JP3807892B2 - 魚釣用リール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣糸の繰出量及び巻取量を高精度に測定する魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
スプールから繰出し及び巻取りされる釣糸の長さを測定することによって、仕掛けを投入した水深、あるいは遠投したときの到達点までの距離を測定できるような魚釣用リールが開発されている。
【0003】
このような魚釣用リールのスプールから繰出し及び巻取りされる釣糸の長さを高精度に測定するには、スプール一回転あたりにどれだけの釣糸が繰出し及び巻取りされるかを測定する必要がある。しかし、釣糸の太さやスプールの巻数などにより、スプール一回転あたりの釣糸繰出量及び巻取量が異なるから、測定値に誤差を含んでしまう。
【0004】
これらの誤差を無くすため従来からスプールに巻かれている釣糸を精度良く測定する手段として、半導体レーザーや発光ダイオード等の光学系などが用いられてきた(特開平1−307612号公報)。最近は、超音波センサーを用いた測定方法が盛んであり、主に2種類の測定方法がある。
【0005】
1個の超音波センサーで送信と受信を行う送受信共用の測定方法では、超音波センサーから超音波をスプールに巻かれている釣糸に向けて送信し、釣糸表面で反射した超音波を再び超音波センサーで受信することによって、送信から受信までの超音波伝搬時間が測定可能になる(特開平3−223614号公報)。
【0006】
一方、2個の超音波センサーを用いて送信用と受信用で送受信を個別に行う測定方法では、送信用超音波センサーから超音波をスプールに巻かれている釣糸に向け送信し、釣糸表面で反射した超音波を受信用超音波センサーで受信することによって、送信から受信までの超音波伝搬時間が測定可能になる(特開平8−254419号公報)。
【0007】
そして、スプールの回転を検出するセンサーからの信号を、先に求めた超音波伝搬時間と演算処理することにより、スプールの回転に伴って釣糸の繰出量及び巻取量が計算される。
【0008】
また、超音波の音速は気温によって変化し、超音波伝搬時間に誤差を生じるので、より高精度な測定を行うときは超音波の音速を補正するための温度センサーなどが追加されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1個の超音波センサーで送信と受信を行う送受共用の測定装置では、スプールに巻かれている釣糸表面と超音波センサー間の距離が短いときに、その距離の測定が非常に困難である。
【0010】
その主たる理由は、超音波センサーにパルス信号である送信電圧を印加して超音波を発生させると、超音波センサーには振動が減衰して消滅するまでの一定時間は残響が残るため、近距離を測定するときには残響が存在している間に、スプールに巻かれている釣糸表面からの反射波が超音波センサーに戻ってきて、反射波と残響とが重なり、送信から受信までの超音波伝搬時間を正確に測定することが不可能になる、という問題による。
【0011】
したがって、超音波センサーをスプールからある一定距離離して取付ける必要があり、超音波伝搬スペースを確保するために魚釣用リールの小型化に制限があった。
【0012】
また、2個の超音波センサーで送信と受信を行う測定装置では、超音波センサーを2個必要とするため、センサー部の小型化,軽量化、コスト高などで問題となっている。
【0013】
また、スプールに巻かれた釣糸表面の形状が円筒である為、超音波センサーから照射された超音波ビームは、ターゲットである釣糸表面での反射時に超音波ビームが拡散し、入射方向への反射エネルギーが減少してしまう。このため、超音波センサーに到達する反射波のレベルが低下し、検出ができなくなったり、測定精度が低下するなどの問題がある。
【0014】
また、超音波の音速は気温によって変化し超音波伝搬に誤差を与える為、従来からより高精度な測定を行うときは超音波の音速を補正するための温度センサーなどが追加されているが、温度センサーを新たに追加することは、センサー部の小型,軽量化などの面からもマイナスになり、さらにコストアップにもつながってしまう問題があった。
【0015】
また、超音波センサーの輻射面(送波面及び受波面)に汚れや水滴等が付着すると、超音波センサーから放射する、および超音波センサーに入射する超音波エネルギーが付着した水滴などに吸収もしくは反射されて、受信されるターゲットからの反射エコーレベルが低下する。この場合、超音波測定が出来なくなり、釣糸の繰出量、巻取量を測定することが出来なくなっていた。
