JP3796188B2 - Ofdm通信方法およびofdm通信装置 - Google Patents

Ofdm通信方法およびofdm通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)通信方法及びその装置に関し、特に複数のアンテナを用いてそれぞれ異なるデータが重畳された複数のOFDM信号を送信する場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のOFDM通信方法では、複数のアンテナから複数のOFDM信号を送信できるので、大容量のデータを高速で送信できるといった利点がある。しかし、受信側で高精度の伝搬路補償や干渉補償を行わないとデータの誤り率特性が劣化することになる。
【0003】
そこで、この種のOFDM通信方法では、図38に示すように、送信側では所定の搬送波(以下これをサブキャリアと呼ぶ)にパイロットシンボル等の既知信号を重畳することでパイロットキャリアを形成し、受信側ではこのパイロットキャリアに基づいて各サブキャリアの周波数オフセット等の伝搬路歪みを補償することで、誤り率特性の良い受信信号を得るようになっている。
【0004】
またOFDM通信方法では、送信側で各サブキャリアに伝搬路推定用プリアンブルを配置したOFDM信号を送信し、受信側でこの伝搬路推定用プリアンブルに基づいて各サブキャリアの位相回転等を補償するようになっている。
【0005】
次に図39を用いて、OFDM通信装置の送受信の原理を説明する。図39では、2つのアンテナAN1、AN2を有するOFDM通信装置(TX)1から2つのアンテナAN3、AN4を有するOFDM通信装置(RX)2にOFDM信号を送信する場合について説明する。ここでOFDM通信装置1の各アンテナAN1、AN2から送信される信号をそれぞれTX1、TX2とする。またOFDM通信装置2の各アンテナAN3、AN4により受信される信号をそれぞれRX1、RX2とする。すると、受信信号RX1、RX2はそれぞれ次式で表すことができる。
【0006】
RX1 = ATX1 + BTX2 ……… (1)
RX2 = CTX1 + DTX2 ……… (2)
但し、(1)式、(2)式において、Aは送信アンテナAN1と受信アンテナAN3との間の伝搬路特性、Bは送信アンテナAN2と受信アンテナAN3との間の伝搬路特性、Cは送信アンテナAN1と受信アンテナAN4との間の伝搬路特性、Aは送信アンテナAN2と受信アンテナAN4との間の伝搬路特性を表すものとする。
【0007】
図40は、OFDM通信装置1から送信されるOFDM送信信号のフレームフォーマットを示す。すなわちアンテナAN1からは図40(a)に示すOFDM信号が送信され、アンテナAN2からは図40(b)に示すOFDM信号が送信される。また図40において、例えばDATA1(N,K)とは、DATA1が示されている時間及び周波数にデータ1に関するNシンボル目がK番目のサブキャリアで送信されていることを表す。
【0008】
ここで受信信号から、上述した送信信号TX1とTX2を受信復調するためには、4つの伝搬路特性A、B、C、Dを推定する必要がある。このためOFDM通信装置1では、送信信号に伝搬路推定用プリアンブルを挿入したり、特定のサブキャリアをパイロットキャリアとしたOFDM信号を送信する。このOFDM信号を受信するOFDM通信装置2では、この伝搬路推定用プリアンブルやパイロットキャリアに基づいて伝搬路特性を求める。
【0009】
4つの伝搬路特性A〜Dは、OFDM通信装置2(図39)において、以下のようにして推定することができる。伝搬路特性AはアンテナAN1から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN3で受信し、アンテナAN3に対応した信号処理部により求める。特性BはアンテナAN2から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN3で受信し、アンテナAN3に対応した信号処理部により求める。特性CはアンテナAN1から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN4で受信し、アンテナAN4に対応した信号処理部により求める。特性ADアンテナAN2から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN4で受信し、アンテナAN4に対応した信号処理部により求める。
【0010】
次に、OFDM通信装置2は、推定した4つの伝搬路特性A〜Dを用いて、以下の式で表す処理を行うことにより、各アンテナAN1、AN2から送信された信号TX1、TX2を受信復調することができる。
【0011】
DRX1 / ( AD - BC ) - BRX2 / ( AD - BC )
= D ( ATX1 + BTX2 ) / ( AD - BC ) - B ( DTX1 + DTX2 ) / ( AD - BC )
= ( ADTX1 + BDTX2 - BCTX1 - BDTX2 ) / ( AD - BC )
= TX1 ………(3)
−CRX1 / ( AD - BC ) - ARX2 / ( AD - BC )
= −C( ATX1 + BTX2 ) / ( AD - BC ) + A ( CTX1 + DTX2 ) / ( AD - BC )
= ( -ACTX1 - BCTX2 + ACTX1 - ADTX2 ) / ( AD - BC )
= TX2 ………(4)
実際上、伝搬路推定用プリアンブルは以下のように送信される。すなわちアンテナAN1から伝搬路推定用プリアンブルが送信されている時間は、アンテナAN2からは伝搬路推定用プリアンブルを送信しないようにしている。同様に、アンテナAN2から伝搬路推定用プリアンブルが送信されている時間は、アンテナAN2からは伝搬路推定用プリアンブルを送信しないようにしている。
【0012】
また一般にパイロットキャリアは、周波数オフセット検出誤差等による残留位相誤差を補償するために用いられる。すなわち受信時には、パイロットキャリアに重畳された既知信号(パイロット信号)を用いて残留位相誤差を検出し、補償する。実際上、図40に示すように、特定のサブキャリアをパイロットキャリアとして送信する。図40に示す例では、2k+1個のサブキャリアのうち、アンテナAN1の4つのサブキャリアをパイロットキャリアとして送信する。
【0013】
図41は、OFDM通信装置1の送信系の構成を示す。送信系10では、まず送信信号が符号化部11により符号化される。符号化後の信号はプリアンブル挿入部12によりプリアンブルが挿入され、続くパイロットキャリア挿入部13により特定のサブキャリアがパイロットキャリアとなる位置に既知信号(パイロット信号)が挿入される。
【0014】
変調部14により変調処理が施された信号はシリアルパラレル変換部(S/P)15によりシリアルパラレル変換されることにより2系統に分けられる。2系統に分けられた各信号は逆高速フーリエ変換部(IFFT)16、17により逆高速フーリエ変換処理されることにより、各IFFT16、17により直交周波数分割多重されてOFDM信号が得られる。ここでIFFT16の出力信号1は、図示しない無線送信部により所定周波数の搬送波の乗算処理等の無線送信処理が施された後、アンテナAN1(図39)から発信される。同様にIFFT17の出力信号2は、図示しない無線送信部により所定周波数の搬送波の乗算処理等の無線送信処理が施された後、アンテナAN2(図39)から発信される。
【0015】
図42は、OFDM通信装置2(図39)の受信系の構成を示す。受信系20では、アンテナAN3で受信された受信信号が図示しない無線受信部を介して高速フーリエ変換部(FFT)21の入力信号1として入力される。またアンテナAN4で受信された受信信号が図示しない無線受信部を介して高速フーリエ変換部(FFT)22の入力信号2として入力される。
【0016】
FFT21は入力信号1に対して高速フーリエ変換処理を施すことにより、各サブキャリア毎の受信信号を得る。FFT21により得られたサブキャリア毎の受信信号は伝搬路推定部23、及び伝搬路補償・干渉補償部24、26にそれぞれ送出される。入力信号2はFFT22により各サブキャリア毎の受信信号とされ、この受信信号が伝搬路推定部25、及び伝搬路補償・干渉補償部26、24にそれぞれ送出される。
【0017】
伝搬路推定部23は、受信信号に挿入されたプリアンブルに基づいて、図39について上述した伝搬路特性A、Bを推定する。同様に伝搬路推定部25は、受信信号に挿入されたプリアンブルに基づいて、伝搬路特性C、Dを推定する。
【0018】
係数算出部27は伝搬路推定部23、25により得られた伝搬路特性A、B、C、Dを用いて、伝搬路補償及び干渉補償するための係数A/(AD−BC)、B/(AD−BC)、C/(AD−BC)、D/(AD−BC)を求める。係数算出部27は、図43に示すように構成されている。伝搬路推定部23、25により得られた4つの伝搬路特性A、B、C、Dはそれぞれ各メモリ41〜44に格納される。乗算部46ではADが得られ、乗算部45ではBCが得られる。減算部47ではAD−BCが得られる。除算部48、49、50、51では、それぞれA/(AD−BC)、B/(AD−BC)、C/(AD−BC)、D/(AD−BC)が得られる。
【0019】
図42に戻って、伝搬路補償・干渉補償部24は係数算出部27で求められた係数を用いて受信信号に対して(3)式で表される演算を行うことにより、伝搬路補償及び干渉補償した受信信号TX1を形成する。同様に、伝搬路補償・干渉補償部26は係数算出部27で求められた係数を用いて受信信号に対して(4)式で表される演算を行うことにより、伝搬路補償及び干渉補償した受信信号TX2を形成する。
【0020】
伝搬路補償・干渉補償後の受信信号TX1は、残留位相誤差検出部28及び位相補償部29に送出され、同様に伝搬路補償・干渉補償後の受信信号TX2は、残留位相誤差検出部28及び位相補償部30に送出される。残留位相誤差検出部28は、パイロットキャリアにより伝送された既知信号を用いて、2つの受信信号TX1、TX2における残留位相誤差を検出し、これを位相補償部29、30に送出する。
【0021】
位相補償部29、30では、それぞれ受信信号TX1、TX2に対して残留位相誤差ぶんだけ位相を回転させる処理を施すことにより、位相補償処理を行う。位相補償後の2つの受信信号はパラレルシリアル変換部(P/S)31によりシリアル信号とされ、続く復号化部32により復号されることにより、送信信号に対応する受信信号が得られる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のOFDM通信装置においては、図40からも分かるように、一方のアンテナから送信された既知信号(パイロットキャリア)には、他方のアンテナから送信されたデータが干渉として重畳される。このため、残留位相誤差を検出するためには、既知信号に重畳された干渉成分を除去する必要となる。
【0023】
しかし、マルチパスによる、符号間干渉、タイミング誤差および周波数オフセット検出誤差等が存在する場合、上記干渉除去特性が劣化する。この結果、上記干渉信号が既知信号に残留するため、誤り率特性が大きく劣化する問題がある。
【0024】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、残留位相誤差の検出精度の劣化を防ぐことにより、誤り率特性の向上したOFDM通信方法及びOFDM通信装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、以下の方法及び構成を採る。
【0026】
(1)本発明のOFDM通信方法は、複数のアンテナからそれぞれ異なるデータが重畳されたOFDM信号を送信すると共に、前記OFDM信号の特定のサブキャリアにより既知信号を送信するOFDM通信方法であって、既知信号は複数のアンテナのうちいずれか1つのアンテナのみから送信し、当該アンテナ以外のアンテナからは、既知信号を送信しているサブキャリアに対応する周波数帯域のサブキャリアによりヌル信号を送信する。
【0027】
この方法によれば、既知信号の伝搬路上での干渉を防止することができるので、受信側で高精度の残留位相誤差を検出できる。この結果、誤り率特性の向上した受信信号を得ることができる。
【0028】
(2)本発明のOFDM通信方法は、(1)において、既知信号を送信するアンテナを、複数のアンテナの中で切り替えるようにする。
【0029】
この方法によれば、(1)の効果に加えて、回線変動が遅い場合の長時間に亘る残留位相誤差検出精度の低下を防止できる。
【0030】
(3)本発明のOFDM通信方法は、複数のアンテナからそれぞれ異なるデータが重畳されたOFDM信号を送信すると共に、前記OFDM信号の特定のサブキャリアにより既知信号を送信するOFDM通信方法であって、複数のアンテナの互いに周波数帯域の異なるサブキャリアにより既知信号を送信し、あるアンテナにおいて既知信号が送信されているサブキャリアに対応する、他のアンテナにおけるサブキャリアによりヌル信号を送信する。
【0031】
この方法によれば、既知信号の伝搬路上での干渉を防止することができるので、高精度の残留位相誤差を検出でき、誤り率特性の向上した受信信号を得ることができるのに加えて、各アンテナから送信されるOFDM信号のピーク電圧を低減することができる。
【0032】
(4)本発明のOFDM通信方法は、(1)〜(3)において、特定のサブキャリアについては、複数のアンテナのうちいずれか1つのアンテナのみからデータを送信し、当該アンテナ以外のアンテナからは、当該データを送信しているサブキャリアに対応する周波数帯域のサブキャリアによりヌル信号を送信する。
【0033】
この方法によれば、(1)〜(3)での効果に加えて、特定のサブキャリアにより送信されたデータは、他のOFDM信号の対応するサブキャリアからの干渉を受けないので、このデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0034】
(5)本発明のOFDM通信方法は、(4)において、特定のサブキャリアは、OFDM信号の中心周波数から離れたサブキャリアとする。
【0035】
この方法によれば、隣接チャネル干渉波や、アナログフィルタの振幅偏差及び群遅延偏差の影響を受け易い、中心周波数から離れたサブキャリアにより伝送されるデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0036】
