JP3800290B2 - 光変調デバイス及び表示装置 - Google Patents

光変調デバイス及び表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射ミラーの変形によって入射光を変調して表示を行うための光変調デバイス及び表示装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、光を変調して表示を行うための光変調デバイスとしては、例えば、基板上に設けた電極に電圧を印加し、その静電力等によってミラーを傾斜させて入射光を変調させるものや、圧電体層を一対の電極膜で挟持した圧電素子上にミラーを設け、圧電素子を変形させることによりこのミラーを傾斜させて入射光を変調させるもの等が知られている。
【0003】
また、圧電素子を利用したものとしては、特表平9−504387号公報に見られるように、片持ち梁状の圧電素子の表面に薄膜等からなるミラー膜を形成し、圧電素子を変形させることによりこのミラー膜を屈曲させて入射光の方向を変えるものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような圧電素子を利用した光変調デバイスは、圧電素子の長手方向一端部を支持した片持ち梁状の構造であるため、圧電素子の表面に十分な曲率が得られないという問題がある。また、圧電素子の表面に十分な曲率を得るためには、圧電素子の長手方向の長さ、すなわち、梁の長さを長くしなければならず、高密度に配設することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、反射面に十分な曲率が得られると共に、高密度化を図ることのできる光変調デバイス及び表示装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、圧電体層及びこれを挟持する一対の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射するミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要素に対応して設けられた駆動素子とを有する光変調デバイスにおいて、前記ミラー要素は前記圧電素子の一方の端部で支持部を介して基板上に片持ち梁状態に支持されており、前記支持部が前記ミラー要素を構成する前記圧電素子と連続して設けられた圧電素子からなることを特徴とする光変調デバイスにある。
【0007】
かかる第1の態様では、ミラー要素の駆動と同時に、このミラー要素を支持する支持部が基板との接合部分を支点としてミラー要素とは反対側に変形されるため、基板に対するミラー要素の変形量が増加する。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記圧電素子は前記支持部側に弾性板を有することを特徴とする光変調デバイスにある。
【0009】
かかる第2の態様では、圧電素子の一方面に設けられた弾性板側に支持部が形成されているので、この接合部を支点として圧電素子が変形する。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記圧電素子は前記支持部とは反対側の面に前記ミラー膜構造を有することを特徴とする光変調デバイスにある。
【0011】
かかる第3の態様では、圧電素子の一方側に支持部が設けられているので、ミラー要素の圧電素子はこの支持部を支点として圧電素子が変形し、他方面のミラー膜構造が変形する。
【0012】
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記圧電素子の前記ミラー膜構造は、前記圧電素子の前記支持部とは反対側の面に設けられた電極又はこの上に設けられた反射膜から構成されることを特徴とする光変調デバイスにある。
【0013】
かかる第4の態様では、圧電素子を構成する電極又は反射膜が光を反射する。
【0014】
本発明の第5の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記圧電素子の前記支持部とは反対側の端部近傍には前記ミラー膜構造を構成するミラー部材が設けられており、前記圧電素子の駆動により当該ミラー部材の反射面の傾斜角度が変化することを特徴とする光変調デバイスにある。
【0015】
かかる第5の態様では、圧電素子上に設けられたミラー部材が光を反射し、ミラー部材の傾斜角度の変化によって光を変調させる。
【0016】
本発明の第6の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記ミラー膜構造が前記支持部によって支持された複数の前記圧電素子によって保持されていることを特徴とする光変調デバイスにある。
