ)アクリル酸塩系重合体の保存(貯蔵)時、輸送(運搬)時等における取り扱い性が向上する。
【0046】
以上のように、本発明にかかる製造方法によれば、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の相乗効果により、従来の方法と比較して(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度を著しく高くすることができる。そして、反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させることにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をより一層高くすることができる。その上、(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の量を前記範囲内に設定することにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をさらに一層高くすることができる。これにより、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となるような、重量平均分子量が数百万以上の、いわゆる超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造することができる。
【0047】
上記の製造方法によって得られる(メタ)アクリル酸塩系重合体の極限粘度(固有粘度)は、9.5dl/g〜17.0dl/gの範囲内であり、従って、重量平均分子量が数百万以上の、いわゆる超高分子量となっている。極限粘度の測定方法については後段で詳述する。また、該(メタ)アクリル酸塩系重合体は、水溶性に優れている。(メタ)アクリル酸塩系重合体は、例えば、パップ剤(貼布剤)等の粘着基材等に好適に用いられるが、その他にも、化粧品の増粘剤、泥水の粘度調整剤、豚の胃潰瘍防止剤、カーペットの接着剤等の種々の用途に好適に供することができる。尚、(メタ)アクリル酸塩系重合体の用途は、特に限定されるものではない。
【0048】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例および比較例においては、前記した重合容器(図1および図2に示した重合容器)を反応装置として用いて、水溶液静置重合を行った。(メタ)アクリル酸塩系重合体の極限粘度(固有粘度)は、下記方法で測定した。また、(メタ)アクリル酸塩系重合体を用いたパップ剤は、下記方法で作製した。そして、(メタ)アクリル酸塩系重合体の溶解性、並びに、該パップ剤の賦形性は、下記方法で評価した。
【0049】
(ア)極限粘度〔η〕の測定方法
先ず、所定重量の(メタ)アクリル酸塩系重合体に、所定容量の脱塩水を加えることにより、試料含有量0.2%(重量/容量)の試料混合物を作成する。この試料混合物を18時間〜20時間程度静置して、(メタ)アクリル酸塩系重合体を脱塩水に膨潤・溶解させる。次に、該試料混合物をマグネチック・スターラーを用いて2時間攪拌して、均一溶液とした後、ガラスフィルタ(3G)を用いて濾過することにより、試料濃度0.2%の試料溶液を調製する。一方、4N−水酸化ナトリウム水溶液と、2N−水酸化ナトリウム水溶液とを調製する。
【0050】
次いで、4N−水酸化ナトリウム水溶液50mlと、上記の試料溶液50mlとを、それぞれホールピペットで計り取って混合し、10分間攪拌することにより、0.1%溶液を得る。さらに、2N−水酸化ナトリウム水溶液5mlと、この0.1%溶液20mlとを、それぞれホールピペットで計り取って混合し、5分間攪拌することにより、0.08%溶液を得る。同様の操作を行って、2N−水酸化ナトリウム水溶液10mlと、0.1%溶液15mlとを混合・攪拌することにより、0.06%溶液を得る。また、2N−水酸化ナトリウム水溶液15mlと、0.1%溶液10mlとを混合・攪拌することにより、0.04%溶液を得る。さらに、2N−水酸化ナトリウム水溶液5mlと、0.1%溶液20mlとを混合・攪拌することにより、0.02%溶液を得る。
【0051】
一方、測定に使用するキャノンフェンスケ(Cannon-Fenske) 粘度計を、水温が30±0.1℃に調節された恒温水槽内に垂直にセットする。そして、該粘度計に上記の2N−水酸化ナトリウム水溶液10mlをホールピペットで計り入れ、30分間放置する。次いで、該水溶液を吸引して測時球内に引き上げた後、水溶液を自然落下させ、液面が測時球の上標線を通過した時点から、下標線を通過する時点までの時間(所要時間)を、ストップウォッチを用いて計測する。上記の測定を3回以上繰り返し、その平均値を粘度計ブランク時間とする。
【0052】
次に、上記粘度計に上記の0.1%溶液10mlをホールピペットで計り入れ、30分間放置する。次いで、該水溶液を吸引して測時球内に引き上げた後、水溶液を自然落下させ、上記と同様にして所要時間を計測する。上記の測定を3回以上繰り返し、その平均値を流下時間とする。同様の操作を行って、0.08%溶液、0.06%溶液、0.04%溶液、および、0.02%溶液の所要時間を計測し、その平均値を流下時間とする。
【0053】
上記の流下時間、並びに粘度計ブランク時間を用いて、下記式
ηrel =t/t0
ηsp =(t−t0 )/t0 =(t/t0 )−1=ηrel −1
ηsp/c=ηsp /c=(ηrel −1)/c
( 但し、 t =流下時間(秒)
t0 =粘度計ブランク時間(秒)
c =試料溶液の濃度(g/dl)
ηrel =相対粘度
ηsp =比粘度
ηsp/c=還元粘度 )
により、還元粘度を算出する。
【0054】
そして、試料溶液の濃度を横軸にし、還元粘度を縦軸にしたグラフに、上記式により算出した還元粘度(ηsp/c)をプロット(合計5つ)し、これら各点を例えば最小自乗法で求めた直線で結ぶと共に、該直線を試料溶液の濃度が0を示す直線、即ち、縦軸に外挿する。そして、縦軸と該直線との交点を求め、その値を(メタ)アクリル酸塩系重合体の極限粘度〔η〕(dl/g)とする。尚、特開平6−56912号公報に開示されている製造方法では、極限粘度が6dl/g〜7dl/g程度の(メタ)アクリル酸塩系重合体しか得ることができない。
【0055】
(イ)(メタ)アクリル酸塩系重合体の溶解性
容量500mlのビーカにイオン交換水499gを入れ、マグネチック・スターラーを用いて攪拌しながら、(メタ)アクリル酸塩系重合体1gを添加する。その後、該液をジャーテスターを用いて、さらに2時間、所定条件下で攪拌する。攪拌終了後、(メタ)アクリル酸塩系重合体が交換水に溶解しているか否か、つまり、溶解性を肉眼で観察する。そして、不溶解分が認められず、完全に溶解している場合を「◎」、微量の不溶解分が認められる場合を「○」、少量の不溶解分が認められる場合を「△」、多量の不溶解分が認められる場合を「×」と評価する。
