上記のようなテレビ電話装置、特に携帯可能なテレビ電話装置を使用して通話を行う場合、使用者は、テレビ電話装置の受話器を耳にあてて通話を行う(以下、接話と記載する)か、または主にテレビ電話として使用するためにテレビ電話装置本体を置いて手に持たずに通話を行う(以下、ハンズフリーと記載する)。携帯可能なテレビ電話装置の形状としては、直方体の棒状のものが多く、たとえばハンズフリーで通話をする場合、使用者は、テレビ電話装置を動かないように安定した状態、すなわち筐体の長手方向を設置面に対して水平方向又は鉛直方向に置くことが多い。
このようにテレビ電話装置本体の向きは通話の形態により異なり、テレビ電話装置本体に設けられた撮像手段および表示手段の向きも変わることとなる。したがって、撮像手段が撮像した画像の向きを正常な向きの画像になるように処理して送信する必要があり、また表示手段で表示される映像が正常な向きで表示されるように処理する必要がある。しかしながら、上記従来のテレビ電話装置では、通話の形態に応じて、撮像手段で撮像した画像(以下、単に撮像画像という。)の方向を変えたり、表示手段で相手側から受信した画像(以下、受信画像という。)を表示する方向を変えたりすることができない。そのため、撮像した画像の向きが不自然なまま相手側に送信されたり、また表示した画像の向きが不自然になるなどの問題点がある。
本発明は、上記問題を解決するもので、撮像手段や表示手段の向きによって、撮像画像や受信画像の向きを変更でき、常に適切な画像を送信または表示することが可能なテレビ電話装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、撮像手段や表示手段の向きに応じて適した受話手段および送話手段を選択する、つまり受信音声を耳に近接して用いるレシーバで再生し、送信音声を口に近接して用いるマイクで集音する通話形態である接話と、受信音声を耳から遠ざけて用いるスピーカで再生し、送信音声を口から遠ざけて用いるマイクで集音する通話形態であるハンズフリー通話とを選択することが可能なテレビ電話装置を提供することである。
前述した目的を達成するために、本発明の電話装置は、屈曲部を設け折り畳み可能に構成された電話装置であって、被写体を撮像し、該被写体の像に応じた撮像画像信号を生成する撮像手段と、前記撮像手段の鉛直方向を検出する撮像鉛直方向検出部と、前記撮像鉛直方向検出部の検出結果に基づいて、前記被写体の鉛直方向の上側が相手側に送信する画像の上側となるように前記撮像画像信号を処理して送信画像信号とする送信画像回転手段と、前記送信画像回転手段により処理された前記送信画像信号を送信し、受信画像信号を受信する無線回線による通信手段と、前記受信画像信号に基づき画像を表示する表示手段と、前記通信手段から受信した受信音声信号を再生し使用者の耳に近接して用いる接話用の受話手段と、前記通信手段から受信した受信音声信号を再生するハンズフリー用のスピーカーと、前記撮像鉛直方向検出部の検出結果に基づいて前記通信手段から受信した受信音声信号の再生を前記受話手段と前記スピーカーとで切り替える撮像受話切換部と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明のテレビ電話装置では、テレビ電話装置の向きに応じて、撮像手段によって撮像した画像および/または相手側から送られてきた画像を回転させる。したがって、テレビ電話装置が通話の形態によって様々な向きで使用された場合でも、撮像した画像が正常な向きで送信され、また相手側から送られてきた画像が正常な向きで表示される。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記テレビ電話装置の向きを検出する検出手段は、前記撮像手段の鉛直方向を検出する撮像方向検出手段を有してなることを特徴とするものである。
本発明のテレビ電話装置では、撮像方向検出手段により撮像手段の鉛直方向を検出することで、テレビ電話装置本体の向きおよび表示手段の向きを決定する。そして、撮像手段の向きに応じて撮像画像を回転させ、また、表示手段の向きに応じて相手側から送られてきた受信画像を回転させる。したがって、テレビ電話装置が通話の形態によって様々な向きで使用された場合でも、撮像画像が正常な向きで送信され、また相手側から送られてきた受信画像が正常な向きで表示される。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記テレビ電話装置の向きを検出する検出手段は、前記表示手段の鉛直方向を検出する表示方向検出手段を有してなることを特徴とするものである。
本発明のテレビ電話装置では、表示方向検出手段により表示手段の鉛直方向を検出することで、テレビ電話装置本体の向きおよび撮像手段の向きを決定する。そして、撮像手段の向きに応じて撮像画像を回転させ、また、表示手段の向きに応じて相手側から送られてきた受信画像を回転させる。したがって、テレビ電話装置が通話の形態によって様々な向きで使用された場合でも、撮像画像が正常な向きで送信され、また相手側から送られてきた受信画像が正常な向きで表示される。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記回転手段は、前記テレビ電話装置の向きに基づいて、前記送信画像信号の向きを回転させる送信画像回転手段を有してなることを特徴とするものである。
