JP3800532B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの通電相を順次切り換えることでロータを目標位置まで回転駆動するモータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、構造が簡単で安価なモータとして需要が増加しているスイッチトリラクタンスモータ等のブラシレス型のモータは、ロータの回転に同期してパルス信号を出力するエンコーダを搭載し、このエンコーダの出力信号をカウントして、そのエンコーダカウント値に基づいてロータの回転位置を検出して通電相を順次切り換えることでロータを回転駆動するようにしたものがある。このようなエンコーダ付きのモータは、起動後のエンコーダカウント値に基づいてロータの回転位置を検出することができるため、フィードバック制御系(閉ループ制御系)によりロータを目標位置まで回転させる位置切換制御(位置決め制御)を行う各種の位置切換装置の駆動源として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなエンコーダ付きのモータで、エンコーダカウント値に基づいてロータの回転位置を検出して目標位置まで回転駆動する際に、通電相の切り換えは、エンコーダカウント値に基づいて決定される。この際、ロータを回転駆動するトルクを発生させるためには、ロータの回転位相に対して通電相の位相を進める必要がある。
【0004】
駆動開始後に、ロータの回転速度が上昇するのに伴って、エンコーダカウント値の変化速度が速くなって、通電相の切り換えタイミングが速くなるが、通電相の巻線に通電を開始してから実際にトルクが発生するまでに、巻線のインダクタンス分の遅れが生じるため、ロータの回転速度が速くなると、通電相の巻線に通電を開始してから実際にトルクを発生するまでの間に、ロータがかなりの角度回転して、実際のロータの回転位相に対して通電相のトルク発生タイミングが遅れた状態となる。このような状態になると、駆動トルクが低下してロータの回転速度が抑えられてしまい、位置切換速度の高速化(ロータの回転速度の高速化)の要求を満たすことができない。
【0005】
この対策として、予め、通電相の位相進み量を大きく設定しておくことが考えられるが、駆動開始時(起動時)に、通電相の位相進み量が大きいと、起動トルクが小さくなってモータの起動が不安定になったり、起動に失敗するおそれがある。
【0006】
また、予め、通電相の位相進み量を大きく設定してロータの回転速度を高速化すると、駆動終了時にロータが慣性により目標位置を越えてオーバーシュートしやすくなり、ロータを正確に目標位置で停止させることが難しくなる。
【0007】
また、位置切換制御の安定性を向上させるために、駆動開始時、駆動終了時、目標位置変更時(回転方向反転時)の各位置で、ロータを一時的に停止保持するように通電相を選択して通電することが考えられるが、この停止保持を保持トルクの小さい1相通電で行うと、ロータが振動してしまい、ロータを各位置で完全に停止させることができない。
【0008】
本発明はこれらの事情を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、起動性能と高速性能とを両立させると共に、停止性能(減速性能)も向上させることである
【0009】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するために、本発明の請求項1のモータ制御装置は、エンコーダカウント値に基づいてモータの通電相を順次切り換えてロータを目標位置まで回転駆動する際に、ロータの回転速度に応じて該ロータの回転位相に対する通電相の位相進み量を補正する第1の補正手段と、前記ロータの回転速度を減速させる必要が生じたときに前記通電相の位相進み量を小さくする方向に補正する第2の補正手段とを有することを特徴とするものである。この構成では、駆動開始時に、通電相の位相進み量を小さくするように補正すれば、起動トルクを大きくすることができ、ロータの回転速度を素早く立ち上げることができる。そして、ロータの回転速度が上昇するのに伴って、通電相の位相進み量を大きくするように補正すれば、高速回転時でも、通電相のトルク発生タイミングと実際のロータの回転位相との同期関係を維持することができ、ロータを高速で安定して回転させることができる。これにより、起動性能と高速性能とを両立させることができる。
【0010】
更に、請求項1に係る発明では、ロータの回転速度を減速させる必要が生じたときに(例えばロータが目標位置に近付いたときに)、通電相の位相進み量を小さくする方向に補正する第2の補正手段を備えている。例えば、高速回転時に、減速したい場合は、通電相の位相進み量を小さくする方向に補正すれば、実際のロータの回転位相に対して通電相のトルク発生タイミングが遅れた状態となり、それによって、駆動トルクを低下させたり、或は、ロータの回転方向と反対方向のトルク(制動トルク)を発生させることができ、ロータの回転速度を確実に減速させることができる。
【0017】
また、請求項のように、モータとしてスイッチトリラクタンスモータを使用するようにしても良い。スイッチトリラクタンスモータは、永久磁石が不要で構造が簡単であるため、安価であり、温度環境等に対する耐久性・信頼性も高いという利点がある。
【0018】
以上説明した請求項1,2に係る発明は、スイッチトリラクタンスモータ等のブラシレス型のモータを駆動源とする各種の位置切換装置に適用でき、例えば、請求項のように、車両の自動変速機のレンジを切り換えるレンジ切換機構を駆動するモータの制御装置に適用しても良い。これにより、信頼性の高いモータ駆動式のレンジ切換装置を構成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両のレンジ切換装置に適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
まず、図1に基づいてレンジ切換機構11の構成を説明する。レンジ切換機構11の駆動源となるモータ12は、例えばスイッチトリラクタンスモータにより構成され、減速機構26(図4参照)を内蔵し、その出力軸13の回転位置を検出する出力軸センサ14が設けられている。この出力軸13には、ディテントレバー15が固定されている。
【0021】
また、ディテントレバー15にはL字形のパーキングロッド18が固定され、このパーキングロッド18の先端部に設けられた円錐体19がロックレバー21に当接している。このロックレバー21は、円錐体19の位置に応じて軸22を中心にして上下動してパーキングギヤ20をロック/ロック解除するようになっている。パーキングギヤ20は、自動変速機27の出力軸に設けられ、このパーキングギヤ20がロックレバー21によってロックされると、車両の駆動輪が回り止めされた状態(パーキング状態)に保持される。
【0022】
一方、ディテントレバー15をパーキングレンジ(以下「Pレンジ」と表記する)と他のレンジ(以下「NotPレンジ」と表記する)に保持するためのディテントバネ23が支持ベース17に固定され、このディテントバネ23の先端に設けられた係合部23aがディテントレバー15のPレンジ保持凹部24に嵌まり込んだときに、ディテントレバー15がPレンジの位置に保持され、該ディテントバネ23の係合部23aがディテントレバー15のNotPレンジ保持凹部25に嵌まり込んだときに、ディテントレバー15がNotPレンジの位置に保持されるようになっている。
【0023】
Pレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21に接近する方向に移動して、円錐体19の太い部分がロックレバー21を押し上げてロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20に嵌まり込んでパーキングギヤ20をロックした状態となり、それによって、自動変速機27の出力軸(駆動輪)がロックされた状態(パーキング状態)に保持される。
【0024】
一方、NotPレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21から離れる方向に移動して、円錐体19の太い部分がロックレバー21から抜け出てロックレバー21が下降し、それによって、ロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20から外れてパーキングギヤ20のロックが解除され、自動変速機27の出力軸が回転可能な状態(走行可能な状態)に保持される。
【0025】
尚、前述した出力軸センサ14は、モータ12の減速機構26の出力軸13の回転角度に応じた電圧を出力する回転センサ(例えばポテンショメータ)によって構成され、その出力電圧によって現在のレンジがPレンジとNotPレンジのいずれであるかを確認できるようになっている。
【0026】
次に、図2に基づいてモータ12の構成を説明する。本実施形態では、モータ12として、スイッチトリラクタンスモータ(以下「SRモータ」と表記する)が用いられている。このSRモータ12は、ステータ31とロータ32が共に突極構造を持つモータで、永久磁石が不要で構造が簡単であるという利点がある。円筒状のステータ31の内周部には、例えば12個の突極31aが等間隔に形成され、これに対して、ロータ32の外周部には、例えば8個の突極32aが等間隔に形成され、ロータ32の回転に伴い、ロータ32の各突極32aがステータ31の各突極31aと微小ギャップを介して順番に対向するようになっている。ステータ31の12個の突極31aには、U相、V相、W相の合計6個の巻線33と、U’相、V’相、W’相の合計6個の巻線34が順番に巻回されている。尚、ステータ31とロータ32の突極31a,32aの数は適宜変更しても良いことは言うまでもない。
【0027】
本実施形態の巻線33,34の巻回順序は、ステータ31の12個の突極31aに対して、例えば、V相→W相→U相→V相→W相→U相→V’相→W’相→U’相→V’相→W’相→U’相の順序で巻回されている。図3に示すように、U相、V相、W相の合計6個の巻線33と、U’相、V’相、W’相の合計6個の巻線34は、2系統のモータ励磁部35,36を構成するように結線されている。一方のモータ励磁部35は、U相、V相、W相の合計6個の巻線33をY結線して構成され(同じ相の2個の巻線33はそれぞれ直列に接続されている)、他方のモータ励磁部36は、U’相、V’相、W’相の合計6個の巻線34をY結線して構成されている(同じ相の2個の巻線34はそれぞれ直列に接続されている)。2つのモータ励磁部35,36は、U相とU’相が同時に通電され、V相とV’相が同時に通電され、W相とW’相が同時に通電される。
【0028】
これら2つのモータ励磁部35は、車両に搭載されたバッテリ40を電源として、それぞれ別個のモータドライバ37,38によって駆動される。このように、モータ励磁部35,36とモータドライバ37,38をそれぞれ2系統ずつ設けることで、一方の系統が故障しても、他方の系統でSRモータ12を回転させることができるようになっている。図3に示すモータドライバ37,38の回路構成例では、各相毎にトランジスタ等のスイッチング素子39を1個ずつ設けたユニポーラ駆動方式の回路構成としているが、各相毎にスイッチング素子を2個ずつ設けたバイポーラ駆動方式の回路構成を採用しても良い。尚、本発明は、モータ励磁部とモータドライバをそれぞれ1系統ずつ設けた構成としても良いことは言うまでもない。
【0029】
各モータドライバ37,38の各スイッチング素子39のオン/オフは、ECU41(制御手段)によって制御される。図4に示すように、このECU41と各モータドライバ37,38は、レンジ切換制御装置42に搭載され、このレンジ切換制御装置42には、Pレンジへの切換操作を行うPレンジスイッチ43と、NotPレンジへの切換操作を行うNotPレンジスイッチ44の操作信号が入力される。Pレンジスイッチ43又はNotPレンジスイッチ44の操作により選択されたレンジは、インストルメントパネル(図示せず)に設けられたレンジ表示部45に表示される。
【0030】
