JP3795727B2 - サングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法 - Google Patents

サングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サングラス、ゴーグル、レンズ類などの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
入射光と法線方向を含む平面内にある光の振動成分をp偏光、それに垂直な面内で振動する成分をs偏光とすると、ガラスや水面などの光沢面で反射する光は、反射角に対し、s偏光が単調に増加するのに対し、p成分は60°付近で殆どゼロになる極小点がある。従って、s偏光をカットし、p偏光のみ透過する偏光フィルターを使用すると、反射光によるギラツキ感を大幅に減じることができる。この原理を用いて、水面、雪面、道路、窓ガラス、金属面などの反射光からくるまぶしさを和らげ、見やすくする目的で、偏光子付きサングラス、スキーゴーグル、矯正レンズなどが知られている。
【0003】
また、調光性色素(フォトクロミック色素)をレンズ基材へ練り込んだり、それらを含有するコーティング剤をレンズ表面へコーティングする方法で、サングラス、スキーゴーグル、矯正レンズなどへ調光性能を付与し、紫外線を多く含む外光下では着色、紫外線の少ない人工光線下では消色する、調光性遮光機能のある透明光学物品が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来では、偏光機能と調光機能を兼備し、反射光によるギラツキ防止と外光強度に対応して遮光性が適宜変化するような高機能性の透明光学物品として、実用的なものは存在せず、このような高機能性の透明光学物品を、安価に提供できる技術が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、偏光機能と調光機能を兼備し、反射光によるギラツキ防止と外光強度に対応して遮光性が適宜変化するような高機能性の透明光学物品を安価に製造できる製造方法を提供できるようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の技術手段は、複合シート状物と樹脂層とを積層状に有するサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法であって、調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により偏光子シートの一方の面に1層以上の他のシートを接合しかつ接着剤または粘着剤もしくは調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により前記偏光子シートの他方の面に1層以上の他のシートを接合して前記複合シート状物を形成し、形成された前記複合シート状物の最外層のシート1層にインサート射出成形によって前記樹脂層を積層する
【0007】
本発明の他の技術手段は、複合シート状物と樹脂層とを積層状に有するサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法であって、調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により偏光子シートの一方の面に1層以上の他のシートを接合しかつ接着剤または粘着剤もしくは調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により前記偏光子シートの他方の面に1層以上の他のシートを接合して前記複合シート状物を形成し、形成された前記複合シート状物を凸状の球面状に成形し、球面状の前記複合シート状物の凹面側の最外層にインサート射出成形によって前記樹脂層を積層する。
【0008】
好ましくは、前記複合シート状物の最外層の少なくともいずれかの他のシートが、ポリカーボネート系樹脂である。
また、好ましくは、前記ポリカーボネート系樹脂が、平均重合度120以下のポリカーボネート系樹脂である。
本発明の他の技術手段は、前記他のシートがポリアミド系樹脂またはポリウレタン系樹脂である点にある。
【0009】
好ましくは、前記ポリアミド系樹脂またはポリウレタン系樹脂が、光弾性係数30×10 -13 cm 2 /dyne以下、ガラス転移温度85℃以上の樹脂である
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の透明光学物品の層構成について述べる。本発明の透明光学物品は、1層の偏光子シートを含む多層構造で構成されており、偏光子シート以外の少なくとも1層が調光機能を持つ。
本発明の具体的な実施態様として、1層の偏光子シートと少なくとも1層の他のシートからなる、相互に接着剤または粘着剤で接合された複合シート状物(以下、「複合シート状物A」と便宜上呼称することがある)であり、他のシートまたは接着剤層または粘着剤層の少なくとも1層が調光機能を持つ場合が挙げられる。
【0011】
具体的には、1層の偏光子シートと1層の他のシートが相互に接着剤または粘着剤で接合された複合シート状物Aであり、他のシートまたは接着剤層または粘着剤層の少なくとも1層が調光機能を持つ場合である。
さらに具体的には、3層のシートからなる複合シート状物であって、中央の1層が偏光子シートである、相互に接着剤または粘着剤で接合された複合シート状物Aであり、他のシートまたは接着剤層または粘着剤層の少なくとも1層が調光機能を持つ場合である。発明の効果を安価に、十分に実施できるという点から、本発明で、最も推奨される実施態様の一つである。なかでも、最外層を占める他のシート2層の両方が同じ系統の樹脂シートである場合、複合シート状物Aの断面方向の対称性を取りやすいためにカールの発生がなく、平面性の良好な複合シート状物Aを得られやすい。また、機械的あるいは光学的性能の異なるシートを組み合わせれば、透明光学物品の性能を向上することが可能である。
【0012】
さらに具体的には、全体で4層以上からなり、内層の1層が偏光子シートであり、残りの3層以上が他のシートであり、他のシートが少なくとも偏光子シートを挟持する構造をとる、相互に接着剤または粘着剤で接合された複合シート状物Aであり、他のシートまたは接着剤層または粘着剤層の少なくとも1層が調光機能を持つ場合である。この場合、全ての他のシートが同じ系統の樹脂シートであってもよいし、また一部のシートとして機械的あるいは光学的性能の異なるシートを用いれば、透明光学物品の性能を向上することが可能である。
