JP3810312B2 - 補助冷却装置およびその運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の凝縮器の補助冷却装置およびその運転方法に関し、より具体的には、空気調和機の冷房運転開始時に、上記補助冷却装置による冷却のきかせ過ぎを解消することができる補助冷却装置およびその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、室外機に取り付けられた補助冷却装置を示す斜視図である。この補助冷却装置のノズル103から、所定の周期で室外機130の凝縮器めがけて水噴霧される。
【0003】
図6は、空気調和機の冷凍サイクルと補助冷却装置との配置関係を示す図である。冷房を行う空気調和機や冷凍機では、蒸発器137で冷媒を蒸発させて被冷却物を冷却する。冷媒は圧力が高いと設定された低温にならないので、蒸発器137で蒸発した冷媒蒸気を圧縮機133で吸い込んで圧力を低下させる。この圧縮機133の駆動には外付けされたモータ133aやその他の駆動装置が用いられる。冷媒蒸気はもはや冷凍能力がないので、再び液体にしなければならない。そのためには、冷媒蒸気の圧力を高める必要がある。このため、圧縮機は上述の吸い込んだ冷媒蒸気を圧縮して圧力を高くする。すなわち、圧縮機133は、冷却管側の冷媒蒸気の圧力を低下させる機能と、圧縮機から送り出される冷媒蒸気の圧力を高める機能とを備えている。
【0004】
圧縮機から送り出される冷媒蒸気は、圧力を高められるだけでなく、温度も高められる。この高温高圧の冷媒蒸気を凝縮器135に送って、水や空気で冷やす。この冷却により、冷媒蒸気は圧力の高いまま液体になる。この冷媒をレシーバ138で受けて、膨張弁136やキャピラリチューブを通して圧力を下げて蒸発器に流し込む。蒸発器では、冷媒は被冷却物から熱を奪い蒸発する。本説明で、冷媒というとき、液体、気体、または気液混合のいずれの場合にも該当する。
【0005】
上記の冷凍サイクルの中で、室外機は、圧縮機から膨張弁にいたる経路を備えた部分であり、室内機は、膨張弁の後の蒸発器の部分、すなわち冷凍を利用する部分により構成される。
【0006】
室外機の補助冷却装置101は、凝縮器の冷却に水噴霧を用いることにより、冷凍サイクルの能力と冷却効率とを共に向上させるものである(特許第3009874号)。
【0007】
図6において、補助冷却装置101の制御ボード102は、圧縮機133の電磁開閉器134の2次側から給電されている。したがって、圧縮機133が稼動していない場合には、制御ボード102はオン状態にならず、したがって、電磁弁SVがオン状態にされることはない。制御ボード102には外気温サーミスタ(以下、サーモと記す)Thが接続され、外気温信号が制御回路に入れられている。制御ボードからは電磁弁SVをオンオフ制御する配線がなされている。水噴霧を形成するノズル103は、電磁弁SVによって水の流通の開閉がなされる水配管104に接続されている。
【0008】
図7は、室外機に取り付けられた補助冷却装置の電気系統図であり、また図8は、水系統図である。図7の電気系統図によれば、補助冷却装置の電源は、圧縮機133aの電磁開閉器134の2次側からとられている。したがって、圧縮機の電磁開閉器134がオンにならないと電力が供給される状態にならない。また、この電気系統には外気サーモThが取り付けられており、外気温度信号を制御回路(マイコン)に送る。マイコンでは、ディップスイッチSW1によってなされたSVをオンさせる温度の設定にしたがって、SVに連結する継電器Ryをオンにする。継電器Ryのオンにより、電磁弁SVはオン状態となりノズル103から水噴霧がなされる。すなわち、この補助冷却装置は、圧縮機の電磁開閉器134がオンになり、その上で外気温が所定温度以上に所定時間以上ならないと、作動しない設定とされている。
【0009】
なお、ディップスイッチSW2は、噴霧時間シフトスイッチである。マイコンの中の制御回路T1は噴霧時間を制御し、また制御回路T2は乾燥時間を制御する。乾燥時間とは、補助冷却装置が間欠噴霧運転の1サイクルの中で水噴霧を行わない時間をさす。
