JP3798867B2 - レンジフード - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明はレンジフードに装備される送風機、照明器具等に電流を供給する電源コード、及び送風機の運転に伴ってフード外に設置されているダンパー類を開閉制御する電源コード、信号ケーブル等の配線接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
局所排気用としてガスコンロや電気コンロ等の調理器具の上方に設置されるレンジフードには、そのフード内に装備されている送風機ユニットを運転したり、照明器具を点灯する電源コードが接続されると共に、その送風機ユニットの運転に伴ってダクト内に設置されているダンパー、或いは部屋の壁等に設置されているダンパーを開閉制御する電源コード、信号ケーブル等が接続されている。
そして、例えば電源コード及び信号ケーブル等はその一端がフード内に設置された制御盤に接続され、電源コードの他端には 100V(他に 200V、 220V等もある)電源のコンセントに差し込むプラグが取り付けられ、そのプラグ側がフードの天板を貫通してフード外に引き出されているのが一般的である。
【0003】
そして、プラグをフード外に引き出す為にフードにはプラグを通すことができる大きさの孔を開け、その孔とコードとの間に生じる隙間はゴム等のパッキンで閉鎖されている。
又、上記した孔を出来るだけ小さくする為にフードの天板にコードが通るだけの孔を開け、その孔を通してプラグを取り付けたコードをフード外からフード内に通し、そのコードの先端を制御盤の端子台等にネジ止めする方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、上記した配線接続構造ではコードが直結されているため、フード内に装備された送風機ユニットを取り外し点検するような場合、コード類を取り外したりしなければならず、作業がしにくいといった問題点を有する。
そこで、上記した問題点を解決する手段として直結タイプを接続・分離可能なコネクター方式にすることが考えられる。
即ち、図7に示すようにフード外のコード30a の先端に取り付けた雌コネクター31a をフードの天板32に対しフード外からフード内に向けて垂直に取り付け、その雌コネクター31a に対し接続・分離される雄コネクター31b をフード内のコード30b 先端に取り付ける。
或いは、図8に示すようにフード外のコード30a の先端に取り付けた雌コネクター31a をフードの天板32の内側に水平に取り付け、その雌コネクター31a に対し接続・分離される雄コネクター31b をフード内のコード30b 先端に取り付ける。
【0005】
しかしながら、図7の場合はフードの天板上にコネクターが大きく出っ張り、その為にレンジフードの据付に際しては前記コネクターの出っ張り分を考慮して取り付けなければならず、取り付け設置に不便である。
又、図8の場合は図7の場合の出っ張り問題は解決されるが、コネクターが天板の内面と近接して配置されるため、雄コネクターを安定して掴むことができず接続、分離作業がしにくいといった問題点を有する。
更に、レンジフードはコンロの上方に設置されるため、コネクターの接続・分離作業は目線を真上方向に向けた状態で行うことになり、そうした状態でコネクターを垂直方向、或いは水平方向に抜き差しすることは非常に不便である。
【0006】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、レンジフードの据え付け設置に支障とならず、しかもコネクターの接続・分離を楽な姿勢で容易に行うことができる配線接続構造を備えたレンジフードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成する為に本発明が講じた技術的手段は、前面及び下面が開口したフード本体の天板又は背板,或いは左右側板に、フード外のコードに接続された一方のコネクターをフード内に突出させて傾斜状に固定する接続部を設けると共に、その接続部は該部に固定されるコネクターが下向き傾斜状となるようにし、これにフード内の送風機、又は制御盤から延長突出するコードに接続された他方のコネクターをフード内において接続・分離自在とする。
上記コネクターとしては、今日一般に使用されているピン嵌合タイプ、例えば、日本圧着端子製造株式会社製の商品名「ELコネクター」が挙げられる。
【0008】
上記フード外のコードに接続されたコネクターをフード本体に固定する接続部は、フード本体の天板,背板,或いは左右側板にプレス加工で同一体に形成しても、或いは接続部を構成する部材を別途形成し、それをフード本体の天板、背板、或いは左右側板に組み付けて構成するなど、何れでもよいものである。
又、フード本体内に装備される送風機は、本件出願人が既に提案済みである自己完結タイプの送風機ユニット(例えば、実用新案登録第3015235号)でも、或いはフード本体に下板とフィルタで送風機の収納空間を区画した従来から周知の形態の何れにも対応し得るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は送風機として自己完結タイプの送風機ユニットを装備したレンジフードを示し、図中、Aは下面が開口したフード、Bは前記フードAの天板下面に垂下取り付けられる送風機ユニットである。
