JP3808413B2 - 光通信システム - Google Patents

光通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP3808413B2
JP3808413B2 JP2002231632A JP2002231632A JP3808413B2 JP 3808413 B2 JP3808413 B2 JP 3808413B2 JP 2002231632 A JP2002231632 A JP 2002231632A JP 2002231632 A JP2002231632 A JP 2002231632A JP 3808413 B2 JP3808413 B2 JP 3808413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
wavelength
signal
center
user
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002231632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003134058A (ja
Inventor
浩司 秋本
淳一 可児
光啓 手島
岩月  勝美
将樹 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2002231632A priority Critical patent/JP3808413B2/ja
Publication of JP2003134058A publication Critical patent/JP2003134058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3808413B2 publication Critical patent/JP3808413B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光アクセスネットワーク、特に波長多重アクセスネットワークを構成する光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図16は、イーサネット(登録商標)アクセスシステムの構成例を示す。図16において、複数のユーザ装置1051とセンタ装置1052に配置されたスイッチまたはルータ1053は、それぞれ1本または2本の光ファイバ1031を介して接続され、双方向通信が行われる構成である。ここでは、物理速度125 Mbps 、データ転送速度最大100 Mbps のファストイーサネットや、物理速度1.25Gbps 、データ転送速度最大1Gbps のギガビットイーサネット等を想定する。なお、物理速度とは、実際のデータ転送速度に関わらず、物理的に電気信号または光信号がオンオフされる速度を意味する。
【0003】
図17は、波長多重アクセスネットワークの構成例を示す。図17において、複数のユーザ装置1051とセンタ装置1052が、光ファイバ1031、光分岐装置1056、光ファイバ1032を介して接続される。光分岐装置1056の波長合分波フィルタ(AWG)1057は、各ユーザ装置1051からの上り光信号を合波してセンタ装置1052へ送出するとともに、センタ装置1052から送信された下り波長多重光信号を波長ごとに分波して各ユーザ装置1051へ送出する構成である。センタ装置1052の波長合分波フィルタ(AWG)1054は、光分岐装置1056で合波された上り波長多重光信号を波長ごとに分波してスイッチまたはルータ1053に送出するとともに、スイッチまたはルータ1053からの各ユーザ装置1051宛の下り光信号を波長多重して光分岐装置1056に送出する構成である。
【0004】
なお、図17の構成は一例であり、光伝送路の上りと下りを分離して2本の光ファイバを用い、上り信号と下り信号は別々の波長合分波フィルタによって合分波される構成としてもよい。
【0005】
ところで、波長多重アクセスネットワークでは、各ユーザ装置が異なる波長の光信号を送信することを前提に検討が進められているが、最近、各ユーザ装置が広帯域変調光を送信し、光分岐装置で各ユーザ装置に割り当てた波長にスペクトルをスライスし、各波長のスペクトルスライス光を波長多重してセンタ装置に伝送する方式が検討されている(文献1(K. Akimoto, et al., ”Spectrum-sliced, 25-GHz spaced, 155Mbps×32 channel WDM access”, Proc. CLEO/Pacific Rim 2001, ThB1-5, pp.II-556〜II-557, Chiba(Japan), July, 2001))。これにより、各ユーザ装置が同一の仕様(波長特性)の光送信器を用いて波長多重アクセスが可能になり、光送信器の生産コストや波長制御にかかるコストの削減が可能になる。
【0006】
図18は、スペクトルスライス光を用いる波長多重アクセスネットワークの構成例を示す。基本的な構成は図17に示すものと同様であるが、ここでは上り方向の機能について示す。
【0007】
各ユーザ装置1051には、広帯域な自然放出光(ASE)を発生させる広帯域光源(図示省略)が配置される。なお、ユーザ装置はONU(Optical Network Unit)とも呼ばれる。広帯域光源としては、発光ダイオード(LED)、スーパールミネセントダイオード(SLD)、半導体光増幅器(SOA)、光ファイバ増幅器などがある。LED、SLDおよびSOAは半導体素子であり直接変調可能であるので、送信器として用いる場合には単体で自然放出光を変調して出力することができるが、光ファイバ増幅器の場合には外部変調器を用いて自然放出光の変調を行う必要がある。この変調された自然放出光を「広帯域変調光」という。各ユーザ装置1051が出力する広帯域変調光を図19中の(a) に示す。
【0008】
光分岐装置1056の波長合分波フィルタ1057は、各光ファイバ1031を介して各ユーザ装置1051から送信された広帯域変調光を入力し、それぞれ所定の波長をスペクトルスライスした信号光(スペクトルスライス光)を波長多重し、光ファイバ1032を介してセンタ装置1052へ送信する。ユーザ装置1051が64台の場合について、波長多重されたスペクトルスライス光を図19中の(b) に示す。センタ装置1052の波長合分波フィルタ1054は、光ファイバ1032を介して伝送された波長多重光信号を各ユーザ装置に割り当てた波長ごとに分波する。
【0009】
しかし、スペクトルスライス技術を用いて伝送可能な信号速度は、上記文献1にも記載のように、光分岐装置1056の波長合分波フィルタ1057のフィルタ特性(透過スペクトル幅)によって制限される。これは、信号の搬送波としてレーザ光ではなく自然放出光を用いているためである。
【0010】
自然放出光を用いて伝送を行う場合、自然放出光の各々のスペクトル成分が干渉しあうことにより生じるビート雑音が信号対雑音比を低下させる。図20(a)〜20(d)は、スペクトルスライスを用いる場合におけるビート雑音の影響を説明するために数値計算を行った結果を示す。図20(a) は、波長に対して平坦なスペクトルをもつ自然放出光を計算機上で模擬した場合の光スペクトルを示し、図20(b) は帯域 200GHzの光受信器で自然放出光を受信した後の時間波形を示す。図20(c) は、波長に対して平坦なスペクトルをもつ自然放出光を半値全幅25GHzの波長合分波フィルタでスライスした場合の光スペクトルを示し、図20(d) は帯域 200GHzの光受信器でスペクトルスライス光を受信した後の時間波形を示す。
【0011】
波長に対して平坦なスペクトルをもつ自然放出光(図20(a))により発生されるビート雑音は、低周波数から光スペクトル幅(帯域)と同程度の高周波数まで広く分布したような周波数特性を示す。しかし光受信器の電気帯域は、一般に光スペクトル帯域に対して非常に小さい帯域をもつので、ビート雑音のほとんどはこの光受信器で除去され、その結果、図20(b) のように比較的低雑音な時間波形が得られる。
【0012】
一方、波長に対して平坦なスペクトルをもつ自然放出光を波長合分波フィルタでスライスした光(図20(c))により発生されるビート雑音は、低周波数から波長合分波フィルタの帯域幅と同程度の周波数まで分布したような周波数特性を示す。波長合分波フィルタの帯域が光受信器の帯域と同程度またはそれ以下である場合には、ビート雑音はこの光受信器でほとんど除去されず、その結果、図20(d) のように強度雑音成分の多い時間波形が得られる。
【0013】
波長多重アクセスシステムにおいて、同時に多重できるユーザ装置数を増やすためには、波長多重された各光信号(あるいはスペクトルスライス光)の波長間隔(これをチャネル間隔と呼ぶ)を狭くする必要がある。そのためには各チャネルが占有するスペクトル幅を狭くしなければならず、この結果、各ユーザが伝送可能な速度が遅くなる。
【0014】
以上の特性の定量的な解析は、文献2(J.S.Lee,他,"Spectrum-sliced fiber amplifier light source for multichannel WDM applications", IEEE Photonics Technologies Letters, vol.5, pp.1458-1461, 1993)に記されており、信号対雑音比は波長合分波フィルタの半値全幅Bo と光受信器の電気帯域幅Be を用いて、およそBo /Be で決めることができる。信号対雑音比がおよそ144 以上であることは、伝送品質の目安である符号誤り率10-9以下に相当する。また、光受信器の帯域は伝送したい速度の 0.7倍程度は必要であるので、例えば25GHz間隔の波長多重システムにおいてスペクトルスライスで伝送できる速度は、波長合分波フィルタの半値全幅が波長間隔の 0.7倍程度になることとして、170 Mbps 程度以下に制限される。さらに、波長合分波フィルタにおける他チャネルからの漏れ光も考慮すると、25GHz間隔の波長多重システムにおいてスペクトルスライスで伝送できる速度は、 125〜155 Mbps 程度であることが上記文献1に記載されている。
【0015】