本発明のテレビ電話装置では、テレビ電話装置の向きに基づいて、撮像画像に基づく送信画像信号の向きを回転する。したがって、テレビ電話装置が通話時の設置形態によって様々な向きで使用された場合でも、撮像画像が正常な向きで送信される。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記回転手段は、前記テレビ電話装置の向きに基づいて、前記受信画像信号の向きを回転させる受信画像回転手段を有してなることを特徴とするものである。
本発明のテレビ電話装置では、テレビ電話装置の向きに基づいて、受信画像に基づく受信画像信号の向きを回転する。したがって、テレビ電話装置が通話の形態によって様々な向きで使用された場合でも、相手側から送られてきた受信画像が正常な向きで表示される。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記通信手段から受信した受信音声信号を再生する第1の受話手段と、前記通信手段から受信した受信音声信号を第1の受話手段とは異なる信号レベルに再生する第2の受話手段と、前記テレビ電話装置の向きに基づいて前記第1の受話手段と前記第2の受話手段とを切り換える受話切換手段とを備えることを特徴するものである。
本発明のテレビ電話装置では、テレビ電話装置の向きに基づいて、第1の受話手段と第2の受話手段とを切換えるものである。したがって、テレビ電話装置の通話形態によって、使用者が状況に適した通話を行うことができる。
または、前記第1の受話手段と第2の受話手段とを一つの受話手段で構成し、テレビ電話装置の向きに基づいてテレビ電話装置の使用形態を検出して、受話切換手段により受信した音声信号の信号レベルを切換えるように構成することもできる。したがって、一つの受話手段のみで、使用者がテレビ電話装置の通話形態に適した通話を行うことができる。
また、本発明のテレビ電話装置は、音声を電気信号に変換して送信音声信号を生成する第1の送話手段と、音声を電気信号に変換して第1の送話手段とは異なる信号レベルの送信音声信号を生成する第2の送話手段と、前記テレビ電話装置の向きに基づいて前記第1の送話手段と前記第2の送話手段とを切り換える送話切換手段とを備えることを特徴するものである。
本発明のテレビ電話装置では、テレビ電話装置の向きに基づいて、第1の送話手段と第2の送話手段とを切換えるものである。したがって、テレビ電話装置の通話形態によって、使用者が状況に適した通話を行うことができる。
または、前記第1の送話手段と第2の送話手段とを一つの送話手段で構成し、テレビ電話装置の向きに基づいてテレビ電話装置の使用形態を検出して、送話切換手段により送信する音声信号の信号レベルを切換えるように構成することもできる。したがって、一つの送話手段のみで、使用者がテレビ電話装置の通話形態に適した通話を行うことができる。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記受話切換手段は、撮像手段検出手段により検出した撮像手段の鉛直方向に基づいて、前記第1の受話手段と第2の受話手段とを切り換える撮像受話切換手段を有してなることを特徴するものである。
本発明のテレビ電話装置では、撮像手段の向き、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいてテレビ電話装置の使用形態を検出し、第1の受話手段と第2の受話手段とを切換えるものである。したがって、テレビ電話装置の通話形態によって、使用者が状況に適した通話を行うことができる。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記受話切換手段は、表示受話切換手段であり、表示手段検出手段からの表示手段の鉛直方向または水平方向に基づいて、前記第1の受話手段と第2の受話手段とを切り換えることを特徴するものである。
本発明のテレビ電話装置では、表示手段の向き、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいてテレビ電話装置の使用形態を検出し、第1の受話手段と第2の受話手段とを切換えるものである。したがって、テレビ電話装置の通話形態によって、使用者が状況に適した通話を行うことができる。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記送話切換手段は、撮像手段検出手段により検出した撮像手段の鉛直方向に基づいて、前記第1の送話手段と第2の送話手段とを切り換える撮像送話切換手段を有してなることを特徴するものである。
本発明のテレビ電話装置では、撮像手段の向き、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいてテレビ電話装置の使用形態を検出し、第1の送話手段と第2の送話手段とを切換えるものである。したがって、テレビ電話装置の通話形態によって、使用者が状況に適した通話を行うことができる。
また、本発明のテレビ電話装置は、前記送話切換手段は、表示手段検出手段により検出した表示手段の鉛直方向に基づいて、前記第1の送話手段と第2の送話手段とを切り換える表示送話切換手段を有してなることを特徴するものである。
本発明のテレビ電話装置では、表示手段の向き、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいてテレビ電話装置の使用形態を検出し、第1の送話手段と第2の送話手段とを切換えるものである。したがって、テレビ電話装置の通話形態によって、使用者が状況に適した通話を行うことができる。
