JP3812973B2 - 気密継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属部材同士を気密に接合する継手に係わり、特に難溶融性金属あるいは活性金属からなる部材を気密に接合するのに最適な継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属容器などの構造物に使用される接合方法としては、アーク、TIG,レーザー、電子ビーム等を用いた融接接合(溶接)、ろう接接合、リベット止め及びボルト止め等の機械的接合手段による機械的接合などがある。
【0003】
融接は一般に“溶接”と称され、母材の溶接しようとする部位を加熱し、母材のみか、又は母材と溶加材とを融合させて溶融金属を作り、これを凝固させ接合する方法で、鉄系金属を中心に広く構造物の製作に使用されている。しかし、融接法では母材を溶融する必要があるため、母材の融点以上の温度に加熱することが必須である。また、母材の溶融、凝固を伴うため、組織変化、すなわち再結晶及びその粗大化が避けえず、残留応力変形及び組織変化により融接継手部近傍の脆化、強度低下等の特性変化が生じる。そのため、特に溶融、凝固にともなう結晶粒粗大化による脆化が顕著なモリブデン、タングステンなどの難溶融性金属に対して適用が困難である。
【0004】
また、容器内容物によっては、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)等の耐蝕性のすぐれたIV族の活性金属や難溶融性金属を合せ材としたクラッド材が化学産業を中心として使用されている。このようなクラッド材の場合、本体側と合せ材側の両方の材質がともに溶け合い、脆弱な金属間化合物が生成するため融接法の適用は不可能である。
【0005】
一方、ろう接は”ろう付け”とも称され、母材を溶融することな<、母材よりも低い融点をもつ金属の溶加材(ろう材)を溶融させ、毛細管現象を利用し接合面の隙間に行き渡らせ溶融金属ろう層を形成して接合を行う方法である。そのため、母材の溶融、凝固にともなう結晶粒粗大化や金属間化合物の生成による脆化が生じないほか、施工温度が低いため熱応力を抑えることができるとともに、母材の組織変化がなく残留応力が少ない等の利点がある。更に、ろう接は難溶融性金属のように、母材溶融に対して高エネルギーが必要な場合、あるいは凝固時に割れが生じやすい材料に適している。しかしながら、ろう接は接合強度が融接法に比し低いことが問題である。
【0006】
リベットまたはボルト等の機械的接合手段による接合は、古くから適用されており強度的にも安定しているが、継手の気密性、例えばガスシール性に問題がある。そのため、リベット間隔を強度を確保するために必要とされる間隔よりも狭める方法、あるいはプラズマ溶射により継手部を覆う等の方策がとられてきたが、安定した気密性の確保が難しい問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、例えばMo(モリブデン)、W(タングステン)、超耐熱合金等の難溶融性金属、Ti、Zr(ジルコニウム)等のIV族の活性金属あるいはこれらの金属を合せ材としたクラッド材を構造物として使用する場合、前述の如く、融接においては融接継手部近傍の脆化、強度低下等の特性変化が生じ適用が困難である。また、ろう接は接合強度が低いことが問題である。一方、機械的接合手段による継手は、溶接を用いないでフランジ部分を製作するのが難しく、また使用する高温に耐え得る適当なパッキンがなく、継手の気密性、例えばガスシール性に問題があり、強度と気密性を両立した難溶融性金属や活性金属に適した継手がなかった。
【0008】
