JP3800917B2 - モータ制御装置および記憶媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばラインプリンタなどにおける紙送り用のモータの制御に適したモータ制御装置、およびそのモータ制御装置を動作させるための実行プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にラインプリンタに用いられる紙送り用のモータは、一定の移動量で精度良く紙送りする観点からステッピングモータが主流を占める。一方、ラインプリンタに属するインクジェットプリンタなどでは、キャリッジヘッド移動用のモータとして直流(Direct Current)モータ(以下、略して「DCモータ」と言う。)を採用したものが多い。
【0003】
これらのモータは、それぞれ一長一短を有するために各動作態様に応じて適用されるが、紙送り用のステッピングモータは動作音が大きいことから、動作音の静かなDCモータを紙送り用モータに採用したラインプリンタもある。このDCモータを紙送り用とした場合、モータ制御装置は、ステッピングモータの場合と同じく一定の紙送りを行うために、精度良くモータ速度を制御する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、DCモータのモータ速度を制御しながら紙送りする場合について考えてみると、加速時や定速時のモータ速度制御についてはそれほど困難でもないが、モータ速度を減速させる際、一定の紙送り量をもって常に正確な位置(時点)でモータを停止させなければならず、この点、モータ速度の減速制御が最も重要なポイントとされる。従来のDCモータ用のモータ制御装置は、ロータリエンコーダからのエンコーダ信号を用いてフィードバック制御を行いつつ、理想的な減速曲線と極力一致するように、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によってモータを減速させていた。
【0005】
ところが、上記従来のモータ速度を減速させる手法では、減速が過大になった場合、ロータリエンコーダからのエンコーダ信号のエッジが長時間出現せず、その間はPWM制御による速度変更がなされないので、モータが停止してしまうことがあった。すなわち、目標停止位置に達する以前にモータが急に停止してしまうこともあり、モータ速度の減速制御としては問題を有するものであった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて提案されたものであって、モータ速度の減速に際して精度良くスムーズにモータを停止させることができるモータ制御装置、およびモータ制御装置を動作させるための実行プログラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明のモータ制御装置は、モータの回転速度を段階的に減少させて当該モータを目標停止位置に停止させるモータ制御装置であって、上記モータの回転位置を所定のピッチで検出する回転位置検出手段と、上記回転位置検出手段により上記モータの回転位置が検出される毎に、上記モータの回転速度を段階的に減少させる第1の速度制御手段と、上記回転位置検出手段により上記モータの回転位置が検出される前に前回の回転位置の検出時点から予め設定された所定の時間が経過したか否かを判断する判断手段と、上記判断手段により上記所定の時間が経過したと判断されると、上記モータの回転速度を上昇させる第2の速度制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
このようなモータ制御装置によれば、モータの回転速度を段階的に減速中、その回転速度が失速するような過大な減速状態が発生しても、減速し過ぎと判断される場合にはモータの回転速度を上昇させるので、モータの回転速度の減速に際して目標停止位置に達する以前にモータが急に停止するようなことはなく、精度良くスムーズにモータを停止させることができる。
【0009】
また、請求項2に記載した発明のモータ制御装置は、請求項1に記載のモータ制御装置であって、上記回転位置検出手段は、上記モータの回転軸に設けられたエンコーダからなり、上記第1の速度制御手段は、上記エンコーダからパルス信号が出力される毎に、上記モータの回転速度を段階的に減少させるものであり、上記判断手段は、上記エンコーダからパルス信号が出力される前に前回パルス信号が出力された時点から上記所定の時間が経過したか否かを判断するものである