以上のように本発明によれば、テレビ電話装置は、撮像部や表示部の向きによって、撮像画像や受信画像の向きを変更でき、常に適切な画像を送信または表示することが可能なテレビ電話装置を提供することができるという効果がある。
また、本発明は、撮像手段や表示手段の向きに応じて適した受話手段および送話手段を選択することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本発明の実施の形態に係るテレビ電話装置は、例えば、パーソナルハンディーホンや携帯電話等の移動体通信装置として使用されるものであり、特に携帯可能な装置に好適である。
[ 第1の実施の形態 ]
第1の実施の形態におけるテレビ電話装置は、撮像手段の鉛直方向に基づいて、撮像画像および受信画像を回転処理することにより、テレビ電話装置の通話の形態にかかわらず、撮像画像および受信画像を正常な状態で送信および表示することができるものである。図1は本発明の第1の実施の形態に係るテレビ電話装置の構成を示すブロック図、図2は撮像鉛直方向検出部の一構成を示す縦断面図、図3はテレビ電話装置本体10の設置例を示す斜視図、図4は着脱可能な撮像部1bを有するテレビ電話装置本体10の設置例を示す斜視図である。
図1に示すように、第1の実施の形態のテレビ電話装置は、被写体を撮像し、被写体の像に応じた画像信号を生成する撮像手段に該当する撮像部1と、この撮像部1の鉛直方向を検出し、テレビ電話装置本体の向きを決定するための撮像方向検出手段に該当する撮像鉛直方向検出部2と、撮像部1からの画像信号を受け取り、前記撮像鉛直方向検出部2によって検出された撮像部1の鉛直方向に基づいて回転処理を行う送信画像回転手段に該当する送信画像回転部3と、無線又は有線回線である通信回線を介して、自身側から送る画像信号(送信画像信号)を変調して送信を行う通信手段に該当する通信部4とを有して構成される。
また、無線又は有線回線である通信回線を介して、相手側から送られてくる画像信号(受信画像信号)を受信し復調を行う通信部4と、この復調された画像信号を受け取り回転処理を行う受信画像回転手段に該当する受信画像回転部5と、回転処理を施した画像信号を映像として表示する表示手段に該当する表示部6とを備える。なお、ここでは、テレビ電話装置の向きとして、テレビ電話装置本体と撮像部及び表示部との向きが同じであるとする。
テレビ電話装置における送信動作および受信動作について以下に説明する。
(送信動作)
画像の送信を行う際には、まず、被写体を撮像部1で撮像する。該撮像部1はさらに撮像した被写体に関する画像データを電気的信号に変換して画像信号を生成し、その画像信号を送信画像回転部3に出力する。このとき、撮像鉛直方向検出部2は撮像部1の鉛直方向を検出し、その結果を送信画像回転部3および受信画像回転部5に出力する。この撮像鉛直方向検出部2は、たとえば、水銀と電極との接点を利用して鉛直方向を検出するものである。図2に示すように、撮像鉛直方向検出部2は、ガラスなどにより構成された筐体7と、この筐体7内に内包された水銀8と、筐体7の壁面を貫通するように上下左右に設けられた電極対9A、9B、9C、9Dとを有して構成される。水銀8にかかる重力によって、図示するように水銀8は筐体7内の下方に位置し、電極対9Aを短絡するように作用する。このことは、他の電極対に対しても同様に作用し、筐体内の下方に位置する電極対が水銀により短絡される。したがって、この短絡を検出することにより、たとえば図2において電極対9Aが下側であることを検出することができる。つまり、水銀により短縮されている部分は筐体内において鉛直方向の下側を示し、鉛直方向の検出が可能となる。
再び図1を参照して、上記のように検出された撮像部の鉛直方向の情報と、撮像部によって撮像された撮像画像の画像信号とを受信した送信画像回転部3は、撮像部の鉛直方向の情報に基づいて、撮像画像において撮像部1の鉛直方向の上側、すなわち被写体の鉛直方向の上側が相手側に送信する画像の上側となるように、画像信号を回転処理する。そして、送信画像回転部で処理された画像信号は、通信部4で変調され、通信回線を介して相手側に送信される。
なお、前記撮像鉛直方向検出部2は、図2に示した水銀を利用したものに限定されるものではない。たとえば、他の鉛直方向検出方法としては、ハフ変換( Haugh transform)を用いて、撮像部1により得られた画像のエッジ部分を抽出し、一定以上の頻度で現れる直線を抽出して、直線の角度の統計を取り、もっとも頻繁に検出された角度を鉛直方向とする方法がある。撮像部により被写体を撮像する場合、ビルなどの建物が背景としてあるいはそれ自体が被写体となる。これらの建物は一般的には鉛直に建っているため撮像画像は、鉛直方向の直線を多く含むことになる。したがって、ハフ変換を用いて、撮像画像に含まれる様々な角度の直線を抽出し最も多く現れた角度の直線を鉛直方向と見なすことができ、それによって鉛直方向を検出することが可能になる。しかしながらこのハフ変換を用いた鉛直方向検出方法は、180度回転した場合も同じ結果となる。それゆえ、たとえば、テレビ電話装置本体の設置角度を垂直から右側面を下にするまでの90度以内に制限される。ハフ変換についての詳しい説明は、周知の技術であるため省略する。
(受信動作)