【0017】
かかる第6の態様では、ミラー膜構造の表面積が増加し、変調効率を向上することができる。
【0018】
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記ミラー膜構造が前記圧電素子の駆動により当該ミラー膜構造の略中央部を支点として曲面状に変形することを特徴とする光変調デバイスにある。
【0019】
かかる第7の態様では、ミラー膜構造が曲面状に変形され、入射光をより確実に変調させることができる。
【0020】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様の光変調デバイスと、光源と、この光源からの光を前記光変調デバイスに入射すると共に当該光変調デバイスの前記圧電素子の駆動時又は非駆動時の何れか一方の反射光のみを出射する光学系とを具備することを特徴とする表示装置にある。
【0021】
かかる第8の態様では、変調効率を向上した光変調デバイスを具備する表示装置を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光変調デバイスの概略を示す斜視図であり、図2は、その一画素内のミラー要素を示す断面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の光変調デバイス10は、例えば、厚さが500μmのシリコン(Si)基板等からなるミラー基板11と、このミラー基板11上に2次元アレイ状に設けられたミラー要素20とからなる。
【0025】
各ミラー要素20は、例えば、図2に示すように、弾性板31上に形成された下電極膜32、圧電体層33及び上電極膜34を有する圧電素子30からなり、この圧電素子30を構成する上電極膜34は入射光を反射する反射膜を兼ねている。勿論、上電極膜34上に反射膜を別途設けるようにしてもよい。
【0026】
また、このような構成のミラー要素20の表面は略矩形を有し、その一方の端部には、一辺全体に亘って支持部25が設けられている。すなわち、ミラー要素20はこの支持部25を介してミラー基板11との間に所定の空間を保持した状態でミラー基板11上に支持されている。
【0027】
この支持部25は、ミラー要素20を構成する圧電素子30の下電極膜32、圧電体層33及び上電極膜34、並びに弾性板31がミラー基板11上まで延設されることにより形成されている。すなわち、支持部25はミラー要素20を構成する圧電素子30から連続して、ミラー要素20とは略直交する方向に延設された圧電素子30Aであり、ミラー要素20の圧電素子30に電圧を印加して駆動すると、同時に支持部25の圧電素子30Aも駆動されるようになっている。
【0028】
ここで、圧電素子30及び30Aを構成する上電極膜34は、各圧電素子30の個別の電極であり、ミラー基板11上に設けられた上電極用接続配線12に接続され、この上電極用接続配線12を介してC−MOSトランジスタ等の駆動素子(図示なし)と電気的に接続されている。一方、下電極膜32は、各圧電素子30,30Aの共通の電極であり、ミラー基板11上に設けられた下電極用接続配線13を介して各圧電素子30の下電極膜32と接続されている。
【0029】
また、このような本実施形態の光変調デバイス10の製造方法は、特に限定されないが、本実施形態では、以下の工程で製造した。なお、図3及び図4は、本実施形態の光変調デバイスの製造方法を示す断面図である。
【0030】
まず、図3(a)に示すように、ミラー基板11は、本実施形態では、C−MOSトランジスタからなる駆動素子が設けられたシリコン単結晶基板であり、このミラー基板11上に上電極用接続配線12及び下電極用接続配線13となる配線膜50を全面に亘って形成後、この配線膜50上に犠牲層60を形成する。
【0031】
この犠牲層60の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリシリコン、リンドープ酸化シリコン(PSG)又はボロン・リンドープ酸化シリコン(BPSG)等を用いることが好ましく、本実施形態では、エッチングレートが比較的速いPSGを用いた。
【0032】
次に、図3(b)に示すように、犠牲層60を、例えば、イオンミリング等でパターニングして、各圧電素子30を支持する支持部25に対向する領域に貫通孔61を形成する。また、同時にミラー基板11上に設けられている電極膜50をパターニングしてミラー基板11を露出させると共に上電極用接続配線12と下電極用接続配線13とに分離する。このとき、貫通孔61内に上電極用接続配線12及び下電極用接続配線13の端部を露出する露出部12a,13aをそれぞれ設ける。この下電極用接続配線13の露出部13aは、少なくとも弾性板31の厚さよりも長く露出させておくことが好ましい。これにより、以下の工程で、下電極膜32及び上電極膜34を形成する際に、これらを下電極用接続配線13及び上電極用接続配線12とそれぞれ確実に接続することができる。
