JP3802221B2 - 除菌水生成器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、除菌水生成器に関し、詳しくは、コンパクトで移動可能な除菌水生成器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、除菌水生成器として、電極を配設した貯水タンク内に食塩水を収容し、電極に直流電流を流すことによって次亜塩素酸を生成し、除菌水を生成するものが知られている。得られた除菌水は手洗いやその他の用途に用いられる。
【0003】
かかる除菌水の生成過程については、以下の反応による。
【0004】
陽極反応
2Cl- →Cl2 +2e-
2H2 O→4H+ +O2 +4e-
陰極反応
2H2 O+2e- →H2 +2OH-
溶解反応
Cl2 +2NaOH→NaClO+NaCl
かかる反応で生成されたNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)のpHにおける平衡で次亜塩素酸HClOが生成されるものである。なお、上記反応式中、水酸化ナトリウム(NaOH)は、陽極反応による4H+ と、陰極反応によるOH- との中和により、過剰のOH- がナトリウムイオンNa+ と反応して生成されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の除菌水生成器は、簡単に持ち運べるようなコンパクトな構成のものがなく、特に、除菌水を生成するための電装部と、生成した除菌水を貯留するタンクとが一体化されて、除菌水を生成して即時に使用可能とした構成のものはなかった。
【0006】
また、タンク内で除菌水を生成した場合、生成時に電極から発生する気泡は上昇する一方なので除菌水上層部分の濃度が他に比べて高くなる傾向にあり、除菌水濃度の均一化を図ることが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決することのできる除菌水生成器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、塩化物を溶解した水溶液を貯留するタンクの上部に機能部本体を着脱自在に取付け、同機能部本体に、水溶液を電解するための電極と、水溶液を汲み上げるポンプ装置と、水溶液水位を検出する水位検出手段とをタンク内に伸延するように連設し、これらを下面開口の筒状カバー体で囲繞するとともに、同筒状カバー体の周壁に、水溶液に対流を生起させるための開口部を設けた。したがって、コンパクトで持ち運びができる取扱い良好な除菌生成器とすることができるとともに、即座に除菌水の使用が可能となり、しかも、筒状カバー体に設けた開口部によって、生成された除菌水は前述したように対流して結果的に攪拌されることになり、濃度の均一化を図ることができる。さらに、水位検出手段を設けたことにより、例えば、タンク内が満水時であることを検出した場合にのみ通電可能に制御することができ、水量が不足しているにもかかわらず通電して次亜塩素酸濃度を許容範囲以上に高めてしまうおそれを防止できる。また、機能部本体から伸延する各構成要素を筒状カバー体で保護することができるので、思わぬ外力からの損傷を防止することができる。
【0009】
また、請求項2記載の本発明では、開口部を、筒状カバー体の周壁上部に設けたスリット群で形成し、同スリット群により、電極への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制してタンク内の水溶液を対流させるようにした。したがって、除菌水生成時に電極から発生する気泡がカバー体の内方からスリット群を介して外方へ流出する一方、カバー体下面からは順次水溶液が流入することになって対流が生じ、結果的にタンク内部が攪拌されて濃度が均一となる。
【0010】
また、請求項3記載の本発明では、開口部を、筒状カバー体の周壁上部に設けた上部スリット群と、周壁下部に設けた下部スリット群とに分離形成し、上部スリット群により、電極への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制するとともに、下部スリット群から水溶液を筒状カバー体内へ流入させて、タンク内の水溶液を対流させるようにした。したがって、水溶液のカバー体下方から内部への流入量が増加して、対流をより円滑に生じさせることができ、攪拌効果をより高めることができる。
