JP3796856B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波誘導加熱手段と、高周波誘電加熱手段とを複合した高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の食生活は、洋食化とともに多様化し、冷凍,冷蔵等の加工食品が急増している。これらの加工食品を短時間で再加熱する目的で電子レンジやオーブンレンジ等が再び注目を集めている。しかし、オーブンレンジの性能は向上しているものの、焼き機能の火力不足と、そのため調理時間が長すぎるという課題は、ほとんど改善されていないのが現状である。しかし、上記課題の解決を狙った高周波誘導加熱とマイクロ波による誘電加熱を複合化した高周波加熱装置には、従来より種々提案がなされてきた。
【0003】
その代表的な従来例として特開昭63−225495号公報を図6に示す。図6に示すように、この高周波加熱装置は、加熱室1内に食品aを配置した加熱皿40を載置する耐熱セラミック材等よりなる仕切板41と、前記仕切板41上に開閉自在に構成されたドーム状の加熱室ドア42と、高周波誘電加熱手段と高周波誘導加熱手段とで構成されている。高周波誘電加熱手段は前記加熱室1の下部に設けられた駆動モータ43に連結された回転アンテナ44を回転しながら、マグネトロン45で発生したマイクロ波を導波管46を介して前記加熱室1内へ伝播するように構成されている。また、高周波誘導加熱手段は、前記仕切板41と回転アンテナ44の間に、加熱コイル47とその下部に接合した前記磁束透過用のフェライトコア48とを電波遮蔽用のシールドカバー49内に包囲して前記仕切板41の下面に接合して配置構成されている。前記加熱コイル47は通電された電流によって高周波磁界を誘発し前記仕切板41上に設けられた加熱皿40に渦電流を発生して加熱する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、まず第1に、高周波加熱装置の高さが高い。即ち、加熱室1を構成する加熱室ドア42の構成は、加熱室の中央に配置した食品にマイクロ波を効率的に照射し分布の均一化を図るために、少なくとも中央部の背丈を高くしたドーム型形状とすることで、マイクロ波のキャビティ空間を大きくする構成となっている。さらに、駆動モータ43、導波管46、回転アンテナ44および加熱コイル47、フェライトコア48部等の機能要素部品をそれぞれ積層状に構成しているため、装置全体の高さが高くなりキッチン台や食卓上に置くには使い勝手が悪く、また、大きくて配置に困るだけでなく、違和感がある等の問題が多かった。
【0005】
第2に高周波誘導加熱手段において、加熱コイル47と磁気遮蔽用フェライトコア48とをシールドカバー49で包囲する構成は、マイクロ波で加熱コイル47やフェライトコア48が加熱され損傷しないようにマイクロ波を遮蔽するためのものであるが、マイクロ波を遮蔽しようとしてシールドカバー49の遮蔽性能を上げると高周波磁界も遮蔽して誘導加熱の効率が低下し、双方とも火力不足になるという非常に困難な問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、加熱室を矩形断面の薄型にするとともに、主たる電波伝播空間である加熱室に対向する下部即ち機械室内に位置する電磁波遮蔽室内部にも電波伝播空間を設け、前記加熱室と、機械室の境界壁を形成する仕切板の上下にマイクロ波の電波伝播空間(以下キャビティと記す)を形成するとともに、仕切板上に載置した誘電材料よりなる加熱皿の底面に金属材料よりなる環状の加熱板を設けて加熱板の中心孔および外周に電波伝播路を構成して、前記上下キャビティ空間の間をマイクロ波が自由に伝播させる通路を形成したものである。また高周波誘導加熱手段と高周波誘電加熱手段との配列を積層状にせず横並びに併設したことにより機械室の高さを低く薄型扁平構成にしたものである。
【0007】
