JP3812177B2 - 位置調節式ステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係る位置調節式ステアリング装置は、運転者の体格や運転姿勢に合わせてステアリングホイールの高さ位置を調節する為のチルト式ステアリング装置として、或はこのステアリングホイールの前後位置を調節する為のテレスコピック式ステアリング装置として、それぞれ利用できる。特に本発明は、この様な位置調節式ステアリング装置に組み込む、チルトレバー或はテレスコピックレバー等の調節レバーの基端部と、チルトボルトの頭部若しくはチルトナット、カム部材、或はテレスコピック用のねじ部材或はカム部材との結合部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばチルト式ステアリング装置は、ステアリングコラムの一部を車体に対して昇降自在に支持する事により、ステアリングホイールの高さ調節を自在とする。この様なチルト式ステアリング装置を構成するステアリングコラムの中間部は、例えば図13〜14に示す様な構造により、ダッシュボードの下面部分等に於いて、車体に支持している。この支持装置を構成する支持ブラケット1は、十分な剛性を有する鋼板にプレス加工を施す事により構成したもので、互いに間隔をあけて設けた左右1対の鉛直板部2、2と、両鉛直板部2、2の上端部に設けた取付板部3、3とを有する。図示の例では、連結板部4により、上記各鉛直板部2、2の下端縁同士を連結している。又、上記各鉛直板部2、2の互いに整合する位置には、上下方向に長い長孔5、5を形成している。
【0003】
一方、円管状に形成したステアリングコラム6の中間部下面で、上記1対の鉛直板部2、2の間部分には、昇降ブラケット7を、溶接固定している。この昇降ブラケット7の一部で、上記長孔5、5と整合する位置には、左右1対の円孔9、9を形成している。図示しないステアリングホイールにより回転させられるステアリングシャフト8は、上記ステアリングコラム6の内側に回転自在に支持している。
【0004】
上記1対の長孔5、5と円孔9、9との内側には、非回転側部材であるチルトボルト10を挿通し、このチルトボルト10の先端部で、一方(図14の左方)の鉛直板部2の外側面から突出した雄ねじ部に、回転側部材であるチルトナット11を螺合している。更にこのチルトナット11に、調節レバーであるチルトレバー12の基端部を固定している。上記チルトボルト10の頭部13と長孔5の両側縁とは、この頭部13の回転を不能に係合する事により、このチルトボルト10の回転を阻止する為の回転阻止手段を構成している。この為に上記頭部13には、長孔5の両側縁と係合する平坦面13aを形成している。従って、上記チルトレバー12を操作すれば、上記頭部13とチルトナット11との距離を調節できる。
【0005】
例えば、上記チルトレバー12を図13の鎖線位置に回動させる事により、この距離を大きくした状態で上記チルトボルト10を上記長孔5、5に沿って移動させ、ステアリングコラム6を昇降させれば、ステアリングホイールの高さ位置を調節できる。反対に、上記チルトレバー12を同図の実線位置に回動させる事により、上記距離を小さくすれば、上記ステアリングコラム6の昇降を不能として、ステアリングホイールの高さ位置を調節後の位置に固定できる。
【0006】
尚、上記ステアリングコラム6の後端部(図13の右端部)で上記支持ブラケット1よりも後方(図13の右方)に突出した部分の下方には、膝保護プレート14を固定して、衝突事故の際、運転者の膝が上記支持ブラケット1の角部等、角張った部分にぶつかる事を防止している。尚、上記チルトレバー12の中間部にはクランク状の折れ曲がり部15を設け、このチルトレバー12と上記膝保護プレート14との干渉を防止している。又、上記チルトレバー12の基端部には、このチルトレバー12の回動量を制限する為の爪片16を折り曲げ形成し、この爪片16と前記鉛直板部2の後端縁(図13の右端縁)との衝合により、前記チルトレバー12の回動範囲を、図13の実線状態と鎖線状態との間に制限している。
【0007】