フードAは、前面及び下面が開口したフード本体1と、そのフード本体1の前面開口部に着脱自在に接合取り付けられる前板2とで構成されており、前板2はその上端をフード本体1の天板1a よりも上方に延長突出させてフードAの天板上面と天井との間の空間を目隠しする幕板部が一体に形成され、更に前板2の前面下部にはフードA内に収容される送風機ユニットBの運転・停止、運転状態(回転数)の調節、更に該送風機ユニットBに装備される照明器具の点灯・消灯を操作する発信部3が取り付けられている。
【0010】
上記フードA内に収容設置される送風機ユニットBは自己完結タイプの送風機ユニットで、前板2側を短辺とする平面視略台形状をしたハウジング4と、そのハウジング4内に収容されるボリュート形状をした両面吸い込みが可能なファンケーシング5と、そのファンケーシング5内に装着される多翼ファン6と、その多翼ファン6を駆動するファンモータ7と、調理器具面を照らす照明器具8、及び前記したファンモータ7や照明器具8を操作する発信部3からの信号を受信する受信部9、更に前記したファンモータ7や照明器具8への電流の供給、制御信号の供給等を行う制御盤10とで構成されている。そして、制御盤10とファンモータ7、照明器具8、及び受信部9とは夫々コードで電気的に接続されている。
又、前記したハウジング4の左右側面には吸気口4a が開設され、その吸気口4a にフィルタ11が着脱自在に取り付けられている。
更に、前記送風機ユニットBにおけるファンケーシング5の吐出口5a はハウジング4の上面に形成した排気口4b に連絡し、その排気口4b はフードAの天板1a に取り付けたダクト継手を介して排気ダクト12に連絡される。
そして、前記した制御盤10に電源コード、及びレンジフードの運転に伴って開閉が制御されるフードA外部に取り付けられるダンパー類(排気ダクトに装備したダンパー、部屋の壁面に取り付けたダンパー等)(図示省略)を駆動制御するための電源線、信号線が接続されてフードA外に導き正されるが、その入力及び出力側の電源コード、出力信号線等13をフードAを境としてコネクター14で接続・分離する配線接続構造が本発明の要旨である。
【0011】
以下、その配線接続構造について詳細に説明する。
電源コード、出力信号線等13はフードA外のAC電源のコンセント(図示省略)に接続する外部コード13a と、前記送風機ユニットB内の制御盤10に接続される内部コード13b とに分離され、外部コード13a の先端に雌コネクター14a が、内部コード13b の先端に雄コネクター14b が取り付けられている。
そして、外部コード13a の雌コネクター14a はフード本体1の天板1a にプレス加工によって内部に突出する如く形成した接続部15に係着固定し、他方、送風機ユニットBにおけるハウジング4の上面、即ちフード本体1の天板1a 内面と接合する面には前記接続部15が嵌入する嵌合孔16が開設され、その嵌合孔16を貫通して送風機ユニットB内に臨む雌コネクター14a に、制御盤10に接続された内部コード13b の雄コネクター14b が抜き差しされる。
【0012】
上記接続部15は、該部に固定される雌コネクター14a がフード本体1の前面開口に向かって下向き傾斜状となるように、フード本体1の天板1a に、略直角三角形の直角と対向する斜辺部が天板となるように膨出形成し、その接続部15におけるフード本体の前面開口部と対向する面に雌コネクター14a の取り付け孔17が開設され、その取り付け孔17に雌コネクター14a を差し込むことで該雌コネクター14a は接続部15に係着固定される。尚、天板1a に対する接続部15の傾斜角度θとしては、10〜60゜位の範囲が好適である。
【0013】
外部コード13a の先端に取り付けられた雌コネクター14a をフード本体1に固定する接続部15は、上記したフード本体1の天板1a にプレス加工によって同一体に形成する構成に限られるものではなく、図3及び図4に示すように別部材で構成してもよい。
即ち、上記で示した略直角三角形の接続部材18を別途プレス加工等で成形し、その接続部材18の上縁の前後部に突片19a ,19b を突設すると共に、前側の突片19a に止めネジ20が貫通する通孔21が開穿され、後側の突片19b は天板1a の上面に載置係合するように略L字形に折り曲げ形成されている。
【0014】
そして、前記接続部材18が取り付けられるフード本体1の天板1a には接続部材18の平面形状に沿う矩形の組付け孔22が開設されると共に、その組付け孔22の後側縁の中央位置に接続部材18の後側の突片19b が突出係合する切り欠き23が形成され、組付け孔22の前側縁より前方位置には止めネジ20a が通る孔24が開けられている。
それにより、接続部材18を天板1a の組付け孔22の下側に接合し、後側の突片19b を切り欠き23を通して天板1a の上面に係合し、前側の突片19a は天板1a の下面に接合すると共に、止めネジ20、ナット20b で締め付け固定する。尚、接続部材18の前面には前記した実施の形態と同様、雌コネクター14a の取り付け孔が開設されている。