本発明によれば、加熱装置が薄型化できるので、キッチン台や食卓に置いてもコンパクトで違和感がなく、使い勝手も良くなった。さらに、加熱室は薄型扁平構成であるにも拘
らずマイクロ波は、上下のキャビティ間を加熱板の中心孔および外周に形成される電波伝播路を通じて伝播するので、全体として大きなキャビティ空間を形成することになり、加熱する食品の負荷の大きさ,形状,種類に拘らず効率的な加熱が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、矩形断面の加熱室ドアで構成された加熱室と、前記加熱室下部に設けられた機械室と、前記加熱室と前記機械室の境界壁を形成する金属材料よりなる上板および耐熱誘電材料からなる仕切板と、前記仕切板上に載置した耐熱誘電材料からなる加熱皿と、前記加熱皿の底面の表面または裏面に装着した金属材料よりなる環状の加熱板と、前記機械室内に設けられその外周部は前記上板と電気的に接している電磁波遮蔽室と、前記仕切板の下面に絶縁配置されたコイル中空部を有する加熱コイルと、前記加熱コイルの外側面および底面と前記電磁波遮蔽室の内壁面との間に一定以上の隙間を有して形成された電波伝播路Aと、マイクロ波を発生するマグネトロンと、前記電磁波遮蔽室の外周壁と横並びに併設した導波管と、前記上板に設けられ前記加熱室に開口した給電口とを有する構成とした。
【0009】
そして、加熱装置全体が、扁平薄型で小型化にできたので置き場が小さくなり、低くなったので違和感なく、使い勝手も良くなった。特に機能的には、上下キャビティ,電波伝播路の構成,誘電材料よりなる加熱皿、および環状の加熱板等の組み合わせによってマイクロ波は、加熱室内を効率的に反射伝播でき、その結果加熱効率が向上し、急速加熱と均一加熱が可能となった。
【0010】
また、加熱コイルの外側面と、前記電磁波遮蔽室の内壁面との間に設けた電波伝播路Aの隙間寸法を少なくとも10mm以上、50mm以下に保持する構成とした。
【0011】
そして、加熱コイルの下部にフェライトコアを付設せずとも、例えば、電波伝播路の隙間寸法を25mm以上確保すれば約80%の高効率の高周波誘導加熱特性を確保できる。さらに当然のことながらフェライトコアを付設していないのでフェライトコアがマイクロ波を吸収して発熱損傷,特性劣化することもない。
【0012】
また、耐熱誘電材料よりなる加熱皿の表面または、裏面のどちらか一方に金属材料よりなる複数個で環状の加熱板を一定隙間即ち環状の電波伝播路Bを有して幾重にも同心的に装着し、前記加熱コイルの中心と、前記環状の加熱板の中心とが略一致するよう配置する構成とした。
【0013】
そして、加熱皿の上下に構成されたキャビティと、電波伝播路Aに加えて、前記加熱皿の底面表裏に設けられた環状の電波伝播路Bの組み合わせによって、マイクロ波は加熱皿を軸としてキャビティ,電波伝播路A、および環状の電波伝播路B間を効率的に反射伝播できるので、加熱皿上に配置された食品は、効率良く、かつ高火力で均一な高周波誘電加熱による高速加熱調理が可能となった。
【0014】
また、加熱室と機械室の境界壁を形成する金属材料よりなる上板に設けられ前記加熱室に開口した給電口を、一般の200ml用の牛乳瓶等の容器の外形寸法より少なくとも大きく開口して設け、前記給電口に連設するよう前記機械室内に装着された導波管の底面と前記加熱室ドアの天板との高さ領域が少なくとも前記牛乳瓶等の容器長が収納できる構成とした。
【0015】
そして、加熱室内だけでは、高さのために配置できない一般家庭で日常的に用いられている200ml型の牛乳瓶や酒徳利等の背丈の高い容器も、前記導波管内に配置することで収納可能となる。しかも、導波管部分は、マイクロ波の電界が最も高い領域にあるため
集中かつ、効果的に加熱できるので加熱室内に置くより高速加熱が可能である。
【0016】
また、前記加熱室ドアの天板内壁面に断熱部等を介して設けた反射板の内側に高温輻射型の電気ヒータを装着する構成とした。