ここで、25GHz間隔のスペクトルスライス波長多重システムで1.25Gbps の信号を伝送しようとすると、波長合分波フィルタ1057の半値全幅が波長間隔の 0.7倍程度になることとして、信号対雑音比が16程度となる。その結果、符号誤り率は0.01以上となり、例えば16バイト以上のパケット信号がほぼ 100%損失してしまい、全く伝送できないことになる。
【0016】
一方、下り光信号伝送については、センタ装置1052において、多波長(多チャネル)の一括波長管理や、多波長一括発生光源(特開2002−82323号、文献3(M. Fujiwara et al., “Flattened optical multicarrier generation of 12.5 GHz spaced 256 channels based on sinusoidal amplitude and phase hybrid modulation”, Electronics Letters, Vol.37, No.15, pp.967-968, July, 2001)などを用いて低コスト化が可能であり、スペクトルスライス適用の必要性は上り光信号伝送に比べると高くない。ここで、特開2002−82323号、文献3の多波長光源は、それぞれ異なる単一の中心波長の光を発生する2n個の光源からの入力光を2分割して2系統の合波、変調処理を行い、各変調結果を偏波合成し、これを波長の異なる複数のキャリアに分離して最終的な出力を得る構成である。また、特開2002−82323号、文献3の多波長一括発生光源は、単一の中心波長を有する光を特定の繰り返し周期を有する電気信号(例えば正弦波)を用いて位相変調および振幅変調を行い、側帯波を発生させることにより複数の中心波長を有する多波長光を一括して発生させる構成である。
【0017】
なお、伝送速度に関しては、特開2002−82323号、文献3の多波長光源を用いて少なくともチャネル(波長)当たり1.25Gbps 程度の速度の信号を伝達できることが、文献4(N.Takachio, 他、"Wide area gigabit access network based on 12.5GHz spaced 256 channel super-dense WDM technologies", エレクトロニクスレターズ, vol.37, pp.309-310, March, 2001) で報告されている。
【0018】
したがって、例えば25GHz間隔の波長多重アクセスネットワークを低コストに構成する方法として、上り信号伝送にスペクトルスライス技術を利用し、下り信号発生に多波長一括発生光源を適用すれば、上りの伝送速度は155 Mbps 程度以下に制限されるのに対して、下りの伝送速度はギガビットクラスの速度の提供が可能であり、様々なコンテンツファイル等のダウンロードに適したシステムの実現が可能となる。
【0019】
このほか、上り光信号伝送のコスト低減化技術における別のアプローチとして、上り光信号用の光搬送波をセンタ装置から各ユーザ装置へ供給し、各ユーザ装置が与えられた光搬送波を変調して伝送する、キャリア供給型の波長多重アクセスネットワークが提案されている(特開2000-196536号公報、文献5(中村卓也,他、「反射型WDM-PON伝送方式の光送受信レベルにおける伝送特性の検討」,信学技報 OCS2000-50,pp.13-18, 2000年9月))。図21は、キャリア供給型波長多重アクセスネットワークの構成例を示す。
【0020】
図21において、センタ装置1152は、送信部1160および受信部1161より構成される。送信部1160は、下り光信号を発生させる多波長一括発生/変調部1162と、上り光信号の光搬送波を発生させる多波長一括発生部1163と、これら多波長一括発生/変調部1162及び多波長一括発生部1163から出力される多波長光を合波する波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)1164よりなる。
【0021】
センタ装置1152からの下り光信号は、光ファイバ1132を介して接続された光分岐装置1156に送られ、光分岐装置1156内のAWG1157で下り光信号が波長ごとに分波され、光ファイバ1131を介して各ユーザ装置1151に送出され、ユーザ装置1151内の受信器1170で受信される。
【0022】
多波長一括発生部1163が発生した上り光信号用の光搬送波は、センタ装置1152からユーザ装置1151へ送られる下り光信号と同じ経路を通り、光分岐装置1156のAWG1157に送られる。AWG1157は下り光信号と光搬送波のそれぞれを波長ごとに分波してユーザ装置1151へ送る。ユーザ装置1151では、WDMフィルタ1171により下り光信号と光搬送波とが分離され、光搬送波は光変調器1172に入力される。光変調器1172は光搬送波を変調して上り光信号を発生し、光ファイバ1141を介して接続されたAWG1157へ送出する。AWG1157は各ユーザ装置1151からの上り光信号を波長多重して光ファイバ1142を介してセンタ装置1152へ送出し、センタ装置1152の受信部1161にて上り光信号が受信される。
【0023】
ここで、下り光信号の波長λ1, λ2, ・・・, λN(下り変調光)と、上り光信号用の光搬送波の波長λ1’, λ2’, ・・・, λN’(無変調光,上り変調光)(Nはユーザ装置1151の台数)とは異なる波長帯域を利用する波長配置となっている。
【0024】
このようなキャリア供給型波長多重アクセスネットワークの利点としては、ユーザ装置内にはレーザ光源をもつ必要がなく、ユーザ装置での波長制御の必要がないため、ユーザ装置の送信器構成は簡易なものになり、波長多重アクセスシステムの低廉化が期待できる点にある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
現在広く利用されている双方向光通信のインタフェースである上記のファストイーサネットやギガビットイーサネットでは、上り/下りの物理速度は等速度になっている。
【0026】
したがって、上り信号伝送に低コストのスペクトルスライス技術を利用して伝送速度を155 Mbps 程度以下に制限するとともに、下りはユーザの要求に応えるべくギガビットクラスの速度を提供できる波長多重アクセスネットワークでは、上記のファストイーサネットやギガビットイーサネットの信号をそのまま伝送させることができない。それは、ファストイーサネットを用いると下りの速度をギガビットクラスにすることができず、ギガビットイーサネットを用いると上りの信号速度が速く帯域が広いためにスペクトルスライス光を全く伝送できないからである。
【0027】
一方、上り光信号および下り光信号の光源に多波長一括発生光源を用いた場合には、光源装置の故障時には全波長の光搬送波が停止してしまう可能性が高い。その場合、波長多重アクセスネットワークに接続されているすべてのユーザ装置との通信が途絶えてしまい、被害が甚大となるという問題点があった。
【0028】
本発明は、広く利用されている双方向光通信のインタフェースとして、上り/下りの物理速度が等速度のギガビットイーサネット等を用い、上り信号伝送に広帯域変調光またはスペクトルスライス技術を利用して光通信装置の低コスト化を図り、下り信号伝送はユーザの要求に応えるべくギガビットクラスの速度を提供するための光通信システム,光通信装置および光送受信器を提供することを目的とする。
【0029】
また、本発明は、広く利用されている双方向光通信のインタフェースとして、上り/下りの物理速度が等速度のギガビットイーサネット等を用い、上り信号伝送および下り信号伝送の光源として、センタ装置に集中配備された多波長一括発生光源を用いることにより、ギガビットクラスの高速な通信サービスを提供できる光通信装置の低コスト化を図り、かつ光源装置の故障等により光搬送波の供給が絶たれた場合にも低速で通信可能となる光通信システム,光通信装置および光送受信器を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光通信システムは、送信信号と受信信号の物理速度が等しいユーザ側双方向通信インタフェースと、ユーザ側光送信器と、ユーザ側光受信器と、前記ユーザ側双方向通信インタフェースから入力される送信信号をメモリに書き込み、書き込み速度より低速で読み出すことによって前記送信信号の物理速度を下降させて前記ユーザ側光送信器に出力するユーザ側物理速度下降手段とをそれぞれが有する複数のユーザ側光通信装置と、送信信号と受信信号の物理速度が等しいセンタ側双方向通信インタフェースと、前記複数のユーザ側光通信装置にそれぞれ対応する複数のセンタ側光送信器および複数のセンタ側光受信器と、前記複数のセンタ側光送信器から出力される光信号を波長多重して下り波長多重光信号として送信するとともに、入力される上り波長多重光信号を各波長に分波して前記複数のセンタ側光受信器に受信させる波長合分波手段と、前記センタ側光受信器で受信された受信信号をメモリに書き込み、書き込み速度より高速で読み出すことによって前記受信信号の物理速度を上昇させて前記センタ側双方向通信インタフェースに出力するセンタ側物理速度上昇手段とを有するセンタ側光通信装置と、前記センタ側光通信装置と前記複数のユーザ側光通信装置のそれぞれとが少なくとも1本の光ファイバを介して接続され、前記複数のユーザ側光通信装置からの光信号を合波して前記上り波長多重光信号として前記センタ側光通信装置に送信するとともに、前記センタ側光通信装置からの前記下り波長多重光信号を波長ごとに分波して前記複数のユーザ側光通信装置に送信する光分岐装置とを具備し、前記センタ側光通信装置は互いに異なる波長の光キャリアを出力する多波長光一括発生手段を備え、前記ユーザ側光通信装置及び前記センタ側光通信装置は前記光キャリアが入力される入力ポートを備え、前記ユーザ側光送信器及び前記センタ側光送信器はそれぞれユーザ側光変調器及びセンタ側光変調器を備え、前記ユーザ側光変調器及び前記センタ側光変調器の各々は、前記多波長光一括発生手段から前記入力ポートを介して入力される前記光キャリアの供給を受けた場合、前記光キャリアを変調して光信号を送信し、前記光キャリアの供給が途絶えた場合、前記ユーザ側光変調器及び前記センタ側光変調器自身が発光して光信号を送信することを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