(6)本発明のOFDM通信方法は、(4)又は(5)において、特定のサブキャリアにおいてデータを送信するアンテナを複数のアンテナの中で切り替える。
【0037】
この方法によれば、(4)や(5)での効果に加えて、ピーク電圧を低減できると共に、回線変動が非常に遅い場合に特定のサブキャリアの受信レベルが落ち込んだままとなることを防ぐことができる。
【0038】
(7)本発明のOFDM通信方法は、(1)〜(6)において、直流点のサブキャリアについて、1本のアンテナのみからデータを送信し、他のアンテナからはヌル信号を送信する。
【0039】
この方法によれば、(1)〜(6)での効果に加えて、アナログ回路の直流オフセットにより他のサブキャリアと比較して誤り率特性が劣化し易い、直流点のサブキャリアにより伝送されるデータが他のOFDM信号の対応するサブキャリアからの干渉を受けなくなるので、当該サブキャリアにより伝送されるデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0040】
(8)本発明のOFDM通信方法は、(1)〜(3)において、特定のバースト信号は1本のアンテナのみから送信し、このバースト信号を送信している間は他のアンテナからはヌル信号を送信する。
【0041】
この方法によれば、(1)〜(3)での効果に加えて、特定のバースト信号は伝搬路上で他のアンテナからの送信信号により全く干渉を受けなくなるので、特定のバースト信号についての受信側での誤り率特性が向上する。この結果、特定のバースト信号のみ誤り率特性を一段と向上させることができ、多様性のある無線通信を実現することができる。
【0042】
(9)本発明のOFDM通信方法は、(8)において、特定のバースト信号を複数に分割し、分割したバースト信号を送信するアンテナを切り替える。
【0043】
この方法によれば、(8)での効果に加えて、1本のアンテナの送信サブキャリア数を低減できるので、この分ピーク電力を低減できるようになる。
【0044】
(10)本発明のOFDM通信方法は、(8)の特定のバースト信号は、他のバースト信号より良好な品質が要求されるバースト信号であるようにする。
【0045】
この方法によれば、例えば制御用のバースト信号や再送用のバースト信号のように重要なバースト信号を、特定のバースト信号として選定すれば、当該特定のバースト信号は伝搬路上で他のアンテナからの送信信号により全く干渉を受けなくなるので、受信側での誤り率特性が向上する。また制御用バースト信号や再送用バースト信号のように他のバースト信号と比較して良好な誤り率特性が要求されるバースト信号は、全体のバースト信号からみるとその割合は少ないため、伝送効率はほとんど低下しない。この結果、伝送効率をそれほど落とさずに、誤り率特性を一段と向上させることができる。
【0046】
(11)本発明のOFDM通信方法は、(8)のOFDM通信方法を、上り回線の通信にのみ適用するようにする。
【0047】
この方法によれば、(8)のOFDM通信方法では、特定のバースト信号を送信している間は他のアンテナからヌル信号を送信している分だけ、伝送効率は低下することになる。これを考慮して、この発明では、伝送データ量の多い下り回線には(8)の方法を用いずに、上り回線にのみ(8)の方法を用いるようにした。この結果、システム全体のスループットの低下を抑制し、かつ端末局のハード規模を増大させずに、上り回線により送信する特定のバースト信号の誤り率特性を有効に向上させることができる。
【0048】
(12)本発明のOFDM通信方法は、(8)の方法を、伝搬路推定精度が悪い伝搬環境下においてのみ適用する
【0049】
この方法によれば、伝搬路推定精度が悪い伝搬環境下での、誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0050】
(13)本発明のOFDM通信方法は、(12)において、OFDM信号を受信したときに、当該OFDM信号に重畳された既知信号に基づいて各アンテナ間の伝搬路特性を求め、この伝搬路特性を行列成分として表したときの逆行列の行列式の絶対値の大小に基づいて伝搬路推定精度を求める。
【0051】
この方法によれば、逆行列の行列式の絶対値が小さい場合、演算ビット数の実効値が小さくなるため、干渉補償部での補償精度が低下し、誤り率特性が劣化することを考慮して、逆行列の行列式の絶対値が小さいときに、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する。この結果、干渉補償部での補償精度が低い伝搬環境下での誤り率特性の劣化を抑制できる。
【0052】
(14)本発明のOFDM通信方法は、(13)において、逆行列の行列式の絶対値の大小をしきい値判定し、逆行列の行列式の絶対値がしきい値よりも小さいときに、複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信すると共に、当該しきい値をOFDM信号の受信品質に応じて変化させるようにする。
【0053】
この方法によれば、受信品質が悪い場合には、逆行列の行列式の絶対値の検出誤差が大きくなるので、受信品質が悪い場合には、前記しきい値を大きい値にする。つまり、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する方向に制御する。この結果、受信品質も加味して、一段と的確に誤り率特性の劣化を抑制し得、かつ不必要な伝送効率の低下を抑制できる。
【0054】
(15)本発明のOFDM通信方法は、(13)において、逆行列の行列式の絶対値の大小を第1のしきい値を用いてしきい値判定し、逆行列の行列式の絶対値が第1のしきい値よりも小さいサブキャリアの数が第2のしきい値よりも多いときに、複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する。
【0055】
この方法によれば、逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが少ない場合には、復号化部での誤り率訂正効果により誤り率特性を改善できる一方、逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが多い場合には、復号化部での誤り率訂正効果がそれほど期待できないことを考慮して、当該サブキャリアが多い場合に、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する。この結果、誤り率特性の向上と伝送効率とを両立させることができる。
【0056】
(16)本発明のOFDM通信方法は、(13)において、逆行列の行列式の絶対値の大小をしきい値判定し、逆行列の行列式の絶対値がしきい値よりも小さいサブキャリアが所定回数以上連続するときに、複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する。
【0057】
この方法によれば、品質の悪いデータが集中すると、誤り訂正の効果が低下し、誤り率特性が低下することを考慮して、逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが連続するような伝搬環境の場合に、つまり品質の悪いサブキャリアが集中する場合に、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する。この結果、誤り率特性の向上と伝送効率とを両立させることができる。
【0058】
(17)本発明のOFDM通信方法は、(16)において、逆行列の行列式の絶対値がしきい値よりも小さいサブキャリアが所定回数以上連続しているか否かを判定するためのしきい値を、OFDM信号の受信品質に応じて変化させるようにする。
【0059】
この方法によれば、(16)の効果に加えて、受信品質も加味して1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する否かを制御できるので、一段と誤り率特性の向上と伝送効率とを両立させることができる。
【0060】
(18)本発明のOFDM通信方法は、(1)、(3)又は(12)において、所定の通信単位期間内の最後に送信するバースト信号は、複数のアンテナのうちのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号として送信する。
【0061】
この方法によれば、受信側での干渉補償回路は通常の同期検波回路より処理遅延が大きいことを考慮して、最後に送信するバースト信号は1つのアンテナのみからOFDM信号として送信することにより、最後のバースト信号の処理遅延を短縮する。この結果、受信を終了してから送信を開始するまでの時間を短縮することができ、この時間が規定されているようなシステムに非常に有効となる。
【0062】
(19)本発明のOFDM通信方法は、(1)、(3)又は(12)において、通信相手局が自局に加えて他局ともOFDM通信を行っている場合には、通信相手局に対して複数のアンテナのうちのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する。
【0063】
この方法によれば、互いの通信局間で通信する時間帯を複雑な制御により確保する必要が無くなる。
【0064】
(20)本発明のOFDM通信方法は、(8)の方法を、周期的に行うようにする。
【0065】
この方法によれば、受信側において伝搬路推定結果を周期的に更新(伝搬路トラッキング)できるようになるので、伝搬路推定用プリアンブルの間隔に対して伝搬路変動が速い場合の誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0066】
(21)本発明のOFDM通信方法は、(20)において、複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する周期を、要求される伝送効率、要求される受信品質又は伝搬路の変動速度に応じて変えるようにする。
【0067】
この方法によれば、(20)の効果に加えて、一段と、伝搬効率の低下を有効に抑制しながら、誤り率特性の劣化を抑制できる。
【0068】
(22)本発明のOFDM通信装置は、複数のアンテナと、複数の送信データをそれぞれ直交周波数分割多重処理を施すことにより複数のアンテナそれぞれから送信する複数のOFDM信号を形成するOFDM信号形成手段と、各OFDM信号の所定のサブキャリアに既知信号を挿入する既知信号挿入手段と、各OFDM信号の所定のサブキャリアにヌル信号を挿入するヌル信号挿入手段と、を具備し、既知信号挿入手段は、複数のOFDM信号のうちのいずれか1つのOFDM信号に既知信号を挿入し、ヌル信号挿入手段は、既知信号挿入手段により既知信号が挿入されたOFDM信号以外のOFDMに対して、既知信号が挿入されたサブキャリアに対応する周波数帯域のサブキャリアにヌル信号を挿入する構成を採る。
【0069】
この構成によれば、既知信号の伝搬路上での干渉を防止することができるので、受信側で高精度の残留位相誤差を検出できる。この結果、誤り率特性の向上した受信信号を得ることができる。
【0070】
(23)本発明のOFDM通信装置は、複数のアンテナと、複数の送信データをそれぞれ直交周波数分割多重処理を施すことにより複数のアンテナそれぞれから送信する複数のOFDM信号を形成するOFDM信号形成手段と、各OFDM信号の所定のサブキャリアに既知信号を挿入する既知信号挿入手段と、各OFDM信号の所定のサブキャリアにヌル信号を挿入するヌル信号挿入手段と、を具備し、既知信号挿入手段は、複数のOFDM信号の互いに周波数帯域の異なるサブキャリアに既知信号を挿入し、ヌル信号挿入手段は、あるOFDM信号において既知信号が挿入されたサブキャリアと対応する周波数帯域の、他のOFDM信号のサブキャリアにヌル信号を挿入する構成を採る。
【0071】
この構成によれば、既知信号の伝搬路上での干渉を防止することができるので、受信側で高精度の残留位相誤差を検出でき、誤り率特性の向上した受信信号を得ることができるのに加えて、各アンテナから送信されるOFDM信号のピーク電圧を低減することができる。
【0072】
(24)本発明のOFDM通信装置は、(23)に加えて、伝搬路推定精度を取得する手段と、伝搬路推定精度が悪い伝搬環境下においてのみ、前記複数のアンテナのいずれか1本のみからOFDM信号を送信させる送信制御手段と、を具備する構成を採る。
【0073】
この構成によれば、伝搬路推定精度が悪い伝搬環境下での、誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0074】
(25)本発明のOFDM通信装置は、(23)に加えて、周期的に、前記複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信させる送信制御手段、を具備する構成を採る。
【0075】
この構成によれば、受信側において伝搬路推定結果を周期的に更新(伝搬路トラッキング)できるようになるので、伝搬路推定用プリアンブルの間隔に対して伝搬路変動が速い場合の誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0076】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、複数のアンテナからそれぞれ異なるデータが重畳されたOFDM信号を送信し、当該OFDM信号の特定のサブキャリアにより既知信号を送信するOFDM通信方法において、OFDM信号に適宜ヌル信号を挿入するようにしたことである。これにより、既知信号が伝搬路上で他の信号から干渉を受けずに済むので、残留位相誤差の検出精度が向上し、受信信号の誤り率特性を向上させることができる。
【0077】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0078】
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1のOFDM通信装置から送信されるOFDM信号の模式図を示す。この実施の形態では、異なる2つの送信データから2つのOFDM信号を形成し、これを異なるアンテナから送信する場合について説明する。図1(a)に示すOFDM信号は第1の送信データ(DATA1)が重畳されたOFDM信号であり、第1のアンテナから送信される。図1(b)に示すOFDM信号は第2の送信データ(DATA2)が重畳されたOFDM信号であり第2のアンテナから送信される。
【0079】
