JP3807578B2 - 版材供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、版材供給装置に関し、より特定的には、版材と合紙とを交互に収納したカセットから版材を1枚づつ取り出して露光装置へと供給する版材供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
版材と合紙とを交互に収納したカセットから版材を1枚づつ取り出して露光装置へと供給する版材供給装置では、合紙の処理が問題になる。すなわち、版材供給時には、合紙を除去したうえ、それら合紙を所定の容器に収納して回収しなければならない。ここで、版材とは、アルミ製の板材の一面に感光剤を塗布したものをいう。また、合紙(あいし)とは、版材の感光面を保護するための、版材と同形状に裁断された紙製のシートのことである。
ところが、合紙は、静電気の作用でしばしば版材に付着しており、そのため、版材と共に露光装置へ搬送されることがよくある。合紙など、版材以外のものが露光装置へ搬送されることは、露光装置の故障の原因となる。
そこで、従来、版材に付着した合紙は、エアで吹き飛ばしたり、ローラで掻き落とすようにし、合紙が露光装置へと搬送されるのを防いでいた。版材に付着した合紙をエアで吹き飛ばす機能を有する従来の版材供給装置の要部を図10に示す。また、版材に付着した合紙をローラで掻き落とす機能を有する別の従来の版材供給装置の要部を図11に示す。なお、図10のタイプの版材供給装置は、例えば米国特許第4,402,592号に記載されている。また、図11のタイプの版材供給装置は、例えば米国特許第5,367,360号に記載されている。
【0003】
図10において、従来の版材供給装置には、版材収納用のカセット1001と、版材把持部1002と、合紙回収用のトレイ1003とが設けられている。カセット1001は、水平面に対して傾斜して設けられており、その内部に複数の版材が収納される。さらに、版材と版材との間には、それぞれ合紙が挟み込まれている。版材把持部1002の先端には、吸盤1004が設けられており、版材把持部1002は、この吸盤1004を用いて版材を吸引把持する。そして、把持した版材を、カセット1001の法線方向に沿って、図中点線で示される位置まで持ち上げ、その後、所定の位置まで搬送する。
上記のようにして版材を搬送する際、版材の裏面に合紙が付着していることがある。しかし、カセット1001の上側端部には、エアノズル1005が設けられており、版材が版材把持部1002によって上記のようにして持ち上げられている間に、エアノズル1005から版材の裏面に沿うようにエアが噴出される。そのエアよって、版材裏面に付着した合紙が剥離し、吹き飛ばされる。エアノズル1005の前方には、トレイ1003が水平に設置されている。トレイ1003は、吹き飛ばされた合紙を受け止めて、その内部に収納する。
【0004】
図11において、別の従来の版材供給装置には、版材収納用のカセット1101と、版材把持部1102と、合紙回収用のトレイ1103とが設けられている。カセット1101は、水平面に対して傾斜して設けられており、その内部に複数の版材が収納される。さらに、版材と版材との間には、それぞれ合紙が挟み込まれている。版材把持部1102の先端付近には、吸盤1104が設けられており、版材把持部1102は、この吸盤1104を用いて版材を吸引把持する。そして、把持した版材を持ち上げ、その後、所定の位置まで搬送する。
上記のようにして版材を搬送する際、版材の裏面に合紙が付着していることがある。しかし、版材把持部1102の下端には、図中矢印で示す向きに回転するローラ1105が設けられており、版材が版材把持部1102によって上記のようにして把持される直前に、このローラ1105が合紙と接触し、版材の裏面に付着した合紙を掻き落とす。トレイ1103は、カセット1101の背面を覆うように、かつ水平面に対して垂直に設けられている。トレイ1103には、掻き落とされた合紙をその内部へと導くためのガイド1106と、合紙ニップ用ローラ1107とが設けられており、ローラ1105によって掻き落とされた合紙は、最初、ガイド1106によってその進行方向を変えられ、次に、合紙ニップ用ローラ1107によってニップされて、トレイ1103の内部へと送出される。
【0005】
ところで、上記の各装置では、版材を収納するためのカセットは、水平面に対して傾斜して設けられているが、カセットが水平に設けられたような、さらに別の従来の版材供給装置もある。その要部を、図12に示す。図12のタイプの版材供給装置は、例えば特公昭61−41810号公報に記載されている。
図12において、さらに別の従来の版材供給装置には、版材収納用のカセット1201と、版材/合紙把持部1202と、版材/合紙ニップ用ローラ1203と、版材と合紙とで搬送路を切り換えるための切換ガイド1204と、合紙回収用のトレイ(図示せず)とが設けられている。カセット1201は、水平に設けられており、その内部に複数の版材が収納される。さらに、版材と版材との間には、それぞれ合紙が挟み込まれている。版材/合紙把持部1202の先端には、吸盤1205が設けられており、版材/合紙把持部1202は、この吸盤1205を用いて版材または合紙を吸引把持する。そして、把持した版材または合紙を、カセット1201の法線方向に沿って持ち上げ、その後、版材/合紙ニップ用ローラ1203の位置まで移送する。
版材/合紙ニップ用ローラ1203は、移送されてきた版材または合紙をニップして、切換ガイド1204側へと送出する。切換ガイド1204は、図中点Xを中心として回転可能に支持されており、送出されたものが版材が合紙かに応じて、実線の位置および点線の位置の間を(回転)移動する。すなわち、版材/合紙ニップ用ローラ1203から送出されたものが版材である場合、切換ガイド1204は、図中実線で示す位置にあり、合紙である場合には、点線で示す位置にある。従って、版材は、図面に向かって右手にある露光装置へ向けて送出され、一方、合紙は、下方に置かれたトレイ側へと送出される。送出された合紙は、自重でトレイ底部へと落下する。