<本発明の光通信システムの第1の実施形態>
図1は、本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す。図1に示すように、本実施形態の光通信システムは、1対の光通信装置10,20が2本の光ファイバ31を介して接続され、双方向通信を行う構成である。各光通信装置10,20は、それぞれ送信信号と受信信号の物理速度(ここでは1.25Gbps )が等しい双方向通信インタフェース11,21と、光送信器12,22と、光受信器13,23を備え、一方の光通信装置10には双方向通信インタフェース11と光送信器12との間に物理速度を1.25Gbps から低速の物理速度(ここでは 125Mbps )に下げる物理速度下降手段14を備え、他方の光通信装置20には光受信器23と双方向通信インタフェース21との間に物理速度を 125Mbps から1.25Gbps に上げる物理速度上昇手段24を備える。
【0047】
ここで、光通信装置10から光通信装置20への伝送においては、双方向通信インタフェース11からの送信信号(物理速度1.25Gbps )を物理速度下降手段14で物理速度 125Mbps の送信信号に変換し、光送信器12で物理速度 125Mbps の送信信号を光信号に変換して送信する。光通信装置20の光受信器23では、受信光信号を電気信号(物理速度 125Mbps)に変換し、さらに物理速度上昇手段24で物理速度 125Mbpsの信号を物理速度1.25Gbps の信号に変換して双方向通信インタフェース21の受信信号とする。
【0048】
一方、光通信装置20から光通信装置10への伝送においては、双方向通信インタフェース21からの送信信号(物理速度1.25Gbps )を光送信器22でそのまま光信号に変換して送信する。光通信装置10の光受信器13では、受信光信号を電気信号に変換して双方向通信インタフェース11の受信信号とする。
【0049】
このように、光通信装置10から光通信装置20へ伝送される光信号(物理速度 125Mbps )は、逆方向を伝送される光信号(物理速度1.25Gbps )に比べて、その物理速度が減少したものとなる。これにより、なんらかの原因により、一方の伝送容量が他方と同程度に確保できない場合でも、光通信装置間の双方向通信が可能となる。
【0050】
<本発明の光通信システムの第2の実施形態>
第1の実施形態では2本の光ファイバを用いて双方向通信を行う構成を示したが、光信号の波長を方向別に異なるように設定し、各光通信装置10,20に各波長の光信号を多重分離する波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)を備えることにより、1本の光ファイバで双方向通信が可能となる。その構成を図2に示す。図2において、光通信装置10の波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)15および光通信装置20の波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)25は、ともに各方向別の光信号を分離するフィルタ特性を有する。
【0051】
<物理速度下降手段14および物理速度上昇手段24の構成例>
上述した第1の実施形態および第2の実施形態における物理速度下降手段14および物理速度上昇手段24は、例えば図3(a)に示すような書込手段41、メモリ42、読出手段43を用いて、書込手段41により入力信号をメモリ42に書き込んで一時的にメモリ42に保持し、読出手段43により異なる速度でメモリ42に保持された入力信号を読み出す構成により実現される。
【0052】
ここで、図3(b)及び3(c)を参照して物理速度下降手段14の動作例について説明する。物理速度下降手段14は、伝送する情報をビット単位でみると、図3(b)に示すように、入力された連続するビット列のビット幅がそれぞれ等倍されたデータ列を出力する。ただし、このままでは入力された情報のすべてを出力することができなくなるので、バッファとしてメモリ42を配備し、メモリ42の容量の範囲までは情報が欠落しないようにする。
【0053】
図3(c)は伝送する情報をパケット単位で見た場合の動作例である。入力データパケットはメモリ42に書き込まれ、物理速度下降手段14は、バッファされたパケットのビット幅がそれぞれ等倍されるのに比例して等倍されたパケットを出力する。メモリ42が埋まってしまった場合には、図3(c)中のデータパケット4,5のように廃棄される。ただし、上位プロトコルとして、広く利用されているTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いる場合には、TCP層においてパケット損失が生じないように送り出すデータのスループットを調整するのでこのような構成を用いても通信に問題はない。
【0054】
物理速度上昇手段24は、上記と逆の動作を行うものであり、出力の方の速度が速いので、最大長のパケットを1パケット保持できるメモリがあれば、パケット損失は生じない。
【0055】
<本発明の光通信システムの第3の実施形態>
図4は、本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す。ここでは、複数のユーザ装置100とセンタ装置200を光分岐装置56を介して接続する波長多重アクセスネットワークにおいて、各ユーザ装置100からセンタ装置200への上り信号伝送にスペクトルスライス技術を利用し、センタ装置200から各ユーザ装置100への下り信号を発生させるのに多波長一括発生光源を利用する構成例を示す。
【0056】
図4において、複数のユーザ装置100とセンタ装置200は、光ファイバ31、光分岐装置56、光ファイバ32を介して接続される。各ユーザ装置100は、送信信号と受信信号の物理速度(ここでは1.25Gbps )が等しい双方向通信インタフェース11と、光送信器12と、光受信器13を備え、さらに双方向通信インタフェース11と光送信器12との間に物理速度を1.25Gbps から 125Mbps に下げる物理速度下降手段14を備える。光送信器12は、物理速度を 125Mbps に低下させた送信信号で自然放出光を変調した広帯域変調光を出力する。
【0057】
センタ装置200は、送信信号と受信信号の物理速度(ここでは1.25Gbps )が等しい双方向通信インタフェース21と、光受信器23と、光変調器(M)26と、波長合分波フィルタ(AWG)27−1,27−2,27−3と、多波長一括発生光源28を備え、さらに光受信器23と双方向通信インタフェース21との間に物理速度を 125Mbps から1.25Gbps に上げる物理速度上昇手段24を備える。波長合分波フィルタ27−1は、各ユーザ装置100から送信された広帯域変調光が光分岐装置56でスペクトルスライスされた後に波長多重された上り波長多重光信号を入力し、この波長多重光信号を各ユーザ装置100に対応する光受信器23に分波する。波長合分波フィルタ27−2は、多波長一括発生光源28から出力される多波長光を各波長の連続光に分波し、各ユーザ装置100に対応する光変調器26に与える。波長合分波フィルタ27−3は、光変調器26で変調された各ユーザ装置100宛の光信号を合波し、下り波長多重光信号として光分岐装置56に送出する。
【0058】
光分岐装置56は波長合分波フィルタ(AWG)57−1,57−2を備える。波長合分波フィルタ57−1は、各ユーザ装置100から送信された広帯域変調光を各ユーザ装置100に割り当てた波長でスペクトルスライスし、各波長のスペクトルスライス光を波長多重してセンタ装置200に送出する。波長合分波フィルタ57−2は、センタ装置200からの下り波長多重光信号を波長ごとに分波して各ユーザ装置100へ送出する。
【0059】
ここで、ユーザ装置100からセンタ装置200への伝送においては、双方向通信インタフェース11からの送信信号(物理速度1.25Gbps )を物理速度下降手段14で物理速度 125Mbps の送信信号に変換し、光送信器12で光信号に変換して送信する。例えば、ユーザ装置100においてギガビットイーサネットインタフェースからの送信信号(物理速度1.25Gbps )は、物理速度下降手段14によりファストイーサネットの物理速度である 125Mbps の信号に変換され、光送信器12から 125Mbps の上り光信号(広帯域変調光)として送出される。センタ装置200では、光受信器23で受信光信号を電気信号(物理速度 125Mbps)に変換し、さらに物理速度上昇手段24で物理速度1.25Gbps の信号に変換して双方向通信インタフェース(ギガビットイーサネットインタフェース)21の受信信号とする。
【0060】
一方、センタ装置200からユーザ装置100への伝送においては、双方向通信インタフェース21からの送信信号(物理速度1.25Gbps )を光変調器26に入力し、多波長一括発生光源28から出力されて波長合分波フィルタ27−2で分波された各波長光(光キャリア)を変調して送信する。ユーザ装置100の光受信器13では、受信光信号を電気信号に変換して双方向通信インタフェース11の受信信号とする。
【0061】
このように、ユーザ装置100からセンタ装置200へ送信される上り光信号(物理速度 125Mbps )は、逆方向に伝送される下り光信号(物理速度1.25Gbps )に比べてその物理速度を減少させることができるので、上り光信号として広帯域変調光をスライスしたスペクトルスライス光伝送が可能となる。
【0062】
なお、本実施形態のユーザ装置100では、双方向通信インタフェース11が電気信号接続を前提としたものであるが、光インタフェースを用いてもよい。この場合には、別途光電気変換器を備えるか、下り光信号については光受信器13を介さずに直接双方向通信インタフェースと接続する構成としてもよい。
【0063】