【0010】
このようなモータ制御装置によれば、請求項1に記載のモータ制御装置による効果に加えて、エンコーダから出力されるパルス信号の間隔が所定の時間以上に長大化して必要以上に間延びする場合には、減速中にあるモータの回転速度を極めてわずかに加速することができる。つまり、目標停止位置手前の時点で回転速度が必要以上に落ち込んだ状態であっても、目標停止位置に到達できるように減速から一転して回転速度を加速することができる。
【0011】
さらに、請求項3に記載した発明のモータ制御装置は、請求項2に記載のモータ制御装置であって、上記判断手段は、上記エンコーダからパルス信号が出力される毎に計時を開始する計時手段と、上記エンコーダから次のパルス信号が出力される前に上記計時手段により上記所定の時間が計時されると、タイムオーバの判断結果を出力する出力手段とからなり、上記第2の速度制御手段は、上記判断手段によりタイムオーバの判断結果が出力されると、上記モータの回転速度を上昇させる
【0012】
このようなモータ制御装置によれば、請求項2に記載のモータ制御装置による効果に加えて、減速中においてパルス信号の間隔が長大となって減速し過ぎとなっても、計時手段より所定の時間が計時されたとき、モータの回転速度を上昇させるので、目標停止位置に到達するまでに回転速度の過度に低い状態が長らく続き過ぎて停止に至る事態を回避することができる。
【0013】
また、請求項4に記載した発明のモータ制御装置は、請求項3に記載のモータ制御装置であって、上記判断手段は、上記回転位置検出手段により検出される上記モータの回転位置の時間間隔が、当該モータが停止間際とされる所定の時間間隔以上になった時点から上記計時手段の計時動作を開始させる
【0014】
このようなモータ制御装置によれば、請求項3に記載のモータ制御装置による効果に加えて、モータの回転速度がほとんど停止間際とされた極めて低速動作による終盤となっても、そのような回転速度の過度に低い低速の状態が長らく続き過ぎて目標停止位置手で停止することがないように、モータの回転速度を微調整することができる。
【0015】
さらに、請求項5に記載した発明のモータ制御装置は、請求項3または請求項4に記載のモータ制御装置であって、上記計時手段は、上記エンコーダから次のパルス信号が出力されるまで上記所定の時間が計時される毎にリセットされて当該所定の時間の計時動作を繰り返す一方、上記出力手段は、上記所定の時間が計時される毎に上記タイムオーバの判断結果を出力し、上記第2の速度制御手段は、上記出力手段から上記タイムオーバの判断結果が連続して出力される毎に、上記モータの回転速度を段階的に上昇させる
【0016】
このようなモータ制御装置によれば、請求項3または請求項4に記載のモータ制御装置による効果に加えて、モータの回転速度の低速状態が長らく続き過ぎて目標停止位置手で停止することがないように、所定の時間の計時回数に応じて適度にモータの回転速度を上昇させることができる。
【0017】
また、請求項6に記載した発明の記憶媒体は、コンピュータを、モータを目標停止位置 に停止させるために、当該モータの回転軸に設けられたエンコーダからパルス信号が出力される毎に当該モータの回転速度を段階的に減少させる第1の速度制御手段と、上記エンコーダからパルス信号が出力される前に前回パルス信号が出力された時点から予め設定された所定の時間が経過したか否かを判断する判断手段と、上記判断手段により上記所定の時間が経過したと判断されると、上記モータの回転速度を上昇させる第2の速度制御手段として機能させるためのプログラムが記録されたことを特徴とする。
【0018】
このような記憶媒体によれば、記憶された実行プログラムに基づいていわゆるマイコンなどのCPUを動作させることにより、請求項1に記載のモータ制御装置の動作を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るモータ制御装置の一実施形態としてその回路構成を示したブロック図である。なお、このモータ制御装置は、紙送り用のDCモータMを速度制御するものとして、ファクシミリ装置などにおけるラインプリンタに設けられたものである。
【0021】
