JP3810742B2 - めっき鋼板用後処理液、それを用いた後処理めっき鋼板、およびその製造方法 - Google Patents

めっき鋼板用後処理液、それを用いた後処理めっき鋼板、およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はめっき鋼板、特に半田めっき鋼板の後処理に係わり、半田の濡れ性、経時性、耐食性を向上させるめっき鋼板用後処理液、それを用いた後処理めっき鋼板、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に半田付けの可能な錫めっき鋼板、鉛−錫めっき鋼板、銅めっき鋼板、亜鉛めっき鋼板などのめっき鋼板は、使用される環境にさらされた際にめっきの外観が変化して酸化皮膜が成長し、場合によっては赤錆が発生することがある。そのため、これらのめっき鋼板においては経時した際の酸化膜の成長による半田性の低下を抑制する後処理方法が求められている。また、最近の電子部品の分野においては、基板となるめっき鋼板などの耐食性の劣化を防止するため、塩素を含有する腐食性の強い活性なフラックスの使用が拒否される傾向にあり、塩素を含有しないフラックスを用いた場合においても半田の濡れ性に優れる材料が求められている。塩素を含まない弱活性または非活性のフラックスを使用した場合は、半田はめっき鋼板に付着するものの、めっき鋼板上を均一に濡らすまでに長時間を要し、半田の濡れ性に劣り、その傾向はめっき鋼板の経時の増大にともなって顕著となる。
【0003】
従来の技術として、鋼板上に錫めっきを施し、次いで錫めっき上に亜鉛、ニッケル、コバルトのいずれか1種以上を主成分とするめっき、または亜鉛、ニッケル、コバルトのいずれか1種以上に錫、鉄、鉛、銅のいずれか1種以上を含有してなる、錫の標準電極電位より卑な電位を示す合金めっきを施した、半田用二層めっき鋼板を開示している(例えば特許文献1参照。)。このめっき鋼板はクロメート処理皮膜のような耐食性に優れた保護皮膜層を有していないため、耐食性が十分ではなく、腐食生成物の皮膜が生成することにより、半田濡れ性も劣化するおそれがある。
鋼板上にSn−Zn合金層、または表面にNiめっきまたはFe−Ni拡散層のいずれかからなる表面処理層を形成させた表面処理鋼板上にSn−Zn合金層を形成させ、これらのSn−Zn合金層上にリン酸マグネシウムを主体とする無機皮膜を形成させてなる環境対応型電子部品用表面処理鋼板を開示している(例えば特許文献2参照。)。このリン酸マグネシウムを主体とする無機皮膜もSn−Zn合金に対して高耐食性を付与することはできるが、その安定さ故に、特に塩素を含まない弱活性または非活性のフラックスを使用した場合の半田性に乏しい欠点を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−277786号公報
【特許文献2】
特開2002−249885号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、めっき鋼板を半田付けする際に、塩素を含有しないフラックスを使用した場合においても、半田の濡れ性に優れ、特に経時しても半田の濡れ性が劣化せず、しかも耐食性に優れた皮膜が得られるめっき鋼板用後処理液、およびこの後処理液をめっき鋼板に塗布し乾燥してなる後処理めっき鋼板およびその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明のめっき鋼板用後処理液は、水系アクリル樹脂を100〜800g/L、アミン塩を含んだ化合物、あるいはスチレン・無水マレイン酸共重合体のどちらか一方もしくは両方からなる防錆剤を10〜100g/L、水溶化ロジンを50〜600g/L、表面にアルミニウムをコーティングした粒径100nm以下の水分散性シリカを10〜200g/L、酸化防止剤を0.5〜100g/L含有してなり、pHが3〜10の範囲であることを特徴とするもの、または水系ウレタン樹脂を100〜900g/L、アミン塩を含んだ化合物、あるいはスチレン・無水マレイン酸共重合体のどちらか一方もしくは両方からなる防錆剤を10〜100g/L、表面にアルミニウムをコーティングした粒径100nm以下の水分散性シリカを10〜400g/L、酸化防止剤を0.5〜100g/L含有してなり、pHが3〜10の範囲であることを特徴とするものである。