ここで例えば、センタ装置200がHiPAS架で構成されているとすると、光送受信器やAWGといった各構成要素はパッケージにまとめられて装置(架)に収容される。また、ユーザ装置100では、筐体の小型化のために、各構成要素はボード上に集積されて実装されることもある。そこで、センタ装置200における双方向通信インタフェース21、光受信器23、物理速度上昇手段24、光変調器26、あるいは、ユーザ装置100における双方向通信インタフェース11、光送信器12、光受信器13、物理速度下降手段14をそれぞれ1つのパッケージあるいはボードとして扱い、これらをそれぞれ光送受信パッケージ61および光送受信パッケージ60と呼ぶことにより、図4を図5のようにも描くことができる。なお、各構成要素をまとめた構造は上記のようなパッケージあるいはボードに限られるものではなく、これらと等価なもの(例えば、カードやモジュール等と呼んでも良い)を全て包む。また機能名称として、トランシーバや光送受信器と呼んでもよい。
【0064】
<本発明の光通信システムの第4の実施形態>
第3の実施形態では、上り方向と下り方向にそれぞれ光ファイバを配置して双方向通信を行う構成を示したが、光信号の波長を方向別に異なるように設定し、各波長の光信号を多重分離する波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)を用いることにより、1本の光ファイバで双方向通信が可能となる。この場合の構成例を図6に示す。ここでは、上り光信号と下り光信号の利用帯域を2分割し、長波長側を下り光信号に用い、短波長側を上り光信号に用いる。
【0065】
図6において、ユーザ装置100bに備えられた波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)15は、上り光信号として送信される広帯域変調光と、各ユーザ装置100に割り当てた波長の下り光信号を分離するフィルタ特性(図8(a))を有する。光送信器12から送信された広帯域変調光(λu )は、波長多重分離フィルタ15を介して光ファイバ31に送信され、また、光ファイバ31からの下り光信号(λdi(i=1〜n))は波長多重分離フィルタ15を介して光受信器13に受信される(広帯域変調光と下り信号光の波長配置を図8(b)に示す)。
【0066】
光分岐装置56bに備えられた波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)58と、センタ装置200bに備えられた波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)25は、上り光信号として伝送される短波長側の波長多重光信号(λu1〜λun)と、下り光信号として伝送される長波長側の波長多重光信号(λd1〜λdn) を多重分離するフィルタ特性(図8(c))を有する。光分岐装置56bからセンタ装置200bへの上り波長多重光信号は、波長多重分離フィルタ58および光ファイバ32を介して伝送され、波長多重分離フィルタ25で下り波長多重光信号と分離される(上り信号光と下り信号光の波長配置を図8(d)に示す)。センタ装置200bから光分岐装置56bへの下り波長多重光信号は、波長多重分離フィルタ25および光ファイバ32を介して伝送され、波長多重分離フィルタ58で上り波長多重光信号と分離される。
【0067】
また、第3の実施形態の光分岐装置56では、上り信号と下り信号が別々の波長合分波フィルタ57−1,57−2によって合分波される構成であったが、本実施形態では波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)58と組み合わせられた1つの波長合分波フィルタ57により対応することができる。波長合分波フィルタ57の上り方向と下り方向のフィルタ特性を図7(a)及び7(b)に示す。
【0068】
なお、第3の実施形態および第4の実施形態のセンタ装置では、上り信号と下り信号が別々の波長合分波フィルタによって合分波される構成であったが、波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)と組み合わせて、1つの波長合分波フィルタにより対応してもよい。
【0069】
また、図6は、センタ装置200bおよびユーザ装置100bにおける光変調器26、光送信器12、光受信器23および13、双方向通信インタフェース21および11、物理速度上昇手段24および物理速度下降手段14を1つの光送受信パッケージとして扱うことにより、図9のようにも描くことができる。ここで、図9では上り信号と下り信号を別々の波長合分波フィルタ57−1,57−2によって合分波する構成としているため、各方向別の光信号を分離するフィルタ特性を有するn個の波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)62を波長合分波フィルタ57−1,57−2と各ユーザ装置100cとの間に設けている。
【0070】
<本発明の光通信システムの第5の実施形態>
図10は、本発明の光通信システムの第5の実施形態を示す。
【0071】
図10において、本実施形態の光通信システムは、1つのセンタ装置200dと複数のユーザ装置100dが、光分岐装置56cを介してそれぞれ1本の光ファイバ31,32で接続され、双方向通信を行う構成である。なお、下り光信号および上り光信号を伝送させるネットワークの基本的な構成は、第4の実施形態の説明で用いた図9と同じである。ただし本実施形態では、図9におけるセンタ装置200cの物理速度上昇手段24、およびユーザ装置100cの物理速度下降手段14に加えて、物理速度下降手段14と伝送速度コントローラ70をセンタ装置200d内に備えるとともに、物理速度上昇手段24と伝送速度コントローラ70をユーザ装置100d内に備えた構成となっている。また、センタ装置200dおよびユーザ装置100dそれぞれの光送信器71には、光変調器として半導体光増幅器を備えた構成となっている。
【0072】
各光通信装置(センタ装置200d又はユーザ装置100d)内部での信号の流れは、以下のとおりになっている。双方向通信インタフェース11または21を介して各光通信装置に取り込まれた信号(物理速度1.25Gbps)は、物理速度下降手段14により1.25Gbpsのまま、あるいは125Mbpsに速度下降されて光送信器71に送られ、光送信器71で光信号に変換されて他方の光通信装置へ送信される。このとき、光送信器71に送られる信号の伝送速度は、光送信器71においてモニタされる物理量に基づいて、伝送速度コントローラ70により決定される。なお、ここで言う物理量とは、例えば光送信器71における光搬送波のパワーである。
【0073】
一方、各光通信装置に入力された光信号は、幅広いビットレートの信号を受信することができる広帯域光受信器72により電気信号として受信される。このときの物理速度は1.25Gbpsあるいは125Mbpsであるが、物理速度上昇手段24により1.25Gbpsに変換されて双方向通信インタフェース11または21の受信信号とする。
【0074】
このように、光通信装置間で伝送される光信号は、物理速度下降手段14または物理速度上昇手段24により高速(1.25Gbps)あるいは低速(125Mbps)の物理速度で伝送することができる。これにより、なんらかの原因により、高速の光信号帯域が確保できない場合でも、光通信装置間の双方向通信が可能となる。
【0075】
なお、ここでは1本の光ファイバを用いて双方向通信を行う構成を示したが、上り光信号と下り光信号を分離して、2本の光ファイバで双方向通信を行ってもよい。
【0076】
図10におけるセンタ装置200d、およびユーザ装置100dの光送受信パッケージ60d,61dは同一構成にすることができ、例えば図11に示す構成にすることにより実現できる。
【0077】
光送信器71は、レーザ光源80と、自発光可能な光変調器81と、光変調器81を駆動するドライバ回路82より構成される。自発光可能な光変調器を実現するには、例えば半導体光増幅器を用いればよい。伝送速度コントローラ70は、光送信器71内のレーザ光源80の出力パワーを測定するパワーモニタ83と、パワーモニタ83から出力パワーの測定信号を受け取って伝送速度を決定する伝送速度決定回路84より構成される。物理速度下降手段14および物理速度上昇手段24は、第1の実施形態の説明で述べたものと同じ構成(図3(a))により実現できる。
【0078】
なお、図11ではレーザ光源80を光送受信パッケージ60d(61d)内に組み込んでいるが、光送受信パッケージの外部にレーザ光源80を配置してもよい。
【0079】
<半導体光増幅器を光変調器として用いた場合の動作特性>
ここで、半導体光増幅器を光変調器として用いた場合の動作特性を説明する。半導体光増幅器を光変調器として用いる場合、他の光変調器とは異なる特性を示す。それは、半導体光増幅器は光増幅器であるため、1.増幅作用があること、および、2.自然放出光による雑音が発生すること、である。このような理由により、半導体光増幅器への入力光パワーがある程度大きい場合は、自然放出光による雑音が信号の伝送特性に与える影響は小さいが、入力光パワーが小さくなると、この雑音により信号対雑音比(SNR)が劣化する。この特性の詳細を、図12(a)および12(b)を用いて定量的に説明する。なお、半導体光増幅器を変調器として用いる場合、以下ではSOA変調器と呼ぶ。
【0080】
SOA変調器を用いた伝送系として、図12(a)のようなレーザ90,半導体光増幅器(SOA変調器)91,光フィルタ92,伝送路93,光受信器94からなるモデルを想定する。SOA変調器91の利得をG、自然放出光係数をnsp、偏波の係数をmpとする。なお、偏波の係数とは、導波される横モードの総数であり、TE偏光成分のみ増幅するような偏波依存型のSOA変調器ではmp =1、偏波無依存型のものではmp =2となる。今、このようなSOA変調器91をビットレートB [bps]、消光比εで駆動しているとする。ここに、光の周波数ν[Hz]、光パワーPin [W]なる単一波長の連続光が光搬送波としてレーザ90からSOA変調器91に入射されるとする。このとき、SOA変調器91から出力される平均光子数<nout>は、符号がマークおよびスペースの場合、それぞれ
【数1】
Figure 0003808413
