JP3810030B2 - ボールペンのペン先 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は先端に筆記部となるボールをインクの流路を確保をするための適宜の寸法の隙間を有した状態で抜け止めして、遊嵌したペン先の部品及びその部品を使用したボールペンのペン先であるチップの改良を行うものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボールペンタイプの筆記具では、初期はガリガリした書味であり、しばらく書き込むと滑らかになっていくなじみの現象や、筆記中に余分なインクが落ちて汚れた状態になるボテや、筆記していくと内部が磨耗してインクが残っているのに書けなくなったりひどい場合にはボールが飛び出してしまう不具合などががしばしば見られる。特にインクの粘度が高い一般的には油性ボールペンと呼ばれる物や、近年市販されている水をベースにした水性タイプのインクで粘度を中程度としてインク収容管に直接内蔵する中性ボールペンの場合には特にこれらの問題が発生しやすくなる。これらの対策としてボールやチップホルダーの寸法を高度に組み合わせたり、チップ材質の表面をインクに濡れにくいコーティングをしたりする対策が考案されているが、その場合にはチップホルダーの加工が困難となってしまったり、2次加工が必要となって高価なペン先となってしまう欠点を有している。またボテをインクによって改良した場合には、インクの粘度を低下させたり、界面活性剤を取り除いて濡れにくくする事でこれらの欠点が緩和されるが、ペン先から不使用時にインクがしみ出る直流やインクの潤滑性が低下して磨耗がさらに悪化する他の問題などが発生しやすくなってしまう。
【0003】
筆記具では長時間筆記をしない場合などにキャップをして、インクの揮発を防止したり、落下などの衝撃によってペン先から空気を巻き込んでカスレたり、インクがペン先から垂れてくる所謂直流を防止する目的でキャップの内部に弾性を有するゴムなどの先端シール部材によってペン先をキャップシールしているボールペンが知られている。しかし、ノック式ボールペンの場合やユーザーがキャップを忘れた場合や揮発しやすい又は比較的粘度を低くするインクが必須となる筆記具の場合などにはカスレや空気巻き込みが発生したり、筆記不能となってしまう事故も発生している。このような場合には、部品を金属製のボールペンとしてインクの揮発を極力減らしたり、インクの粘度を高くしたり、不揮発性の溶剤を増量したり、ペン先のインク流路を狭くしてインク流出量も減少させたり、軸内部の内圧を大気圧以上に加圧して内部のインクを流出させたりして対応している。特に油性ボールペンと水性ボールペンの中間の性質を持たせた中程度の粘度のインクを使用した所謂中性ボールペンではこれらの問題を多く抱えており、やや不完全なボールペンではあるがその他の利点が認められて上市されている。一部にこれらの問題を改良したボールペンも発明されてきているが、ペン先によってボテや磨耗や直流の問題を解決した物は見られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、主に普及型のペン先内部に筆記部となるボールを先端から突出した状態で抜け止め不可能に遊嵌した所謂ボールペンタイプの筆記具の改良を目的としており、ボールペンのペン先であるチップの改良にかかわるものである。
筆記時のインク流量を初期から確保できると共に、筆記時の余分なインクが紙面に落ちて紙面を汚すボテの問題と筆記時の初期にガリガリした書味で書き込むほどに良くなるなじみの問題の解決を第1の目的としている。さらにはペン先の内部にその筆記ボールと内面のボールとほぼ同様のRを有するシール面や受け座を設けることで外気と遮断シールするシール部を有するペン先の製造性を犠牲にすることなく、シールによってドライアップや空気巻き込みや直流などのトラブルや、書味のトラブルなどの問題を解決する事で、特別なインクや高度な加工を必要としないで、安価で性能の良い筆記具を提供するという課題を解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する為に案出された本発明のボールペンは、先端に筆記部となるボールを外部に臨出するように回転可能に抜け止めされており、インク収容管の内部にはインクを内蔵している。このインクはペン先の内部で適宜寸法に設定された複数本のチャンネル溝や横方向のガタや上下にもインク導出が可能な様にボールが移動可能な縦ガタなどのインク流路を経て、回転可能で筆記部となるボールから外部の紙面に導出されるように構成されている。