【0011】
また、請求項4記載の本発明では、上部スリット群の縦方向の開口領域を、下部スリット群の開口領域よりも少なくとも2倍以上長くした。したがって、気泡の流出量と水溶液の流入量とのバランスが良好となり、対流が円滑に生じて最も効果的な攪拌作用となすことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本実施形態に係る除菌水生成器は、塩化物を溶解した水溶液を貯留するタンクと、水溶液を電解するためにタンク内に配設した電極と、水溶液を対流させるための対流生起手段とを具備するものである。
【0016】
すなわち、タンク内で水溶液を電解して次亜塩素酸を発生させて除菌水を生成する場合、電解時に電極から発生する気泡は上昇する一方なので、生成された除菌水上層部分の濃度が他に比べて高くなってしまう。そこで、本発明では対流手段を設け、電解時に水溶液を対流させて攪拌し、タンク内での除菌水濃度を均一化するようにしている。
【0017】
対流生起手段は、電極を囲繞した下面開口の筒状カバー体の周壁に形成した開口部とすることができる。したがって、特別な装置を要することなく、簡単な構成で水溶液に対流を生じさせることができる。
【0018】
より具体的な実施の形態としては、塩化物を溶解した水溶液を貯留するタンクの上部に機能部本体を着脱自在に取付け、同機能部本体に、水溶液を電解するための電極をタンク内に伸延するように連設し、同電極を下面開口の筒状カバー体で囲繞するとともに、同筒状カバー体の周壁に、水溶液に対流を生起させるための開口部を設けることができる。
【0019】
このように、本発明に係る除菌水生成器は、互いに容易に分離可能な機能部本体とタンクとを、一体的に組合せて使用するように構成されており、使用に際しては、機能部本体からタンク内に伸延させた電極に通電してタンク内に次亜塩素酸を発生させて除菌水を生成し、この除菌水を機能部本体に連設してタンク内に伸延させたポンプ装置で汲み上げ吐出することにより即時に使用できるように構成することができる。しかも、かかる除菌水は対流して攪拌され、除菌水の濃度がタンク内のどの箇所でも均一化される。
【0020】
また、前記開口部は、筒状カバー体の周壁上部に設けたスリット群で形成するとよい。同スリット群により、電極への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制してタンク内の水溶液を対流させることができる。すなわち、除菌水生成時に電極から発生する気泡がカバー体の内方からスリット群を介して外方へ流出する一方、カバー体下面からは順次水溶液が流入することになって対流が生じ、結果的にタンク内部が攪拌されて濃度が均一となるものである。かかる簡単な構成により、電極への通電時に発生し上昇する気泡の流れを利用した水溶液の対流を生起させることができ、タンク内に生成される除菌水の濃度を全体的に均一化することができる。
【0021】
このように、コンパクトで持ち運びができる取扱いが良好で、濃度にばらつきのない除菌水生成器としたことにより、手洗いや野菜等の洗浄、俎等の洗浄に適するpH的に中性に近い濃度の除菌水を簡単に生成できることになり、家庭内等でおいて簡便に使用することができる。
【0022】
また、機能部本体とタンクとを分離した状態では、カバー体によって電極を保護することができるので、予期せぬ外力から電極を守ることができ、しかも、タンクだけを見ると内部は単なる空洞となっているので、タンク内の清掃も容易に行える。
【0023】
なお、除菌水中の次亜塩素酸濃度は、その用途によって適正値が定められているが、濃度の調整は電極への通電時間を調整することにより行えばよい。
【0024】
また、前記機能部本体から、電極のみならず、前記したポンプ装置と、水溶液水位を検出する水位検出手段とをタンク内に伸延させた構成とし、これらを前述した筒状カバー体で囲繞することができる。
【0025】