上述の様にチルトレバー12の回動量は、上記爪片16と鉛直板部2との衝合に基づいて制限するが、この制限された回動範囲内で、上記ステアリングコラム6の上下位置固定とこの固定解除とを行なえる様にすべく、次の様にして、チルト式ステアリング装置を組み立てている。先ず、上記支持ブラケット1の鉛直板部2、2の間に、ステアリングコラム6に固定した昇降ブラケット7を挿入し、これら各鉛直板部2、2に形成した長孔5、5と上記昇降ブラケット7に形成した円孔9、9とにチルトボルト10を挿通する。そして、このチルトボルト10の頭部13と一方(図14の右方)の長孔5とを係合させ、このチルトボルト10の先端部に設けた雄ねじ部に上記チルトナット11を螺合させる。このチルトナット11の基部(図14の右部)外周面には、互いに平行な1対の平坦面が形成されているので、この平坦面にスパナ等の工具を係合させる事により上記チルトナット11を回転させ、このチルトナット11と上記頭部13との距離を縮めて、上記昇降ブラケット7を上記支持ブラケット1に対し固定する。
【0008】
この様にして上記昇降ブラケット7を上記支持ブラケット1に固定したならば、上記チルトナット11の先半部(図14の左半部)に形成したテーパ部17に、上記チルトレバー12の基端部に形成したテーパ筒部18を外嵌する。そして、このチルトレバー12を図13の実線状態として、上記チルトナット11に固定ねじ19を螺合緊締し、上記チルトレバー12とチルトナット11とを結合固定する。この結果、前記爪片16と鉛直板部2の後端縁とが衝合する迄、上記チルトレバー12を回動させると、上記昇降ブラケット7が支持ブラケット1に固定される様になる。
【0009】
尚、図示は省略したが、非回転部材であるチルトナットを長孔に対して昇降のみ自在に(回転不能に)係合させると共に、チルトボルトを回転自在とする構造も、従来から知られている。この様な構造の場合には、回転側部材であるチルトボルトの頭部にチルトレバーの基端部を結合固定する。この為、このチルトボルトの頭部に、テーパ部及び固定ねじを螺合させる為のねじ孔を形成する。
【0010】
更に、チルト式ステアリング装置の軽量化を図るべく、チルトレバーを鋼以外の材質により造った場合でも、このチルトレバーの破損や作動不良を発生する事のない構造も、特開平9−150746号公報に記載されている様に、従来から知られている。図15は、この公報に記載された構造を示している。
【0011】
合成樹脂の射出成形により、或はアルミニウム合金のダイキャスト成形により造られたチルトレバー12aの基端部には、セレーション孔20を形成している。一方、チルトナット11aの軸方向(図15の左右方向)中間部には、雄セレーション部21を形成している。又、上記チルトナット11aの基端部(図15の右端部)には、外向フランジ状の係止鍔部22を形成している。尚、この係止鍔部22の外周面には、互いに平行な平坦面を少なくとも1対形成する事により、チルト式ステアリング装置の組立時に、スパナ等の工具によりこのチルトナット11aを回転させられる様にしている。従って、好ましくはこの係止鍔部22の外周面形状を、ナットの如く六角筒とする。
【0012】
上記チルトナット11aの先半部(図15の左半部)で、上記係止鍔部22の外側面(図15の左側面)から突出した部分の軸方向寸法Lは、上記チルトレバー12aの基端部の厚さ寸法Tよりも大きい(L>T)。従って、上記雄セレーション部21と上記セレーション孔20とを係合させ、上記チルトレバー12aの基端部内側面(図15の右側面)を上記係止鍔部22の外側面に当接させた状態で、上記チルトナット11aの先端部(図15の左端部)は上記チルトレバー12aの基端部外側面から突出する。
【0013】
更に、上記チルトナット11aには固定ねじ19aを、このチルトナット11aの先端面側から螺合している。そして、この固定ねじ19aの頭部23と上記チルトナット11aの先端面との間で、板ばね24の基端部を挟持固定している。この板ばね24には、上記チルトナット11aの軸方向に亙る厚さ寸法を大きくする方向の弾力を付与している。従ってこの板ばね24の先端部は、上記チルトレバー12aの基端部外側面に弾性的に当接し、このチルトレバー12aの基端部を上記係止鍔部22に向け、弾性的に抑え付けている。