図1に示すように、モータ制御装置は、CPU1、ROM2、RAM3、EEPROM4、DMAC5、インターフェース6、エンコーダ10、エンコーダ処理部11、加減速制御部12、駆動制御部20、H型ブリッジ回路30、および駆動用直流電源Eなどを具備して概略構成されている。CPU1、ROM2、RAM3、EEPROM4、DMAC5、およびインターフェース6は、いわゆるマイコンの中核機能をなす部分であって、互いにバス線を介して接続されている。バス線には、アドレスバス、データバス、および制御信号線が含まれる。インターフェース6には、エンコーダ処理部11、加減速制御部12、および駆動制御部20が接続されている。エンコーダ処理部11には、エンコーダ10が接続されており、駆動制御部20には、H型ブリッジ回路30が接続されている。H型ブリッジ回路30には、制御対象としてのDC(直流)モータMが接続されている。
【0022】
CPU1は、このモータ制御装置全体の動作を制御する。特に、CPU1の主要な機能としては、後述するようにパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)方式によりモータMを駆動させる信号(以下、「PWM駆動信号」と言う。)を生成する演算処理機能が挙げられる。ROM2は、CPU1の実行プログラムなどを記憶している。RAM3は、CPU1の作業領域やデータ展開領域などに用いられる。EEPROM4は、各種のフラグやデータなどを記憶する。DMAC5は、CPU1に代わってRAM3とインターフェース6などとの間でデータを直接交換させる。インターフェース6は、バス線に直接つなげられない各部の入出力接点として機能する。なお、詳細については後述するが、インターフェース6にはタイマ回路(図示省略)が内蔵されており、このタイマ回路でカウントされる時間(タイマ値)を参照しつつCPU1が所定の制御を行う。
【0023】
エンコーダ10は、たとえばロータリ光学方式などで主としてDCモータMの回転数(モータ速度)を検出し、その回転数に応じたエンコーダ信号を生成する。エンコーダ処理部11は、エンコーダ10から出力されたエンコーダ信号に基づいて種々の必要な信号を作成する。加減速制御部12は、加速から定速、あるいは定速から減速へと変化する変速点を指示する。駆動制御部20は、PWM駆動信号のレベルに応じた適当なモータ駆動信号を生成してH型ブリッジ回路30に出力することにより、H型ブリッジ回路30の動作を直接制御する。つまり、PWM駆動信号のレベルに応じてモータ駆動信号のデューティー比が決定され、モータがPWM制御される。
【0024】
H型ブリッジ回路30は、DCモータMを高速にスイッチング動作させるために設けられ、DCモータMを中央に橋絡させた形態で、その橋絡線の両端上下に総計4個のトランジスタTr1〜Tr4を接続配置して構成される。具体的に一例として図示するH型ブリッジ回路30では、回路全体の上側に直流電源Eの正極端を位置させる一方、その下側に負極端を位置させる。上側正極端と橋絡線両端のそれぞれとを結ぶ各接続線上には、ダイオードDを並列に接続してPNP型のトランジスタTr1,Tr2が接続される一方、下側負極端と橋絡線両端のそれぞれとを結ぶ各接続線上には、同じくダイオードDを並列に接続してNPN型のトランジスタTr3,Tr4が接続されている。各トランジスタTr1〜Tr4は、駆動制御部20からのモータ駆動信号に応じて個別にオン/オフ動作を行う。モータMが加速や定速運転する際には、互いに斜めに位置する一対のトランジスタ(Tr1とTr4またはTr2とTr3)のみがオン状態とされる。たとえば、Tr1とTr4のトランジスタのみがオン状態の際には、これらのトランジスタTr1,Tr4を経由する電流経路が形成されてモータMが正転する。逆に、Tr2とTr3のトランジスタのみがオン状態の場合には、モータMが逆転することとなる。なお、本実施形態では、DCモータMを紙送り用のモータとして用いることから一定方向にのみ回転させるものとし、加速や定速運転の際には、符号がTr1とTr4のトランジスタのみがオン状態とされるものとする。
【0025】