【0017】
そして、反射板と仕切板との高さが、従来のように加熱室の高さが一般の200ml型の牛乳瓶等の高さ以下に低く構成されているので、加熱皿上に配置された食品と電気ヒータとの距離は縮小されて、電気ヒータより照射される高温の赤外線は、食品上部に強力かつ、効果的に照射されて上面焼き調理が効率良く短時間に、かつ均一に出来上がるものである。さらに、前記高周波誘導加熱手段と組み合わせることにより食品の上下面を効果的に焼く非常に高火力なオーブンレンジが提供できるものである。
【0018】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0019】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の高周波加熱装置の縦面図である。
【0020】
図1において、食品aを収納する加熱室1は、各機能部品が配置された機械室2の上壁を形成する金属材料よりなる上板3および耐熱性誘電材料よりなる仕切板4、前記上板3および仕切板4を、上から囲む断面矩形で扁平帽子状の加熱室ドア5で構成されている。6は裸線で断面が平角状または扁平細管状の電気良導体金属の銅線材よりなる加熱コイルで、縦長部を垂直に配置し軟質マイカ等の絶縁体(図示なし)をはさんで一定ピッチで渦巻状に巻回して略ドーナツ状に構成されている。また、前記加熱コイル6は前記仕切板4の下面に接するように配置され、耐熱誘電材料よりなるコイルケース7で包囲された上、電磁波遮蔽室8の底面上に複数の支柱9を介して固定されている。前記電磁波遮蔽室8は、銅またはアルミ等の非磁性電気良導体金属を凹状に構成したものでその外周部は、前記機械室2の上板3と電気的に接している。前記加熱コイル6の中心部にはマイクロ波が伝播するコイル中空部10を設けている。また前記加熱コイル6は、前記電磁波遮蔽室8内に配置されており、加熱コイル6の底面および外側面と電磁波遮蔽室8の内壁面との空間、即ち電波伝播路Aが構成されている。したがって、前記加熱室1を上部キャビティとすると、電波伝播路Aは下部マイクロ波キャビティとして機能する。11はセラミック等の耐熱誘電材料よりなる加熱皿で底面の表面もしくは裏面部に磁性金属よりなる加熱板12(金属膜または薄板)を蒸着,焼成、または装着したものである。13はマグネトロン14のアンテナ15より放射されるマイクロ波を導波管16を介して前記加熱室1内に給電する給電口である。この給電口13は前記電磁波遮蔽室8の外周壁と導波管16が横並びに併設するように前記機械室2の上板3の一部に設けられている。17は前記給電口13を開閉する耐熱誘電材料よりなる取っ手付きの給電口蓋である。また前記導波管16の空間内に前記マグネトロン14のアンテナ15部分が突出しないようにアンテナ収納部18が前記導波管16の壁面に装着されている。19は前記加熱皿11を前記仕切板4の中央部定位置に置くための凹部で、前記電磁波遮蔽室8上部外周に設けた座部20に耐熱無機接着剤で装着されている。したがって、仕切板4は回転せず固定された状態である。21は前記加熱室ドア5の全周に設けた平面部で前記機械室2の上板3の外周に配置したチョーク部22とともに加熱室1内に充満するマイクロ波の漏洩を防止している。23は取手、24は前記加熱室ドア5の天板3上に複数個設けた通気孔である。26は加熱室ドア5の上下開閉用のヒンジである。なお、高周波電流を発生させるインバータ電源(図示なし)はマグネトロン14用と、加熱コイル6用とにそれぞれ専用として2個設けるか、または1個備えてマグネトロン14と加熱コイル6とを兼用して1個にしても良いが、複合調理器としては前者の方が、高火力化、料理のメニュウ展開、および高速調理に対しては合理的である。
【0021】
次に作用を説明する。まず、加熱室1内に配置された加熱皿11上に食材aを載置して、インバータ電源(図示なし)に電力を印加すると、マグネトロン14に高電圧が供給されてマグネトロン14は、アンテナ15よりマイクロ波を発生する。このマイクロ波