【0014】
上述の様に構成される従来構造の第2例のチルト式ステアリング装置の場合には、チルトレバー12aとチルトナット11aとの間の回転運動伝達を、チルトナット11aに形成した雄セレーション部21とチルトレバー12aに設けたセレーション孔20との係合に基づいて行なう。従って、上記回転運動伝達を確実に行なわせる為に、上記チルトレバー12aの一部をチルトナット11aに対して強く押し付ける必要がない。この為、このチルトレバー12aを、合成樹脂、アルミニウム合金等、鋼に比べて軽いが、強度の低い材料により造る事が可能になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図15に示した従来構造の第2例の場合、雄セレーション部21とセレーション孔20との係合部の遊びを少なくしないと、チルトナット11aに対してチルトレバー12aががたつき、このチルトレバー12aを操作する者に不快感を与える。この為、上記雄セレーション部21及びセレーション孔20の加工精度を高くする必要があり、コストが嵩む。
特に、上記チルトレバー12aを、合成樹脂の射出成形や軽合金のダイキャスト成形のみで造る場合、上記セレーション孔20の加工精度を確保する事は非常に難しい。この為、成形後に切削等の機械加工を施す必要があり、コスト上昇が著しくなる。
又、ステアリングホイールの前後位置を調節するテレスコピック式ステアリング装置の場合も、調節レバーであるテレスコピックレバーの基端部を、回転部材である固定ねじの頭部等に結合固定する為、上述したチルト式ステアリングコラムの場合と同様の問題がある。
本発明の位置調節式ステアリング装置は、この様な事情に鑑みて、加工精度を高くしなくても、チルトレバー或はテレスコピックレバー等の調節レバーががたつく事のない構造を実現すべく発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の位置調節式ステアリング装置は、前述した従来のチルト式ステアリング装置或はテレスコピック式ステアリング装置等の位置調節式ステアリング装置と同様に、チルトレバー或はテレスコピックレバー等の調節レバーの基端部に結合固定されてこの調節レバーにより回転駆動される回転側部材を、この回転側部材に係合した非回転側部材に対して回転させる事により、ステアリングコラムの位置固定及び固定解除を行なわせる様に構成している。
【0017】
例えば、本発明をチルト式ステアリング装置として実施する場合には、前述した従来のチルト式ステアリング装置と同様に、車体に固定される支持ブラケットに設けた1対の鉛直板部同士の間に昇降自在に掛け渡された状態で設けられ、これら両鉛直板部同士の間に配置されたステアリングコラムと共に昇降するチルトボルトと、このチルトボルトの先端部に形成した雄ねじ部に螺合したチルトナットとを設ける。そして、このチルトナットと上記チルトボルトの頭部とのうちの一方の部材を非回転側部材として上記鉛直板部に対し回転不能に係合させ、他方の部材を回転側部材として上記鉛直板部に対し回転自在にすると共に、この他方の部材に調節レバーであるチルトレバーの基端部を結合固定し、このチルトレバーによる上記他方の部材の回動に基づき、上記支持ブラケットに対する上記チルトボルトの固定及び固定解除を行なわせる。又、テレスコピック式ステアリング装置として実施する場合には、例えば上記各鉛直板部に、前後方向に長い長孔を設け、ステアリングコラムをこの長孔に沿って前後移動自在とする。
【0018】
特に、本発明の位置調節式ステアリング装置に於いては、上記回転側部材を構成する材料よりも強度が低い材料により造られた上記調節レバーの基端部に断面形状が非円形である係合孔を、上記回転側部材の少なくとも一部外周面に、この係合孔と非円形嵌合する係合部を、それぞれ設けている。そして、この係合孔の軸方向片半部でこの係合孔に対する係合部の挿入方向前方に存在する部分を不完全セレーション部とし、この係合孔の軸方向他半部で、この係合孔に対する上記係合部の挿入方向後方に存在する部分を、全周に亙ってセレーション溝を形成した完全セレーション孔部としている。