【0056】
(ウ)パップ剤の作製方法
プロピレングリコール12重量部およびグリセリン40重量部を混合してなる混合溶媒に、(メタ)アクリル酸塩系重合体3.7重量部と、重量平均分子量80万のポリアクリル酸4.3重量部とを分散させることにより、A液を調製する。一方、水33.7重量部に、塩化アルミニウム六水和物0.3重量部を溶解させると共に、カオリン6重量部を分散させることにより、B液を調製する。そして、上記のA液とB液とを混合し、約15分間混練することにより、粘着基材とする。
【0057】
得られた粘着基材10gを、10cm×14cmの大きさの不織布の片面に均一に塗布した後、該粘着面(塗布面)をポリエチレンフィルムで覆う。これにより、パップ剤を作製する。その後、アルミニウム箔でコーティングされた積層袋に上記のパップ剤を入れ、開口部をヒートシールすることにより該積層袋を密閉する。そして、この積層袋を40℃、相対湿度75%の環境下に1日静置することにより、粘着基材を不織布に馴染ませる。
【0058】
(エ)パップ剤の賦形性
上記方法によって作製されたパップ剤を積層袋から取り出し、ポリエチレンフィルムを剥がした後、不織布の粘着面側を予め秤量してあるステンレス板(SUS 304)に手で押し当てて、該不織布を貼付する。そして、不織布が貼付されている面を上にしてステンレス板を水平に静置し、該不織布に10g/cm2の荷重を加えた状態で、37℃、相対湿度60%の環境下に6時間放置する。その後、ステンレス板から不織布を剥離し、該ステンレス板を秤量する。
【0059】
賦形性は、ステンレス板表面に付着(残存)している粘着基材の付着量(g)で評価する。従って、付着量が0gの場合に賦形性の評価は最高であり、付着量が増えるに従って評価は低くなる。
【0060】
〔実施例1〕
容量5Lのビーカに、(メタ)アクリル酸塩系単量体としてのアクリル酸ナトリウムの37重量%水溶液4,865重量部、多価アルコールとしてのグリセリン36重量部、アミン類としてのトリエタノールアミン0.766重量部、および、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム0.0383重量部を入れて、攪拌・混合することにより、これらを均一に溶解させた。次いで、この水溶液に、少量の水酸化ナトリウムを添加することにより、該水溶液のpHを11.5に調節した。その後、水溶液にイオン交換水を加えることにより、反応液5,000重量部を調製した。また、該反応液に含まれる溶存酸素は、窒素ガスをバブリングすることにより除去した。
【0061】
該反応液におけるアクリル酸ナトリウムの濃度は36重量%であった。そして、アクリル酸ナトリウムに対するグリセリンの添加量は2.0重量%であり、アクリル酸ナトリウム1モルに対するトリエタノールアミンの添加量〔a〕は2.7×10-4モルであり、アクリル酸ナトリウム1モルに対する過硫酸アンモニウムの添加量〔b〕は8.8×10-6モルであった。従って、両者の積(a×b)は2.4×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0062】
上記の反応液5,000重量部を重合容器に仕込んだ後、ガラスコックを閉じると共に温度計を挿入して、重合容器内部を密閉した。この重合容器を、予め水温が23℃に調節された恒温水槽(加温装置)に浸漬し、重合(水溶液静置重合)を開始した。従って、重合開始時の水槽温度(加温温度)は23℃である。
【0063】
重合容器を恒温水槽に浸漬した後、重合が徐々に進行して、浸漬した時点から6.0時間経過後に重合温度がピークに達して53℃(ピーク温度)となった。この間、水槽温度は23℃に保持した。そして、重合温度がピーク温度に達した後、さらに1.0時間、水槽温度を23℃に保持した。これにより、一次反応を終了した。その後、水槽温度を23℃から75℃に2.0時間かけて連続的に昇温させた。そして、該温度(加温温度)を2.0時間保持することにより熟成し、重合(二次反応)を完結させた。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0064】
重合終了後、重合容器を冷却し、ボルト・ナットを弛めて型枠を開き、内容物を取り出した。得られた内容物は透明なゲル状であった。該内容物を、鋏を用いて細断した後、熱風循環式乾燥機に入れ、190℃で2時間かけて乾燥させた。次いで、乾燥物を卓上粉砕機(協立理工株式会社製,商品名 SK−2型)を用いて粉砕することにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体としてのポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。
【0065】
得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は12.2dl/gであり、溶解性は「◎」であった。また、該ポリアクリル酸ナトリウムを用いて作製したパップ剤の賦形性(付着量)は0gであった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0066】
〔実施例2〕
実施例1において、アクリル酸ナトリウム1モルに対するトリエタノールアミンの添加量を5.4×10-4モルに変更した以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。積(a×b)は4.8×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0067】
上記の反応液5,000重量部を重合容器に仕込んだ後、密閉し、該重合容器を、予め水温が15℃に調節された恒温水槽に浸漬し、重合を開始した。従って、重合開始時の水槽温度は15℃である。
【0068】
重合容器を恒温水槽に浸漬した後、重合が徐々に進行して、浸漬した時点から5.5時間経過後に重合温度がピークに達して56℃(ピーク温度)となった。この間、水槽温度は15℃に保持した。そして、重合温度がピーク温度に達した後、さらに1.0時間、水槽温度を15℃に保持した。これにより、一次反応を終了した。その後、水槽温度を15℃から40℃に1.1時間かけて連続的に昇温させた。そして、該温度を6.0時間保持することにより熟成した(二次反応)。その後さらに、水槽温度を40℃から75℃に1.6時間かけて連続的に昇温させた。そして、該温度を1.0時間保持することにより熟成し、重合(三次反応)を完結させた。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0069】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は15.3dl/gであり、溶解性は「◎」であった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0070】