この遊嵌されたボールは自由に回転できる状態で塑性変形などによる先端側の全周のカシメによって抜け止めされる。
【0006】
本発明の形状としては、受け座と先端のカシメとの間に複数のポンチ突起をボールの横ガタを減らすように設け、このポンチ突起をインク流路を塞がず、かつボールの回転を阻害することの無い様に設けている。通常の筆記では紙面に対して60゜前後傾けた状態で筆記されるため、ボールの縦ガタ横ガタ共に大きいペン先では内部でボールが受け座から外れて内部の側面や先端部などに当接しながら筆記している。この時にはボールは各部にランダムに当たりながら回転していることになって、スムーズな回転をしていない状態つまり書味の劣化した状態であり、磨耗についても不利となっている。
さらに本発明を有効にする形状としては、ボール出、カシメ内径、カシメ外径の最適化による安定したカシメによってボールを抜け止めし、カシメ加工時にカシメ部の内径部をボールに当接するまでやや強めにカシメることなどによって、先端のカシメ内部にシール面を形成させる。シール面はボールと略同等のRと全周にわたってある一定の巾を有した形状となし、ボールの縦方向のガタを確保すると同時にボールの軸方向後方の受け面となる受け座も設けられる。ボールと略同等のRを有し、ボール当接するカシメの内面であるシール面を有することで本発明の第1の効果をさらに補完して、直流防止性や保存性の向上が可能となる。
【0007】
さらにポンチカシメの外径部のテーパーを0゜(パイプ状のストレート)から30゜以下のテーパーとした場合にはポンチ突起の量を安定して形成しやすくなり、効果の高い3μmから20μmの高さの突起とすることが可能となる。
特に中性ボールペンと呼ばれる23℃±5℃でのインク粘度が10cpから5000cpの顔料タイプ水性インクを有するものでは本発明の効果は特に大きくなる。
【0008】
【作用】
上記の解決手段の作用を以下に説明する。本発明の改良では、従来のボールペンのペン先に比較して、ポンチ突起によってボールの横方向のガタが抑えられることから、1)筆記圧を受けて筆記しているときのボールの回転が横方向に移動量が減って、スムーズな回転にすることが可能となる。これによってなじむ前の初期からの書味の向上が可能となる。 2)ボールが常に中心でスムーズに回転しやすくなる事から、先端内部や受け座の角部などが異常に磨耗することが無くなり、磨耗による問題の解決が可能となる。 3)筆記圧を受けるとボールは常に中心にセンタリングされて、ペン先からインクの導出をされたインクのうち紙面に転写されずにボールの回転でペン先内部に回収されるインクがペン先の先端でかき取られないのでボテが減少する。つまりスキマが導出側と回収側で同じになるためかき取る現象が発生しなくなりボテが減少する。などの作用を有している。
さらに内部に筆記ボールと同形状でかつ表面の面粗度が十分に滑らかであるシール部を有するカシメを行うことで外気と遮断するシール部が完全な物となり、ペン先を下向きとしてインクがしみ出しやすくなると重力によって筆記ボールが下がってシール面に当接して蓋をした状態となって直流の問題を解決することが可能となり、さらにカシメを角度、カシメ後の外径、内径を最適化して行なうことで、シール面の形成がバラツキのない有効な物となるばかりでなく、インクの流量を安定させ、磨耗に対する各部の寸法が十分に確保される事で、ボール飛びや筆記不能をさらに防止ことができる。
【0009】