画像の受信を行う際には、まず、通信部4によって受信した画像信号を復調し受信画像回転部5に出力する。復調された画像信号を受信した受信画像回転部5は、前記撮像鉛直方向検出部2より検出された撮像部1の鉛直方向の情報に基づいて、つまりテレビ電話装置本体の向きおよび表示部6の向きの情報に基づいて、受信画像の上側が表示部6の鉛直方向の上側に表示されるように、すなわち相手側から送られてきた映像が自身側で正常に表示できるように、画像信号の回転処理を行う。そして、回転処理を施した画像は、表示部6において映像として表示される。
次に、本実施形態におけるテレビ電話装置の設置例の第1例を、図3を参照して説明する。図3において、第1例のテレビ電話装置は、テレビ電話装置本体10と、このテレビ電話装置本体10内に備えられた撮像部1aと、撮像鉛直方向検出部2aと、表示部6aとを有して構成され、テレビ電話装置本体10は、ハンズフリーで用いる場合、図3(a)〜(c)に示す第1〜第3の設置例のように置かれる。図において、図1に含まれる手段と同様の作用をするものについては、その説明は省略する。
図3(a)は、テレビ電話装置本体の上面(アンテナ側)が図において左側にくるように、テレビ電話装置本体10の長手方向を設置面に対して水平に置いた例である。以下、この図3(a)の設置例を基準として説明する。すなわち、図3(a)において、撮像部1aにより撮像された被写体11の画像データは、回転処理を行うことなく送信画像12として正常な向きで送信される。また、通信部4を介して受信した画像は回転処理を行うことなく、正常な向きで表示されるものとする。
図3(b)の第2の設置例は、図3(a)の第1の設置例に対し、180度回転して設置された場合を示している。この場合、撮像部1aにより撮像された写体11は、180度反転した画像、すなわち被写体11の上下が逆さになった画像として送信画像回転部3に出力される。したがって、送信画像回転部3は、撮像鉛直方向検出部2aにより検出された撮像部1aの鉛直方向に基づいて、撮像部1aの鉛直方向の上側、すなわち被写体11の鉛直方向の上側となる方向を送信する画像の上側となるように被写体11の画像信号を回転処理し、通信部4を介して送信画像12として相手側に送信する。
一方、相手側から送信され通信部4で受信された受信画像は、表示部6aが正常な向きとは180度反転しているため、このまま表示されると180度反転した画像となって表示されることになる。したがって、受信画像回転部5は、撮像鉛直方向検出部2aにより検出された撮像部1aの鉛直方向に基づいて、つまり表示部6aの向きの情報に基づいて、受信画像の上側が表示部6aの上側になるように、受信画像に基づく画像信号を回転処理する。これにより、回転処理された画像は、図示するように、表示部6aで正常な向きで表示される。
図3(c)の第3の設置例は、図3(a)で示したテレビ電話装置本体10の第1の設置位置を反時計回りに90度回転した場合である。したがって、送信画像回転部3での画像の回転処理は、基準方向の画像(すなわち図3(a)の撮像手段1aで撮像された撮像画像)に対し撮像画像を時計周りに90度回転させる処理を行う。また、受信画像回転部5では、基準方向の画像(すなわち図3(a)の表示部6aで表示される画像)に対し受信画像を時計周りに90度回転させる処理を行う。
このように、撮像部1aの向き(すなわち、テレビ電話装置本体の向き)に応じて、常に撮像された被写体の上側が送信する画像の上側となるように変換し、また、受信された画像が表示部6aに表示される場合に正常に表示されるように変換することで、使用者が正常な画像を送信するまたは表示することが可能となる。
なお、テレビ電話装置は、屈曲部を設け折畳み可能に構成されているが、これに限定されるものではない。また、撮像部1aは、図に示したように、屈曲する部分を中心としてボタン側に設けられているが、表示部6a側に設けることも可能であり、この構成を限定するものではない。さらに、撮像部1aは、所定の角度に傾斜させ得るように構成され、使用者の位置に応じた任意の角度で撮像することが可能なように設けてもよい。また、撮像鉛直方向検出部2aは、テレビ電話装置本体10の正面や背面に設置することも可能であり、この構成を限定するものではない。
次に、本実施形態におけるテレビ電話装置の設置例の第2例を、図4を参照して説明する。第2例におけるテレビ電話装置は、撮像手段の鉛直方向に対するテレビ電話装置本体および表示部の向きに基づいて、撮像画像および受像画像を回転処理することにより、テレビ電話装置の通話の形態にかかわらず、撮像画像および受信画像を正常な状態で送信および表示することができるものである。図4(a)〜(c)はそれぞれ、撮像部1bが着脱可能に構成されたテレビ電話装置をハンズフリーで用いる場合の第1〜第3の設置例を示している。なお、第1例に含まれる手段と同様の作用をするものについては、その説明は省略する。
図4において、テレビ電話装置は、テレビ電話装置本体10の上面(アンテナ側)および左右側面に設置可能に設けられた撮像部1bと、テレビ電話装置本体10の接続端子を兼ね、撮像部1bが接続された端子により撮像部1bの鉛直方向を検出する(つまりテレビ電話装置本体の向きおよび表示部の向きを検出する)撮像鉛直方向検出部2bと、この表示部の向きに基づいて、図示しない受信画像回転部により回転処理を施した画像信号を映像として表示する表示部6bとを備えて構成される。
第2の実施例では、撮像部1は、テレビ電話装置本体に着脱可能に構成され、撮像部がテレビ電話装置本体のどこに差し込まれたかによりテレビ電話装置本体の向きを定めるものである。つまり、撮像部がテレビ電話装置の右側面に接続された場合には、テレビ電話装置の左側面を下にして置くと想定し、それに合うように受信画像回転部5によって、受信画像を回転させる。なお、撮像部1は、被写体が正常に撮像されるように使用者により自由に設置されるため、撮像画像の回転処理を行う必要はない。
