JP3802707B2 - 線材の連続的製造設備列 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、線材の連続的製造設備列、特に、冷間加工性に優れた機械構造用炭素鋼或いは合金鋼線材の連続的製造設備列に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鋼線材の製造に際しては、加熱炉で所定温度に加熱したビレットを熱間圧延工程で所望のサイズに圧延した後、巻取り後、冷却して適宜の熱処理を施してからコイル状に集束し、結束する工程を経る。また、必要に応じてコイル状態で焼鈍等の処理を施し、2次加工工程に送る。このような鋼線材の製造においては、その熱間圧延工程及び熱処理工程について、従来から種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、線材の熱間圧延について装置面からみると、特に高速圧延と設備のコンパクト化を図ることができかつ表面疵が少ないという利点を有する、線材の仕上圧延機としてブロックミルが開発されている。該ブロックミルは、8〜10台のロールスタンドを1個のフレーム内にタンデムに近接して配置し、圧延材にねじりを与えることなく圧延することが可能であり、近年多くの圧延ラインで採用されている。
【0004】
また、線材の熱間圧延を材質・組織面で考えると、熱間圧延工程をできるだけ低温、例えば800℃以下に維持し仕上温度も通常圧延よりも低温に仕上げる方法(以下、このような圧延を制御圧延と称する)を採用することで、γ組織の微細化を図ることができ、これを後工程の徐冷と組み合わせることで、パーライト組織の層状セメンタイトを分断、粒状化させることで、鋼線材の軟質化を達成する技術が知られている。しかし、鋼線材の通常圧延では、大体900℃以上の圧延仕上温度となるため、γ組織の微細化は望めず、鋼線材の軟質化を図るためには、オフラインで焼鈍処理を施す必要があった。
【0005】
本発明において採用する圧延機に近い従来例としては、特許第2857279号公報を挙げることができる。この特許公報には、その図1及び図2に、8スタンドの仕上ブロックミルの後面に4スタンドの後仕上ブロックミルを配置し、フリーサイズ圧延や精密圧延を可能とする態様が開示されており、しかも後仕上ブロックミルの入側には冷却装置を設けることも記載されている。
【0006】
一方、熱間圧延後の線材を巻取り後に、一旦非同心円リング状に展開した後、コイル状に集束する過程で、線材に直接熱処理を施す方式が多数提案されている(例えば、ステルモア方式など)。これらのうち、巻取り後の徐冷を目的に集束した線材コイルの状態で処理する従来例としては、実公平4−37898号公報に示すように、巻取り機(レイングコーン)、リング状コイルの搬送路及び保熱炉を、密閉保熱カバーで覆うように構成する手段、或いは特公平7−98977号公報に開示されるように、巻取り後に、通常熱処理ラインと徐冷ラインを切り替え可能にして、次工程コンベアに送るようにした技術が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したブロックミルのような仕上圧延機では、8スタンドでの総減面率が85%程度と高く、機械構造用鋼として主に使用されるC:0.4%以上の炭素鋼、合金鋼、ばね鋼、軸受鋼のような加工発熱の大きい硬い材料では、事実上制御圧延は不可能である。また、特許第2857279号公報では、確かに仕上圧延機として4スタンドのブロックミルを設けると共に、その入側に冷却装置を設置しているが、その狙いは結晶粒の異常成長の抑制であり、本発明の主旨とする制御圧延による組織微細化と、後工程の冷却手段と組み合わせてオンラインでの冷間加工性の優れた軟質の鋼線材の製造を目的としたものではない。
【0008】