上記不完全セレーション部は、外側部分円筒面部とセレーション溝とから成り、このうちの外側部分円筒面部は、上記係合孔の軸方向片半部の円周方向の一部に、この係合孔と上記係合部とを嵌合させた状態でこの係合部の外周面に対し締り嵌めで嵌合する嵌合部であり、セレーション溝を形成する為の山部に内接する仮想円筒面上に存在する。一方、上記セレーション溝は、同じく円周方向の残部に形成されている。
【0019】
【作用】
上述の様に構成する本発明の位置調節式ステアリング装置が、チルトレバー或はテレスコピックレバー等の調節レバーの操作に基づきステアリングコラムの位置固定及び固定解除をする際の作用は、前述した従来のチルト式ステアリング装置或はテレスコピック式ステアリング装置等の位置調節式ステアリング装置と同様である。
【0020】
又、本発明の位置調節式ステアリング装置の場合には、調節レバーと、チルトナット、チルトボルト、押圧ねじ等の回転側部材との間の回転運動伝達を、それぞれの断面形状が非円形である係合孔と係合部との係合に基づいて行なう。この為、前述の図15に示した従来構造の第2例と同様、前述の図13〜14に示した従来構造の第1例の様に、調節レバーの一部を回転側部材に対して強く押し付ける必要がない。従って、調節レバーを、合成樹脂、アルミニウム合金等、鋼に比べて軽いが強度の低い材料により造る事が可能になる。
【0021】
又、係合孔の軸方向片半部に形成した不完全セレーション部を構成する、嵌合部である外側部分円面部が係合部の外周面に対し、締り嵌めで嵌合する為、これら係合部及び係合孔の精度を特に高くしなくても、調節レバーと回転側部材との係合部ががたつく事はない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1〜8は、本発明をチルト式ステアリング装置に適用した場合を示す、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、合成樹脂、アルミニウム合金或はマグネシウム合金の如き軽合金等、鋼に比べて軽いが強度の低い材料により造った、調節レバーであるチルトレバー12aの基端部を、回転側部材であるチルトナット又はチルトボルトの頭部に結合する部分の構造にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図15に示した従来構造の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0023】
本例の場合、上記チルトレバー12aの基端部を回転側部材であるチルトナット11aに対し結合固定している。この為に本例の場合、このチルトレバー12aの基端部に、断面形状が非円形である係合孔25を設けている。この係合孔25は、軸方向片半部(図1、3の左半部)で、この係合孔25に対する、次述する係合部29の挿入方向前方に存在する部分を、図5に示す様な不完全セレーション孔部26としている。これに対して、軸方向他半部(図1、3の右半部)で、上記係合孔25に対する上記係合部29の挿入方向後方に存在する部分を、図6に示す様な完全セレーション孔部27としている。このうちの不完全セレーション孔部26の円周方向の一部(図5の下部)に、嵌合部である外側部分円筒面部28を形成し、残部にセレーション溝を形成している。この外側部分円筒面部28は、このセレーション溝を形成する為の山部に内接する仮想円筒面上に存在する。又、上記完全セレーション孔部27は、全周に亙ってセレーション溝を形成している。そして、この完全セレーション孔部27の内周面に形成したセレーション溝と、上記不完全セレーション孔部26の残部に形成したセレーション溝とを、軸方向に亙り滑らかに(直線状に)連続させている。
【0024】