前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤および/またはリン系酸化防止剤であることが望ましい。
また、本発明の後処理めっき鋼板は、上記何れかのめっき鋼板用後処理液を、めっき鋼板に乾燥厚みが0.05〜10μmとなるように塗布してなることを特徴とし、また、めっき鋼板が鋼板上に亜鉛めっき層、錫めっき層、亜鉛−錫合金めっき層、銅めっき層、ニッケルめっき層のいずれかのめっき層を形成させてなるめっき鋼板であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の後処理めっき鋼板の製造方法は、上記何れかのめっき鋼板用後処理液を、鋼板上に亜鉛めっき層、錫めっき層、亜鉛−錫合金めっき層、銅めっき層、ニッケルめっき層のいずれかのめっき層を形成させてなるめっき鋼板に、乾燥厚みが0.05〜10μmとなるように塗布し乾燥することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係るめっき鋼板用後処理液は、水系アクリル樹脂を100〜800g/L、防錆剤を10〜100g/L、水溶化ロジンを50〜600g/L、水分散性シリカを10〜200g/L、酸化防止剤を0.5〜100g/L含有する水系アクリル樹脂を主成分とする後処理液、または水系ウレタン樹脂を100〜900g/L、防錆剤を10〜100g/L、水分散性シリカを10〜400g/L、酸化防止剤を0.5〜100g/L含有する水系ウレタン樹脂を主成分とするめっき鋼板用後処理液である。そして、本発明に係る後処理めっき鋼板およびその製造方法は、このめっき鋼板用後処理液を、鋼板上に亜鉛めっき層、錫めっき層、亜鉛−錫合金めっき層、銅めっき層、ニッケルめっき層のいずれかのめっき層を形成させためっき鋼板に、乾燥厚みが0.05〜10μmになるように塗布し乾燥処理することによって、後処理めっき鋼板とするものである。この後処理めっき鋼板は、無塩素系フラックスを使用しても半田性に優れ、経時しても、あるいは加熱しても半田の濡れ性が劣化せず、また耐食性および耐酸化性にも優れる。
【0008】
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
本発明の水系アクリル樹脂を主成分とするめっき鋼板用後処理液において、水系アクリル樹脂は、カルボン酸を有するアクリル系モノマーの重合体または共重合体であり、特に水溶液重合、エマルジョン重合などの重合法を限定するものではない。しかし、水系アクリル樹脂の酸価(樹脂1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数)は、150以下であることが好ましい。濃度として、100〜800g/Lの範囲が好ましい。100g/L未満では半田性向上の効果がなく、耐食性も低下する。一方,800g/Lを越えると半田性向上の効果が飽和し、水溶化ロジンと混ぜ合わせた場合に粘度が高くなり、ゲル化する恐れがあり、好ましくない。
【0009】
水溶化ロジンは50〜600g/Lの範囲で添加する必要がある。水溶化ロジンは、ロジンの主成分であるアビエチン酸分子内のカルボン酸基をアミン塩などにより中和し、ロジン石鹸とする方法により得られる。50g/L未満では経時後の半田濡れ性が不十分であり、600g/Lを越えると高粘度となり、ゲル化しやすく、塗布が困難になるので、好ましくない。
【0010】