上記のようにして版材を搬送する際、版材の裏面に合紙が付着していることがある。しかし、カセット1201の端部には、ブラシ1207とエアノズル1206とが設けられており、版材が版材/合紙把持部1202によって上記のようにして持ち上げられたとき、版材裏面に付着した合紙の端部がブラシ1207によって擦られ、版材から分離される。その瞬間、エアノズル1206から版材の表面に沿うようにエアが噴出される。そのエアよって、版材裏面に付着した合紙全体が版材から剥離される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、版材と合紙との間の静電気は、空気が乾燥している冬季、特に多く発生する。その場合、発生した静電気の吸着力も強い。また、版材の生産過程において、版材に意図的に多量の静電気が与えられることがある。これは、版材を所定の大きさに裁断する際に合紙の位置がずれることを防ぐなどの目的で行われる。この多量の静電気が、出荷後もしばしば残存しており、合紙が版材に強く付着している。
【0007】
しかしながら、図10のタイプの版材供給装置では、版材に付着した合紙を単にエアで吹き飛ばすだけなので、強力に付着した合紙をあまりよく剥離させることはできなかった。また、吹き飛ばされた合紙がトレイ1003内に正しく納まらない場合が多く、トレイ1003外に散乱した合紙を回収したり、合紙の向きをそろえるのに手間がかかる問題点もあった。
【0008】
図11のタイプの版材供給装置では、版材に付着した合紙を単にローラ1105で掻き落とすだけなので、強力に付着した合紙をあまりよく剥離させることはできなかった。また、合紙をトレイ1103の下端付近から内部へと送出するので、合紙がトレイ1103の内部に、下から上へと雑然と蓄積されていく。そのため、トレイ1103内に蓄積される合紙の多くに襞や皺が生じ、その結果、合紙を回収して再利用するのが困難となるのに加え、蓄積可能な合紙の枚数が、トレイ1103の容積に比べて極めて少ない問題点もあった。
【0009】
一方、図12のタイプの版材供給装置では、版材に付着した合紙の端部をブラシ1207で擦って版材から分離させ、生じた隙間にエアを噴出して合紙全体を版材から剥離させるので、図10のタイプまたは図11のタイプの版材供給装置よりは、合紙をよく剥離させることができる。しかし、強く付着した合紙を必ずしも剥離させることはできなかった。また、トレイ側に送出された合紙は、自重でトレイ底部へと落下するので、向きがバラバラの状態でトレイ底部に積み重なることになり、それらの回収、整理に手間がかかる問題点もあった。
【0010】
なお、カセットが傾斜しているか水平であるかは、版材に付着した合紙をよく剥離させるという観点からは、特に差異はない。ただし、図12のようにカセットが水平に設置された場合には、図10または図11のようにカセットが傾斜して設置された場合と比べ、装置の容積が大きくなる。その反面、カセット内に収納された版材が滑落したり位置ずれの生じる恐れがないので、供給動作の信頼性は高いといえる。
【0011】
それゆえに、本発明の目的は、版材と合紙とが交互に収納されたカセットから版材を1枚づつ取り出して露光装置へと供給する際、版材に付着した合紙をよく剥離させることができ、その結果、合紙を誤って露光装置へと供給するのを防ぐことができるような版材供給装置を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、上記版材供給装置において、剥離させた合紙を専用のトレイ内に正しく納めることができるようにし、それによって、回収済み合紙の再利用を容易にすることである。
【0013】
また、本発明のさらに他の目的は、上記版材供給装置において、カセットが水平に設置されている場合に、装置の容積をできるだけ小さくすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、版材を1枚づつ露光装置へと供給するための版材供給装置であって、
その上面が開放され、その内部には、版材と合紙とが、交互にまたは混在して、かつ積み重ねられた状態で収納されるカセット、
吸盤を含み、カセットに収納された版材または合紙を、開放されたその上面を通じて当該吸盤で吸引把持して、当該カセットの外部へと搬出する搬出手段、
カセットから搬出された版材を露光装置側へと搬送する版材搬送手段、および一列に配置された複数の突起を持つ櫛状板部材を含み、搬出手段が吸引把持している版材にその一部が付着した合紙を、当該櫛状板部材の各突起で挟持して剥離させる合紙剥離手段を備えている。
【0015】
上記第1の発明によれば、版材をカセットから搬出する際に、版材にその一部が付着しているような合紙をよく剥離させることができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、合紙剥離手段は、別の吸盤をさらに含み、搬出手段が吸引把持している版材にその全部が付着した合紙を、当該別の吸盤で吸引把持して剥離させることを特徴としている。
【0017】
上記第2の発明によれば、版材をカセットから搬出する際に、版材にその全部が付着しているような合紙をよく剥離させることができる。
【0018】
第3の発明は、第2の発明において、合紙剥離手段は、エアを噴出するエアノズルをさらに含み、剥離させてできた版材と合紙との間隙に向けて、エアノズルからのエアを噴射し、それによって、いったん剥離させた版材と合紙との再付着を防止することを特徴としている。
【0019】
上記第3の発明によれば、いったん剥離させた版材と合紙との再付着を防止することができる。
【0020】
第4の発明は、第3の発明において、カセットは、開放されたその上面を覆うための開閉可能なシャッタを含み、当該シャッタを、合紙剥離手段がエアを噴射するタイミングに関連して開閉させることを特徴としている。
【0021】
上記第4の発明によれば、剥離された版材と合紙とがシャッタで隔離されるので、再付着が完全に防止される。また、剥離され、搬出されつつある版材の後端が次の版材の感光面上で引きずられ、それによって感光面に傷が付く不都合を防ぐことができる。
【0022】
第5の発明は、第1の発明において、
搬出手段は、