本発明は、上述の事情を考慮してなされたものであり、難溶融性金属あるいは活性金属製の部材を強度と気密性とを確保して接合することができる気密継手を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決する本発明の気密継手は、Mo、Wの難溶性金属、IV族の活性金属、または前記IV族の活性金属を合せ材としたクラッド材から選ばれた同一の2つの金属部材をそれらの一方を裏当て板として重ね合わせするか、又は、前記同一の2つの金属部材を突き合わせこの突き合わせ部に同一の金属部材からなる裏当て板を重ね合わせ、この重ね合わせ部には前記裏当て板からこれに重なった前記金属部材の少なくとも途中に至る孔を該金属部材の端部に沿って間隔をおいて複数形成し、前記裏当て板と金属部材間をMo、Wの難溶性金属、またはIV族の活性金属で作製されたリベット、ボルト又はボルトナットとによって機械的接合を行う気密継手であって、前記重ね合わされた裏当て板と金属部材間の間隙及び前記リベット、ボルト又はボルトナットと金属部材及び裏当て板との間隙を塞ぐ溶融金属ろう層を形成したことを特徴とする。
【0016】
更に、前記溶融金属ろう層がRu(ルテニウム)−Mo共晶合金であることが好ましい。
【0017】
Ru−Mo共晶合金には硼素が含まれていても良い。
【0018】
なお、本発明では、次のような定義を前提としている。
【0019】
難溶融性金属:Mo、W、Ru、Os(オスミウム)、Ta、Nb、それらの合金あるいは下記の超耐熱合金で融点が2000℃以上であるもの。
【0020】
超耐熱合金:Fe(鉄)基(Fe−Ni基)、Ni(ニッケル)基、Co(コバルト)基で金属間化合物の析出及び酸化物、炭化物の分散により高温強度を向上させた高温用高強度合金。
【0021】
IV族の活性金属:Ti、Zr、Hf(ハフニウム)、それらの合金。
【0022】
機械的接合手段が設けられる孔は、一の金属部材と他の金属部材を貫通する連通孔でも良く、また一の金属部材を貫通せず途中までしか至らない孔でも良い。要は機械的接合手段の形式に応じて形成されればよい。当然、機械的接合手段に雄ねじを形成されたものを用いた場合は、孔には雌ねじが形成される。
【0023】
溶融金属ろう層の形成方法:Ar(アルゴン)等の不活性ガス雰囲気、水素ガス等の還元性ガス雰囲気、真空雰囲気、または大気中で常法に従って箔状や棒状のろう材を直接加熱して溶融することにより溶融金属ろう層を形成しても良く、更にはペースト状にしたろう材を塗布し裏側加熱法で溶融金属ろう層を形成しても良い。この裏側加熱法とは、一方の金属部材の裏面側あるいは側面側から加熱する方法であり、特に裏当て板を用いる場合には、裏当て板の裏面側から加熱する方法である。この方法は、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気または真空雰囲気で従来実施されているモリブデン、タングステン及びそれらの合金等のろう接においても大気中で実施できるという利点がある。
【0024】
本発明はモリブデン、タングステン等の高温強度に優れた難溶融性金属を容器等の構造物に適用するため、充分な強度と気密性を有する接合継手である。すなわち、機械的締結にて接合強度を、更に機械的締結部にろう接を施すことにより気密性を保ち、強度と気密性の両方の複合機能を具備させた接合継手である。
【0025】
リベット、ボルト又はボルトナット等による機械的締結による接合は従来の実績から適正な継手設計を行なうことにより母材と同等の強度を具備させることが可能であり、大型の容器においても使用可能である。しかしながら、ガスシール等の気密性には不充分である。そのため、機械的締結部にろう接を施し、リベットやボルトと素材間の隙間、及び素材同士の隙間にろう材を連続的に満たすことにより気密性を具備させる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1に本発明の継手の例としてリベットとろう接を組合せた構造を示し、順をおって説明する。
【0027】
(1)締結されるべき金属部材による母材1、2及び金属部材による裏当て板3にそれぞれ、所定のリベット孔4をあける。
【0028】