【0033】
次に、図3(c)に示すように、犠牲層60の表面に全面に亘って弾性板31及び下電極膜32を形成及びパターニングする。すなわち、弾性板31及び下電極膜32は犠牲層60の貫通孔61内のミラー基板11上にも連続的に形成されるため、まず、弾性板31を形成後、パターニングして貫通孔61内のミラー基板11上に対向する領域の弾性板31を除去し、その後、下電極膜32を成膜し、弾性板31と同様に、パターニングにより貫通孔61内のミラー基板11に対向する領域の下電極膜32を除去する。これにより、下電極膜32と下電極用配線13とが電気的に接続される。
【0034】
このような弾性板31の材料は、弾性変形可能で且つ所定の剛性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、ジルコニウム層を約1μmの厚さで形成後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウムからなる弾性板31とした。
【0035】
また、下電極膜32の材料としては、白金等が好適である。これは、後述するように、スパッタリング法やゾル−ゲル法で圧電体層33を形成する際、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわち、下電極膜32の材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体層33としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた場合には、酸化鉛(PbO)の拡散による導電性の変化が少ないことが望ましい。これらの理由から、本実施形態では、白金をスパッタリング法により形成することにより下電極膜32とした。
【0036】
なお、本実施形態では、下電極膜32を弾性板31上に形成するようにしたが、これに限定されず、下電極膜32が弾性板31を兼ねるようにしてもよい。
【0037】
次に、図4(a)に示すように、下電極膜32上及び犠牲層60の貫通孔61内に圧電体層33を形成する。
【0038】
ここで、圧電体層33の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料が好ましく、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層33を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成した。なお、この圧電体膜33の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法又はMOD法(有機金属熱塗布分解法)等のスピンコート法により成膜してもよい。
【0039】
さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング法もしくはMOD法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長させる方法を用いてもよい。
【0040】
何れにしても、このように成膜された圧電体層33は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向しており、且つ本実施形態では、圧電体層33は、結晶が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させた状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmである。
【0041】
次に、図4(a)に示すように、圧電体層33を各圧電素子30に対応してパターニングする。このとき、圧電素子30となる領域以外の下電極膜32、弾性板31及び犠牲層60も同時に除去する。このとき、ミラー基板11上には、上電極用接続配線12の厚さで、下電極膜が残留するが、この下電極膜の残留部32aは、上電極用接続配線12の一部として機能する。なお、以下に示す図では、残留部32aを省略する。
【0042】
次に、図4(b)に示すように、ミラー基板11上の全面に亘って上電極膜34を形成後パターニングして、各圧電体層33上に上電極膜34を形成する。また、このとき上電極膜34と上電極用接続配線12とを電気的に接続する。
【0043】