かかる構成とすれば、上述したように、タンク内の除菌水濃度を均一化することが可能となるとともに、ポンプ装置に設けた揚水路を介して機能部本体から除菌水の即時取り出しが可能となる。
【0026】
さらに、水位検出手段を設けたことにより、例えば、タンク内が満水時であることを検出した場合にのみ通電可能に制御することができるので、水量が不足しているにもかかわらず通電して次亜塩素酸濃度を許容範囲以上に高めてしまうことを防止することができる。
【0027】
また、前記開口部は、筒状カバー体の周壁上部に設けた上部スリット群と、周壁下部に設けた下部スリット群とに分離形成することができる。
【0028】
すなわち、水溶液のカバー体下方から内部への流入量を増加させて対流を円滑に生じさせて、攪拌効果を高めるものである。
【0029】
さらに、上部スリット群の縦方向の開口領域を、下部スリット群の開口領域よりも少なくとも2倍以上長くすることが好ましい。
【0030】
これは、気泡の流出量と水溶液の流入量とのバランスを良好に維持すための長さ関係の規定であって、対流が円滑に生じて最も効果的な攪拌作用となることが実験的に確かめられている。
【0031】
【実施例】
以下、添付図に基づいて、本発明の一実施例を具体的に説明する。
【0032】
図1は本実施例に係る除菌水生成器Aの分解斜視図、図2は同縦断面視による説明図、図3は一部切欠した背面図である。
【0033】
図示するように、除菌水生成器Aは、内部に電装品収納空間10を設け、上部に把手11を形成するとともに、除菌水吐出口12を形成した機能部本体1と、同機能部本体1の下面に係止具2を介して着脱自在に取付けたタンク3とから構成している。なお、係止具2は、タンク3の側壁に設けたフック20を、機能部本体1側に設けた係止片21に係合する簡単な構成としており、機能部本体1とタンク3との着脱を容易に行えるようにしている。
【0034】
また、前記除菌水吐出口12には、本実施例ではシャワー式ノズル13をフレキシブル管14を介して回動自在に連通連結し、いかなる向きへもシャワー吐水が行えるようにしている。
【0035】
機能部本体1は、図2に示すように、その下面からタンク3内に伸延する電極4と、ポンプ装置5と、水位検出手段6を具備している。
【0036】
また、前記電装品収納空間10には、前記ポンプ装置5のモータ50と、同モータ50やその他の通電制御を行う制御基板C等の電装部品を配設している。
【0037】
本除菌水生成器Aは、電源として商用電源及び電池の両方を選択的に使用することができるが、本実施例では、電源コード8を取付けて交流の商用電源から図示しないACアダプタを介して電力の供給を受けるようにしている。なお、81は前記電源コード8の挿通用切欠穴81a を形成した電池蓋であり、同電池蓋81を取り外して電源コード8を抜き取り、別途用意した電池(図示せず)を装着すれば電池を電源とすることができる。
【0038】
電極4は、第1電極41と第2電極42とからなり、直流電流が供給されると、タンク3内に貯留した塩化ナトリウム等の塩化物を溶解した水溶液が電解され、先の従来技術で述べた反応により、陽極側に次亜塩素酸が生成される。
【0039】
本除菌水生成器Aでは、除菌水の用途に応じてタイマ装置(図示せず)により電極4への通電時間を例えば10分間、30分間に設定可能とし、濃度の低いソフト用スイッチS1と濃度の高いハード用スイッチS2を備えている。各スイッチS1,S2 を選択操作することにより、所望する次亜塩素酸濃度の除菌水を生成可能とし、家庭内等で使用しやすくしている。Sは操作部であり、前記各スイッチS1,S2 の他に、運転入切スイッチS3、除菌水吐出スイッチS4、吐出停止スイッチS5等を備えている。また、S6はLED からなる運転状態を示すランプである。
【0040】
例えば、ソフト用スイッチS1で10分間の通電時間を設定すれば、30ppm の濃度となり、野菜洗い等に適した除菌水となり、また、ハード用スイッチS2で30分間の通電時間を設定すれば、90ppm の濃度となり、手洗いや俎等の洗浄に適するものとなる。なお、次亜塩素酸濃度は、200ppmまでであれば人体に悪影響を及ぼさないことが知られている。
【0041】