(2)継手の上面及び下面となるリベット孔部の周囲をきりもみしておく。
【0029】
(3)片端を丸目加工したリベット5及び母材1、2及び裏当て板3を充分加熱する。加熱温度は、材質により異なるが、それぞれの材質が延性を具備する温度以上とする。
【0030】
(4)加熱状態においてリベット5を母材1、2及び裏当て板3のリベット孔4に通し、丸目加工した方の一端を治具にて固定し、他端をハンマー及び丸目治具で丸目加工固定する。図1はこの状態を示す。
【0031】
(5)母材1、2間の隙間及びリベット5周囲にろう材6を塗布し、所定温度に加熱する。すると、図2に示すように、リベット部及び母材隙間部にろう材が流れ込み、ほとんど空隙が存在せず、非常に良好な接合状態が得られる。
【0032】
ここで、ろう材としては、使用温度、使用雰囲気で脆化、蒸発などの問題を生じないものを選べばよく、とくに制限はない。たとえば、難溶融性金属の中で構造物として広く使用されているモリブデンに対してはRu−Mo共晶合金ろう材が使用できる。Ru−Moろう材の組成範囲はRu量で33.5から49.5重量%が使用できる。Ru−Moろう材は、この範囲においてRu−Mo共晶組織を有し、更には共晶点である43重量%Ru−57重量%Moが望ましい。更に、Ru−Mo共晶合金ろう材にB(硼素)を2.8重量%添加することにより、融点を1955℃から1600℃へと低下させることが可能であり、モリブデンの脆化による強度低下や施工上の問題が著しく軽減される。
【0033】
また、裏当て板3を使用せず、直接、母材1、2を重ね合わせて、図3の如く継手を形成してもよい。この場合も前述と同様に、リベット5をリベット孔4に固定した後、母材1、2間の隙間すなわち母材1の端部と母材2上面とで形成される角(すみ肉部)と、リベット5周囲とにろう材6を塗布し、所定温度に加熱すれば良い。
【0034】
更に、上記モリブデンによる母材及び裏当て板をランタン含有モリブデン板(特公平2−38659に開示されている)としてもよい。また、上記リベットもランタン含有モリブデン棒(特公平3−22460に開示されている)としてもよい。このランタン含有モリブデンは、0.1〜1.0重量%未満のランタンまたはランタン酸化物と、残部がモリブデンとからなり、実質的に一定方向に伸長して再結晶化しているインターロッキング構造を呈する結晶粒子を有することを特徴とする加工性及び耐高温変形性に優れたモリブデン合金である。このランタン含有モリブデンを高温で用いられる構造体に使用することにより、純モリブデンを用いた場合よりも高温での変形量を小さくできる。
【0035】
また、化学用機器において比較的安価に耐蝕性を得る方法としてNb、Ta等の難溶融性金属やTi、Zr等の活性金属の合せ材と母材を構成するステンレス鋼等の鉄鋼材料とのクラッド材がしばしば適用される。この場合、クラッド材同士の接合を融接法で行うと、母材側と合せ材側の両方の材質がともに溶け合う領域が生じ、脆弱な金属間化合物が生成するため、母材側と合せ材側それぞれを単独に溶融する必要があり、施工が複雑となる。
【0036】
この場合、合せ材金属もしくはその合金製のリベットあるいはボルトを使用し、ろう材として例えば銀ろうを用いることにより、強度と継手部の気密性を得ることができる。
【0037】
なお、母材は前記の材質に制限されるわけではなく、温度の限定の範囲によっては、インコネル系各種合金、SUS系等の鉄系合金及びそれらのクラッド材等、あるいは他材質でも、この機械的締結とろう接を組合せた継手により、継手の強度と気密性を両立出来る。
【0038】
以上の説明の通り、本発明によれば、機械的接合手段により強度を確保し、続いて機械的接合手段の部位にろう接により気密性を確保した複合機能を有する継手を簡便な施工で提供することができる。例えば、母材としてモリブデン等の難溶融性金属やTi、Zr等の活性金属、ろう材として41.7Ru−55.5Mo−2.8Bを使用することにより、還元性及び不活性雰囲気中、1500℃においても使用可能な構造物が製作できる。更に、上記金属からなるクラッド材の接合も可能となる。