また、実公平4−37898号公報では、巻取機を密閉カバーで覆った独自の構造となるため、巻取りから徐冷設備までが専用のものが必要となり、既設の線材製造ラインがほとんど利用できず、設備コスト面に問題があり、さらに、特公平7−98977号公報では、コイルでの徐冷処理がポット方式であり、個々の装置でそれぞれ温度制御を行うことが難しく、生産性が低く連続操業には適していない問題がある。加えて、これらの従来の徐冷ラインでは、比較的高い温度 (850℃以上)で徐冷を開始していたため、必然的にライン長が長くなるという不都合もあった。
なお、いずれにしろ従来のいかなる線材圧延・熱処理に関連する技術を検討しても、制御圧延と徐冷処理とを合わせて考慮した例は全く見受けられない。
【0009】
従って以上のことから、冷間加工性に優れた機械構造用炭素鋼或いは合金鋼線材を製造するに際し、1つの連続したラインでブロックミルによる制御圧延手段と徐冷手段とを合理的に組み合わせ、かつ圧延操業と徐冷操作のそれぞれを高レベルで達成し得ると共に、これらを既存のラインに容易に組み込むことができ、低コストで済む連続的製造設備列の実現が強く望まれているのが現状である。
【0010】
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、従来ブロックミルでは困難とされていた制御圧延(低温圧延)を容易に実現でき、かつ、この制御圧延設備とインラインで徐冷設備を効果的に組み合わせることで、効率的な制御圧延・徐冷を行うことが可能な線材の製造設備列を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、あらゆるサイズの鋼線材の製造が容易にでき、しかも従来2次加工の際に必須とされていた焼鈍処理を省略することができると共に、可及的に短い徐冷ラインで済む製造設備列を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明請求項1に係る線材の連続的製造設備列は、機械構造用炭素鋼或いは合金鋼ビレットを所望径まで熱間圧延する、最終仕上圧延機として4ロールスタンド以下のブロックミルを用いた熱間圧延機と、圧延後の線材を巻取ってリング状に形成する巻取装置と、巻取り後の線材をコイルにして集束する集束装置と、集束した線材をコイル状態で徐冷を行うためのインライン連続熱処理炉を順次連接すると共に、前記ブロックミルは、減面率が25〜60%の範囲であり、前記集束装置は、落下してくるリング状線材を該リング状線材内径側に挿入する形で受け取る集束ステムを有し、該集束ステムは、コイルを保持した状態で前記インライン連続熱処理炉の中を搬送可能に構成し、前記インライン連続熱処理炉は、コイル外表層の温度がAr 変態点以下の変態域を通過するときの冷却速度が0.1℃/秒以下に制限可能に構成され、最大圧延能力で1時間に圧延されるコイル数の1/4〜1/1が在炉可能な大きさを有することを特徴とする。
このとき最終仕上圧延機のブロックミルが、上述の如く減面率25〜60%の範囲でかつ4ロールスタンド以下で構成されることにより、過大な加工発熱を起こすことなく、狙いとする制御圧延を可能とする。
また、集束装置にて集束される線材コイルは、コイル内径側に挿入するステムによりタイトな状態に集束され、次のインライン連続熱処理炉に送られることにより、線材コイルをルーズでなくタイトな状態に集束して熱処理炉に送ることになり、徐冷ラインの長さを冗長にせずに、上述した緩やかな冷却を効率的に達成するとともに搬送時の安定性も確保可能とするものである。
さらに、連続熱処理炉をこの大きさにしても、前述したパーライト組織の層状セメンタイトの分断、粒状化が起きる0.1℃ /sec 以下という非常に緩やかな冷却速度の徐冷を行うことが可能となり、徐冷ライン長も余り長くする必要がない。
【0012】
本発明請求項2の設備列は、上記請求項1において、巻取装置と集束装置との間に、線材を連続した非同心円リング状にして温度を低下させることなく保定して搬送する保温カバー付き調整冷却搬送装置を設けたことを特徴とする。この保定搬送装置により、巻取装置を密閉カバーで覆うといった特殊な巻取装置がなくとも、線材リングを常に安定した状態で徐冷ラインに供給することができるのである。また、既設のラインで巻取装置と集束装置間の距離が長すぎるといったレイアウト上の制約がある場合にも、本発明を容易にかつ安価に実施適用可能とするものである。