〔実施例3〕
実施例2において、アクリル酸ナトリウムに対するグリセリンの添加量を3.0重量%に、アクリル酸ナトリウム1モルに対するトリエタノールアミンの添加量を10.0×10-4モルに、アクリル酸ナトリウム1モルに対する過硫酸アンモニウムの添加量を4.4×10-6モルにそれぞれ変更した以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。積(a×b)は4.4×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0071】
上記の反応液5,000重量部を用いて、重合開始時の水槽温度を10℃に調節した以外は、実施例2と同様の反応条件下で重合した。すると、4.8時間経過後に重合温度がピークに達して48℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0072】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は16.9dl/gであり、溶解性は「○」であった。また、該ポリアクリル酸ナトリウムを用いて作製したパップ剤の賦形性(付着量)は0gであった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0073】
〔実施例4〕
実施例1において、重合開始時の水槽温度を26℃に調節した以外は、同様の反応条件下で重合した。すると、4.9時間経過後に重合温度がピークに達して58℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0074】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は10.3dl/gであり、溶解性は「◎」であった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0075】
〔実施例5〕
実施例1において、過硫酸アンモニウムの代わりに重合開始剤としての過硫酸カリウムを用い、アクリル酸ナトリウム1モルに対する該過硫酸カリウムの添加量を7.4×10-6モルに変更した以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。積(a×b)は2.0×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0076】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、6.1時間経過後に重合温度がピークに達して51℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0077】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は12.6dl/gであり、溶解性は「◎」であった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0078】
〔実施例6〕
実施例1において、過硫酸アンモニウムの代わりに重合開始剤としての2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製,商品名 V−50)を用い、アクリル酸ナトリウム1モルに対する該塩酸塩の添加量を25.8×10-6モルに変更すると共に、pHを9.0に調節した以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。積(a×b)は7.0×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0079】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、6.0時間経過後に重合温度がピークに達して53℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0080】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は11.9dl/gであり、溶解性は「◎」であった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0081】
〔実施例7〕
実施例1において、アクリル酸ナトリウムに対するグリセリンの添加量を9.0重量%に変更すると共に、pHを13.1に調節した以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0082】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、5.5時間経過後に重合温度がピークに達して56℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0083】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は11.3dl/gであり、溶解性は「◎」であった。また、該ポリアクリル酸ナトリウムを用いて作製したパップ剤の賦形性(付着量)は0gであった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0084】
〔実施例8〕
実施例1において、グリセリンの代わりに多価アルコールとしてのプロピレングリコール(添加量2.0重量%)を用いた以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0085】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、5.8時間経過後に重合温度がピークに達して55℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0086】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は13.3dl/gであり、溶解性は「◎」であった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0087】