水分散性シリカは、耐食性、めっき鋼板の皮膜硬度を向上させ耐疵付き性を向上させるものであり、後処理皮膜に上記の水溶性ロジンを含ませない場合は処理液に10〜400g/L添加するのが好ましい。10g/L未満では、耐食性を向上させることができない。400g/Lを超えると半田濡れ性が著しく低下する。後処理皮膜に水溶性ロジンを含ませる場合は処理液に10〜200g/L添加するのが好ましい。半田濡れ性を重要視する場合には、めっき鋼板に付着した量を、Siとして10〜100mg/mの範囲とすることが好ましい。より半田濡れ性を重要視する場合には、10〜50mg/mの範囲とする。水分散性シリカとしては特に限定するものではないが、シリカ表面にアルミニウムをコーティングしたものは分散作用が優れており、特に好適に適用できる。シリカの粒径としては小さいものが好ましく、100nm以下であることが好ましく、60nm以下のものは特に分散性に優れており、より好ましい。シリカは一般的には濡れ性を阻害するが、100nm以下の超微粒子にすることによって、半田濡れ性を阻害することなく、耐食性、めっき鋼板皮膜硬度を向上させ耐疵付き性を向上させることができる。
【0011】
防錆剤は、クロムを含まないものを添加するのが良い。クロムを含まない以外は特に限定されないが、アミンを含んだ化合物、あるいはスチレン・無水マレイン酸共重合体のどちらか一方もしくは両方を含んだものが適用できる。アミンを含んだ化合物としては、具体的には、有機アミン石けんの単独あるいは混合したものを使用する。有機アミン石けんにはドデシルアミン、オレオイルイミダゾリン、アミノプロピル牛脂アミン、ロジンアミンが含まれ、アミンはカルボン酸などと造塩して使用することが出来る。スチレン・無水マレイン酸共重合体としては、スチレン・無水マレイン酸共重合アルキルエステル・アンモニウム塩が好ましい。添加量としては10〜100g/Lであることが好ましい。10g/L満では、耐食性向上に効果が認められず、100g/Lを越えると耐食性向上効果は極めて良好であるが、液の粘度が上昇して塗布が困難になるので好ましくない。
【0012】
本発明において、めっき鋼板用の後処理液に酸化防止剤を添加することにより、樹脂層の酸化および変質を抑制するとともに、めっき層の酸化も抑制し、経時した場合においても優れた半田濡れ性を確保することが可能である。この用途に適用する酸化防止剤としては、硫黄系酸化防止剤などもあるが、フェノール系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤が好ましく、両者を併用してもよい。添加量としては0.5〜100g/Lであることが好ましい。0.5g/L未満では、耐酸化性向上に効果が認められず、100g/Lを超えると液の粘度が上昇して塗布が困難になるので好ましくない。
【0013】
一方、本発明の水系ウレタン樹脂を主成分とするめっき鋼板用後処理液において、水系ウレタン樹脂は特に限定されるものではないが、高強度を有する方が耐食性に効果がある。濃度として、100〜900g/Lの範囲が好ましい。100g/L未満では耐食性が不十分であり、900g/Lを超えると半田濡れ性が悪くなる。また、防錆剤は、水系アクリル樹脂を主成分とするめっき鋼板用後処理液の場合と同様に、クロムを含まない以外は特に限定されないが、アミンを含んだ化合物も適用できる。具体的には、有機アミン石けんの単独あるいは混合したものを使用する。有機アミン石けんにはドデシルアミン、オレオイルイミダゾリン、アミノプロピル牛脂アミン、ロジンアミンが含まれ、アミンはカルボン酸などと造塩して使用することが出来る。スチレン・無水マレイン酸共重合体としては、スチレン・無水マレイン酸共重合アルキルエステル・アンモニウム塩が好ましい。添加量は10〜100g/Lであることが好ましく、10g/L未満では、耐食性向上に効果が認められず、100g/Lを越えると耐食性向上効果は極めて良好であるが、液の粘度が上昇して塗布が困難になるので好ましくない。
【0014】
また、酸化防止剤についても、水系アクリル樹脂を主成分とするめっき鋼板用後処理液の場合と同様に、フェノール系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤が好ましく、両者を併用してもよい。添加量についても水系アクリル樹脂を主成分とするめっき鋼板用後処理液の場合と同様の理由から、0.5〜100g/Lであることが好ましい。