【0013】
本発明請求項3の設備列では、巻取装置で線材をAr 変態点以上で巻取り、保温カバー付き調整冷却搬送装置においてもAr 変態点を下回ることなく搬送して集束装置及び徐冷ラインに送ることを特徴とする。更に、保温カバー内で搬送させる際に、雰囲気温度を選定することで、後工程となる徐冷の開始温度に調整するとともに鋼材の温度バラツキを均温化するという機能も有する。
【0014】
また、本発明請求項4の設備列は、請求項1〜3のいずれかにおいて、最終仕上圧延機の入側に、最大圧延速度で1秒間に進行する距離の1/10以上の水冷・復熱帯を設けたことを特徴とする。この水冷・復熱帯により材質を劣化させることなく、所望の線材を最終仕上圧延機のブロックミルに送り込み、制御圧延を実施し得ることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、ブロックミルによる制御圧延を可能にして仕上圧延機出側で750℃程度の温度で線材を出し、巻取り以後の工程、特に徐冷ラインに対してこの低温の線材リングを安定してそのまま供給でき、かつ、徐冷ラインにおいても目標とする0.1℃/sec以下の冷却速度を達成して、所望の材質の鋼線材を得ることができると共に、既存の線材圧延ラインを大幅に改造することのない、極めて生産性及び実用性の高い線材製造装置列の実現について種々研究・実験を重ねた結果、本発明を完成したものである。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る線材製造設備列の一例を示す概略図である。図において、1は仕上前ブロックミルであり、該仕上前ブロックミル1は、例えば総減面率が85%以上となる8〜10スタンドからなる公知の形式である。なお、該仕上前ブロックミル1の入側には水冷帯3aが設置されているが、その前には図示はしていないが、素材となるビレットを加熱する加熱炉、所定温度に加熱されたビレットを所望サイズに熱間圧延するための粗圧延機群及び中間圧延機群が配置されている。
【0017】
また、2は前記仕上前ブロックミル1の後面に設置される仕上ブロックミルであり、線材を最終的なサイズまで減面するものである。3bは仕上ブロックミル2の入側に設けた水冷帯、3cは仕上ブロックミル2の出側に設けた水冷帯、4は熱間圧延されてきた線材をレイングヘッドにて所定の径に巻き取るための巻取装置、5は巻き取られた線材コイルを非同心円リング状に展開して載置し搬送する調整冷却コンベア、6は該調整冷却コンベア5の搬送路を被覆する保温カバー、7はコンベア上を送られてきた線材リング10を垂直に落下させて下方に待機する集束ステム9上にコイル状に集束するための集束装置である。
さらに、8は前記集束装置7の位置に一端側が接続され、他端側が任意の方向及び距離だけ延びるインライン連続熱処理炉であり、該熱処理炉8はその底部には搬送コンベア12が敷設されており、ステム9に保持され集束された線材コイル11を所定の速度で搬送しながら徐冷する。なお、熱処理炉8は、実際のものと異なり便宜上内部を透視しうる状態で示している。
【0018】
図2は図1に示す全体装置を平面的に表した模式図であり、図1と同一符号は同一の装置を示している。ただし、図2では、徐冷を終えてインライン連続熱処理炉8から出たコイル集束ステムは、さらに搬送されて適当な位置でコイルだけを払い出された後、集束ステムだけが熱処理炉8の一端側から装入されて再度集束作業に供されるという循環路を形成するラインを示している。なお、水冷帯3b、3cは複数個から構成されることもある。
【0019】
また、図3は、巻取装置以降の調整冷却コンベア5、集束装置7及びインライン連続熱処理炉8の具体的な構造例を示す断面図である。リング状線材10を搬送する調整冷却コンベア5は、その全周を断熱性の保温カバー6で覆われており、これにより圧延から集束に至るまでの温度低下を防止し、制御圧延効果を最大限に発揮させると同時に、徐冷開始をAr変態点を下回ることのない所定温度で行わせる保定コンベアの役目を果たす。望ましくは保温カバー6内にはラジアントチューブ或いはヒータの如き加熱装置13が設置され、必要に応じてカバー内を加熱して温度低下を防ぐようになっている。なお、この調整冷却コンベア5は、その保定時間に応じた長さとすること、もしくは保定の必要がない場合には省略することもでき、巻取後に直ちに線材をコイル状に集束してもよい。