SRモータ12には、ロータ32の回転位置を検出するためのエンコーダ46が設けられている。このエンコーダ46は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されており、その具体的な構成は、図5及び図6に示すように、N極とS極が円周方向に交互に等ピッチで着磁された円環状のロータリマグネット47がロータ32の側面に同軸状に固定され、このロータリマグネット47に対向する位置に、3個のホールIC等の磁気検出素子48,49,50が配置された構成となっている。本実施形態では、ロータリマグネット47のN極とS極の着磁ピッチが7.5°に設定されている。このロータリマグネット47の着磁ピッチ(7.5°)は、SRモータ12の励磁1回当たりのロータ32の回転角度と同じに設定されている。後述するように、1−2相励磁方式でSRモータ12の通電相の切り換えを6回行うと、全ての通電相の切り換えが一巡してロータ32とロータリマグネット47が一体的に7.5°×6=45°回転する。このロータリマグネット47の45°の回転角度範囲に存在するN極とS極の数は、合計6極となっている。
【0031】
更に、ロータ32の基準回転位置に相当する位置のN極(N’)とその両側のS極(S’)がそれ以外の磁極よりも径方向の幅が広くなるように形成されている。尚、本実施形態では、SRモータ12の通電相の切り換えが一巡する間にロータ32とロータリマグネット47が一体的に45°回転することを考慮して、ロータ32の基準回転位置に相当する幅広な着磁部分(N’)が45°ピッチで形成されており、従って、ロータリマグネット47全体として、基準回転位置に相当する幅広な着磁部分(N’)が合計8個形成されている。尚、基準回転位置に相当する幅広な着磁部分(N’)は、ロータリマグネット47全体として、1個のみ形成した構成としても良い。
【0032】
このロータリマグネット47に対して3個の磁気検出素子48,49,50が次のような位置関係で配置されている。A相信号を出力する磁気検出素子48とB相信号を出力する磁気検出素子49は、ロータリマグネット47の幅狭な着磁部分(N,S)と幅広な着磁部分(N’,S’)の両方に対向し得る位置の同一円周上に配置されている。一方、Z相信号を出力する磁気検出素子50は、ロータリマグネット47の幅狭な着磁部分(N,S)よりも径方向外側又は内側の位置で、且つ、幅広な着磁部分(N’,S’)のみに対向し得る位置に配置されている。A相信号とB相信号を出力する2個の磁気検出素子48,49の間隔は、図7に示すように、A相信号とB相信号の位相差が、電気角で90°(機械角で3.75°)となるように設定されている。ここで、“電気角”はA・B相信号の発生周期を1周期(360°)とした場合の角度で、“機械角”は機械的な角度(ロータ32の1回転を360°とした場合の角度)であり、A相信号の立ち下がり(立ち上がり)からB相信号の立ち下がり(立ち上がり)までにロータ32が回転する角度がA相信号とB相信号の位相差の機械角に相当する。また、Z相信号を出力する磁気検出素子50は、Z相信号とB相信号(又はA相信号)との位相差が0となるように配置されている。
【0033】
各磁気検出素子48,49,50の出力は、N極(N’極)と対向したときにハイレベル“1”となり、S極(S’極)と対向したときにローレベル“0”となる。尚、Z相信号用の磁気検出素子50の出力は、ロータ32の基準回転位置に相当する幅広なN’極に対向する毎にハイレベル“1”となり、それ以外の位置では、ローレベル“0”となる。
【0034】
本実施形態では、ECU41が後述するエンコーダカウンタルーチンによってA相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジをカウントして、そのエンコーダカウント値に応じてSRモータ12の通電相を切り換えることでロータ32を回転駆動する。この際、A相信号とB相信号の発生順序によってロータ32の回転方向を判定し、正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントアップし、逆回転(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントダウンする。これにより、ロータ32が正回転/逆回転のいずれの方向に回転しても、エンコーダカウント値とロータ32の回転位置との対応関係が維持されるため、正回転/逆回転のいずれの回転方向でも、エンコーダカウント値によってロータ32の回転位置(回転角度)を検出して、その回転位置に対応した相の巻線33,34に通電してロータ32を回転駆動する。
【0035】
図7は、ロータ32を逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)に回転させたときのエンコーダ46の出力波形と通電相の切換パターンを示している。逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)と正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)のいずれの場合も、ロータ32が7.5°回転する毎に1相通電と2相通電とを交互に切り換えるようになっており、ロータ32が45°回転する間に、例えば、U相通電→UW相通電→W相通電→VW相通電→V相通電→UV相通電の順序で通電相の切り換えを一巡するようになっている。そして、この通電相の切り換え毎に、ロータ32が7.5°ずつ回転して、A相、B相信号用の磁気検出素子48,49に対向するロータリマグネット47の磁極がN極→S極(N’極→S’極)又はS極→N極(S’極→N’極)に変化してA相信号とB相信号のレベルが交互に反転し、それによって、ロータ32が7.5°回転する毎に、エンコーダカウント値が2ずつカウントアップ(又はカウントダウン)する。また、通電相の切り換えが一巡してロータ32が45°回転する毎に、Z相用の磁気検出素子50がロータ32の基準回転位置に相当する幅広なN’極に対向して、Z相信号がハイレベル“1”となる。尚、本明細書では、A相、B相、Z相信号がハイレベル“1”となることを、A相、B相、Z相信号が出力されると言う場合がある。
【0036】
ところで、エンコーダカウント値は、ECU41のRAMに記憶されるため、ECU41の電源がオフされると、エンコーダカウント値の記憶が消えてしまう。そのため、ECU41の電源投入直後のエンコーダカウント値(0)は、実際のロータ32の回転位置(通電相)に対応したものとならい。従って、エンコーダカウント値に応じて通電相を切り換えるためには、電源投入後にエンコーダカウント値と実際のロータ32の回転位置とを対応させて、エンコーダカウント値と通電相とを対応させる必要がある。
【0037】
そこで、本実施形態では、レンジ切換制御装置42のECU41によって後述する図8及び図9に示す初期駆動ルーチンを実行することで、ECU41への電源投入後の初期駆動時に、SRモータ12の通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡させてエンコーダ46のA相信号及びB相信号のエッジをカウントし、初期駆動終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、エンコーダカウント値と初期駆動終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定するようにしている。
【0038】
この初期駆動時の学習は、具体的には次のようにして行われる。図12に示すように、PレンジでECU41に電源が投入されたときに初期駆動を行う場合は、例えば、W相通電→UW相通電→U相通電→UV相通電→V相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡し、ロータ32を正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)に駆動する。
【0039】
一方、NotPレンジでECU41に電源が投入されたときに初期駆動を行う場合は、例えば、V相通電→UV相通電→U相通電→UW相通電→W相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡し、ロータ32を逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)に駆動する。
【0040】
この初期駆動時には、1相通電の時間T1を2相通電の時間T2よりも短くし、例えばT1=10ms、T2=100msに設定する。初期駆動中にロータ32の回転位置と通電相との同期がとれた後でも、トルクが小さい1相通電では、ロータ32が振動するため、1相通電の時間T1を短くして、できるだけ速やかに次の2相通電に切り換えることで、ロータ32の振動を速やかに停止させてエンコーダ46の出力信号を安定させるようにしている。
【0041】
このように、初期駆動時に通電相の切り換えを一巡させれば、初期駆動が終了するまでに、いずれかの通電相で必ずロータ32の回転位置と通電相とが一致して、それ以後、通電相の切り換えに同期してロータ32が回転して、このロータ32の回転に同期してエンコーダ46からA相信号及びB相信号が出力されるようになる。
【0042】
この初期駆動中に、エンコーダ46のA相信号及びB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジをカウントする。従って、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を見れば、初期駆動が終了するまでにロータ32が実際に通電相の切り換えに同期して回転した角度(回転量)が分かり、それによって、初期駆動終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係が分かる。
【0043】
図12の例では、初期駆動時に最初の通電相(W相)からロータ32が回転し、通電相の切り換え毎にロータ32が7.5°ずつ回転してエンコーダカウント値が2ずつカウントアップし、初期駆動終了時にエンコーダカウント値が12となる。
【0044】
これに対し、例えば、初めの3回の励磁(W相通電→UW相通電→U相通電)でロータ32が回転しない場合、つまり4回目以降の励磁(UV相通電→V相通電→VW相通電)でロータ32の回転位置と通電相とが同期してロータ32が3回の励磁分だけ回転する場合は、初期駆動終了時までにロータ32が7.5°×3=22.5°回転して、エンコーダカウント値が2×3=6となる。従って、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を見れば、初期駆動が終了するまでにロータ32が実際に通電相の切り換えに同期して回転した角度(回転量)が判明する。
【0045】
初期駆動の最後の通電相は、常にVW相となるが、エンコーダカウント値は、必ずしも12になるとは限らず、例えば8、或は4である場合もある。初期駆動終了後の通常駆動時には、エンコーダカウント値に基づいて通電相が決定されるため、初期駆動によるエンコーダカウント値のずれを修正しないと、通常駆動時に正しい通電相を選択することができない。
【0046】
そこで、本実施形態では、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を初期位置ずれ学習値として学習し、その後の通常駆動時にエンコーダカウント値を初期位置ずれ学習値で補正することで、初期駆動終了時のエンコーダカウント値と通電相(ロータ32の回転位置)とのずれを補正して、通常駆動時に正しい通電相を選択できるようにしている。
【0047】
初期駆動終了後は、図12に示すように、後述するF/B制御開始位置停止保持処理により、初期駆動終了時の通電相(VW相)と同じ相に例えば10ms通電してロータ32の位置を初期駆動終了時の位置に保持し、その後、後述するフィードバック制御(以下「F/B制御」と表記する)により、その時点のエンコーダカウント値と初期位置ずれ学習値とに基づいて通電相を切り換えてロータ32を目標位置Acntの方向へ回転させる。これにより、ロータ32の回転位置(エンコーダカウント値)が目標位置Acntから例えば0.5°以内に到達した時点で、通電相の切り換えを終了してロータ32を停止させ、その後は、後述する目標位置停止保持処理により、同じ相に通電し続けてロータ32の停止状態を保持し、この保持状態を例えば50ms継続する。この後、目標位置Acntが変化しなければ、通電を停止する。
【0048】
また、初期駆動の途中で、Pレンジスイッチ43又はNotPレンジスイッチ44が操作されてレンジ切換要求が発生した場合は、次の2相通電(2相通電の実行中にレンジ切換要求が発生したときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行すると共に、該2相通電終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、エンコーダカウント値と2相通電終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定するようにしている。