で表される。なお、hはプランク定数である。ここで、(1)式右辺の第1項はそれぞれ増幅された信号光を表し、第2項はSOA変調器で発生する自然放出光を表している。光受信器94で受信される自然放出光は位相がランダムであるため、信号光と自然放出光が干渉しあい、あるいは自然放出光同士が干渉しあい、ビート雑音として検出される。一般的にビート雑音の影響を抑えるためには、光受信器94に入射する前に光フィルタ92を用いて自然放出光を減らせばよい。光受信器94の帯域をBe [Hz]、光フィルタ92の透過スペクトル半値全幅をΔf [Hz]、伝送路93の区間損失をLとすると、光受信器94に入力される平均光子数<norin>は、符号がマークおよびスペースの場合、それぞれ
【数2】
Figure 0003808413
と表される。
【0081】
このような信号光が量子効率ηの光受信器94に入力された場合、マークおよびスペースにおける光電流の直流成分ImおよびIsは、
【数3】
Figure 0003808413
と表される。なお、eは電気素量を表す。また、受信された光電流は、各種の雑音によりその強度が揺らいでいる。図12(a)のモデルでは、雑音成分としては(I)ショット雑音、(II)光受信器94の熱雑音、さらに(III)SOA変調器91が発生する自然放出光が単一波長の連続光と干渉して発生するビート雑音、(IV)自然放出光自身で干渉して発生するビート雑音が考えられる。これらの雑音電力は、受信された光電流強度の分散として表され、マークおよびスペースにおける分散σm 2およびσs 2は、
【数4】
Figure 0003808413
と表される。なお、Be [Hz]は光受信器94の帯域、R [ohm]は光受信器94の負荷抵抗、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。(4-a)および(4-b)式の右辺第1項はショット雑音、第2項は熱雑音、第3項は単一波長光と自然放出光との干渉によるビート雑音、第4項は自然放出光同士のビート雑音を表している。
【0082】
上記の式を用いて受信された信号の信号対雑音比SNRを導出する。今、雑音電力は等価的に、(4-a)および(4-b)式で表される雑音の標準偏差σmおよびσsの平均で表されるとすると、SNRは、
【数5】
Figure 0003808413
と導かれる。
【0083】
(5)式によると、SOA変調器91への入力光パワーPinが小さいときは、自然放出光同士のビート雑音がSNR劣化の支配要因であることが分かる。SNRの劣化を抑えるには、光受信器94の帯域Beを小さくしてやればよいことが分かる。これはすなわち、信号が受信可能なビットレートを小さくすることに相当する。そこで、SOA変調器91への入力光パワーに対する、出力光信号のSNRから類推される伝送可能なビットレートを解析的に計算する。計算の簡略化のため、光受信器94で発生する雑音((4-a)および(4-b)式におけるショット雑音、熱雑音)は無視し、かつ量子効率は1、消光比は0として計算した。光受信器94の帯域Beは、ビットレートBの0.7倍相当であるとし、SNR=200(ビット誤り率換算で10-12)を得るために必要なSOA変調器91の入力光パワーをPinとすると、(5)式を用いて、
【数6】
Figure 0003808413
と表される。上記計算式の計算例として、利得G=15 [dB]、自然放出光係数nsp=15、偏波の係数mp=2、光フィルタ92の透過スペクトル半値全幅Δf=15 [GHz]、光の周波数ν=200 [THz]として計算した結果を図12(b)に示す。
【0084】
入力光パワーが-35 [dBm]以上の場合、SNR劣化要因は信号光と自然放出光との干渉によるビート雑音が支配的となるため、入力光パワーにほぼ比例して伝送可能なビットレートは増加する。一方、入力光パワーが-35 [dBm]以下の場合、SNR劣化要因は自然放出光同士の干渉によるビート雑音が支配的となり、入力光パワーが-50 [dBm] 以下では伝送可能なビットレートはある一定の値に落ち着く。このようなSOA変調器91への入力光パワーの低い状態(ここでは-50 [dBm] 以下)では、光信号はスペクトルスライス技術により伝送されていると考えることができる。
【0085】
なお、(6)式、あるいは図12(b)で与えられる伝送可能なビットレートは、SOA変調器91、光受信器94ならびに入力の光搬送波がすべて理想的な場合であるため、実際にはすべてのSNR劣化要因を勘案して(4-a)および(4-b)式のような雑音を求め、(6)式の関係を導けばよい。また、光信号の伝送に際して光アンプを用いて信号を増幅した場合は、光アンプによる雑音を別途(4-a)および(4-b)式に加えて計算すればよい。
【0086】
以上述べてきたとおり、SOA変調器による伝送特性は、その入力光レベルに依存することが分かる。すなわち、SOA変調器への入力光レベルをモニタすれば、伝送可能なビットレートを類推することができるため、入力光レベルに応じてSOA変調器のビットレートを変換すればよい、という事実が分かる。
【0087】
光送受信パッケージ60d又は61dについて図11を用いて詳細に説明すると、サーバやクライアント端末等の図示しない通信端末からの信号(例えば1.25Gbps)は、双方向通信インタフェース11又は21(例えばギガビットイーサネット)を介して光通信装置に取り込まれ、物理速度下降手段14における送出光信号用の書込み手段41を介してメモリ42に送られる。同時に、伝送速度コントローラ70は、パワーモニタ83にて光変調器(SOA変調器)81の入力光レベルPinをモニタしており、伝送速度決定回路84にて、入力光レベルPinに対する伝送可能な送出光信号の物理速度(ビットレート)を(6)式を用いて算出し、その物理速度でメモリ42から信号を読み出すように、物理速度下降手段14内にある読出し手段43に制御信号を与える。あるいは、あらかじめ(6)式を用いて入力光レベルPinに対する伝送可能な送出光信号の物理速度(ビットレート)を伝送速度決定回路84に記憶しておき、パワーモニタ83から入力される光変調器81への入力光レベルPinに対応する送出光信号の物理速度(ビットレート)を示す制御信号を、物理速度下降手段14内にある読出し手段43に与えるようにしても良い。この制御信号は、例えば、クロック信号である。物理速度下降手段14内にある読出し手段43は、伝送速度コントローラ70から供給されるクロック信号に同期してメモリ42から信号を読み出す。メモリ42から読出された信号は光変調器81を駆動するドライバ回路82に送られ、光変調器81にてメモリ42から読み出された信号が光信号に変換され、光ファイバによって接続されている対向の光通信装置(図示省略)へ送出信号として送出される。
【0088】
ここで、伝送速度コントローラ70で決定される送出光信号の物理速度は、以下のような2値のどちらかを取るように設定してもよい。例えばSOA変調器の特性が図12(b)であった場合、入力光レベルが-35 dBm 以上であれば、ギガビットイーサネットの物理速度である1.25 GbpsでSOA変調器を駆動し、入力光パワーが-35 dBm以下であれば、430Mbpsより低い固定的な伝送速度、例えばファストイーサネットの物理速度である125 Mbps でSOA変調器を駆動してもよい。
【0089】
一方、光ファイバを介して対向する光通信装置(図示省略)から図11に示す光送受信パッケージへ入力される受信信号を受信するためには、以下のような構成にすればよい。光受信器72としては、例えばマルチビットレート対応の3R光受信器(すなわち、Re-shaping,Re-timing,Re-generating機能を有する光受信器)を用いればよい。上記光受信器72により光信号は電気信号に変換され、かつクロック信号も再生される。このクロック信号は物理速度上昇手段24内の書込み手段41に送られ、前記書込み手段41はクロック信号に同期して光受信器72から出力された電気信号をメモリ42に書き込む。物理速度上昇手段24のメモリ42からは、読出し手段43により双方向通信インタフェース11又は21の物理速度(1.25Gbps)で信号が読み出され、この双方向通信インタフェースを介して通信端末へ送られる。
【0090】
本実施形態を用いた光通信システムを構成することにより、光送信器の光源、あるいは光送信器へ光搬送波を供給する光源が故障した場合でも、各光通信装置間で低速で通信を続けることができる。
【0091】
<本発明の光通信システムの第6の実施形態>
図13は、本発明の光通信システムの第6の実施形態を示す。
【0092】
下り光信号および上り光信号を伝送させるネットワークの基本的な構成は、第5の実施形態の説明で用いられた図10と同じである。ただし本実施形態では、センタ装置200eにおいて、センタ装置200e内およびユーザ装置100e内の光送受信パッケージ61e,60eに光搬送波を供給する多波長一括発生光源28,210が配置されており、センタ装置200eと光分岐装置56eの間には、下り光信号および上り光信号が伝送する光ファイバ32とは異なる光ファイバ211が設けられている。また光分岐装置56eには、光搬送波を分波するAWG212を備えている。さらに光分岐装置56eと各ユーザ装置100eの間には、下り光信号および上り光信号が伝送する光ファイバ31とは異なる光搬送波供給用の光ファイバ213がそれぞれ備えられている。
【0093】
このような光通信システムに用いるセンタ装置200eおよびユーザ装置100eにおける光送受信パッケージ61e,60eとしては、図14に示す構成にすればよい。図14の光送受信パッケージは、図11のそれにほぼ等しいが、光搬送波は該光送受信パッケージの外部に設けられた光源より供給されるため、光搬送波入力ポート220を持つ点、光送信器71は、自発光可能な光変調器221と、光変調器221を駆動するドライバ回路82のみにより構成される点、光搬送波を2方向に分岐して光変調器221およびパワーモニタ83に出力する光カプラ222を追加した点が図11の構成と異なる。また、光送受信パッケージ内の信号の流れについては、第5の実施形態で述べたとおりである。
【0094】
図13に話しを戻すと、下り信号用の多波長一括発生光源28から送出された多波長光搬送波は、AWG27−2により分波された後、センタ装置200e内にある複数の光送受信パッケージ61eの各光搬送波入力ポート220及び光カプラ222(図14)を介して、光変調器221に導かれる。一方、上り信号用の多波長一括発生光源210から送出された多波長光搬送波は、下り光信号および上り光信号が伝送する光ファイバ32とは異なる光ファイバ211を伝送して光分岐装置56eに到達した後、光分岐装置56eに配備されたAWG212にて各波長の光搬送波に分波された後、下り光信号および上り光信号が伝送する光ファイバ31とは異なる光ファイバ213を介して各ユーザ装置100eに送られ、各ユーザ装置100eの光送受信パッケージ60eの光搬送波入力ポート220(図14)を介して光変調器221に導かれる。