〔実施例9〕
実施例1において、トリエタノールアミンの代わりにアミン類としてのジエタノールアミンを用い、アクリル酸ナトリウム1モルに対する該ジエタノールアミンの添加量を3.8×10-4モルに変更した以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。積(a×b)は3.3×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0088】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、6.2時間経過後に重合温度がピークに達して55℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0089】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は12.4dl/gであり、溶解性は「◎」であった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0090】
〔実施例10〕
実施例1において、アクリル酸ナトリウム1モルに対するトリエタノールアミンの添加量を17.0×10-4モルに変更した以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。積(a×b)は15.0×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0091】
上記の反応液5,000重量部を用いて、重合開始時の水槽温度を10℃に調節した以外は、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、3.3時間経過後に重合温度がピークに達して52℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0092】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は9.5dl/gであり、溶解性は「○」であった。また、該ポリアクリル酸ナトリウムを用いて作製したパップ剤の賦形性(付着量)は0gであった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0093】
〔実施例11〕
容量5Lのビーカに、(メタ)アクリル酸塩系単量体としてのアクリル酸ナトリウムの37重量%水溶液3,604重量部並びにメタクリル酸ナトリウムの30重量%水溶液1,312重量部、グリセリン34.5重量部、トリエタノールアミン0.709重量部、および、過硫酸アンモニウム0.0355重量部を入れて、攪拌・混合することにより、これらを均一に溶解させた。次いで、この水溶液に、少量の水酸化ナトリウムを添加することにより、該水溶液のpHを11.5に調節した。その後、水溶液にイオン交換水を加えることにより、反応液5,000重量部を調製した。また、該反応液に含まれる溶存酸素は、窒素ガスをバブリングすることにより除去した。
【0094】
該反応液におけるアクリル酸ナトリウムおよびメタクリル酸ナトリウムの合計の濃度、つまり、(メタ)アクリル酸ナトリウムの濃度は34.5重量%であった。そして、(メタ)アクリル酸ナトリウムに対するグリセリンの添加量は2.0重量%であり、(メタ)アクリル酸ナトリウム1モルに対するトリエタノールアミンの添加量は2.7×10-4モルであり、(メタ)アクリル酸ナトリウム1モルに対する過硫酸アンモニウムの添加量は8.8×10-6モルであった。従って、両者の積(a×b)は2.4×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0095】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、5.5時間経過後に重合温度がピークに達して55℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0096】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体としてのアクリル酸ナトリウム−メタクリル酸ナトリウム共重合体を粉末状で得た。得られた共重合体の極限粘度は10.5dl/gであり、溶解性は「◎」であった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0097】
〔比較例1〕
実施例1において、トリエタノールアミンを用いない以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0098】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合を開始した。しかしながら、重合は起こらなかった。即ち、ポリアクリル酸ナトリウムは得られなかった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0099】
〔比較例2〕
実施例1において、アクリル酸ナトリウムに対するグリセリンの添加量を0.13重量%に、アクリル酸ナトリウム1モルに対する過硫酸アンモニウムの添加量を53×10-6モルにそれぞれ変更すると共に、トリエタノールアミンを用いない以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0100】
上記の反応液5,000重量部を重合容器に仕込んだ後、密閉した。この重合容器を、予め水温が35℃に調節された恒温水槽に浸漬し、重合(水溶液静置重合)を開始した。
従って、重合開始時の水槽温度は35℃である。
【0101】
重合容器を恒温水槽に浸漬した後、重合が徐々に進行して、浸漬した時点から1.3時間経過後に重合温度がピークに達して93℃(ピーク温度)となった。この間、水槽温度は35℃に保持した。そして、重合温度がピーク温度に達した後、さらに4.0時間、水槽温度を35℃に保持した。これにより、重合を終了した。つまり、二次反応を行わずに重合を完結させた。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0102】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの溶解性は「◎」であった。しかしながら、ポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は6.7dl/gと低かった。また、該ポリアクリル酸ナトリウムを用いて作製したパップ剤の賦形性(付着量)は1.2gであり、劣っていた。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0103】