この実施の形態では、図1(a)及び(b)に示すように、一方のアンテナの特定のサブキャリアを既知信号が重畳されたパイロットキャリアとし、他方のアンテナからはパイロットキャリアを出力せず、かつパイロットキャリアと同じ周波数であるサブキャリアをヌル信号が重畳されたサブキャリア(つまりなんの信号も重畳されていない搬送波のみのサブキャリア)とする。これにより、パイロットキャリアは、伝搬路上での干渉を受けないことにより、受信側では干渉を受けていない既知信号を得ることができる。
【0080】
因みに、図1において、例えばDATA1(N,K)とは、DATA1が示されている時間及び周波数にデータ1に関するNシンボル目がK番目のサブキャリアで送信されていることを表す。従って、この実施の形態では、2k+1個のサブキャリアのうち、アンテナAN1の4つのサブキャリアをパイロットキャリアとして送信するようになっている。
【0081】
図2に、実施の形態1のOFDM通信装置を用いたOFDM通信システムの構成を示す。図2では、2つのアンテナAN1、AN2を有するOFDM通信装置(TX)101から2つのアンテナAN3、AN4を有するOFDM通信装置(RX)102にOFDM信号を送信する場合について説明する。ここで各アンテナAN1、AN2から送信される信号を、それぞれTX1、TX2とする。また各アンテナで受信される信号をそれぞれRX1、RX2とすると、RX1、RX2はそれぞれ次式で示すことができる。
【0082】
RX1 = ATX1 + BTX2 (5)
RX2 = CTX1 + DTX2 (6)
但し、(5)式、(6)式において、Aは送信アンテナAN1と受信アンテナAN3との間の伝搬路特性、Bは送信アンテナAN2と受信アンテナAN3との間の伝搬路特性、Cは送信アンテナAN1と受信アンテナAN4との間の伝搬路特性、Aは送信アンテナAN2と受信アンテナAN4との間の伝搬路特性を表すものとする。
【0083】
ここで受信信号から、送信信号TX1とTX2を受信復調するためには、4つの伝搬路特性A、B、C、Dを推定する必要がある。そこでOFDM通信装置101は各アンテナAN1、AN2から伝搬路推定用プリアンブルを送信する。実際上、伝搬路推定用プリアンブルは以下のように送信される。すなわちアンテナAN1から伝搬路推定用プリアンブルが送信されている時間は、アンテナAN2からは伝搬路推定用プリアンブルを送信しないようにしている。同様に、アンテナAN2から伝搬路推定用プリアンブルが送信されている時間は、アンテナAN2からは伝搬路推定用プリアンブルを送信しないようにしている。
【0084】
4つの伝搬路特性A〜Dは、OFDM通信装置102において、伝搬路推定用プリアンブルを用いて、以下のようにして推定することができる。伝搬路特性AはアンテナAN1から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN3で受信し、アンテナAN3に対応した信号処理部により求める。特性BはアンテナAN2から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN3で受信し、アンテナAN3に対応した信号処理部により求める。特性CはアンテナAN1から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN4で受信し、アンテナAN4に対応した信号処理部により求める。特性ADはアンテナAN2から送信された伝搬路推定用プリアンブルをアンテナAN4で受信し、アンテナAN4に対応した信号処理部により求める。
【0085】
次に、OFDM通信装置102は、推定した4つの伝搬路特性A〜Dを用いて、以下の式で表す処理を行うことにより、各アンテナAN1、AN2から送信された信号TX1、TX2を受信復調することができる。
【0086】
DRX1 / ( AD - BC ) - BRX2 / ( AD - BC )
= D ( ATX1 + BTX2 ) / ( AD - BC ) - B ( DTX1 + DTX2 ) / ( AD - BC )
= ( ADTX1 + BDTX2 - BCTX1 - BDTX2 ) / ( AD - BC )
= TX1 ………(7)
−CRX1 / ( AD - BC ) - ARX2 / ( AD - BC )
= −C( ATX1 + BTX2 ) / ( AD - BC ) + A ( CTX1 + DTX2 ) / ( AD - BC )
= ( -ACTX1 - BCTX2 + ACTX1 - ADTX2 ) / ( AD - BC )
= TX2 ………(8)
パイロットキャリアは、周波数オフセット検出誤差等による残留位相誤差を補償するために用いられる。すなわち受信時には、パイロットキャリアに重畳された既知信号を用いて残留位相誤差を検出し、補償する。
【0087】
図3は、OFDM通信装置101の送信系の構成を示すブロック図である。図3において、110は全体として、本発明の実施の形態1に係るOFDM通信装置101の送信系の構成を示す。送信信号は符号化部111に入力され、当該符号化部111により符号化処理され、符号化処理後の信号はプリアンブル挿入部112に送出される。
【0088】
この実施の形態の場合、送信信号は2つのデータ1、データ2がフレーム単位で交互に時分割多重された信号となっている。例えば期間Tの間はNシンボル分のデータ1の信号が符号化部111に入力され、続く期間Tの間はNシンボル分のデータ2が符号化部111に入力されるようになっている。
【0089】
プリアンブル挿入部112は、上述したように、アンテナAN1から伝搬路推定用プリアンブルが送信されている時間は、アンテナAN2からは伝搬路推定用プリアンブルが送信されず、アンテナAN2から伝搬路推定用プリアンブルが送信されている時間は、アンテナAN2からは伝搬路推定用プリアンブルが送信されないような所定位置に伝搬路推定用プリアンブル等のプリアンブル情報を挿入する。
【0090】
変調部113は入力データに対して、例えばBPSK(Binariphase Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等のディジタル変調処理を施す。変調後の信号はシリアルパラレル変換部(S/P)114によりデータ1と、データ2とに分けられ、データ1はパイロットキャリア挿入部115に、データ2はヌル信号挿入部116に送出される。
【0091】
パイロットキャリア挿入部115はデータ1の所定位置に既知信号を挿入する。ヌル信号挿入部116は、データ2に対して、パイロットキャリア挿入部115により既知信号が挿入された位置に対応する位置にヌル信号(すなわち信号レベルが0の信号)を挿入する。
【0092】
各IFFT117、118は、それぞれ入力データ1、データ2に対して逆高速フーリエ変換処理を施すことにより周波数分割多重し、図1(a)、(b)に示すようなOFDM信号を形成する。逆高速フーリエ変換処理後の各出力信号1、2は、図示しない乗算器によりそれぞれ所定周波数の搬送波に重畳され、またバンドパスにより所定の周波数帯域に帯域制限された後、アンテナAN1、アンテナAN2からそれぞれ発信される。
【0093】
図4は、図3の送信系110を有するOFDM通信装置101から送信されたOFDM信号を受信するOFDM通信装置102の受信系の構成を示す。受信系120では、アンテナAN3で受信された受信信号が図示しない無線受信部を介して高速フーリエ変換部(FFT)121の入力信号1として入力される。またアンテナAN4で受信された受信信号が図示しない無線受信部を介して高速フーリエ変換部(FFT)122の入力信号2として入力される。
【0094】
FFT121は入力信号1に対して高速フーリエ変換処理を施すことにより、各サブキャリア毎の受信信号を得る。FFT121により得られたサブキャリア毎の受信信号は伝搬路推定部123、及び伝搬路補償・干渉補償部124、126にそれぞれ送出される。入力信号2はFFT122により各サブキャリア毎の受信信号とされ、この受信信号が伝搬路推定部125、及び伝搬路補償・干渉補償部126、124にそれぞれ送出される。
【0095】
伝搬路推定部123は、受信信号に挿入されたプリアンブルに基づいて、図2について上述した伝搬路特性A、Bを推定する。同様に伝搬路推定部125は、受信信号に挿入されたプリアンブルに基づいて、伝搬路特性C、Dを推定する。
【0096】
係数算出部127は伝搬路推定部123、125により得られた伝搬路特性A、B、C、Dを用いて、伝搬路補償及び干渉補償するための係数A/(AD−BC)、B/(AD−BC)、C/(AD−BC)、D/(AD−BC)を求める。係数算出部127は、図43について上述した係数算出部27と同様の構成なのでここでの詳しい説明は省略する。
【0097】
伝搬路補償・干渉補償部124は係数算出部127で求められた係数を用いて受信信号に対して(7)式で表される演算を行うことにより、伝搬路補償及び干渉補償を施した受信信号TX1を形成する。同様に、伝搬路補償・干渉補償部126は係数算出部127で求められた係数を用いて受信信号に対して(8)式で表される演算を行うことにより、伝搬路補償及び干渉補償を施した受信信号TX2を形成する。
【0098】
ここで係数算出部127により求められた係数は、選択部128、129により選択された後、各伝搬路補償・干渉補償部124、126に入力される。具体的には、選択部128、129は既知信号の場合とデータの場合とで伝搬路推定結果を選択して伝搬路補償・干渉補償部124、126に出力する。
【0099】
伝搬路補償・干渉補償後の受信信号TX1は、残留位相誤差検出部130及び位相補償部131に送出され、同様に伝搬路補償・干渉補償後の受信信号TX2は、残留位相誤差検出部130及び位相補償部132に送出される。残留位相誤差検出部130は、パイロットキャリアにより伝送された既知信号を用いて、2つの受信信号TX1、TX2における残留位相誤差を検出し、これを位相補償部131、132に送出する。
【0100】
位相補償部131、132では、それぞれ受信信号TX1、TX2に対して残留位相誤差ぶんだけ位相を回転させることにより、位相補償処理を行う。位相補償後の2つの受信信号はパラレルシリアル変換部(P/S)133によりシリアル信号とされ、続く復号化部134により復号されることにより、送信信号に対応する受信信号が得られる。
【0101】
以上の構成において、OFDM通信装置101では、一方のアンテナAN1から所定のサブキャリアをパイロットキャリアとしたOFDM信号を送信する(図1(a))。またOFDM通信装置101は、他方のアンテナAN2からはパイロットキャリアに対応するサブキャリアをヌル信号としたOFDM信号を送信する(図1(b))。
【0102】
この結果、既知信号は伝搬路上でデータによる干渉を受けないため、OFDM信号を受信復調するOFDM通信装置102では、既知信号について干渉補償する必要がなくなる。具体的に、受信系120に当てはめて説明すると、既知信号を送信したサブキャリアについては、伝搬路補償・干渉補償部124、126によって、伝搬路推定部123、125及び係数算出部127により得られた伝搬路推定結果を用いて伝搬路補償のみを行い、干渉補償をする必要がない。
【0103】
残留位相誤差検出部130では、干渉による影響のほとんど無い既知信号に基づいて2つの受信信号TX1、TX2における残留位相誤差を検出できるので、高精度の残留位相誤差を得ることができる。この結果、残留位相誤差の位相補償を行う位相補償部131、132では、高精度の残留位相誤差検出結果を使って位相補償でき、最終的に誤り率特性の向上した受信信号を得ることができるようになる。
【0104】
以上の構成によれば、複数のアンテナAN1、AN2からOFDM信号を送信する場合に、一方のアンテナAN1の特定のサブキャリアを既知信号が重畳されたパイロットキャリアとし、他方のアンテナAN2からはパイロットキャリアを出力せず、かつパイロットキャリアと同じ周波数であるサブキャリアをヌル信号が重畳されたサブキャリアとしたことにより、既知信号の伝搬路上での干渉を防止することができるので、高精度の残留位相誤差を検出できる。この結果、誤り率特性の向上した受信信号を得ることができる。
【0105】
なお上述の実施の形態では、2本のアンテナAN1、AN2から2つのOFDM信号を送信し、2本のアンテナAN3、AN4で受信する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意の本数のアンテナを用いて任意の数のOFDM信号を送受信する場合に適用可能である。このことは、後述する実施の形態でも同様である。
【0106】
(実施の形態2)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、図5に示すように、既知信号を送信するアンテナを可変としたことである。これにより、実施の形態1と比較して、一段と高精度の残留位相誤差を検出できる。
【0107】
例えば一方のOFDM通信装置が移動局に搭載され、その移動局の移動速度が遅い場合や、両方のOFDM通信装置が無線基地局に設けられている場合には、回線変動が非常に遅くなる。このような場合には、既知信号を挿入したサブキャリアのレベルが大きく落ち込むと、その状態が長時間に亘って続く可能性が高い。その結果、既知信号の受信レベルも低い状態が続くので、既知信号を基にして求められる残留位相誤差の検出精度も長い期間低下するおそれがある。
【0108】
これを考慮して、この実施の形態では、各アンテナAN1、アンテナAN2から図5(a)、(b)に示すようなフレームフォーマットのOFDM信号を送信する。図5からも明らかなように、既知信号を重畳するサブキャリア(パイロットキャリア)を、1つのアンテナだけから発信するのではなく、パイロットキャリアを発信するアンテナを交互に切り替えるようになっている。また一方のアンテナからパイロットキャリアが発信されている期間は、他方のアンテナはこれに対応するサブキャリアとしてヌル信号を送信するようになっている。
【0109】
これにより既知信号は伝搬路の異なる2つのアンテナから交互に送信されることになるので、長時間に亘って既知信号の受信レベルが低くなることを回避できる。この結果、長時間に亘る残留位相誤差の検出精度の劣化を防止できる。
【0110】
これを実現するためのOFDM通信装置の送信系の構成を、図6を用いて説明する。図3との対応部分に同一符号を付して示す図6において、送信系140は各データ1、データ2にパイロットキャリア(既知信号)を挿入するかヌル信号を挿入するかを選択する選択部141、142を有することを除いて、図3の送信系110と同様の構成でなる。
