JP3806669B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、紙おむつ等の吸収性物品に係り、特に吸収体として吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなるシート状体を備えた吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生理用ナプキン等の吸収性物品においては吸収体として吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなるシート状体が用いられている。
【0003】
高吸水性樹脂は、水と接触すると吸水・膨潤してゲル状となり、一旦吸水したならば多少の圧力を加えても離水しないなどの特性をもっている。しかも、高吸水性樹脂は自己体積の数倍にも及ぶ驚異的な吸水力を有している。高吸水性樹脂はある程度膨潤した状態でないと吸水力を発揮できず、しかも吸水速度が遅い。このため、生理用ナプキン等に使用する場合は、高吸水性樹脂を粒粉状、破砕紛状等の形態で粉砕パルプ、レーヨン等の吸水性繊維中に分散混入する形態をとっている。
【0004】
ところで、吸収性物品は取扱いの便宜や装着感等を考慮して薄型化が求められており、構成体の1つである吸収体も当然のことながら薄型化が求められている。しかしながら、この種の吸収体では、吸収性を考慮すると、高吸水性樹脂を一定量以上は混入しなければならない。従って、吸収体を所望の程度まで、例えば厚さ寸法を2.0mm程度まで薄型化すると、高吸水性樹脂の含有比率が相対的にかなり多くなり、高吸水性樹脂が吸水して膨潤したときに隣り合う高吸水性樹脂同士が結合して、所謂「ゲルブロッキング」を生じ、結局のところ所望の吸水力を発現できなくなってしまう。また、高吸水性樹脂の含有比率を高くすることにより相対的に繊維の含有比率を低めると、吸収体がよれ易くなったり、割れ易くなったりする問題も発生する。
【0005】
従って、高吸水樹脂の含有比率を極端に上げずに薄型化を図るべく、現在は、吸収体をプレーンな圧縮(プレス)加工により所望の程度まで機械的に薄型化することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プレーンなプレス加工により所望の程度まで機械的に薄型化すると、今度は、加工度をかなり上げなければならず、吸収体が硬くごわごわとしたものとなり、ショーツの動きに追従できなくなり、結果として、吸収性物品の装着感が悪くなる。また、吸収体に大きなシワができ易くなる。シワができると漏れの原因になる。
【0007】
そこで、特願2001−227007号において、吸収体の全体に波状加工を施すことで柔らかさを付与することが提案されたが、吸収体の全体に波状加工を施すと排出口対応領域で柔らかくなり過ぎてヨレが生じ易くなる。ヨレができると排出口対応領域に空間ができてしまい漏れの原因になる。
【0008】
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたものであり、吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなるシート状体の吸収体を十分な厚み寸法まで薄型化しつつ、柔らかさ、クッション性があり、良好な装着感を確保でき且つシワができにくく、更に排出口対応領域は比較的高い剛性を有してヨレができにくい吸収性物品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1の発明は、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記透液性トップシートと前記不透液性バックシートとの間に介在する吸収体とを有する吸収性物品において、
前記吸収体が吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなるシート状体であって、経血や尿等の排出口に対応する排出口対応領域を除いた領域に、頂部が吸収性物品の長手方向に沿ってほぼ平行に形成された波状加工部分を有するとともに、前記排出口対応領域を挟む前後領域において、前記波状加工部分は間欠波とされ、途切れ部分が隣接する頂部間で交互になるように配置され、前記排出口対応領域を挟む前後領域を除いた領域において、前記波状加工部分は連続波とされることを特徴とする吸収性物品である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載された吸収性物品において、KES大型ねじれ試験機によるねじれ抵抗エネルギー値が6.5〜20gf・cm/cmであることを特徴とする吸収性物品である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載された吸収性物品において、KES圧縮試験機による圧縮エネルギー値が0.5〜2.0gf・cm/cm2であることを特徴とする吸収性物品である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載された吸収性物品において、吸収体の排出口対応領域の大きさは、吸収体の長手方向の寸法が50〜90mm、幅方向の寸法が20〜40mmであることを特徴とする吸収性物品である。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載した吸収性物品において、吸収体の排出口対応領域の厚さ寸法は0.7〜2.0mmであり、波状加工部分の厚さ寸法が前記排出口対応領域の厚さ寸法の1.1〜2.0倍であることを特徴とする吸収性物品である。