【0039】
【実施例】
実施例1
図1に示す構造において、母材1、2及び裏当て板3に板厚1.5mmのMo板を、またリベット5に直径3mmのMoリベットを使用し、母材1と2の隙間を2mmとし、リベット接合部を製作した。
【0040】
母材1と2の隙間及びリベット5周囲に41.7重量%Ru−55.5重量%Mo−2.8重量%Bに調製したろう材粉末にバインダーとしてメタクリル酸イソブチルを加えペースト状としたものを塗布した後、Ar雰囲気中で毎分15℃の速度で1650℃まで昇温し、この温度で10分保持後徐冷を行い接合を完了した。
【0041】
この接合処理後、図2に示すようにリベット部及び母材隙間部にろう材が充分流れ、ほとんど空隙が存在せず、非常に良好な接合状態が得られていることを確認した。更に、リベット部及び母材に損傷がないことも確認した。
【0042】
実施例2
実施例1と同様、図1に示す構造において、母材1、2、及び裏当て板3にステンレス鋼(板厚1.0mm)とTi(板厚0.5mm)のクラッド板をそれぞれTi面を上面として重ね、リベット5に直径4mmのTiリベットを使用し、母材1と2の隙間を2mmとし、リベット接合部を製作した。
【0043】
母材1と2の隙間及びリベット周囲に市販のNi入り銀ろう(BAg−21)粉末にバインダーとしてメタクリル酸イソブチルを加えペースト状としたものを塗布した後、真空雰囲気中で毎分20℃の速度で850℃まで昇温し、この温度で10分保持後徐冷を行い接合を完了した。
【0044】
この接合処理後、リベット周辺及び母材隙間部にろう材が充分流れ、ほとんど空隙が存在せず、非常に良好な接合状態が得られていることを確認した。更に、リベット周辺及び母材に損傷がないことも確認した。
【0045】
実施例3
幅100mm×長さ312mm×厚さ3mmのMo板を、内径100mm×長さ100mmの円筒に曲げ加工し、板継ぎ部の外周軸方向に幅30mm×長さ70mm×厚さ3mmのMo板を両端15mm空けてリベット継手により接合し円筒を2本製作した。更に、幅30mm×内径106mm×厚さ3mmのMoリングをリベット継手により接合し、内径100mm×長さ200mmの円筒を製作した。更に、両端に図4に示す構造の継手により母材2を厚さ15mmのステンレス製フランジ14(図5参照)としてねじ孔4´、ボルト5´で接合した。ボルト5´は直径3mmのMo製で間隔は20mmとした。
【0046】
フランジ接合後、円筒の内側より板継ぎ部の隙間及びリベット及びボルト周囲に実施例1と同じく41.7重量%Ru−55.5重量%Mo−2.8重量%Bに調製したろう材粉末にバインダーとしてメタクリル酸イソブチルを加えペースト状としたものを塗布した後、Ar雰囲気中で毎分15℃の速度で1650℃まで昇温し、この温度で10分保持後徐冷を行い接合を完了した。
【0047】
図5に示す方法により、完成した円筒容器11の気密テストを空気圧0.5Kgf/cm2 に加圧して実施した。その結果、1時間後においても内圧の減少は認められなかった。なお、円筒容器11は両端にフランジ14を有し、このフランジ14がめくら板13で塞がれている。円筒容器11内の加圧は一方のめくら板13に設けた穴からコンプレッサ15でバルブ16の配管を通して圧縮空気を導入して行われる。17は圧力計である。
【0048】
実施例4
図1に示す構造において、母材1、2及び裏当て板3に板厚1.5mmのMo板を、またリベット5に直径3mmのMoリベットを使用し、母材1と2の隙間を2mmとし、リベット接合部を製作した。
【0049】
母材1と2の隙間及びリベット5周囲に41.7重量%Ru−55.5重量%Mo−2.8重量%Bに調製したろう材粉末にバインダーとしてメタクリル酸イソブチルを加えペースト状としたものを塗布した後、継ぎ手裏面、すなわち裏当て板3側より酸素一アセチレンバーナ及びTIG溶接トーチを用い、大気中で加熱し接合を行った(裏側加熱法)。
