JP3805136B2 - 負荷時タップ切換装置における切換開閉器の早切機構 - Google Patents

負荷時タップ切換装置における切換開閉器の早切機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷時タップ切換装置の切換開閉器を開閉駆動する開閉機構を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に駆動する早切機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から変圧器等には、電源電圧の変動や負荷電流の変化による電圧変動を補償して、負荷側の需要家における電圧をほぼ一定に保ち、良質の電力を供給するために、負荷時タップ切換装置が設けられている。そして、前記負荷時タップ切換装置は、複数のタップを備えた巻線と、前記タップを選択するタップ選択器と、前記タップを切換える際に開閉駆動される切換開閉器とを備えて概略構成されている。
【0003】
つづいて、前記巻線に設けたタップを昇圧方向、あるいは、降圧方向へ切換える場合に、切換開閉器を開閉駆動する開閉機構を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に駆動させる早切機構3について説明する。前記早切機構は、一般に図9で示すように構成されており、図9は例えば、てこ−クランク機構を使用した早切機構の概略構成を示している。
【0004】
図9において、4は図示しない電動機、あるいは、電動機と連結した伝達軸等に取付けた小歯車、5は前記小歯車4と噛合する大歯車である。6は支軸O1 に一端を固定して揺動可能に設けた蓄勢レバーで、前記大歯車5の偏心位置に設けた支持ピン5aに遊嵌した連結棒7を介して大歯車5と連結されている。8は支軸O2 に一端を固定して揺動可能に設けた揺動アームで、その自由端8aと前記蓄勢レバー6の自由端6aとの間には、引張ばね等からなる蓄勢ばね9が張架されている。10は前記揺動アーム8の揺動角度を設定するためのストッパーである。なお、前記支軸O2 には、切換開閉器の開閉機構(図示せず)が連結されている。
【0005】
次に、前記構成の早切機構3を備えた負荷時タップ切換装置の動作を図9〜11を参照しながら説明する。タップ切換指令を受けて図示しない電動機が始動すると、その回転力は小歯車4から、これと噛合する大歯車5に伝達されて、前記大歯車5を例えば、図9の時計方向に回転させる。前記大歯車5の回転により、大歯車5と連結棒7を介して駆動可能に連結される蓄勢レバー6は、前記連結棒7により引動され、支軸O1 を中心として図9,11で示すa点から反時計方向に揺動をはじめる。なお、この時、揺動アーム8は蓄勢ばね9の引張力により、図9,11の反時計方向に引っ張られて、ストッパー10の一方端(図9,11の左側)に当接している。
【0006】
前記蓄勢レバー6が揺動することにより、該蓄勢レバー6と揺動アーム8との間に張架した蓄勢ばね9は、徐々に引き延ばされながら、前記蓄勢レバー6とともに揺動アーム8の自由端8aを中心として、図11の反時計方向に回動する。そして、図11で示すように、蓄勢ばね9が揺動アーム8と同一線上に並ぶ死点(蓄勢ばね9の引張力が図11の時計方向,反時計方向のいずれにも働かなくなる点)bを越え、例えば、図11で示すc点まで回動すると、前記揺動アーム8の自由端8aには、長さL1 だけ引き延ばされた蓄勢ばね9の引張力の大きさPと、死点bからの回動角度θ1 の大きさに対応して、前記揺動アーム8を図9,11の時計方向に回動させる分力F(F=P・cosθ1 で求められる)が発生する。
【0007】
この結果、揺動アーム8は、前記分力Fによってストッパー10の一方端側から他方端側(図9,11の左側から右側)に時計回りに回動する。なお、この後、前記蓄勢レバー6は、大歯車5の回転により、図11で示すc点から図10で示すd点まで回動して停止する。
【0008】