吸盤がカセットに収納された版材または合紙を吸引把持した後、当該吸盤を、当該カセットの法線方向に沿って、開放されたその上面の上方の所定の位置まで移動させ、
当該所定の位置で当該吸盤の向きを変化させ、それによって、当該版材または当該合紙を湾曲変形させることを特徴としている。
【0023】
上記第5の発明によれば、版材または合紙の裏面に付着した版材をよく剥離させることができる。なぜなら、版材または合紙が湾曲変形されるにつれて、その裏面に付着した版材も次第に湾曲変形するが、いずれは付着した版材の復元力が静電気の吸着力を上回り、付着した版材が元の形状に復元するからである。
【0024】
第6の発明は、第1の発明において、カセットから搬出された被搬出物が版材か合紙かを、当該被搬出物の上面からの反射光に基づいて判別するための第1の光センサ、
被搬出物が版材か合紙かを、当該被搬出物の下面からの反射光に基づいて判別するための第2の光センサ、および
被搬出物が版材か合紙かを、当該被搬出物から金属素材を検出することによって判別するための金属センサをさらに備えている。
【0025】
上記第6の発明によれば、搬出された版材の裏面に合紙が付着していることと、搬出された合紙の裏面に版材が付着していることと、搬出された合紙の裏面に版材が付着し、さらにその版材の裏面に次の合紙が付着していることとを検出できる。
【0026】
第7の発明は、第1の発明において、
合紙を回収するためのトレイ、および
カセットから搬出された合紙をトレイ側へと搬送する合紙搬送手段をさらに備えている。
【0027】
上記第7の発明によれば、合紙を回収して再利用するのが容易になる。
【0028】
第8の発明は、第7の発明において、
カセットから搬出された被搬出物の端部に向けて所定のパワーでエアを噴射することによって、合紙だけを選択的に屈曲させるエア噴射手段をさらに備え、
合紙搬送手段は、屈曲された合紙の端部を把持するための把持部材を含んでいる。
【0029】
上記第8の発明では、版材と合紙の堅さの相違を利用して、版材と合紙とで搬送経路が自ずから切り換わるようにしているので、装置の構成が単純で故障も少ない。
【0030】
第9の発明は、第7の発明において、
カセットは、水平に置かれており、
トレイは、カセットの鉛直下方に設置されたことを特徴としている。
【0031】
上記第9の発明によれば、装置の容積を小さくできる。
【0032】
第10の発明は、第1の発明において、カセットを、その重心を通り、かつ開放されたその上面の一辺に平行な直線を軸として回転可能に支持する架台をさらに備えている。
【0033】
上記第10の発明によれば、版材をカセットに収納する作業が楽になる。
【0034】
第11の発明は、第1の発明において、カセットの内底面には、当該内底面を保護する保護部材が設けられていることを特徴としている。
【0035】
上記第11の発明によれば、カセットの内底面に傷が付きにくくなる。従って、版材を梱包箱に包まれたままカセットに収納し、カセット内で刃物を用いて梱包箱を解体して版材を露出させるような収納作業を行える。これによって、多数の版材を一度にきちんと収納できるようになる。
【0036】
第12の発明は、第11の発明において、
カセットから搬出された合紙を露光装置側とは別の側へと搬送する合紙搬送手段、
カセットから搬出された被搬出物が版材か合紙かを判別するための判別センサ、および
被搬出物の端部に向けて所定のパワーでエアを噴射することによって、合紙だけを選択的に屈曲させるエア噴射手段をさらに備え、
合紙搬送手段は、
屈曲された合紙の端部を把持するための把持部材、および
当該把持部材に付随して設けられ、屈曲された合紙の端部を検出するための検出センサを含んでいる。
【0037】
上記第12の発明では、カセット内で梱包箱を解体して版材を露出させるような収納作業を行った結果、梱包箱の断片(厚紙、段ボールなど)がカセット内に存在する可能性があるが、梱包箱の断片が搬送されつつあることを検知できる。なぜなら、判別センサが被搬送物を合紙と判断したにも関わらず、検出センサが合紙の端部を検出しない場合、その被搬送物は、梱包箱の断片であるとわかるからである。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る版材供給装置が設けられる製版システムの構成を示す模式図である。図1において、製版システムは、露光装置101と、版材供給装置102とで構成される。版材供給装置102は、版材収納用のカセット103および合紙回収用のトレイ104が設けられた台車105と、カセット103に収納された版材を1枚ずつ露光装置101へと供給し、かつ版材と版材との間に挟み込まれている合紙をトレイ104へと搬送するピックアップ部106とを備えている。露光装置101は、供給された版材にレーザビームを照射して、版材の感光面上に画像を描く。製版システムは、こうして版材に描画処理を施すことにより、印刷用の刷版を制作する。
【0039】
図2は、図1に示す版材供給装置102の、台車105の構成を示す模式図である。図2において、台車105には、台車本体に対し、その重心201を通り、かつその短辺に平行な直線を軸として、水平面に対し概ね0〜70度の範囲で回転可能に支持されたカセット103と、台車本体を移動させるためのキャスタ202と、台車本体の高さ調節を行うためのアジャストボルト203とが設けられる。なお、図中、トレイ104は省略している。
【0040】
カセット103は、そこに版材を収納する作業を行う際に、作業者によって約70度に傾斜される。そして、収納作業が終了した後、水平に戻して固定される。これによって、版材をカセット103に収納する作業が楽になる。
ここで補足すれば、版材には一辺が1mを超えるものもあり、そのような版材を数十枚束ねた状態で持ち上げてカセット103に収納することを考えると、カセット103の重心201の高さを同一とすれば、カセット103が傾斜していた方が、カセット103が水平である場合より収納作業を容易に行える。なぜなら、カセット103が水平であれば、収納時、版材の束も水平に持ち上げなければならないが、カセット103が傾斜していれば、版材の束を、その一端を掴んで吊すようにして持ち上げることができるからである。