ポンプ装置5は、前記電極4と同様に、機能部本体1からタンク3内に伸延状態に配設されており、図2に示すように、機能部本体1の電装品収納空間10に配設したモータ50と、タンク3の底面近傍に設けた偏平なポンプ室52内に配設したインペラ53とを長尺の連結軸54で連結している。56は前記連結軸54を挿通し、端部に防水処理を施した保護筒である。さらに、前記ポンプ室52と機能部本体1に設けた除菌水吐出口12とを、前記連結軸54に並設してタンク3内に伸延する揚水路55により連通連結している。
【0042】
そして、機能部本体1に設けた操作部Sの除菌水吐出スイッチS4の操作によってモータ50を駆動し、生成した除菌水を、ポンプ室52→揚水路55→除菌水吐出口12と送給して、前記シャワー式ノズル13から吐水可能としている。このように、吐水をシャワー式としたことにより、少ない水量で効果的な洗浄が行える。
【0043】
水位検出手段6はリードスイッチを備えたフロート式としており、満水状態を検出する上側フロートスイッチ61と、空状態を検出する下側フロートスイッチ62とを、フロート軸63に浮沈自在に取付けて構成し、満水状態を検出しなければ電極4への通電が禁止されるようにしている。
【0044】
さらに、一度除菌水を生成した後は、前記上側フロートスイッチ61と、下側フロートスイッチ62がOFFとなり、かつその後、注水されて上側フロートスイッチ61がONとなった場合に、再度電極4へ通電可能となるように制御している。
【0045】
すなわち、所定濃度の除菌水を生成するためには所定水量と所定通電時間が必要であり、また、生成後は、これを全て使用するか、他へ移してタンク3内を空にし、再度満水状態にしなければ次の除菌水を生成することができないようにしている。したがって、所定濃度の除菌水を確実に得ることができるとともに、生成した除菌水の次亜塩素酸濃度を、中途で再度電解してその濃度を高めてしまうことを防止することができる。
【0046】
タンク3は、本実施例では7.5 リットルの容積を有し、平面視で機能部本体1から突出する膨出部30を形成し、同膨出部30の上部に注水口31を形成するとともに、これを蓋部32で開閉可能とし、さらに、注水口31の下方側壁にドレン33を設けている。このように、注水口31を膨出部30に設けたことにより、機能部本体1を装着した状態であってもタンク3内への注水が容易に行える。なお、図1中、34は覗き窓である。
【0047】
さらに、前記注水口31内には、添加物を収容し、同添加物をタンク3内の水溶液中に溶出させる添加物収容筒9を着脱自在に配設している。
【0048】
同添加物収容筒9は、側面に設けた多数の切欠部にメッシュ体90を張設した筒状体であり、所謂茶濾しの機能を有するもので、これに次亜塩素酸生成に必要な添加物を必要量収容して注水すれば、かかる添加物をタンク3内に溶出させて水中に均一に確実に溶解させることができる。
【0049】
例えば、次亜塩素酸を生成するには、水溶液中に塩化物が存在する必要があるので、食塩(塩化ナトリウム)を添加物収容筒9に収容して注水すれば、除菌水を生成するに十分な濃度の希薄食塩水を得ることができ、除菌水の生成を確実に行うことができる。なお、食塩は、水1リットルに対して1gが適量とされている。
【0050】
上記構成の除菌水生成器Aにおいて、本発明の要旨となるのは、水溶液を対流させるための対流生起手段を設けたことにあり、本実施例では、対流生起手段を、電極4を囲繞した下面開口の筒状カバー体15の周壁に形成した開口部としている。
【0051】
すなわち、機能部本体1からタンク3内に伸延させた前記電極4、ポンプ装置5、水位検出手段6とを下面開口の筒状カバー体15で囲繞し、同筒状カバー体15の周壁に開口部を形成したもので、かかる開口部は、周壁上部に設けた上部スリット群7aと、周壁下部に設けた下部スリット群7bとに分離形成し、電極4への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制してタンク3内の水溶液を対流させるようにしている。
【0052】
図4に筒状カバー体15の正面図を、図5に図4のI−I線における端面図を示している。
【0053】