図4(a)は、テレビ電話装置本体の上面が図において左側にくるように、テレビ電話装置本体10の長手方向を設置面に対して水平に置いた例であり、この図4(a)の設置例を基準とすると、図4(a)において、撮像部1bにより撮像された被写体11の画像データは、送信画像12として正常な向きで送信され、通信部を介して受信した画像は、回転処理を行うことなく、正常な向きで表示される。
図4(b)の第2の設置例は、図4(a)の第1の設置例に対し、180度回転して設置された場合を示している。この場合、相手側から送信され通信部4で受信された受信画像は、表示部6bが正常な向きとは180度反転しているため、このまま表示されると180度反転した画像となって表示されることになる。したがって、受信画像回転部5は、撮像鉛直方向検出部2bにより検出された撮像部1bの鉛直方向に基づいて、つまり表示部6bの向きに基づいて、受信画像の上側が表示部6bの上側になるように、受信画像に基づく画像信号を回転処理する。これにより、回転処理された画像は、図示するように、表示部6bで正常な向きで表示される。また、図4(c)の第3の設置例では、図4(a)で示したテレビ電話装置本体10の第1の設置位置を反時計回りに90度回転した場合である。したがって、受信画像回転部5において、基準方向の画像(すなわち図4(a)の表示部6bで表示される画像)に対して受信画像を時計周りに90度回転させる処理を行う。
このように、テレビ電話装置において撮像部1bを着脱可能に設け、その撮像部1bの接続端子である撮像鉛直方向検出部2bによって、テレビ電話装置本体10の向きおよび表示部6bの向きを検出できる。この表示部6bの向きに応じて、受信された画像が表示部6bに表示される場合に正常に表示されるように画像を回転することで、使用者が正常な画像を見ることが可能となる。
[ 第2の実施の形態 ]
本発明の第2の実施の形態のテレビ電話装置は、表示手段の鉛直方向に基づいて、撮像画像および表示画像を回転処理することにより、テレビ電話装置の通話の形態にかかわらず、撮像画像および表示画像を正常な状態で送信および表示することができるものである。図5は本発明の第2の実施の形態に係るテレビ電話装置の構成を示すブロック図、図6は着脱可能な表示部6cを有するテレビ電話装置本体10の一構成を示す斜視図である。図において、第1の実施の形態に含まれる手段と同様の作用をするものについては、その説明は省略する。
図5に示すように、第2の実施の形態のテレビ電話装置は、被写体を撮像し、被写体の像に応じた画像信号を生成する撮像部1と、撮像部1からの画像信号を受け取り回転処理を行う送信画像回転部3と、無線又は有線回線である通信回線を介して、自身側から送る画像信号を変調し送信を行う通信部4とを有して構成される。
また、無線又は有線回線である通信回線を介して受信した画像信号を受信し復調する通信手段4と、表示部6の鉛直方向を検出し、テレビ電話装置本体の向きを決定するための表示方向検出手段に該当する表示鉛直方向検出部13と、復調された画像信号を受け取り、前記表示鉛直方向検出部13によって検出された表示部6の鉛直方向に基づいて回転処理を行う受信画像回転部5と、回転処理を施した画像信号を映像として表示する表示部6とを備える。なお、ここでは、テレビ電話装置の向きとして、テレビ電話装置本体と撮像部及び表示部との向きが同じであるとする。
送信動作としては、まず、被写体を撮像部1で撮像し、該撮像部1で撮像した被写体に関する画像データを電気的信号に変換し、その画像データを送信画像回転部3に出力する。表示鉛直方向検出部13は表示部6の鉛直方向、つまりテレビ電話装置本体の向きおよび撮像部1の向きを検出し、その結果を送信画像回転部3および受信画像回転部5に出力する。この表示鉛直方向検出部13は、たとえば、図2に示したものと同様の構成のものを用いればよい。次いで、表示部の鉛直方向の情報、つまり撮像部の向きの情報と、撮像部によって撮像された撮像画像の画像信号とを受信した送信画像回転部3は、撮像部1の鉛直方向の情報に基づいて、撮像画像において撮像部1の鉛直方向の上側が相手側に送信する画像の上側となるように、画像信号を回転処理する。そして、送信画像回転部3で処理された画像信号は、通信部4で変調され、通信回線を介して相手側に送信される。
受信動作としては、まず、通信部4によって受信した画像信号を復調し、受信画像回転部5に出力する。受信画像回転部5は、前記表示鉛直方向検出部13より検出された表示部6の鉛直方向の情報に基づいて、画像信号に基づく受信画像の上側を、表示部6に対して鉛直方向の上側に表示されるように、すなわち相手側から送られてきた映像が自身側で正常に表示できるように、画像信号の回転処理を行う。そして、回転処理を施した画像は、表示部6において映像として表示される。
次に、本実施形態におけるテレビ電話装置の設置例を、図6を参照して説明する。図6において、テレビ電話装置は、撮像部1cと、テレビ電話装置本体10の接続端子を兼ね、表示部6cが接続された端子により表示部6cの鉛直方向を検出する(すなわちテレビ電話装置本体の向きを検出する)表示鉛直方向検出部13aと、テレビ電話装置本体10から着脱可能に構成され、テレビ電話装置本体10の上面(アンテナ側)および左右側面に設けられた表示部6cとを有して構成される。図6(a)〜(c)は、ハンズフリーで用いる場合におけるテレビ電話装置本体10の第1〜第3の設置例を示しており、図において、図5に含まれる手段と同様の作用をするものについては、その説明は省略する。