前記揺動アーム8が時計方向に回動することにより、該揺動アーム8の一端を止着した支軸O2 もこれに伴って時計方向に所定角度回動し、前記支軸O2 に連結された切換開閉器の開閉機構(図示せず)が動作して、前記切換開閉器を開閉動作させ、巻線のタップを切換える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前記構成の早切機構においては、蓄勢ばねが死点を越えた時点、即ち、死点からの回動角度が小さいうちに揺動アームが回動をはじめてしまうので、前記揺動アームを回動させるための分力が小さく(死点からの回動角度が大きい程、分力は大きくなる)、切換開閉器を開閉駆動する開閉機構を迅速・確実に動作させるために必要な動作速度を得ることが難しかった。この結果、前記切換開閉器の開閉動作が緩慢となったり、開閉動作が途中で停滞したりして、負荷時タップ切換装置に重大な故障が発生するおそれがあった。
【0010】
従って、前記開閉機構を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に動作させるのに必要な動作速度を得るためには、死点からの回動角度が小さくても、十分に大きな分力を発生させることができるように、大きなばね荷重の蓄勢ばねを使用する必要があった。
【0011】
ところが、前記のように蓄勢ばねのばね荷重を大きくすると、早切機構を構成する各構成部材にも、前記大きなばね荷重に十分耐えることができる強度が必要となり、この結果、早切機構の構成部材は強度を増すために太く、かつ、厚くしなければならず、しかも、部品点数が増加する等して、前記早切機構が大形化し、更には、負荷時タップ切換装置自体の大形化にもつながるという問題があった。
【0012】
また、前記のように、ばね荷重を大きくすることなく、分力を大きくするには、蓄勢レバーの揺動角度を大きく(死点からの回動角度を大きく)すればよいが、周知のてこ−クランク機構においては、連結棒を遊嵌する支持ピンと大歯車の中心軸との距離によって、蓄勢レバーの揺動角度はおおよそ決まってしまうので、蓄勢レバーの揺動角度を大きくすることは歯車の大形化につながり、結果的に早切機構が大形化するという問題があった。
【0013】
しかも、蓄勢レバーの揺動角度を大きくするすることにより、分力を大きくしようとしても、揺動アームは蓄勢ばねが死点を越えた時点で、分力によって自動的に回動してしまうため、前記揺動アームを大きな分力が得られるまで保持させておくことができないという問題があった。
【0014】
本発明は、前記種々の問題点に鑑み、ばね荷重の大きな蓄勢ばねを使用したり、構成部材を大形化させたりすることなく、切換開閉器の開閉動作に必要な動作速度を得ることが可能な負荷時タップ切換装置における切換開閉器の早切機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、切換開閉器を開閉駆動する開閉機構を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に駆動する早切機構において、前記早切機構は、電動機等の駆動源と、この電動機等の駆動源の出力軸に止着した小径な小歯車、前記小歯車と噛合する径大な大歯車、該大歯車の偏心位置に設けた支持ピンに遊嵌したラック、固定軸に回動可能に取付けられて前記ラックと噛合するピニオンギヤ、前記ピニオンギヤに共同可能に取付けた蓄勢レバー、前記蓄勢レバーの先端部とラチェット機構との間に張架した蓄勢ばねを備えて構成し、前記開閉機構を駆動させるための力を蓄勢する蓄勢手段と、前記開閉機構に一体的に締着・固定した支持部材、前記支持部材に進退可能に挿通した係止ピン、前記係止ピンが係合する係合溝を所定の角度間隔で複数ヶ所に形成した係止部材、前記係止ピンを前記係合溝側に押圧・付勢する押圧ばね、前記支持部材に取付けられて係止ピンとの間で押圧ばねを支持する支持枠を備えて、前記開閉機構が発動するのを強制的に阻止するラチェット機構と、前記蓄勢レバーの後端部に備えられ、前記開閉機構を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの力が蓄勢されたときのみ、前記ラチェット機構を操作して前記開閉機構を発動させる操作手段を備え、かつ、前記固定軸には、ラックとピニオンギヤとの噛合を常時正常な状態に保持するための保持部材を、前記ラックとピニオンギヤとに跨らせた状態で嵌着して構成したことを特徴とする。
【0020】
