JP3803100B2 - 走行路の曲線区間構造 - Google Patents

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Description

本発明は、円曲線部および緩和曲線部で構成される走行路の曲線区間構造に関し、特に、乗り心地を損なうことなく、緩和曲線部の長さを短縮する技術に関する。
従来より、鉄道車両を走行させる軌道においては、円曲線部および緩和曲線部から構成される曲線区間が施設されている。そして、特に日本国内にて新幹線を走行させる軌道においては、サイン半波長逓減方式でカントの形状および緩和曲線の形状を算出し、その算出結果に基づいて設計された「サイン半波長緩和曲線」が採用されている(例えば、非特許文献1,2参照。)。このサイン半波長緩和曲線は、カント量をサイン半波長逓減させることを特徴とし、直線的にカント量を逓減させてその緩和曲線の始点終点で曲率とカントの変化とが不連続になる「直線逓減方式」と比較して、その緩和曲線の始点終点で曲率とカント量の変化が連続的となる特徴を有する(図4参照)。
なお、「カント」とは、道路や軌道の曲線部で外側を内側より高くした部分の高低差を云い、遠心力で列車や車両が走路外に飛び出そうとするのを防ぐために設けられる。また、「緩和曲線部」とは、軌道のうち直線部から円曲線部の一端に至るまでの間において徐々に曲率半径が小さくなり、最終的に円曲線部の一端の曲率半径に至る部分を云う。また、「直線逓減方式」とは、曲率およびカントを緩和曲線の接線(横距)に比例して増加させる方法であり、最も一般的な緩和曲線の算出方法である。また、「サイン半波長逓減方式」とは、曲率およびカントの逓減形状をsin(−π/2〜π/2)の曲線としたものである。
ここで、サイン半波長逓減方式による、緩和曲線部における直線部との接続部分から円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所におけるカント量C1(X)(m)については、緩和曲線部の長さLt(m)、および設定カント量Cm(m)を用いて例えば次の関係式で表される(図4(a)参照)。
1(X)=(1/2){1−cosπ(X/Lt)}・Cm・・・式(イ)
なお、設定カント量Cm(m)とは、円曲線区間に実際に敷設されているカント量(m)のことを云う。
また、サイン半波長逓減方式による、緩和曲線部における直線部との接続部分から円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所における、直線部の中心線から緩和曲線部の中心線が乖離する乖離量Y1(X)(m)については、緩和曲線部の長さLt(m)、設定カント量Cm(m)、および円曲線部の曲率半径R(m)を用いて例えば次の関係式で表される(図4(b)参照)。
1(X)=(X2/4R)−(Lt2/2π2R){1−cosπ(X/Lt)}
・・・式(ロ)
このようなサイン半波長緩和曲線においては、その緩和曲線長を一定とした場合、最大カント勾配が、直線逓減緩和曲線の最大カント勾配に対してπ/2倍(約1.57倍)となる。このことにより、例えばサイン半波長緩和曲線の最大カント勾配と直線逓減緩和曲線の最大カント勾配を同一にした場合には、サイン半波長緩和曲線の緩和曲線長が、直線逓減緩和曲線の緩和曲線長のπ/2倍(約1.57倍)となる(非特許文献1参照。)。
また、カント形状および緩和曲線の形状を算出する手法としては、サイン半波長逓減方式以外にも、上述の直線逓減方式や5次逓減方式(例えば、非特許文献3参照。)が知られている。なお、「5次逓減方式」とは、曲率およびカントの逓減形状を、緩和曲線部における直線部との接続部分から円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の5次関数による曲線としたものとしたものである。
ここで、5次逓減方式による、緩和曲線部における直線部との接続部分から円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所におけるカント量C2(X)(m)については、緩和曲線部の長さLt(m)、および設定カント量Cm(m)を用いて例えば次の関係式で表される。
2(X)={6(X/Lt)5−15(X/Lt)4+10(X/Lt)3}・Cm
・・・式(ハ)
また、5次逓減方式による、緩和曲線部における直線部との接続部分から円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所における、直線部の中心線から緩和曲線部の中心線が乖離する乖離量Y2(X)(m)については、緩和曲線部の長さLt(m)、設定カント量Cm(m)、および円曲線部の曲率半径R(m)を用いて例えば次の関係式で表される。