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載した吸収性物品において、更に、吸収体が疎水性合成繊維を含むことを特徴とする吸収性物品である。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載した吸収性物品において、吸収体の表面側と裏面側の少なくとも一方側に波状加工部分を保護する保護シートを備えたことを特徴とする吸収性物品である。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7に記載した吸収性物品において、保護シートは吸収体と共に波状加工が施されていることを特徴とする吸収性物品である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る生理用ナプキン1の実施の形態を説明する。
【0018】
〔第1の参考形態例〕
図1に示すように、生理用ナプキン1は、不透液性のバックシート3と、このバックシート3の一方の面に保持された吸収体5と、この吸収体5の上に重ねられた保護シート7と、吸収体5と保護シート7を挟んでバックシート3に重ねられた透液性のトップシート9とから成る多層構造になっており、ホットメルト、ヒートシール等で接着されている。
【0019】
バックシート3はシート状体であり、装着したときに股間部に対応する中央両側部にはクビレ部を有する。バックシート3の裏面にショーツに生理用ナプキン1を固定するための図示しない粘着剤が付与されている。このバックシート3の材料としては、吸収性物品用として公知のもの、例えば、ポリエチレン、ポリプロピン等の遮水材、遮水材に不織布とを積層してなるラミネート不織布、遮水材と不織布との間に防水プラスチックフィルムを介装して積層してなるラミネート不織布等が挙げられる。好ましくは、不透液性を有し且つ通気性が良いもの、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂に無機充填剤を溶融混練したものを延伸処理した微多孔性シートである。
【0020】
表面シート9もシート状体である。この表面シートの材料としては、吸収性物品用として公知のもの、例えば無孔または有孔の不織布や多孔性プラスチックシート等が挙げられる。不織布を構成する繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨン、キュポラ等の再生繊維、綿等の天然繊維がある。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維、サイド−バイ−サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を用いることも考えられる。
【0021】
バックシート3でも表面シート9でも、不織布は、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等適宜な方法で形成されたものを用いることができるが、スパンレース法によるものは柔軟性及びドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法によるものは嵩高で柔軟性に富む点で優れている。
【0022】
吸収体5は、表面シート9の主部よりほぼ一回り小さいシート状体である。この吸収体5は、吸水性繊維に高吸水性樹脂を分散混入してなるものである。
【0023】
吸水性繊維としては、パルプ、即ちセルロース繊維の他、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが好適材として挙げられる。なお、木材パルプを使用する場合には、広葉樹パルプよりは繊維長が長い針葉樹パルプの方が機能及び価格面で好適である。
【0024】
更に、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の疎水性合成繊維を併用してもよい。疎水性合成繊維(化学繊維)が吸水性繊維間に介在すると、剛性が上がり、腰が出る。従って、疎水性合成繊維を含む吸収体を使用すると、波状加工部分の弾性度が上がり、装着中に波の形態が壊れ難くなるという利点がある。
【0025】
なお、疎水性合成繊維を併用する場合には、吸収体に対して5〜30重量%の範囲で含有するのが好ましい。5重量%未満では期待された効果が発現されず、一方、30重量%を超えると吸水性繊維及び高吸水性樹脂の含有比率が相対的に下がり、吸収性が低下してしまうからである。
【0026】
高吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したものなどが挙げられる。これらのうち、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。高吸水性樹脂自体は公知のものであり、周知の方法により製造され、市販されている。製造段階において、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度を調整することが可能である。
【0027】
高吸水性樹脂は、吸収体に対して10〜60重量%で含有するのが好ましい。10重量%未満では期待された効果が発現されず、一方、60重量%を超えると、吸水性繊維同士の絡み合いが少なくなり、吸収体の強度が低下し、破れや割れが発生し易くなるからである。