【0111】
各選択部141、142は、データに対して、一方の選択部が既知信号を挿入しているときには他方の選択部がヌル信号を挿入する。これにより送信系140は、図5に示すようなOFDM信号を形成することができる。
【0112】
以上の構成によれば、パイロットキャリアを発信するアンテナを交互に切り替えると共に、一方のアンテナからパイロットキャリアが発信されている期間は他方のアンテナはこれに対応するサブキャリアとしてヌル信号を送信するようにしたことにより、実施の形態1の効果に加えて、回線変動が遅い場合の長時間に亘る残留位相誤差検出精度の低下を防止できる。
【0113】
(実施の形態3)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、図7に示すように、各アンテナから送信されるOFDM信号の特定のサブキャリアをパイロットキャリアとすると共に、あるアンテナからパイロットキャリアが送信されているサブキャリアに対応する、他のアンテナのサブキャリアをヌル信号とした点である。これにより、実施の形態1や実施の形態2の効果に加えて、OFDM信号のピーク電力を抑圧できるといった効果を得ることができる。
【0114】
図7の例では、既知信号を送信するサブキャリア数を4つとし、各アンテナからそれぞれ既知信号が重畳された2つのパイロットキャリアを送信し、各アンテナからこれら2つのパイロットキャリアに対応して2つのヌル信号を送信するようになっている。ここでヌル信号の送信電力は0となるため、2つのサブキャリアをヌル信号とした分だけ、各OFDM信号の送信時のピーク電力を低減できる。
【0115】
これを実現するためのOFDM通信装置の送信系の構成を、図8を用いて説明する。図3との対応部分に同一符号を付して示す図8において、送信系150はデータ1にパイロットキャリア(既知信号)を挿入するパイロットキャリア挿入部151及びヌル信号挿入部152を有する。また送信系150はデータ2にパイロットキャリア(既知信号)を挿入するパイロットキャリア挿入部154及びヌル信号挿入部153を有する。ヌル信号挿入部153はパイロットキャリア挿入部151が既知信号を挿入した位置にヌル信号を挿入する。ヌル信号挿入部152はパイロットキャリア挿入部154が既知信号を挿入した位置にヌル信号を挿入する。
【0116】
以上の構成によれば、各アンテナから送信されるOFDM信号の特定のサブキャリアをパイロットキャリアとすると共に、あるアンテナからパイロットキャリアが送信されているサブキャリアに対応する、他のアンテナのサブキャリアをヌル信号としたことにより、実施の形態2の効果に加えて、各アンテナから送信されるOFDM信号のピーク電圧を低減することができる。
【0117】
(実施の形態4)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、図9に示すように、実施の形態3での特徴に加えて、データを送信しているサブキャリアのうち特定のサブキャリアについては、1本のアンテナのみからデータを送信し、他のアンテナからはヌル信号を送信するようにした点である。これにより実施の形態3の効果に加えて、伝送効率をほとんど低下させずに、他のデータより良好な誤り率特性が要求されるデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0118】
図9の例では、直流点の両側の2つのサブキャリアについて、片方のアンテナからヌル信号を送信するようになっている。但し、ヌル信号を送信するサブキャリアは図9の例に限定されず、任意に設定することができる。
【0119】
ここで片方のアンテナからヌル信号を送信するサブキャリアは、パイロットキャリア同様、干渉補償を行う必要がなくなる。このため、片方のアンテナからヌル信号を送信するサブキャリアは、マルチパスによる、符号間干渉、タイミング誤差、周波数オフセット検出誤差が存在しても、他のデータとの干渉が残留しないようにすることができる。この結果、このサブキャリアに重畳されたデータの誤り率特性が向上する。この実施の形態では、再送情報や制御情報のように良好な誤り率特性が要求されるデータを、上述した特定サブキャリアに重畳して送信する。
【0120】
これを実現するためのOFDM通信装置の送信系の構成を、図10を用いて説明する。図8との対応部分に同一符号を付して示す図10において、送信系160は、再送情報を符号化部161、プリアンブル挿入部162及び変調部163を順次介してパラレルシリアル変換部(P/S)164に入力する。パラレルシリアル変換部164にはヌル信号も入力される。
【0121】
一旦パラレルシリアル変換により直列変換されたデータは、シリアルパラレル変換部(S/P)165により、データ1、データ2の2つのデータに分流される。各データ1、2は上述したのと同様の処理を施されることで、図9(a)、(b)に示すような、2つのOFDM信号が形成される。
【0122】
ここで図9(a)に示す、アンテナAN1のサブキャリア「−1」、「1」(DATA1(1,−1)、DATA1(2,−1)、DATA1(1,−1)、DATA1(2,1))に対応するアンテナAN2のサブキャリア(図9(b))をヌル信号とするためには、送信系160のパラレルシリアル変換部164がヌル信号を所定のタイミングで出力すればよい。
【0123】
なおこの実施の形態では、実施の形態3の特徴に加えて、データを送信しているサブキャリアのうち特定のサブキャリアについては、1本のアンテナのみからデータを送信し、他のアンテナからはヌル信号を送信するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実施の形態1や実施の形態2と組み合わせることもできる。
【0124】
以上の構成によれば、データを送信しているサブキャリアのうち特定のサブキャリアについては、1本のアンテナのみからデータを送信し、他のアンテナからはヌル信号を送信するようにしたことにより、実施の形態1〜3の効果に加えて、伝送効率をほとんど低下させずに、他のデータより良好な誤り率特性が要求されるデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0125】
(実施の形態5)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、図11に示すように、実施の形態4と比較して、中心周波数から離れたサブキャリアについて、1本のアンテナのみからデータを送信し、他のアンテナからはヌル信号を送信した点である。これにより、中心周波数から離れたサブキャリアにより伝送されるデータの誤り率特性を向上させることができるので、実施の形態4の効果に加えて、伝送効率をほとんど低下させずに、一段とデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0126】
図11の例では、図9(a)に示す、アンテナAN1のサブキャリア「k+1」(DATA1(1,−k+1)、DATA1(2,−k+1))に対応するアンテナAN2のサブキャリア(図9(b))をヌル信号としている。
【0127】
ここでOFDM信号では、中心周波数から離れたサブキャリアほど、隣接チャネル干渉波や、アナログフィルタの振幅偏差及び群遅延偏差の影響を受け易い。この点に着目して、この実施の形態では、中心周波数から離れたサブキャリアにより伝送されるデータの劣化をできるだけ少なくするために、対応する他方のサブキャリアをヌル信号としている。
【0128】
これを実現するためのOFDM通信装置の送信系の構成を、図12を用いて説明する。図10との対応部分に同一符号を付して示す図12において、送信系170は、ヌル信号挿入部171を有することを除いて図10の送信系160と同様の構成でなる。
【0129】
ヌル信号挿入部171はデータ2の所定位置にヌル信号を挿入することにより、図11(b)に示すように、中心周波数から離れたサブキャリアをヌル信号とする。これにより中心周波数から離れたサブキャリアにより送信されるDATA1(1,−k+1)、DATA1(2,−k+1)への干渉成分を抑制できるので、このデータの誤り率特性の劣化を抑制できる。
【0130】
(実施の形態6)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、図13に示すように、実施の形態5と比較して、中心周波数から離れた1本又は複数のサブキャリアのうちヌル信号を送信するアンテナを可変とした点である。これにより、実施の形態5の効果に加えて、ピーク電圧を低減できる。また回線変動が非常に遅い場合に、前記サブキャリアの受信レベルが落ち込んだままとなることを防ぐことができる。
【0131】
図13の例では、時点t1からt2の間の期間は、図13(a)に示す、アンテナAN1のサブキャリア「−k+1」、「k−1」(DATA1(1,−k+1)、DATA1(1,k−1))に対応するアンテナAN2のサブキャリア(図13(b))をヌル信号としている。
【0132】
これに対して、続く時点t2からt3の間の期間は、図13(b)に示す、アンテナAN2のサブキャリア「−k+1」、「k−1」(DATA2(2,−k+1)、DATA2(2,k−1))に対応するアンテナAN1のサブキャリア(図13(a))をヌル信号としている。
【0133】
これを実現するためのOFDM通信装置の送信系の構成を、図14を用いて説明する。図10との対応部分に同一符号を付して示す図14において、送信系180は、シリアルパラレル変換部(S/P)165により分流されて得られた各データを入力する選択部181、182を有することを除いて、図10の送信系160と同様の構成でなる。
【0134】
各選択部181、182には分流後のデータと共にヌル信号が入力されている。選択部181は、上述したように中心周波数から離れたサブキャリアのうち一方のアンテナからデータの重畳されたサブキャリアが送信されると共に、他方のアンテナからヌル信号が送信され、かつこれらのアンテナが可変となるようなタイミングで、ヌル信号を選択して出力する。
【0135】
(実施の形態7)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、図15に示すように、実施の形態6と比較して、直流点のサブキャリアについて、1本のアンテナのみからデータを送信し、他のアンテナからはヌル信号を送信した点である。これにより、直流点のサブキャリアにより伝送されるデータの誤り率特性を向上させることができるので、実施の形態6の効果に加えて、伝送効率をほとんど低下させずに、一段とデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0136】
図15の例では、図15(b)に示す、アンテナAN2のサブキャリア「0」(DATA2(1,0)、DATA2(2,0))に対応するアンテナAN1のサブキャリア(図15(a))をヌル信号としている。
【0137】
ここでOFDM信号では、直流点のサブキャリアはアナログ回路の直流オフセットにより他のサブキャリアと比較して、誤り率特性が大きく劣化する。この点に着目して、この実施の形態では、直流点のサブキャリアにより伝送されるデータの劣化をできるだけ少なくするために、対応する他方のサブキャリアをヌル信号としている。
【0138】
これを実現するためのOFDM通信装置の送信系の構成を、図16を用いて説明する。図14との対応部分に同一符号を付して示す図16において、送信系190は、選択部181とパイロットキャリア挿入部151の間にヌル信号挿入部191が設けられている点を除いて、図14の送信系180と同様の構成でなる。ヌル信号挿入部191は、入力されたデータのうち直流点に配置されるデータ位置にヌル信号を挿入する。
【0139】
(実施の形態8)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、OFDM信号の受信系にオフセット除去回路を設けたことである。これにより、例えば実施の形態7の方法により得られたOFDM信号を受信するOFDM通信装置に適用すれば、一段とデータの誤り率特性を向上させることができる。
【0140】
図17に、この実施の形態の受信系の構成を示す。図4との対応部分に同一符号を付して示す図17において、受信系200は各FFT121、122の後段に直流オフセット除去回路(DC除去)201、202を有することを除いて、図4の受信系120と同様の構成でなる。
【0141】
直流オフセット除去回路(DC除去)201、202の具体的構成を、図18に示す。直流オフセット回路201(202)はFFT部121(122)からの入力信号を平均化回路203及び減算回路205に入力する。平均化回路203はFFT部121(122)の出力のうち直流点付近に配置された信号成分を平均化することで直流オフセットを検出し、この直流オフセット情報をメモリ204に格納する。減算回路205はFFT出力信号のうち直流点付近に配置された信号からメモリ204に格納された直流オフセット分を減算する。これによりFFT出力から直流オフセット成分を除去することができる。
【0142】
以上の構成によれば、受信側で受信OFDM信号から直流オフセットを除去した後、伝搬路補償や伝搬路干渉、残留位相補償等を行うようにしたことにより、上述した実施の形態1〜実施の形態7のOFDM通信装置から送信されたデータの誤り率特性を一段と向上させることができる。
【0143】
(実施の形態9)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、特定のバースト信号は1本のアンテナのみから送信し、このバースト信号を送信している間は他のアンテナからはヌル信号を送信するようにした点である。これにより、実施の形態1〜実施の形態7と比較して、伝送効率をそれほど落とさずに、誤り率特性を一段と向上させることができる。
【0144】
ここで送信するバースト信号の中には、他のバーストと比較して一段と良好な誤り率特性が要求されるものがある。例えば制御用のバースト信号や再送用のバースト信号である。この実施の形態では、このような、他のバースト信号より良好な誤り率特性が要求されるバースト信号を送信する際には、1本のアンテナのみから当該バースト信号を送信し、他のアンテナからはヌル信号を出力する(つまり何の信号も出力しない)ようにする。
【0145】