【0015】
上記各めっき鋼板用後処理液のpHは3〜10の範囲が適当である。pHが3未満の場合は処理液の安定性が不良であり、10を越えても好ましくない。より長期間処理液が安定して使用するには、pH6〜9の範囲が好ましい。
【0016】
上記のようにして得られた何れかのめっき鋼板用後処理液を、めっき鋼板の片面あるいは両面に塗布する。この場合、表裏面で塗布膜厚を変えても良い。塗布する方法としては、浸漬法、ロールコート法、カーテンフローコート法、スプレーコート法など、公知の方法で良く、特に限定されるものではない。しかし、両面塗布を行う場合、本処理液が水系であることを活かして、連続めっきラインの後工程において、浸漬・絞りによる塗布やロールコートなどを行う方法が容易で経済的である。
【0017】
めっき鋼板用後処理液は、乾燥後の膜厚が0.05〜10μmとなるように塗布する。めっき鋼板用後処理液を塗布しためっき鋼板は、後処理皮膜を成膜させるために乾燥する。皮膜の厚みが0.05μm未満では、十分な半田性、耐指紋性が得られないばかりでなく、耐食性が著しく劣る。10μmを越えると特性向上の効果が飽和し、コストメリットがなくなる。
【0018】
めっき鋼板の仕様は特に限定されるものではない。溶融めっき、または電気めっきなど、いずれの手法を用いても十分な効果を有するめっきが得られる。また、銅めっき、ニッケルめっき、錫めっき、鉛−錫合金めっき、亜鉛めっき、亜鉛−ニッケル、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−錫、亜鉛−鉄あるいは亜鉛−コバルトなどの亜鉛合金めっき、亜鉛−コバルト−モリブデン等からなる複合亜鉛めっき、または下層の錫と上層の亜鉛や、下層の亜鉛と上層の錫からなる二層めっきなどの複層めっきなど、鋼板上に施すめっきの種類も用途に応じて選択される。
【0019】
【実施例】
焼鈍および調質圧延を施した鋼板(板厚0.5mm)をめっき原板として、アルカリ脱脂、および硫酸酸洗による清浄化処理を行った後、表1に示す金属または合金を、表1に示すめっき法を用いて表1に示すめっき量でめっきし、めっき番号A〜Kで示すめっき鋼板を作製した。これらのめっき鋼板の中から表2に示すめっき番号のめっき鋼板の両面に、浸漬・絞り法、スプレーコート法あるいはロールコート法により表2に示す試料作成条件でめっき鋼板用後処理液を塗布した後、90℃の温度で乾燥し、試料番号1〜9の試料を作製した。比較例として、後処理を施さないめっきままのめっき鋼板を試料番号10の試料とした。このようにして得られた試料番号1〜10の試料について、下記の特性評価を行い、表3にその評価結果を示した。
【0020】
また、めっき番号A〜Kで示すめっき鋼板の中から表4に示すめっき番号のめっき鋼板の両面に、浸漬・絞り法、スプレーコート法あるいはロールコート法により表4に示す試料作成条件でめっき鋼板用後処理液を塗布した後、90℃の温度で乾燥し、試料番号11〜19の試料を作製した。比較例として、後処理を施さないままのめっき鋼板を試料番号20の試料とした。このようにして得られた試料番号11〜20の試料について、下記の特性評価を行い、表5にその評価結果を示した。
【0021】
[特性評価]
1)半田濡れ性:
メニスコグラフ法(MIL−STD−883B)により、SOLDERCHECKER(MODEL SAT−5000、RHESCA製)を使用し、上記の供試材から切り出した幅10mmのサンプルを、実施例1の場合は塩素を含まない非活性フラックス(NA−200、タムラ化研製)に浸漬し、実施例2の場合は塩素を含まない弱活性フラックス(ラピックスRMA、日本半田工業製)に浸漬し、その後250℃に保持した半田浴(JIS Z 3282:H60A)に前記のフラックスを塗布したサンプルを浸漬速度2mm/秒で、2mm浸漬させ、半田が濡れるまでの時間ゼロクロスタイムを測定し、下記に示す基準で半田濡れ性を評価した。濡れ時間は短い程半田付け性に優れることを示す。なお、試験は試料作製直後と恒温恒湿(60℃、95%RH)で500時間経時後の二通りで行った。×以外を合格範囲とした。