2(X)={(1/7)(X/Lt)7−(1/2)(X/Lt)6+(1/2)(X/Lt)5}・(X2/R)・・・式(ニ)
このような5次逓減方式によって算出された緩和曲線においては、その緩和曲線長を一定とした場合、最大カント勾配が、直線逓減緩和曲線の最大カント勾配に対して1.875倍となる。このことにより、例えば5次逓減方式によって算出された緩和曲線の最大カント勾配と直線逓減緩和曲線の最大カント勾配を同一にした場合には、5次逓減方式によって算出された緩和曲線の緩和曲線長が、直線逓減緩和曲線の緩和曲線長の1.875倍となる。
国土交通省鉄道局監修「解説 鉄道に関する技術基準(土木編)P154〜166 松原健太郎著 (社)日本鉄道施設協会「新幹線の軌道」P158〜166 神谷進著 交友社 「鉄道曲線」P91〜112
しかし、上記のようなサイン半波長逓減方式や5次逓減方式による緩和曲線部においては、上述のようにカント勾配の最大値が大きく且つ固定値となるため、乗り心地の良さを維持するためには、カントの時間的変化割合が基準値75mm/s以下となるように、直線逓減方式の緩和曲線部に比べて、その緩和曲線長を長くする必要があるという問題があった。なお、この問題を解決するために、緩和曲線長を一定とすることも考えられるが、このようにすると、上述のようにカント勾配の最大値が固定であるために速度制限をする必要があるという問題があった。
また、このようなことは、鉄道車両を走行させるために施設される軌道に限られず、例えば自動車などを走行させるために施設される道路や、工場構内において搬送車両を走行させるために施設される軌道などの走行路にも同様の問題が生じていた。
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、走行路の曲線区間構造において、乗り心地を損なうことなく、緩和曲線長を短縮する技術を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る走行路の曲線区間構造は、円曲線部および緩和曲線部から構成される走行路の曲線区間構造である。このうち円曲線部は、当該走行路のうち一定の曲率半径にて円弧を描くように曲がっている部分であり、緩和曲線部は、当該走行路のうち直線部から円曲線部の一端に至るまでの間において徐々に曲率半径が小さくなり、最終的に円曲線部の一端の曲率半径に至る部分である。
そして、緩和曲線部における直線部との接続部分から円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所におけるカント量C(X)(m)については、緩和曲線部の長さLt(m)、設定カント量Cm(m)、および直線逓減方式におけるカント勾配に対する緩和曲線部中央部の最大カント勾配の比αを用いて次の関係式を満たすよう構成されている。
C(X)={−8(3−2α)・(X/Lt)5+20(3−2α)・(X/Lt)4−2(25−16α)・(X/Lt)3+(15−8α)・(X/Lt)2}・Cm
なお、設定カント量Cm(m)とは、円曲線部に実際に敷設されているカント量(m)のことを云う。
また、緩和曲線部における直線部との接続部分から円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所における、直線部の中心線から緩和曲線部の中心線が乖離する乖離量Y(X)(m)については、緩和曲線部の長さLt(m)、設定カント量Cm(m)、円曲線部の曲率半径R(m)、および直線逓減方式におけるカント勾配に対する緩和曲線部中央部の最大カント勾配の比αを用いて次の関係式を満たすよう構成されている。
Y(X)={−(4/21)(3−2α)・(X/Lt)7+(2/3)(3−2α)・(X/Lt)6−(1/10)(25−16α)・(X/Lt)5+(1/12)(15−8α)・(x/Lt)4}・(Lt2/R)
なお、上述の関係式については、後述する「発明を実施するための最良の形態」欄において詳細に説明するのでここでは詳細な説明は省略する。
従来のサイン半波長逓減方式は、軌道の曲線部における緩和曲線部において最大カント勾配が大きく且つ固定値となっていたので、乗り心地の良さを維持するためには、直線逓減方式によって算出された緩和曲線部に比べて、その緩和曲線長が長くなる問題があった。これに対して本発明によれば、上述の関係式を用いてカントの形状および緩和曲線の形状を設計することにより最大カント勾配が可変となるので、比αに小さい値を選択すれば、カントの時間的変化割合が小さくなる。つまり、緩和曲線長を短縮することができる。また、上述のように構成したことにより緩和曲線と直線部分とを接続する部分、および緩和曲線部と円曲線部とを接続する部分を、従来のサイン半波長逓減方式の緩和曲線部と同様に連続的に接続することができ、その走行路上を、車両を走行させた際の乗り心地がよい。したがって、乗り心地を損ねることなく、緩和曲線長を短縮することができる。