又、上記チルトレバー12aの基端部を結合すべきチルトナット11aの先端部(図1、4の左端部)に、断面形状が非円形である係合部29を設けている。この係合部29は、軸方向先半部(図1、4の左半部)を、上記完全セレーション孔部27とセレーション係合可能な、図8に示す様な完全セレーション部30とし、軸方向他半部(図1、4の右半部)を、図7に示す様な不完全セレーション部31としている。このうちの不完全セレーション部31の円周方向の一部(図7の下部)に、嵌合部である内側部分円筒面部32を形成し、残部にセレーション溝を形成している。この内側部分円筒面部32は、このセレーション溝を形成する為の山部に外接する仮想円筒面上に存在する。又、上記完全セレーション部30は、全周に亙ってセレーション溝を形成している。そして、この完全セレーション部30の外周面に形成したセレーション溝と、上記不完全セレーション部31の残部に形成したセレーション溝とを、軸方向に亙り滑らかに(直線状に)連続させている。
【0025】
前述の様なチルトレバー12aと上述の様なチルトナット11aとは、図1に示す様に組み合わせて、本発明の実施の形態である、チルト式ステアリング装置を構成する。即ち、上記チルトナット11aの係合部29に上記チルトレバー12aの基端部に形成した係合孔25を、完全セレーション孔部27の側から係合させる。逆に言えば、上記係合部29を上記係合孔25に、この係合孔25の完全セレーション孔部27の側から挿入する。従って、係合作業の初期段階に於いては、この完全セレーション孔部27と、上記係合部29の先半部に形成した完全セレーション部30とが係合する。尚、この様に係合部29と係合孔25とを係合させる際、これら両部29、25の円周方向に亙る位相に就いては、特に考慮する必要はない。言い換えれば、外側部分円筒面部28と内側部分円筒面部32との位相が、図1に示す様に一致していても、反対に、後述する図11に示す様にずれていても、特に問題を生じる事はない。
【0026】
上記係合部29と係合孔25とを更に深く係合させると、この係合部29のうちの不完全セレーション部31が、相手側周面である、上記係合孔25のうちの完全セレーション孔部27と係合する。同時に、この係合孔25のうちの不完全セレーション孔部26が、相手側周面である、上記係合部29のうちの完全セレーション部30と係合する。前述の説明から明らかな通り、上記不完全セレーション部31に設けた内側部分円筒面部32の自由状態での外径は、上記完全セレーション孔部27の自由状態での内接円の直径よりも大きい。又、上記不完全セレーション孔部26に設けた外側部分円筒面部28の自由状態での内径は、上記完全セレーション部30の自由状態での外接円の直径よりも小さい。従って、上記不完全セレーション部31と上記完全セレーション孔部27と、上記不完全セレーション孔部26と上記完全セレーション部30とは、相手部を弾性変形若しくは塑性変形させつつ、それぞれ締り嵌めにより係合(嵌合)する。
【0027】
この様に、本発明を適用したチルト式ステアリング装置の場合、組み立て時には、上記不完全セレーション部31と上記完全セレーション孔部27とが、上記不完全セレーション孔部26と上記完全セレーション部30とが、それぞれ締り嵌めで嵌合する。この為、上記係合部29及び係合孔25の精度を特に高くしなくても、前記チルトナット11aとチルトレバー12aとの係合部ががたつく事はない。尚、上記不完全セレーション部31と上記完全セレーション孔部27との、上記不完全セレーション孔部26と上記完全セレーション部30との、それぞれ締り嵌めによる嵌合を円滑に行なえる様にする為、不完全セレーション部31を構成する内側部分円筒面部32と、不完全セレーション孔部26を構成する外側部分円筒面部28との軸方向端部に、図1に示す様に、傾斜面を形成する事が好ましい。又、上述の説明から明らかな通り、上記不完全セレーション部31と上記不完全セレーション孔部26とは、少なくとも係合孔25側の不完全セレーション孔部26を設ければ足りる。但し、両方を設ける事により、チルトナット11aの先端部とチルトレバー12aの基端部との結合部の剛性を、軸方向に関し均一にして、この結合部の強度をより向上させる事ができる。
【0028】