要点について簡潔に言うと、本発明は、モータ速度の減速制御に特徴を有するのであって、特にモータ速度がほとんど停止間際とされた極めて低速な状態が続く最中、モータ速度が下がり過ぎて目標停止位置の手前で停止に至るといった事態を防ぐものである。モータ速度を減速させる際、CPU1は、エンコーダ信号を用いたフィードバック制御によりパルス幅変調方式に基づいてモータMを制御する。すなわちCPU1は、エンコーダ信号に基づいてPWM駆動信号を生成するとともに、このPWM駆動信号のレベルに応じたデューティー比のモータ駆動信号を生成し、このモータ駆動信号によって各トランジスタTr1〜Tr4を高速にオン/オフ動作させ、H型ブリッジ回路30を介してDCモータMを動作させる。各トランジスタTr1〜Tr4をスイッチング動作させるためのモータ駆動信号は、PWM駆動信号のレベルに応じてデューティー比を可変させることで生成されるものであり、そのパルス幅に応じてモータ速度が決定される。モータ速度は、減速されるにつれ次第に低速となるが、この際、エンコーダ信号のパルス幅が間延びした状態が一定時間以上にわたって続くと、それに応じてモータ速度が目標停止位置手前で失速するおそれがある。そのためにCPU1は、タイマ回路によりカウントとされるタイマ値を参照しつつ、エンコーダ信号のパルス幅があまりにも長い場合には、減速中にあるモータ速度を一転させて微増させるのである。
【0026】
図2および図3は、減速時における各種信号レベルなどを示したタイムチャートであって、図2は減速途中の中間段階、図3は、同じく終期的段階を示したものである。これらの図に基づいて説明すると、PWM駆動信号は、エンコーダ信号(enc1)の立ち下がりエッジごとを区切りとしてステップ状に生成され、このPWM駆動信号によれば、エンコーダ信号の1周期(図中の一点鎖線で示す間隔)ごとにモータ速度が減少される。図2を参照すると、減速途中の中間段階においては、次第にモータ速度が減速することでエンコーダ信号のパルス幅が長大化し、そのような状態に際してタイマ回路によるタイマ値がカウントされる。タイマ値は、原則としてエンコーダ信号のパルス幅の終端ごとに、つまりエンコーダ信号(enc1)の立ち下がりエッジごとにリセットされる。このような動作中においてCPU1は、各パルス幅の終端を検出するまでの間にタイマ値が一定の値(破線)を超えてタイムオーバとなった場合、例外的にモータ速度を微増させるべくPWM駆動信号のレベルをステップアップさせる。これにより、エンコーダ信号のパルス幅が間延びしてモータ速度が失速しやすい状況になったとしても、若干の速度アップが図られることから完全に停止に至ることなく、目標停止位置までモータ速度を持続させることができるのである。
【0027】
一方、減速途中の終期的段階においては、図3に示すように、エンコーダ信号のパルス幅がさらに間延びすることにより、モータ速度の失速しやすい状況となる。そのような状況においても、タイマ値が一定の値を超えてタイムオーバが繰り返し連続する結果、CPU1は、タイムオーバの連続した回数分だけ累積加算式にPWM駆動信号のレベルをステップアップさせる。これにより、モータ駆動信号のデューティー比が増加することから、目標停止位置の直前などでもモータMが完全に停止することなく、目標停止位置までモータ速度を持続させることができるのである。
【0028】
すなわち、CPU1は、フィードバック情報(パルス波信号)に基づいてモータ速度を減速中、そのフィードバック情報が所定の条件を満たさない場合、減速し過ぎと判断してモータ速度を微増させる速度調整手段を実現している。また、ROM2は、モータからのフィードバック情報に基づいてモータ速度を制御するモータ制御装置を動作させるための実行プログラムを記憶した記憶媒体であって、上記フィードバック情報に基づいてモータ速度を減速中、そのフィードバック情報が所定の条件を満たさない場合、減速し過ぎと判断してモータ速度を微増させるための速度調整プログラムを上記実行プログラム中に含む記憶媒体を実現している。
【0029】
次に、モータ制御装置によるモータ速度減速時の動作について、図面を参照して説明する。
【0030】
図4は、モータ速度を減速させる際の減速処理手順を示したフローチャート、図5は、モータ速度曲線の一例を説明するために示した説明図である。なお、この減速処理を開始する直前の状態においては、モータMの速度が一定の状態にある。
【0031】
図2ないし図5を参照しつつ特に図4のフローチャートを中心に説明すると、まず、CPU1は、加減速制御部12からの指示に応じてモータ速度を定速から減速へと変更するか否かを判断する(S1)。
【0032】