【0028】
吸収体5は所謂不織布シートであり、不織布の公知な製造方法により製造できるが、好ましくは乾式法、より好ましくは公知のエアレイド法により成形する。エアレイド法による場合には、例えば、吸水性繊維と、更に併用する場合には疎水性合成繊維とを空気中に分散させて薄いウエブを形成し、この上に高吸水性樹脂を分散配置させる。この2工程を繰り返すことにより、高吸水性樹脂が分散混入したマットが形成される。そして、マットの上下面を、公知のバインダー、例えば天然ラテックス等で接着・シート化する。その後、プレーンな圧縮加工をした後、波状加工を行う。波状加工は、例えば、表面に周方向に連続した多数の凸条を有するロールと、前記凸条対応位置に凹条を有するロールとを対向配置し、その間に吸収体を通過させることによってもできる。好ましくは、波状加工エンボスの圧力を1000kgfにして、波状加工エンボスの凹凸が1mmかみ合っている状態にして吸収体を通過させる。
【0029】
図2は吸収体5の上面図であり、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図である。
【0030】
吸収体5は波状加工されており、波状加工部分11を有する。波状加工を施すことで吸収体5の肌当接面が密から疎になり、柔らかさ、クッション効果が得られる。また、波状加工部分11の波の頂部13間は凹みとなるので堰き止め溝となって、経血等の拡散を防止すると共に、吸収体5の表面積が大きくなるので経血等と吸収体5との接触面積が増大し、その結果として経血等が吸収体5に速やかに吸収されるようになる。更には、波状加工部分11はドライ感が向上している。
【0031】
また、波の頂部13は吸収体5の長手方向に沿ってほぼ平行に形成している。このように構成することで、装着時に最も違和感を持ちやすい足回り部分を最も柔らかく仕上げることができる。
【0032】
波の頂部13の間隔Wは1.0〜10mmが好ましい。1mm未満では波状加工が困難になるとともに、完成品の状態で波状形態を保持難くなり、一方、10mm超では吸収体上に波が十分な密度で形成されず、発現する、軟らかさ、クッション効果が期待したほどではなくなるからである。
【0033】
経血や尿等の排出口に対応する排出口対応領域15には波状加工されていない。排出口対応領域15とは、生理用ナプキン1の長手方向両側部にウイングを設けた場合にはウイングに対応する位置に対応し、生理用ナプキン1の長手方向両側部にクビレ部を設けた場合にはクビレ部に対応する位置に対応し、また、表面シート9にフィットエンボスを設けた場合にはその最狭部に対応する位置に対応する。このように構成することにより、装着時に、吸収体5の排出口対応領域15にヨレをできにくくする。
【0034】
吸収体5の排出口対応領域15の大きさは、排出口に対応させて、通常の生理用ナプキン1を含む吸収性物品では、吸収体5の長手方向の寸法が50〜90mm、幅方向の寸法が20〜40mmと設定するのが好ましい。排出口に対応させることによって吸収体全体では軟らかさ、クッション効果を向上させ、使用時の違和感を軽減し、装着感を向上させることができる。また、使用時のヨレに伴って発生する漏れを低減することができる。この生理用ナプキン1では、排出口対応領域15のパターンは、小判形(楕円形)である。
【0035】
吸収体5の厚さ寸法は、薄型化の観点から、最も厚みのある排出口対応領域15で0.7〜2mmが好ましい。
【0036】
一方、波状加工部分11の厚さ寸法は、排出口対応領域15の厚さ寸法の1.1〜2.0倍であることが好ましい。厚み倍率が1.1未満の場合には柔らかさ、クッション効果が期待した程発現されず、一方、2.0倍を超える場合には波状加工が困難になるとともに、完成品の状態で波状を保持しにくくなるからである。
【0037】
生理用ナプキン1の装着感と言った官能的特性を評価するため、KES大型ねじれ試験機によるねじれ抵抗エネルギー値Bを1つの指標とする。
【0038】
KES大型ねじれ試験機とは、カトーテック株式会社製の大型ねじれ試験機(KES−YN−1−B)を意味し、吸収性物品のサンプルの大きさを長さ150mm×幅55mmに設定し、試験条件を以下のものとする。
測定チャック部:上下チャックと下部チャックのエッジをサンプルのエッジに合わせてセットする。
【0039】
チャック間隔:115mm、SENS(記録感度):5、ねじれ角度:7、CONTROL:7、SPEED:12、サンプル幅:6cm
そして、0〜±70°のねじれ角度間で測定してグラフ(X軸:°(度)、Y軸:gf・cm/cm(応力))を作成し、グラフから、ねじれ角度10〜65°におけるグラフの傾き、即ちねじれ抵抗エネルギー値Bを読取る。図28(A)は固い場合のグラフであり、図28(B)は柔らかい場合のグラフである。
【0040】
本発明の生理用ナプキン1は、ねじれ抵抗エネルギー値Bは、6.5〜20gf・cm/cmの範囲内であることが好ましい。6.5gf・cm/cm未満では柔らかくなり過ぎてヨレが発生し易くなり、20gf・cm/cmを超えると硬くなり過ぎて装着時に違和感があり、また、ショーツの動きに追従することができず、ズレ易いからである。
【0041】
生理用ナプキン1の官能的特性を評価するため、KES圧縮試験機による圧縮エネルギー値WCを別の指標とする。
【0042】
KES圧縮試験機とは、カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機(KES−G5)を意味し、完成品である吸収性物品の波状加工部分に対して試験する。試験条件は以下のものとする。