次に、図9〜10は、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述した第1例の場合、外側部分円筒面部と内側部分円筒面部とを、それぞれ不完全セレーション孔部と不完全セレーション部との円周方向1個所ずつにのみ設けていた。これに対して本例の場合には、外側部分円筒面部28a、28aと内側部分円筒面部32a、32aとを、それぞれ不完全セレーション孔部26と不完全セレーション部31との円周方向複数個所ずつ(図示の例では4個所ずつ)に設けている。この様な本例の場合には、それぞれが嵌合部である上記外側部分円筒面部28a、28aと内側部分円筒面部32a、32aとが、円周方向に亙り均等に配置されているので、回転側部材であるチルトナット11aの先端部と調節レバーであるチルトレバー12aの基端部との結合部の剛性を、円周方向に関し均一にして、この結合部の強度をより向上させる事ができる。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
【0029】
次に、図11〜12は、本発明の実施の形態の第3例を示している。前述の図1に示した第1例の場合、チルトレバー12aの基端部がチルトナット11aの先端部から抜け出る事を防止する為、このチルトナット11aの先端部に固定ねじ19aを螺合し、この固定ねじ19aにより板ばね24を、上記チルトレバー12aの基端部外側面に向け抑え付けていた。これに対して本例の場合には、回転側部材であるチルトナット11bの先端部(図11の左端部)に円柱部33を形成し、この円柱部33に外嵌固定したプッシュナット34により、調節レバーであるチルトレバー12aの基端部外側面を抑え付けている。これに合わせて、本例に使用する上記チルトナット11bの場合、非回転側部材であるチルトボルト10(図1参照)の先端部を螺合させる為のねじ孔36は、基半部(図11の右半部)の内側部分にのみ設けている(第1〜2例の様に軸方向両端面同士を貫通させてはいない)。
【0030】
尚、上記プッシュナット34は、上記チルトナット11bを構成する材料よりも硬い、金属のばね鋼により円輪状に造ったもので、内径側半部には、それぞれが内周縁に開口する複数本(図示の例では6本)のスリット35を有する。このプッシュナット34の自由状態での内径は、上記円柱部33の外径よりも少し小さい。この様なプッシュナット34により上記チルトレバー12aの基端部がチルトナット11bの先端部から抜け出る事を防止する為には、上記プッシュナット34を上記円柱部33に、内径を弾性的に広げつつ、図11に示す状態に外嵌する。この状態で上記プッシュナット34は、内周縁が上記円柱部33の外周面に食い込む事で、この円柱部33から抜け出なくなり、上記チルトレバー12aの基端部がチルトナット11bの先端部から抜け出る事を防止する。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1例又は第2例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
【0031】
又、図示は省略したが、チルトナットを長孔に対して昇降のみ自在に(回転不能に)係合させると共に、チルトボルトを回転自在とする構造にも、本発明は適用可能である。勿論、この場合には、回転側部材であるチルトボルトの頭部にチルトレバーの基端部を結合固定すべく、このチルトボルトの頭部に雄セレーション部及び固定ねじを螺合させる為のねじ孔を形成する等する。即ち、非回転側部材であるチルトナットに鉛直板部の長孔と係合して回転を防止する平坦面を形成すると共に、チルトボルトの頭部の形状を、図示の実施の形態の各例のチルトナット11a、11bの如き形状とする。
【0032】
又、回転側部材と非回転側部材との軸方向端面で互いに対向する部分に、円周方向に亙る凹凸面であるカム面を形成すると共に、上記回転側部材を調節レバーにより回転させる事で、ステアリングコラムの固定及び固定解除を行なわせる位置調節式ステアリング装置でも、本発明を実施する事ができる。この場合、上記軸方向端面にカム面を形成した回転側部材と調節レバーの基端部とを、本発明の構造により結合する。更には、テレスコピック式ステアリングコラムに就いても、調節レバーであるテレスコピックレバーの基端部とテレスコピック用のねじ部材との結合部に、本発明の構造を適用する事もできる
【0033】
【発明の効果】