減速処理に移る場合(S1:YES)、CPU1は、現時点でエンコーダ処理部11より出力されたエンコーダ信号を取得する(S2)。このエンコーダ信号は、先述したように、エンコーダ10から出力された信号(enc1,enc2)に基づいて、エンコーダ処理部11により生成されるものである。
【0033】
現時点でエンコーダ信号を取得したCPU1は、そのエンコーダ信号のパルス幅に応じたレベルのPWM駆動信号を生成する(S3)。そして、このPWM駆動信号のレベルに応じたデューティー比のモータ駆動信号がH型ブリッジ回路30に入力され、H型ブリッジ回路30がスイッチング動作することによってモータMが定速から減速状態に移行するのである。
【0034】
以上のようにして減速動作中、CPU1は、タイマ回路を駆使してタイマ値をカウントする(S4)。このタイマ値のカウント動作は、後述するようにリセットされる場合を除いてモータMが停止するまで続けられる。なお、タイマ値のカウント動作は、モータ速度が所定のレベルに低下するまでは開始されることなく、モータ速度が十分減速した状態で失速のおそれのある減速途中の中間時点などから始めても良い。その際には、エンコーダ信号に基づいて決定されるモータ速度などを基準に開始時点を判断すれば良い。
【0035】
タイマ値のカウント動作を続ける状態において、CPU1は、タイマ値があらかじめ定めた上限基準値(図2および図3に示す破線)に達したか否かでタイムオーバを判断する(S5)。
【0036】
タイムオーバと判断されない場合(S5:NO)、CPU1は、続いてエンコーダ信号のパルス幅の終端を検出したか否かを判断する(S6)。
【0037】
エンコーダ信号のパルス幅終端を検出した場合(S6:YES)、CPU1は、この時点でモータ速度がわずかながらも低下したと判断し、タイマ回路にタイマ値をリセットさせ、その直後、再びタイマ値のカウント動作を開始する(S7)。このカウント動作の開始時点は、図2および図3において一点鎖線で下向きの矢印により示される時点に相当する。
【0038】
さらに、CPU1は、タイマ値のカウント動作開始とともに、エンコーダ信号のパルス幅に応じてPWM駆動信号をステップダウンさせる(S8)。このPWM駆動信号が時間の経過につれてステップダウンしていくことにより、モータ速度が次第に低下して減速されるのである。
【0039】
以上の処理を一通り終えた一定のサイクルごとにCPU1は、たとえばエンコーダ信号の累積パルス数などを参照することで、目標停止位置(時点)に到達したか否かを判断する(S9)。
【0040】
目標停止位置に達した場合(S9:YES)、CPU1は、モータ駆動信号の出力を停止することでモータMを停止させ、この減速処理を終了する。なお、減速処理終了後は、記録のためにごく短い時間にわたってモータMの停止した状態が続けられる。その後、モータMは、紙送りのために加速を始めて定速運転に移った後、再び適当な時点で減速処理が行われることとなる。
【0041】
S9において、目標停止位置に達したと判断されない場合(S9:NO)、CPU1は、S5に戻る。
【0042】
S6において、エンコーダ信号のパルス幅終端を検出しない場合(S6:NO)、CPU1は、繰り返し一定のサイクルでタイムオーバの判断を行うべくS5に戻る。
【0043】
S5において、タイムオーバしてしまった場合(S5:YES)、CPU1は、S7と同様にタイマ値のリセットおよびカウント動作を行うが(S11)、その際、PWM駆動信号をステップアップさせる(S12)。ここで、S11におけるカウント動作の開始時点は、図2および図3において一点鎖線で上向きの矢印により示される時点に相当する。つまり、エンコーダ信号のパルス幅が理想よりも長大になってしまった場合、その時点でモータ速度の過度に低い状態が長らく続き過ぎと判断され、わずかにモータ速度が微増させられるのである。これにより、目標停止位置に達する以前にモータMが失速して停止してしまう事態が回避されることとなる。
【0044】
また、図3に示すように、モータMを停止させるべき目標停止位置の直前では、図4のフローチャートに示すS5,S11,S12,S9の動作が繰り返し連続して行われる場合もあるが、その際、タイムオーバの連続した回数分だけ累積加算式にPWM駆動信号がステップアップされる。これにより、モータMが極めて低速で失速しやすい状態でも、図5に破線で示すように、モータ速度の理想曲線より下落した減速状態が生じることもなく、目標停止位置へと確実に到達させることができる。
【0045】