【0041】
キャスタ202は、床面と接触する端部の位置を上下させる機能を有する。すなわち、台車105を移動させる場合には、キャスタ202の端部がアジャストボルト203の端部よりも下側に突出され、台車105を固定する場合には、キャスタ202の端部がアジャストボルト203の端部よりも上側に収められる。これによって、一度アジャストボルト203を調節して台車105の高さを決めてしまえば、その後は、台車105を移動させる度にアジャストボルト203を調節する必要がなくなる。
【0042】
図3は、図1に示す版材供給装置102に設けられたカセット103の上面図である。その上面が開放されたカセット103の内底面には、カセット本体に傷がつくことを防ぐための保護用シート301が設けられている。従って、作業者は、版材をカセット103に収納する作業を、次のようにして行うことになる。すなわち、最初、カセット103を傾斜させ、次に、版材を梱包箱に包まれたままの状態で、カセット103の内底面上に載置する。そして、カセット103を水平にし、その位置で固定する。その後、保護用シート301上で、梱包箱を刃物を用いて切断、解体し、版材を露出させる。
なお、図3には示していないが、カセット103の一方の端部には、2枚取り防止用の板バネが設けられている。また、カセット103の上面には、開閉可能なシャッタが設けられており、作業者は、版材を露出させた後、シャッタを閉じる(これら板バネおよびシャッタについては、後述する)。
【0043】
このように、版材をカセット103に収納する際、版材を梱包箱に包まれたままカセット103の内底面上に載置して、そこで版材を取り出すようにしたことによって、版材の収納を梱包箱単位で行えるようになり、版材の位置ずれがなくなるのに加え、収納作業が楽になる。
これに対し、版材を梱包箱から取り出した状態で収納する場合には、上記のように版材の束をその一端を掴んで吊すようにして持ち上げると、束の中程にある一部の版材がしばしば滑り落ちるので、梱包箱内の全ての版材をいっぺんにカセット103内に収納するのは容易でない。
【0044】
なお、上記のように、カセット103の内底面上で梱包箱を切断して版材を露出させるようにした場合、梱包箱の断片(厚紙、段ボールなど)が除去されずにカセット103内に残り、露光装置101へと搬送される可能性を否定できない。そこで、図1の版材供給装置102では、合紙だけでなく、梱包箱の断片についても、露光装置101へと誤って供給されることを防ぐようにしている(詳細は後述する)。
【0045】
図4は、図1に示す版材供給装置102に設けられたピックアップ部106の構成を示す模式図(側面図)である。図4において、ピックアップ部106は、版材/合紙把持部401と、合紙剥離部402と、分離・再付着防止用エアノズル403と、駆動ローラ404と、ニップローラ405と、版材搬送ローラ406と、合紙屈曲用エアノズル407と、合紙銜え金具408と、2つの版材・合紙判別センサ409および410と、アルミセンサ411と、合紙検出センサ412とを備えている。
なお、図4には、カセット103およびトレイ104も表示している。また、版材/合紙把持部401および合紙剥離部402の位置を示すための座標系が表示されている。図中矢印Yで示される方向(鉛直方向)の位置は、V1,V2,V3,V4で表し、矢印Xで示される方向(Yと直角な方向)の位置は、H1,H2,H3で表す。
【0046】
版材/合紙把持部401は、図示しない真空ポンプによって吸引作動する吸盤413を含む。供給動作開始時、(H1,V1)で示される位置にある版材/合紙把持部401は、位置(H1,V4)まで降下して、版材または合紙を吸引把持する。そして、版材または合紙を把持した状態で、いったん位置(H1,V1)まで上昇する。そして、その位置で、最初、鉛直下方を向いた吸盤413は、その吸着面がほぼ垂直となるように90度程度回転し(以下、この回転動作をひねり動作とよぶ)、次に、再び吸盤413が鉛直下方を向くように反転する。このひねり動作によって、把持された版材または合紙は、一端が持ち上げられて湾曲する。その結果、仮に把持された合紙の裏面に版材が付着していたり、把持された版材の裏面に次の版材が付着(いわゆる版材の2枚取り)していても、付着している版材が、自らの復元力によって剥離される。その後、版材/合紙把持部401は、位置(H1,V2)まで下降し(ここで合紙を剥離させる処理が行われる)、さらに、位置(H3,V2)へと水平移動して、そこで吸引を解除する。
【0047】
合紙剥離部402は、櫛形状に形成された剥離用板バネ414と、図示しない真空ポンプによって駆動される剥離用吸盤415を含む。供給動作開始時、(H2,V3)で示される位置にある合紙剥離部402は、位置(H1,V3)まで前進して、位置(H1,V2)にある版材/合紙把持部401によって把持された版材に付着している合紙を版材から剥離させる。この合紙剥離部402の剥離動作については、後述する。
【0048】
分離・再付着防止用エアノズル403は、図示しないブロアポンプによって駆動され、合紙剥離部402が剥離させてできた版材と合紙との間隙に向けてエアを噴射することによって、剥離を助長すると共に、いったん剥離された合紙が再び版材に付着するのを防ぐ。供給動作開始時、図中実線で示される位置にあるニップローラ405は、版材/合紙把持部401が位置(H3,V2)へと移動してきた直後、図中点線で示される位置まで移動する。そして、図中矢印で示される向きに回転する駆動ローラ404と共働して、版材/合紙把持部401によって把持された版材または合紙をニップして、X方向に送出する。
【0049】
合紙屈曲用エアノズル407は、図示しないブロアポンプによって駆動され、ニップローラ405および駆動ローラ404から送出されてくる合紙の先端に向けてエアを噴射する。それによって、合紙の先端部分を合紙銜え金具408側に折り曲げる。搬送動作開始時、図中実線で示す位置にある合紙銜え金具408は、折り曲げられた合紙の先端部分を銜えると、図示しないモータで駆動されて図中点線で示す位置まで移動する。そして、その位置で、銜えている合紙を解放する。その結果、合紙は、トレイ104内に正しく収納される。