本発明の位置調節式ステアリング装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、十分な信頼性及び耐久性を確保しつつ、調節レバーを合成樹脂、アルミニウム合金等により造る事が可能になり、位置調節式ステアリング装置の軽量化及び低廉化に寄与できる構造で、しかもがたつきがなく、使用感の良好な構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例を示す、図13のA−A断面に相当する図。
【図2】 チルトレバーのみを取り出して図1の左方から見た図。
【図3】 図2の右方から見た図。
【図4】 チルトナットのみを取り出して図1と同方向から見た図。
【図5】 図1のB−B線部分でのチルトレバーの基端部の断面図。
【図6】 同じくC−C線部分での断面図。
【図7】 図1のC−C線部分でのチルトナットの先端部の断面図。
【図8】 同じくB−B線部分での断面図。
【図9】 本発明の実施の形態の第2例を示す、図5と同様の図。
【図10】 同じく図7と同様の図。
【図11】 本発明の実施の形態の第3例を示す、要部断面図。
【図12】 プッシュナットを図11の左方から見た図。
【図13】 従来のチルト式ステアリング装置の第1例を示す部分縦断側面図。
【図14】 図13のA−A断面図。
【図15】 従来のチルト式ステアリング装置の第2例を示す、図13のA−A断面に相当する図。
【符号の説明】
1 支持ブラケット
2 鉛直板部
3 取付板部
4 連結板部
5 長孔
6 ステアリングコラム
7 昇降ブラケット
8 ステアリングシャフト
9 円孔
10 チルトボルト
11、11a、11b チルトナット
12、12a チルトレバー
13 頭部
13a 平坦面
14 膝保護プレート
15 折れ曲がり部
16 爪片
17 テーパ部
18 テーパ筒部
19、19a 固定ねじ
20 セレーション孔
21 雄セレーション部
22 係止鍔部
23 頭部
24 板ばね
25 係合孔
26 不完全セレーション孔部
27 完全セレーション孔部
28、28a 外側部分円筒面部
29 係合部
30 完全セレーション部
31 不完全セレーション部
32、32a 内側部分円筒面部
33 円柱部
34 プッシュナット
35 スリット
36 ねじ孔

Claims (4)

  1. 調節レバーの基端部に結合固定されてこの調節レバーにより回転駆動される回転側部材を、この回転側部材に係合した非回転側部材に対して回転させる事により、ステアリングコラムの位置固定及び固定解除を行なわせる位置調節式ステアリング装置に於いて、上記回転側部材を構成する材料よりも強度が低い材料により造られた上記調節レバーの基端部に断面形状が非円形である係合孔を、上記回転側部材の少なくとも一部外周面に、この係合孔と非円形嵌合する係合部を、それぞれ設け、この係合孔の軸方向片半部でこの係合孔に対する係合部の挿入方向前方に存在する部分を、当該部分の円周方向の一部に、この係合孔と上記係合部とを嵌合させた状態でこの係合部の外周面に対し締り嵌めで嵌合する嵌合部であり、セレーション溝を形成する為の山部に内接する仮想円筒面上に存在する外側部分円筒面部を、同じく円周方向の残部に上記セレーション溝を、それぞれ形成した不完全セレーション孔部とし、上記係合孔の軸方向他半部で、この係合孔に対する上記係合部の挿入方向後方に存在する部分を、全周に亙ってセレーション溝を形成した完全セレーション孔部としている事を特徴とする位置調節式ステアリング装置。
  2. 外側部分円筒面部が、係合孔の軸方向片半部の複数個所に、円周方向に関して等間隔に設けられている、請求項1に記載した位置調節式ステアリング装置。
  3. 回転側部材が鋼製であり、調節レバーが、合成樹脂製又は軽金属製である、請求項1又は請求項2に記載した位置調節式ステアリング装置。
  4. 板ばね又はプッシュナットにより調節レバーの基端部外側面を抑え付けている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した位置調節式ステアリング装置。
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