【0095】
なお、図13では、光分岐装置56eに3つのAWGを備えた構成を示したが、光搬送波を分波するAWG212は、他のAWGと兼用して2つ、あるいは1つのAWGを備える構成でもよい。
【0096】
また、図13では、下り光信号および上り光信号が伝送するセンタ装置200e−光分岐装置56e間、ならびに光分岐装置56e−ユーザ装置100e間の光ファイバ32,31は、波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)25,58,62,15を用いてそれぞれ1本の光ファイバとしているが、図5と同様に、下り光信号、上り光信号それぞれ1本ずつの光ファイバを用いてもよい。さらに、信号光の光ファイバを上り光信号、下り光信号それぞれ1本ずつ用いた場合、上り光信号用の光搬送波を下り信号が伝送する光ファイバに多重して伝送してもよい。その場合、センタ装置200e−光分岐装置56e間の光ファイバ数は2本でよく、光分岐装置56e−各ユーザ装置100e間の光ファイバ数は、それぞれ2本でよい。
【0097】
本実施形態を用いた光通信システムを構成することにより、光送信器の光源、あるいは多波長一括発生光源が故障した場合でも、低速で通信を続けることができる。また、光送信器の光源、あるいは多波長一括発生光源の波長がずれた場合でも、センタ装置200e−各ユーザ装置100e間で低速で通信を続けることができる。
【0098】
<本発明の光通信システムの第7の実施形態>
図15は、光通信の光送信システムの第7の実施形態を示す。
【0099】
本実施形態では、第6の実施形態の説明で用いられた図13に比べて、多波長一括発生光源の代わりに、以下で説明する波長可変多波長光源を用いた点が異なっている。センタ装置200f、およびユーザ装置100eにおける光送受信パッケージおよびAWG、光ファイバは、第6の実施形態で用いた構成と同じ構成(図13)にすればよい。
【0100】
センタ装置200fには、下り信号用の波長可変多波長光源230および上り信号用の波長可変多波長光源231が備えられる。波長可変多波長光源230,231の各々は、本実施形態の光通信システムに接続されているユーザ装置100の数よりも少ない、1つないし複数の波長可変レーザ光源232と、それらの波長可変レーザ光源232より出力されるレーザ光を合波して出力する合波器233により構成される。合波器233は、例えば光カプラなどを用いればよい。
【0101】
波長可変多波長光源230,231に内蔵されている波長可変レーザ光源232は、制御装置234によりそれぞれ光出力の入/断が制御されると共に、光出力が“入”のときには発振波長が制御される。また発振波長は動的に変化させることもできる。すべての波長可変レーザ光源232の光出力を“入”にすることにより、波長可変多波長光源230,231は、最大で内蔵している波長可変レーザ光源232と同じ数の光キャリアを発生させることができる。
【0102】
下り信号用の波長可変多波長光源230から出力される多波長光搬送波は、センタ装置200fに備えられたAWG27−2により各波長に分波され、その波長に応じた出力ポートを介して、センタ装置200内の光送受信パッケージ61eの光搬送波入力ポート220(図14)より光変調器221へ導かれ、光変調器221で変調されて、合波用のAWG27−3へ送出される。ただし、光送受信パッケージ61eへ分配される光キャリアの数は、センタ装置200fにインストールされた光送受信パッケージ61eの数より少ないため、すべての光送受信パッケージ61eに光キャリアが分配されるわけではない。また、波長可変多波長光源232から送出される光キャリアの波長は時々刻々と変化する場合もあるため、ある光送受信パッケージ61eへの光キャリアの供給が途絶えることもある。このような光キャリアが供給されていない光送受信パッケージ61eでは、光送受信パッケージ61eに備えられた伝送速度コントローラ70が伝送速度を下降させ、広帯域変調光を出力する。このように各光送受信パッケージ61eからは、単一波長の光キャリアを高速で変調した下り信号、あるいは広帯域光を低速で変調した下り信号が、センタ装置200fに備えられた合波用のAWG27−3に送られ、該AWG27−3により波長多重され、光ファイバ32を介して光分岐装置56eへ送られる。光分岐装置56eでは、波長多重された下りの光信号を分波し、光ファイバ31を介して各ユーザ装置100eへ下り光信号を送出し、この下り光信号がユーザ装置100eの光受信器72にて受信される。受信された電気信号は、ユーザ装置100eの物理速度上昇手段24を介して双方向通信インタフェース11へ送られる。
【0103】
一方、上り信号用の波長可変多波長光源231から出力される多波長光搬送波は、変調信号が伝送する光ファイバ32および31とは異なる光ファイバ211および213を伝搬して、センタ装置100fから光分岐装置56eを介して各ユーザ装置100eへ分配される。ただし下り信号と同様、すべてのユーザ装置100eの光送受信パッケージ60eに光キャリアが分配されるわけではないので、光キャリアが供給されている光送受信パッケージ60eでは、該光キャリアを光送信器71e内の光変調器221(図14)が変調し、光キャリアが供給されていない光送受信パッケージ60eでは、光送受信パッケージ60eに備えられた伝送速度コントローラ70が伝送速度を下降させ、広帯域変調光を出力する。このように各光送受信パッケージからは、単一波長の光キャリアを高速で変調した上り信号、あるいは広帯域光を低速で変調した上り信号が送出され、光ファイバ31を介して光分岐装置56eに備えられた合波用のAWG57−1に送られ、該AWG57−1にて各ユーザ装置100eからの上り信号が波長多重された後、光ファイバ32を介してセンタ装置200fへ送られ、センタ装置200fに備えられた分波用のAWG27−1により各波長に分波された後、光送受信パッケージ61eの光受信器72にて受信される。受信された電気信号は、各光送受信パッケージ61eの物理速度上昇手段24を介して双方向通信インタフェース21に送られる。
【0104】
なお、図15では、光分岐装置56eに3つのAWGを備えた構成を示したが、光搬送波を分波するAWG212は、他のAWGと兼用して2つ、あるいは1つのAWGを備える構成でもよい。
【0105】
また、図15においては、下り光信号および上り光信号が伝送するセンタ装置200f−光分岐装置56e間、ならびに光分岐装置56e−ユーザ装置100e間の光ファイバは、波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)25,58,62,15を用いてそれぞれ1本の光ファイバとしているが、図5のように、下り光信号、上り光信号それぞれ1本ずつの光ファイバを用いてもよい。さらに、信号光の光ファイバを上り光信号、下り光信号それぞれ1本ずつ用いた場合、上り光信号用の光搬送波を下り信号が伝送する光ファイバに多重して伝送してもよい。その場合、センタ装置200f−光分岐装置56e間の光ファイバ数は2本でよく、光分岐装置56e−各ユーザ装置100e間の光ファイバ数は、それぞれ2本でよい。
【0106】
また、下り信号用,上り信号用のそれぞれの波長可変多波長光源230,231に用いられる波長可変レーザ光源232の数は同一である必要はない(すなわち、図15に示すjの値とkの値は異なっていても良い)。また、図15ではセンタ装置200f内に下り光信号用および上り光信号用の2つの波長可変多波長光源230,231を備えたが、どちらか一方のみが波長可変多波長光源であってもよい。
【0107】
ここで、波長可変多波長光源230,231は、例えば以下のような手順により光搬送波の波長を動的に変化させられる構成にすればよい。
【0108】
波長可変多波長光源230,231と制御装置234は、ケーブルを用いて直接、あるいはネットワークを介して接続されている。制御装置234は、波長可変多波長光源230,231に内蔵されている個々の波長可変レーザ光源232の状態(光出力の入/断、および光出力が入の場合は発振波長)を示す監視信号を波長可変多波長光源230,231から受け取ることにより、波長可変多波長光源230,231が送出している光搬送波の波長を知ることができる。また、制御装置234は、各波長可変レーザ光源232の光出力の入/断および発振波長を個別に、かつ遠隔で制御しうる制御信号を送出することにより、波長可変多波長光源230,231の発振波長を遠隔で制御することができる。
【0109】
制御装置234からの制御信号は、例えば以下のような手順により送出される。
【0110】
制御装置234にはオペレータ端末(図示されていない)が接続されており、オペレータ端末を介して制御装置234に「あるユーザに、通信に用いる光搬送波を与えなさい」というような命令が入力されると、制御装置234は波長可変多波長光源230,231からの監視信号を取り寄せ、光出力が断となっている波長可変レーザ光源232を探す。次に、制御装置234に記憶されている各ユーザ装置100eと、そのユーザ装置100eが用いる光搬送波の波長の対応表から、該当するユーザ装置100eが通信に用いる光搬送波の波長を決定し、先の波長可変レーザ光源232にその波長で発振するよう、制御信号を送出する。
【0111】
上記の例で、もし光出力が断となっている波長可変レーザ光源232がない場合、内蔵されている波長可変レーザ光源232からランダムに1つの波長可変レーザ光源を選んで、波長を切り替えてもよい。また、通信サービスを提供するときに、あらかじめ各ユーザ装置100eに優先順位をつけておき、優先順位の低いユーザのユーザ装置100eが通信に用いている波長可変レーザ光源232の波長を切り替えてもよい。また、各ユーザ装置100eが通信しているデータトラヒックを双方向通信インタフェース21においてモニタしておき、データトラヒックが低いユーザ装置100eが通信に用いている波長可変レーザ光源232の波長を切り替えてもよい。