また、上述のように構成したことにより、比αの値を設定することにより最大カント勾配を設定することができ、柔軟なカント形状の設計および緩和曲線形状の設定が可能となる。
さらに、比αにサイン半波長逓減方式の最大カント勾配比である値「π/2」を代入すると、上述の関係式による算出結果とサイン半波長逓減方式による算出結果とがほぼ一致することとなるので、上述の関係式によってサイン半波長逓減方式によるカントの形状および緩和曲線の形状を設計することも可能である。
また、上述のように構成したことにより、緩和曲線長の延伸が不可能で、現行のサイン半波長逓減方式では速度向上が不可能な場所であっても、比αを小さい値に設定することにより、緩和曲線長を延伸しなくてもカント勾配を小さくすることができ、乗り心地を損ねることなく、速度向上が可能となる。
なお、上述の走行路の具体例としては、(イ)鉄道車両を走行させるために施設される軌道(請求項2)や、(ロ)自動車などを走行させるために施設される道路、(ハ)工場構内において搬送車両を走行させるために施設される軌道などが挙げられる。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、実施例の有道床軌道の構成を示す断面図である。また、図2は、実施例の軌道における円曲線部および緩和曲線部を示す説明図であり、図3(a)は、実施例の有道床軌道におけるカント形状を表す説明図であり、図3(b)は、実施例の有道床軌道における緩和曲線部形状を表す説明図である。
[有道床軌道100の構成の説明]
図1に示すように、有道床軌道100は、路盤1上に砕石等のバラスト2を敷設し、台形等の所定断面形状の床状構造となるように締固め、有道床軌道100の延長方向に延設することにより形成された道床3と、その長手方向が道床3の延長方向に直交するよう道床3上に並べて設置された複数のまくらぎ4(図1では一つのまくらぎ4のみを図示している。)と、複数のまくらぎ4の上面に道床3の延長方向に沿って締結された一対のレール5と、から構成されている。また、有道床軌道100における直線部においてはレール5の左右は水平であり、曲線区間においては、まくらぎ4を傾斜させてレール5の左右に高低差を設けている。なお、以降、この有道床軌道100において、まくらぎ4の中央部に対してその両端部がそれぞれ位置する場所の一方を「右側」とし、他方を「左側」とする。
また、有道床軌道100には、図2(a)に示すように、円弧状に湾曲した曲線区間102が、地形に合わせて施設されている。この曲線区間102は直線部101および直線部103を接続している。また、曲線区間102は、入口緩和曲線部102a、円曲線部102b、出口緩和曲線部102cで構成されている。このうち入口緩和曲線部102aは、有道床軌道100のうち直線部101から曲線区間102の円曲線部102bに至るまでの間において徐々に曲率半径が小さくなり、最終的に円曲線部102bの曲率半径に至る部分である。また、円曲線部102bは、有道床軌道100のうち一定の曲率半径Rを持つ部分である。さらに、出口緩和曲線部102cは、有道床軌道100のうち円曲線部102bから直線部103に至るまでの間において徐々に曲率半径が大きくなり、最終的には直線部103に至る部分である。
[緩和曲線部の構成の説明]
次に、曲線区間102における入口緩和曲線部102aの形状について説明する。
図2(b)に示すように、入口緩和曲線部102aにおける直線部101との接続部分から円曲線部102bへ向かう方向へ距離X(m)の箇所におけるカント量C(X)(m)(図2(c)参照)については、入口緩和曲線部102aの長さLt(m)(図2(a)参照)、設定カント量Cm(m)、および直線逓減方式におけるカント勾配α0に対する、入口緩和曲線部102aの中央部の最大カント勾配の比αを用いて次の関係式(A)を満たすよう構成されている。なお、カント量C(X)は、入口緩和曲線部102aにおける直線部101との接続部分から円曲線部102bへ向かう方向へ距離X(m)の箇所における、入口緩和曲線部102aの内側(図1の右側)の最も低い箇所と入口緩和曲線部102aの外側(図1の左側)の最も高い箇所との間の高低差である。
C(X)={−8(3−2α)・(X/Lt)5+20(3−2α)・(X/Lt)4−2(25−16α)・(X/Lt)3+(15−8α)・(X/Lt)2}・Cm
・・・式(A)