【0016】
本発明は上述のような問題点に鑑みて、スプールに巻かれている釣糸表面と超音波センサーとの間の距離が短い状況下においても、超音波伝搬時間の高精度な測定を1個の超音波センサーを用いて行うことができる魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0017】
また、送信波を収束させてスプールに巻かれた釣糸に照射させるとともに、釣糸表面からの反射波を超音波センサーにて効率よく捉えられるようにし、計測精度の向上を行うことができる魚釣用リール装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、超音波の音速を補正するための温度センサーを用いることなく、簡単な手段で音速補正を行うことができる魚釣用リール装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、汚れや水滴等の付着により、超音波センサーの反射エコーレベルが低下した場合に、正確な超音波測定を行わせるように、警告することができる魚釣用リール装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の魚釣用リールは、対向配置される側面の間に釣糸を巻くためのスプールを回転可能に支持するとともに、スプールに巻かれている釣糸の厚みを測定する送受信共用の超音波センサーを備えた魚釣用リールにおいて、
前記超音波センサーと前記スプールに巻かれている釣り糸との間の伝搬経路に配置され、前記超音波センサーからの送信波を前記スプールに巻かれている釣り糸に向けて反射し、前記スプールに巻かれている釣り糸からの反射波を前記超音波センサーへ向けて反射するように、回転放物面の一部を切り取った形状のパラボラ型反射板を設け、
前記伝搬経路に、前記送信波の一部を前記超音波センサーに向けて反射するように、且つ前記超音波センサーとの間で多重反射が発生しないように伝搬経路に対して直角から所定角度だけ傾けて配置されている、超音波の音速補正及び異物付着警告のための校正用ターゲットを設けたことを特徴とする
【0021】
請求項2に記載の魚釣用リールは、請求項1に記載の魚釣用リールにおいて、前記校正用ターゲットは、前記パラボラ型反射板の一部に設けられていることを特徴とする
【0022】
請求項3に記載の魚釣用リールは、請求項1または2に記載の魚釣用リールにおいて、前記校正用ターゲットからの反射波の送信からの遅延時間に基づいて超音波の音速補正を行うとともに、同じく前記校正用ターゲットからの反射波のレベルに基づいて前記超音波センサーもしくは校正用ターゲットへの異物の付着を警告することを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の魚釣用リールは、対向配置される側面の間に釣糸を巻くためのスプールを回転可能に支持するとともに、スプールに巻かれている釣糸の厚みを測定する送受信共用の超音波センサーを備えた魚釣用リールにおいて、
前記超音波センサーと前記スプールに巻かれている釣り糸との間の伝搬経路に配置され、前記超音波センサーからの送信波を前記スプールに巻かれている釣り糸に向けて反射し、前記スプールに巻かれている釣り糸からの反射波を前記超音波センサーへ向けて反射するように、平面状反射板を設け、
前記伝搬経路に、前記送信波の一部を前記超音波センサーに向けて反射するように、且つ前記超音波センサーとの間で多重反射が発生しないように伝搬経路に対して直角から所定角度だけ傾けて配置されている、超音波の音速補正及び異物付着警告のための校正用ターゲットを設けるとともに、
前記超音波センサーの超音波発射面は、前記平面状反射板と前記スプールの中心軸との間の距離と、前記超音波センサーと前記平面状反射板との間の距離との和を、半径とする円周の一部を切り取った形状であることを特徴とする
【0024】
請求項5に記載の魚釣用リールは、請求項4に記載の魚釣用リールにおいて、前記校正用ターゲットは、前記平面状反射板の一部に設けられていることを特徴とする。
【0025】
請求項6に記載の魚釣用リールは、請求項4または5に記載の魚釣用リールにおいて、前記校正用ターゲットからの反射波の送信からの遅延時間に基づいて超音波の音速補正を行うとともに、同じく前記校正用ターゲットからの反射波のレベルに基づいて前記超音波センサーもしくは校正用ターゲットへの異物の付着を警告することを特徴とする。
【0026】