【0112】
上記のような制御信号の送出手順は、例えば、現在低速な通信サービスを使っているユーザから、通信キャリアに対してより高速な通信サービス開通の要求があった場合などが該当する。この場合、該当ユーザのユーザ装置100eの通信速度を、光通信装置の構成を変えることなく、また通信が途絶えることなく切り換えて、ユーザにサービスを提供することができる。
【0113】
制御装置234からの制御信号は、例えば以下のような別の手順により送出されるようにしても良い。
【0114】
制御装置234にはあらかじめ、各ユーザ装置100eが光搬送波を必要とする時間が記憶されており、その時間がくると、制御装置234は自動的に波長可変多波長光源230,231からの監視信号を取り寄せ、光出力が断となっている波長可変レーザ光源232を探す。次に、制御装置234に記憶されている各ユーザ装置100eと、そのユーザ装置100eが用いる光搬送波の波長の対応表から、該当するユーザ装置100eが通信に用いる光搬送波の波長を決定し、探し出した波長可変レーザ光源232にその波長で発振するよう、制御信号を送出する。
【0115】
上記の例で、もし光出力が断となっている波長可変レーザ光源232がない場合は、先の例と同様の手順で、使われている波長可変レーザ光源232の波長を強制的に切り替えてもよい。
【0116】
上記のような制御信号の送出手順を用いれば、ユーザごとに時間限定で高速な通信サービスを提供することができる。例えばあるユーザには、1日のうち9時から17時までは高速な通信サービスを使い、それ以外の時間では低速なサービスに切り替える場合などである。
【0117】
さらに別の例として、制御装置234からの制御信号を例えば以下のような手順により送出されるようにしても良い。
【0118】
各ユーザ装置100eの通信トラヒックは、双方向通信インタフェース21にて、あるいは双方向通信インタフェース21に接続された通信ノード(スイッチングハブ等)にてモニタし、その情報を制御装置234へ送出できるように構成する(図示されていない)。なお、こうした構成は既存の技術を用いて容易に実現することができる。制御装置234にはあらかじめ、各ユーザ装置100eが光搬送波を必要とする通信トラヒックの閾値が記憶されており、その閾値を越えると、制御装置234は自動的に波長可変多波長光源230,231からの監視信号を取り寄せ、光出力が断となっている波長可変レーザ光源232を探す。次に、制御装置234に記憶されている各ユーザ装置100eと、そのユーザ装置100eが用いる光搬送波の波長の対応表から、該当するユーザ装置100eが通信に用いる光搬送波の波長を決定し、探し出した波長可変レーザ光源にその波長で発振するよう、制御信号を送出する。
【0119】
上記の例で、もし光出力が断となっている波長可変レーザ光源がない場合は、先の例と同様の手順で、使われている波長可変レーザ光源232の波長を強制的に切り替えてもよい。なお、上記とは逆に、通信トラヒックが閾値以下となった場合には、上記波長の割り当てを解除して、通信トラヒックが閾値を超えた別のユーザ装置100eに対してこの波長を割り当てれば良い。
【0120】
上記のような制御信号の送出手順を用いれば、帯域オンデマンドと呼ばれる、通信トラヒックに応じた高速な通信サービスを提供できる。
【0121】
以上のように本実施形態を用いた光通信システムを構成することにより、ユーザ装置と同じ台数の光源をセンタ装置に用意する必要がなくなるため、システム全体が所有するレーザ光源の数を減らしつつ、ユーザや通信キャリアの要求に応じて高速のビットレートでの通信を提供することができるとともに、安価に高速なアクセスネットワークを提供することができる。また、波長可変多波長光源が故障した場合でも、低速で通信を続けることができる。
【0122】
なお、以上示した各実施形態では、通信インタフェースをギガビットイーサネットとし、下降させた物理速度をファストイーサネットの物理速度とした例を示したが、通信インタフェースとして例えば10ギガビットイーサネットを用い、下降させた物理速度として例えばギガビットイーサネットや10メガビットイーサネットを用いてもよい。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送信信号と受信信号の物理速度が等しい双方向通信インタフェースを備えた光通信装置間で、一方向の光信号の物理速度を他方向に比べて減少させることができるので、一方の伝送帯域が他方と同程度に確保できない場合でも光通信装置間の双方向通信が可能となる。
【0124】
また、本発明を波長多重アクセスネットワークに用いた場合に、広く利用されている双方向通信インタフェースであるギガビットイーサネット等、送出信号/受信信号の物理速度が等速度のインタフェースを用いて、上り信号伝送にスペクトルスライス技術を利用して光通信装置のコスト低減を可能にするとともに、下り信号伝送はユーザの要求に応えるべくギガビットクラスの速度を提供する波長多重アクセスネットワークを実現することができる。
【0126】
また、本発明によれば、波長多重アクセスネットワークに用いた場合、広く利用されている双方向通信インタフェースであるギガビットイーサネット等、上り/下りの物理速度が等速度のインタフェースを用いて、上り/下りの物理速度がギガビットクラスの速度を安価に提供できる波長多重アクセスネットワークを実現することができるとともに、光源装置の故障時にも低速で通信ができるため、信頼性の高い波長多重アクセスネットワークを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光通信システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の光通信システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【図3】 (a)は物理速度下降手段14および物理速度上昇手段24の構成例を示すブロック図、(b)は伝送する情報をビット単位で見た場合における物理速度下降手段14の動作例を示す図、(c)は伝送する情報をパケット単位で見た場合における物理速度下降手段14の動作例を示す図である。
【図4】 本発明の光通信システムの第3の実施形態を示すブロック図である。
【図5】 本発明の光通信システムの第3の実施形態において光送受信パッケージを採用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図6】 本発明の光通信システムの第4の実施形態を示すブロック図である。
【図7】 本発明の光通信システムの第4の実施形態における波長合分波フィルタ(AWG)のフィルタ特性を示す図である。
【図8】 (a)及び(b)は本発明の光通信システムの第4の実施形態における波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)15のフィルタ特性を示す図、(c)及び(d)は本発明の光通信システムの第4の実施形態における波長多重分離フィルタ(WDMフィルタ)25,58のフィルタ特性を示す図である。
【図9】 本発明の光通信システムの第4の実施形態において光送受信パッケージを採用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図10】 本発明の光通信システムの第5の実施形態を示すブロック図である。
【図11】 第5の実施形態における光送受信パッケージの構成例を示すブロック図である。
【図12】 (a)は半導体光増幅器を変調器として用いた場合における伝送系の一モデルを示すブロック図、(b)は半導体光増幅器における入力光パワーと伝送可能な最大ビットレートとの関係を示す図である。
【図13】 本発明の光通信システムの第6の実施形態を示すブロック図である。
【図14】 第6の実施形態における光送受信パッケージの構成例を示す図である。
【図15】 本発明の光通信システムの第7の実施形態を示すブロック図である。
【図16】 イーサネットアクセスシステムの構成例を示すブロック図である。
【図17】 波長多重アクセスネットワークの構成例を示すブロック図である。
【図18】 スペクトルスライス光を用いる波長多重アクセスネットワークの構成例を示すブロック図である。
【図19】 広帯域変調光と波長多重されたスペクトルスライス光の関係を示す図である。
【図20】 スペクトルスライスを用いる場合におけるビート雑音の影響を説明する図である。
【図21】 キャリア供給型波長多重アクセスネットワークの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 光通信装置
11 双方向通信インタフェース
12,22 光送信器
13,23 光受信器
14 物理速度下降手段
15 波長多重分離フィルタ
20 光通信装置
21 双方向通信インタフェース
24 物理速度上昇手段
25 波長多重分離フィルタ
26 光変調器
27−1〜27−3 波長合分波フィルタ
28 多波長一括発生光源
31,32 光ファイバ
56,56b〜56c,56e 光分岐装置
57,57−1〜57−2 波長合分波フィルタ
58 波長多重分離フィルタ
60,60d,60e,61,61d,61e 光送受信パッケージ
62 波長多重分離フィルタ
70 伝送速度コントローラ
71,71e 光送信器
72 光受信器
80 レーザ光源
81 光変調器
82 ドライバ回路
83 パワーモニタ
84 伝送速度決定回路
90 レーザ
91 半導体光増幅器
92 光フィルタ
93 伝送路
94 光受信器
100,100a〜100e ユーザ装置
200,200a〜200f センタ装置
210 多波長一括発生光源
211 光ファイバ
212 AWG
213 光ファイバ
220 光搬送波入力ポート
221 光変調器
222 光カプラ
230,231 波長可変多波長光源
232 波長可変レーザ光源
233 合波器
234 制御装置

Claims (1)

  1. 送信信号と受信信号の物理速度が等しいユーザ側双方向通信インタフェースと、ユーザ側光送信器と、ユーザ側光受信器と、前記ユーザ側双方向通信インタフェースから入力される送信信号をメモリに書き込み、書き込み速度より低速で読み出すことによって前記送信信号の物理速度を下降させて前記ユーザ側光送信器に出力するユーザ側物理速度下降手段とをそれぞれが有する複数のユーザ側光通信装置と、