上電極膜34は、導電性の高い材料であればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金、銀等の多くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。特に、本実施形態では、上電極膜が入射光を反射する反射膜を兼ねているため、導電性を有すると共に光の反射率の高い材料、例えば、アルミニウム又は銀等を用いることが好ましい。
【0044】
次に、図4(c)に示すように、犠牲層上の上電極膜34、圧電体層33、下電極膜32及び弾性板31をパターニングして各圧電素子30を形成する。
【0045】
その後、図4(d)に示すように、犠牲層60をエッチングにより除去することにより、圧電素子30Aからなる支持部25が形成され、この支持部25を介して圧電素子30の一端部でミラー基板11とは空間を保持した状態で支持される本実施形態のミラー要素20となる。
【0046】
なお、本実施形態では、犠牲層60の材料として、PSGを用いているため、弗酸水溶液によってエッチングした。また、ポリシリコンを用いた場合には、弗酸及び硝酸の混合水溶液、あるいは水酸化カリウム水溶液によってエッチングすることができる。
【0047】
ここで、このように形成された本実施形態の光変調デバイスの動作について説明する。なお、図5は、本実施形態の光変調デバイスの駆動状態を示す模式図であり、図6は、本実施形態の光変調デバイスに照射される光の光路を模式的に示した図である。
【0048】
本実施形態の光変調デバイスでは、上述したように、圧電素子30を有するミラー要素20は、その一端部で支持部25を介してミラー基板11上に支持され、支持部25は、圧電素子30から連続して形成された圧電素子30Aによって形成されている。
【0049】
したがって、このような光変調デバイスでは、ミラー要素20の圧電素子30に電圧を印加して駆動すると、図5に示すように、圧電素子30が支持部25を支点として先端がミラー基板11から離れる方向(図中上方向)に変形する。また、圧電素子30の変形と同時に、支持部25の圧電素子30Aがミラー基板11との接続部分を支点として、上端がミラー要素20とは反対方向(図中右方向)に変形される。これにより、ミラー要素20が支持部25のミラー基板11との接続部分を略中心として回転移動されることになり、ミラー要素20のミラー基板11に対する変形量が実質的に増加する。
【0050】
また、図6に示すようにこのような光変調デバイス10では、各画素となる領域の周囲を覆うように遮光マスク80が設けられている。例えば、この遮光マスク80は、各画素に対向する領域に入射光が通過する貫通孔81を有する略井桁形状を有する。この遮光マスク80は、光吸収材料からなり、例えば、樹脂に分散されたカーボンブラック、黒色顔料、黒色染料等が挙げられる。
【0051】
このような構成では、図6(a)に示すように、圧電素子30に電圧が印加されていない状態では、入射光70が遮光マスク80の貫通孔81を介してミラー要素20の反射膜、すなわち圧電素子30の表面に対して略直角に入射されるため、入射光70は入射光路と略同一光路で貫通孔81から出射される。一方、駆動素子50によって圧電素子30,30Aに電圧が印加された状態では、図6(b)に示すように、ミラー要素20が変形されて湾曲しているため、反射された光は、遮光マスク80に集光されて吸収されるため、貫通孔81から出射されることがない。
【0052】
このような光変調デバイス10を表示装置等に用いた場合、一画素内の各圧電素子30に同時に電圧を印加する、しないによって、入射光70のON、OFFの制御を容易に行うことができる。なお、上述した例では、圧電素子30が変形しない場合がON、変形した場合がOFFとなるが、勿論、これと逆になるように設定することもできる。
【0053】
以上のような本実施形態の構成では、ミラー要素20の圧電素子30に電圧を印加して駆動すると同時に、支持部25の圧電素子30Aが駆動され、ミラー基板11に対するミラー要素20の変形量が実質的に向上する。また、変形量の向上に伴って、素子当たりの面積を小さくすることができるため、各ミラー要素20を高密度に配列することができる。
【0054】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る光変調デバイスの断面図である。
【0055】
本実施形態の光変調デバイス10Aは、図7に示すように、反射膜35を複数、例えば、4つの圧電素子30及び支持部25によって支持するようにした例である。
【0056】
すなわち、本実施形態では、表面が略矩形の反射膜35の各角部に対応する領域のミラー基板11上に、それぞれ支持部25を介して圧電素子30が設けられている。勿論、本実施形態においても、支持部25は、圧電素子30から連続した圧電素子30Aで構成されている。そして、反射膜35は、このような各圧電素子30の支持部25とは反対側の端部近傍に設けられた軸部36を介して各圧電素子30に固定されている。