〔比較例3〕
実施例1において、アクリル酸ナトリウム1モルに対する過硫酸アンモニウムの添加量を88×10-6モルに変更すると共に、トリエタノールアミンを用いない以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0104】
上記の反応液5,000重量部を重合容器に仕込んだ後、密閉した。この重合容器を、予め水温が23℃に調節された恒温水槽に浸漬し、重合(水溶液静置重合)を開始した。従って、重合開始時の水槽温度は23℃である。
【0105】
重合容器を恒温水槽に浸漬した後、重合が徐々に進行して、浸漬した時点から5.8時間経過後に重合温度がピークに達して62℃(ピーク温度)となった。この間、水槽温度は23℃に保持した。そして、重合温度がピーク温度に達した後、さらに1.0時間、水槽温度を23℃に保持した。これにより、重合を終了した。つまり、二次反応を行わずに重合を完結させた。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0106】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。得られたポリアクリル酸ナトリウムの溶解性は「◎」であった。しかしながら、ポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は7.2dl/gと低かった。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0107】
〔比較例4〕
実施例1において、アクリル酸ナトリウムの濃度を35重量%に、アクリル酸ナトリウム1モルに対するトリエタノールアミンの添加量を20.7×10-4モルに、アクリル酸ナトリウム1モルに対する過硫酸アンモニウムの添加量を20.7×10-6モルにそれぞれ変更すると共に、グリセリンを用いない以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。積(a×b)は42.8×10-9であった。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0108】
上記の反応液5,000重量部を重合容器に仕込んだ後、密閉した。この重合容器を、予め水温が30℃に調節された恒温水槽に浸漬し、重合(水溶液静置重合)を開始した。
従って、重合開始時の水槽温度は30℃である。
【0109】
重合容器を恒温水槽に浸漬した後、重合が徐々に進行して、浸漬した時点から1.1時間経過後に重合温度がピークに達して84℃(ピーク温度)となった。この間、水槽温度は30℃に保持した。そして、重合温度がピーク温度に達した後、さらに1.9時間、水槽温度を30℃に保持した。これにより、重合を終了した。つまり、二次反応を行わずに重合を完結させた。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0110】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。しかしながら、得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は7.4dl/gと低く、また、溶解性は「△」であり、劣っていた。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0111】
〔比較例5〕
実施例1において、グリセリンを用いない以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0112】
上記の反応液5,000重量部を重合容器に仕込んだ後、密閉した。この重合容器を、予め水温が23℃に調節された恒温水槽に浸漬し、重合(水溶液静置重合)を開始した。従って、重合開始時の水槽温度は23℃である。
【0113】
重合容器を恒温水槽に浸漬した後、重合が徐々に進行して、浸漬した時点から6.0時間経過後に重合温度がピークに達して56℃(ピーク温度)となった。この間、水槽温度は23℃に保持した。そして、重合温度がピーク温度に達した後、さらに1.0時間、水槽温度を23℃に保持した。これにより、重合を終了した。つまり、二次反応を行わずに重合を完結させた。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0114】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。しかしながら、得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は8.4dl/gと低く、また、溶解性は「×」であり、劣っていた。また、該ポリアクリル酸ナトリウムを用いて作製したパップ剤の賦形性(付着量)は0.9gであり、劣っていた。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0115】
〔比較例6〕
実施例1において、グリセリンを用いない以外は、同様の操作を行うことにより、反応液を調製した。これら添加量等を表1にまとめて記載した。
【0116】
上記の反応液5,000重量部を用いて、実施例1と同様の反応条件下で重合した。すると、6.0時間経過後に重合温度がピークに達して56℃(ピーク温度)となった。これら反応条件を表2にまとめて記載した。
【0117】
重合終了後、実施例1と同様にして、透明なゲル状の内容物を取り出して乾燥・粉砕することにより、ポリアクリル酸ナトリウムを粉末状で得た。しかしながら、得られたポリアクリル酸ナトリウムの極限粘度は8.8dl/gと低く、また、溶解性は「×」であり、劣っていた。これら結果を表3にまとめて記載した。
【0118】
【表1】
Figure 0003813310
【0119】
【表2】
Figure 0003813310
【0120】
【表3】
Figure 0003813310
【0121】
表3の結果から明らかなように、実施例で得られたポリアクリル酸ナトリウム((メタ)アクリル酸塩系重合体)は、比較例で得られたポリアクリル酸ナトリウムと比較して、溶解性に優れていることが判り、かつ、極限粘度が高いことから、高分子量であることが判る。また、実施例で得られたポリアクリル酸ナトリウムを用いて作製したパップ剤は、賦形性に優れていることが判る。