【0049】
2相通電では、トルクが大きいため、ロータ32の位置が2相通電に対応する位置から多少ずれていたとしても、ロータ32を2相通電に対応する位置まで回転させることができる。このため、初期駆動中に2相通電を1〜2回行うだけでロータ32の回転位置と通電相との同期がとれる確率は高いものと思われる。従って、初期駆動の途中でレンジ切換要求が発生したときには、次の2相通電(又は現在の2相通電)が終了してから通常駆動に移行するようにすれば、初期駆動の途中で、エンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習してから、通常駆動に速やかに移行することができる。
【0050】
例えば、図13のタイムチャートに示すように、初期駆動の2回目の励磁(UW相通電)中に、PレンジからNotPレンジへのレンジ切換要求が発生したときには、このUW相通電で初期駆動を終了して通常駆動に移行すると共に、UW相通電終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習する。本実施形態では、初期駆動の途中で通常駆動に移行する場合でも、その初期駆動を最後まで実行したと仮定して、本来の初期駆動終了時のエンコーダカウント値を推定し、その推定値を初期位置ずれ学習値とするようにしている。例えば、図13に示すように、初期駆動をW相通電とUW相通電の2回の励磁で終了する場合は、その後に予定されていた4回の励磁を行わずに初期駆動を終了するため、未終了の4回の励磁(U相通電→UV相通電→V相通電→VW相通電)を行ったものと仮定して、4回の励磁分の回転角度に相当するカウントアップ値(2×4=8)をUW相通電終了時のエンコーダカウント値に加算して初期位置ずれ学習値を求める。
【0051】
ところで、従来のレンジ切換制御では、指令シフトレンジ(目標位置)がPレンジからNotPレンジ又はその反対方向に切り換えられる毎に、ロータ32を回転駆動して、エンコーダカウント値に基づいてSRモータ12の通電相を順次切り換えることでロータ32を目標位置まで回転駆動するフィードバック制御(以下「F/B制御」と表記する)を実行した後に、SRモータ12への通電をオフするようにしている。
【0052】
この場合、F/B制御終了後に、目標位置に対応する相の巻線に通電し続ければ、ロータ32を目標位置で電磁力により保持し続けることができるが、この構成では、停止時間が長くなると、同じ相の巻線に連続して長い時間通電し続けることになるため、巻線が過熱して焼損するおそれがある。そのため、ロータ32の停止中は、巻線への通電をオフして巻線の過熱・焼損を防止するようにしている。
【0053】
しかし、ロータ32の停止中に、通電をオフすると、ロータ32を目標位置(F/B制御終了時の位置)に保持する電磁力が消滅するため、ロータ32の位置が目標位置からずれる可能性がある。本実施形態では、ロータ32を目標位置でディテントバネ23のバネ力により保持する機械的な停止保持機構を設けているが、この場合でも、停止保持機構のガタや製造ばらつき等によりロータ32の位置が目標位置からずれることがある。
【0054】
また、従来のレンジ切換制御では、F/B制御開始時に前回のF/B制御終了時のエンコーダカウント値を用いて最初の通電相を決定し、更に、最初の通電相決定後、直ちにF/B制御を開始するようにしている。
【0055】
従って、ロータ32の位置が停止中にずれた場合、従来のレンジ切換制御では、実際に最初に通電すべき通電相とは異なる通電相からF/B制御を開始してしまうことになる。このため、F/B制御開始時に脱調が発生して起動に失敗したり、ロータ32が目標位置とは反対方向に回転するなど、ロータ32を正常に目標位置へ回転させることができなくなる可能性がある。
【0056】
また、停止中のロータ32のずれ量が小さく、ロータ32の位置が前回のF/B制御終了時のエンコーダカウント値に相当する範囲内に収まっていた場合は、最初に通電すべき通電相は前回のF/B制御終了時の通電相となる。従って、この場合は、従来のレンジ切換制御でも、最初に通電すべき通電相に関しては問題ない。
【0057】
しかしながら、F/B制御は、通電時のロータ32の位置を基準にして行われるため、仮に、ロータ32の位置ずれが前回のF/B制御終了時のエンコーダカウント値に相当する範囲内に収まっていたとしても、最初の通電相に通電を行ってから、ロータ32の位置が通電時のロータ32の位置に移動・保持される前にF/B制御が開始されると、F/B制御開始時に脱調が発生して起動に失敗する可能性がある。
【0058】
この対策として、本実施形態では、図18に示すように、SRモータ12の通電オフ状態からF/B制御を開始するときに、現在のエンコーダカウント値に基づいて通電相を選択して2相通電でロータ32を停止保持する処理(以下「F/B制御開始位置停止保持処理」という)を所定時間(例えば10ms)だけ実行し、その後、F/B制御を実行してロータ32を目標位置まで回転駆動するようにしている。
【0059】
このようにすれば、仮に、ロータ32の停止中にロータ32の位置がずれても、F/B制御開始直前にF/B制御開始位置停止保持処理によってロータ32の位置ずれを修正して、F/B制御開始時のロータ32の位置を正確に位置決めすることができる。これにより、F/B制御開始時に最初の通電相からロータ32の位置と通電相(エンコーダカウント値)とを確実に同期させることができて、F/B制御開始時の脱調やロータ32が目標位置と反対方向に回転することを防止でき、安定したF/B制御を行ってロータ32を確実に目標位置まで回転させることができて、安定性・信頼性の高い位置切換制御(位置決め制御)を行うことができる。
【0060】
ところで、位置切換制御を高応答化するために、ロータ32の回転速度を高速化して目標位置までの到達時間を短くするようにしている。このため、ロータ32が目標位置に到達した直後は、ロータ32が完全に停止せずにまだ振動した状態になっており、このような状態で通電をオフすると、慣性力によりロータ32の停止位置が目標位置から大きくずれてしまう可能性がある。このようなF/B制御終了時のロータ32の位置ずれが大きくなりすぎると、次のF/B制御開始直前にF/B制御開始位置停止保持処理を行っても、ロータ32の位置ずれを修正することができなくなる可能性がある。
【0061】
この対策として、本実施形態では、F/B制御終了後に、ロータ32を当該F/B制御終了時の位置に2相通電で停止保持する処理(以下「目標位置停止保持処理」という)を所定時間(例えば50ms)だけ実行した後、SRモータ12への通電をオフするようにしている。このようにすれば、ロータ32が目標位置に到達した後、ロータ32の振動が収まってから通電をオフすることができるので、慣性力によりロータ32の停止位置が目標位置から大きくずれることを防止することができる。これにより、位置切換制御の安定性・信頼性を維持しながら、位置切換制御の高応答化の要求も満たすことができる。
【0062】
更に、本実施形態では、F/B制御中に指令シフトレンジ(目標位置)が変更されてロータ32の回転方向を反転させる必要が生じたときに、ロータ32を反転位置で2相通電により停止保持する処理(以下「反転位置停止保持処理」という)を所定時間(例えば50ms)だけ実行し、その後、F/B制御を再開してロータ32を変更後の目標位置まで回転駆動するようにしている。このようにすれば、F/B制御中に指令シフトレンジ(目標位置)が変更されたときに、ロータ32の反転位置を位置決めして反転動作を安定して行うことができ、反転位置がずれて脱調(通電相のずれ)が発生することを防止できて、ロータ32を変更後の目標位置まで確実に回転駆動することができる。
【0063】
また、本実施形態では、F/B制御中にエンコーダカウント値と目標位置に相当する目標カウント値との差が所定値(例えば通電相の位相進み分に相当するカウント値)以下になったときに、F/B制御を終了して目標位置停止保持処理に移行するようにしている。つまり、ロータ32を回転させるためには、図19に示すように、通電相の位相をロータ32の実際の位置よりも例えば2〜4カウント分(ロータ回転角で3.75°〜15°)だけ進める必要があるため、F/B制御中にエンコーダカウント値と目標カウント値との差が例えば通電相の位相進み分に相当するカウント値になったときに、F/B制御を終了するようにすれば、F/B制御の最後の通電相がロータ32を目標位置に停止保持する通電相と一致するため、目標位置停止保持処理移行後も、F/B制御の最後の通電相に引き続き通電することができ、F/B制御から目標位置停止保持処理への移行をスムーズに行うことができる。
【0064】
ところで、ロータ32を回転駆動するトルクを発生させるためには、ロータ32の回転位相に対して通電相の位相を進める必要がある。F/B制御開始後に、ロータ32の回転速度が上昇するのに伴って、エンコーダカウント値の変化速度が速くなって、通電相の切り換えタイミングが速くなるが、通電相の巻線33,34に通電を開始してから実際にトルクが発生するまでに、巻線33,34のインダクタンス分の遅れが生じるため、ロータ32の回転速度が速くなると、通電相の巻線33,34に通電を開始してから実際にトルクを発生するまでの間に、ロータ32がかなりの角度回転して、実際のロータ32の回転位相に対して通電相のトルク発生タイミングが遅れた状態となる。このような状態になると、駆動トルクが低下してロータ32の回転速度が抑えられてしまい、位置切換速度の高速化(ロータの回転速度の高速化)の要求を満たすことができない。
【0065】
この対策として、予め、通電相の位相進み量を大きく設定しておくことが考えられるが、F/B制御開始時(起動時)に、通電相の位相進み量が大きいと、起動トルクが小さくなってSRモータ12の起動が不安定になったり、起動に失敗するおそれがある。
【0066】
また、予め、通電相の位相進み量を大きく設定してロータ32の回転速度を高速化すると、F/B制御終了時にロータ32が慣性により目標位置を越えてオーバーシュートしやすくなり、ロータ32を正確に目標位置で停止させることが難しくなる。
【0067】
そこで、本実施形態では、F/B制御中に、ロータ32の回転速度に応じて該ロータ32の回転位相に対する通電相の位相進み量を補正すると共に、ロータ32の回転速度を減速させる必要が生じたときに(例えばロータ32が目標位置に近付いたときに)、通電相の位相進み量を小さくする方向に補正するようにしている。具体的には、F/B制御開始時に、通電相の位相進み量を小さくするように補正することで、起動トルクを大きくすることができ、ロータ32の回転速度を素早く立ち上げることができる。そして、ロータ32の回転速度が上昇するのに伴って、通電相の位相進み量を大きくするように補正することで、高速回転時でも、通電相のトルク発生タイミングと実際のロータの回転位相との同期関係を維持することができ、ロータ32を高速で安定して回転させることができる。これにより、起動性能と高速性能とを両立させることができる。
【0068】
その後、ロータ32が目標位置に近付いたときに、通電相の位相進み量を小さくする方向に補正すれば、実際のロータ32の回転位相に対して通電相のトルク発生タイミングが遅れた状態となり、それによって、駆動トルクを低下させたり、或は、ロータ32の回転方向と反対方向のトルク(制動トルク)を発生させることができ、ロータ32の回転速度を確実に減速させることができて、ロータ32を正確に目標位置で停止させることができる。これにより、起動性能と高速性能と停止性能(減速性能)に優れたF/B制御を行うことができる。
【0069】
以上説明したレンジ切換制御は、レンジ切換制御装置42のECU41によって後述する各ルーチンに従って実行される。以下、これら各ルーチンの処理内容を説明する。
【0070】
[初期駆動]
図8及び図9に示す初期駆動ルーチンに従って実行される。本ルーチンは、ECU41への電源投入直後(イグニッションスイッチをOFF位置からACC位置へ操作した直後)に、初期駆動が終了するまで所定周期(例えば1ms周期)で実行される。
【0071】
本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、オープンループ制御実行フラグXopen=ON、又は、リカバリ処理実行フラグXrcv=ONであるか否かを判定する。ここで、オープンループ制御実行フラグXopenは、エンコーダ46又はSRモータ12が故障したときに実行されるオープンループ制御(フェイルセーフ処理)が実行されているか否かを判定するフラグであり、ONは実行されていることを意味する。また、リカバリ処理実行フラグXrcvは、一時的な動作異常が発生したときに一時的に実行されるリカバリ処理(オープンループ制御)が実行されているか否かを判定するフラグであり、ONは実行されていることを意味する。