図4に示すように、筒状カバー体15は、機能部本体1への取付用ネジ部15a を上端部に形成した筒状体であり、合成樹脂により成形され、下面には多数の小孔(図示せず)を設けるとともに、ポンプ室52(図2参照)と連通する連通孔(図示せず)を設けている。図5中、15b は前記取付用ネジ部15a を形成するために筒状カバー体15の高さ方向全体にわたって形成した溝部である。
【0054】
そして、図3〜図5に示すように、筒状カバー体15の周壁上部に多数のスリット70からなる上部スリット群7aを設けるとともに、周壁下部に多数のスリット71からなる下部スリット群7bを設け、両スリット群7a,7b 間には完全な壁体からなる中間胴部7cを形成している。
【0055】
また、図3に示すように、上部スリット群7aの下端は電極4の上端近傍に位置させており、電極4の長さに対応するように中間胴部7cを形成している。
【0056】
かかる構成によって、電極4への通電時に発生し上昇する気泡aの流れを規制し、矢印f1,f2 (図3)で示すように、タンク3内の水溶液を対流させることができる。
【0057】
すなわち、除菌水生成時に電極4から発生する気泡aが筒状カバー体15の内方から上部スリット群7aを介して外方へ流出する一方、筒状カバー体15の下面及び下部スリット群7bからは順次水溶液が内部へ流入することになって対流が生じ、結果的にタンク3内の水溶液が攪拌され、除菌水濃度を均一化できる。なお、本実施例では、上部スリット群7aを長尺部7a' と短尺部7a''とに分けているが、これは一体のスリットとしてもよい。
【0058】
さらに、本実施例では、図4に示すように、上部スリット群7aの長尺部7a' と短尺部7a''とを合わせた縦方向の開口領域L1を、下部スリット群7bの開口領域L2よりも少なくとも2倍以上長くしている。これは、実験的に決定したもので、かかる長さ関係とすることによって、上部スリット群7aからの気泡aの流出量と、下部スリット群7bからの水溶液の流入量とのバランスが良好となり、対流が円滑に生じて最も効果的に攪拌作用を生起させることができた。
【0059】
なお、下部スリット群7bを廃止して、上部スリット群7aのみを形成しても攪拌作用が生じ、除菌水濃度のばらつきをなくすことが可能である。
【0060】
要は、通電時、すなわち次亜塩素酸生成時に電極4から発生する気泡aの上昇力を利用して水溶液中に効果的な対流作用を生じさせるようにすればよく、本実施例では、筒状カバー体15の周壁中央部分を完全な壁面となす一方、周壁上部に上部スリット群7aを形成することで前記気泡aの流路を規制して対流作用を効果的に生起させている。
【0061】
なお、周壁中央部分を完全な壁面とはせずに、筒状カバー体15の略全長にかけてスリット群を形成し、その中央部分を別体の筒状体で覆うことで気泡aを筒状カバー体15の上部部分のみから流出するような構成としてもよい。
【0062】
このように、特別な装置などを付加する必要のない簡単な構成でありながら、効果的に水溶液の対流を生起させて攪拌し、除菌水濃度をタンク3内全体、特にタンク3上部と下部との均一化を図り、使用初めでも終盤でも略同一濃度の除菌水使用ができる。
【0063】
しかも、上記してきたように、本除菌水生成器Aはコンパクトで持ち運びができる取扱い良好なものであり、生成した除菌水は即座に使用することができる。
【0064】
さらには、機能部本体1をタンク3から分離したときに、筒状カバー体15によって電極4、ポンプ装置5、水位検出手段6が思わぬ外力により損傷することを防止している。
【0065】
ここで、本除菌水生成器Aを、一般家庭の台所等に設置して実際に除菌水を生成し、使用する場合について説明する。
【0066】
手洗い用の除菌水を生成する場合、前記添加物収容筒9に所定量、本実施例では7.5 グラムの食塩を収容し、注水口31より水道水、望ましくは純水を注入し、電源コード8をコンセントに接続するか、電池を装着し、運転入切りスイッチS3をONするとともに、ハード用スイッチS2をONする。
【0067】
電極4に通電されると、陽極側に次亜塩素酸が生成され、30分の間に約90ppm の次亜塩素酸濃度を有する除菌水が生成される。
【0068】