◎:3秒未満、○:3〜5秒未満、△:5〜10秒未満、×:10秒以上
2)耐食性:
JIS Z 2371に準じて塩水噴霧試験を48時間行い、赤錆の発生程度を肉眼観察し、下記に示す基準で耐食性を評価した。×以外を合格範囲とした。
○:赤錆の発生なし、△:一部赤錆発生、×:全面に赤錆発生
【0022】
その結果、表3及び表5に示すように、本発明の後処理めっき鋼板は何れも、半田濡れ性、特に経時後の半田濡れ性、および耐食性の項目において良好な性状を示し、本発明の酸化防止剤の効果が発揮された。一方、比較例のように、後処理液を施さないめっき鋼板においては、半田濡れ性、および耐食性の両方において性能が劣っていた。
【0023】
【表1】
Figure 0003810742
【0024】
【表2】
Figure 0003810742
【0025】
【表3】
Figure 0003810742
【0026】
【表4】
Figure 0003810742
【0027】
【表5】
Figure 0003810742
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、めっき鋼板を半田付けする際に、塩素を含有しないフラックスを使用した場合においても、半田の濡れ性に優れ、特に半田の濡れ性が経時しても劣化しない耐酸化性に優れ、しかも耐食性に優れた皮膜が得られるめっき鋼板用後処理液、およびこのめっき鋼板用後処理液をめっき鋼板に塗布し乾燥してなる後処理めっき鋼板およびその製造方法を提供することが可能となった。本発明のめっき鋼板用後処理液を塗布した後処理めっき鋼板は、塩素を含まない非活性フラックスを使用した場合においても、半田の濡れ性に優れ、半田の濡れ性は経時しても劣ることがなく、また耐食性にも優れ、しかも皮膜が疵付き難いという特性を有している。

Claims (6)

  1. 水系アクリル樹脂を100〜800g/L、アミン塩を含んだ化合物、あるいはスチレン・無水マレイン酸共重合体のどちらか一方もしくは両方からなる防錆剤を10〜100g/L、水溶化ロジンを50〜600g/L、表面にアルミニウムをコーティングした粒径100nm以下の水分散性シリカを10〜200g/L、酸化防止剤を0.5〜100g/L含有してなり、pHが3〜10の範囲であるめっき鋼板用後処理液。
  2. 水系ウレタン樹脂を100〜900g/L、アミン塩を含んだ化合物、あるいはスチレン・無水マレイン酸共重合体のどちらか一方もしくは両方からなる防錆剤を10〜100g/L、表面にアルミニウムをコーティングした粒径100nm以下の水分散性シリカを10〜400g/L、酸化防止剤を0.5〜100g/L含有してなり、pHが3〜10の範囲であるめっき鋼板用後処理液。
  3. 前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤および/またはリン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項1または2記載のめっき鋼板用後処理液。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のめっき鋼板用後処理液を、めっき鋼板に乾燥厚みが0.05〜10μmとなるように塗布してなる後処理めっき鋼板。
  5. めっき鋼板が鋼板上に亜鉛めっき層、錫めっき層、亜鉛−錫合金めっき層、銅めっき層、ニッケルめっき層のいずれかのめっき層を形成させてなるめっき鋼板である、請求項4に記載の後処理めっき鋼板。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のめっき鋼板用後処理液を、鋼板上に亜鉛めっき層、錫めっき層、亜鉛−錫合金めっき層、銅めっき層、ニッケルめっき層のいずれかのめっき層を形成させてなるめっき鋼板に、乾燥厚みが0.05〜10μmとなるように塗布し乾燥することを特徴とする後処理めっき鋼板の製造方法。
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