【0072】
もし、上記ステップ101で、「Yes」と判定されれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了し、「No」と判定されれば、ステップ102に進み、ECU41のイニシャル処理から出力軸センサ14の出力電圧が安定するまで待つための所定時間(例えば100ms)が経過したか否かを判定する。そして、イニシャル処理から所定時間経過した時点で、ステップ103に進み、出力軸センサ14の出力電圧を読み込んで、この出力電圧がレンジ判定値以下であるか否かで、現在のレンジがPレンジかNotPレンジかを判定し、Pレンジであれば、ステップ104に進み、レンジ判定フラグXnpをPレンジを意味する「0」にセットし、NotPレンジであれば、ステップ105に進み、レンジ判定フラグXnpをNotPレンジを意味する「1」にセットする。
【0073】
この後、ステップ106に進み、レンジ判定フラグXnp=0(Pレンジ)であるか否かを判定し、レンジ判定フラグXnp=0(Pレンジ)であれば、ステップ107に進み、図10のPレンジ初期駆動ルーチンを実行し、レンジ判定フラグXnp=1(NotPレンジ)であれば、ステップ108に進み、図11のNotPレンジ初期駆動ルーチンを実行する。
【0074】
上記ステップ107で、図10のPレンジ初期駆動ルーチンが起動されると、ステップ201〜206で、初期駆動中の励磁回数をカウントする励磁回数カウンタCASEが0〜5のいずれであるかを判定する。この励磁回数カウンタCASEは、イニシャル処理でセットされる初期値が0で、励磁を1回行う毎に1ずつカウントアップされる(図9のステップ114)。そして、励磁回数カウンタCASEの判定結果に応じて通電相と通電時間Tを次のように設定する。
【0075】
CASE=0(1回目の励磁)の場合は、ステップ207に進み、W相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=1(2回目の励磁)の場合は、ステップ208に進み、UW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0076】
CASE=2(3回目の励磁)の場合は、ステップ209に進み、U相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=3(4回目の励磁)の場合は、ステップ210に進み、UV相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0077】
CASE=4(5回目の励磁)の場合は、ステップ211に進み、V相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=5(6回目の励磁)の場合は、ステップ212に進み、VW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0078】
これにより、Pレンジで初期駆動を行う場合は、W相通電→UW相通電→U相通電→UV相通電→V相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを一巡し、ロータ32を正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)に駆動する。この際、1相通電の時間T1を2相通電の時間T2よりも短く設定する。
【0079】
一方、ステップ108で、図11のNotPレンジ初期駆動ルーチンが起動されると、ステップ221〜226で、励磁回数カウンタCASEが0〜5のいずれであるかを判定し、その判定結果に応じて通電相と通電時間Tを次のように設定する。
【0080】
CASE=0(1回目の励磁)の場合は、ステップ227に進み、V相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=1(2回目の励磁)の場合は、ステップ228に進み、UV相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0081】
CASE=2(3回目の励磁)の場合は、ステップ229に進み、U相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=3(4回目の励磁)の場合は、ステップ230に進み、UW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0082】
CASE=4(5回目の励磁)の場合は、ステップ231に進み、W相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=5(6回目の励磁)の場合は、ステップ232に進み、VW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0083】
これにより、NotPレンジで初期駆動を行う場合は、V相通電→UV相通電→U相通電→UW相通電→W相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを一巡し、ロータ32を逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)に駆動する。この場合も、1相通電の時間T1を2相通電の時間T2よりも短く設定する。
【0084】
以上のようにして、図10のPレンジ初期駆動ルーチン又は図11のNotPレンジ初期駆動ルーチンを実行した後、図8のステップ109に進み、初期駆動中にレンジ切換操作(Pレンジスイッチ43又はNotPレンジスイッチ44の操作)が行われたか否かを判定し、初期駆動中にレンジ切換操作が行われれば、ステップ110に進み、レンジ切換操作フラグXchgをONにセットし、レンジ切換操作が行われていなければ、ステップ111に進み、レンジ切換操作フラグXchgをOFFにセットする。
【0085】
この後、図9のステップ112に進み、現在の通電相の通電時間をカウントする通電時間カウンタCTをカウントアップし、次のステップ113で、現在の通電相の通電時間CTが前記図10又は図11のルーチンで設定した通電時間T(=T1又はT2)を越えたか否かを判定し、越えていなければ、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。これにより、現在の通電相の通電時間CTが図10又は図11のルーチンで設定した通電時間T(=T1又はT2)を越えるまで、現在の通電相への通電が継続される。
【0086】
その後、現在の通電相の通電時間CTが図10又は図11のルーチンで設定した通電時間T(=T1又はT2)を越えた時点で、ステップ114に進み、励磁回数カウンタCASEを1だけカウントアップし、通電相を次の通電相に切り換える。そして、次のステップ115で、通電時間カウンタCTをリセットした後、ステップ116に進み、励磁回数カウンタCASEが初期駆動の終了を意味する「6」に達したか否かを判定し、もし、励磁回数カウンタCASEが「6」に達していれば、ステップ118に進み、初期駆動終了フラグXendを初期駆動の終了を意味する「ON」にセットする。
【0087】
また、励磁回数カウンタCASEが「6」に達していない場合、つまり、初期駆動の途中である場合は、ステップ117に進み、初期駆動の途中終了条件が成立しているか否かを判定する。この初期駆動の途中終了条件は、次の3つの条件▲1▼〜▲3▼によって判定される。
▲1▼レンジ判定フラグXnpが0(Pレンジ)であること
▲2▼励磁回数カウンタCASEが2又は4、つまり2相通電終了時であること
▲3▼レンジ切換操作フラグXchgがON、つまり初期駆動中にレンジ切換操作が行われたこと
【0088】
これら3つの条件▲1▼〜▲3▼のうち、1つでも満たさない条件があれば、初期駆動の途中終了条件が成立せず、初期駆動を継続する。これに対し、3つの条件▲1▼〜▲3▼を全て満たしていれば、初期駆動の途中終了条件が成立して、ステップ118に進み、初期駆動終了フラグXendを初期駆動の終了を意味する「ON」にセットする。
【0089】
この後、ステップ119に進み、レンジ判定フラグXnp=1であるか否か(NotPレンジで初期駆動を行ったか否か)を判定し、レンジ判定フラグXnp=1であれば、ステップ120に進み、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntを初期位置ずれ学習値Gcntとして記憶する。そして、次のステップ121で、エンコーダカウント値Ncntを次式によりNotPレンジを基準にした値に補正する。
Ncnt=Ncnt+288
【0090】
本実施形態では、Pレンジの保持位置を0点位置としてエンコーダカウント値Ncntをカウントアップし、NotPレンジの保持位置までロータ32が回転したときに、エンコーダカウント値Ncntが例えば288となるようになっている。従って、NotPレンジで初期駆動を行った場合は、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntに288を加算することで、エンコーダカウント値NcntをNotPレンジを基準にした値に補正する。
【0091】
一方、上記ステップ119で、レンジ判定フラグXnp=0(Pレンジで初期駆動)と判定されれば、ステップ122に進み、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntを用いて初期位置ずれ学習値Gcntを次式により算出する。
Gcnt=Ncnt+2×(6−CASE)
【0092】
この場合、初期駆動が最後まで行われれば、ステップ114の処理によりCASE=6となるため、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntがそのまま初期位置ずれ学習値Gcntとなるが、Pレンジで初期駆動を行う場合は、初期駆動の途中でレンジ切換操作が行われたときに、次の2相通電(2相通電の実行中にレンジ切換要求が発生したときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行するため、その初期駆動を最後まで実行したと仮定して、本来の初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntを推定し、その推定値を初期位置ずれ学習値Gcntとするようにしている。2×(6−CASE)は、未終了の励磁回数分の回転角度に相当するカウントアップ値(以下「Ncnt補正量」という)である。
【0093】
図14は、初期駆動時の励磁回数カウンタCASE、Ncnt補正量、通電相、A相信号、B相信号、エンコーダカウント値Ncntの関係を説明するタイムチャートである。例えば、初期駆動中に、UW相通電終了時(励磁回数カウンタCASEが1から2になったとき)に初期駆動を終了する場合は、Ncnt補正量=2×(6−CASE)=2×(6−2)=8となり、UV相通電終了時(励磁回数カウンタCASEが3から4になったとき)に初期駆動を終了する場合は、Ncnt補正量=2×(6−CASE)=2×(6−4)=4となる。
【0094】
[エンコーダカウンタ]
次に、図15に示すエンコーダカウンタルーチンの処理内容を説明する。本ルーチンは、AB相割り込み処理によりA相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジに同期して起動され、A相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジを次のようにしてカウントする。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、A相信号とB相信号の値A(i) 、B(i) を読み込み、次のステップ302で、図16のカウントアップ値ΔN算出マップを検索して、A相信号とB相信号の今回値A(i) 、B(i) と、前回値A(i-1) 、B(i-1) に応じたカウントアップ値ΔNを算出する。
【0095】
ここで、A相信号とB相信号の今回値A(i) 、B(i) と、前回値A(i-1) 、B(i-1) を用いる理由は、A相信号とB相信号の発生順序によってロータ32の回転方向を判定するためであり、図17に示すように、正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)ではカウントアップ値ΔNをプラス値にしてエンコーダカウント値Ncntをカウントアップし、逆回転(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)ではカウントアップ値ΔNをマイナス値にしてエンコーダカウント値Ncntをカウントダウンする。