【0010】
図8の水系統図によれば、ノズル103からの水噴霧は、水配管104に取り付けた電磁弁SVを制御ボード102によってオンオフ制御することによりなされる。
【0011】
上記の電気系統および水系統を用いることにより、補助冷却装置を室外機に配設する場合に、経済的に、かつ室外機の稼動に合わせて無駄なく補助冷却装置を稼動させることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空気調和機の室外機の始動に合せて上記補助冷却装置を運転すると、圧縮機の起動時に凝縮器に対して水噴霧が行われる。圧縮機の起動時に凝縮器を冷却する場合、定常運転時に冷却する場合に比べて、高圧部分の圧力低下が低圧部に比べて大きく生じる。この結果、次の問題が生じる。
(1)キャピラリーチューブ使用機では、高圧部と低圧部との圧力差が小さくなり、冷媒の循環量が減少する。このため、冷却能力が低下し、その後、補助冷却しない場合における定常運転の冷却能力を回復するまで、長時間を要する。
(2)1台の室外機で複数の室を冷房する、ビル用マルチ冷却タイプの室外機の場合、インバータ圧縮機と定速圧縮機とが組み合わされて用いられる場合が多い。このような組み合わせ圧縮機に補助冷却装置を用いた場合、インバータ圧縮機から定速圧縮機に切り換えたとき、定速圧縮機起動に伴う低圧部分の圧力低下と、補助冷却装置の冷却開始に伴う高圧部分の圧力低下が生じる。低圧部分の圧力低下は、上記高圧部分の圧力低下によって促進され、低圧部分の圧力は、PI(Proportion Integration)値を超えて低下する場合が生じる。このため、室外機は、その時点で、冷房負荷を超える冷房能力を発揮していると判断して、定速圧縮機の停止とインバータ圧縮機の周波数低下の指令を発する。このため、冷房負荷に対して不足した冷房運転をする現象が生じる場合がある。
【0013】
本発明は、室外機の運転開始に合せて直ちに凝縮器を冷却し過ぎることに伴う不都合を避けることができる、空気調和機の凝縮器の補助冷却装置およびその運転方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の補助冷却装置の運転方法は、空気調和機において、圧縮機から送り出された冷媒を凝縮する凝縮器に対して水噴霧冷却する補助冷却装置の運転方法である。この運転方法は、圧縮機の運転開始から初期の所定期間だけ、水噴霧を休止する休止運転と、その休止運転に引き続いて行われ、水噴霧を行う水噴霧期間と水噴霧を休止する水噴霧休止期間とから構成される所定の周期に対する水噴霧期間の所定の比率をもって間欠的に水を噴霧するマイルドな水噴霧運転と、そのマイルドな水噴霧運転に引き続いて行われ、マイルドな水噴霧運転における水噴霧期間の所定の比率よりも高い水噴霧期間の比率をもって間欠的に水を噴霧する定常運転とを備えている(請求項1)。
【0015】
この構成により、圧縮機の運転開始の際に未だ高圧部の圧力が十分高くならないうちに凝縮器を冷却し過ぎることに伴う不都合を解消することができる。このため、(a)キャピラリーチューブ使用機における冷媒の循環量減少に起因する冷却能力の低下を生じることがない。また、(b)ビル用マルチ冷却タイプによく用いられるインバータ圧縮機と定速圧縮器との組み合わせ圧縮機において、負荷の漸増に伴いインバータ圧縮機から定速圧縮機に切り換えるとき、凝縮器の冷却し過ぎによって低圧部分の圧力が、PI(Proportion Integration)値を超えて低下することを防止できる。
また、簡便な水噴霧制御手段により定量的に冷却能力を制御することができる。このため、上記のようなマイルドな水噴霧と、定常運転における水噴霧とを精度よく制御することができる。上記のマイルドな水噴霧においても、繰り返す周期の数は複数でも単数でもよく、また、異なる周期を複数組み合わせたマイルド水噴霧であってもよい。さらに、異なる周期を複数組み合わせたマイルド水噴霧の場合、水噴霧期間の周期内の比率が、定常水噴霧運転に入るまでの間、漸増する必要はなく、上記比率が増減してもよい。この結果、冷房負荷に対して不足したミスマッチの運転をする事態が発生することを防止することができる。
