JP3800260B2 - ブラシレスモータの保護装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、インバ−タ部のスイッチング素子を回転子磁極位置に基づいて制御し、電機子巻線の電流および相を切換えるブラシレスモ−タの保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明の背景】
従来の三相DCブラシレスモ−タは、図3に示す構成を持つ。この図で符号10は直流電源、12はトランジスタ三相ブリッジ回路からなるインバ−タ部、14は回転子、16(16a、16b、16c)は固定子である三相電機子巻線である。回転子は永久磁石を内蔵するクロ−ポ−ル形またはくし形の塊状回転子であり、界磁となるものである。
【0003】
インバ−タ部12は、電源10の+側に接続された3個の入力側スイッチング素子としてのトランジスタTr1,Tr2,Tr3と、電源10の−側に接続された3個の出力側スイッチング素子としてのトランジスタTr4,Tr5,Tr6とを持つ。各トランジスタTr1〜Tr6には逆並列にフライホイ−リング用のダイオ−ドD1 〜D6 が接続されている。
【0004】
対をなすトランジスタTr1とTr4、Tr2とTr5、Tr3とTr6の接続点は、3相電機子巻線16a〜16cの一端に接続されている。各巻線16a〜16cの他端は相互に接続され、結局スタ−接続の電機子巻線16が形成される。
【0005】
18は回転子磁極位置検出器であり、回転子14に直結された永久磁石板20と、これを囲むように等間隔に配置された3つの磁気センサ22と、これらセンサ22の出力に基づいて回転子14の磁極位置を判別する分配器24とを有する。
【0006】
26は制御部であり、分配器24が出力する回転子磁極位置を示す信号に基づいて、トランジスタTr1〜Tr3を選択的にオン・オフすると共に、速度指令に基づいてトランジスタTr4〜Tr6を選択的にチョッピング制御する。ここに外部の機器あるいは速度指令部28が出力する第1速度指令値V1 と、制御部26から速度フィードバック部30にフィ−ドバックされる速度信号Vとの差(V1 −V)=V2 が、第2速度指令値V2 として制御部26に入力される。
【0007】
この制御部26は、ドライバ32、34によって入力側トランジスタTr1〜Tr3と、出力側トランジスタTr4〜Tr6とを別々に制御する。すなわち入力側トランジスタTr1〜Tr3は、所定の回転子磁極位置の範囲内ではオンまたはオフ状態に保持されるようにオン・オフ制御される。出力側トランジスタTr4〜Tr6は第2速度指令値V2 に対応したデュ−ティ−比となるように、例えばPWM(パルス幅制御)方式によりチョッピング制御される。
【0008】
ここにオン・オフ制御あるいはチョッピング制御されるトランジスタTr1〜Tr6は、回転子磁極位置の変化によって順番に変わるのは勿論である。この結果電機子巻線16は回転磁界を発生させ、回転子14を回転させるものである。
【0009】
【従来技術の問題点】
このように構成されるモ−タにおいて、回転子14に外力が加って強制的に逆転される場合がありうる。例えば空調機器の外部ユニットの送風ファン駆動用にこのモ−タを使用した場合には、外気の風がこのファンを逆方向に駆動してモ−タを逆転させることが起こる。この逆転によりモ−タは発電機として機能し、電機子巻線16に逆極性の誘起電圧を発生する。
【0010】
この時にチョッピング制御される側のトランジスタTr4〜Tr6が全てオフあるいはオフに近い状態であると、例えばトランジスタTr1がオンの時には、誘起電圧により巻線16aに電流i1 が流れ、この電流i1 は巻線16bと16cの電流i2 、i3 に分かれてダイオ−ドD2 、D3 に流れるように還流する。
【0011】
オン・オフ制御されるトランジスタTr1〜Tr3は、オン期間が重ならないように回転子磁極位置に同期して順番にオンとなるように制御されているからである。この誘起電圧が大きいと、ダイオ−ドD1 〜D3 あるいはトランジスタTr1〜Tr3を破壊するおそれがあった。
【0012】
また前記のような経路で電流i1 、i2 、i3 が流れている時にトランジスタTr1がオフになると、このオフになる瞬間に巻線16の誘導成分によりこの電流i1 に相当する電流がダイオ−ドD4 を通して電源10から流れることになり、巻線16による回生エネルギ−がダイオ−ドD4 を通して放出される。