【0057】
このような構成では、各圧電素子30,30Aに電圧を印加すると、それぞれが支持部25を支点として反射膜35の略中央部に向かって変形される。したがって、反射膜35が、その略中央部を支点として曲面状に変形され、入射光をより効率的に変調させることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、各圧電素子30を反射膜35の各角部に対応する領域に設けるようにしたが、これに限定されず、何れの位置に設けてもよい。何れにしても、圧電素子30に電圧を印加して駆動すると、同時に支持部25の圧電素子30Aも駆動されるため、圧電素子30の変形量が実質的に向上する。
【0059】
また、反射膜35を保持する圧電素子30の数も特に限定されない。
【0060】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の光変調デバイスは上述した実施形態に限定されるものではない。
【0061】
例えば、上述の実施形態では、圧電素子30の上電極膜34が反射膜を兼ねる、あるいは、上電極膜34上に反射膜35を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、上電極膜34上の支持部25とは反対側の端部に、ミラー部材を設けるようにしてもよい。なお、このような構成では、圧電素子30の変形により、ミラー部材の傾斜角度が変化して入射光が変調される。
【0062】
また、以上説明した各構成の本発明の光変調デバイスは、例えば、表示装置の一部として用いられる。
【0063】
図8及び図9には本発明の光変調デバイスを用いた表示装置の一例を示す。なお、図8及び図9は表示装置を構成する光学系の概略断面図であり、レンズ、光変調デバイス等は大幅に簡略化して描いてある。
【0064】
図8に示す表示装置は、光源であるメタルハライドランプ210及び放射面形状のリフレクタ211と、このメタルハライドランプ210からの光を光変調デバイス10に入射させるハーフミラー220と、光変調デバイス10からの出射光を結像する投影レンズ230と、投影レンズ230により結像された像を表示するスクリーン240とを具備する。
【0065】
かかる表示装置では、光源であるメタルハライドランプ210を有し、メタルハライドランプ210から出た光は、リフレクタ211で反射されて略平行な光となってハーフミラー220に入射し、ハーフミラー220で反射されて光変調デバイス10に入射される。なお、ハーフミラー220はキューブ型のハーフプリズムとしてもよい。
【0066】
光変調デバイス10を構成するミラー要素20のうちで、駆動素子50を介して駆動されて変形しているミラー要素20Aの反射面は曲面となっているため、この変形したミラー要素20Aに入射した光は反射されて遮光マスク80に向かって集光され、ハーフミラー220方向には戻らない。一方、変形していないミラー要素20に入射した光は反射されて、投影レンズ230によって像面であるスクリーン240上に結像される。
【0067】
以上のような光学系の構成によって、光変調デバイス10を構成する各ミラー要素20がスクリーン240上の画素に対応し、ミラー要素20のON,OFF、すなわち、変形していない、変形しているによってスクリーン240上の表示画像を変化させることができる。
【0068】
なお、スクリーン240としては反射型のスクリーンあるいは透過性型のスクリーンを用いることができる。
【0069】
また、図8で示した光学系では、光源210から放出された光のうち、ハーフミラー220でその約半分だけが光変調デバイス10を照明し、残りの半分はハーフミラー220を透過して無駄な光となる。さらに、光変調デバイス10で反射した光のうちその半分だけがハーフミラー220を透過して投影レンズ230へ向かう。すなわち、光源から出てスクリーン240に到達する光は、途中でのロスがないとして理想的に見積もっても光源210から出た光の1/4程度に減衰している。
【0070】
図9に示す表示装置では、ハーフミラー220の代わりに、3つの偏光ビームスプリッタ221、222及び224を用いることにより、光源から放射されるエネルギを原理的にロスなくスクリーン240に導くようにしている。
【0071】
図示するように、光源であるメタルハライドランプ210から出た光は、放物面形状のリフレクタ211で反射され略平行な光に変換され、第1の偏光ビームスプリッタ221に入射する。以下、偏光ビームスプリッタ221はP偏光は透過し、S偏光は反射するものとする。
【0072】