【0020】
調整冷却コンベア5の終端に配置する集束装置7は、落下してくる線材リングを下方に待機している集束ステム9をリング内径側に挿入する形で受け、一定量の線材コイルを形成するものである。この場合集束される線材コイルは、徐冷時の温度バラツキを抑えるために、できるだけタイトなコイルの状態で集束することが好ましい。なお、集束位置についても、保温カバー6と連接した断熱性の壁体で覆うことが望ましい。
【0021】
さらに、集束位置から設置されるインライン連続熱処理炉8の炉壁も連続した断熱性材料で構築される。該熱処理炉8の端部には集束ステム9の炉内への装入と炉外への排出を行うための扉(入側扉が14、出側扉が15)が設けられている。また、熱処理炉8内でのステムの搬送を行うコンベア12は、ローラコンベア或いはチェーンコンベアなど適宜の搬送手段を選べばよい。さらに、熱処理炉8内にもラジアントチューブの如き加熱装置16を設置しておき、温度低下を必要に応じて防止して、炉内において0.1℃/sec以下の非常に緩やかな冷却速度で徐冷し得るようにする。
【0022】
以下、本発明における圧延装置の好適な態様と、水冷・復熱帯(特に、仕上ブロックミル2入側の水冷・復熱帯)及びインライン熱処理炉の好適な長さについて説明する。
仕上ブロックミル2は、4ロールスタンド以下のブロックミルから形成され、その減面率は25〜60%の範囲とする。図4は、4ロールスタンドのブロックミルにおいて、仕上減面率と仕上ミル内温度上昇との関係を示すもので、仕上圧延での温度上昇を60℃を許容値とすれば、適正な減面率は25〜60%の範囲であることが分かる。なお、本発明者らの検討によれば、後述する水冷帯3bで過冷組織が発生しない範囲でできるだけ冷却した後、仕上圧延での温度上昇を60℃以下に抑制すれば、制御圧延の効果が十分得られることが知見されたことから、これを許容値とした。
【0023】
即ち、仕上圧延での減面率が25%未満であると、材料に加わる歪が十分でなく断面内で不均質な歪分布となり、局部的に結晶粒が成長し、粒径が不均一になって「粗大粒」と呼ばれる現象が発生してしまい、被削性等の加工性を著しく劣化させる。また、減面率が60%を超えると、加工発熱による温度上昇が急激に大きくなり、狙いとする制御圧延が不可能となる。しかも、仕上ブロックミルにおける各ロールでの最適な平均減面率が約15%であることを考慮すれば、ブロックミルのロールスタンド数は2以上、4以下とすることが好ましい。このロールスタンド数は圧延対象となる線材のサイズなどの条件により、4ロールスタンド以下の範囲で適宜変更することができる。
【0024】
次に、仕上ブロックミル2の入側に配置する水冷帯3bは、仕上前ブロックミル1出側の鋼材温度が900℃程度にまで達することから、これを次の仕上ブロックミル2で良好な制御圧延を行うための仕上入側温度である700℃程度に維持することが必須の役割となる。また、この水冷帯3bを含むミル間のゾーンは、水冷機能と共に水冷時に発生した断面内の温度分布を均等化する復熱機能を有することも合わせて要求され、これを果たすためには両ミル間の距離(図2のdで示す)を特定することが重要である。この場合、水冷は極短時間でよいが、復熱のためには、少なくとも0.1秒程度の時間が必要であり、この復熱時間を十分とらないと鋼材の断面内で過大な温度差を残存させることになり、仕上圧延での不均一な材質発生の原因となる。
【0025】