このため電池10の両極間電圧が急上昇し、トランジスタTr1〜Tr6やダイオ−ドD1 〜D6 を破損するおそれが生じ得る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、モ−タが外力により逆転された場合に、インバ−タ部のスイッチング素子等が破損されるのを防止することができるブラシレスモ−タの保護装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によればこの目的は、スイッチング素子をブリッジ接続して構成したインバ−タ部と、回転子磁極位置検出器と、回転子磁極位置に対応して所定のスイッチング素子をチョッピングあるいはオン・オフ制御する制御部とを備え、回転子磁極位置に基づいて電機子巻線の電流および相を切換えるブラシレスモ−タにおいて、前記回転子が逆転していることを検出して逆転信号を出力すると共に逆転速度を検出する逆転検出部と、この逆転速度の変化に対応して変化する設定速度を出力する速度設定部と、速度指令値が前記設定速度以下であることを判別して速度判別信号を出力する比較部と、前記逆転信号と速度判別信号とに基づいてストップ信号を出力するストップ判別部とを備え、前記ストップ信号に基づいて前記制御部は前記インバータ部の全てのスイッチング素子をオフにすることを特徴とするブラシレスモ−タの保護装置、により達成される。
【0015】
ここに設定速度を逆転速度に対応させて変化させるようにしている。例えば逆転速度が大きくなるに従ってこの設定速度も大きくする。このようにすれば、逆転速度が大きいときに発電機としての出力電圧(誘起電圧)が大きくなっても、この増加に対応して起動を開始する指令速度も大きくなるから、ダイオードやトランジスタの保護が一層確実になる。
【0016】
【実施態様】
図1は本発明の一実施態様の構成図である。この図においては前記図3と同一部分に同一符号を付したので、その説明は繰り返さない。
【0017】
この図で前記図2のものと異なるのは、逆転検出部(逆転速度検出部)50と、速度設定部52と、比較部54と、ストップ判別部56とを有する点である。逆転検出部50は回転子磁極位置検出器18の出力に基づいて回転子14が逆転していることを検出して逆転信号rを出力する。
【0018】
速度設定部52は回転子回転速度Vの設定値である設定速度V0(V0>0)を出力するものである。比較部54は第1速度指令値V1をこの設定速度V0と比較し、V1<V0であることを判別して速度判別信号Dを出力する。
【0019】
ストップ判別部56はアンド回路で形成され、逆転信号rとこの速度判別信号Dが共に入力された時にストップ信号Sを出力する。すなわち、このストップ信号Sは、回転子14が逆転中であり、かつ回転速度の指令値V1が設定値V0よりも小さい時に出力される。なお比較部54は第1速度指令値V1に代えて、第2速度指令値V2を用いて、設定速度V0と比較してもよい。
【0020】
制御部26はこのストップ信号Sが出力されると、全てのトランジスタTr1〜Tr6を同時にオフにするように各ドライバ32、34に信号を出力する。この結果全てのトランジスタTr1〜Tr6は完全にオフとなり、インバ−タ部12は保護される。
【0021】
本発明は、回転子の逆転時には、速度指令値V1またはV2が設定速度V0以下である時に、全てのトランジスタTr1〜Tr6をオフにするものであり、これを入力側のトランジスタTr1〜Tr3のみをオフにしたのでは所期の目的は達成できない。なぜなら制御部26が速度指令値V2 に基づいて正転方向に回転させるように信号をドライバ30に出力している時には、電源10の両電極電圧が急激に増大するからである。その理由は次の通りである。
【0022】
この時にはトランジスタTr4〜Tr6のいずれかがチョッピングしているから、例えばトランジスタTr4がチョッピングしているとすればこれがオンの瞬間に流れた電流i1 は次のオフの瞬間にはフライホイール用ダイオードD4 を通って環流することになる。この間も他の巻線16b、16cの電流i2 、i3 はダイオードD5 、D6 を介して電源10の負極から流出しているから、電源10の両電極間電圧が急増することになる。このためトランジスタTr1〜Tr6やダイオードD1 〜D6 を破壊するおそれが生じるからである。
【0023】
この発明では、速度設定部52が出力する設定速度V0を回転子14の逆転速度V(−)によって変化させている。すなわち逆転速度V(−)が大きければ巻線16に誘起される電圧(逆極性の誘起電圧)も高くなるから、インバータ部12がこの誘起電圧よりも大きい電圧を発生する速度指令値V1またはV2までモータが起動するのを待たせるようにするものである。
【0024】
このためには、逆転検出部50は逆転速度V(−)を検出する一方、速度設定部52はこの逆転速度V(−)の大きさに対する設定速度V0の制御特性を予めメモリしておけばよい。この制御特性は、例えば図2に示すものが考えられる。
【0025】
この図2の制御特性は、逆転速度V(−)が一定値(一定逆転速度)V1(−)より大になると、設定速度V0も一定値(一定設定速度)V01から直線的に増加するようにしたものである。この特性は直線的変化をするものに代えて変化率(傾き)が漸増するもの(図2のA参照)や、漸減するもの(同B参照)など適宜のものが可能である。この特性は逆転速度V(−)に対する誘起電圧の変化特性や、速度指令値V1またはV2に対するインバータ部12の出力電圧の変化特性などを考慮して決められるべきものである。