除菌水を使用する場合は、シャワー式ノズル13をシンクに臨ませて、除菌水吐出スイッチS4をONし、吐水される除菌水で手や俎の洗浄を行う。適当な殺菌・除菌能力を有する除菌水による洗浄によって、手や俎をいつも清潔に保つことができ、きわめて衛生効果が高い。
【0069】
また、料理等に際し、野菜を洗うために引き続き除菌水を用いる場合は、タンク3内の除菌水が全て使い切られていればよいが、そうではなく、一部残っている場合は、これを他の容器等に移してタンク3内を空にし、再度、所定量の食塩を添加物収容筒9に収容するとともに、タンク3が満水となるまで注水し、野菜洗いに適する30ppm の次亜塩素酸濃度を生成するソフト用スイッチS1をONし、改めて除菌水の生成を行うようにする。
【0070】
すなわち、本実施例では、前述したように、一度所定濃度の除菌水を生成すると、この濃度をいたずらに高めたりすることがないように、水位検出手段6を配設しており、同手段6の上・下側フロートスイッチ61,62 がOFFとなり(生成された除菌水が使用されてタンク3内が空となる)、かつその後、上側フロートスイッチ61がONとならなければ(再び注水されて満水状態となる)、再度電極4へ通電することができないからである。
【0071】
以上説明してきたように、本実施例に係る除菌水生成器Aは、コンパクトな構成で持ち運びが可能であり、所望する次亜塩素酸濃度の除菌水を、バッチ式に簡便に生成することができ、家庭内等での使用にきわめて有用である。
【0072】
しかも、除菌水濃度をタンク3内全体で、特にタンク3上部と下部とで均一化することができ、使用初めでも終盤でも略同一濃度の除菌水使用ができるので安心して用いることができる。
【0073】
次に、他の実施例に係る除菌水生成器Bを、図6を参照しながら説明する。
【0074】
なお、使用した符号は、先の実施例と同一構成要素については同一符号で示している。
【0075】
本実施例が先の実施例と異なるのは対流生起手段の構成にあり、他の構成は先の構成と同様なのでここでの説明は省略する。
【0076】
本実施例に係る対流生起手段は、機能部本体1内に駆動モータ75を設け、同モータ75に駆動軸76をタンク3内中途部まで伸延するように連設し、同駆動軸76の先端にスクリュー77を連結した構成としており、スクリュー77の回転により強制的に水溶液を対流させるようにしている。
【0077】
また、駆動モータ75への通電は電極4への通電と同期させており、前述したソフト用スイッチS1やハード用スイッチS2の操作に連動してスクリュー77を回転するようにしている。
【0078】
かかる構成により、除菌水が対流してタンク3内が攪拌されることになり、除菌水の濃度がタンク3内において全体的に均一となる。
【0079】
なお、スクリュー77の回転を、ポンプ装置5のモータ50とも連動させることができ、除菌水の生成時のみならず、除菌水を吐出する場合にもタンク3内で強制対流させるようにすることもできる。
【0080】
また、上記スクリュー式に代えて、例えば、超音波発生装置を設けてタンク3内の水溶液に強制対流を生起させるようにすることも考えられる。
【0081】
【発明の効果】
本発明は、以上説明してきたような形態で実施され、以下の効果を奏する。
【0082】
(1)請求項1記載の本発明では、塩化物を溶解した水溶液を貯留するタンクの上部に機能部本体を着脱自在に取付け、同機能部本体に、水溶液を電解するための電極と、水溶液を汲み上げるポンプ装置と、水溶液水位を検出する水位検出手段とをタンク内に伸延するように連設し、これらを下面開口の筒状カバー体で囲繞するとともに、同筒状カバー体の周壁に、水溶液に対流を生起させるための開口部を設けたので、生成された除菌水は対流して結果的に攪拌されることになり、除菌水濃度の均一化を図ることができ、かかる除菌水を即座に使用することが可能となる。しかも、水位検出手段を設けたことにより、例えばタンク内が満水時であることを検出した場合にのみ通電可能に制御することができ、水量が不足しているにもかかわらず通電して次亜塩素酸濃度を許容範囲以上に高めてしまうおそれを防止できる。
【0083】