本発明は、大歯車の回動により進退動作するラックの動きを、前記ラックと噛合するピニオンギヤを取付けた蓄勢レバーを揺動させる動きに変換することにより、前記蓄勢レバーを大きな揺動角度で回動させることが可能となるとともに、ラチェット機構によって、蓄勢ばねが死点を越えた直後に、切換開閉器の開閉機構が分力の発生により発動するのを阻止し、かつ、前記分力の大きさが前記開閉機構を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさとなった時点で、前記蓄勢レバーに設けた操作手段によりラチェット機構を操作して、開閉機構を発動させるようにしたので、ばね荷重の小さい蓄勢ばねを使用しても、前記開閉機構を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に動作させることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図8により説明する。はじめに、図8は負荷時タップ切換装置の一相分の概略構成図を示し、図8において、1は複数のタップt1 ,t2 ,t3 ・・・・を備えた巻線、2a,2bは前記タップt1 ,t2 ,t3 ・・・・を選択するタップ選択器である。M1 ,M2 ,Rは切換開閉器を構成する真空バルブであり、前記真空バルブM1 ,M2 の一方端はタップ選択器2a,2bに、真空バルブRの一方端は限流抵抗器rを介してタップ選択器2aにそれぞれ接続されている。なお、前記真空バルブM1 ,M2 ,Rの他方端は、一括して図示しない送・配電線等に接続されている。
【0022】
次に、図1において、11は負荷時タップ切換装置の機枠であり、この機枠11は、上部プレート11a,中央プレート11b,下部プレート11cを備え、前記各プレート11a〜11c間に支持棒11dを介在させることにより、各プレート11a〜11c間に所定の間隔を設けた状態で構成されている。
【0023】
なお、前記下部プレート11cには真空バルブM1 ,M2 ,Rが、3個1組として三相分(3ヶ所に)取付けられており(図2参照)、また、中央プレート11bには前記真空バルブM1 ,M2 ,Rを開閉駆動する開閉機構12が、上部プレート11aには前記開閉機構12を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に駆動させるための早切機構13がそれぞれ取付けられている。
【0024】
前記真空バルブM1 ,M2 ,Rを開閉駆動する開閉機構12は、図1,2で示すように、中央プレート11bの中心部に下方に向かって垂設・固定した支軸14に軸受部材14aを介して回転可能に取付けた偏平状の回転円板15と、一端に前記回転円板15の外周面に所定形状で形成したカム溝15aに係合するローラ16を備え、かつ、他端を真空バルブM1 ,M2 ,Rの各可動電極側と遊動可能に接触させたスライダ17とによって構成されており、前記スライダ17は、前記回転円板15の回転に伴い、カム溝15aの形状に沿って上下動して、真空バルブM1 ,M2 ,Rを開閉駆動する。
【0025】
次に、前記開閉機構12を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に駆動する早切機構13は、図1,2で示すように、上部プレート11a上に起立状態で設置した駆動源としての電動機18と、この電動機18と駆動可能に連結されて、前記開閉機構12を駆動させるための力を蓄勢する蓄勢手段19と、前記開閉機構が発動するのを強制的に阻止し、かつ、前記蓄勢手段19によって開閉機構12を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの力が蓄勢された時点で、前記蓄勢された力を解放して前記開閉機構12を発動させるラチェット機構20とを備えて概略構成されている。
【0026】
つづいて、前記蓄勢手段19の構成について説明する。図1,2において、21は前記電動機18の出力軸に止着した小径な小歯車である。22は前記小歯車と噛合する径大な大歯車で、中央プレート11b及び補助プレート11f(図1参照)に軸受部材23aを介して回転可能に取付けた駆動軸23の上端部に固定されている(前記駆動軸23の図示しない下端部は、タップ選択器2a,2bを間欠駆動する間欠送り機構に連結されている)。なお、前記小歯車21は、1回のタップ切換動作を行う毎に1回転するものとし、また、前記大歯車22は、例えば、小歯車21が1回転すると、1/2回転するように径寸法を設定する。