S1において、加減速制御部12から何ら指示がない場合(S1:NO)、CPU1は、この減速処理を実行することなくその他の制御動作を行い、モータMの加速や定速動作などが行われる。
【0046】
したがって、上記構成、動作を有するモータ制御装置によれば、モータ速度を減速中、モータMの回転速度を検出するエンコーダ10からのエンコーダ信号に基づいて、モータ速度があまりにも低下し過ぎて目標停止位置に達する前に失速すると判断される場合には、モータ速度が減速から一転して微増するので、目標停止位置に達する以前にモータMが急に停止するようなことはなく、精度良くスムーズにモータMを停止させることができる。
【0047】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0048】
たとえば、スイッチング回路としてのH型ブリッジ回路30は、トランジスタTr1〜Tr4で構成されるものでなく、サイリスタなどの他のスイッチング素子で構成しても良い。
【0049】
モータ制御装置全体の動作は、CPU1を中核とするマイクロコンピュータによりマイクロプログラム方式で制御されるとしたが、ワイヤードロジックで構成されたハードウエア回路によって制御されるものとしても良い。
【0050】
モータMの回転数を検出するロータリエンコーダ10は、光学式に限られず電気接点式などでも良く、モータ速度を電気的な検出信号として出力できるものであれば、エンコーダに限ることなくその他のデバイスであっても良い。
【0051】
モータ制御装置は、ラインプリンタに限らずファクシミリ装置やコピー機、あるいはイメージスキャナなどにも適用することができ、もちろんその用途を紙送りに現定することなく、その他各種の用途に対応させることができる。
【0052】
その他、上記した本発明の特徴以外に係る構成、動作については、本発明の作用効果を損なわない限りにおいて適宜設計変更できるものである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明のモータ制御装置によれば、モータの回転速度を減速中、その回転速度が失速するような過大な減速状態が発生しても、減速し過ぎと判断される場合にはモータの回転速度を上昇させるので、モータの回転速度の減速に際して目標停止位置に達する以前にモータが急に停止するようなことはなく、精度良くスムーズにモータを停止させることができる。
【0054】
また、請求項2に記載した発明のモータ制御装置によれば、請求項1に記載のモータ制御装置による効果に加えて、エンコーダから出力されるパルス信号の間隔が所定の時間以上に長大化して必要以上に間延びする場合には、減速中にあるモータの回転速度を極めてわずかに加速することができる。つまり、目標停止位置手前の時点で回転速度が必要以上に落ち込んだ状態であっても、目標停止位置に到達できるように減速から一転して回転速度を加速することができる。
【0055】
さらに、請求項3に記載した発明のモータ制御装置によれば、請求項2に記載のモータ制御装置による効果に加えて、減速中においてパルス信号の間隔が長大となって減速し過ぎとなっても、計時手段より所定の時間が計時されたとき、モータの回転速度を上昇させるので、目標停止位置に到達するまでに回転速度の過度に低い状態が長らく続き過ぎて停止に至る事態を回避することができる。
【0056】
また、請求項4に記載した発明のモータ制御装置によれば、請求項3に記載のモータ制御装置による効果に加えて、モータの回転速度がほとんど停止間際とされた極めて低速動作による終盤となっても、そのような回転速度の過度に低い低速の状態が長らく続き過ぎて目標停止位置手で停止することがないように、モータの回転速度を微調整することができる。
【0057】
さらに、請求項5に記載した発明のモータ制御装置によれば、請求項3または請求項4に記載のモータ制御装置による効果に加えて、モータの回転速度の低速状態が長らく続き過ぎて目標停止位置手で停止することがないように、所定の時間の計時回数に応じて適度にモータの回転速度を上昇させることができる。
【0058】
また、請求項6に記載した発明の記憶媒体によれば、記憶された実行プログラムに基づいていわゆるマイコンなどのCPUを動作させることにより、請求項1に記載のモータ制御装置の動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るモータ制御装置の一実施形態としてその回路構成を示したブロック図である。