本願発明によれば、超音波センサーからターゲットである釣糸表面への送信波の伝搬及び釣糸表面から超音波センサーへの反射波の伝搬は、直接伝搬するのではなく、反射板を介して伝搬される。したがって、超音波伝搬スペースを直線的に取る必要がなくなり、残響時間範囲外までの伝搬距離を限られたスペースでも十分にとることができ、振動子の取り付け位置に自由度が増す。
【0027】
また、残響時間範囲外までの超音波伝搬距離を反射板により十分に確保することができる為、振動子は送受信用別々に用意することなく1個の振動子で送受信することが可能になり、スプールに巻かれている釣糸面と超音波センサー間の距離が短い状況のときでも、反射板を用いることによって超音波伝搬距離の正確な測定が可能になるので、魚釣用リール全体の小型化、コスト低減につながる。
【0028】
また、超音波センサーから照射された超音波ビームは、回転放物面の一部を切り取った形状のパラボラ型の反射板によって、反射時に位相の一定化が行われるので、超音波伝搬時に超音波ビームが拡散し減衰することが抑制される。よって、エコーレベルが増大するのでスプールに巻かれた釣糸表面からの反射波を超音波センサーにて確実に捕らえることが可能になり、計測精度が向上する。
【0029】
また、円周面形状の超音波センサーから送信された超音波ビームは、収束されて釣糸表面に照射され、また、釣糸表面からの反射波も入射方向へ反射されるから、スプールに巻かれた釣糸表面からの反射波を曲面形状の超音波センサーにて確実に捕らえることが可能になり、計測精度が向上する。
【0030】
また、超音波送信波が照射される所定の位置に設けられた校正用ターゲットからの反射波を、超音波センサーで受信することによって、既知の距離からの伝搬時間が測定できるから、超音波の音速を補正するための温度センサーをあらたに追加すること無く、音速補正を行うことができる。
【0031】
また、反射板上に追加された校正用ターゲットからの反射波を、超音波センサーで受信することによって、既知の距離からの伝搬時間が測定できるから、超音波の音速を補正するための温度センサーをあらたに追加すること無く、音速補正を行うことができる。また、校正用ターゲットを反射板とともに形成できるから、構成がより簡単になる。
【0032】
また、超音波センサーで得られる受信波形を監視してエコーレベルの低下などが発生した場合には、超音波センサー及び反射板に付着物があると判断し、魚釣用リールに設けた表示器などの警告手段を動作させて、警告する。したがって、この警告にしたがって、超音波センサー及び反射板を洗浄することにより、再び正常な測定が出来る。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
図1〜図7は本発明の魚釣用リールの一実施形態を示すもので、図1は全体構造図を示し、図2は要部の概略斜視図を示し、図3は測定原理を説明する図、図4は凹曲面反射板の作用を説明する図、図5はパラボラ型反射面をもつ反射板の作用を説明する図、図6は処理部のブロック構成図、図7は信号のタイミングチャートである。
【0038】
図1,図2において、魚釣用リール本体1は側板1a、1bを対向配置してなり、スプール2がこの側板1a,1bの間に回転可能な状態で配置されている。このスプール2には釣糸8が巻かれている。
【0039】
このスプール2には回転センサー6bが内蔵されており、側板1bには対向して回転検出センサー6aが設けられている。超音波センサー3が側板1bに配置されており、リール本体1の上面パネル部1c内には、表示器5及び糸の繰出し量及び巻取り量を計算するための処理部及び電池(図示していない)が防水加工をされて内蔵されている。
【0040】
また、凹曲面反射板4が側板1a,1b間の支柱もしくはリール本体1に配置されており、この凹曲面反射板4に校正用ターゲット7が形成されている。なお、9は回転ハンドル部である。
【0041】
さて、図3をも参照して、凹曲面反射板4は、金属または硬い樹脂製の平板で形成され、超音波センサー3から送信される超音波エネルギーを、できる限り釣糸8を巻いたスプール2に収束させ反射するように、超音波伝搬経路中に超音波の入射角に対して約45度の角度をもって、スプール2の中心軸2aから既知の距離dに固定配置される。
【0042】
図4において、超音波センサー3から送信された超音波ビームは数度の指向角をもって空気中を伝搬していき、凹曲面反射板4で収束・反射されることによって、スプール2に巻かれた釣糸8の表面に照射される。なお、図4(a)は、斜めから見た状態、同図(b)はスプール2の軸方向から見た状態、同図(c)は側面及び上部から見た状態をそれぞれ示している。