【0096】
カウントアップ値ΔNの算出後、ステップ303に進み、前回のエンコーダカウント値Ncntに上記ステップ302で算出したカウントアップ値ΔNを加算して、今回のエンコーダカウント値Ncntを求める。この後、ステップ304に進み、次回のカウント処理のために、A相信号とB相信号の今回値A(i) 、B(i) をそれぞれA(i-1) 、B(i-1) として記憶して本ルーチンを終了する。
【0097】
[制御モード設定]
図20乃至図22に示す制御モード設定ルーチンは、初期駆動終了後に所定周期(例えば1ms周期)で実行され、制御モード判定値modeを0、1、3、4、5のいずれかに設定して、下記のように制御モードを指定する。
【0098】
mode=0:通電オフ(スタンバイ)
mode=1:通常駆動
(F/B制御開始位置停止保持処理及びF/B制御)
mode=3:目標位置停止保持処理
mode=4:反転位置停止保持処理
mode=5:オープンループ制御
【0099】
制御モード設定ルーチンが起動されると、まずステップ401で、システム故障フラグXfailoffがレンジ切換制御装置42の故障を意味するONにセットされているか否かを判定し、もし、Xfailoff=ONに設定されていれば、ステップ402に進み、SRモータ12を通電オフ状態に維持するための処理を実行する。これにより、回転方向指示値D=0(停止)、通電フラグXon=OFF(通電オフ)、F/B許可フラグXfb=OFF(F/B制御禁止)、制御モード判定値mode=0(通電オフ)にセットする。
【0100】
一方、システム故障フラグXfailoffがOFF(故障無し)の場合は、ステップ401からステップ403に進み、オープンループ制御実行フラグXopen=OFF、且つ、リカバリ処理実行フラグXrcv=OFFであるか否かを判定する。もし、オープンループ制御実行フラグXopenとリカバリ処理実行フラグXrcvのいずれか一方又は両方がONにセットされている場合は、ステップ404に進み、オープンループ制御を実行するために、回転方向指示値D=0(停止)、制御モード判定値mode=5(オープンループ制御)、F/B許可フラグXfb=OFF(F/B制御禁止)にセットする。
【0101】
オープンループ制御実行フラグXopenとリカバリ処理実行フラグXrcvの両方がOFFにセットされている場合は、ステップ405に進み、通電フラグXon=ON(通電オン)にセットされているか否かを判定し、通電フラグXon=OFF(通電オフ)にセットされている場合は、ステップ406に進み、目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(目標位置とロータ32と位置との差)を求めて、この差(Acnt−Ncnt)に基づいて正回転(Pレンジ→NotPレンジ方向への回転)、逆回転(NotPレンジ→Pレンジ方向への回転)、停止のいずれに該当するか判定する。この際、エンコーダカウント値Ncntは、前記図8及び図9の初期駆動ルーチンで学習された初期位置ずれ学習値Gcntによって補正された値を用いる。
Ncnt=Ncnt−Gcnt
【0102】
目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(Acnt−Ncnt)が+Kth以上(例えば+10°以上)であれば、ロータ32を正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)に回転駆動する必要があると判断して、ステップ407に進み、回転方向指示値D=1(正回転)、通電フラグXon=ON(通電オン)、制御モード判定値mode=1(F/B制御開始位置停止保持処理及びF/B制御)にセットする。
【0103】
目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(Acnt−Ncnt)が−Kth以下(例えば−10°以下)であれば、ロータ32を逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)に回転駆動する必要があると判断して、ステップ409に進み、回転方向指示値D=−1(逆回転)、通電フラグXon=ON(通電オン)、制御モード判定値mode=1(F/B制御開始位置停止保持処理及びF/B制御)にセットする。
【0104】
目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(Acnt−Ncnt)が−Kthから+Kthの範囲内(例えば−10°から+10°の範囲内)であれば、ロータ32を目標位置にディテントバネ23のバネ力により保持することが可能である(SRモータ12への通電は不要)と判断して、ステップ408に進み、SRモータ12を通電オフ状態に維持するために、回転方向指示値D=0(停止)、通電フラグXon=OFF(通電オフ)、制御モード判定値mode=0(通電オフ)にセットする。
【0105】
一方、前記ステップ405で、通電フラグXon=ON(通電オン)にセットされていると判定された場合は、図21のステップ410〜415の処理によって、指令シフトレンジ(目標位置)が反転されたか否かを判定し、反転されていれば、回転方向指示値Dを反転させる。
【0106】
具体的には、まずステップ410で、回転方向指示値D=1(正回転)であるか否かを判定し、回転方向指示値D=1(正回転)であれば、ステップ411に進み、目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(Acnt−Ncnt)がマイナス値であるか否かで、ロータ32の回転方向を正回転から逆回転に反転させる必要があるか否かを判定し、その必要があれば、ステップ412に進み、回転方向指示値D=−1(逆回転)にセットする。
【0107】
これに対して、上記ステップ410で、回転方向指示値Dが1(正回転)でないと判定された場合(つまりD=0又は−1の場合)は、ステップ413に進み、回転方向指示値D=−1(逆回転)であるか否かを判定し、回転方向指示値D=−1(逆回転)であれば、ステップ414に進み、目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(Acnt−Ncnt)がプラス値であるか否かで、ロータ32の回転方向を逆回転から正回転に反転させる必要があるか否かを判定し、その必要があれば、ステップ415に進み、回転方向指示値D=1(正回転)にセットする。
【0108】
以上のようにして、回転方向指示値Dが反転された場合は、ステップ416に進み、ロータ32の回転方向を反転させるために、制御モード判定値mode=4(反転位置停止保持処理)、F/B許可フラグXfb=OFF(F/B制御禁止)にセットしてステップ417に進む。これに対し、回転方向指示値Dが反転されない場合は、上記ステップ416の処理を行わずにステップ417に進む。
【0109】
このステップ417では、制御モード判定値mode=4(反転位置停止保持処理)にセットされているか否かを判定し、「Yes」であれば、ステップ418に進み、通電フラグXon=ON(通電オン)にセットして、反転位置停止保持処理を実行する。
【0110】
これに対して、上記ステップ417で「No」と判定された場合(反転位置停止保持処理ではない場合)は、図22のステップ419〜421で、F/B制御の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、まずステップ419で、回転方向指示値D≧0(正回転又は停止)であるか否かを判定し、回転方向指示値D≧0であれば、ステップ420に進み、目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(Acnt−Ncnt)が+Kref以下(例えば+0.5°以下)であるか否かで、F/B制御の終了タイミングであるか否かを判定する。また、回転方向指示値D=−1(逆回転)であれば、ステップ421に進み、目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差(Acnt−Ncnt)が−Kref以上(例えば−0.5°以上)であるか否かで、F/B制御の終了タイミングであるか否かを判定する。
【0111】
つまり、F/B制御の終了判定値Krefを例えば通電相の位相進み分(例えば2〜4カウント分)に設定することで、目標カウント値Acntよりも通電相の位相進み分だけ前のタイミングでF/B制御を終了するようにしたものである。これにより、F/B制御の最後の通電相がロータ32を目標位置(目標カウント値Acnt)に停止保持する通電相と一致するようになる。
【0112】
上記ステップ420又は421で「No」と判定された場合(F/B制御の終了タイミングでない場合)は、ステップ422に進み、目標位置停止保持処理の時間をカウントする停止保持時間カウンタCTholdをリセットする。
【0113】
一方、上記ステップ420又は421で「Yes」と判定された場合(F/B制御の終了タイミングである場合)は、ステップ423に進み、F/B許可フラグXfb=OFF(F/B制御禁止)にセットし、F/B制御を終了して目標位置停止保持処理に移行する。そして、次のステップ424で、停止保持時間カウンタCTholdをカウントアップして、目標位置停止保持処理の時間をカウントする。
【0114】
この後、ステップ425に進み、目標位置停止保持処理の時間CTholdが所定時間(例えば50ms)に達したか否かを判定し、目標位置停止保持処理の時間CTholdが所定時間(例えば50ms)に達していなければ、ステップ426に進み、目標位置停止保持処理を続行するために、回転方向指示値D=0(停止)、通電フラグXon=ON(通電オン)、制御モード判定値mode=3(目標位置停止保持処理)に維持する。
【0115】
その後、目標位置停止保持処理の時間CTholdが所定時間(例えば50ms)に達した時点で、ステップ427に進み、SRモータ12の通電をオフするために、回転方向指示値D=0(停止)、通電フラグXon=OFF(通電オフ)、制御モード判定値mode=0(通電オフ)にセットする。
【0116】
[時間同期モータ制御]
図23に示す時間同期モータ制御ルーチンは、初期駆動終了後に所定周期(例えば1ms周期)で起動され、F/B制御開始位置停止保持処理、目標位置停止保持処理、反転位置停止保持処理を実行する。
【0117】
本ルーチンが起動されると、まずステップ501で、F/B許可フラグXfb=OFF(F/B制御禁止)であるか否かを判定し、F/B許可フラグXfb=ON(F/B制御実行)の場合は、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。この場合は、後述する図29に示すF/B制御ルーチンによって通電相の設定と通電処理が実行される。
【0118】
これに対して、上記ステップ501で、F/B許可フラグXfb=OFF(F/B制御禁止)と判定された場合は、ステップ502〜504で、制御モード判定値mode=1,3,4のいずれかに該当するか否かを判定し、制御モード判定値mode=1(F/B制御開始位置停止保持処理及びF/B制御)の場合は、ステップ502からステップ505に進み、後述する図24に示すmode1ルーチンを実行して、F/B制御開始位置停止保持処理実行時の通電相を設定するための通電相判定値Mptnを算出する。
【0119】
また、制御モード判定値mode=3(目標位置停止保持処理)の場合は、ステップ503からステップ506に進み、後述する図25に示すmode3ルーチンを実行して、目標位置停止保持処理実行時の通電相を設定するための通電相判定値Mptnを算出する。
【0120】
また、制御モード判定値mode=4(反転位置停止保持処理)の場合は、ステップ504からステップ507に進み、後述する図26に示すmode4ルーチンを実行して、反転位置停止保持処理実行時の通電相を設定するための通電相判定値Mptnを算出する。
【0121】
以上のようにして、制御モード判定値mode=1,3,4の場合は、通電相判定値Mptnを算出した後、ステップ508に進み、後述する図27に示す通電処理ルーチンを実行して、F/B制御開始位置停止保持処理、目標位置停止保持処理、反転位置停止保持処理を実行する。
【0122】
一方、上記ステップ502〜504で、いずれも「No」と判定された場合、つまり、制御モード判定値mode=0,5の場合は、ステップ508に進み、後述する図27に示す通電処理ルーチンを実行して、通電オフ又はオープンループ制御を実行する。