は、導波管16、給電口17を介して加熱室1内に供給され、矩形断面の加熱室1と、電波伝播路Aで構成されて機能するいわゆる上下キャビティの空間と、前記加熱コイル1部のコイル中空部10を介して電波減衰することなく食材aに対して効果的に伝播し照射される。したがって、加熱室1が扁平薄型構成にもかかわらず食品aは高効率にかつ均一に加熱昇温し、急速加熱されて加熱調理させる。
【0022】
一方、加熱コイル6にも前記インバータより高周波電流を供給すると、加熱コイル6は高周波磁界を発生させ加熱皿11の底面全体に、渦電流を誘起させて、加熱皿11面は急速かつ高温に昇温され、食材aの底面を加熱し焦げ目を付ける。また、マイクロ波と電磁誘導加熱を同時に作動させることも可能で、この場合は特に食品aの内部加熱と底面の焼き調理が同時に高効率,高火力で調理が促進されるので、短時間に美味しく調理できるものである。
【0023】
また、構造上については、装置全体が扁平小型で低い構成であるので、キッチン台や食卓上にも設置スペースをとらず、違和感もない。特に高さが低いので調理作業が容易で使い勝手が良く実用上非常に合理的になった。
【0024】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の加熱コイル6と電磁波遮蔽室8の内壁面との間隔すなわち電波伝播路Aの隙間と誘導加熱効率の関係を実験的に求めた結果を図示したものである。
【0025】
図2によれば、前記電磁波遮蔽室8の材質を非磁性の電気良導体材料、例えばアルミニウム等で構成するとともに、前記した電波伝播路Aの隙間を10mm以上に保持することにより、加熱コイル6下部に磁束透過率の高いフェライト等を付設させなくても加熱効率は、約70%を確保できた。この効率は一般のガスコンロの効率45%や、電気コンロまたはハロゲンランプを利用したハロゲンコンロの加熱効率50〜70%以上の効率である。しかし、従来の電磁調理器は、誘導加熱だけの短機能で使われており、その加熱効率は約60%以上である。したがって、電磁調理器と同等の加熱効率を得るためには、前記電波伝播路Aの寸法を15〜25mm以上を確保するのが良い。これらの寸法は、商品の狙い,薄型小型化,製造性,価格および品質等によっで決定されるべきものであり、その効果から判断して実用的範囲には10mm以上50mm以下にするのが設計上合理的と考える。なお、前記電磁波遮蔽室8の材質を鉄系にすれば、前記銅系材料に比べ約20%以上加熱効率は低下するので、電波伝播路Aの隙間は約倍近くの寸法が必要であり、機械室2の高さもこれに対応して高くする必要があり、その分、調理機器本体は大型化してしまい実用的ではない。
【0026】
(実施例3)
図3は加熱皿の底面の一部に装着した加熱板部の要部を示した一部要部断面図である。
【0027】
図3によれば、耐熱誘電材料よりなる加熱皿11底面の表面または、裏面のどちらか一方に金属材料よりなる複数個で環状の加熱板(金属薄膜または金属薄板)27を一定間隔を有して幾重にも同心的に装着(蒸着,焼成または接着等の加工)し、前記加熱コイル6の中心と、前記環状の加熱板27の中心とが略一致するよう配置され、かつ、前記環状の加熱板27とその外方に位置する加熱板27と間には環状の電波伝播路Bが複数個設けられている。なお加熱皿11の中心部分には前記加熱板27を装着しない未処理部28を設けている。
【0028】
したがって、仕切板4の上の加熱室1と、電波伝播路Aで機能する上下キャビティに加えて、前記加熱皿11の底面表裏に設けられた環状の電波伝播路Bの組み合わせによって、マイクロ波は加熱皿11を軸として上下キャビティ,電波伝播路A、および環状の電波伝播路B間を効率的に反射伝播できるので、加熱皿11上に配置された食品aは、解凍から加熱調理まで効率良く、かつ高火力で均一な高周波誘電加熱による高速加熱調理が可能となった。
【0029】