【0043】
この照射されるときの超音波ビームの形状は、凹局面反射板4で反射されるため、図4(b)中のX方向が絞られた楕円形状をしている。このため円筒状であるスプール2に巻かれた釣糸8の表面で超音波ビームが反射した場合の、その反射される超音波ビームが拡散し減衰することを少なくできる。
【0044】
これは、通常の平板反射板を用いたときには、スプール2に巻かれた釣糸8表面に照射されるときの超音波ビームの形状は、収束反射されていないため図4(b)中のX方向が絞られていない楕円形状となり、釣糸8表面での反射時に拡散が発生しエコーレベルが減衰してしまう場合と比較すると、著しく改善されることが分かる。
【0045】
凹曲面反射板4の凹形状は、図5(a)、(b)に示すように、回転放物面(パラボラ形反射面)の一部を切取った形状のパラボラ形反射板4´とすることができる。このパラボラ型反射板4´は同図(b)にも示されるように、超音波センサー3を仮に点音源と見なしたとき、この点音源から発射された超音波は反射面で反射されて平行な音波面で伝搬していくとともに、逆に並行に入射された音波は反射面で反射されて一点に収束する。したがって、反射板4´に照射された超音波は反射時にパラボラ開口面で位相が一定となるため、スプール2に巻かれた釣糸8表面に照射するとき平面波として伝搬する。このため、釣糸表面からの反射波もパラボラ形状の反射板4´にて効率良く捕らえられ、超音波センサー3に収束反射され、計測精度の向上を行うことができる。
【0046】
また、このパラボラ形反射板4´のZ軸方向の曲率を、ターゲットであるスプールの円筒形状に合わせて、変化させてもよい。このスプールの円筒形状に合わせてZ軸方向の曲率を変化させた反射板4´で反射された超音波ビームは、Z軸方向(スプールの軸方向に対して垂直方向)に超音波ビームの収束(楕円)が行われるので、ターゲットであるスプールの形状が円筒であってもエコーレベルの低下が抑制される、効果を得ることができる。
【0047】
校正用ターゲット7は、金属または硬い樹脂製の平板で形成され、凹曲面反射板4,パラボラ形反射板4´に設けられる。この校正用ターゲット7の配置は、超音波センサー3から送信される超音波エネルギーの一部を超音波センサーへ反射するように行われ、超音波センサー3と校正用ターゲット7の間で多重反射が生じないように、超音波伝搬経路に対して直角から数度傾けることが望ましい。また、校正用ターゲット7は、必ずしも凹曲面反射板4などに設ける必要はなく、超音波ビームを超音波センサー3に反射できる位置であればよく、例えばリール本体とか支持部に設けても良い。
【0048】
図3を参照して、本実施の形態に係る魚釣用リールの作用を説明する。超音波センサー3は、処理部11で増幅された駆動信号によって励振され、凹曲面反射板4と超音波センサー3から既知の固定距離cに装着される校正用ターゲット7に向け超音波が送信される。一方、校正用ターゲット7及び釣糸8表面で反射した超音波を超音波センサー3にて受信すると処理部11にて、回転検出センサー6a,回転センサー6bより得られるスプール2の回転状況及び回転方向と合わせて、信号処理され釣糸8の繰出し量及び巻取り量を算出し、表示器5に表示する。
【0049】
つぎに、処理部11で行われる信号処理及び釣糸の繰り出し量・巻き取り量の処理について、図6,図7を参照して説明する。
【0050】
処理部11のブロック構成図を示す図6において、中央演算処理回路(以下、CPU)19は、発振器20の基準発振信号(40MHz)に基づき動作する。CPU19は、前記基準発振信号である40MHzを1/2分周した基準信号及び、ある所定繰り返し周期T0のコントロール信号を送信トリガとして駆動信号発生回路18に出力する。駆動信号発生回路18は、カウンタを内蔵しており、前記送信トリガを受取るとある一定時間Twの間、基準信号を分周し本実施形態では800KHzの信号を生成する。この周波数が超音波センサーから放射されるキャリア周波数になる。
【0051】
この結果、駆動信号発生回路18は図7に示す、キャリア周波数800KHz,送信パルス幅Tw,送信繰返し周期T0の駆動信号31を生成する。この駆動信号31は、駆動信号発生回路18とともに送信回路を構成する電力増幅回路17により増幅され、送受切替器12を介して超音波センサー3を駆動する。超音波センサー3は増幅された駆動信号31により励振され、凹曲面反射板4に向け超音波が放射される。
【0052】