これにより、上記特定のバースト信号は伝搬路上で他のアンテナからの送信信号により全く干渉を受けないので、受信側での誤り率特性が向上する。また制御用バースト信号や再送用バースト信号のように他のバースト信号と比較して良好な誤り率特性が要求されるバースト信号は、全体のバースト信号からみるとその割合は少ないため、伝送効率はほとんど低下しない。この結果、伝送効率をそれほど落とさずに、重要なバースト信号の誤り率特性を一段と向上させることができる。
【0146】
図19に、この実施の形態の送信系の構成を示す。図3との対応部分に同一符号を付して示す図19において、送信系210は、アンテナAN1から送信する出力信号1の処理系統上に選択部214が設けられていると共に、アンテナAN2から送信する出力信号2の処理系統上に選択部215が設けられている。
【0147】
選択部214には、パイロットキャリア挿入部115の出力が入力されていると共に、再送情報が符号化部211、プリアンブル挿入部212及び変調部213を介して入力されている。選択部215には、ヌル信号挿入部116によりヌル信号が挿入された後の送信データが入力されていると共に、ヌル信号が入力されている。
【0148】
選択部215は、選択部214から変調後の再送情報(すなわち特定のバースト信号)が選択して出力されている期間は、ヌル信号を選択して出力する。これに対して選択部215は、選択部214からパイロットキャリア挿入部115からの出力(すなわち特定のバースト信号以外のバースト信号)が選択して出力されている期間は、ヌル信号挿入部116からの出力を選択して出力する。
【0149】
この結果、送信系210は、特定のバースト信号を送信する期間は、アンテナAN1から図1(a)に示すような信号を出力し、かつアンテナAN2からはヌル信号のみを出力する。一方、特定のバースト信号を送信しないときには、アンテナAN1及びアンテナAN2から図1(a)及び(b)に示すような信号が出力される。
【0150】
なおこの実施の形態に係る発明では、上述した又は後述する他の実施の形態と同様に送信系210を端末局に設けるか、または基地局に設けるかは限定されないが、送信系210を端末局のみに設けた場合(つまり上り回線のみに適用した場合)は、以下のようなさらなる効果を得ることができる。
【0151】
この実施の形態では、特定のバースト信号を送信している間は他のアンテナからヌル信号を送信している分だけ、伝送効率は低下することになる。これを考慮して、伝送データ量の多い下り回線では、通常のOFDM通信を行い、端末局に送信系210を設ける。これにより、システム全体のスループットの低下を抑制し、かつ端末局のハード規模を増大させずに、上り回線により送信する特定のバースト信号の誤り率特性を有効に向上させることができる。
【0152】
(実施の形態10)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、実施の形態9と比較して、1本のアンテナのみバースト信号を送信し、このバースト信号を送信している間は他のアンテナからはヌル信号を送信するのに加えて、バースト信号を分割して送信するアンテナから交互に送信するようにした点である。これにより、実施の形態9の効果に加えて、さらにピーク電力を低減することができる。
【0153】
つまり、実施の形態9では1本のアンテナのみから送信していた特定のバースト信号を分割して複数のアンテナから送信するようにしたことにより、1本のアンテナの送信サブキャリア数を低減できるので、この分ピーク電力を低減できるようになる。
【0154】
具体的に、図1を用いて説明すると、まずある期間はアンテナAN1から図1(a)のサブキャリアの半分のサブキャリアを用いて特定のバースト信号の半分の情報を送信し、その期間はアンテナAN2からはヌル信号を送信する。そして次の期間は、アンテナAN2から図1(b)のサブキャリアの半分のサブキャリアを用いて特定のバースト信号の残り半分の情報を送信し、その期間はアンテナAN1からはヌル信号を送信する。
【0155】
図20に、この実施の形態の送信系の構成を示す。図19との対応部分に同一符号を付して示す図20において、送信系220は、変調後の再送情報をシリアルパラレル変換部(S/P)223により分割し、分割後の信号を選択部221、222に送出する。また各選択部221、222には、ヌル信号が入力されている。
【0156】
選択部221はパイロットキャリア挿入部115からの出力信号、分割された再送情報又はヌル信号のうちの1つを選択的に出力する。選択部222はヌル信号挿入部116からの出力信号、分割された再送情報又はヌル信号のうちの1つを選択的に出力する。
【0157】
具体的には、特定のバースト信号(図20の場合は再送情報)以外のデータを送信する場合には、選択部221はパイロットキャリア挿入部115からの出力を選択して出力すると共に選択部222はヌル信号挿入部からの出力を選択して出力する。この結果、2つのアンテナAN1、AN2から図1に示すようなOFDM信号が発信される。
【0158】
これに対して、特定のバースト信号を送信する場合には、まず最初の期間で、選択部221が分割された再送情報を選択して出力すると共に、このとき選択部222がヌル信号を選択して出力する。この結果、アンテナAN1からは図1(a)の半分のサブキャリアで再送情報が送信されると共に、アンテナAN2からはヌル信号が送信される。そして次の期間で、選択部222が分割された再送情報を選択して出力すると共に、このとき選択部221がヌル信号を選択して出力する。この結果、アンテナAN2からは図1(b)の半分のサブキャリアで再送情報が送信されると共に、アンテナAN1からはヌル信号が送信される。
【0159】
(実施の形態11)
この実施の形態の特徴は、通信端末には1本のアンテナのみ設置し、複数のアンテナから異なるデータを送信するのは、基地局のみ(下り回線のみ)とした点である。これにより、システム全体の伝送効率をほとんど低下させずに端末のハード規模及び消費電力を大きく低減させることができる。
【0160】
ここで複数のアンテナから異なるデータを送信する方法を上り回線にも適用すると、端末の送信系の信号処理系統の回路及び無線処理部(送信RF)がアンテナ数分だけ必要となるので、端末の回路規模及び消費電力が非常に大きくなる。しかし、システム全体の伝送効率は一般に下り回線により決まる。発明者らはこの点に着目して、端末には1本のアンテナのみ設置する方が、端末のハード規模及び消費電力の削減とシステム全体の伝送効率とを両立する上で有効であると考えた。
【0161】
図21に、この実施の形態における通信端末の送信系の構成を示す。図3との対応部分に同一符号を付して示す図21において、端末送信系230は逆フーリエ変換後の信号を送信RF部231により信号増幅等の無線処理を施した後、1本のアンテナ232から発信する。因みに、図21で示している送信信号は、図3で示している送信信号が異なる複数データであるのに対して、単一のデータである。
【0162】
図22に、端末送信系230から送信されたOFDM信号を受信復調する無線基地局の受信系の構成を示す。基地局受信系240では、複数のアンテナ241−1、241−2で受信したOFDM信号を受信RF部242−1、242−2、FFT243−1、243−2及び伝搬路補償部244−1、244−2を介して合成部245に入力する。合成部245では伝搬路補償後の複数の信号を合成、あるいは一方を選択する。合成或いは選択後の信号は復号化部246により復号されて受信信号とされる。
【0163】
(実施の形態12)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さい伝搬環境の場合は、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する点である。これにより、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さい伝搬環境の場合の誤り率特性を向上させることができる。
【0164】
干渉補償部での逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|が小さい場合、演算ビット数の実効値が小さくなるため、逆行列の推定精度が劣化する。この結果、誤り率特性が劣化することになる。この実施の形態では、この点に着目して、干渉補償部の逆行列の行列式の絶対値を監視し、この値が小さい場合には、1本のアンテナのみから送信を行うようにした。
【0165】
図23に、この実施の形態に係るOFDM通信装置の送信系の構成を示す。図3との対応部分に同一符号を付して示す図23において、送信系250は、アンテナAN1から送信する出力信号1の処理系統上に選択部251が設けられていると共に、アンテナAN2から送信する出力信号2の処理系統上に選択部252が設けられている。
【0166】
選択部251には、パイロットキャリア挿入部115の出力が入力されていると共にヌル信号が入力されている。選択部252には、ヌル信号挿入部116によりヌル信号が挿入された後の送信データが入力されていると共にヌル信号が入力されている。各選択部251、252は、後述する送信相手局の受信系により形成された判定信号S10に基づいて、送信データまたはヌル信号を選択的に出力する。つまり、送信系250を有するOFDM通信装置では、図示しない受信系により通信相手局から判定信号S10を受信し、これを選択部251、252に送出するようになっている。
【0167】
図24に、送信系250を有するOFDM通信装置の送信相手であるOFDM通信装置の受信系の構成を示す。図4の受信系120との対応部分に同一符号を付して示す図24の受信系260では、係数算出部127により求められた逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|を大小比較部261に入力する。大小比較部261では、絶対値|AD−BC|をしきい値1と比較し、当該比較結果を判定信号S10として図示しない送信系を介して、図23に示すOFDM通信装置の送信系250の選択部251、252に通知する。
【0168】
以上の構成において、先ず送信系250を有するOFDM通信装置により形成されたOFDM信号が送信系250から送信される。このOFDM信号は通信相手であるOFDM通信装置の受信系260により受信復調される。
【0169】
受信系260は、係数算出部127によって伝搬路推定部123、125により得られた伝搬路特性A、B、C、Dを用いて、伝搬路補償及び干渉補償するための係数A/(AD−BC)、B/(AD−BC)、C/(AD−BC)、D/(AD−BC)を求める。大小比較部261は、係数算出部127により求められた逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|をしきい値1と比較し、当該比較結果を判定信号S10として送信系250を有するOFDM通信装置に送信する。
【0170】
そして、この判定信号S10を受信したOFDM通信装置は、当該判定信号S10を選択部251、252に入力させる。選択部251、252は、絶対値|AD−BC|がしきい値1以上の場合には、パイロットキャリア挿入部115、ヌル信号挿入部116の信号を選択出力する。これに対して、選択部251、252は、絶対値|AD−BC|がしきい値1未満の場合には、いずれか一方の選択部251又は252がヌル信号を選択出力する。例えば選択部251がパイロットキャリア挿入部115からの信号を選択出力する場合には、選択部252がヌル信号を出力するようになっている。
【0171】
このように、絶対値|AD−BC|が大きく、通信相手側で伝搬路補償及び干渉補償の精度を維持できるときには、複数のアンテナからそれぞれ異なる送信データを重畳したOFDM信号を送信する。これに対して、絶対値|AD−BC|が小さく、通信相手側で伝搬路補償及び干渉補償の精度が劣化してしまうときには、1本のアンテナからのみOFDM信号を送信する。この結果、補償精度が悪くても、伝搬路上での干渉が格段に低減されるので、通信相手側では誤り率特性の良い受信信号を得ることができる。
【0172】
以上の構成によれば、伝搬路補償及び干渉補償するための逆行列の係数(AD−BC)が小さい場合には、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するようにしたことにより、伝搬路補償及び干渉補償の補償精度の悪い伝搬環境下での誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0173】
因みに、この実施の形態は、互いのOFDM通信装置がアクセス方式としてFDD(Frequency Division Duplex)方式を用いて通信を行う場合に特に有効である。つまり、この実施の形態では、送信系250によりある周波数帯域で送信したOFDM信号の伝搬路特性を受信側で推定し、その推定結果(判定信号S10)を送信系250を有するOFDM通信装置に通知し、送信系250はその判定信号S10を反映したOFDM信号を形成する。これにより、下り回線と上り回線の伝搬特性が異なるFDD方式において、送信系250が的確な判定結果S10に基づいて、上述した伝搬路環境に応じたOFDM信号を形成できるようになる。
【0174】
因みにアクセス方式としてTDD(Time Division Duplex)方式を用いる場合に有効な構成は、次の実施の形態13で説明する。
【0175】
(実施の形態13)
この実施の形態のOFDM通信装置の特徴は、上述した実施の形態12と比較して、受信時の逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|の判定結果を送信時に反映するようにした点である。これにより、この実施の形態のOFDM通信装置は、上り回線と下り回線の伝搬特性が同じTDD方式において、制御情報(判定結果信号)の伝送を削減し得る分だけ、伝送効率を向上させて実施の形態12と同様の効果を得ることができる。
【0176】
図23及び図24との対応部分に同一符号を付して示す図25において、この実施の形態のOFDM通信装置270は、送信系280及び受信系290を有する。これによりOFDM通信装置270では、受信系290で得た判定結果S10を送信系280に反映できるようになっている。
【0177】