版材搬送ローラ406は、ニップローラ405および駆動ローラ404から送出されてくる版材をニップして、その前方にある露光装置101側へと送出する。
【0050】
版材・合紙判別センサ409は、カセット103の上方に設けられ、対象物からの反射光の強度の違いまたは波長の差異に基づいて、版材と合紙とを判別する機能を有する光センサである。アルミセンサ411は、版材/合紙把持部401に付随して設けられ、版材/合紙把持部401の把持対象が金属を含むことを検知するための金属センサである。版材・合紙判別センサ410は、カセット103から駆動ローラ404までの搬送経路の下方に設けられ、対象物からの反射光の強度の違いまたは波長の差異に基づいて、版材と合紙とを判別する機能を有する光センサである。合紙検出センサ412は、合紙銜え金具408に付随して設けられ、合紙の端部が(合紙屈曲用エアノズル407からのエアによって折り曲げられて)銜え位置に達したことを検出するための光センサである。
【0051】
ここで、上記各センサに関連して補足すれば、従来の版材供給装置(例えば、前述の特公昭61−41810号公報のもの)では、版材をカセットから取り出す際に、把持された版材に付着した合紙をあまりよく剥離させることができないにもかかわらず、合紙がうまく剥離されなかった場合の対策が講じられておらず、合紙が付着したまま版材が露光装置へと供給されることがしばしばあった。
【0052】
一方、図1に示す版材供給装置102では、版材をカセット103から取り出す際に、把持された版材に付着した合紙をよく剥離させることができるのに加え、万一、合紙がうまく剥離されなかった場合には、上記各センサの働きによって、剥離の失敗を検知することができる(後述)ので、合紙が付着したまま版材が露光装置101へと供給されることはほとんどない。
【0053】
なお、図1に示す版材供給装置102では、カセット103に、版材および合紙に加えて、梱包箱の断片等(以下、これらを厚紙と称する)が収納されている可能性があることは先に述べた。上記各センサは、厚紙が版材と誤認されて露光装置101へと供給されるのを防ぐ役割も果たしている(詳細は後述する)。
【0054】
上記のように構成された版材供給装置102について、以下、その動作を説明する。
最初、カセット103から版材を取り出して露光装置101へと供給する基本的な動作を説明する。
図1〜図3において、作業者は、予め、台車105のアジャストボルト203およびキャスタ202を用いて、版材供給装置102を、露光装置101に対して正しい位置および高さに調節する作業を行う。次に、作業者は、版材を版材供給装置102に収納するために、カセット103を70度に傾斜させる。そして、版材の束を梱包箱に包まれたまま、その一端を掴んで吊すようにして持ち上げてカセット103内に収納し、その後、カセット103を水平にして固定する。さらに、作業者は、カセット103の内底面に設けられた保護用シート301上で、梱包箱を刃物を用いて切断、解体し、版材を露出させる。そして、梱包箱の断片(厚紙)を取り除き、図示しないシャッタを閉じる。以上で、版材供給装置102を動作させる前の準備作業が完了する。
【0055】
図5は、図1の版材供給装置102が露光装置101へと版材を供給する動作を説明するための模式図(側面図)である。なお、図5には、ピックアップ部106の各構成要素、水平に固定されたカセット103、およびトレイ104が表示されている。
図5において(なお、版材/合紙把持部401および合紙剥離部402の位置については、図4の座標系を援用する)、カセット103には、その開放された上面に開閉可能なシャッタ501が設けられ、カセット103の一方の端部に板バネ502が設けられている。そして、その内部に、複数の版材および複数の合紙が交互に重ねて収納されている。
【0056】
なお、作業者が版材を収納する際、厚紙を除去し忘れることも考えられるので、ここでは、カセット103に、さらに厚紙をも収納されているとする。また、合紙が欠落して、版材と版材とが連続している場合もある。この場合、版材の2枚取りが発生しやすい。
【0057】
トレイ104は、カセット103の下方に設置され、より好ましくは、カセット103の直下に設置される。それによって、図1の版材供給装置102の容積を小さくできるからである。
【0058】
作業者によって版材供給装置102が起動されると、最初、カセット103のシャッタ501が開かれ、同時に、(H1,V1)で示される位置にある版材/合紙把持部401が、降下動作を開始する。そして、位置(H1,V4)まで降下して、最上位にある版材または合紙を吸引把持する。その後、版材/合紙把持部401は、版材または合紙を把持した状態で、いったん位置(H1,V1)まで上昇する。
【0059】
このとき、上昇される版材の端部が板バネ502によって擦られるので、把持された合紙の裏面に版材が付着(これは、静電気の作用だけでなく、吸盤413の吸引作用が合紙を透過して版材にまで及ぶことによって起こる)していたり、把持された版材の裏面に次の版材が付着していた場合、付着している版材は、板バネ502との摩擦力によって剥離される(ただし、静電気による吸着力が強い場合には、剥離されないこともある)。
【0060】
位置(H1,V1)まで上昇した版材/合紙把持部401は、その位置で、ひねり動作を行う。
図6は、図4の版材/合紙把持部401が行うひねり動作を視覚的に示す図である。図6において、版材/合紙把持部401は、最初、鉛直下方(Y方向)を向いた吸盤413がほぼ水平方向(X方向)を向くように回転する。このひねり動作によって、把持された版材または合紙は、その一端が持ち上げられて湾曲する。結果、板バネ502との摩擦では剥離されなかったような、把持された合紙の裏面に強固に付着していた版材、または把持された版材の裏面に強固に付着していた次の版材も、自らの復元力によって、ほぼ確実に剥離される。その後、吸盤413は、鉛直下方を向くように反転する。
【0061】