一方、校正用ターゲット7及び釣糸8表面で反射した超音波は、超音波センサー3に入射され、受信信号に変換される。超音波センサー3からの受信信号は、送受切替器12を介してバンドパスフィルター13、そして増幅回路14に送られる。増幅回路14で増幅された受信波形32は、校正用ターゲット7及び釣糸8表面からの反射信号R1,R2の他に送信波の漏れ信号および残響信号R0を含んでいる。
【0053】
この反射信号R1が得られるまでの時間T1は反射板4を設けたことにより稼いだ時間であり、もしこの時間T1がない場合には釣糸8表面からの反射信号R2は、送信波の漏れ信号および残響信号R0と重なり、或いは近接して判別が困難となる。しかし、反射板4を介して、超音波センサー4と釣糸8表面との間の超音波の伝搬を行うから、伝搬距離則ち伝搬時間を増大させ、反射信号R2の判別ができる。
【0054】
さて、反射信号R1,R2を検波回路15に入力し全波整流して直流検波信号34に変換し、レベル比較回路16において直流検波信号34と基準電圧であるVref33を比較し受信ゲート信号35をCPU19に出力する。
【0055】
CPU19内部では、20MHzの基準信号に基づき、駆動信号31の波形立ち上がりから受信ゲート信号35の各立ち上がりまでの時間T1,T2を算出する。ここでT1は図3において、超音波が超音波センサー3と校正用ターゲット7の間(距離c×2)を往復するのに要した時間である。またT2は、図3において超音波が超音波センサー3と釣糸8表面の間を、凹曲面反射板4を介して往復(距離(a+b)×2)するのに要した時間である。
【0056】
処理部11で行われるスプール2からの繰出し及び巻取り量の計算はつぎの方法によって行われる。
【0057】
先ず、超音波センサー3とスプール2に巻かれた釣糸8表面の間の距離a+bは、超音波が超音波センサー3と校正用ターゲット7の間(距離c×2)を往復するのに要した時間T1及び、超音波が超音波センサー3と釣糸8表面の間を、凹曲面反射板4を介して往復(距離(a+b)×2)するのに要した時間T2の超音波伝搬時間に基づいて、超音波センサー3から既知の距離にある校正用ターゲット7の伝搬時間T1を基準として、音速補正された値Lとして以下のように算出される。
【0058】
音速補正された値Lは、
L= c×(T2−Tofs)/(T1−Tofs)
となる。(但し、Tofs:超音波センサー及び受信回路の応答遅れ)
ここで、スプール2の半径rは、
r= (a+d)−(L)
であり、
スプール2からの繰出し及び巻取り量Sは、Nを回転センサー6aより検出されたスプールの回転数とすると、
【0059】
【数1】
Figure 0003807892
【0060】
となる。
【0061】
以上より算出された値を、処理部11より出力し、スプール2からの釣糸8の繰出し或いは巻取り量Sとして表示器5に表示する。
【0062】
図8は、本発明の他の実施形態に係る魚釣用リールの超音波センサー及び反射板を示す図である。この実施形態においては、反射板は平面状反射板41とし、一方超音波センサーの超音波発射面(入射面)を曲面形状の超音波センサー31としたものである。その他の構成及び信号の処理などは図1〜図7で説明した実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0063】
超音波センサー31の曲面は、図8(a)に示すように、平面状反射板41とスプール2の中心軸との間の距離をr1とし,超音波センサー31と平面状反射板41との距離をr2としたとき、半径R=(r1+r2)の円周の一部を切り取った形状とする。この状態を等価的に同図(b)に示している。
【0064】
平面状反射板41では入射された超音波はそのまま反射されるから、曲面形状の超音波センサー31から発射された超音波ビームは、収束されてスプール2の釣糸8表面に照射され、また、釣糸表面からの反射波も入射方向へ反射される。したがって、スプール2に巻かれた釣糸8表面からの反射波を曲面形状の超音波センサー31にて確実に捕らえることが可能になり、計測精度が向上する。
【0065】
この曲面形状の超音波センサー31は、たとえば容易に曲面形状の超音波センサーを作ることが可能である高分子圧電膜のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いて形成することができる。また、圧電ゴムや曲面形状のセラミックなどを曲面形状の超音波センサーに用いてもよい。このとき、平面状反射板41は空気の音響インピーダンスと大きく異なる材質なら構わない為、プラスチック等でも十分利用可能である。
【0066】