【0027】
24は前記大歯車22外周側の偏心位置に設けた支持ピン24aに回動可能に遊嵌した丸棒もしくは角棒状(図3では丸棒状)のラックである。25は前記ラック24と噛合するピニオンギヤで、図3で示すように、上部プレート11aの偏心位置(図2で示す如く回転円板15の支軸14から位置をずらした状態)に垂設・固定した固定軸26に回転可能に嵌合されており、更に、前記ピニオンギヤ25の下端部には、板状の蓄勢レバー27が、中心を後端側(図1の右側)に偏らせた状態で、溶接等の手段によってピニオンギヤ25と共動可能に取付けられている。
【0028】
28は前記蓄勢レバー27先端部に垂設した支軸27aと、ラチェット機構20の後述する支持部材に立設した支軸との間に張架した引張ばね等からなる蓄勢ばねである。29は前記ラック24とピニオンギヤ25とを正常な噛合状態に保持するためのL字状の保持部材で、図3で示すように、上部プレート11aに垂設・固定した固定軸26に、ピニオンギヤ25の上部からラック24の外周面に跨がらせた状態で嵌着されている。
【0029】
そして、前記蓄勢手段19は、電動機18の回転を小歯車21を介して大歯車22に伝達して前記大歯車22を回動させ、この大歯車22の偏心位置に設けた支持ピン24aに遊嵌したラック24を図2の上下方向に進退動作させることによって、前記ラック24と噛合するピニオンギヤ25を回動し、該ピニオンギヤ25と共動可能に取付けた蓄勢レバー27を、蓄勢ばね28を引き延ばしながら大きな揺動角度で揺動させる。
【0030】
ここで、前記蓄勢レバー27の揺動角度について説明すると、前記揺動角度は、ピニオンギヤ25の歯数Z2 と、大歯車22が1/2回転することによって所定距離進退動作する間に前記ピニオンギヤ25と噛合するラック24の歯数Z1 との関係により求められる。即ち、揺動角度θは、θ=(Z1 /Z2 )×360で求められ、例えば、Z1 =21,Z2 =36とすると、θ=210°となり、大歯車22の径寸法を特別大きくすることなく、蓄勢レバー27を大きな揺動角度で揺動させることが可能となる。
【0031】
つづいて、ラチェット機構20の構成について説明する。図1,2,5において、30は前記開閉機構12の回転円板15上に下部からボルト等を用いて締着・固定した支持部材で、中央プレート11bに開口した扇状の窓孔11eから突出する上端部には、蓄勢レバー27先端部に垂設した支軸27aとの間で蓄勢ばね28を張架するための取付軸30aが立設されている。31は前記支持部材30中央の挿通孔30bに進退可能に挿通した係止ピンであり、その上端側は、図1で示すように、窓孔11eから中央プレート11b上に突出している。32は前記支持部材30の後端部側(図2の下方)に突出形成した支持枠33と、前記係止ピン31の後端部との間に介挿した圧縮ばね等からなる押圧ばねである。
【0032】
34は前記係止ピン31の頭部が係脱可能に係合する係合溝35a,35bを、所定の角度間隔で2ヶ所に備えた円弧状の係止部材であり、前記係合溝35a,35bを中央プレート11bの扇状の窓孔11e内に臨ませた状態で(図2,5参照)、図1で示すように、前記中央プレート11bの下端面にねじ等を用いて締着・固定されている。
【0033】
そして、前記ラチェット機構20は、常時その係止ピン31を押圧ばね32の付勢力により、係止部材34に形成した係合溝35a,35bのいずれか一方に係合させ(図2では係合溝35a)、蓄勢レバー27先端の支軸27aと、前記支持部材30上部の取付軸30aとの間に張架した蓄勢ばね28が引き延ばされ、開閉機構12を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力Fが発生するまで、前記開閉機構12が発動するのを阻止する。
【0034】
なお、図1,2において、36はラチェット機構20を操作するためのローラで、その下端部を中央プレート11bと近接させた状態で蓄勢レバー27の後端部に垂下・設置されており、前記蓄勢レバー27が電動機18の駆動により所定角度回動したときに、このローラ36によって、中央プレート11b上に突出するラチェット機構20の係止ピン31(図1参照)を押圧し、前記係止ピン31を押圧ばね32の付勢力に抗して後退させ、係止部材34のいずれか一方の係合溝35a,35bとの係合を解除させることにより、蓄勢手段19によって蓄勢された力を解放して開閉機構12を発動させ、真空バルブM1 ,M2 ,Rの開閉動作を行わせる。