このように、図1の版材供給装置102では、カセット103の端部に設けられた板バネ502による剥離効果、および版材/合紙把持部401が行うひねり動作による剥離効果によって、版材の2枚取りと、その裏面に版材が付着したまま合紙を搬送することとを効果的に防ぐことができる。なお、合紙は、柔らかく、かつ復元力も小さいので、カセット103の端部に設けられた板バネ502、および版材/合紙把持部401が行うひねり動作は、いずれも、版材に付着した合紙に対しては、あまり剥離効果を発揮しない。
【0062】
再び図5において、位置(H1,V1)にある版材/合紙把持部401は、次に、位置(H1,V2)まで降下する。この直後、位置(H2,V3)で待機していた合紙剥離部402が、位置(H1,V3)まで前進する。そして、分離・再付着防止用エアノズル403およびカセット103のシャッタ501と共働して、合紙を剥離させる処理を行う。この合紙剥離処理は、2つの工程を含む。
【0063】
その第1は、版材にその一部が付着した合紙を、剥離用板バネ414を用いて挟持した後、版材と合紙との間隙にエアを噴射して、合紙を完全に剥離させ、さらにシャッタ501を閉じて再付着を防止する工程である。その第2は、版材にその全面が密着した合紙を、剥離用吸盤415を用いて吸引把持してその一部を剥離させた後、版材と合紙との間隙にエアを噴射して、合紙を完全に剥離させ、さらにシャッタ501を閉じて再付着を防止する工程である。図1の版材供給装置102では、これら第1の剥離工程および第2の剥離工程が、この順序で実行される。
【0064】
図7は、図4の合紙剥離部402に設けられた剥離用板バネ414の形状、および剥離用吸盤415の配置を示す図である。図7に示すように、剥離用板バネ414は、櫛形状に形成されている。また、剥離用吸盤415は、剥離用板バネ414の付け根側に、等間隔に配置されている。
【0065】
図8は、図4の合紙剥離部402が剥離用板バネ414を用いて、分離・再付着防止用エアノズル403およびカセット103のシャッタ501と共働しつつ、版材の裏面に一部付着した合紙を剥離させる工程を説明するための図である。図8において、合紙801は、版材/合紙把持部401によって吸引把持される端部側が版材802から剥離しており、それとは反対の端部側が版材802に付着している(図8(a))。合紙剥離部402は、この合紙801に向かって前進し、その結果、合紙剥離部402の先端に設けられた剥離用板バネ414の各突起の隙間に、合紙801の剥離している方の端部が挟まれる(図7参照)。こうして合紙剥離部402が剥離用板バネ414で合紙801を挟持した状態において、分離・再付着防止用エアノズル403が版材802と合紙801との間隙に向けてエアを噴射する(図8(b))。これにより、版材802に一部付着していた合紙801は、版材802から完全に剥離される。
【0066】
次に、合紙剥離部402が、元の位置まで後退する。その直後、カセット103のシャッタ501が閉じられ、同時に、分離・再付着防止用エアノズル403が噴射動作を停止する。これにより、いったん剥離された合紙801が版材802に再付着することがなくなり、版材802と合紙801とが完全に分離される。
【0067】
図9は、図4の合紙剥離部402が剥離用吸盤415を用いて、分離・再付着防止用エアノズル403およびカセット103のシャッタ501と共働しつつ、版材の裏面に全部付着した合紙901を剥離させる工程を説明するための図である。図9(a)において、合紙901は、その全部が版材902に付着している。合紙剥離部402は、この合紙901に向かって前進する。なお、この場合、合紙剥離部402の先端に設けられた剥離用板バネ414の各突起の隙間には、合紙901の端部は挟まれない。そして、合紙剥離部402の後端付近に設けられた剥離用吸盤415が吸引動作を開始する(図9(b))。こうして合紙剥離部402が剥離用吸盤415で合紙901を吸引保持した直後、版材/合紙把持部401が、版材902を把持した状態で、上昇動作を開始する。これにより、合紙901は、その一部が剥離される。
【0068】
そして、版材/合紙把持部401が、位置(H1,V1)まで上昇したとき(図5参照)、分離・再付着防止用エアノズル403は、版材902と合紙901との間隙に向けて、エアを噴射する。これにより、合紙901は、版材902から完全に剥離される(図9(c))。
次に、合紙剥離部402が、元の位置まで後退し、版材/合紙把持部401は、位置(H1,V2)まで降下する(図5参照)。その直後、カセット103のシャッタ501が閉じられ、同時に、分離・再付着防止用エアノズル403が噴射動作を停止する。これにより、いったん剥離された合紙901が版材902に再付着することがなくなり、版材902と合紙901とが完全に分離される(図9(d))。
【0069】
このように、図1の版材供給装置102では、版材にその一部が付着した合紙については、剥離用板バネ414でその端部を挟んで把持しつつ、版材と合紙との間隙にエアーを噴射してそれらを完全に剥離させる。一方、版材にその全面が密着した合紙については、剥離用吸盤415で合紙を吸引把持してその一部を剥離させた後、版材と合紙との間隙にエアーを噴射してそれらを完全に剥離させる。これにより、版材に付着した合紙は、その付着の仕方に関わらず(全部付着、一部付着に拘りなく)、ほぼ確実に版材から剥離される。
【0070】
そして、剥離された合紙に向けてエアを噴射し続けて(再付着を防ぎつつ)、合紙をカセット103内に落下させ、その後、カセット103のシャッタ501を閉じるので、版材と合紙とがシャッタ501で隔離され、その結果、剥離された合紙が静電気の作用で再び版材に付着するのを完全に防ぐことができる。
【0071】
なお、シャッタ501を閉じる理由は、単に版材と合紙との分離を助長するためだけでなく、例えば、版材/合紙把持部401によって把持されて持ち上げられつつある版材の後端が、次の版材の感光面上で引きずられ、感光面に傷が付く(これは、版材と次の版材との間に合紙が挿入されていなかったり、版材から剥離された合紙が次の版材の上に正しく落下しなかった場合に起こり得る)ことを防ぐためでもある。
【0072】