図6の一実施例における表示部6cは、テレビ電話装置本体に着脱可能であり、表示部6cがテレビ電話装置本体のどこに差し込まれたかによりテレビ電話装置本体の向きを定めるものである。つまり、表示部6cがテレビ電話装置の右側面に接続された場合には、テレビ電話装置の左側面を下にして置くと想定し、それに合うように送信画像回転部5によって、撮像画像を回転させる。なお、表示部6cは、使用者に対して画像が正常に表示されるように、使用者により自由に設置されるため、受信画像の回転処理を行う必要はない。
図6(a)は、テレビ電話装置本体の上面が図において左側にくるように、テレビ電話装置本体10の長手方向を設置面に対して水平に置いた例であり、この図6(a)の設置例を基準とすると、図6(a)において、撮像部1により撮像された被写体11の画像データは、回転処理を行うことなく、送信画像12として正常な向きで送信され、通信部を介して受信した画像は、正常な向きで表示される。
図6(b)の第2の設置例は、図6(a)の第1の設置例に対し、180度回転して設置された場合を示している。この場合、撮像部1cにより撮像された被写体は、180度反転した画像、すなわち被写体の上下が逆さになった画像として、送信画像回転部3に出力される。したがって、送信画像回転部3は、表示鉛直方向検出部13aにより検出された表示部6cの鉛直方向に基づいて、つまり撮像部1cの向きに基づいて、撮像部1cの鉛直方向の上側、すなわち被写体の鉛直方向の上側となる方向を送信する画像の上側となるように、被写体の画像信号を回転処理し、通信部4を介して送信画像12として相手に送信する。また、図6(c)の第3の設置例では、図6(a)で示したテレビ電話装置本体10の第1の設置位置を反時計回りに90度回転した場合である。したがって、送信画像回転部において、撮像画像を、基準方向の画像(すなわち図6(a)の撮像部1cで撮像される画像)に対して時計周りに90度回転させる処理を行う。
このように、テレビ電話装置において表示部6cを着脱可能に設け、その表示部6cの接続端子である表示鉛直方向検出部13aによって、テレビ電話装置本体10の向きおよび撮像部1cの向きを検出できる。この撮像部1cの向きに応じて、撮像された被写体の上側が送信する画像の上側となるように変換することで、使用者が正常な画像を送信することが可能となる。
図6では、表示部6cを着脱可能とし、表示鉛直方向検出部13aをその接続端子としたが、変形例として、表示鉛直方向検出部を別体とし、テレビ電話装置本体10の背面や正面に設置することも可能であり、この構成を限定するものではない。この場合は、表示鉛直方向検出部13aの表示部6cの鉛直方向に基づき、受信画像回転部5により受信画像の回転処理を行い、正常な向きに表示されるようにする必要がある。
本発明の第1および第2の実施の形態では、テレビ電話装置は、直方体を有し、屈曲部を設け折畳み可能な構成としたが、このような構造に限定されず、如何なるテレビ電話装置本体の形状および設置位置によっても、撮像の方向に応じて撮像画像の向きを自由に変換することができ、また表示部の方向に応じて受信した表示画像の向きを自由に変換することができる。
[ 第3の実施の形態 ]
第3の実施の形態におけるテレビ電話装置は、撮像手段の鉛直方向に基づいて、撮像画像および受信画像を回転処理することにより、テレビ電話装置の通話の形態にかかわらず、撮像画像および受信画像を正常な状態で送信および表示することができるものである。さらに、通信手段を介して相手側に送信する音声および通信手段を介して相手側から受信した音声を、テレビ電話装置の通話の形態に適して生成することができるものである。図7は本発明の第3の実施の形態に係るテレビ電話装置の構成を示すブロック図である。第1の実施の形態および第2の実施の形態に含まれる手段と同様の作用をするものについては、同じ番号を付与し、その説明は省略する。
図7に示すように、本発明の第3の実施の形態のテレビ電話装置は、被写体を撮像し、被写体の像に応じた画像信号を生成する撮像部1と、この撮像部1の鉛直方向を検出する撮像鉛直方向検出部2と、撮像部1からの画像信号を受け取り回転処理を行う送信画像回転部3と、無線又は有線回線である通信回線を介して、画像信号を送受信し、変調又は復調する通信部4と、復調された画像信号を受け取り、該画像信号を回転処理する受信画像回転部5と、回転処理を施した画像信号を映像として表示する表示部6とを備える。
さらに、接話用のレシーバである第1の受話手段に該当する第1受話部14と、ハンズフリー通話用のスピーカである第2の受話手段に該当する第2受話部15と、撮像受話切換手段に該当する撮像受話切換部16と、接話用のマイクである第1の送話手段に該当する第1送話部17と、ハンズフリー通話用のマイクである第2の送話手段に該当する第2送話部18と、撮像送話切換手段に該当する撮像送話切換部19とを有して構成される。第2受話部15は、第1受話部14とは異なる増幅率の音声回路を有し、通信部から受信した音声信号を第1受話部14とは異なる信号レベルに再生する。第2送話部18は、第1送話部17とは異なる増幅率を有し、入力した音声信号を第1受話部14とは異なる信号レベルに生成する。なお、ここでは、テレビ電話装置の向きとして、テレビ電話装置本体と撮像部及び表示部との向きが同じであるとする。