【0123】
[mode1]
図24に示すmode1ルーチンは、図23の時間同期モータ制御ルーチンのステップ505で起動されるサブルーチンであり、F/B制御開始位置停止保持処理時の通電相判定値Mptn(通電相)を次のようにして設定する。
【0124】
本ルーチンが起動されると、まずステップ511で、F/B制御開始位置停止保持処理の時間をカウントする通電時間カウンタCT1をカウントアップし、次のステップ512で、F/B制御開始位置停止保持処理の時間CT1が所定時間(例えば10ms)を越えたか否かを判定する。
【0125】
もし、F/B制御開始位置停止保持処理の時間CT1が所定時間(例えば10ms)を越えていなければ、ステップ513に進み、停止保持時通電相記憶済みフラグXhold=OFF(未記憶)であるか否か(つまりF/B制御開始位置停止保持処理の開始直前のタイミングであるか否か)を判定し、停止保持時通電相記憶済みフラグXhold=OFFであれば、ステップ514に進み、F/B制御開始位置停止保持処理時の通電相判定値Mptnを現在の位置カウンタ値(Ncnt−Gcnt)にセットする。
Mptn=Ncnt−Gcnt
【0126】
ここで、位置カウンタ値(Ncnt−Gcnt)は、エンコーダカウント値Ncntを初期位置ずれ学習値Gcntで補正した値であり、ロータ32の現在位置を正確に表した値となっている。
【0127】
この後、ステップ515に進み、通電相判定値Mptnを“12”で割り算して、その余りMptn%12を求める。ここで、“12”は、通電相を一巡させる間のエンコーダカウント値Ncnt(通電相判定値Mptn)の増減量に相当する。このMptn%12の値に基づいて、図28の変換テーブルによって通電相が決定される。
【0128】
そして、次のステップ516で、Mptn%12=2,3,6,7,10,11であるか否かによって1相通電(U相通電、V相通電、W相通電)であるか否かを判定し、1相通電であれば、ステップ517に進み、通電相判定値Mptnを1ステップ分に相当する“2”だけ増加して2相通電(UV相通電、VW相通電、UW相通電)に補正する。これにより、F/B制御開始位置停止保持処理を1相通電と比べて保持トルクの大きい2相通電で実行することで、ロータ32がF/B制御開始位置付近で振動することを防止して、ロータ32をF/B制御開始位置に確実に停止保持できるようにする。
【0129】
そして、次のステップ518で、停止保持時通電相記憶済みフラグXhold=ON(記憶済み)にセットして本ルーチンを終了する。この後、本ルーチンが起動されたときには、ステップ513で「No」と判定され、ステップ514〜518の処理が実行されない。これにより、F/B制御開始位置停止保持処理時の通電相判定値Mptn(通電相)を設定する処理は、F/B制御開始位置停止保持処理の開始直前に1回のみ実行される。
【0130】
その後、F/B制御開始位置停止保持処理の時間CT1が所定時間(例えば10ms)を越えた時点で、ステップ512で「Yes」と判定されて、F/B制御開始位置停止保持処理を終了し、F/B制御に移行する。これにより、最初に、ステップ519で、F/B制御開始位置停止保持処理時の通電相判定値Mptnに、回転方向に応じて通電相の位相進み分のカウント値(例えば4又は3)を加算又は減算してF/B制御開始時の最初の通電相判定値Mptnを設定し、それによって、ロータ32の回転駆動を開始する。この後、ステップ520に進み、F/B許可フラグXfb=ON(F/B制御実行)にセットする。
【0131】
図31はUW相から回転を開始する場合に最初に通電する相を説明するタイムチャートである。この場合、正回転(Pレンジ→NotPレンジ方向への回転)を開始する場合は、通電相判定値Mptnは、エンコーダカウント値Ncnt、初期位置ずれ学習値Gcnt、正回転方向位相進み量K1を用いて次式により算出される。
Mptn=Ncnt−Gcnt+K1
【0132】
ここで、正回転方向位相進み量K1を例えば4とすると、通電相判定値Mptnは、次式により算出される。
Mptn=Ncnt−Gcnt+4
UW相から正回転を開始する場合は、mod(Ncnt−Gcnt)は4となるため、Mptn%12=4+4=8となり、最初の通電相はUV相となる。
【0133】
一方、UW相から逆回転(NotPレンジ→Pレンジ方向への回転)を開始する場合は、逆回転方向位相進み量K2を例えば3とすると、通電相判定値Mptnは、次式により算出される。
Mptn=Ncnt−Gcnt−K2=Ncnt−Gcnt−3
UW相から逆回転を開始する場合は、Mptn%12=4−3=1となり、最初の通電相はVW相となる。
【0134】
このように、正回転方向位相進み量K1と逆回転方向位相進み量K2をそれぞれ4と3に設定することで、正回転方向と逆回転方向の通電相の切換パターンを対称にすることができ、正回転方向と逆回転方向のいずれの場合も、ロータ32の現在位置から2ステップ分ずらした位置の相を最初に励磁して回転を開始することができる。
【0135】
[mode3]
図25に示すmode3ルーチンは、図23の時間同期モータ制御ルーチンのステップ506で起動されるサブルーチンであり、目標位置停止保持処理時の通電相判定値Mptn(通電相)を次のようにして設定する。
【0136】
本ルーチンが起動されると、まずステップ531で、F/B制御終了時のMptn%12=2,3,6,7,10,11であるか否かによってF/B制御終了時の通電相が1相通電(U相通電、V相通電、W相通電)であるか否かを判定し、1相通電であれば、ステップ532〜534の処理によって、それまで行っていたF/B制御の回転方向に応じて通電相判定値Mptnを2だけ増加又は減少させることで、当該1相通電の次のステップの2相通電に変更する。
【0137】
この際、ステップ532で、回転方向を次のようにして判定する。本ルーチンに入る直前(F/B制御終了時)に、図22のステップ426で、回転方向指示値Dが0(停止)にセットされるため、回転方向指示値Dを見ても回転方向を判定することができない。そこで、本ルーチンでは、F/B制御終了時の通電相判定値Mptnと位置カウント値(Ncnt−Gcnt)との間に、通電相の位相進み量K1,K2分の差があることに着目し、F/B制御終了時の通電相判定値Mptnと位置カウント値(Ncnt−Gcnt)との大小関係によって回転方向を次のように判定する。
【0138】
Mptn>Ncnt−Gcntの場合は、正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)と判定して、ステップ533に進み、通電相判定値Mptnを2だけ増加させることで、2相通電に補正する。
【0139】
一方、Mptn<Ncnt−Gcntの場合は、逆回転(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)と判定して、ステップ534に進み、通電相判定値Mptnを2だけ減少させることで、2相通電に補正する。
【0140】
尚、Mptn=Ncnt−Gcntの場合は、停止と判定して、通電相は変更しない。
【0141】
このように、目標位置停止保持処理についても、F/B制御開始位置停止保持処理と同じく、1相通電と比べて保持トルクの大きい2相通電で実行することで、ロータ32が目標位置付近で振動することを防止して、ロータ32を目標位置で確実に停止保持できるようにする。
【0142】
[mode4]
図26に示すmode4ルーチンは、図23の時間同期モータ制御ルーチンのステップ507で起動されるサブルーチンであり、反転位置停止保持処理時の通電相判定値Mptn(通電相)を次のようにして設定する。
【0143】
本ルーチンが起動されると、まずステップ541で、反転位置停止保持処理の時間をカウントする通電時間カウンタCT4をカウントアップし、次のステップ542で、反転位置停止保持処理の時間CT4が所定時間(例えば50ms)を越えたか否かを判定する。
【0144】
もし、反転位置停止保持処理の時間CT4が所定時間(例えば50ms)を越えていなければ、ステップ543に進み、Mptn%12=2,3,6,7,10,11であるか否かによって現在の通電相が1相通電(U相通電、V相通電、W相通電)であるか否かを判定し、1相通電であれば、ステップ544〜546の処理によって、それまで行っていたF/B制御の回転方向に応じて通電相判定値Mptnを2だけ増加又は減少させることで、当該1相通電の次のステップの2相通電に変更する。このステップ543〜546の処理は、前記図25のmode3ルーチンのステップ531〜534の処理と同じである。
【0145】
このように、反転位置停止保持処理についても、F/B制御開始位置停止保持処理や目標位置停止保持処理と同じく、1相通電と比べて保持トルクの大きい2相通電で実行することで、ロータ32が反転位置付近で振動することを防止して、ロータ32を反転位置で確実に停止保持できるようにする。
【0146】
その後、反転位置停止保持処理の時間CT4が所定時間(例えば50ms)を越えた時点で、ステップ542で「Yes」と判定されて、反転位置停止保持処理を終了し、F/B制御を再開する。これにより、最初に、ステップ547で、反転位置停止保持処理時の通電相判定値Mptnに、回転方向に応じて通電相の位相進み分のカウント値(例えば4又は3)を加算又は減算してF/B制御再開時の最初の通電相判定値Mptnを設定し、それによって、ロータ32の回転駆動を開始する。この後、ステップ548に進み、F/B許可フラグXfb=ON(F/B制御実行)、通電時間カウンタCT4=0、制御モード判定値mode=1(通常駆動)にセットして本ルーチンを終了する。
【0147】
[通電処理]
図27に示す通電処理ルーチンは、図23の時間同期モータ制御ルーチンのステップ508で起動されるサブルーチンである。尚、本ルーチンは、後述する図29のF/B制御ルーチンのステップ603でも起動される。
【0148】
図27の通電処理ルーチンが起動されると、まずステップ551で、制御モード判定値mode=0(通電オフ)であるか否かを判定し、制御モード判定値mode=0(通電オフ)であれば、ステップ552に進み、SRモータ12の全相の通電をオフしてスタンバイ状態とする。
【0149】
一方、上記ステップ551で、「No」と判定されれば、ステップ553に進み、制御モード判定値mode=5(オープンループ制御)であるか否かを判定し、制御モード判定値mode=5(オープンループ制御)であれば、ステップ554に進み、オープンループ制御を実行する。このオープンループ制御は、エンコーダ46の故障又はSRモータ12の動作異常が発生したときに、例えば1ms周期の時間同期処理によって通電相を設定してロータ32を目標位置まで回転駆動する。
【0150】
また、上記ステップ551、553で、いずれも「No」と判定された場合、つまり、制御モード判定値mode=1,3,4(F/B制御開始位置停止保持処理、F/B制御、目標位置停止保持処理、反転位置停止保持処理)の場合は、ステップ555に進み、Mptn%12に応じて図28の変換テーブルによって通電相を設定し、その通電相の巻線33,34に通電する。
【0151】
[F/B制御]
次に、図29に示すF/B制御ルーチンの処理内容を説明する。本ルーチンは、AB相割り込み処理により実行され、初期駆動終了後にF/B制御実行条件が成立しているときに、ロータ32の回転位置(エンコーダカウント値Ncnt−Gcnt)が目標位置(目標カウント値Acnt)から例えば0.5°以内に到達するまで、エンコーダカウント値Ncntと初期位置ずれ学習値Gcntとに基づいて通電相を切り換えてロータ32を回転させる。
【0152】
図29のF/B制御ルーチンが起動されると、まずステップ601で、F/B許可フラグXfbがONにセットされているか否か(F/B制御実行条件が成立しているか否か)を判定し、F/B許可フラグXfbがOFF(F/B制御実行条件が不成立)であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0153】
これに対し、F/B許可フラグXfbがONにセットされていれば、ステップ602に進み、後述する図30の通電相設定ルーチンを実行して、現在のエンコーダカウント値Ncntと初期位置ずれ学習値Gcntとに基づいて通電相を設定し、次のステップ603で、図27の通電処理ルーチンを実行する。
【0154】
[通電相設定]