なお、設定カント量Cm(m)とは、円曲線部102bに実際に敷設されているカント量(m)のことを云う。
また、「直線逓減方式」とは、曲率およびカントを緩和曲線の接線(横距)に比例して増加させる方法であり、最も一般的な緩和曲線の算出方法である。
また、直線逓減方式におけるカント勾配α0は次の式(B)にて表される。
α0=Cm/Lt・・・式(B)
ここで、上述の関係式(A)において、図3(a)に例示するように、「α=1.25」とした場合のカント量C(X)(m)、および「α=1.40」とした場合のカント量C(X)(m)を、直線逓減方式によって算出したカント量、およびサイン半波長逓減方式によって算出したカント量と比較すると、本実施例の関係式(A)によって算出したカント形状の方が、直線逓減方式によって算出したカント形状に比べて直線部101に滑らかに接続することができる。また、サイン半波長逓減方式によって算出したカント形状に比べて、入口緩和曲線部102a中央部の最大カント勾配を任意に緩やかにすることができる。
また、入口緩和曲線部102aにおける直線部101との接続部分から円曲線部102cへ向かう方向へ距離X(m)の箇所における、直線部101の中心線から入口緩和曲線部102aの中心線が乖離する「乖離量Y(X)(m)」については、入口緩和曲線部102aの長さLt(m)(図2(a)参照)、設定カント量Cm(m)、円曲線部102cの曲率半径R(m)、および直線逓減方式におけるカント勾配α0に対する、入口緩和曲線部102aの中央部の最大カント勾配の比αを用いて次の関係式(C)を満たすよう構成されている。なお、本実施例では、乖離量Y(X)(m)を、入口緩和曲線部102aの中心線から直線部101の中心線へ下ろした垂線の長さと定義している。
Y(X)={−(4/21)(3−2α)・(X/Lt)7+(2/3)(3−2α)・(X/Lt)6−(1/10)(25−16α)・(X/Lt)5+(1/12)(15−8α)・(x/Lt)4}・(Lt2/R)・・・式(C)
ここで、上述の関係式(C)において、図3(b)に例示するように、「α=1.25」とした場合の乖離量Y(X)(m)、および「α=1.40」とした場合の乖離量Y(X)(m)を、直線逓減方式によって算出した乖離量、およびサイン半波長逓減方式によって算出した乖離量と比較すると、本実施例の関係式(C)によって算出した乖離量の方が、直線逓減方式によって算出した乖離量、およびサイン半波長逓減方式によって算出した乖離量の間の値となる。なお、「サイン半波長逓減方式」とは、曲率およびカントの逓減形状をsin(−π/2〜π/2)の曲線としたものである。このことにより、本実施例の関係式(C)によって算出した緩和曲線の方が、直線逓減方式による緩和曲線に比べて直線部101に滑らかに接続することができる。但し、本実施例の関係式(C)によって算出した緩和曲線によりも、サイン半波長逓減方式によって算出した緩和曲線の方が直線部101に滑らかに接続することができる。
なお、出口緩和曲線部102bについては、入口緩和曲線部102aと同様であるため、ここでは、そのカント量および乖離量の算出方法に関する詳細な説明は省略する。なおこの場合、入口緩和曲線部102aについては、距離X(m)を、入口緩和曲線部102aにおける直線部101との接続部分から円曲線部102cへ向かう方向への距離として定義したが、出口緩和曲線部102cについては、距離X(m)を、出口緩和曲線部102bにおける直線部103との接続部分から円曲線部102cへ向かう方向へ距離として定義することが異なる。
[効果]
このように実施例の有道床軌道100によれば、次のような効果を奏する。すなわち、従来のサイン半波長逓減方式は、軌道の曲線区間における緩和曲線部において最大カント勾配が大きく且つ固定値となっていたので、乗り心地の良さを維持するためには、カントの時間的変化割合が基準値75mm/s以下となるように、直線逓減方式によって算出された緩和曲線部に比べて、その緩和曲線長が長くなる問題があった。これに対して本実施例の有道床軌道100によれば、最大カント勾配が可変となるので、比αに小さい値を選択すれば、カントの時間的変化割合が小さくなる。つまり、緩和曲線長Ltを短縮することができる。また、入口緩和曲線部102aと直線部101とを接続する部分、および入口緩和曲線部102aと円曲線部102cとを接続する部分を、従来のサイン半波長逓減方式の緩和曲線部と同様に連続的に接続することができ、その曲線区間上を、車両を走行させた際の乗り心地がよい。したがって、乗り心地を損ねることなく、緩和曲線長を短縮することができる。
また、上述のように構成したことにより、上述のような比αの値を設定することにより最大カント勾配を設定することができ、柔軟なカント形状の設計および緩和曲線形状の設定が可能となる。