撮像受話切換部16は、撮像鉛直方向検出部2の出力結果に基づいて、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいて、テレビ電話装置本体の姿勢が図3(c)、図4(c)あるいは図6(c)に示すような、接話に適した状態にあるときには、接話用のレシーバである第1受話部14を選択し、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)、図6(a)あるいは図6(b)に示すような、ハンズフリー通話に適した状態にあるときには、ハンズフリー通話用のレシーバである第2受話部15を選択する動作をする。
なお、撮像部1が着脱可能な構成の場合には、撮像部1がテレビ電話装置本体に装着されているときにはハンズフリー通話用のレシーバである第2受話部15を選択し、撮像部1がテレビ電話装置本体に装着されていないときには接話用のレシーバである第1受話部14を選択する構成としてもよい。また、撮像部1と接話用のレシーバである第1受話部14とをお互いの背面を張り合わせ、テレビ電話装置本体に回動可能に取り付け、操作者による回動操作によって、撮像部1がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第2受話部15を選択し、第1受話部14がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第1受話部14を選択する構成も可能である。また、第1受話部と第2受話部は別体ではなく、同一のスピーカを用い、撮像鉛直方向検出部2の出力結果に基づいて、受信した音声信号の増幅率を切り換えて、二つの異なる信号レベルに再生する構成も可能である。
撮像送話切換部19は、撮像受話切換部16と同様に、撮像鉛直方向検出部2の出力結果に基づいて、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいて、テレビ電話装置本体の姿勢が接話に適した状態にあるときには、接話用のマイクである第1送話部17を選択し、ハンズフリー通話に適した状態にあるときには、ハンズフリー通話用のマイクである第2送話部18を選択する動作をする。
なお、撮像部1が着脱可能な場合、撮像部1がテレビ電話装置本体に装着されているときにはハンズフリー通話用のマイクである第2送話部18を選択し、撮像部1がテレビ電話装置本体に装着されていないときには接話用のマイクである第1送話部17を選択する構成としてもよい。また、撮像部1と接話用のマイクである第1送話部17とをお互いの背面を張り合わせ、テレビ電話装置本体に回動可能に取り付け、操作者による回動操作によって、撮像部1がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第2送話部18を選択し、第1送話部17がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第1送話部17を選択する構成も可能である。また、第1送話部と第2送話部は別体ではなく、同一のマイクを用い、撮像鉛直方向検出部2の出力結果に基づいて、入力した音声信号の増幅率を切り換え、異なる信号レベルを生成する構成も可能である。
上記のような構成において、音声の送信を行う際、撮像送話切換部19は、撮像鉛直方向手段2から撮像部1の鉛直方向を受信し、その撮像部の鉛直方向に基づいて、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいて、第1送話部17または第2送話部18を選択して使用可能し、選択した送話手段から出力された送信音声信号を受け取り、通信部4に出力する。そして、送信画像回転部3から出力された画像信号と共に、上記生成された送信音声信号を受信した通信部4は、両方の信号を変調し、通信回線を介して相手側に送信する。
一方、音声の受信を行う際、まず、通信部4が受信した画像信号および音声信号を復調し、受信画像回転部5および撮像受話切換部16に各々出力する。撮像受話切換部16は、撮像鉛直方向検出部2からの撮像部1の鉛直方向に基づき、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づき、第1受話部または第2受話部を選択し、通信部4から出力された受信音声信号を選択した受話手段に出力する。そして、該受話手段により、テレビ電話装置の通話の形態に適した音声信号に再生される。
このように、撮像部1の向き、つまり、テレビ電話装置本体の向きに応じて、常に撮像された被写体の上側が送信する画像の上側となるように変換し、また、受信された画像が表示部6に表示される場合に正常に表示されるように変換することで、使用者が正常な画像を送信するまたは表示することが可能となる。また、テレビ電話装置本体の向きによって受話手段および送話手段を切り換えることができ、使用者が通話形態に適した状態で通話を行うことが可能となる。
[ 第4の実施の形態 ]
第4の実施の形態におけるテレビ電話装置は、表示手段の鉛直方向に基づいて、撮像画像および受信画像を回転処理することにより、テレビ電話装置の通話の形態にかかわらず、撮像画像および受信画像を正常な状態で送信および表示することができるものである。さらに、通信手段を介して相手側に送信する音声および通信手段を介して相手側から受信した音声を、テレビ電話装置の通話の形態に適して生成することができるものである。図8は、本発明の第4の実施の形態に係るテレビ電話装置の構成を示すブロック図である。第1〜第3の実施の形態に含まれる手段と同様の作用をするものについては同じ番号を付与し、その説明は省略する。