再び図5において、合紙剥離部402の剥離処理を援助するために上記のようにして位置(H1,V2)から位置(H1,V1)へと上昇し、再び位置(H1,V2)へと下降した版材/合紙把持部401は、次いで、位置(H3,V2)へと移動する。その後、ニップローラ405が、図中点線で示される位置まで移動する。そして、図中矢印で示される向きに回転する駆動ローラ404と共働して、版材/合紙把持部401によって把持された版材または合紙をニップし、X方向に送出する。
【0073】
送出された版材または合紙の進む先には、版材搬送ローラ406が待ち受けている。送出された版材または合紙の進路の上方には、合紙屈曲用エアノズル407が設けられ、そこからは、概ね鉛直下方に向けて、エアが噴射されている。噴射されたエアが進む先には、合紙銜え金具408が、開口状態で待機している。
【0074】
ニップローラ405および駆動ローラ404から送出されたものが合紙である場合、合紙屈曲用エアノズル407からのエアによって、その先端部分が下方に折れ曲がる。合紙検出センサ412は、合紙銜え金具408の開口付近を監視しており、そこに合紙の先端が到達したことを検出する。応じて、合紙銜え金具408は、合紙の先端を銜え、その状態で図中点線で示される位置まで移動して、そこで合紙を解放する。これにより、合紙は、トレイ104内の所定の位置に正しく納まる。
【0075】
一方、ニップローラ405および駆動ローラ404から送出されたものが版材である場合、合紙屈曲用エアノズル407からのエアを受けても、版材は堅いので、その先端部分が下方に折れ曲がることはない。従って、送出された版材は、版材搬送ローラ406に噛み込まれる。そして、そこから露光装置101側へと送出される。
【0076】
このように、図1の版材供給装置102では、合紙を合紙銜え金具408で銜えて予め決められた位置まで搬送するようにしているので、合紙は、皺や弛みが生じることなく、トレイ104内に正しく収納される。従って、限られた大きさのトレイ104に多数の合紙を収納でき、加えて、それらの合紙の再利用も容易となる。
【0077】
また、図1の版材供給装置102では、版材と合紙の堅さの相違を利用して、版材と合紙とで搬送経路が自ずから切り換わるようにしているので、装置の構成が単純で故障も少ない。
【0078】
ところで、上記のように、図1の版材供給装置102では、版材または合紙をカセット103から取り出す際に、把持された版材に付着した合紙または版材、あるいは把持された合紙に付着した版材をよく剥離させることができる。しかし、必ず剥離させることができるとまではいえない。また、カセット103には、版材および合紙に加えて、厚紙が収納されている可能性もある。
そこで、次に、被搬送物の付着物や厚紙を検出して、版材以外のものが露光装置101へと供給されることを防ぐための処理を説明する。
【0079】
図1の版材供給装置102では、カセット103の上方に設けられ、検知対象からの反射光の強度ないしは波長に基づいて検知対象が版材か合紙かを判別する版材・合紙判別センサ409によって、版材/合紙把持部401によって吸引把持されたものが版材か合紙かがわかる。しかし、版材・合紙判別センサ409だけでは、把持された版材または合紙の裏面に付着物があるか否かがわからない。
【0080】
そこで、カセット103から駆動ローラ404までの搬送経路の下方にも、版材・合紙判別センサ410が設けられている。版材・合紙判別センサ409および版材・合紙判別センサ410の判定結果が互いに相違する場合、把持された版材または合紙の裏面に付着物があることがわかる。しかし、版材・合紙判別センサ409および版材・合紙判別センサ410だけでは、把持された合紙の裏面に版材が付着し、さらにその版材の裏面に次の合紙が付着しているような場合、付着物なしと結論される。
【0081】
そこで、さらに、版材/合紙把持部401に付随して、アルミセンサ411が設けられる。アルミセンサ411は、検知対象に金属が含まれていることを検出するための金属センサであって、版材/合紙把持部401によって把持された合紙と次の合紙との間に挟まれていて見えない(つまり、光センサでは検知できない)版材を検出することができる。従って、版材・合紙判別センサ409および版材・合紙判別センサ410の検知結果が共に合紙であって、かつアルミセンサ411が版材を検知した場合、把持された合紙の裏面に版材が付着しており、さらにその版材の裏面に次の合紙が付着していることがわかる。
【0082】
一方、版材/合紙把持部401によって吸引把持されたものが厚紙である場合、版材・合紙判別センサ409および版材・合紙判別センサ410の検知結果は、合紙を示す。なぜなら、合紙と厚紙とは表面の色や反射率が互いに近接しているからである。しかし、それが厚紙であることは、次のようにしてわかる。すなわち、合紙の場合、版材・合紙判別センサ409(および版材・合紙判別センサ410)が合紙と判定してから所定時間の後、合紙検出センサ412によって、合紙が検出される。しかし、厚紙の場合、合紙よりも堅いので、合紙屈曲用エアノズル407からのエアを受けても、その先端部分が下方に折れ曲がることはない。従って、所定時間経過しても、合紙検出センサ412は、合紙を検出しない。
なお、版材・合紙判別センサ409、版材・合紙判別センサ410およびアルミセンサ411のいずれか1つと、合紙検出センサ412とがあれば、上記のような厚紙の検出処理を行えるのはいうまでもない。
【0083】
上記のようにして、把持された版材または合紙の裏面に付着物があることを検知したり、厚紙が露光装置101へと供給されようとしていることを検知した場合、図1の版材供給装置102は、供給動作を速やかに停止する。そして、例えば図示しないブザーを鳴らして、そのことを作業者に知らせる。応じて、作業者は、図1の版材供給装置102から、付着物や厚紙を取り除く。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る版材供給装置が設けられる製版システムの構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す版材供給装置102の、台車105の構成を示す模式図である。
【図3】図1に示す版材供給装置102に設けられたカセット103の上面図(すなわち内底面)である。
【図4】図1に示す版材供給装置102に設けられたピックアップ部106の構成を示す模式図(側面図)である。