ここでポンチ突起を3μmより小さくすると本発明の効果が発現せず、20μmよりも大きな突起とすると先端のカシメ加工の加工量が多くなりすぎて安定して製造することが不可能となる上に、横方向のインク流路が多すぎてインク量が増大しすぎてしまう問題や塑性変形によってポンチ突起を形成するときには加工による割れなどの不具合も生じやすいため、ポンチ突起の突出量は3μm以上20μm以下(望ましくは10μm前後)とする事が望ましく、本発明の作用をさらに有効なものとできる。また、ポンチ突起の外側のテーパー角度を30゜以下にした場合には塑性加工での安定した突起の加工が可能となる。
特にインク粘度が比較的低い中性ボールペンでは本発明が最も効果的に作用する。インクの流量が多く、インクに潤滑性を付与することが比較的困難で、直流やボテや磨耗の問題を解決できたり、インクの設計に自由度を与えることができるようになって、結果的にペン体の総合性能を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1から図4に本発明の実施例であるボールペンのペン先であるチップの例を図示しており、図に従って以下詳述する。チップの先端には筆記ボールが前端側はカシメによって後端側には受け座によって抜け止めされており、ボールは前後に縦ガタを有した状態で回転可能に遊嵌されている。カシメは望ましくは50゜から90゜のカシメ角でカシメられており、一般的には金属の塑性変形によってまたは塑性変形と切削の組み合わせでこれらのカシメが加工され、このカシメの内面はボール径と略同等の曲率半径Rを有しており、望ましくは表面の面粗度が5μm以下のシール面が形成されており、ボールがこのシール面に当接する事によって、ボールペン内部と外気とがほぼ遮断される所謂シール状態を形成することができるものである。
【0011】
一般的にはカシメを強くしてシール面を大きくすればシール性の効果が上がると考えられているが、あまり大きいと内部のスキマが小さくなったりボールとの抵抗が大きくなってインク流量が減少したり、筆記性が悪化する。ここでカシメの程度や筆記性を規定するためには、ボール出やカシメ内径やカシメ外径やシール面幅やカシメ角度やタテガタなどの寸法をそれぞれ要求されるペン体によって適宜の寸法に規定される関係とする事は重要である。
具体的な製造の一例としては、切削によって加工される内壁は面粗度が不安定であるため、ボールの面粗度を5μm以下の物を使用して、そのボールの面粗度をチップ内面に転写させることでRの形状と5μm以下の面粗度を同時に形成させることができる。ボールの後方には同様に曲率半径Rを有する曲面となしたシール面同様の受け座を設けて筆記時のボールの座りを良くし、筆記による回転でボールが受け座から転がり出て内部の先端側を削ってしまう問題を起こさない為や必要なタテガタを確保する為に受け座の前記曲面とボールとが接する部分の最大径寸法をボール径Aの0.5から0.9倍とする事が望ましい。インクは収容管からペン先内部に移動可能でかつ、インク孔やチャンネルや縦ガタ及び横ガタによってボールまでの流路が確保されている。チャンネルは放射状の複数の溝をブローチ加工によって打ち込んで形成されることが一般的であり、溝の幅や本数は適宜選択された最適な寸法とすればよい。
【0012】
本発明ではカシメと受け座の間で筆記ボールの側面付近にポンチカシメによってチップの外側から内部に塑性変形させた複数個のポンチ突起を設けた。ここでこの突起の高さは10μm前後として、突起の先端がボールに当接した時点でポンチカシメを止める加工で材料のスプリングバックによって自然とボールとの間に数μmのスキマができてボールの回転を阻害することなく突起を形成させた。このポンチ突起を有する外側のテーパー面を0゜(図4に示すパイプ状のストレート)から30゜以下のテーパーとした。テーパー面が30゜より大きいと、ポンチカシメの位置が僅かにずれただけでポンチカシメする肉厚が大きく変化してしまうため、安定した形状とするには外径テーパー角度を鋭角とした方が良く、35゜以上では実験により安定したカシメは安価に量産できなくなってしまった。
【0013】