以上の実施形態において、校正用ターゲット7は凹曲面反射板4、平面状反射板41の上部に固定されたが、取り付け位置はこの箇所に限定されることはなく、超音波センサー3から既知の距離、例えば凹曲面反射板4とスプール2の間などに取付けても良い。また、凹曲面反射板4、平面状反射板41は超音波伝搬経路に45度の角度をもって配置されたが、反射板との兼ね合いで他の角度で固定しても良い。
【0067】
また、超音波センサーの取り付け位置は側板1bとしたが、取り付け位置はこの箇所に限定されることはなく、魚釣用リール本体の上面パネル部1cなどに取付けても良い。
【0068】
電源は魚釣用リール本体に内蔵型の電池としたが、内蔵型バッテリーや外付型バッテリーなどでもよい。
【0069】
また、図1に示されるように、表示器5に超音波センサー3または反射器4表面の洗浄を促す警告ランプ5aが配置されている。超音波センサー3から一定距離に設置された校正用ターゲット7での反射エコー(図7のR1)を高速にA/D変換して、CPU19に取り込み平均した値を、所定の一定レベルと比較する。反射エコーが、所定の一定レベルよりも大きい場合には正常状態にあると判定し、所定のレベルよりも下回った場合にはエラーと判定する。
【0070】
エラーと判定された場合には、超音波センサーの3の表面や反射板7の表面に汚れや水滴が付着しているとして、それらを洗浄するように警告ランプ5aを点灯する。魚釣リールの使用者は、警告ランプ5aの点灯を受けて超音波センサーの3の表面や反射板7の表面を洗浄し、正常な状態に復帰させる。
【0071】
以上の実施の形態では、監視測定するエコーを校正用ターゲット7からのものとしているが、これに限ることなく、超音波センサー3から一定距離をおいている物体からの反射エコーを利用してもよいし、またスプール2に巻かれている釣り糸表面からの反射エコーを用いてもよい。また、反射エコーの判定方法として、A/D変換することなく、簡単に反射エコー波形を所定のレベルと比較して、下回った場合をエラーと判定しても良い。さらに、警告方法として警告ランプ5aを点灯することに代えて、ブザーなど音響による警告方法を採ってもよく、また表示と音響の併用による警告としても良い。
【0072】
【発明の効果】
本願発明によれば、超音波センサーからターゲットである釣糸表面への送信波の伝搬及び釣糸表面から超音波センサーへの反射波の伝搬は、直接伝搬するのではなく、反射板を介して伝搬される。したがって、超音波伝搬スペースを直線的に取る必要がなくなり、残響時間範囲外までの伝搬距離を限られたスペースでも十分にとることができ、振動子の取り付け位置に自由度が増す。
【0073】
また、残響時間範囲外までの超音波伝搬距離を反射板により十分に確保することができる為、振動子は送受信用別々に用意することなく1個の振動子で送受信することが可能になり、スプールに巻かれている釣糸面と超音波センサー間の距離が短い状況のときでも、反射板を用いることによって超音波伝搬距離の正確な測定が可能になるので、魚釣用リール全体の小型化につながる。
【0074】
また、超音波センサーから照射された超音波ビームは、回転放物面の一部を切り取った形状のパラボラ型の反射板によって、反射時に位相の一定化が行われるので、超音波伝搬時に超音波ビームが拡散し減衰することが抑制される。よって、エコーレベルが増大するのでスプールに巻かれた釣糸表面からの反射波を超音波センサーにて確実に捕らえることが可能になり、計測精度が向上する。
【0075】
また、円周面形状の超音波センサーから送信された超音波ビームは、収束されて釣糸表面に照射され、また、釣糸表面からの反射波も入射方向へ反射されるから、スプールに巻かれた釣糸表面からの反射波を曲面形状の超音波センサーにて確実に捕らえることが可能になり、計測精度が向上する。
【0076】
また、超音波送信波が照射される所定の位置に設けられた校正用ターゲットからの反射波を、超音波センサーで受信することによって、既知の距離からの伝搬時間が測定できるから、超音波の音速を補正するための温度センサーをあらたに追加すること無く、音速補正を行うことができる。
【0077】
また、反射板上に追加された校正用ターゲットからの反射波を、超音波センサーで受信することによって、既知の距離からの伝搬時間が測定できるから、超音波の音速を補正するための温度センサーをあらたに追加すること無く、音速補正を行うことができる。また、校正用ターゲットを反射板とともに形成できるから、構成がより簡単になる。
【0078】