【0050】
この接合処埋後、いずれの加熱方法でもリベット部及び母材隙間部にろう材が充分流れ、ほとんど空隙が存在せず、非常に良好な接合状態が得られていることを確認した。更に、リベット部及び母材に損傷がないことも確認した。
【0051】
実施例5
図1に示す構造において、母材1、2及び裏当て板3に板厚1.5mmのランタン含有モリブデン板(特公平2−38659に開示)を、またリベット5に直径3mmのランタン含有モリブデン棒(特公平3−22460に開示)を使用し、母材1と2の隙間を2mmとし、リベット接合部を製作した。
【0052】
母材1と2の隙間及びリベット5周囲に41.7重量%Ru−55.5重量%Mo−2.8重量%B焼結ろう材棒をセットした後、Ar雰囲気中で毎分15℃の速度で1650℃まで昇温し、この温度で10分保持後徐冷を行い接合を完了した。
【0053】
ここで使用した焼結ろう材捧は、上記ろう材粉末にバインダーとして流動パラフィンを8重量%添加、十分混練した後直径1mmに押出し加工したものを1400℃真空中で焼結したものを使用したが、この条件で加工した以外のものであっても問題はなく、例えば、焼結後に有害な残留炭素が存在しないバインダー及び焼結条件で、使用時ハンドリング可能であればよい。
【0054】
この接合処理後、図2に示すようにリベット部及び母材隙間部にろう材が充分流れ、ほとんど空隙が存在せず、非常に良好な接合状態が得られていることを確認した。更に、リベット部及び母材に損傷がないことも確認した。
【0055】
なお、上記各実施例では、機械的接合手段としてリベット、ボルトを用いているが、ボルト・ナットを用いても良いことは言うまでも無い。
【0056】
比較例1
実施例3と同じくMo板をリベットにより接合し、内径100mm×長さ200mmの円筒を製作した。このリベット接合のみの状態で気密テストを実施例3と同様の方法により実施した。その結果、5秒で加圧空気が漏洩し内圧0Kgf/cm2 となった。
【0057】
比較例2
実施例3と同じくMo板をリベットで接合し、内径100mm×長さ200mmの円筒を製作した。更に、リベット継手部及びその周囲にプラズマ溶射によりMoを溶射した。この(リベット接合+溶射)の状態で気密テストを実施例3と同様の方法により実施した。その結果、30秒で加圧空気が漏洩し内圧0Kgf/cm2 となった。
【0058】
以上、本発明の好ましいいくつかの実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限らず様々な変更を含む。例えば、母材1、2と裏当て板3とを重ね合わせた金属部材間の間隙を塞ぐ溶融金属ろう層の形成においては、図2の例では、裏当て板3と母材1、2との重ね合わせ部の間隙(すなわち裏当て板3と母材1との間隙及び裏当て板3と母材2との間隙)及び母材1、2の突き合わせ部の間隙のすべてに溶融金属ろう層が形成したが、溶融金属ろう層は、裏当て板3と母材1、2との重ね合わせ部の間隙又は母材1、2の突き合わせ部の間隙のいずれかに形成されていれば良い。
【0059】
また、機械的接合手段、すなわちリベットあるいはボルトを挿通、挿着又は螺着する孔は、図1においては上側の母材1から下側の裏当て板3、また図3においては上側の母材1から下側の母材2の少なくとも途中に至るように形成しても良く、更には下側の裏当て板3又は母材2から上側の母材1の少なくとも途中に至るように形成しても良い。この場合、気密のために機械的接合手段と母材1、2又は裏当て板3との間隙を塞ぐ溶融金属ろう層を形成する必要が無いことがある。例えば、図2において、母材1、2が容器の内側に位置し、この内側の母材1、2から容器の外側の裏当て板3の途中に至る孔を形成した場合や、母材1、2が容器の外側に位置し、この外側の母材1、2から容器の内側の裏当て板3の途中に至る孔を形成した場合は、容器内を気密にするために機械的接合手段と母材1、2との間隙を塞ぐ溶融金属ろう層を形成する必要がある。