【0035】
次に、本発明の早切機構13の動作を、図2及び図4〜8を参照しながら説明する。タップ切換指令を受けて電動機18(図1参照)が始動すると、その回転力は小歯車21から、これと噛合する大歯車22に伝達されて、前記大歯車22が例えば、図2の時計方向に回転をはじめる。前記大歯車22が回転をはじめることにより、大歯車22に設けた支持ピン24aに遊嵌したラック24は、図2の下方に徐々に押動され(進出し)、これと噛合するピニオンギヤ25に共動可能に固定した蓄勢レバー27を、図4で示すe点(初期位置)から反時計方向に回動させる。
【0036】
蓄勢レバー27が回動をはじめると、前記蓄勢レバー27先端の支軸27aとラチェット機構20の支持部材30上部の取付軸30aとの間に張架した蓄勢ばね28は、徐々に引き延ばされながら、前記蓄勢レバー27とともに取付軸30aを中心として、図2,4の反時計方向に回動する。そして、前記蓄勢ばね28が図4で示すように、ラチェット機構20の係止ピン31と同一線上に並ぶ死点(デッドポイント)fまで回動し、前記死点fを越えると、ラチェット機構20の支持部材30上に取付けた取付軸30aには、前記支持部材30を図2,4の時計方向に回動させようとする分力Fが作用する。
【0037】
しかし、本発明においては、蓄勢ばね28が死点fを越えて分力Fが発生しても、ラチェット機構20の係止ピン31が、図2,4で示すように、押圧ばね32の付勢力によって、係止部材34の一方の係合溝35aと係合しているため、開閉機構12が前記分力Fによってすぐに発動することはなく、前記蓄勢ばね28は更に引き延ばされながら、図4の反時計方向に回動する。
【0038】
前記のように、蓄勢ばね28が、死点fを越えた時点から更に引き延ばされながら反時計方向に回動することにより、前記蓄勢ばね28が死点fを越えることにより発生する分力Fの大きさは、死点fからの回動角度θ2 が大きくなることとも相まって、蓄勢ばね28が死点fを越えた直後の状態よりも大きくなる。
【0039】
そして、蓄勢レバー27が図4で示す死点fから発動点g(開閉機構12を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力Fが得られる地点)まで回動すると、前記蓄勢レバー27後端部に設けたローラ36が、その回動軌跡(図4参照)上に位置する、即ち、ラチェット機構20の係止ピン31の中央プレート11b上に突出する上端部(図1参照)を、図5の右斜め下方向に押圧し、前記係止ピン31を、図5に実線で示す係止部材34の一方の係合溝35aと係合した状態から、図5に2点鎖線で示すように、押圧ばね32の付勢力に抗して後退させることにより、前記係止ピン31と係合溝35aとの係合を解除して、開閉機構12の回転円板15を発動させる。
【0040】
この結果、前記ラチェット機構20を取付けた開閉機構12の回転円板15は、蓄勢ばね28が長さL2 だけ引き延ばされることにより発生する引張力の大きさPと、死点fからの回動角度θ2 の大きさとに対応した大きさで発生する分力F(F=P・cosθ2 により求められる)により、支軸14を中心として、図6の時計方向に所定角度θ3 だけ瞬時に回動する。そして、回転円板15が所定角度θ3 回動すると、ラチェット機構20の係止ピン31は、図6,7で示すように、係止部材34のもう一方の係合溝35bに、押圧ばね32の付勢力により係合し、回転円板15の回動を停止させる。なお、前記蓄勢レバー27は、大歯車22の回転によって、図4で示すg点から図6で示すh点まで回動して停止する。
【0041】
そして、前記開閉機構12の回転円板15が所定角度θ3 回動することにより、前記回転円板15に形成したカム溝15aに、その一端に取付けたローラ16を係合させたスライダ17は、図8(a)〜(e)で示すように、前記カム溝15aの形状に沿って上下動して、その他端に連結した真空バルブM1 ,M2 ,Rを開閉駆動させ、真空バルブM1 を図8(a)で示すON状態から図8(e)で示すようにOFF状態となし、かつ、真空バルブM2 を図8(a)で示すOFF状態から図8(e)で示すようにON状態となして、巻線1のタップt1 をタップt2 に切換える。