以上の構成によれば、受信系290により得られる伝搬路補償及び干渉補償するための逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|をしきい値判定し、この判定結果を、同一のOFDM通信装置の送信系270に反映して、逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|がしきい値よりも小さい場合には、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するようにしたことにより、通信相手側に制御情報(判定結果S10)を送信することなしに、伝搬路補償及び干渉補償の補償精度の悪い伝搬環境下での誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0178】
(実施の形態14)
この実施の形態の特徴は、実施の形態12や実施の形態13と比較して、干渉補償部の逆行列の行列式の絶対値の大きさの判定に使用するしきい値を可変とした点である。これにより、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さくなるような伝搬環境の場合の誤り率特性の劣化を一段と抑制することができる。
【0179】
本願の発明者らは、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値の大きさを比較する比較部でのしきい値の最適値は、受信したOFDM信号の回線品質によって異なることに着目した。つまり、回線品質が悪い場合には、逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|の検出誤差は大きくなるので、回線品質が悪い場合には、比較部でのしきい値を大きい値にする。
【0180】
図24との対応部分に同一符号を付して示す図26において、この実施の形態の受信系300は、大小比較部261がしきい値判定に用いるしきい値を選択する選択部301を有する点を除いて、図24の受信系260と同様の構成でなる。
【0181】
選択部301は、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check)やRSSI(Received Signal Strength Indicator)信号等の受信品質情報に基づいてそれぞれ値の異なるしきい値1かしきい値2(しきい値1<しきい値2とする)のいずれかを選択出力する。実際上、受信品質情報が受信品質が良いことを示すものであった場合にはしきい値1を選択出力し、悪いことを示すものであった場合にはしきい値1よりも値の大きいしきい値2を選択出力する。
【0182】
大小比較部261は、このようにして受信品質により変更されたしきい値を用いて、伝搬路干渉・干渉補償部124、126で用いる逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|の大きさをしきい値判定する。
【0183】
この結果、受信系300の大小比較部261からは、受信品質が悪い場合には、実施の形態12や実施の形態13で説明した送信系260、280に対して、実施の形態12や実施の形態13よりも、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する方向に送信系260、280を制御する判定信号S20が出力されるようになる。
【0184】
以上の構成によれば、伝搬路補償及び干渉補償するための逆行列の行列式の絶対値が小さい場合には、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することに加えて、受信品質に応じて前記逆行列の行列式の絶対値の大小を比較するしきい値を変えるようにしたことにより、実施の形態12や実施の形態13と比較して、前記逆行列の行列式の絶対値が小さくなるような伝搬環境での誤り率特性をさらに向上させることができる。
【0185】
(実施の形態15)
この実施の形態の特徴は、実施の形態12や実施の形態13と比較して、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが多い伝搬環境の場合に、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するようにした点である。これにより、実施の形態12や実施の形態13と比較して、伝送効率の低下を抑えた状態で、一段と誤り率特性を向上させることができる。
【0186】
本願の発明者らは、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが少ない場合(例えば全サブキャリア数48個のうち、3サブキャリアのみがしきい値を下回ったような場合)には、復号化部での誤り率訂正効果により誤り率特性を改善できるので、複数のアンテナからOFDM信号を送信しても問題ないと考えた。これに対して、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが多い場合には、復号化部での誤り率訂正効果がそれほど期待できないので、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することで、誤り率特性を向上させるようにした。
【0187】
図24との対応部分に同一符号を付して示す図27において、この実施の形態の受信系310は、大小比較部261の比較結果をカウントするカウンタ311とカウンタ311のカウント値をしきい値判定する大小比較部312を有することを除いて、図24の受信系260と同様の構成でなる。
【0188】
カウンタ311は、大小比較部261からの判定信号S10に基づいて、絶対値|AD−BC|がしきい値1を下回るサブキャリア数をカウントする。大小比較部312は、カウント値としきい値3とを比較し、カウント値がしきい値3を上回ったときに、実施の形態12や実施の形態13で説明した送信系260、280に、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することを指示する判定信号S30を送出する。
【0189】
以上の構成によれば、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアの数を考慮して、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するか否かを選択するようにしたことにより、実施の形態12や実施の形態13よりさらに誤り率特性の向上と伝送効率とを両立させることができる。
【0190】
(実施の形態16)
この実施の形態の特徴は、実施の形態15と比較して、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが連続するような伝搬環境の場合に、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するようにした点である。これにより、実施の形態15よりもさらに伝搬効率の低下を抑えた状態で、一段と誤り率特性を向上させることができる。
【0191】
本願の発明者らは、品質の悪いデータが集中すると、誤り訂正の効果が低下し、誤り率特性が低下する点に着目した。そしてこれを考慮して、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さいサブキャリアが連続するような伝搬環境の場合に、つまり品質の悪いデータが集中する場合に、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することで、誤り率特性を向上させるようにした。
【0192】
図27との対応部分に同一符号を付して示す図28において、この実施の形態の受信系320は、図27のカウンタ311と大小比較部312に替えて、カウント値のインクリメントとディクリメントの両方を行うカウンタ321と、カウント値としきい値4との大小を比較する大小比較部322とを設けた点を除いて、図27の受信系310と同様の構成でなる。
【0193】
カウンタ321は、大小比較部261からの判定信号S10に基づいて、逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|がしきい値1を下回るサブキャリアの集中度をカウントする。つまり、絶対値がしきい値1を下回ったときにはカウント値をインクリメントし、しきい値1以上の場合にはカウント値をディクリメントする。
【0194】
大小比較部322は、カウント値としきい値4とを比較し、カウント値がしきい値4を上回ったとき、つまり絶対値|AD−BC|がしきい値1を下回るサブキャリアの集中度がある一定値より大きくなったときに、実施の形態12や実施の形態13で説明した送信系260、280に、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することを指示する判定信号S40を送出する。
【0195】
以上の構成によれば、逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|が所定のしきい値を下回るサブキャリアの集中度を考慮して、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するか否かを選択するようにしたことにより、実施の形態15よりさらに誤り率特性の向上と伝送効率とを両立させることができる。
【0196】
(実施の形態17)
この実施の形態の特徴は、実施の形態16と比較して、逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|が所定のしきい値を下回るサブキャリアの集中度を判定するしきい値を受信品質に応じて可変とした点である。これにより、実施の形態16よりもさらに伝搬効率の低下を抑えた状態で、一段と誤り率特性を向上させることができる。
【0197】
図28との対応部分に同一符号を付して示す図29において、この実施の形態の受信系330は、大小比較部322がしきい値判定に用いるしきい値を選択する選択部331を有する点を除いて、図28の受信系320と同様の構成でなる。
【0198】
選択部331は、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check)やRSSI(Received Signal Strength Indicator)信号等の受信品質情報に基づいてそれぞれ値の異なるしきい値4かしきい値5(しきい値4<しきい値5とする)のいずれかを選択出力する。実際上、受信品質情報が受信品質が良いことを示すものであった場合にはしきい値5を選択出力し、悪いことを示すものであった場合にはしきい値5よりも値の小さいしきい値4を選択出力する。
【0199】
大小比較部322は、このようにして受信品質により変更されたしきい値を用いて、逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|が所定のしきい値を下回るサブキャリアの集中度をしきい値判定する。
【0200】
このようにして、受信系330の大小比較部322からは、受信品質が悪い場合には、実施の形態12や実施の形態13で説明した送信系260、280に対して、絶対値|AD−BC|が所定のしきい値を下回るサブキャリアの集中度が小さくても、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する方向に送信系260、280を制御する判定信号S50が出力される。
【0201】
以上の構成によれば、逆行列の行列式の絶対値|AD−BC|が所定のしきい値を下回るサブキャリアの集中度と受信品質とを加味して、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するか否かを選択するようにしたことにより、実施の形態16よりさらに誤り率特性の向上と伝送効率とを両立させることができる。
【0202】
(実施の形態18)
この実施の形態の特徴は、最後のデータ群は1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することにより、受信を終了してから送信を開始するまでの時間を短縮できるようにした点である。
【0203】
ここでMMAC(Multimedia Mobile Access Communication)のHiSAN(High Speed Wireless Access Network)のように、受信終了から送信開始までの時間が規定されている場合がある。受信系の干渉補償回路は通常の同期検波回路より処理遅延が大きいため、上記受信を終了してから送信を開始するまでの時間の規格を満足できない場合もある。
【0204】
これを考慮して、この実施の形態では、最後のデータ群は1本のアンテナのみからOFDM信号として送信することにより、最後のデータ群の処理遅延を短縮し、これにより受信を終了してから送信を開始するまでの時間を短縮するようにした。
【0205】
図30に、この実施の形態の送信系340の構成を示す。図3との対応部分に同一符号を付して示す図30において、送信系340は、アンテナAN1から送信する出力信号1の処理系統上に選択部341が設けられていると共に、アンテナAN2から送信する出力信号2の処理系統上に選択部342が設けられている。
【0206】
選択部341には、パイロットキャリア挿入部の出力が入力されていると共にヌル信号が入力されている。選択部342には、ヌル信号挿入部116によりヌル信号が挿入された後の送信データが入力されていると共にヌル信号が入力されている。各選択部341、342は、最後のバーストを示す信号に基づいて、送信データまたはヌル信号を選択的に出力する。
【0207】
具体的には、最後のバーストを示す信号が入力されないときには、選択部341がパイロットキャリア挿入部115からの信号を出力すると共に、選択部342がヌル信号挿入部116からの信号を出力する。これに対して、最後のバーストを示す信号が入力された場合には、選択部341又は選択部342のいずれか一方がヌル信号を選択出力する。これにより、最後のデータ群を1本のアンテナのみからOFDM信号として送信することができる。
【0208】
(実施の形態19)
この実施の形態の特徴は、端末同士が通信する時間帯においては、基地局からはその通信端末に対して1本のアンテナからのみOFDM信号を送信するようにした点である。
【0209】