【0043】
SENS(記録感度):2、力計の種類:1kg、SPEED RANGE:0.01(cm/sec)、DEF感度:5、加圧面積:2cm2、取込み間隔:0.1(標準)、STROKE SET:5.0、上限荷重:50gf/cm2
【0044】
そして、上記の試験条件下で圧縮し、圧力と変形量との相関図から圧縮エネルギー値WCを得る。図29は、圧力と変形量との相関図(X軸:mm(変形量)、Y軸:gf/cm2)であり、圧縮エネルギー値WCは、(a+b)の面積値である。圧縮エネルギー値WCが大きいほど、即ち面積値が大きいほど、圧縮され易い、即ち柔らかく、圧縮エネルギー値WCが小さいほど硬い。
【0045】
本発明の生理用ナプキン1は、圧縮エネルギー値WCが、0.5〜2.0gf・cm/cm2の範囲内であることが好ましい。圧縮エネルギー値WCは0.5gf・cm/cm2未満では硬くなり過ぎて装着時に違和感があり、また、ショーツの動きに追従することができず、ズレ易くなり、一方、2.0gf・cm/cm2を超えると、軟らかくなり過ぎてヨレが発生し易くなるからである。
【0046】
符号7は保護シートを示す。この保護シート7は吸収体5とほぼ同じ大きさである。保護シート7で吸収体5の表面を保護することで、波状加工部分11の波状形態を保持することができる。保護シート7の材料としては、吸収性物品用として表面シート等にも用いられている公知の不織布が挙げられる。
【0047】
生理用ナプキン1は、バックシートの3の上に下から順に吸収体5、保護シート7、表面シート9が積層され、ヒートシールによりバックシート3と表面シート9が接着されることにより一体化される。
【0048】
〔第2の参考形態例〕
本発明の第2の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体及び保護シートを一体化したもの17を、図5〜7に従って説明する。
【0049】
吸収体5及び保護シート19の材料は第1の実施の形態の吸収体及び保護シートの材料と同じである。また、また、吸収体5の波状加工部分11の波状パターンも第1の実施の形態の吸収体5と同じである。
【0050】
但し、この実施の形態では、吸収体5と共に保護シート19も波状加工されている。吸収体5の表面に保護シート19を配置した状態で一体的に波状加工をすることでこのような形態のものが形成される。保護シート19が吸収体5の波状加工部分11と一体的に配置されることで、波状パターンがより安定的に保持される。
【0051】
〔本発明に係る実施形態〕
本発明の実施の形態に係る生理用ナプキンの吸収体21を、図8〜10に従って説明する。
【0052】
吸収体21の材料は第1の実施の形態の吸収体5の材料と同じである。但し、この実施の形態では、吸収体21の波状加工部分23の波状パターンは、排出口対応領域27を挟む前後領域においては間欠波がその頂部26が長手方向にほぼ平行に延び、しかも途切れ部分は隣接する頂部26間で交互になるよう配置されている。一方、上記前後領域を除いた領域においては連続波がその頂部25が長手方向にほぼ平行に延びるように配置されている。間欠波の存在する部分の方が連続波の存在する部分より、波が疎に配列されているので柔らかい。
【0053】
このように構成することで、排出口対応領域27を挟む前後領域においては股部の前後部分の体形に合わせて適当な柔らかさを付与することができる。
【0054】
〔他の参考形態例〕
更に、図11以降に、吸収体29の波状加工部分31の波状パターンや、排出口対応領域33のパターンを種々示す。なお、符号35は波の頂部を示す。図示されたように、波状加工部分31の波状パターンとしては、幅方向に平行なもの、斜め状のもの、格子状のもの、斜め格子状のもの、螺旋状のもの等がある。
【0055】
また、図示されたように、排出口対応領域33のパターンは、角形、十字形、円形、楕円形等である。なお、排出口対応領域33のパターンは、ひし形のものが排出口の形状に最も良く対応しているため、排出口対応領域33の面積を小さくでき、装着感を確実に良好に保持できる点で有利である。
【0056】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成がこの実施の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、保護シートは吸収体の両面側に配置してもよい。また、保護シートは波状加工しなくてもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなるシート状体の吸収体を十分な厚み寸法まで薄型化しつつ、柔らかさ、クッション性があり、良好な装着感を確保でき且つシワができにくく、更に排出口対応領域は比較的高い剛性を有してヨレができにくい吸収性物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考形態例に係る生理用ナプキンの全体斜視図である。
【図2】 図1に示す生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図3】 図2に示す吸収体のA−A断面図である。
【図4】 図2に示す吸収体のB−B断面図である。
【図5】 本発明の第2の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体及び保護シートの斜視図である。
【図6】 図5に示す吸収体及び保護シートのA−A断面図である。