【0042】
前記のように、本発明の蓄勢レバー27は、大歯車22に取付けたラック24と噛合するピニオンギヤ25を共動可能に取付け、前記ラック24の進退動作をピニオンギヤ25の回転動作に変換して回動させるようにしたので、前記蓄勢レバー27を大きな揺動角度で回動させることが可能となり、この結果、蓄勢ばね28の死点fからの回動角度θ2 を大きくして、開閉機構12を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力Fを発生させることができる。
【0043】
しかも、本発明においては、ラチェット機構20を設けたことにより、前記蓄勢ばね28が死点fを越えても、分力Fによって開閉機構12がすぐに発動しないたので、前記蓄勢レバー27の揺動角度を大きくすることができることとも相まって、ばね荷重の小さい蓄勢ばねを使用しても、開閉機構12を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力Fを得ることができる。
【0044】
また、前記ラチェット機構20を構成する係止ピン31は、開閉機構12を発動させるのに必要な十分な大きさの分力Fが発生した時点で、蓄勢レバー27後端に設けたローラ36によって押圧されることにより、係止部材34の係合溝35a(35b)との係合が解除されるようにしたので、前記開閉機構12は前記分力Fにより、その動作を停滞させることなく迅速・確実に駆動させることができる。
【0045】
更に、ピニオンギヤ25の固定軸26を、回転円板15の支軸14からずらした偏心位置に設けたので、蓄勢ばね28を大きく引き延ばして、大きな引張力Pを得ることが可能となる。
【0046】
なお、本発明は、真空バルブM1 ,M2 ,Rを開閉駆動させる例により説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の扇形可動板を備えたロータリー式の切換開閉器にも応用することができる。
【0047】
また、本発明においては、カム溝15aを設けた回転円板15と、前記カム溝15aに係合するローラ16を備えたスライダ17とからなる開閉機構12によって、真空バルブM1 ,M2 ,Rを開閉動作させるようにした例により説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ラチェット機構が所定角度回動するのと共動する駆動軸に取付けた複数の板状カムによって、真空バルブを開閉動作させるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、ピニオンギヤを共動可能に固定した蓄勢レバーを、大歯車に設けた支持ピンに遊嵌され、前記ピニオンギヤと噛合するラックの進退動作に伴って回動させるようにしたので、前記蓄勢レバーは、大歯車を大形化させることなく、大きな揺動角度で回動させることができる。
【0049】
また、ラチェット機構によって、蓄勢ばねが死点を越えた直後に、開閉機構が分力の発生により発動するのを防ぐことができるので、前記蓄勢ばねが死点を越えた後に発生する分力の大きさは、前記のように、蓄勢レバーが大きな揺動角度で回動されて、前記死点からの回動角度が大きくなることにより、従来よりも大きなものとなり、ばね荷重の小さい蓄勢ばねを使用しても、開閉機構を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力を発生させることが可能となる。
【0050】
その上、ばね荷重の小さな蓄勢ばねを使用しても、開閉機構を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力が得られることにより、早切機構を構成する各部材は蓄勢ばねのばね荷重に見合った強度を備えていればよいため、早切機構及び負荷時タップ切換装置自体を軽量、かつ、コンパクトに構成することができる。
【0051】