また、加熱皿11の表面にのみ熱容量の小さい薄い加熱板27を装着したので、加熱皿11底表面は、瞬時に温度上昇が期待できるとともに絶対温度も高くなり、加熱皿11上に置かれた食材aは、短時間に効率良く焦げ目を付けることができる。さらに、電波伝播路Bによってマイクロ波は、食材a内部を効果的に加熱し煮あげる作用も促進され、短時間に美味しく調理できるものである。
【0030】
(実施例4)
図4は、給電口13および導波管16近傍の要部断面図である。
【0031】
図4によれば、給電口13の開口寸法を少なくとも一般の200ml用の牛乳瓶bまたは酒徳利等の外形寸法より大きく、また、前記加熱室ドア5の天板5と前記給電口13に対向した導波管16の底面との高さが少なくとも前記牛乳瓶b等の全高寸法が収納できるとともに、前記導波管16の空間部分に前記マグネトロン14のアンテナ15部分が突出しないように、前記アンテナ収納部18を介して前記マグネトロン14を配置した構成になっている。
【0032】
上記構成により装置本体が、扁平構成になったにも拘らず牛乳瓶bや酒徳利およびコップ等の背の高い小物容器や小物食材が容易に配置できる。また、高周波の最も強い導波管16内およびその近傍で加熱するため高効率で急速加熱が可能である。さらに、導波管16内に直接注水し、注水した水を瞬時に沸騰させて、加熱室1内での蒸し調理を行うこともできるものである。なお、前記導波管16内に着脱自在に配置される誘電材のセラミック材または樹脂等よりなる上部が開口した容器(図示なし)を構成し配置しても良い。この容器の中に前記の牛乳瓶bや酒徳利等、または加熱液体や小物食品を配置したり、注入すれば前記導波管16内は汚れにくく、液漏れもなく、また使い勝手も良くなる。なお、導波管16内を調理本体の操作前面部に配置することにより、調理操作が容易にでき、使い勝手が良く、安全で実用的な加熱調理器を提供できるものである。
【0033】
(実施例5)
図5は加熱皿に対応した加熱室ドアの天板に一部に設置した輻射型電気ヒータを設けた部分の要部断面図である。
【0034】
図5によれば、加熱室ドア5の天板の内壁近傍に赤外線輻射熱等を放射する加熱ヒータ29、例えばミラクロンヒータ,石英管ヒータ,またはハロゲンランプ(ランプ表面に赤外線放射膜等を付着すれば効果的)等を反射板30、および断熱材31を介して配置し装着した。
【0035】
したがって、加熱皿11内に配置された食材aに対して前記加熱ヒータ29が近距離に配置されていること、前記加熱皿11が加熱されることにより、食品aは上下両面を効果的に分布良く焼け、焦げ目を短時間に付けるとともに、内部加熱も前記マイクロ波の誘電加熱によって素早く煮上げることができ満足いく調理ができる。さらに、自動制御を組み入れることにより、容易に自動化もでき洋食,和食ともに調理メニューの展開を大きく広げることができ多機能調理機器として実用的な調理器が可能になった。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0037】
本発明は、矩形断面で薄い空間の加熱室と、加熱コイルを内蔵した電磁波遮蔽室部にも電波伝播路を設けて、仕切板上に載置される加熱皿の上下に上下キャビティを形成するとともに、電磁波遮蔽室と横並びに併設したマグネトロンを連結した給電口とにより、加熱装置が薄型となり、キッチン台や食卓に置きやすくコンパクトで違和感がなく、使い勝手が良くなった。次に加熱室が薄いにも拘らず、マイクロ波の伝播が効率良く照射される一方、電磁加熱も加わって、食品に対する内部加熱と下面の焼き作用が、効率良く、均一に加熱されるので、急速加熱,急速焼き調理が可能となり、短時間に美味しい調理が実現できる。
【0038】
また、加熱コイルの外側面と、電磁波遮蔽室の内壁面間に設けた電波伝播路Aの隙間を最小10mm以上、50mm以下にしたことにより、加熱コイルの下部にフェライトコアを設けずとも、高効率の高周波誘導加熱特性が得られ、また、マイクロ波の共存中でも加熱コイルは、熱損傷,特性劣化もなく、高効率の高周波誘電・誘導加熱が同時操作でき、調理メニューの拡大と美味しい調理が短時間にできる。