    送信信号と受信信号の物理速度が等しいセンタ側双方向通信インタフェースと、前記複数のユーザ側光通信装置にそれぞれ対応する複数のセンタ側光送信器および複数のセンタ側光受信器と、前記複数のセンタ側光送信器から出力される光信号を波長多重して下り波長多重光信号として送信するとともに、入力される上り波長多重光信号を各波長に分波して前記複数のセンタ側光受信器に受信させる波長合分波手段と、前記センタ側光受信器で受信された受信信号をメモリに書き込み、書き込み速度より高速で読み出すことによって前記受信信号の物理速度を上昇させて前記センタ側双方向通信インタフェースに出力するセンタ側物理速度上昇手段とを有するセンタ側光通信装置と、
    前記センタ側光通信装置と前記複数のユーザ側光通信装置のそれぞれとが少なくとも1本の光ファイバを介して接続され、前記複数のユーザ側光通信装置からの光信号を合波して前記上り波長多重光信号として前記センタ側光通信装置に送信するとともに、前記センタ側光通信装置からの前記下り波長多重光信号を波長ごとに分波して前記複数のユーザ側光通信装置に送信する光分岐装置と、
    を具備し、
    前記センタ側光通信装置は互いに異なる波長の光キャリアを出力する多波長光一括発生手段を備え、前記ユーザ側光通信装置及び前記センタ側光通信装置は前記光キャリアが入力される入力ポートを備え、前記ユーザ側光送信器及び前記センタ側光送信器はそれぞれユーザ側光変調器及びセンタ側光変調器を備え、前記ユーザ側光変調器及び前記センタ側光変調器の各々は、前記多波長光一括発生手段から前記入力ポートを介して入力される前記光キャリアの供給を受けた場合、前記光キャリアを変調して光信号を送信し、前記光キャリアの供給が途絶えた場合、前記ユーザ側光変調器及び前記センタ側光変調器自身が発光して光信号を送信することを特徴とする光通信システム。
JP2002231632A 2001-08-15 2002-08-08 光通信システム Expired - Fee Related JP3808413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002231632A JP3808413B2 (ja) 2001-08-15 2002-08-08 光通信システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001246549 2001-08-15
JP2001-246549 2001-08-15
JP2002231632A JP3808413B2 (ja) 2001-08-15 2002-08-08 光通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003134058A JP2003134058A (ja) 2003-05-09
JP3808413B2 true JP3808413B2 (ja) 2006-08-09

Family

ID=26620547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002231632A Expired - Fee Related JP3808413B2 (ja) 2001-08-15 2002-08-08 光通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3808413B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100325687B1 (ko) 1999-12-21 2002-02-25 윤덕용 주입된 비간섭성 광에 파장 잠김된 페브리-페롯 레이저다이오드를 이용한 파장분할 다중방식 광통신용 광원
US7203422B2 (en) 2002-12-26 2007-04-10 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Optical network unit, wavelength splitter, and optical wavelength-division multiplexing access system
KR100955129B1 (ko) * 2003-05-30 2010-04-28 정보통신연구진흥원 비간섭성 광대역 광원을 이용한 파장분할다중방식 수동형 광 네트워크 구현 방법
KR100539928B1 (ko) 2003-08-29 2005-12-28 삼성전자주식회사 다파장 광원 및 그를 이용한 파장 분할 다중 시스템
JP4541053B2 (ja) * 2004-07-08 2010-09-08 日本電信電話株式会社 光伝送システム
KR100698766B1 (ko) 2005-09-07 2007-03-23 한국과학기술원 파장분할 다중방식 수동형 광 가입자 망 시스템에 사용되는장애 위치 감시 장치 및 이를 구비한 파장분할 다중방식수동형 광 가입자 망 시스템
KR100785436B1 (ko) 2005-09-20 2007-12-13 한국과학기술원 방송 서비스와 통신 서비스를 융합한 파장분할 다중방식수동형 광 가입자망
US8571410B2 (en) 2006-10-11 2013-10-29 Novera Optics, Inc. Mutual wavelength locking in WDM-PONS
JP5255513B2 (ja) * 2009-04-30 2013-08-07 Nttエレクトロニクス株式会社 複合型光信号合分波器及び受動型光加入者システム
CN114647030B (zh) * 2022-05-19 2022-09-09 深圳市迅特通信技术股份有限公司 一种用于pon olt***的硅基光电子的收发集成芯片

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003134058A (ja) 2003-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7155127B2 (en) Optical communication system, optical communication unit, and optical transceiving package
CA3027549C (en) System and methods for distribution of heterogeneous wavelength multiplexed signals over optical access network
KR100575953B1 (ko) 반사형 이득고정 반도체 광증폭기를 포함하는 광신호전송장치 및 이를 이용한 광통신 시스템
KR100480540B1 (ko) 광가입자단의 파장제어가 가능한 파장분할다중방식 수동형광가입자망 시스템
KR100800688B1 (ko) 파장분할다중방식 수동형 광네트워크 시스템의 광송신기제어 장치 및 그 방법
EP2157722B1 (en) WDM PON RF overlay architecture based on quantum dot multi-wavelength laser source
WO2007143931A1 (fr) Réseau optique passif à multiplexage par répartition en longueur d&#39;onde wavelena
KR20080073446A (ko) 전송품질이 개선된 반사형 반도체 광증폭기 기반광가입자망 시스템
JP5839108B2 (ja) 光送信装置および光送信方法
JP3808413B2 (ja) 光通信システム
WO2009135437A1 (zh) 一种光通信***、装置和方法
Shaddad et al. Emerging optical broadband access networks from TDM PON to OFDM PON
JP5137906B2 (ja) 光アクセス網、光加入者装置および光アクセス網の通信設定方法
CN101719804A (zh) 一种波分复用无源光网络中无色onu的实现方法和装置
JP5414373B2 (ja) 光アクセス網、光通信方法および光加入者装置
KR20150096159A (ko) 파장 가변 광 수신기에서 파장을 선택하는 방법 및 장치
EP1953941B1 (en) WDM laser sources for PON
JP2010114621A (ja) 光通信システム、onuの送信器、oltの受信器、およびonuの上り信号送信方法
CN101043287B (zh) 波分复用的无源光网络的传输方法和***
KR100722736B1 (ko) 파장분할 다중방식 수동형 광가입자망 시스템
CN101895795A (zh) 无源光网络中互激励多波长动态调度的光网络单元装置
WO2007135407A1 (en) A method and apparatus for combining electrical signals
Borkowski et al. Experimental demonstration of mixed formats and bit rates signal allocation for spectrum-flexible optical networking
Glance Large-capacity local access network
US20090016741A1 (en) Optical communication

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060517

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140526

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees