JP3807839B2 - 樹脂モールドコイルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂モールドコイルの製造方法であり、特に、変圧器等の静止誘導機器に用いられる樹脂モールドコイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂モールドコイルを製造するには、巻線導体の内外周にシート状又はテープ状のプリプレグ絶縁物を配設したコイルを形成し、このコイルの片端面にパテ状樹脂を充填し、この充填面を上面としてコイルの乾燥を兼ねて加熱硬化(一次硬化)する。その後、コイルを反転し、他の端面に前記同様パテ状樹脂を充填して加熱硬化(一次硬化及び二次硬化)させる工程を採用していた(特開平3−22513号公報参照)。
この従来技術では、パテ状樹脂をハケやヘラ等用いて充填し、そして、硬化時のコイル姿勢は垂直にする必要があるため、コイルの両端面に形成する樹脂絶縁層は、各々片端面ずつ硬化させる方法を採っている。このため、充填作業は全て手作業となり、硬化工程においては2工程となって工数を要する原因となる。
【0003】
また、コイルを注入用金型に組込んで液状のエポキシ樹脂を注入して樹脂モールドコイルを製作する方法も多数出願されているが、いずれも注入用金型の取扱いが面倒であり、型組、シール作業、離型及び清掃・保管など非常に多くの工数を必要とする問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、従来技術に比べ簡便なる方法で樹脂モールド層を形成し、絶縁特性の良好なる樹脂モールドコイルの製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シート状又はテープ状のプリプレグ絶縁物を巻型上に巻回し、その上に巻線導体を巻回し、得られた巻線上に前記同様のプリプレグ絶縁物を巻回して巻線の内・外周にプリプレグ絶縁物を配設したコイルを形成した後、モールドする樹脂モールドコイルの製造方法において、内周側のプリプレグ絶縁物は予め製作したガラス繊維織物にエポキシ樹脂を含浸して形成したボビンであり、外周側には薄葉金属板を用い、そして、溝状の凹部をフランジ面に有する治具にパテ状のエポキシ樹脂を入れ、前記コイルの下端部を該冶具に載せ、該コイルの下端部に前記パテ状のエポキシ樹脂を充填、硬化させ、その後、該コイルの上端部より液状のモールド樹脂を注入して巻線内に該樹脂を充満し、加熱硬化する樹脂モールドコイルの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の発明の実施の形態を説明する。
以下、本発明の樹脂モールドコイルの製造方法の実施例について、図1〜図7を用いて説明する。
図1は、本発明の樹脂モールドの製造方法における巻線工程の一例を示す横断面説明図である。図2は、実施例1の樹脂モールドコイルの製造方法に使用する注入用フランジの一例を示す斜視説明図である。図3は、図2におけるA−B断面説明図である。図4は、実施例1の樹脂モールドコイルの製造方法の縦断面斜視説明図である。図5は、実施例1の樹脂モールドコイルの製造方法の変形例の縦断面斜視説明図である。図6は、実施例2の樹脂モールドコイルの製造方法の縦断面斜視説明図である。図7は、実施例2の樹脂モールドコイルの製造方法に使用する注入用治具の一例の斜視説明図である。
【0011】
実施例1を説明する。本実施例における巻線工程の一例は、図1に示すように、巻線機4を用い、巻型1の上にシート状又はテープ状のプリプレグ絶縁物2aを巻回し、その上に巻線導体及び層間絶縁物を用いて多重層に巻回して巻線3を形成し、その上に再び前記同様のプリプレグ絶縁物2bを巻回してコイルを形成する。本実施例では水平方向の断面が略矩形状のコイルが形成される。次に、図2に示すように、コイルの水平断面と略同一の輪郭で溝状の凹部6をフランジ面に有する治具5を用意する。図3に示すようにこの凹部6に短時間硬化タイプのエポキシ樹脂7を予め入れ、次に治具5の凹部6内にプリプレグ絶縁物2a、2bを入れた状態でコイルを垂直に立て(図4参照)、予備乾燥する。凹部6に配したエポキシ樹脂7の一部は、コイル下端部からプリプレグ絶縁物2a、2bの間に浸入し、コイル下端部を塞ぐ。そして、予備乾燥時間より短い硬化時間のエポキシ樹脂7を用いることにより予備乾燥中にコイル下端部は硬化した状態となり、封止層が形成される。このため、その後のモールド樹脂注入時にコイル下端部のエポキシ樹脂7は既に硬化しているので、この状態のままコイル上端部より液状のモールド樹脂を注入しても液漏れすることなく、注入に耐えることができる。このように、本実施例によれば、予備乾燥中にコイル下端部に封止層が形成されるのでコイルを反転させることなく、すなわち、図4のようにコイルと治具5を組合せた状態を保ったままモールド樹脂を注入することができる。なお、治具5に予め入れておくエポキシ樹脂7は、予備乾燥工程において凹部6中で硬化すればよいため、パテ状でも液状でも可能である。
【0012】
実施例1の変形例を説明する。上記実施例1では、図1に示す巻線工程において、巻線導体の内・外周にシート状又はテープ状のプリプレグ絶縁物2a、2bを配することで説明したが、次工程であるモールド樹脂注入時にコイルを垂直に立てることを勘案して、内側プリプレグ絶縁物2aの代わりに予めプリプレグ絶縁物を巻回し硬化したFRP(ガラス繊維強化プラスチック)のボビンを使用することも有効な方法である。図5に、内側プリプレグ絶縁物2aにFRPボビン8を用いる一例を示す(図5では、注入時の姿勢のみを示しており、巻線工程は図示していない)。内側プリプレグ絶縁物としてはFRPボビン8を用い、このボビン8上に巻線導体と層間絶縁物を用いて多重層に巻回して巻線3を形成し、その外周側にはプリプレグ絶縁物2bを巻回してコイルを形成する。そして、モールド樹脂を実施例1と同様に注入することにより、樹脂モールドコイルを製造することができる。
【0013】
次に、実施例2について、図6及び図7を用いて説明する。実施例1では、コイルの下端部のすべてにパテ状または液状の短時間硬化のエポキシ樹脂を用いていたが、本実施例では、図7に示す水平で平坦な下部フランジ部11とこの下部フランジ11から垂直に立ち上がる胴板部12を組合わせた注入用治具(以下、「ハット型治具」と称す。)13を用意する。胴板部12の外周はコイル内周よりやや小さい寸法を有している。次に、このハット型治具13の胴板部12にコイルの内周側を嵌合させる。この時、ハット型治具13のコイル内周側下端と嵌合する部分にのみ、パテ状のエポキシ樹脂14を予め配しておく。本実施例では、図6に示すように、内周側にFRPボビン8を用い、そして、このボビン8上に実施例1と同様に巻線導体と層間絶縁物を用いて多重層に巻回して巻線3を形成し、その外周側に短冊状の絶縁性繊維マット等のスペーサ的介在物9を配置し、更に、最外周に柔軟性を有する薄葉金属板10及び注入補助治具15を絶縁性繊維マット9の上に巻付ける。絶縁性繊維マット9は、外周側におけるプリプレグ絶縁物の代わりとなる。そして、薄葉金属板10と注入補助治具15は、注入用金型の代わりとなる。これにより、内周及び外周側いずれにもガラス強化された樹脂絶縁層等が形成された樹脂モールドコイルを従来技術にくらべて簡便なる方法で得る事ができる。ここで使用するエポキシ樹脂14としては非流動性のものであり、パテ状樹脂が望ましい。
【0014】
実施例1及び2とも、モールド樹脂注入専用の金型を使用していない。一方、従来方法では、巻線工程から注入用金型を巻線機に取付けて作業することもあり、マテリアルハンドリングに労力を要していたが、本実施例によれば、巻線〜型組〜注入〜離型作業に至るまで大掛かりな注入用金型を使用していないために、従来にくらべると簡便なる手段により樹脂モールドコイルを製作することができる。また、従来方法では注入作業後の金型の清掃や、その保管に労力と保管スペースを必要としていたが、本実施例は、金型が不要な注入方式であって、樹脂モールドコイルを製作する上で有効な方法である。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、従来技術に比べ簡便なる方法で樹脂モールド層を形成し、絶縁特性の良好なる樹脂モールドコイルの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂モールドコイルの巻線工程の一例をを示す横断面説明図。
【図2】本実施例の樹脂モールドコイルの製造方法に使用する注入用フランジの一例を示す斜視説明図。
【図3】図2におけるA−B断面説明図。
【図4】実施例1の樹脂モールドコイルの製造方法の縦断面斜視説明図。
【図5】実施例1の樹脂モールドコイルの製造方法の変形例の縦断面斜視説明図。
【図6】実施例2の樹脂モールドコイルの製造方法の縦断面斜視説明図。
【図7】実施例2の樹脂モールドコイルの製造方法に使用する注入用治具の一例の斜視説明図。
【符号の説明】
1 巻型
2a、2b プリプレグ絶縁物
3 巻線
4 巻線機
5 治具
6 凹部
7 エポキシ樹脂
8 FRPボビン
9 絶縁性繊維マット
10 薄葉金属板
11 下部フランジ部
12 胴板部
13 ハット型治具
14 パテ状エポキシ樹脂
15 注入補助治具
Claims (1)
- シート状又はテープ状のプリプレグ絶縁物を巻型上に巻回し、その上に巻線導体を巻回し、得られた巻線上に前記同様のプリプレグ絶縁物を巻回して巻線の内・外周にプリプレグ絶縁物を配設したコイルを形成した後、モールドする樹脂モールドコイルの製造方法において、
内周側のプリプレグ絶縁物は予め製作したガラス繊維織物にエポキシ樹脂を含浸して形成したボビンであり、外周側には薄葉金属板を用い、そして、溝状の凹部をフランジ面に有する治具にパテ状のエポキシ樹脂を入れ、前記コイルの下端部を該冶具に載せ、該コイルの下端部に前記パテ状のエポキシ樹脂を充填、硬化させ、その後、該コイルの上端部より液状のモールド樹脂を注入して巻線内に該樹脂を充満し、加熱硬化することを特徴とする樹脂モールドコイルの製造方法。
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JP01063098A JP3807839B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | 樹脂モールドコイルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP01063098A JP3807839B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | 樹脂モールドコイルの製造方法 |
Publications (2)
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JPH11214237A JPH11214237A (ja) | 1999-08-06 |
JP3807839B2 true JP3807839B2 (ja) | 2006-08-09 |
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ID=11755553
Family Applications (1)
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JP5663322B2 (ja) | 2011-01-21 | 2015-02-04 | 株式会社日立産機システム | 樹脂モールドコイル、及びそれを用いたモールド変圧器 |
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1998
- 1998-01-22 JP JP01063098A patent/JP3807839B2/ja not_active Expired - Fee Related
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