【図2】 減速時における各種信号レベルなどを示したタイムチャートである。
【図3】 減速時における各種信号レベルなどを示したタイムチャートである。
【図4】 モータ速度を減速させる際の減速処理手順を示したフローチャートである。
【図5】 モータ速度曲線の一例を説明するために示した説明図である。
【符号の説明】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 EEPROM
5 DMAC
6 インターフェース
10 エンコーダ
11 エンコーダ処理部
12 加減速制御部
20 駆動制御部
30 H型ブリッジ回路
M DC(直流)モータ

Claims (6)

  1. モータの回転速度を段階的に減少させて当該モータを目標停止位置に停止させるモータ制御装置であって、
    上記モータの回転位置を所定のピッチで検出する回転位置検出手段と、
    上記回転位置検出手段により上記モータの回転位置が検出される毎に、上記モータの回転速度を段階的に減少させる第1の速度制御手段と、
    上記回転位置検出手段により上記モータの回転位置が検出される前に前回の回転位置の検出時点から予め設定された所定の時間が経過したか否かを判断する判断手段と、
    上記判断手段により上記所定の時間が経過したと判断されると、上記モータの回転速度を上昇させる第2の速度制御手段と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 上記回転位置検出手段は、上記モータの回転軸に設けられたエンコーダからなり、
    上記第1の速度制御手段は、上記エンコーダからパルス信号が出力される毎に、上記モータの回転速度を段階的に減少させるものであり、
    上記判断手段は、上記エンコーダからパルス信号が出力される前に前回パルス信号が出力された時点から上記所定の時間が経過したか否かを判断するものである、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 上記判断手段は、上記エンコーダからパルス信号が出力される毎に計時を開始する計時手段と、上記エンコーダから次のパルス信号が出力される前に上記計時手段により上記所定の時間が計時されると、タイムオーバの判断結果を出力する出力手段とからなり、
    上記第2の速度制御手段は、上記判断手段によりタイムオーバの判断結果が出力されると、上記モータの回転速度を上昇させる、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 上記判断手段は、上記回転位置検出手段により検出される上記モータの回転位置の時間間隔が、当該モータが停止間際とされる所定の時間間隔以上になった時点から上記計時手段の計時動作を開始させる、請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 上記計時手段は、上記エンコーダから次のパルス信号が出力されるまで上記所定の時間が計時される毎にリセットされて当該所定の時間の計時動作を繰り返す一方、上記出力手段は、上記所定の時間が計時される毎に上記タイムオーバの判断結果を出力し、
    上記第2の速度制御手段は、上記出力手段から上記タイムオーバの判断結果が連続して出力される毎に、上記モータの回転速度を段階的に上昇させる、請求項3または請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. コンピュータを、
    モータを目標停止位置に停止させるために、当該モータの回転軸に設けられたエンコーダからパルス信号が出力される毎に当該モータの回転速度を段階的に減少させる第1の速度制御手段と、
    上記エンコーダからパルス信号が出力される前に前回パルス信号が出力された時点から予め設定された所定の時間が経過したか否かを判断する判断手段と、
    上記判断手段により上記所定の時間が経過したと判断されると、上記モータの回転速度を上昇させる第2の速度制御手段と、
    して機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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