逆に、図2において、母材1、2が容器の内側に位置し、容器の外側の裏当て板3から母材1、2の途中に至る孔を形成した場合や、母材1、2が容器の外側に位置し、内側の裏当て板3から容器の外側の母材1、2の途中に至る孔を形成した場合は、容器内を気密にするために機械的接合手段と裏当て板3との間隙を塞ぐ溶融金属ろう層を形成する必要は無い。これは図3においても同様である。なお、図2に関して前述した母材1、2が容器の内側に位置し、この内側の母材1、2から容器の外側の裏当て板3の途中に至る孔を形成した場合や、母材1、2が容器の外側に位置し、この外側の母材1、2から容器の内側の裏当て板3の途中に至る孔を形成した場合においても、母材1、2の突き合わせ部の間隙を塞ぐ溶融金属ろう層の形成に代えて、裏当て板3の両端それぞれと母材1、2との重ね合わせた金属部材間の各間隙に、それらの間隙を塞ぐ溶融金属ろう層を形成すれば、すなわち裏当て板3の両端部と母材1、2の下面とで形成されるそれぞれの角(すみ肉部)にろう材6を塗布して所定温度に加熱し、裏当て板3の両端上面と母材1、2の下面との各間隙に溶融金属ろう層を形成すれば、容器を気密にするために機械的接合手段と裏当て板3との間隙を塞ぐ溶融金属ろう層を形成する必要が無い。
【0060】
【発明の効果】
本発明の継手は、難溶融性金属部材またはIV族活性金属部材に使用することが可能な継手である。すなわち、機械的接合手段により強度が確保され、機械的結合手段と金属部材との間隙と、重ね合わせられた金属部材間の間隙とをろう接溶融金属で塞ぎ気密性が確保されるので、難溶融性金属部材やIV族活性金属部材等が苛酷な条件でも使用できるという本来持っている特性を損うことなく、従来にない、強度と気密性を確保できる。従って、本発明の継手を使用することにより、従来では難溶融性金属部材やIV族活性金属部材では製作することができなかった強度と気密性を要する容器等の構造物を簡単に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気密継手を説明するための断面図である。
【図2】本発明により母材同士を接合した例を示す断面図である。
【図3】本発明により母材同士を接合した別の例を示す断面図である。
【図4】本発明により母材同士を接合した更に別の例を示す断面図である。
【図5】気密テストに用いた装置を示す図である。
【符号の説明】
1、2 母材
3 裏当て板
4 リベット孔
4´ ねじ孔
5 リベット
5´ ボルト
6 ろう材
11 円筒容器
13 めくら板
14 フランジ
15 コンプレッサ
16 バルブ
17 圧力計

Claims (3)

  1. Mo、Wの難溶性金属、IV族の活性金属、または前記IV族の活性金属を合せ材としたクラッド材から選ばれた同一の2つの金属部材をそれらの一方を裏当て板として重ね合わせするか、又は、前記同一の2つの金属部材を突き合わせこの突き合わせ部に同一の金属部材からなる裏当て板を重ね合わせ、
    この重ね合わせ部には前記裏当て板からこれに重なった前記金属部材の少なくとも途中に至る孔が該金属部材の重ね合わせ端部又は突き合わせ端部に沿って間隔をおいて複数形成され、
    前記裏当て板と金属部材間をMo、Wの難溶性金属、またはIV族の活性金属で作製されたリベット、ボルト又はボルトナットによって機械的接合を行う気密継手であって、
    前記重ね合わされた裏当て板と金属部材間の間隙及び前記リベット、ボルト又はボルトナットと金属部材及び裏当て板との間隙を塞ぐ溶融金属ろう層が形成されていることを特徴とする気密継手。
  2. 前記溶融金属ろう層がRu−Mo共晶合金であることを特徴とする請求項1記載の気密継手。
  3. 前記Ru−Mo共晶合金に硼素が含まれていることを特徴とする請求項2記載の気密継手。
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