また 本発明では、その他の望ましい形状として、チャンネルの外接円径をボールの径と同等以上の寸法とした。つまり、筆記による磨耗によってボールが内部にめり込んでいった場合にもチャンネルは塞がれることはなく、インク流路を確保する事が可能であり、ボール出が極端になくなっても少なくとも筆記は可能となる。本発明のチップを使用した物では、筆記の初期からボールがセンタリングされることからスムーズな筆記感を得られ、十分なインク流路を確保して初期からのインク量の十分な滑らかな筆記とすることが可能で、安定して性能を維持することが容易になる。
【0014】
ペン先の内部にボールを常に前方に弱く押圧するスプリングをペン先の後端点カシメによって内蔵した場合はさらに効果的である。このスプリングは先端にストレート部を設けて直接ボールを押圧する構造の物や先端部にコマを別部品としてその後端をスプリングで押す構造の物やスプリングの後端が点カシメではなく継手の内径段部によって当接抜け止めされた物やスプリングが樹脂、ゴム、板バネ等でも全く同様の効果を発する。
【0015】
実施例に使用したインクは一般的な油性ボールペン用インク(三菱鉛筆(株)製SA−R用黒インク)と、剪断力下での23℃±5℃での粘度が10cpから5000cpであり水をベースとしてグリセリンやプロピレングリコールなどの他の溶剤を5〜50%、着色剤として顔料や染料を1〜20%、その他適宜の分散剤、ゲル化剤、防腐剤、界面活性剤、潤滑剤などの各種添加剤を含む中性インク(三菱鉛筆(株)製UM−100用黒インク)の2つを使用し、それぞれに適応したペン先を設定した。ここでボールペンの総合性能として揮発減量に着目すると、本発明のペン先を使用することでペンの先端部のシール性が向上するとペンからの水分の揮発が抑制されて一般的には乾きやすいインクでもキャップレスボールペンに使用できたり、保存性や耐久性が向上して、従来は不可能であったノック式水性インクの中性ボールペンやキャップにシール部材を必要としないボールペンや油性ボールペンや直液式ボールペンに応用することでそれらの問題を解決ことが可能となる。当然、従来のキャップ式や加圧式の軸機構と組み合わせればさらに良質で特色のあるボールペンとなる。
【0016】
以下に従来例及び実施例を比較する。
各項目の評価は ○:問題なし、●’:わずかに見られるが問題なし、
△:ややあるが実使用問題なし、▲:実使用ぎりぎり
×:実使用不可能。 の5段階評価。
各性能の評価方法は
ボテ:ISO規格の機械筆記での描線ボテの評価
なじみ:初期のサンプルと機械筆記500m後のサンプルの手書き比較での筆記感の差があるかどうか。
直流:キャップなしでの下向き放置での直流テストでインクが出た量
磨耗:ISO規格の機械筆記での受け座の磨耗量の評価
【0017】
従来例1:三菱鉛筆(株)製、油性ボールペン(SA−R黒)の市販品
テーパー角度は30゜、シール面は少しあり
ボテ:ややあり △ 、 筆記なじみ:ややあり△、
直流:僅かにあり●’、 磨耗:僅かにあり●’
従来例2:三菱鉛筆(株)製、中性ボールペン(UM−100黒)の市販品
テーパー角度は30゜、先端のシール面は無し
ボテ:ややあり△、筆記なじみ:僅かあり●’、
直流:あり、実使用ぎりぎり▲、 磨耗:ややあり△
【0018】
実施例1:市販の油性ボールペンペン先に4点のポンチ突起高さ5μmを追加
他の部品や形状は全て従来例1と同じもの
ボテ:なし○、 筆記なじみ:僅かあり●’、
直流:わずかあり●’、 磨耗:わずかあり●’
実施例2:市販の中性ボールペンペン先に4点のポンチ突起高さ15μmを追加
他の部品や形状は全て従来例2と同じもの
ボテ:ごく僅か●’、 筆記なじみ:なし ○、
直流:わずかあり●’、 磨耗:わずかあり●’
【0019】
実施例3:市販の油性ボールペンペン先に3点のポンチ突起高さ10μmを追加、
テーパー角度は0゜(パイプ状)、シール面は大きくした
他の部品や形状は全て従来例1と同じもの
ボテ:なし○、 筆記なじみ:僅かあり●’、
直流:なし○、 磨耗:わずかあり●’
実施例4:市販の中性ボールペンペン先に3点のポンチ突起高さ10μmを追加
テーパー角度は0゜(パイプ状)、シール面はあり
他の部品や形状は全て従来例2と同じもの