図31に示すOFDM通信システム350のように、システムによっては、端末同士が通信する場合もある。このような場合、端末同士が通信する時間帯を確保する必要があり、制御が複雑になる。これを考慮して、この実施の形態では、端末同士が通信する時間帯においては、基地局からは端末1に対して1本のアンテナからのみOFDM信号を送信する。これにより、端末1では、基地局から送信されたデータと他端末2から送信されたデータの両方を受信できるので、端末同士が通信する時間帯を複雑な制御により確保する必要が無くなる。
【0210】
図32に、この実施の形態の送信系の構成を示す。送信系360は図31の無線基地局に設けられている。図30との対応部分に同一符号を付して示す図32において、送信系360は、選択部361、362に、端末1(図31)が他端末2からの信号を受信するタイミングを示す情報を入力する点を除いて、図30の送信系340と同様の構成でなる。
【0211】
送信系360は、端末1が端末2からの信号を受信するタイミングでないときには、選択部361がパイロットキャリア挿入部115からの信号を出力すると共に、選択部362がヌル信号挿入部116からの信号を出力する。これに対して、端末1が端末2からの信号を受信するタイミングのときには、選択部361又は選択部362のいずれか一方がヌル信号を選択出力する。
【0212】
これにより、端末が他端末からの信号を受信するタイミングのときに、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することができる。この結果、端末では他端末の通信を確保しながら基地局からのOFDM信号を受信することができる。
【0213】
(実施の形態20)
この実施の形態の特徴は、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するといった処理を周期的に行うことで、受信側において伝搬路推定結果を周期的に更新(以下これを伝搬路トラッキングと呼ぶ)できるようにした点である。これにより、伝搬路推定用プリアンブルの間隔に対して伝搬路変動が速い場合の誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0214】
ここで伝搬路推定用プリアンブルの間隔に対して伝搬路変動が速い場合、誤り率特性の劣化が大きくなる。このような場合、伝搬路トラッキングが公知の技術としてあるが、この実施の形態のように複数のアンテナから異なるOFDM信号を送信するフレームフォーマットでは、伝搬路トラッキングを行うことが困難となる。
【0215】
これを考慮して、この実施の形態では、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する処理を周期的に行い、受信側ではこの1本のアンテナから送信されたOFDM信号を用いて伝搬路トラッキングを行うようにする。この結果、伝搬路推定用プリアンブルの間隔に対して伝搬路変動が速い場合の誤り率特性の劣化を抑制できる。
【0216】
図33に、この実施の形態の送信系の構成を示す。図32との対応部分に同一符号を付して示す図33において、送信系370は、自走式のカウンタ371のカウント値を大小比較部372に入力する。大小比較部372はカウント値としきい値1とを比較し、カウント値がしきい値よりも大きくなったときにこれを示す判定信号を選択部373、374及びカウンタ371に送出する。
【0217】
選択部373、374では、カウント値がしきい値よりも大きくなったことを示す判定信号が入力されたときに、いずれか一方の選択部373又は375がヌル信号を選択的に出力することにより、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する。またカウンタ371では、カウント値がしきい値よりも大きくなったことを示す判定信号が入力されると、一旦カウント値をリセットし、再び自走によりカウント値をインクリメントする。
【0218】
これにより、カウント値がしきい値よりも大きくなったことを示す判定信号が周期的に得られ、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するといった処理を周期的に行うことができる。
【0219】
図34に、送信系370から送信されたOFDM信号を受信復調する受信系の構成を示す。図4との対応部分に同一符号を付して示す図34において、受信系380は、各アンテナで受信したOFDM信号(入力信号1、入力信号2)に対して伝搬路トラッキング処理を行う伝搬路トラッキング部381、382を有すると共に、当該伝搬路トラッキング部381、382にローカルエンコードした信号を供給する再符号化・再変調部385及びシリアルパラレル変換部(S/P)を有することを除いて、図4の受信系120と同様の構成でなる。
【0220】
再符号化・再変調部385は、復号後の受信信号に対して送信側と同じ符号化及び変調処理を行うことにより受信信号をローカルエンコードし、これをS/P386により送信データ1と送信データ2に分流した後、対応する系統の伝搬路トラッキング部381、382に送出する。
【0221】
ここで図35に、伝搬路トラッキング部381、382の構成を示す。この伝搬路トラッキング処理は、公知の技術なので簡単に説明する。伝搬路トラッキング部381(382)は、乗算器391によって再変調後の信号とFFT出力信号を乗算する。乗算後の信号は、乗算器392により値1−uが乗じられて加算器393に送出される。加算器393では、メモリ395に格納された加算結果に乗算器394で値uが乗じられたものと、乗算器392の乗算結果とが加算される。そしてこの加算結果がメモリ395に格納される。そしてメモリ395に格納されている加算値がトラッキング後の伝搬路推定結果として、図34の伝搬路推定部383、384に送出される。
【0222】
以上の構成によれば、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するといった処理を周期的に行うようにしたことにより、伝搬路変動が速い場合の誤り率特性の劣化を抑制することができる。
【0223】
(実施の形態21)
この実施の形態の特徴は、実施の形態20と比較して、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するといった処理を周期的に行うと共に、この周期を可変とした点である。これにより、実施の形態20と比較して、伝搬効率の低下を有効に抑制しながら、誤り率特性の劣化を抑制できる。
【0224】
1本のアンテナのみ送信する周期は可変とした方が、伝送効率と誤り率特性を両立させることができる。例えば、情報をできるだけ多く送信したい場合は、1本のアンテナのみ送信する周期を長くした方がよい。しかし、十分な誤り率特性を得たい場合は、1本のアンテナのみ送信する周期を短くした方がよい。例えば、他のバーストより多くのデータを送りたい場合には、1本のアンテナのみ送信する周期を長くする。
【0225】
図36に、この実施の形態の送信系の構成を示す。図33との対応部分に同一符号を付して示す図36において、この実施の形態の送信系400は、大小比較部402でのしきい値を選択する選択部401を有することを除いて、図36の送信系390と同様の構成でなる。
【0226】
選択部401は、CRCやRSSI信号等の受信品質情報に基づいてそれぞれ値の異なるしきい値1かしきい値2(しきい値1<しきい値2とする)のいずれかを選択出力する。この受信品質情報は、FDD方式の通信を行っている場合には通信相手により得られたものを用い、TDD方式の通信を行っている場合には自局で得られたものを用いることが好ましい。
【0227】
選択部401は受信品質が良い場合にはしきい値2を選択出力し、悪いことを示すものであった場合にはしきい値2よりも値の小さいしきい値1を選択出力する。この結果、送信系400では、受信品質が悪いほど1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する周期として短い周期が設定される。このとき受信側では、伝搬路トラッキング処理を高精度で行うことができるようになるので、受信品質を向上させることができる。
【0228】
以上の構成によれば、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するといった処理を周期的に行うと共に、この周期を可変としたことにより、実施の形態20よりも一段と伝送効率と誤り率特性を両立させることができる。
【0229】
なおこの実施の形態では、周期を可変とする条件として、要求される送信データ量や受信品質を挙げたが、この条件はこれに限らない。例えば伝搬路変動速度を推定(例えば前回のバーストとの伝搬路推定結果の差がしきい値を超えたら伝搬路の変動が速いとみなす)し、この変動速度がしきい値を超えたら、周期を短くするといった方法がある。
【0230】
(実施の形態22)
この実施の形態の特徴は、複数のアンテナ(例えばマルチセクタアンテナ)を使用する場合、どのアンテナを使用しても干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さくなるような伝搬環境の場合は、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するようにした点である。これにより伝送効率と誤り率特性の両立を図ることができる。
【0231】
マルチセクタアンテナのように複数のアンテナを使用する場合、セクタを変えることによって、複数のアンテナから異なるデータを同時に送信しても誤り率特性が劣化しない伝搬環境にすることも可能である。
【0232】
この実施の形態では、この点に着目して、マルチセクタアンテナのように複数のアンテナを使用する場合、どのアンテナを選択しても干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さい伝搬環境のときだけ、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信する。
【0233】
図37に、この実施の形態の受信系の構成を示す。図28との対応部分に同一符号を付して示す図37において、受信系410はマルチセクタアンテナ413−1、413−2、414−1、414−2を有すると共に、当該マルチセクタアンテナ413−1、413−2、414−1、414−2のうち所定のアンテナを選択する選択部411、412を有する。
【0234】
選択部411、412は、大小比較部261からの判定信号S10に基づいて受信アンテナを選択する。例えば最初に選択部411がアンテナ413−1を選択しかつ選択部412がアンテナ414−1を選択して、これらのアンテナからの受信信号に基づいて受信信号を受信復調する。このとき大小比較部261により、絶対値|AD−BC|がしきい値1を下回っていることを示す判定結果S10が得られると、選択部411が受信アンテナをアンテナ413−2に切り替えると共に選択部412が受信アンテナをアンテナ414−2に切り替える。
【0235】
受信系410は、このように受信アンテナを切り替えても相変わらず、大小比較部261により、絶対値|AD−BC|がしきい値1を下回っていることを示す判定結果S10が得られると、大小比較部322から送信系に対して、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することを指示する判定信号S40を送出する。因みに、図37の場合には大小比較部322のしきい値4は「1」に設定されており、カウンタ321のカウント値が「2」となったとき、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信することを指示する判定信号S40を送出するようになっている。
【0236】
以上の構成によれば、複数のアンテナを使用する場合、どのアンテナを選択しても干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さい伝搬環境のときだけ、1本のアンテナのみからOFDM信号を送信するようにしたことにより、複数アンテナを用いた場合に、伝送効率と誤り率特性の両立を図ることができる。
【0237】
なおこの実施の形態では、干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値が小さくなったときに、セクタアンテナを切り替える場合について述べたが、セクタアンテナを切り替える方法はこれに限らない。例えば干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値がしきい値を下回るサブキャリア数があるしきい値を上回ったときに、セクタアンテナを切り替えるようにしてもよい。また干渉補償部で用いる逆行列の行列式の絶対値がしきい値を下回るサブキャリア数が連続するときに、セクタアンテナを切り替えるようにしてもよい。
【0238】
また上述の実施の形態12〜17及び22では、干渉補償で用いる逆行列の行列式の絶対値を、複数のアンテナのうちいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信するか否かを判断するための基準として用いたが、本発明はこれに限らず、要は伝搬路推定精度が低い場合にいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信すればよい。
【0239】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のアンテナから同一時間に同一サブキャリアから異なるデータを送信し、特定のサブキャリアからは既知信号を送信するOFDM通信方法において、OFDM信号に適宜ヌル信号を挿入するようにしたことにより、残留位相誤差の検出精度の劣化を防ぐことができ、誤り率特性の向上したOFDM通信方法及びOFDM通信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るOFDM通信装置により形成されるOFDM信号のフレームフォーマットを示す図
【図2】実施の形態におけるOFDM通信システムの全体構成を示す図
【図3】実施の形態1におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図4】実施の形態1におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図5】実施の形態2のOFDM通信装置により形成されるOFDM信号のフレームフォーマットを示す図
【図6】実施の形態2におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図7】実施の形態3のOFDM通信装置により形成されるOFDM信号のフレームフォーマットを示す図