【0039】
また、耐熱誘電材料よりなる加熱皿の表または裏面のどちらか一方に金属材料よりなる複数環状の加熱板を幾重にも装着し、加熱コイルの中心と加熱板の中心とが略一致するよう配置することにより、マイクロ波は加熱皿上の食品に向かって効率的に反射伝播でき、かつ、加熱板の熱容量が小さいため、誘導加熱による加熱皿面の昇温が早く、高温、かつ均一となり高速加熱調理が可能となった。
【0040】
また、導波管に連結した給電口の開口面積を大きくしたことにより、導波管の底面と加熱室との空間に、一般の牛乳瓶等の高い小物容器が容易に収納できるとともに、導波管部分は、マイクロ波の電界が高いため集中かつ、効果的に加熱できるので、加熱室内に置くより高速加熱が可能である。
【0041】
また、前記加熱室ドアの天板内壁面の一部に高温輻射型の電気ヒータを設けることにより、加熱皿上に配置された食品と電気ヒータとの距離は縮小されて、高温の赤外線は、食品上部を強力かつ、効果的に加熱して上面の焼き調理が短時間で均一に焼ける。また、高周波誘導加熱手段と組み合わせることにより、上下面を効果的に焼けより実用的な高火力のオーブンレンジが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す高周波加熱装置の縦断面図
【図2】 同高周波加熱装置の電波伝播路Aの隙間と高周波誘導加熱効率の特性を示した特性図
【図3】 同高周波加熱装置の加熱皿と加熱板の部分を示した要部断面図
【図4】 同高周波加熱装置の給電口と導波管の部分を示した要部断面図
【図5】 同高周波加熱装置の加熱室ドアの天板部に輻射型電気ヒータを設けた要部断面図
【図6】 従来例の高周波加熱装置の縦断面図
【符号の説明】
1 加熱室
2 機械室
4 仕切板
5 加熱室ドア
6 加熱コイル
8 電磁波遮蔽室
A 電波伝播路
B 電波伝播路
11 加熱皿
12 加熱板
13 給電口
14 マグネトロン
16 導波管
Claims (5)
- 矩形断面の加熱室ドアで構成された加熱室と、前記加熱室下部に設けられた機械室と、前記加熱室と前記機械室の境界壁を形成する金属材料よりなる上板および耐熱誘電材料からなる仕切板と、前記仕切板上に載置した耐熱誘電材料からなる加熱皿と、前記加熱皿の底面の表面または裏面に装着した金属材料よりなる環状の加熱板と、前記機械室内に設けられその外周部は前記上板と電気的に接している電磁波遮蔽室と、前記仕切板の下面に絶縁配置されたコイル中空部を有する加熱コイルと、前記加熱コイルの外側面および底面と前記電磁波遮蔽室の内壁面との間に一定以上の隙間を有して形成された電波伝播路Aと、マイクロ波を発生するマグネトロンと、前記電磁波遮蔽室の外周壁と横並びに併設した導波管と、前記上板に設けられ前記加熱室に開口した給電口とを有した高周波加熱装置。
- 電波伝播路Aの隙間寸法を少なくとも10mm以上、50mm以下とした請求項1記載の高周波加熱装置。
- 加熱板は同心円状に配置された複数の加熱板からなり、前記加熱板と加熱板との隙間に1個または2個以上のリング状の電波伝播路Bを構成してなる請求項1または2記載の高周波加熱装置。
- 加熱室と機械室の境界壁を形成する金属材料よりなる上板に設けられ前記加熱室に開口した給電口を、一般の200ml用の牛乳瓶等の容器の外形寸法より少なくとも大きく開口して設け、前記給電口に連設するよう前記機械室内に装着された導波管の底面と前記加熱室ドアの天板との高さ領域が少なくとも前記牛乳瓶等の容器長が収納できるようにしてなる請求項1または2または3記載の高周波加熱装置。
- 前記加熱室ドアの天井内壁面に高温輻射型の電気ヒータを設けてなる請求項1または2または3記載の高周波加熱装置。
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