(2)請求項2記載の本発明では、前記開口部を、筒状カバー体の周壁上部に設けたスリット群で形成し、同スリット群により、電極への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制してタンク内の水溶液を対流させるようにしたので、簡単な構成にもかかわらず、除菌水生成時に電極から発生する気泡がカバー体の内方からスリット群を介して外方へ流出する一方、カバー体下面からは順次水溶液が流入することになって対流を生じさせことができ、かか対流によってタンク内の水溶液を攪拌して濃度の均一化を容易になすことができる。また、機能部本体をタンクから取り外した場合、筒状カバー体の設けた開口部はスリット群となっているので、電極、ポンプ装置、水位検出手段を思わぬ外力から保護することができる。
【0084】
(3)請求項3記載の本発明では、開口部を、筒状カバー体の周壁上部に設けた上部スリット群と、周壁下部に設けた下部スリット群とに分離形成し、上部スリット群により、電極への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制するとともに、下部スリット群から水溶液を筒状カバー体内へ流入させて、タンク内の水溶液を対流させるようにしたので、水溶液のカバー体下方から内部への流入量を増加させて対流を円滑に生じさせて、攪拌効果をより高めることができる。
【0085】
(4)請求項4記載の本発明では、上部スリット群の縦方向の開口領域を、下部スリット群の開口領域よりも少なくとも2倍以上長くしたので、気泡の流出量と水溶液の流入量とのバランスが良好となり、対流が円滑に生じて最も効果的な攪拌作用を生起させ、速やかに除菌水濃度の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る除菌水生成器の分解斜視図である。
【図2】同除菌水生成器の縦断面視による説明図である。
【図3】同除菌水生成器の一部を切欠した背面図である。
【図4】筒状カバー体の正面図である。
【図5】図4のI−I線における端面図である。
【図6】他の実施例に係る除菌水生成器の説明図である。
【符号の説明】
A 除菌水生成器
1 機能部本体
3 タンク
4 電極
5 ポンプ装置
6 水位検出手段
7a 上部スリット群(対流生起手段)
7b 下部スリット群

Claims (4)

  1. 塩化物を溶解した水溶液を貯留するタンク (3) の上部に機能部本体 (1) を着脱自在に取付け、同機能部本体 (1) に、水溶液を電解するための電極 (4) と、水溶液を汲み上げるポンプ装置 (5) と、水溶液水位を検出する水位検出手段 (6) とをタンク (3) 内に伸延するように連設し、これらを下面開口の筒状カバー体 (15) で囲繞するとともに、同筒状カバー体 (15) の周壁に、水溶液に対流を生起させるための開口部を設けたことを特徴とする除菌水生成器。
  2. 開口部を、筒状カバー体 (15) の周壁上部に設けたスリット群 (7a) で形成し、同スリット群 (7a) により、電極 (4) への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制してタンク (3) 内の水溶液を対流させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の除菌水生成器。
  3. 開口部を、筒状カバー体 (15) の周壁上部に設けた上部スリット群 (7a) と、周壁下部に設けた下部スリット群 (7b) とに分離形成し、上部スリット群 (7a) により、電極 (4) への通電時に発生し上昇する気泡の流れを規制するとともに、下部スリット群 (7b) から水溶液を筒状カバー体 (15) 内へ流入させて、タンク (3) 内の水溶液を対流させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の除菌水生成器。
  4. 上部スリット群 (7a) の縦方向の開口領域 (L1) を、下部スリット群 (7b) の開口領域 (L2) よりも少なくとも2倍以上長くしたことを特徴とする請求項3記載の除菌水生成器。
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