また、超音波センサーで得られる受信波形を監視してエコーレベルの低下などが発生した場合には、超音波センサー及び反射板に付着物があると判断し、魚釣用リールに設けた表示器などの警告手段を動作させて、警告する。したがって、この警告にしたがって、超音波センサー及び反射板を洗浄することにより、再び正常な測定が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚釣用リールの一実施形態の全体構造図。
【図2】本発明の魚釣用リールの一実施形態の要部の概略斜視図。
【図3】本発明の魚釣用リールの一実施形態の測定原理を説明する図。
【図4】本発明の魚釣用リールの一実施形態の凹曲面反射板の作用を説明する図。
【図5】本発明の魚釣用リールの一実施形態のパラボラ型反射板の作用を説明する図。
【図6】本発明の魚釣用リールの一実施形態の処理部のブロック構成図。
【図7】本発明の魚釣用リールの一実施形態の信号のタイミングチャート。
【図8】本発明の他の実施形態に係る魚釣用リールの超音波センサー及び反射板を示す図。
【符号の説明】
1 リール本体
1a、1b 側板
1c パネル部
2 スプール
3 超音波センサー
31 曲面形状の超音波センサー
4 曲面形状反射板
4´ パラボラ型反射板
41 平面形状反射板
5 表示器
5a 警告ランプ
6a 回転検出センサー
6b 回転センサー
7 校正用ターゲット
8 釣糸
9 ハンドル部

Claims (6)

  1. 対向配置される側面の間に釣糸を巻くためのスプールを回転可能に支持するとともに、スプールに巻かれている釣糸の厚みを測定する送受信共用の超音波センサーを備えた魚釣用リールにおいて、
    前記超音波センサーと前記スプールに巻かれている釣り糸との間の伝搬経路に配置され、前記超音波センサーからの送信波を前記スプールに巻かれている釣り糸に向けて反射し、前記スプールに巻かれている釣り糸からの反射波を前記超音波センサーへ向けて反射するように、回転放物面の一部を切り取った形状のパラボラ型反射板を設け、
    前記伝搬経路に、前記送信波の一部を前記超音波センサーに向けて反射するように、且つ前記超音波センサーとの間で多重反射が発生しないように伝搬経路に対して直角から所定角度だけ傾けて配置されている、超音波の音速補正及び異物付着警告のための校正用ターゲットを設けたことを特徴とする、魚釣用リール。
  2. 前記校正用ターゲットは、前記パラボラ型反射板の一部に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の魚釣用リール。
  3. 前記校正用ターゲットからの反射波の送信からの遅延時間に基づいて超音波の音速補正を行うとともに、同じく前記校正用ターゲットからの反射波のレベルに基づいて前記超音波センサーもしくは校正用ターゲットへの異物の付着を警告することを特徴とする、請求項1または2に記載の魚釣用リール。
  4. 対向配置される側面の間に釣糸を巻くためのスプールを回転可能に支持するとともに、スプールに巻かれている釣糸の厚みを測定する送受信共用の超音波センサーを備えた魚釣用リールにおいて、
    前記超音波センサーと前記スプールに巻かれている釣り糸との間の伝搬経路に配置され、前記超音波センサーからの送信波を前記スプールに巻かれている釣り糸に向けて反射し、前記スプールに巻かれている釣り糸からの反射波を前記超音波センサーへ向けて反射するように、平面状反射板を設け、
    前記伝搬経路に、前記送信波の一部を前記超音波センサーに向けて反射するように、且つ前記超音波センサーとの間で多重反射が発生しないように伝搬経路に対して直角から所定角度だけ傾けて配置されている、超音波の音速補正及び異物付着警告のための校正用ターゲットを設けるとともに、
    前記超音波センサーの超音波発射面は、前記平面状反射板と前記スプールの中心軸との間の距離と、前記超音波センサーと前記平面状反射板との間の距離との和を、半径とする円周の一部を切り取った形状であることを特徴とする、魚釣用リール。
  5. 前記校正用ターゲットは、前記平面状反射板の一部に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の魚釣用リール。
  6. 前記校正用ターゲットからの反射波の送信からの遅延時間に基づいて超音波の音速補正を行うとともに、同じく前記校正用ターゲットからの反射波のレベルに基づいて前記超音波センサーもしくは校正用ターゲットへの異物の付着を警告することを特徴とする、請求項4または5に記載の魚釣用リール。
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