【0016】
なお、上記の圧縮機は、定速圧縮機1台からなる圧縮機でも、インバータ圧縮機1台からなる圧縮機でも、また定速圧縮機とインバータ圧縮機とが組み合わされた圧縮機(ビル用マルチタイプ)でもよい。ビル用マルチタイプの場合、上記「圧縮機の運転開始」は、インバータ圧縮機の運転開始からでもよいし、インバータ圧縮機の運転開始後に定速圧縮機が運転を開始する際の、定速圧縮機の運転開始でもよい。
【0017】
本発明の別の補助冷却装置の運転方法は、空気調和機において、圧縮機から送り出された冷媒を凝縮する凝縮器に対して水噴霧冷却する補助冷却装置の運転方法である。この運転方法は、水噴霧の制御をする水噴霧制御手段への通電開始の後、所定時間水噴霧を休止する休止運転を行い、その休止運転の経過後に、水噴霧を行う水噴霧期間と水噴霧を休止する水噴霧休止期間とから構成される所定の周期に対する水噴霧期間の所定の比率をもって間欠的に水を噴霧するマイルドな水噴霧運転を開始し、そのマイルドな水噴霧運転の後に、マイルドな水噴霧運転における水噴霧期間の所定の比率よりも高い水噴霧期間の比率をもって間欠的に水を噴霧する定常運転を行う(請求項2)。
【0018】
この構成によっても、上述の本発明の補助冷却装置の運転方法と同様の効果を得ることができる。通常、上記の水噴霧制御手段は制御ボードなどのマイコンから構成されている。この水噴霧制御手段への通電は、圧縮機への通電と連動するように設けられているか、または、圧縮機が運転開始した後、さらに外気温が所定温度以上になった後に通電される。ビル用マルチタイプで、インバータ圧縮機と定速圧縮機とが組み合わされた圧縮機では、定速圧縮機への通電開始と連動して制御ボードに通電される場合が多い。
また、凝縮器の冷却度を徐々に高めて定常運転にもってゆくことができる。このため、上記運転開始直後から行う定常運転の冷却によって起きる不都合を解消しながら、迅速に定常運転の冷却に入ることができる。この結果、所望の冷却効率に迅速に到達することが可能になる。
なお、上記「マイルドな冷却」または「マイルドな水噴霧運転」とは、定常運転よりも冷却の程度を緩やかにする冷却、または定常運転よりも水噴霧時間の比率が小さい水噴霧運転をさす。したがって、マイルドな冷却またはマイルドな水噴霧運転から定常運転へと移行する際は、水噴霧時間の比率を高くしてゆき、冷却の度合いを強化する。以後の説明で「マイルド」という文言を用いる場合、上記の意味で用いる。
また、簡便な水噴霧制御手段により定量的に冷却能力を制御することができる。このため、上記のようなマイルドな水噴霧と、定常運転における水噴霧とを精度よく制御することができる。上記のマイルドな水噴霧においても、繰り返す周期の数は複数でも単数でもよく、また、異なる周期を複数組み合わせたマイルド水噴霧であってもよい。さらに、異なる周期を複数組み合わせたマイルド水噴霧の場合、水噴霧期間の周期内の比率が、定常水噴霧運転に入るまでの間、漸増する必要はなく、上記比率が増減してもよい。
【0019】
本発明の別の補助冷却装置の運転方法では、水噴霧制御手段への通電は圧縮機の稼動開始に合わせて行われ、マイルドな水噴霧運転の開始は、外気温が所定温度以上になった後、所定時間経過した後に行われるようにできる(請求項3)。
【0020】
圧縮機の稼動に加えて、外気温の条件を加えることにより、補助冷却装置の運転方法を多様化して、たとえば水噴霧を限定した条件下でのみ行わせるようにできる。
【0026】