図30に示す通電相設定ルーチンは、図29のF/B制御ルーチンのステップ602で起動されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まずステップ611で、目標位置への回転方向を指示する回転方向指示値Dが正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)を意味する「1」であるか否かを判定する。その結果、回転方向指示値D=1(正回転)と判定されれば、ステップ612に進み、ロータ32の回転方向が回転方向指示に反して逆転したか否か(エンコーダカウント値Ncntが減少したか否か)を判定し、逆転していなければ、ステップ613に進み、現在のエンコーダカウント値Ncnt、初期位置ずれ学習値Gcnt、正回転方向位相進み量K1、速度位相進み補正量Ksを用いて通電相判定値Mptnを次式により更新する。
Mptn=Ncnt−Gcnt+K1+Ks
【0155】
ここで、正回転方向位相進み量K1は、ロータ32を正回転させるのに必要な通電相の位相進み量(ロータ32の現在の回転位相に対する通電相の位相進み量)であり、例えばK1=4に設定されている。
【0156】
また、速度位相進み補正量Ksは、ロータ32の回転速度に応じて設定される位相進み補正量であり、後述する図33の速度位相進み補正量設定ルーチンによって設定される。例えば、低速域では、速度位相進み補正量Ksが0に設定され、高速になるに従って、速度位相進み補正量Ksが例えば1又は2に増加される。これにより、ロータ32の回転速度に適した通電相となるように通電相判定値Mptnが補正される。
【0157】
一方、上記ステップ612で、ロータ32の回転方向が回転方向指示に反して逆転したと判定された場合は、逆転防止のために通電相判定値Mptnを更新しない。この場合は、逆転直前の通電相(前回の通電相)に通電され、ロータ32の逆転を抑制する方向に制動トルクが発生する。
【0158】
また、上記ステップ611で、回転方向指示値D=0(逆回転)、つまりNotPレンジ→Pレンジの回転方向と判定された場合は、ステップ614に進み、ロータ32の回転方向が回転方向指示に反して逆転したか否か(エンコーダカウント値Ncntが増加したか否か)を判定し、逆転していなければ、ステップ615に進み、現在のエンコーダカウント値Ncnt、初期位置ずれ学習値Gcnt、逆回転方向位相進み量K2、速度位相進み補正量Ksを用いて通電相判定値Mptnを次式により更新する。
Mptn=Ncnt−Gcnt−K2−Ks
【0159】
ここで、逆回転方向位相進み量K2は、ロータ32を逆回転させるのに必要な通電相の位相進み量(ロータ32の現在の回転位相に対する通電相の位相進み量)であり、例えばK2=3に設定されている。速度位相進み補正量Ksは正回転の場合と同じく、後述する図33の速度位相進み補正量設定ルーチンによって設定される。
【0160】
一方、上記ステップ614で、ロータ32の回転方向が回転方向指示に反して逆転したと判定された場合は、逆転防止のために通電相判定値Mptnを更新しない。この場合は、逆転直前の通電相(前回の通電相)に通電され、ロータ32の逆転を抑制する方向に制動トルクが発生する。
【0161】
以上のようにして、今回の通電相判定値Mptnを決定した後、図27の通電処理ルーチンを実行し、F/B制御実行中は、ステップ555で、図28の変換テーブルを検索して、Mptn%12に対応する通電相を選択し、その通電相に通電する。
【0162】
[ロータ回転速度演算]
図32に示すロータ回転速度演算ルーチンは、AB相割り込み処理により実行され、次のようにしてロータ32の回転速度SPを演算する。本ルーチンが起動されると、まずステップ621で、F/B許可フラグXfbがON(F/B制御実行中)であるか否かを判定し、F/B許可フラグXfbがOFF(F/B制御禁止)であれば、ロータ32の回転速度SPに応じた通電相の位相進み補正を行わないため、ステップ624に進み、ロータ32の回転速度SP,SPaの記憶値をリセットして、本ルーチンを終了する。
【0163】
これに対して、F/B許可フラグXfbがON(F/B制御実行中)であれば、次のようにしてロータ32の回転速度SPを演算する。まず、ステップ622で、エンコーダ46のA相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりエッジ間の時間間隔ΔT(n) (すなわちエンコーダカウント値が増減する時間間隔)を計測して、その時間間隔ΔT(n) の過去N回分の平均値ΔTavを算出する。そして、回転速度演算値SPaを次式により算出する。
SPa=60/(ΔTav×Kp) [rpm]
【0164】
ここで、Kpは、ロータ32の1回転当たりの時間間隔ΔT(n) の数(ロータ32の1回転当たりのエンコーダカウント値の変化量)であり、図5の構成のエンコーダ46の場合は、Kp=96となる。ΔTav×Kpは、ロータ32が1回転するのに要する時間[sec]である。
【0165】
この後、ステップ623に進み、回転速度演算値SPaを用いて、ロータ32の回転速度SPを次式によりなまし処理して求める。
SP(i) =SP(i-1) +{SPa−SP(i-1) }/R
ここで、SP(i) は今回の回転速度、SP(i-1) は前回の回転速度、Rはなまし係数である。
【0166】
[速度位相進み補正量設定]
図33に示す速度位相進み補正量設定ルーチンは、所定周期(例えば1ms周期)で起動され、ロータ32の回転速度SPに応じて速度位相進み補正量Ksを次のようにして設定する。本ルーチンが起動されると、まずステップ631で、F/B許可フラグXfbがON(F/B制御実行中)であるか否かを判定し、F/B許可フラグXfbがOFF(F/B制御禁止)であれば、通電相の位相進み補正は不要であるため、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0167】
これに対して、F/B許可フラグXfbがON(F/B制御実行中)であれば、ステップ632〜636の処理により、図32のロータ回転速度演算ルーチンで演算されたロータ32の回転速度SPに応じて速度位相進み補正量Ksを次のようにして設定する。
【0168】
ステップ632で、ロータ32の回転速度SPが所定値Klow(例えば300rpm)よりも低いと判定されれば、ステップ634に進み、速度位相進み補正量Ksを最小値Ka(例えば0)に設定し、ステップ633で、ロータ32の回転速度SPが所定値Khigh(例えば600rpm)よりも高いと判定されれば、ステップ636に進み、速度位相進み補正量Ksを最大値Kc(例えば2)に設定する。また、ロータ32の回転速度SPがKlow〜Khighの範囲内であれば、ステップ635に進み、速度位相進み補正量Ksを中間値Kb(例えば1)に設定する。このような処理により、ロータ32の回転速度SPが速くなるほど、速度位相進み補正量Ksを大きな値に設定する。
以上説明したステップ632〜636の処理が特許請求の範囲でいう第1の補正手段としての役割を果たす。
【0169】
この後、ステップ637に進み、目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差の絶対値|Acnt−Ncnt|が所定値よりも小さいか否かで、ロータ32の回転位置が目標位置に近付いたか否か(停止のための減速領域に入ったか否か)を判定する。
【0170】
もし、|Acnt−Ncnt|が所定値以上であれば、ステップ639に進み、F/B制御中に何等かの減速要求が発生したか否かを判定し、減速要求が無ければ、上記ステップ634〜636のいずれかで設定した速度位相進み補正量Ksをそのまま用い、減速要求が有れば、ステップ640に進み、速度位相進み補正量Ksを小さい値Ke(例えば0又は−1)に設定する。
【0171】
一方、|Acnt−Ncnt|が所定値よりも小さい場合は、減速領域と判断して、ステップ637からステップ638に進み、速度位相進み補正量Ksを小さい値Kd(例えば0又は−1)に設定する。
以上説明したステップ637〜640の処理が特許請求の範囲でいう第2の補正手段としての役割を果たす。
【0172】
尚、本ルーチンでは、ロータ32の回転速度SPに応じて速度位相進み補正量Ksを3段階に切り換えるようにしたが、2段階又は4段階以上に切り換えるようにしても良い。
【0173】
以上説明した本実施形態によれば、F/B制御中に、ロータ32の回転速度に応じて通電相の位相進み量を補正するようにしたので、F/B制御開始時に、通電相の位相進み量を小さくして、起動トルクを大きくすることができ、F/B制御開始後に、ロータ32の回転速度を素早く立ち上げることができる。そして、ロータ32の回転速度が上昇するのに伴って、通電相の位相進み量が大きくなるように補正されるので、高速回転時でも、通電相のトルク発生タイミングと実際のロータの回転位相との同期関係を維持することができ、ロータ32を高速で安定して回転させることができる。
【0174】
その後、ロータ32が目標位置に近付いたときに、通電相の位相進み量が小さくする方向に補正されるので、実際のロータ32の回転位相に対して通電相のトルク発生タイミングが遅れた状態となり、それによって、駆動トルクを低下させたり、或は、ロータ32の回転方向と反対方向のトルク(制動トルク)を発生させることができ、ロータ32の回転速度を確実に減速させることができて、ロータ32を正確に目標位置で停止させることができる。これにより、起動性能と高速性能と停止性能(減速性能)に優れたF/B制御を行うことができる。
【0175】
また、本実施形態では、図18に示すように、SRモータ12の通電オフ状態からF/B制御を開始するときに、現在のエンコーダカウント値に基づいて通電相を選択して2相通電でロータ32の位置を保持するF/B制御開始位置停止保持処理を所定時間(例えば10ms)だけ実行し、その後、F/B制御を実行してロータ32を目標位置まで回転駆動するようにした。よって、ロータ32の停止中にロータ32の位置がずれても、F/B制御開始時にはロータの位置を適正な位置に位置決めすることができる。これにより、F/B制御開始時に最初の通電相からロータ32の位置と通電相(エンコーダカウント値)とを確実に同期させることができて、F/B制御開始時の脱調やロータ32が目標位置と反対方向に回転することを防止でき、安定したF/B制御を行ってロータ32を確実に目標位置まで回転させることができて、安定性・信頼性の高い位置切換制御(位置決め制御)を行うことができる。
【0176】
しかも、本実施形態では、F/B制御終了後に、ロータ32を当該F/B制御終了時の位置に2相通電で停止保持する目標位置停止保持処理を所定時間(例えば50ms)だけ実行した後、SRモータ12への通電をオフするようにしたので、F/B制御終了時にロータ32が慣性により目標位置を越えてオーバーシュートすることを防止でき、位置切換制御の安定性・信頼性を維持しながら、位置切換制御の高応答化の要求も満たすことができる。
【0177】
更に、本実施形態では、F/B制御中に指令シフトレンジ(目標位置)が変更されてロータ32の回転方向を反転させる必要が生じたときに、ロータ32を反転位置に2相通電により停止保持する反転位置停止保持処理を所定時間(例えば50ms)だけ実行し、その後、F/B制御を再開してロータ32を変更後の目標位置まで回転駆動するようにしたので、F/B制御中に指令シフトレンジ(目標位置)が変更されたときに、ロータ32の反転位置を位置決めして反転動作を安定して行うことができ、反転位置がずれて脱調(通電相のずれ)が発生することを防止できて、ロータ32を変更後の目標位置まで確実に回転駆動することができる。
【0178】
しかも、本実施形態では、F/B制御開始位置停止保持処理、目標位置停止保持処理、反転位置停止保持処理を行う際に、1相通電であれば、2相通電(UV相通電、VW相通電、UW相通電)に補正するようにしたので、各停止保持処理を保持トルクの大きい2相通電で実行することができて、ロータ32が振動することを防止でき、各位置に確実に停止保持できるという利点もある。
【0179】
尚、本実施形態では、F/B制御中に、1相通電と2相通電とを交互に切り換える1−2相励磁方式で駆動するようにしたが、1相通電のみで駆動する1相励磁方式、又は、2相通電のみで駆動する2相励磁方式を採用しても良い。
【0180】
また、オープンループ制御を行う場合に、駆動開始時、駆動終了時、目標位置変更時(回転方向反転時)の各位置で停止保持する処理を、1相通電と比べて保持トルクが大きい2相通電により行うようにしても良い。このようにすれば、オープンループ制御においても、駆動開始時、駆動終了時、目標位置変更時(回転方向反転時)の各位置の停止保持を安定して行うことができ、オープンループ制御の安定性を向上させることができる。
【0181】