【0015】
又、外部コード13a の雌コネクター14a を固定する接続部15は、フードA内に収容設置される送風機ユニットBのハウジング4内に嵌入突出させる形態に限らず、図5に示すように送風機ユニットBの外でも良く、その場合は送風機ユニットBのハウジング4の上面には前記嵌合孔16は必要なく、単にコード13b を突出させるための孔が開けられていれば良い。
更に、フード本体1a に設ける接続部15の位置は、前述したフード本体1の天板1a に限らず、図5に二点鎖線で示すようにフード本体1の背板1b 、或いはフード本体1の左右側板に同様の構造で設けてもよいものである。
【0016】
以上に説明した実施の形態は送風機が自己完結タイプの送風機ユニットであるが、本発明の配線接続構造は自己完結タイプの送風機ユニットを内蔵したレンジフードに限られるものではなく、フード本体の内部に送風機の収納空間が下板とフィルタで区画形成される一般的なレンジフードにも採用でき、同様の効果が期待できるものである。
その構成を簡単に説明すると、図6に示すようにフード本体25の天板25a に前記したと同様の接続部26を形成し、その接続部26に外部コードの雌コネクター27a を固定し、その雌コネクター27a に接続する雄コネクター27b は送風機28のケーシング外面に取り付けた制御部29に接続したコードに接続されている。
【0017】
以上のような配線接続構造により、フードA内に装備される送風機ユニットBを清掃するような場合、送風機ユニットBのフィルタ11を外し、吸気口4a からハウジング4内に手を入れて、該ハウジング4内に露出するコネクターを手前側に向けて斜め下向きに引っ張れば簡単に分離することができ、同様に接続時は斜め上方に向けて差し込めば良いため、楽な姿勢で接続・分離の作業が出来る。
そして、外部コードのコネクターはフード本体内に膨出する接続部に収容されて固定されるため、フードの外にコネクターは突出せず、コネクターが接続されているコードのみが突出することになる。従って、フード外面の突出量は少なく、レンジフードの据え付け工事に制約を受けるといったのことは解消される。
【0018】
【発明の効果】
本発明のレンジフードは請求項1乃至3に記載の構成により、フード内外に配線されるコードを接続するコネクターの抜き差し動作を楽な姿勢で容易に行うことができる。
しかも、フード外のコードに取り付けられたコネクターはフード本体内に膨出する接続部に収容されて固定されるため、フードの外にコネクターは突出せず、コネクターが接続されているコードのみが突出することになる。
従って、フード外面の突出量は少なく、レンジフードの据え付け工事に制約を受けるといったのことは解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】送風機ユニットを内蔵したレンジフードの場合の配線接続構造を示す縦断側面図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】フード本体に設けられる接続部の他の形態を示す断面図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5】接続部を送風機ユニットの外に設けた形態を示す断面図である。
【図6】一般的なレンジフードに本配線接続構造を施した斜視図である。
【図7】コネクターを用いたコード接続の一般的な形態を示す説明図である。
【図8】コネクターを用いたコード接続の一般的な他の形態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
A…フード B…送風機ユニット
1…フード本体 2…前板
13…電源コード、信号線等のコード
14…コネクター 14a …雌コネクター
14b …雄コネクター 15…接続部
18…接続部材 22…組付け孔
Claims (3)
- フードに装備した送風機、照明器具等に電流を供給する電源コード及び/又は送風機の運転に伴ってフード外のダンパー類を開閉制御する電源、信号のコードが、フード内においてコネクターで接続されたレンジフードにおいて、前面及び下面が開口したフード本体の天板又は背板、或いは左右側板に、フード外のコードに接続された一方のコネクターを傾斜状に固定する接続部をフード内方に向けて膨出形成すると共に、その接続部は該部に固定されるコネクターが、フード本体の前面側又は下面側に向けて下向き傾斜状となるようにし、これにフード内の送風機、又は送風機に接続された制御盤から延長突出するコードに接続された他方のコネクターをフード内において接続・分離自在としたことを特徴とするレンジフード。
- 上記接続部が、フード本体の天板,背板,或いは左右側板をフード内に向けて一体に膨出して形成してある請求項1記載のレンジフード。
- 上記接続部が、フード本体の天板,背板,或いは左右側板に組付け孔を開設し、その組付け孔に別途成形した接続部材を嵌め込んで形成してある請求項1記載のレンジフード。
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