ボテ:ごく僅か●’、 筆記なじみ:なし ○、
直流:なし ○、 磨耗:わずかあり●’
【0020】
【発明の効果】
本発明を実施すれば、ボテ、直流、保存性の問題や磨耗によって筆記不能になる問題や初期のガリガリした書味やインク流量不足の問題などを解決する事ができる効果を有する。さらにはキャップを不要としたり、ペン先のシールを確実にするので高度なシール性の必要ない簡易キャップやキャップレスでよく、組み立てやすい筆記具や従来は不可能であったノック式筆記具を安価で安定的に提供することが可能となる上に、乾きやすい水性インクのボールペンでもシール部が安定する事で直流や空気巻き込みやカスレやボール飛びなどの磨耗耐久性の問題を特殊なインクや複雑な軸部の機構を採用しなくても解決することが可能となる。特にペン先内部にスプリングを内蔵して常に筆記ボールを前方に押して本発明の内部シール面と密着させる構造の物を本発明の応用とすることで、さらに効果が期待できる。従来は欠点の多かった中粘度のインクを使用した所謂中性ボールペンではその欠点のほとんどを解決する効果があり、インクに擬塑性と呼ばれる剪断力によってインク粘度が変化するものでは保存中は粘度がやや高く筆記中はボールによる剪断力で粘度が落ちる事から本発明のペン先との併用に大きな効果が期待できる。また、本発明は従来の油性ボールペンや中綿式のボールペン、多数の櫛歯状のインク保留体を使用した直液式水性ボールペンなどに応用しても同様の効果が得られるものであり、逆止ボールなどによる逆流防止機構との併用でさらに逆流の問題のない筆記具が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるボールペンの先端側のペン先部材の構造を示す縦断面及び外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態であるボールペンのペン先部材の内部を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態であるボールペンのペン先部材のA−A断面を示す横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態であるボールペンのペン先部材の断面を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボール
2 カシメ
3 内壁
4 チャンネル
5 シール面
6 受け座
7 インク孔
8 ポンチ突起
9 テーパー角

Claims (3)

  1. 先端より臨出した状態で回転可能に遊嵌されたボールが、先端側には全周のカシメによって、後端側には受け座によってそれぞれ前後退の移動規制されており、内部には後端側からインクを導出するインク孔を設けたボールペンのペン先部材であるチップに於いて、筆記時にボールが受け座に当接してインク孔が塞がれても筆記用インクをペン先の先端外部まで導出させるために、受け座とインク孔を連通して、複数の溝によって構成されるチャンネル溝を有すると共に、ボールと略同等の曲率半径Rを有する曲面となした受け座において前記曲面とボールとが接する部分の最大径寸法をボール径の0.5から0.9倍とし、さらに、受け座と先端のカシメの間にインク流路を確保した状態で筆記ボールの横方向のガタを減少させる複数個のポンチを有し、ポンチ突起とボールとの間に数μmのスキマを有する事を特徴とするボールペンのペン先。
  2. ボールの横方向のガタを減らすポンチ突起の突起高さが3μm以上20μm以下である事を特徴とする請求項1に記載のボールペンのペン先。
  3. ペン先を下向きにした時に重力によってボールが移動して当接するペン先のカシメ部の内縁には、ボールと略同等の曲率半径Rを有したシール面を形成し、ポンチ突起を有するペン先の外側のテーパー角度が30゜以下であり、ポンチ突起が塑性変形によるポンチ加工によって形成される事を特徴とする請求項1に記載のボールペンのペン先。
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