以上説明した実施形態では、F/B制御中に、ロータ32の回転速度や減速要求の有無に応じて通電相の位相進み量を補正するようにしたが、ロータ32の回転速度(駆動初期か否か)や減速要求の有無に応じて励磁方式を切り換えるようにしてもほぼ同様の効果を得ることができる。例えば、駆動初期に1−2相励磁方式で駆動すれば、常に1相のみに通電する1相励磁方式や常に2相ずつ通電する2相励磁方式と比較して、1ステップ(1回の励磁)当たりのロータ回転角度が1/2となり、起動トルクを大きくしてロータ32の回転速度を速やかに立ち上げることができる。その後、1相通電のみを行う1相励磁方式で駆動すれば、1ステップ(1回の励磁)当たりのロータ回転角度が駆動初期(2相励磁方式)の2倍となり、ロータ32を高速で安定して回転させることができる。
【0182】
この場合、ロータ32を1相励磁方式で駆動している期間に該ロータ32の回転速度を減速させる必要が生じたときに(例えばロータ32が目標位置に近付いたときに)、1相励磁方式から1−2相励磁方式に切り換えるようにすれば良い。つまり、1相励磁方式でロータ32が高速回転しているときに、1−2相励磁方式に切り換えると、実際のロータ32の回転位相に対して通電相の位相が遅れた状態となり、それによって、ロータ32の回転方向と反対方向のトルク(制動トルク)が発生して、ロータ32の回転速度を確実に減速させることができる。しかも、1−2相励磁方式では、1相励磁方式と比較して、1ステップ(1回の励磁)当たりのロータ回転角度が1/2となり、ロータ32を目標位置で精度良く停止させることができる。
【0183】
以下、これを具体化した本発明の他の実施形態を図34及び図35に基づいて説明する。
【0184】
図34に示す励磁方式設定ルーチンは、所定周期(例えば1ms周期)で起動され、ロータ32の回転速度(駆動初期か否か)や減速要求の有無に応じて励磁方式を次のようにして設定する。本ルーチンが起動されると、まずステップ701で、F/B許可フラグXfbがON(F/B制御実行中)であるか否かを判定し、F/B許可フラグXfbがOFF(F/B制御禁止)であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0185】
これに対して、F/B許可フラグXfbがON(F/B制御実行中)であれば、ステップ702に進み、駆動初期であるか否かを次の▲1▼〜▲3▼の少なくとも1つの条件を用いて判定する。
【0186】
▲1▼ロータ32の回転速度SPが所定値以下であるか否かで、駆動初期であるか否かを判定する。
▲2▼駆動開始からのエンコーダカウント値の変化量(ロータ回転量)が所定値以下であるか否かで、駆動初期であるか否かを判定する。
▲3▼駆動開始からの経過時間が所定値以下であるか否かで、駆動初期であるか否かを判定する。
【0187】
尚、上記▲1▼〜▲3▼のうちの2つ以上の条件が同時に成立するか否かで、駆動初期であるか否かを判定するようにしても良い。勿論、上記▲1▼〜▲3▼以外の判定条件を用いても良く、例えば、モータ負荷トルクが所定値以上であるか否かで、駆動初期であるか否かを判定するようにしても良い。
【0188】
上記ステップ702で、駆動初期と判定されれば、ステップ703に進み、励磁方式を1−2相励磁方式に設定し、次のステップ704で、速度位相進み補正量Ksを例えば0に設定する。これにより、駆動初期は、前述した実施形態と同じ1−2相励磁方式で駆動される。
【0189】
一方、上記ステップ702で、駆動初期ではないと判定されれば、ステップ705に進み、減速要求が発生したか否かを判定する。この際、例えば、目標カウント値Acntとエンコーダカウント値Ncntとの差の絶対値|Acnt−Ncnt|が所定値よりも小さいか否かで、ロータ32の回転位置が目標位置に近付いたか否か(停止のための減速領域に入ったか否か)を判定したり、或は、F/B制御の途中に設定された減速領域に入ったか否かを判定する。
【0190】
減速要求が無ければ、ステップ706に進み、励磁方式を1相励磁方式に設定してロータ32を駆動する。1相励磁方式では、Mptn%12の値に基づいて、図35の変換テーブルによって通電相が決定される。
【0191】
その後、減速要求が発生した時点で、上記ステップ705で「Yes」と判定されて、ステップ707に進み、励磁方式を1−2相励磁方式に設定し、次のステップ708で、速度位相進み補正量Ksを例えば−1に設定する。これにより、ロータ32の回転方向と反対方向のトルク(制動トルク)を発生させることができ、ロータ32の回転速度を確実に減速させることができる。
【0192】
このように、励磁方式の切り換えと通電相の位相進み補正とを組み合わせて実行すれば、起動性能、高速性能、停止性能(減速性能)を効果的に向上させることができる。但し、本発明は、通電相の位相進み補正を省略して、励磁方式の切り換えのみとした構成としても良い。
【0193】
尚、本発明に用いるエンコーダは、磁気式のエンコーダ46に限定されず、例えば、光学式のエンコーダやブラシ式のエンコーダを用いても良い。
【0194】
また、本発明に用いるモータは、SRモータ12に限定されず、エンコーダの出力信号のカウント値に基づいてロータの回転位置を検出してモータの通電相を順次切り換えるブラシレス型のモータであれば、SRモータ以外のブラシレス型のモータを用いても良い。
【0195】
また、F/B制御中に要求回転速度(目標回転速度)を設定して、その要求回転速度(目標回転速度)に応じて通電相の位相進み量の補正及び/又は励磁方式の切り換えを行うことで、ロータ32の回転速度を要求回転速度(目標回転速度)に応じて制御するようにしても良い。例えば、ロータ32の回転速度を上昇させたい場合は、通電相の位相進み量を大きくするように補正したり、励磁方式を1−2相励磁方式から1相励磁方式(又は2相励磁方式)に切り換えるようにすれば良い。反対に、ロータ32の回転速度を減速させたい場合は、通電相の位相進み量を小さくするように補正したり、励磁方式を1相励磁方式(又は2相励磁方式)から1−2相励磁方式に切り換えるようにすれば良い。このようにすれば、エンコーダカウント値に基づいてロータ32を目標位置へフィードバック制御しながら、ロータ32の回転速度を制御することができる。
【0196】
また、本実施形態のレンジ切換装置は、PレンジとNotPレンジの2つのレンジを切り換える構成であるが、例えば、ディテントレバー15の回動動作に連動して自動変速機のレンジ切換弁とマニュアルバルブを切り換えて、自動変速機のP、R、N、D、…の各レンジを切り換えるレンジ切換装置にも本発明を適用して実施できる。
【0197】
その他、本発明は、レンジ切換装置に限定されず、SRモータ等のブラシレス型のモータを駆動源とする各種の装置に適用して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すレンジ切換装置の斜視図
【図2】SRモータの構成を説明する図
【図3】SRモータを駆動する回路構成を示す回路図
【図4】レンジ切換装置の制御システム全体の構成を概略的に示す図
【図5】エンコーダのロータリマグネットの構成を説明する平面図
【図6】エンコーダの側面図
【図7】(a)はエンコーダの出力波形を示すタイムチャート、(b)は通電相切り換えパターンを示すタイムチャート
【図8】初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図9】初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図10】Pレンジ初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図11】NotPレンジ初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図12】Pレンジで初期駆動を行ったときの制御例を示すタイムチャート
【図13】初期駆動中にレンジ切換操作されたときの制御例を示すタイムチャート
【図14】初期駆動中にレンジ切換操作されたときの初期位置ずれ学習方法を説明するタイムチャート
【図15】エンコーダカウンタルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図16】カウントアップ値ΔN算出マップの一例を示す図
【図17】指令レンジシフト、A相信号、B相信号、エンコーダカウント値の関係を示すタイムチャート
【図18】SRモータの制御例を示すタイムチャート
【図19】F/B制御から目標位置停止保持処理へ移行するタイミングを説明するタイムチャート
【図20】制御モード設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図21】制御モード設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図22】制御モード設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その3)
【図23】時間同期モータ制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図24】mode1ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図25】mode3ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図26】mode4ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図27】通電処理ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図28】1−2相励磁方式の場合のMptn%12から通電相への変換テーブルの一例を示す図
【図29】F/B制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図30】通電相設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図31】UW相から回転を開始する時の通電処理を説明するタイムチャート
【図32】ロータ回転速度演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図33】速度位相進み補正量設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図34】励磁方式設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図35】1相励磁方式の場合のMptn%12から通電相への変換テーブルの一例を示す図
【符号の説明】
11…レンジ切換機構、12…SRモータ、14…出力軸センサ、15…ディテントレバー、18…パーキングロッド、20…パーキングギヤ、21…ロックレバー、23…ディテントバネ、24…Pレンジ保持凹部、25…NotPレンジ保持凹部、26…減速機構、27…自動変速機、31…ステータ、32…ロータ、33,34…巻線、35,36…モータ励磁部、37,38…モータドライバ、41…ECU(制御手段)、43…Pレンジスイッチ、44…NotPレンジスイッチ、46…エンコーダ、47…ロータリマグネット、48…A相信号用の磁気検出素子、49…B相信号用の磁気検出素子、50…Z相信号用の磁気検出素子。

Claims (3)

  1. モータのロータの回転に同期してパルス信号を出力するエンコーダと、このエンコーダの出力信号のカウント値(以下「エンコーダカウント値」という)に基づいて前記ロータの回転位置を検出して前記モータの通電相を順次切り換えることで前記ロータを目標位置まで回転駆動する制御手段とを備えたモータ制御装置において、
    前記制御手段は、前記ロータの回転速度に応じて該ロータの回転位相に対する通電相の位相進み量を補正する第1の補正手段と、前記ロータの回転速度を減速させる必要が生じたときに前記通電相の位相進み量を小さくする方向に補正する第2の補正手段とを有することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記モータは、スイッチトリラクタンスモータであることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記モータは、車両の自動変速機のレンジを切り換えるレンジ切換機構を駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
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