更に、前記ラチェット機構は、開閉機構に締着・固定した支持部材と、この支持部材に進退可能に挿通した係止ピンと、該係止ピンが係合する係合溝を2ヶ所に形成した係止部材と、前記係止ピンを係合溝側に押圧・付勢する押圧ばねとを備えて構成し、開閉機構を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力が発生するまでは、前記押圧ばねの付勢力により、係止ピンを係止部材の一方の係合溝に係合させて、前記開閉機構が発動するのを阻止するとともに、開閉機構を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの分力が発生した時点で、蓄勢レバー後端のローラにより係止ピンと係合溝との係合を解除することによって、開閉機構を発動させるようにしたので、切換開閉器の開閉動作を停滞させたりすることなく迅速・確実に開閉動作を行わせることができる。
【0052】
しかも、前記開閉機構が発動した後は、係止ピンが押圧ばねの付勢力により、係止部材の他方の係合溝に係合して、開閉機構の動作を停止させるので、大きな分力で開閉機構を発動させても、開閉機構が必要以上に動作して、タップ切換動作に悪影響を与えることは全くない。
【0053】
また、上部プレートに垂設・固定した枢支軸には、ラックとピニオンギヤとに跨がった状態で保持部材が嵌着されているので、大歯車の回動に伴ってラックが進退する際に、前記ラックがピニオンギヤから離脱するのを確実に防ぐことが可能となり、この結果、前記ラックの進退動作によってピニオンギヤを介して蓄勢レバーを良好に揺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の早切機構を備えた負荷時タップ切換装置の要部を示す縦断面図である。
【図2】早切機構の動作前の状態を示す平面図である。
【図3】保持部材の取付状態を示す縦断面図である。
【図4】早切機構の動作を説明するための説明図である。
【図5】ラチェット機構の係止ピンと係止部材の係合溝との係合状態を解除する動作を説明するための説明図である。
【図6】回転円板の動作を説明するための説明図である。
【図7】早切機構の動作後の状態を示す平面図である。
【図8】開閉機構による真空バルブの開閉動作を説明するための説明図である。
【図9】従来の早切機構の概略構成(動作前)を示す平面図である。
【図10】従来の早切機構の概略構成(動作後)を示す平面図である。
【図11】従来の早切機構の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
12 開閉機構
13 早切機構
19 蓄勢手段
20 ラチェット機構
24 ラック
25 ピニオンギヤ
27 蓄勢レバー
28 蓄勢ばね
29 保持部材
30 支持部材
31 係止ピン
32 押圧ばね
34 係止部材
35a,35b 係合溝
36 ローラ
1 ,t2 ,t3 ,・・・・ タップ
1 ,M2 ,R 真空バルブ

Claims (1)

  1. 切換開閉器を開閉駆動する開閉機構を、その動作を停滞させることなく迅速・確実に駆動する早切機構において、前記早切機構は、電動機等の駆動源と、この電動機等の駆動源の出力軸に止着した小径な小歯車、前記小歯車と噛合する径大な大歯車、該大歯車の偏心位置に設けた支持ピンに遊嵌したラック、固定軸に回動可能に取付けられて前記ラックと噛合するピニオンギヤ、前記ピニオンギヤに共同可能に取付けた蓄勢レバー、前記蓄勢レバーの先端部とラチェット機構との間に張架した蓄勢ばねを備えて構成し、前記開閉機構を駆動させるための力を蓄勢する蓄勢手段と、前記開閉機構に一体的に締着・固定した支持部材、前記支持部材に進退可能に挿通した係止ピン、前記係止ピンが係合する係合溝を所定の角度間隔で複数ヶ所に形成した係止部材、前記係止ピンを前記係合溝側に押圧・付勢する押圧ばね、前記支持部材に取付けられて係止ピンとの間で押圧ばねを支持する支持枠を備えて、前記開閉機構が発動するのを強制的に阻止するラチェット機構と、前記蓄勢レバーの後端部に備えられ、前記開閉機構を十分な動作速度で発動させるのに必要な大きさの力が蓄勢されたときのみ、前記ラチェット機構を操作して前記開閉機構を発動させる操作手段とを備え、かつ、前記固定軸には、ラックとピニオンギヤとの噛合を常時正常な状態に保持するための保持部材を、前記ラックとピニオンギヤとに跨らせた状態で嵌着して構成したことを特徴とする負荷時タップ切換装置における切換開閉器の早切機構。
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