【0026】
以上の実施態様では、出力側のトランジスタTr4〜Tr6をチョッピング制御することにより、電機子巻線16の電流を制御してモ−タトルクを制御している。しかし電源10の電圧を可変とし出力側トランジスタTr4〜Tr6を入力側と同時にオン・オフ制御することも可能である。本発明はこのようなものも包含する。またスイッチング素子はトランジスタTr1〜Tr6に代えて、サイリスタなど他の素子を用いてもよいのは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
請求項1の発明は以上のように、逆転時には速度指令値(V1、V2)が所定の設定速度(V0)以下の時に全てのスイッチング素子をオフにするものであるから、外力により回転子が逆転する時に電機子巻線に発生する誘起電流は電源を充電する方向に流れるだけになる。このため、逆転時の誘起電流によるスイッチング素子等の破損を防止してインバ−タ部を保護することができる。また回転子の停止中あるいは正転中にはモータを起動させ、速度指令値(V1、V2)に従って回転速度を忠実に制御することができる。
【0028】
ここに設定速度(V0)は逆転速度(V(−))に基づき変化するように制御する。例えば速度設定部に逆転速度(V(−))に対する設定速度(V0)の制御特性をメモリしておくものである。このため逆転速度(V(−))に対する誘起電圧の増減に対応してインバータが作動開始する速度指令値(V1、V2)を変えることになり、適切な制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図
【図2】逆転速度に対する設定速度の制御特性例を示す図
【図3】従来装置の構成図
【符号の説明】
10 直流電源
12 インバ−タ部
14 回転子
16 電機子巻線
18 回転子磁極位置検出器
26 制御部
50 逆転(速度)検出部
52 速度設定部
54 比較部
r 逆転信号
D 速度判別信号
S ストップ信号
V1 第1速度指令値
V2 第2速度指令値
V0 設定速度
V(−) 逆転速度
Claims (2)
- スイッチング素子をブリッジ接続して構成したインバ−タ部と、回転子磁極位置検出器と、回転子磁極位置に対応して所定のスイッチング素子をチョッピングあるいはオン・オフ制御する制御部とを備え、回転子磁極位置に基づいて電機子巻線の電流および相を切換えるブラシレスモ−タにおいて、前記回転子が逆転していることを検出して逆転信号を出力すると共に逆転速度を検出する逆転検出部と、この逆転速度の変化に対応して変化する設定速度を出力する速度設定部と、速度指令値が前記設定速度以下であることを判別して速度判別信号を出力する比較部と、前記逆転信号と速度判別信号とに基づいてストップ信号を出力するストップ判別部とを備え、前記ストップ信号に基づいて前記制御部は前記インバータ部の全てのスイッチング素子をオフにすることを特徴とするブラシレスモ−タの保護装置。
- 前記速度設定部はこの逆転速度が一定逆転速度より大になると設定速度が一定設定速度から増加するように設定速度を制御する、請求項1のブラシレスモータの保護装置。
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JP29466196A JP3800260B2 (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | ブラシレスモータの保護装置 |
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JPH10127084A JPH10127084A (ja) | 1998-05-15 |
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JP29466196A Expired - Fee Related JP3800260B2 (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | ブラシレスモータの保護装置 |
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WO2024090135A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 | モータ駆動装置及びモータ駆動方法 |
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1996
- 1996-10-17 JP JP29466196A patent/JP3800260B2/ja not_active Expired - Fee Related
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