光源210からでた光は、その振動方向がランダムな方向を向いている自然光なので、そのうちのP偏光成分(図中pで示す)は第1の偏光ビームスプリッタ221を透過し、S偏光成分(図中sで参照)は反射される。この反射されたS偏光成分の光は隣接する第2の偏光ビームスプリッタ222に入射し、そこで反射されて第2の偏光ビームスプリッタ222をS偏光として出射する。一方、第1の偏光ビームスプリッタ221を透過したP偏光は、第1のビームスプリッタ221の出射面に設けられた1/2波長板223によってS偏光に変換される。したがって、第3の偏光ビームスプリッタ224に入射される光はS偏光に揃っている。
【0073】
S偏光として第3の偏光ビームスプリッタ224に入射された光は、全て光変調デバイス10の方向へ反射されるが、第3の偏光ビームスプリッタ224の光変調デバイス10側の面に設けられた1/4波長板225によって円偏光に変換されて光変調デバイス10に入射される。
【0074】
光変調デバイス10を構成する変形したミラー要素20Aの反射膜で反射した光は、入射光の円偏光とは反対方向に偏光する円偏光となり、1/4波長板225で今度はP偏光となって第3のビームスプリッタ224に入射される。このP偏光は第3のビームスプリッタ224で反射されることなく原理的には全て透過されて投影レンズ230に到達する。
【0075】
以上述べたように、光源から出た光の振動方向を揃えることによって、ハーフミラーを用いた場合のような光のロスがなく、光源から放射されるエネルギを原理的にロスなくスクリーンに導くことができる。すなわち、明るい表示が可能な表示装置を構成することができる。
【0076】
なお、以上の説明では表示装置としては一枚の光変調デバイスを用いた表示装置を説明したが、従来から知られているように、3枚の光変調デバイスを用い、それぞれの光変調デバイスが赤、緑、青それぞれの光を変調し、その変調光を色合成して投写するカラー表示装置としても本発明を用いることができることはいうまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明ではミラー要素の圧電素子を支持部によって基板上に支持し、この支持部をミラー要素の圧電素子と連続する圧電素子で形成するようにしたので、ミラー要素の圧電素子に電圧を印加して駆動すると、同時に支持部の圧電素子も駆動されて変形される。したがって、基板に対するミラー要素の圧電素子の変形量が実質的に向上する。また、このように変形量が向上することにより、素子当たりの面積を小さくすることができ、ミラー要素を高密度に配列することができ、小型化を図った光変調デバイスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの要部断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの変形状態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの光学系の概略断面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る光変調デバイスの要部平面図及び断面図である。
【図8】本発明に係る光変調デバイスを用いた表示装置を構成する光学系の概略断面図である。
【図9】本発明に係る光変調デバイスを用いた表示装置を構成する光学系の概略断面図である。
【符号の説明】
10 光変調デバイス
11 ミラー基板
20 ミラー要素
25 支持部
30,30A 圧電素子
31 弾性板
32 下電極膜
33 圧電体層
34 上電極膜
35 反射膜

Claims (3)

  1. 圧電体層及びこれを挟持する一対の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射するミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要素に対応して設けられた駆動素子とを有する光変調デバイスにおいて、
    前記ミラー要素は前記圧電素子の一方の端部で支持部を介して基板上に片持ち梁状態に支持されており、前記支持部が前記ミラー要素を構成する前記圧電素子と連続して設けられた圧電素子からなり、且つ前記ミラー膜構造が前記支持部によって支持された複数の前記圧電素子によって保持されて前記圧電素子の駆動により当該ミラー膜構造の略中央部を支点として曲面状に変形することを特徴とする光変調デバイス。
  2. 前記ミラー膜構造は、前記圧電素子上に設けられた反射膜から構成されることを特徴とする請求項1に記載の光変調デバイス。
  3. 請求項1又は2に記載の光変調デバイスと、光源と、この光源からの光を前記光変調デバイスに入射すると共に当該光変調デバイスの前記圧電素子の駆動時又は非駆動時の何れか一方の反射光のみを出射する光学系とを具備することを特徴とする表示装置。
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