【0122】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、以上のように、(メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で、反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させて重合させる方法である。
【0123】
本発明の請求項2記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、以上のように、(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコールの量が、0.01重量%〜20重量%の範囲内である方法である。
【0124】
本発明の請求項3記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、以上のように、(メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で重合させ、(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコールの量が、0.01重量%〜20重量%の範囲内である方法である。
【0125】
本発明の請求項4記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、以上のように、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の量が、1×10-5モル〜1×10-2モルの範囲内である方法である。
【0126】
本発明の請求項5記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、以上のように、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の量が、1×10-6モル〜5×10-4モルの範囲内である方法である。
【0127】
本発明の請求項6記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法は、以上のように、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の量をaモルとし、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の量をbモルとするとき、両者の積(a×b)が1×10-10 〜1.5×10-8の範囲内である方法である。
【0128】
上記の方法によれば、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の相乗効果により、従来の方法と比較して(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度を著しく高くすることができる。そして、反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させることにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をより一層高くすることができる。その上、(メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の量を或る範囲内に設定することにより、(メタ)アクリル酸塩系重合体の重合度をさらに一層高くすることができる。これにより、例えばパップ剤等の粘着基材等に用いたときの性能が良好となるような、重量平均分子量が数百万以上の、いわゆる超高分子量でかつ水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体を効率的に製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる製造方法に好適に用いられる反応装置の一例を示すものであり、該反応装置(重合容器)の概略の正面図である。
【図2】 上記反応装置の概略の断面図である。
【符号の説明】
1 型枠
1a 重合部
2 反応液注入口
8 パッキング
9 温度計
10 空間部

Claims (6)

  1. (メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で、反応液を加温する加温温度を、重合を開始してから終了するまでの間に昇温させて重合させることを特徴とする(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法。
  2. (メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコールの量が、0.01重量%〜20重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法。
  3. (メタ)アクリル酸塩系単量体を、多価アルコール、アミン類、および重合開始剤の存在下で重合させ、
    (メタ)アクリル酸塩系単量体に対する多価アルコールの量が、0.01重量%〜20重量%の範囲内であることを特徴とする(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法。
  4. (メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の量が、1×10-5モル〜1×10-2モルの範囲内であることを特徴とする請求項1、2、または3記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法。
  5. (メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の量が、1×10-6モル〜5×10-4モルの範囲内であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法。
  6. (メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対するアミン類の量をaモルとし、(メタ)アクリル酸塩系単量体1モルに対する重合開始剤の量をbモルとするとき、両者の積(a×b)が1×10-10 〜1.5×10-8の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法。
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