図8に示すように、本発明の第4の実施の形態のテレビ電話装置は、被写体の像に応じた画像信号を生成する撮像部1と、撮像した画像信号を回転処理する送信画像回転部3と、画像信号を送受信し、変調または復調する通信部4と、表示部6の鉛直方向を検出する表示鉛直方向検出部13と、受信した画像信号を回転処理する受信画像回転部5と、回転処理を施した画像信号を映像として表示する表示部6とを備える。
さらに、接話用のレシーバである第1受話部14と、ハンズフリー通話用のスピーカである第2受話部15と、表示受話切換手段に該当する表示受話切換部20と、接話用のマイクである第1送話部17と、ハンズフリー通話用のマイクである第2送話部18と、表示送話切換手段に該当する表示送話切換部21とを有して構成される。なお、ここでは、テレビ電話装置の向きとして、テレビ電話装置本体と撮像部及び表示部との向きが同じであるとする。
表示受話切換部20は、表示鉛直方向検出部13の出力結果に基づいて、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいて、テレビ電話装置本体の姿勢が接話に適した状態にあるときには、接話用の第1受話部14を選択し、ハンズフリー通話に適した状態にあるときには、ハンズフリー通話用の第2受話部15を選択する動作をする。
なお、表示部6が着脱可能な場合には、表示部6がテレビ電話装置本体に装着されているときにはハンズフリー通話用の第2受話部15を選択し、表示部6がテレビ電話装置本体に装着されていないときには接話用の第1受話部14を選択する構成としてもよい。また、表示部6と接話用の第1受話部14とをお互いの背面を張り合わせ、テレビ電話装置本体に回動可能に取り付け、操作者による回動操作によって、表示部6がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第2受話部15を選択し、第1受話部14がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第1受話部14を選択する構成も可能である。また、第1受話部と第2受話部は別体ではなく、同一のスピーカを用い、表示鉛直方向検出部13の出力結果に基づいて、受信した音声信号の増幅率を切り換え、二つの異なる信号レベルに再生する構成も可能である。
表示送話切換部21は、表示受話切換部20と同様に、表示鉛直方向検出部13の出力結果に基づいて、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいて、テレビ電話装置本体の姿勢が接話に適した状態にあるときには、接話用の第1送話部17を選択し、ハンズフリー通話に適した状態にあるときには、ハンズフリー通話用の第2送話部18を選択する動作をする。
なお、表示部6が着脱可能な場合には、表示部6がテレビ電話装置本体に装着されているときにはハンズフリー通話用の第2送話部18を選択し、表示部6がテレビ電話装置本体に装着されていないときには接話用の第1送話部17を選択する構成としてもよい。また、表示部6と接話用の第1送話部17とをお互いの背面を張り合わせ、テレビ電話装置本体に回動可能に取り付け、操作者による回動操作によって、表示部6がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第2送話部18を選択し、第1送話部17がテレビ電話装置本体の正面方向と同じ方向に向けられたときには第1送話部17を選択する構成も可能である。また、第1送話部と第2送話部は別体ではなく、同一のマイクを用い、表示鉛直方向検出部13の出力結果に基づいて、入力した音声信号の増幅率を切り換え、異なる信号レベルを生成する構成も可能である。
上記のような構成において、音声を送信する際、表示送話切換部21は、表示鉛直方向検出部13から表示部6の鉛直方向を受信し、その表示部6の鉛直方向に基づいて、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づいて、第1送話部17または第2送話部18を選択して使用可能とする。そして表示送話切換部21は、選択した送話手段から出力された音声に基づいて送信音声信号を生成し、通信部4に出力する。そして、送信画像回転部で処理された画像信号と共に、上記生成された送信音声信号を受信した通信部4は、両方の信号を変調し、通信回線を介して相手側に送信する。
一方、音声を受信する際には、まず、通信部4が受信した画像信号および音声信号を復調し、受信画像回転部5および表示受話切換部20に各々出力する。表示受話切換部20は、表示鉛直方向検出部13からの表示部6の鉛直方向に基づき、つまりテレビ電話装置本体の向きに基づき、第1受話部または第2受話部を選択し、通信部4から出力された受信音声信号を選択した受話手段に出力する。そして、該受話手段により、テレビ電話装置の通話の形態に適した音声信号に再生される。
このように、表示部6の向き、つまりテレビ電話装置本体の向きに応じて、常に撮像された被写体の上側が送信する画像の上側となるように変換し、また、受信された画像が表示部6に表示される場合に正常に表示されるように変換することで、使用者が正常な画像を送信するまたは表示することが可能となる。また、表示部6の状態によって受話手段および送話手段を切り換えることができ、使用者が通話形態に適した状態で通話を行うことが可能となる。