以上の理由により、仕上前ブロックミル1と仕上ブロックミル2間の水冷・復熱のためには、少なくとも最大圧延速度(仕上ブロックミル出側速度)で進行する距離の1/10以上の距離をとることが必要である。例えば、最大圧延速度が100m/sec であれば、最小でも10mの水冷・復熱ゾーンを設けることが要求される。このとき、仕上ブロックミル入側速度は、仕上ブロックミル内で鋼材が減面される割合に相当する分だけ最大圧延速度より遅くなり、上記の復熱のために必要な0.1秒より若干長い時間が確保でき、この時間帯で水冷が完了可能である。また、当該ゾーン長は、長いほど復熱を十分にできるという利点はあるものの全体の設備を長大にしてしまうばかりでなく、通材性を悪化させるという問題を引き起こすので、必要以上に長くすることは好ましくなく、最大圧延速度の1/2以下に抑えるのが望ましいが、本発明は、このゾーン長の上限を特に規定するものではない。
【0026】
さらに、制御圧延に引き続く徐冷を効果的に行うためにインライン熱処理炉8の長さ、換言すれば線材コイルの在炉時間についても特定することが望ましい。すなわち、目標とする軟質な線材を得るためには、変態温度域をコイル全体にわたって徐冷することが要求されることから、徐冷速度の目標の目安である0.1℃/sec以下という制約のもとで、熱処理炉への線材コイルの装入温度が決まれば在炉時間は求まる。
【0027】
図5は、線材コイルの在炉時間と温度との関係を示すものである。図の右上で模式的に示すように、線材コイルにはコイル外表層(斜線部で図の▲1▼と▲2▼の間)とコイル内部(図の▲2▼と▲3▼の間)に分けられるが、コイル外表層は炉外で放冷すると徐冷速度の目標を超える早い冷速で冷却される部分であり、熱処理炉内で変態温度域を下回る温度まで徐冷する必要がある。一方、コイル内部は炉外で放冷しても徐冷速度の目標以下で冷却される部分であり、変態未完了のまま炉外に排出しても十分な徐冷速度が得られる。
従って、コイル外表層の最大冷速部(図5の▲1▼)が目標冷速0.1℃/secになる如く炉温度を設定して徐冷を行うとき、コイル外表層の最も冷速が小さい部位(図5の▲2▼)は、コイル形状や線径にかかわらず、0.07℃/secであることを見出した。
【0028】
前記0.07℃/secで徐冷開始温度をAr1 点直上から変態が完了するまで徐冷必要温度域を下回るまでの大略60℃の区間を徐冷するには、少なくとも0.25hrが必要であり、熱処理炉の大きさを決定するにあたっての下限を示す指標である。このとき操業上の変動要素としてコイル内の温度バラツキを考慮すると、徐冷開始温度はAr1 点直上よりも若干高めに設定する必要があるため、在炉時間は望ましくは0.5hr以上の在炉時間を確保することで品質の安定化が図れる。但し、在炉時間を1.0hr以上に長くしても徐冷の効果は飽和して向上は見られず、単に冗長な設備となる。その結果、熱処理炉の大きさは、最大圧延能力で1hrに圧延されるコイル数の1/4〜1/1が在炉可能な大きさとする必要がある。
【0029】
以下、図1に示す本発明の線材製造設備列に基づいて一連の流れを説明する。まず、図示しない加熱炉で炭素鋼又は合金鋼ビレットを1000℃以上に加熱してから粗圧延機及び中間圧延機に装入して所定のサイズに圧延した後、水冷帯3aを経て仕上前ブロックミル1に装入する。この仕上前ブロックミル1で少なくとも85%の減面率で圧延された材料は、水冷帯3bで水冷・復熱されて仕上ブロックミル2に入り、そこで25〜60%の減面率で最終線径に仕上圧延された後、750℃〜800℃の仕上圧延温度で出され、水冷帯3cを経て巻取装置4により所望径の線材リング10として調整冷却コンベア5上に排出される。
【0030】
保温カバー6で覆った調整冷却コンベア5では、線材リングは非同心円状の形でかつAr変態点を下回ることのない温度を維持しながら搬送され、集束装置7に至って集束ステム9上に落下され、一定量の線材がタイトな状態で集束され、一個の線材コイル11が得られると共に、インライン連続熱処理炉8内を一定の速度で搬送されて徐冷される。炉内では順次集束された線材コイルを載置した集束ステムが一定間隔をおいて搬送されることになる。徐冷開始温度は大体710℃〜780℃であり、熱処理炉内では0.1℃/sec以下の冷却速度で徐冷され、約650℃程度で炉の出側扉から排出されて放冷される。放冷中に線材コイルは変態を終了し、任意の位置でコイルが払い出され結束工程に向かう。なお、前記保温カバー6内及び熱処理炉8内では、温度が低下するおそれがある場合には加熱装置を用いて適宜加熱することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した本発明に係る線材の製造設備列により得られる効果は次の通りである。