さらに、比αにサイン半波長逓減方式の最大カント勾配比である値「π/2」を代入すると、上述の関係式(A)および関係式(C)による算出結果とサイン半波長逓減方式による算出結果とがほぼ一致することとなるので、上述の関係式(A)および関係式(C)によってサイン半波長逓減方式によるカントの形状および緩和曲線の形状を設計することも可能である。
また、上述のように構成したことにより、緩和曲線長の延伸が不可能で、現行のサイン半波長逓減方式では速度向上が不可能な場所であっても、比αを小さい値に設定することにより、緩和曲線長を延伸しなくてもカント勾配を小さくすることができ、乗り心地を損ねることなく、速度向上が可能となる。
[別実施例]
(1)上記実施例では有道床軌道に本発明を適用した例を説明したが、軌道としては有道床軌道に限らず、例えば道床を有さない他の形態の軌道に本発明を適用してもよい。なお、道床を有さない軌道に本発明を適用する場合には、上述のカント量C(X)および乖離量Y(X)を、レールの上面を基準にして算出することも考えられる。
(2)また、上記実施例では、鉄道車両を走行させるために施設される軌道について本発明を適用した例を説明したが、(イ)自動車などを走行させるために施設される道路や、(ロ)工場構内において搬送車両を走行させるために施設される軌道などに本発明を適用しても良い。
(3)本実施例では、乖離量Y(X)(m)を、入口緩和曲線部102aの中心線から直線部101の中心線へ下ろした垂線の長さと定義しているが、これには限られず、乖離量Y(X)(m)を、直線部101の中心線から入口緩和曲線部102aの中心線へ下ろした垂線の長さと定義してもよい。
実施例の有道床軌道の構成を示す断面図である。 (a)実施例の軌道における円曲線部および緩和曲線部を示す断面図であり、(b)はA部拡大図であり、(c)はB−B断面図である。 (a)は、実施例の軌道におけるカント形状を表す説明図であり、(b)は、実施例の軌道における緩和曲線形状を表す説明図である。 (a)は、従来の軌道におけるカント形状を表す説明図であり、(b)は、従来の軌道における緩和曲線形状を表す説明図である。
符号の説明
1,201…路盤、2,202…バラスト、3,203…道床、4,204…まくらぎ、5,205…レール、100…有道床軌道、101,103…直線部、102…曲線区間、102a…入口緩和曲線部、102b…出口緩和曲線部、102c…円曲線部

Claims (2)

  1. 円曲線部および緩和曲線部から構成される走行路の曲線区間構造であって、
    前記円曲線部は、当該走行路のうち一定の曲率半径にて円弧を描くように曲がっている部分であり、
    前記緩和曲線部は、当該走行路のうち直線部から前記円曲線部の一端に至るまでの間において徐々に曲率半径が小さくなり、最終的に前記円曲線部の一端の曲率半径に至る部分であり、
    前記緩和曲線部における前記直線部との接続部分から前記円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所におけるカント量C(X)(m)については、前記緩和曲線部の長さLt(m)、設定カント量Cm(m)、および直線逓減方式におけるカント勾配に対する前記緩和曲線部中央部の最大カント勾配の比αを用いて次の関係式(1)を満たすよう構成するとともに、
    前記緩和曲線部における前記直線部との接続部分から前記円曲線部へ向かう方向へ距離X(m)の箇所における、前記直線部の中心線から前記緩和曲線部の中心線が乖離する乖離量Y(X)(m)については、前記緩和曲線部の長さLt(m)、前記設定カント量Cm(m)、前記円曲線部の曲率半径R(m)、および前記直線逓減方式におけるカント勾配に対する前記緩和曲線部中央部の最大カント勾配の比αを用いて次の関係式(2)を満たすよう構成したことを特徴とする走行路の曲線区間構造。
    関係式(1):C(X)={−8(3−2α)・(X/Lt)5+20(3−2α)・(X/Lt)4−2(25−16α)・(X/Lt)3+(15−8α)・(X/Lt)2}・Cm
    関係式(2):Y(X)={−(4/21)(3−2α)・(X/Lt)7+(2/3)(3−2α)・(X/Lt)6−(1/10)(25−16α)・(X/Lt)5+(1/12)(15−8α)・(x/Lt)4}・(Lt2/R)
  2. 請求項1に記載の走行路の曲線区間構造において、
    前記走行路とは、鉄道車両を走行させるために施設される軌道であることを特徴とする走行路の曲線区間構造。

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