本発明の補助冷却装置は、空気調和機において、圧縮機から送り出された冷媒を凝縮する凝縮器に対して水噴霧冷却する補助冷却装置である。この補助冷却装置は、凝縮器に水噴霧する水噴霧手段と、水噴霧手段における水噴霧を制御する水噴霧制御手段と、水噴霧制御手段への通電後、所定時間経過したことを検知する時間経過検知手段とを備えている。その水噴霧制御手段は、時間経過検知手段によって検知される所定時間が経過するまで、水噴霧を休止する休止運転を行う機能と、その休止運転に引き続いて、水噴霧を行う水噴霧期間と水噴霧を休止する水噴霧休止期間とから構成される所定の周期に対する水噴霧期間の所定の比率をもって間欠的に水を噴霧するマイルドな水噴霧運転を行う機能と、そのマイルドな水噴霧運転に引き続いて、マイルドな水噴霧運転における水噴霧期間の所定の比率よりも高い水噴霧期間の比率をもって間欠的に水を噴霧する定常運転を行う機能とを備えている(請求項4)。
【0027】
この構成における水噴霧制御手段は、たとえば制御ボードのマイコンに組み込まれている。また、マイルドな水噴霧と、定常運転における水噴霧とは、制御ボドのディプスイッチのオンオフを選択することにより、定量的に設定することができる。この場合、たとえば上述の周期の期間と、水噴霧期間とを設定することにより、周期内の水噴霧期間の比率を設定することができる。また、水噴霧の冷却度を定量化してデジタル制御することが容易化される。すなわち、ノズルへの水の供給をオンオフ制御とし、所定周期内でオン時間を設定することにより冷却度を制御することができる。このため、プログラム等を簡単にすることができる。
【0030】
本発明の補助冷却装置は、水噴霧制御手段に外気温を入力する外気温検知手段を備え、水噴霧制御手段は外気温検知手段によって検知された外気温が所定温度以上になった時から所定時間経過した後に、マイルドな水噴霧運転を行うことができる(請求項5)。
【0031】
この構成により、水噴霧制御手段へ通電する環境に外気温を加えることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次いで、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態におけるマイルド冷却運転を説明する図である。繰り返しになるが、マイルド冷却運転とは、定常運転における冷却よりも冷却の度合いを緩やかにした冷却を行う水噴霧運転をいう。図1において、制御ボードへの通電開始から経過した時間を運転時間として左端欄に示している。制御ボードへの通電開始から120秒間はディレイモードであり、水噴霧は行われない休止運転の状態にある。その後、33秒間の周期内に2秒間の水噴霧を行うマイルド冷却モード(I)の間欠水噴霧を行う。この間欠水噴霧における水噴霧期間の比率は6.06%である。このマイルド冷却モード(I)は、120秒〜219秒の間に、上記周期が3回繰り返される。
【0034】
次いで、49秒間の周期内に3秒間の水噴霧を行うマイルド冷却モード(II)の間欠水噴霧を行う。この間欠水噴霧における水噴霧期間の比率は6.12%である。このマイルド冷却モード(II)は、219秒〜317秒の間に、上記周期が2回繰り返される。
【0035】
次いで、69秒間の周期内に4秒間の水噴霧を行うマイルド冷却モード(III)の間欠水噴霧を行う。この間欠水噴霧における水噴霧期間の比率は5.80%である。このマイルド冷却モード(III)は、317秒〜386秒の間に、上記周期が1回行われる。
【0036】
この後、補助冷却装置の運転は、温度によって定められた所定の比率の水噴霧期間の間欠水噴霧に移行する。定常運転の場合、水噴霧の周期内の比率は、マイルド冷却運転のそれより高くする。
【0037】
図2は、本発明の実施における補助冷却装置を示す図である。図2において、圧縮機33,43から送り出される冷媒蒸気は、圧力を高められるだけでなく、温度も高められる。この高温高圧の冷媒蒸気を凝縮器35に送って、水や空気で冷やす。この冷却により、冷媒蒸気は圧力の高いまま液体になる。この冷媒をレシーバ38で受けて、膨張弁36やキャピラリチューブを通して圧力を下げて蒸発器37に流し込む。蒸発器37では、冷媒は被冷却物から熱を奪い蒸発する。上記の冷凍サイクルの中で、室外機は、定常、圧縮機から膨張弁にいたる経路を備えた部分であり、室内機は、膨張弁の後の蒸発器の部分、すなわち冷凍を利用する部分により構成される。
【0038】