【図8】実施の形態3におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図9】実施の形態4のOFDM通信装置により形成されるOFDM信号のフレームフォーマットを示す図
【図10】実施の形態4におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図11】実施の形態5のOFDM通信装置により形成されるOFDM信号のフレームフォーマットを示す図
【図12】実施の形態5におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図13】実施の形態6のOFDM通信装置により形成されるOFDM信号のフレームフォーマットを示す図
【図14】実施の形態6におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図15】実施の形態7のOFDM通信装置により形成されるOFDM信号のフレームフォーマットを示す図
【図16】実施の形態7におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図17】実施の形態8におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図18】直流オフセット除去回路の構成を示すブロック図
【図19】実施の形態9におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図20】実施の形態10におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図21】実施の形態11におけるOFDM通信装置の端末の送信系の構成を示すブロック図
【図22】実施の形態11におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図23】実施の形態12におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図24】実施の形態12におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図25】実施の形態13におけるOFDM通信装置の構成を示すブロック図
【図26】実施の形態14におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図27】実施の形態15におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図28】実施の形態16におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図29】実施の形態17におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図30】実施の形態18におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図31】実施の形態19におけるOFDM通信システムの全体構成を示す概略図
【図32】実施の形態19におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図33】実施の形態20におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図34】実施の形態20におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図35】伝搬路トラッキング部の構成を示すブロック図
【図36】実施の形態21におけるOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図37】実施の形態22におけるOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図38】OFDM信号におけるパイロットシンボルの配置例を示す図
【図39】伝搬路推定の説明に供するOFDM通信システムの全体構成を示す図
【図40】OFDM信号の一般的なフレームフォーマットを示す図
【図41】従来のOFDM通信装置の送信系の構成を示すブロック図
【図42】従来のOFDM通信装置の受信系の構成を示すブロック図
【図43】係数算出部の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101、102、270 OFDM通信装置
110、140、150、160、170、180、190、210、220、230、250、280、340、360、370、400 送信系
111、161、211 符号化部
112、162、212 プリアンブル挿入部
113、213 変調部
114、165、223 シリアルパラレル変換部(S/P)
115、151、154 パイロットキャリア挿入部
116、152、153、171、191 ヌル信号挿入部
117、118 逆高速フーリエ変換部(IFFT)
120、200、240、260、290、300、310、320、330、380、410 受信系
121、122 高速フーリエ変換部(FFT)
123、125、383、384 伝搬路推定部
124、126 伝搬路補償・干渉補償部
127 係数算出部
128、129、141、142、181、182、214、215、221、222、251、252、301、331、341、342、361、362、373、374、401、411、412 選択部
130 残留位相誤差検出部
131、132 位相補償部
133、164 パラレルシリアル変換部(P/S)
134 復号化部
201、202 直流オフセット除去回路(DC除去)
261、312、322、372、402 大小比較部
311、321、371 カウンタ
350 OFDM通信システム
381、382 伝搬路トラッキング部
A、B、C、D 伝搬路特性
TX1、TX2 送信信号
RX1、RX2 受信信号
AN1〜AN4、413−1、413−2、414−1、414−2 アンテナ
S10、S20、S30、S40、S50 判定信号

Claims (25)

  1. 複数のアンテナからそれぞれ異なるデータが重畳されたOFDM信号を送信すると共に、前記OFDM信号の特定のサブキャリアにより既知信号を送信するOFDM通信方法であって、前記既知信号は前記複数のアンテナのうちいずれか1つのアンテナのみから送信し、当該アンテナ以外のアンテナからは、前記既知信号を送信しているサブキャリアに対応する周波数帯域のサブキャリアによりヌル信号を送信する、ことを特徴とするOFDM通信方法。
  2. 前記既知信号を送信するアンテナを、前記複数のアンテナの中で切り替える、ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM通信方法。
  3. 複数のアンテナからそれぞれ異なるデータが重畳されたOFDM信号を送信すると共に、前記OFDM信号の特定のサブキャリアにより既知信号を送信するOFDM通信方法であって、前記複数のアンテナから送信する各OFDM信号の互いに周波数帯域の異なるサブキャリアにより前記既知信号を送信し、あるアンテナにおいて既知信号が送信されているサブキャリアに対応する、他のアンテナにおけるサブキャリアによりヌル信号を送信する、ことを特徴とするOFDM通信方法。
  4. 特定のサブキャリアについては、前記複数のアンテナのうちいずれか1つのアンテナのみからデータを送信し、当該アンテナ以外のアンテナからは、当該データを送信しているサブキャリアに対応する周波数帯域のサブキャリアによりヌル信号を送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のOFDM通信方法。
  5. 前記特定のサブキャリアは、OFDM信号の中心周波数から離れたサブキャリアである、ことを特徴とする請求項4に記載のOFDM通信方法。
  6. 前記特定のサブキャリアにおいてデータを送信するアンテナを前記複数のアンテナの中で切り替える、ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のOFDM通信方法。
  7. 直流点のサブキャリアについて、1本のアンテナのみからデータを送信し、他のアンテナからはヌル信号を送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のOFDM通信方法。
  8. 特定のバースト信号は1本のアンテナのみから送信し、このバースト信号を送信している間は他のアンテナからはヌル信号を送信する、ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のOFDM通信方法。
  9. 前記特定のバースト信号を複数に分割し、分割したバースト信号を送信するアンテナを切り替える、ことを特徴とする請求項8に記載のOFDM通信方法。
  10. 前記特定のバースト信号は、他のバースト信号より良好な品質が要求されるバースト信号である、ことを特徴とする請求項8に記載のOFDM通信方法。
  11. 請求項8のOFDM通信方法を、上り回線の通信にのみ適用する、ことを特徴とする請求項8に記載のOFDM通信方法。
  12. 請求項8のOFDM通信方法を、伝搬路推定精度が悪い伝搬環境下においてのみ適用する、ことを特徴とする請求項8に記載のOFDM通信方法。
  13. OFDM信号を受信したときに、当該OFDM信号に重畳された既知信号に基づいて各アンテナ間の伝搬路特性を求め、この伝搬路特性を行列成分として表したときの逆行列の行列式の絶対値の大小に基づいて前記伝搬路推定精度を求める、ことを特徴とする請求項12に記載のOFDM通信方法。
  14. 前記逆行列の行列式の絶対値の大小をしきい値判定し、前記逆行列の行列式の絶対値がしきい値よりも小さいときに、前記複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信すると共に、当該しきい値を前記OFDM信号の受信品質に応じて変化させるようにする、ことを特徴とする請求項13に記載のOFDM通信方法。
  15. 前記逆行列の行列式の絶対値の大小を第1のしきい値を用いてしきい値判定し、前記逆行列の行列式の絶対値が前記第1のしきい値よりも小さいサブキャリアの数が第2のしきい値よりも多いときに、前記複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する、ことを特徴とする請求項13に記載のOFDM通信方法。
  16. 前記逆行列の行列式の絶対値の大小をしきい値判定し、前記逆行列の行列式の絶対値がしきい値よりも小さいサブキャリアが所定回数以上連続するときに、前記複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する、ことを特徴とする請求項13に記載のOFDM通信方法。
  17. 前記逆行列の行列式の絶対値がしきい値よりも小さいサブキャリアが所定回数以上連続しているか否かを判定するためのしきい値を、前記OFDM信号の受信品質に応じて変化させるようにする、ことを特徴とする請求項16に記載のOFDM通信方法。
  18. 所定の通信単位期間内の最後に送信するバースト信号は、前記複数のアンテナのうちのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号として送信する、ことを特徴とする請求項1、請求項3又は請求項12に記載のOFDM通信方法。
  19. 通信相手局が自局に加えて他局ともOFDM通信を行っている場合には、前記通信相手局に対して前記複数のアンテナのうちのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する、ことを特徴とする請求項1、請求項3又は請求項12に記載のOFDM通信方法。
  20. 請求項8のOFDM通信方法を、周期的に行う、ことを特徴とする請求項8に記載のOFDM通信方法。
  21. 前記複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信する周期を、要求される伝送効率、要求される受信品質又は伝搬路の変動速度に応じて変える、ことを特徴とする請求項20に記載のOFDM通信方法。
  22. 複数のアンテナと、複数の送信データをそれぞれ直交周波数分割多重処理を施すことにより前記複数のアンテナそれぞれから送信する複数のOFDM信号を形成するOFDM信号形成手段と、前記各OFDM信号の所定のサブキャリアに既知信号を挿入する既知信号挿入手段と、前記各OFDM信号の所定のサブキャリアにヌル信号を挿入するヌル信号挿入手段と、を具備し、前記既知信号挿入手段は、前記複数のOFDM信号のうちのいずれか1つのOFDM信号に既知信号を挿入し、前記ヌル信号挿入手段は、前記既知信号挿入手段により既知信号が挿入されたOFDM信号以外のOFDMに対して、既知信号が挿入されたサブキャリアに対応する周波数帯域のサブキャリアにヌル信号を挿入する、ことを特徴とするOFDM通信装置。
  23. 複数のアンテナと、複数の送信データをそれぞれ直交周波数分割多重処理を施すことにより前記複数のアンテナそれぞれから送信する複数のOFDM信号を形成するOFDM信号形成手段と、前記各OFDM信号の所定のサブキャリアに既知信号を挿入する既知信号挿入手段と、前記各OFDM信号の所定のサブキャリアにヌル信号を挿入するヌル信号挿入手段と、を具備し、前記既知信号挿入手段は、前記複数のOFDM信号の互いに周波数帯域の異なるサブキャリアに既知信号を挿入し、前記ヌル信号挿入手段は、あるOFDM信号において既知信号が挿入されたサブキャリアと対応する周波数帯域の、他のOFDM信号のサブキャリアにヌル信号を挿入する、ことを特徴とするOFDM通信装置。
  24. 伝搬路推定精度を取得する手段と、伝搬路推定精度が悪い伝搬環境下においてのみ、前記複数のアンテナのいずれか1本のみからOFDM信号を送信させる送信制御手段と、を具備することを特徴とする請求項23に記載のOFDM通信装置。
  25. 周期的に、前記複数のアンテナのいずれか1つのアンテナのみからOFDM信号を送信させる送信制御手段、を具備することを特徴とする請求項23に記載のOFDM通信装置。
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