(1)線材圧延では困難とされていたブロックミルによる制御圧延装置と、線材をコイル状に集束した状態でインラインで徐冷する装置とを合理的に連接することを初めて実現した。
(2)上記の如く制御圧延と徐冷とを組み合わせることにより、冷間加工性に優れた機械構造用鋼線材を、オフラインで別途熱処理することなく、オンラインで製造することが可能となった。
(3)既設の線材製造ラインを大幅に改造することなく本発明を適用でき、かつ、オフラインでの焼鈍設備も省略できるので、設備費を低減することができる。
【0032】
(4)巻取装置の後に調整冷却搬送装置を設ける場合には、巻取り後の線材をリング状で安定して保定できるので、次の集束及び徐冷ラインに常に最善の状態で線材を供給できる。
(5)最終仕上圧延機のブロックミルの入側に一定長の水冷・復熱帯を設けることにより、ブロックミルに入る材料の温度・性質を調整でき、制御圧延をより良好な状態で達成することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る線材の連続的製造設備列の一実施形態を示す全体概略斜視図である。
【図2】本発明に係る線材の連続的製造設備列の配置例を示す平面模式図である。
【図3】本発明に係る線材の連続的製造設備列における巻取り機以降の各装置を示す断面図である。
【図4】本発明で採用する4ロールスタンドのブロックミルを用いた場合の減面率とミル内温度上昇の関係を示す図である。
【図5】本発明で採用するインライン熱処理炉における在炉時間と線材コイル温度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 仕上前ブロックミル 2 仕上ブロックミル
3a、3b、3c 水冷装置 4 巻取装置(レイングヘッド)
5 調整冷却コンベア 6 保温カバー
7 集束装置 8 インライン連続熱処理炉
9 ステム 10 線材リング
11 線材コイル 12 搬送コンベア
13、16 加熱装置 14 炉の入側扉
15 炉の出側扉

Claims (4)

  1. 機械構造用炭素鋼或いは合金鋼ビレットを所望径まで熱間圧延する、最終仕上圧延機として4ロールスタンド以下のブロックミルを用いた熱間圧延機と、圧延後の線材を巻取ってリング状に形成する巻取装置と、巻取り後の線材をコイルにして集束する集束装置と、集束した線材をコイル状態で徐冷を行うためのインライン連続熱処理炉を順次連接すると共に、前記ブロックミルは、減面率が25〜60%の範囲であり、前記集束装置は、落下してくるリング状線材を該リング状線材内径側に挿入する形で受け取る集束ステムを有し、該集束ステムは、コイルを保持した状態で前記インライン連続熱処理炉の中を搬送可能に構成し、前記インライン連続熱処理炉は、コイル外表層の温度がAr 変態点以下の変態域を通過するときの冷却速度が0.1℃/秒以下に制限可能に構成され、最大圧延能力で1時間に圧延されるコイル数の1/4〜1/1が在炉可能な大きさを有することを特徴とする線材の連続的製造設備列。
  2. 巻取装置と集束装置との間に、線材を連続した非同心円リング状にして温度を低下させることなく保定して搬送する保温カバー付き調整冷却搬送装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の製造設備列。
  3. 巻取装置で線材をAr 変態点以上で巻取り、保温カバー付き調整冷却搬送装置においてもAr 変態点を下回ることなく搬送して集束装置に送ることを特徴とする請求項2記載の製造設備列。
  4. 最終仕上圧延機の入側に、最大圧延速度で1秒間に進行する距離の1/10以上の水冷・復熱帯を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造設備列。
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