上記の冷凍サイクルの圧縮機は、インバータ圧縮機33と、定速圧縮機43とから構成されている。制御ボード2は、その電源を定速圧縮機43の電磁スイッチ34の2次側からとっている。インバータ圧縮機33を駆動させる駆動系33aには、インバータ33bで制御された電力が供給される。この駆動系33aは、圧縮機33に外付けされた回転機、リニアモータ、その他の駆動機器で構成することができる。ノズル3を配置した水配管4への給水部10は、ストレーナや圧力調整のための減圧弁等を備え、電磁弁SVでオンオフ制御される。制御ボード2には、外気サーモThが接続されている。
【0039】
図2の組み合わせ圧縮機の場合、インバータ圧縮機は、圧縮機の立ち上がりの部分を、定速圧縮機を停止させたまま要求能力に応じて比例して稼動する。要求能力が定速圧縮機の稼動分に上昇した場合には、インバータ圧縮機の稼動をいったん低稼働にして、定速圧縮機を稼動させる。さらに要求能力が増大した場合、インバータ圧縮機は、定速圧縮機の能力を超える要求能力分に応じて稼動する。この結果、負荷に見合った圧縮機の稼動を行うので、圧縮機の稼動の無駄がなく、省エネルギを実現することができる。
【0040】
図3は、図2に示した、インバータ圧縮機と定速圧縮機とが組み合わされた圧縮機における高圧部と低圧部の圧力の時間変化を示す図である。高圧部は圧縮機出口側から膨張弁36にいたる前の部分であり、低圧部は膨張弁36から圧縮機吸い込み口までの部分である。室外機の稼動に伴いインバータ圧縮機が稼動して、高圧部では徐々に圧力が増大し、低圧部では徐々に圧力が低下する。要求能力が定速圧縮機の稼動分に上昇した場合には、インバータ圧縮機の稼動をいったん低稼働にして、定速圧縮機を稼動させる。
【0041】
このとき、図2に示すように、制御ボードに電磁スイッチ34の2次側から通電がされる。図1の左端欄の時間カウントがこの通電とともに始まる。定速圧縮機の運転開始とともに、高圧部では圧力がさらに急勾配で上昇し、低圧部では圧力がさらに急勾配で低下する。この間、補助冷却装置は休止モードにあり、水噴霧は行われない。冷媒が強制循環されてしばらくすると、圧縮機の吸い込み側(低圧側)でも、押し出し側(高圧側)でも、圧力の極大値、極小値を経て圧力バランスする均衡点に近づくように推移する。
【0042】
上記の圧力の極値を経た後、制御ボードへの通電後120秒後に制御ボードに予めストアされたプログラムに基づき、制御ボードから電磁弁SVへ信号が送られ、所定の水噴霧期間を有する周期のマイルド水噴霧運転が開始される。このため、水噴霧を行わない場合に比べて、高圧部および低圧部の圧力は安定して低下し、一定圧力を維持する。この結果、空気調和機の使用開始時の圧力変動の不安定化を回避した上で、上記水噴霧を行わない場合に比べて、冷却能力を向上し、しかも電力消費も節減することができる。
【0043】
図4は、本発明の補助冷却装置の運転方法におけるフローチャートである。圧縮機がオンされ稼動すると同時に、補助冷却装置の制御ボード等に通電がなされる(ST1)。次いで、外気温サーモにより検知される外気温が27℃以上になったかどうか判断する(ST2)。外気温が27℃以上の場合には、27℃以上になった時点から所定時間経過待機する(ST3)。27℃以上で所定時間経過後、休止運転も含めて、マイルド水噴霧を開始する(ST4)。マイルド水噴霧が所定時間行われた後(ST5)、通常運転モードに入る(ST6)。
【0044】
上記の実施の形態によれば、従来の制御ボードを用いて、プログラムを変更することにより、圧縮機開始に合せてマイルド水噴霧を行い、凝縮器の冷却のし過ぎに伴う不都合を回避した上で、冷却能率の向上および電力節減をはかることができる。
【0045】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0046】
【発明の効果】
本発明の空気調和機の凝縮器の補助冷却装置およびその運転方法を用いることにより、室外機の運転開始に合せて、直ちに凝縮器を冷却し過ぎることに伴う不都合を回避した上で、冷却能力の向上および消費電力の節減をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における補助冷却装置の運転方法を説明する図である。