【図7】 図5に示す吸収体及び保護シートのB−B断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図9】 図8に示す吸収体のA−A断面図である。
【図10】 図8に示す吸収体のB−B断面図である。
【図11】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図12】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図13】 更に別の参考実施例の形態に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図14】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図15】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図16】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図17】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図18】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図19】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図20】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図21】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図22】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図23】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図24】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図25】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図26】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図27】 更に別の参考形態例に係る生理用ナプキンの吸収体の上面図である。
【図28】 ねじれ抵抗エネルギー値の算出方法を説明する図である。
【図29】 圧縮エネルギー値の算出方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…生理用ナプキン、3…バックシート、5…吸収体、7…保護シート、9…トップシート、11…波状加工部分、13…波の頂部、15…排出口対応領域、17…吸収体及び保護シート、19…波状加工された保護シート、21…吸収体、23…波状加工部分、25…連続波の頂部、26…間欠波の頂部、27…排出口対応領域、29…吸収体、31…波状加工部分、33…排出口対応領域、35…波の頂部
Claims (8)
- 透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記透液性トップシートと前記不透液性バックシートとの間に介在する吸収体とを有する吸収性物品において、
前記吸収体が吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなるシート状体であって、経血や尿等の排出口に対応する排出口対応領域を除いた領域に、頂部が吸収性物品の長手方向に沿ってほぼ平行に形成された波状加工部分を有するとともに、前記排出口対応領域を挟む前後領域において、前記波状加工部分は間欠波とされ、途切れ部分が隣接する頂部間で交互になるように配置され、前記排出口対応領域を挟む前後領域を除いた領域において、前記波状加工部分は連続波とされることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1に記載された吸収性物品において、KES大型ねじれ試験機によるねじれ抵抗エネルギー値が6.5〜20gf・cm/cmであることを特徴とする吸収性物品。
- 請求項1または2に記載された吸収性物品において、KES圧縮試験機による圧縮エネルギー値が0.5〜2.0gf・cm/cm2であることを特徴とする吸収性物品。
- 請求項1から3のいずれかに記載された吸収性物品において、吸収体の排出口対応領域の大きさは、吸収体の長手方向の寸法が50〜90mm、幅方向の寸法が20〜40mmであることを特徴とする吸収性物品。
- 請求項1から4のいずれかに記載した吸収性物品において、吸収体の排出口対応領域の厚さ寸法は0.7〜2.0mmであり、波状加工部分の厚さ寸法が前記排出口対応領域の厚さ寸法の1.1〜2.0倍であることを特徴とする吸収性物品。
- 請求項1から5のいずれかに記載した吸収性物品において、更に、吸収体が疎水性合成繊維を含むことを特徴とする吸収性物品。
- 請求項1から6のいずれかに記載した吸収性物品において、吸収体の表面側と裏面側の少なくとも一方側に波状加工部分を保護する保護シートを備えたことを特徴とする吸収性物品。
- 請求項7に記載した吸収性物品において、保護シートは吸収体と共に波状加工が施されていることを特徴とする吸収性物品。
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