【図5】図1の版材供給装置102が露光装置101へと版材を供給する動作を説明するための模式図(側面図)である。
【図6】図4の版材/合紙把持部401が行うひねり動作を視覚的に示す図である。
【図7】図4の合紙剥離部402に設けられた剥離用板バネ414の形状、および剥離用吸盤415の配置を示す図である。
【図8】図8は、図4の合紙剥離部402が剥離用板バネ414を用いて、分離・再付着防止用エアノズル403およびカセット103のシャッタ501と共働しつつ、版材の裏面にその一部が付着した合紙を剥離させる工程を説明するための図である。
【図9】図4の合紙剥離部402が剥離用吸盤415を用いて、分離・再付着防止用エアノズル403およびカセット103のシャッタ501と共働しつつ、版材の裏面にその全部が付着した合紙を剥離させる工程を説明するための図である。
【図10】版材に付着した合紙をエアで吹き飛ばす機能を有する従来の版材供給装置の要部を示す図(側面図)である。
【図11】版材に付着した合紙をローラで掻き落とす機能を有する別の従来の版材供給装置の要部を示す図(側面図)である。
【図12】カセットが水平に設けられたような、さらに別の従来の版材供給装置の要部を示す図(側面図)である。
【符号の説明】
101 露光装置
102 版材供給装置
103 カセット
104 トレイ
105 台車
106 ピックアップ部
201 (カセットの)重心
202 キャスタ
203 アジャストボルト
301 保護用シート
401 版材/合紙把持部
402 合紙剥離部
403 分離・再付着防止用エアノズル
404 駆動ローラ
405 ニップローラ
406 版材搬送ローラ
407 合紙屈曲用エアノズル
408 合紙銜え金具
409,410 版材・合紙判別センサ
411 アルミセンサ
412 合紙検出センサ
413 吸盤
414 剥離用板バネ
415 剥離用吸盤
501 シャッタ
502 板バネ

Claims (12)

  1. 版材を1枚づつ露光装置へと供給するための版材供給装置であって、
    その上面が開放され、その内部には、版材と合紙とが、交互にまたは混在して、かつ積み重ねられた状態で収納されるカセット、
    吸盤を含み、前記カセットに収納された版材または合紙を、開放されたその上面を通じて当該吸盤で吸引把持して、当該カセットの外部へと搬出する搬出手段、
    前記カセットから搬出された版材を前記露光装置側へと搬送する版材搬送手段、および
    一列に配置された複数の突起を持つ櫛状板部材を含み、前記搬出手段が吸引把持している版材にその一部が付着した合紙を、当該櫛状板部材の各突起で挟持して剥離させる合紙剥離手段を備える、版材供給装置。
  2. 前記合紙剥離手段は、別の吸盤をさらに含み、前記搬出手段が吸引把持している版材にその全部が付着した合紙を、当該別の吸盤で吸引把持して剥離させることを特徴とする、請求項1に記載の版材供給装置。
  3. 前記合紙剥離手段は、エアを噴出するエアノズルをさらに含み、剥離させてできた版材と合紙との間隙に向けて、前記エアノズルからのエアを噴射し、それによって、いったん剥離させた版材と合紙との再付着を防止することを特徴とする、請求項2に記載の版材供給装置。
  4. 前記カセットは、開放されたその上面を覆うための開閉可能なシャッタを含み、当該シャッタを、前記合紙剥離手段がエアを噴射するタイミングに関連して開閉させることを特徴とする、請求項3に記載の版材供給装置。
  5. 前記搬出手段は、
    前記吸盤が前記カセットに収納された版材または合紙を吸引把持した後、当該吸盤を、当該カセットの法線方向に沿って、開放されたその上面の上方の所定の位置まで移動させ、
    当該所定の位置で当該吸盤の向きを変化させ、それによって、当該版材または当該合紙を湾曲変形させることを特徴とする、請求項1に記載の版材供給装置。
  6. 前記カセットから搬出された被搬出物が版材か合紙かを、当該被搬出物の上面からの反射光に基づいて判別するための第1の光センサ、
    前記被搬出物が版材か合紙かを、当該被搬出物の下面からの反射光に基づいて判別するための第2の光センサ、および
    前記被搬出物が版材か合紙かを、当該被搬出物から金属素材を検出することによって判別するための金属センサをさらに備える、請求項1に記載の版材供給装置。
  7. 合紙を回収するためのトレイ、および
    前記カセットから搬出された合紙を前記トレイ側へと搬送する合紙搬送手段をさらに備える、請求項1に記載に版材供給装置。
  8. 前記カセットから搬出された被搬出物の端部に向けて所定のパワーでエアを噴射することによって、合紙だけを選択的に屈曲させるエア噴射手段をさらに備え、
    前記合紙搬送手段は、屈曲された合紙の端部を把持するための把持部材を含む、請求項7に記載の版材供給装置。
  9. 前記カセットは、水平に置かれており、
    前記トレイは、前記カセットの鉛直下方に設置されたことを特徴とする、請求項7に記載の版材供給装置。
  10. 前記カセットを、その重心を通り、かつ開放されたその上面の一辺に平行な直線を軸として回転可能に支持する架台をさらに備える、請求項1に記載の版材供給装置。
  11. 前記カセットの内底面には、当該内定面を保護する保護部材が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の版材供給装置。
  12. 前記カセットから搬出された合紙を前記露光装置側とは別の側へと搬送する合紙搬送手段、
    前記カセットから搬出された被搬出物が版材か合紙かを判別するための判別センサ、および
    前記被搬出物の端部に向けて所定のパワーでエアを噴射することによって、合紙だけを選択的に屈曲させるエア噴射手段をさらに備え、
    前記合紙搬送手段は、
    屈曲された合紙の端部を把持するための把持部材、および
    当該把持部材に付随して設けられ、前記屈曲された合紙の端部を検出するための検出センサを含む、請求項11に記載の版材供給装置。
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