【図2】 本発明の実施の形態における補助冷却装置を説明する図である。
【図3】 本発明の実施の形態における補助冷却装置の運転を行った場合の高圧部と低圧部の圧力推移を説明する図である。
【図4】 本発明の実施の形態の補助冷却装置の運転方法におけるフローチャートである。
【図5】 補助冷却装置の斜視図である。
【図6】 従来の補助冷却装置を説明する図である。
【図7】 図6の補助冷却装置の電力系統を説明する図である。
【図8】 図6の補助冷却装置の水系統を説明する図である。
【符号の説明】
2 制御ボード、3 ノズル、4 水配管、10 水供給部、33 インバータ圧縮機、33a インバータ駆動部、33b インバータ、34 電磁開閉器、35 凝縮器、36 膨張弁、37 蒸発器、38 レシーバ、43 定速圧縮機、SV 電磁弁、Th 外気温サーモ。
Claims (5)
- 空気調和機において、圧縮機(33,43)から送り出された冷媒を凝縮する凝縮器(35)に対して水噴霧冷却する補助冷却装置の運転方法であって、
前記圧縮機の運転開始から初期の所定期間だけ、前記水噴霧を休止する休止運転と、
前記休止運転に引き続いて行われ、水噴霧を行う水噴霧期間と水噴霧を休止する水噴霧休止期間とから構成される所定の周期に対する前記水噴霧期間の所定の比率をもって間欠的に水を噴霧するマイルドな水噴霧運転と、
前記マイルドな水噴霧運転に引き続いて行われ、前記マイルドな水噴霧運転における前記水噴霧期間の前記所定の比率よりも高い水噴霧期間の比率をもって間欠的に水を噴霧する定常運転と
を備えた、補助冷却装置の運転方法。 - 空気調和機において、圧縮機(33,43)から送り出された冷媒を凝縮する凝縮器(35)に対して水噴霧冷却する補助冷却装置の運転方法であって、
前記水噴霧の制御をする水噴霧制御手段(2,SV)への通電開始の後、所定時間水噴霧を休止する休止運転を行い、
前記休止運転の経過後に、水噴霧を行う水噴霧期間と水噴霧を休止する水噴霧休止期間とから構成される所定の周期に対する前記水噴霧期間の所定の比率をもって間欠的に水を噴霧するマイルドな水噴霧運転を開始し、
前記マイルドな水噴霧運転の後に、前記マイルドな水噴霧運転における前記水噴霧期間の前記所定の比率よりも高い水噴霧期間の比率をもって間欠的に水を噴霧する定常運転を行う、補助冷却装置の運転方法。 - 前記水噴霧制御手段への通電は前記圧縮機の稼動開始に合せて行われ、前記マイルドな水噴霧運転の開始は、外気温が所定温度以上になった後、所定時間経過した後に行われる、請求項2に記載の補助冷却装置の運転方法。
- 空気調和機において、圧縮機(33,43)から送り出された冷媒を凝縮する凝縮器(35)に対して水噴霧冷却する補助冷却装置であって、
前記凝縮器に水噴霧する水噴霧手段(3,4,10)と、
前記水噴霧手段における水噴霧を制御する水噴霧制御手段(2,SV)と、
前記水噴霧制御手段への通電後、所定時間経過したことを検知する時間経過検知手段(2)とを備え、
前記水噴霧制御手段は、
前記時間経過検知手段によって検知される所定時間が経過するまで、前記水噴霧を休止する休止運転を行う機能と、
前記休止運転に引き続いて、水噴霧を行う水噴霧期間と水噴霧を休止する水噴霧休止期間とから構成される所定の周期に対する前記水噴霧期間の所定の比率をもって間欠的に水を噴霧するマイルドな水噴霧運転を行う機能と、
前記マイルドな水噴霧運転に引き続いて、前記マイルドな水噴霧運転における前記水噴霧期間の前記所定の比率よりも高い水噴霧期間の比率をもって間欠的に水を噴霧する定常運転を行う機能と
を備えた、補助冷却装置。 - 前記水噴霧制御手段に外気温を入力する外気温検知手段(Th)を備え、前記水噴霧制御手段は前記外気温検知手段によって検知された外気温が所定温度以上になった時から所定時間経過した後に、前記マイルドな水噴霧運転を行う、請求項4に記載の補助冷却装置。
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