【0013】
これらの透明光学物品は、接着または粘着接合作業の段階では通常平面構造状態であり、商品化の段階で、球面状、曲面状などのカーブ状構造に加工されていることが多い。
また、本発明の他の実施態様として、1層の偏光子シートと少なくとも1層の他のシートからなる、相互に接着剤または粘着剤で接合された複合シート状物(以下、「複合シート状物B」と便宜上呼称することがある)と、樹脂層からなる透明光学物品において、該複合シート状物Bの最外層のシート1層と樹脂層とが熱成形法で一体化されており、他のシートまたは接着剤層または粘着剤層または樹脂層の少なくとも1層が調光機能を持つ場合が挙げられる。
【0014】
さらに具体的には、3層のシートからなる複合シート状物であって、中央の1層が偏光子シートである、相互に接着剤または粘着剤で接合された複合シート状物Bと、樹脂層からなる透明光学物品において、該複合シート状物Bの最外層のシート1層と樹脂層とが熱成形法で一体化されており、他のシートまたは接着剤層または粘着剤層または樹脂層の少なくとも1層が調光機能を持つ場合である。発明の効果を安価に十分に実施できるという点から、本発明で、最も推奨される実施態様の一つである。なかでも、複合シート状物Bの最外層を占める他のシート2層の両方が同じ系統の樹脂シートである場合、複合シート状物Bの断面方向の対称性を取りやすいためにカールの発生がなく、平面性良好な複合シート状物Bを得られやすく、後加工での加工性に好都合である。また、機械的あるいは光学的性能の異なるシートを組み合わせることも可能である。
【0015】
さらに具体的には、全体で4層以上からなり、内層の1層が偏光子シートであり、残りの3層以上が他のシートであり、他のシートが少なくとも偏光子シートを挟持する構造をとる、相互に接着剤または粘着剤で接合された複合シート状物Bと、樹脂層からなる透明光学物品において、該複合シート状物Bの最外層のシート1層と樹脂層とが熱成形法で一体化されており、他のシートまたは接着剤層または粘着剤層または樹脂層の少なくとも1層が調光機能を持つ場合である。この場合、複合シート状物の全ての他のシートが同じ系統の樹脂シートであってもよいし、また一部のシートとして機械的あるいは光学的性能の異なるシートを用いることも可能である。
【0016】
これらの透明光学物品は、複合シート状物Bを調製するための接着または粘着接合作業の段階では通常平面構造状態であり、樹脂層と一体化する段階またはそれ以前の段階で、球面状、曲面状などのカーブ状構造に加工され、さらに樹脂層とともにレンズ状形状へ成形されることが多い。
ここで、本発明の透明光学物品に関して上記に説明した層構成のうち、個々の層及びその調製方法について以下に説明する。
【0017】
本発明で使用する偏光子シートは、屈曲性や成形性から一軸延伸された樹脂シートであることが好ましい。通常は、膜厚1mm以下の膜厚均一なポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなど、あるいはそれらの変性品の一軸延伸シートである。
このシート自体も一定の偏光性能を持つが、実用上は偏光度が80%以上であることが望ましく、この目的のために、ヨウ素または二色性染料をドープすることが行われているが、本発明の偏光子シートは、ヨウ素ドープ法、染料ドープ法のいずれの方法で調製したものでも使用可能である。
【0018】
ヨウ素を用いるヨウ素ドープ法は、染料を用いる染料ドープ法と比べ、偏光子シートに固有の着色を与えることが少ないうえ、高い偏光度のものが得られやすい特徴を持つが、反面、耐熱性の低いことが欠点である。
一方、染料ドープ法は耐熱性の高い特徴がある。偏光子シートとその他のシートを接着剤または粘着剤で接合して複合シート状物を調製し、さらに加熱加工して偏光性光学物品を調製する場合、あるいは該複合シート状物を熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の中、あるいは表層へ配置して偏光性光学物品を調製する場合、ヨウ素ドープ法偏光子シートに比べ、プレス加工やインサート成形時の加工温度範囲がより広くとれると言う意味において、自由度が高い。しかし、その一方で、染料ドープ法では、一般に染料固有の色相が偏光子シートに現れる問題がある。特に650nmより大きい波長での透過率が他の可視光波長領域での透過率より大きくなる、つまり赤っぽく見える傾向がある。
【0019】
このため、染料ドープ法で調製した偏光子シートを使用する場合は、偏光子用ドープ剤の着色による偏光子シート固有の色相を補正し、実質的にグレー色化することが望ましい。この目的のために、偏光子シート固有の色相を補色する顔料や染料などの色素を、本発明の透明光学物品を構成する偏光子シートまたは他のシートまたは接着剤層または粘着剤層または樹脂層の少なくとも1層に配合する方法をとることができる。“実質的にグレー色化”とは、対象品が無彩色に視覚される色相のことを意味する。
【0020】
次に、本発明で用いる他のシートについて説明する。他のシートとは、主として偏光子シートの保護あるいは透明光学物品としての強度や姿態保持性、あるいは調光機能などの光学機能付与などの実用機能を付加する働きをするものである。他のシートは、透明性が高く、加圧や加熱による加工性が良好で、且つ偏光子シートとの接着性に優れる樹脂のシートであることが好ましい。厚みを特に限定しないが、通常は10mm以下である。加工性及びシート自体の生産性から考えると、数μm〜5mm程度の厚みが一般的である。
【0021】
本発明の他のシートに用いる樹脂として、熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート系、ポリスチレン系、メチルメタアクリレートやシクロヘキシルメタクリレートなどの単重合体、共重合体を含むアクリル系、塩化ビニル系、、ポリスチレン・メチルメタクリレート系、アクリロニトリル・スチレン系、ポリー4−メチルペンテンー1、アンダマンタン環やシクロペンタン環を主鎖に持つ主鎖炭化水素系、フルオレン基を側鎖に持つポリエステル系、透明ナイロンなどポリアミド系、ポリウレタン系、アセチルセルロース、プロピルセルロースなどアシルセルロース系のセルロース系樹脂がある。
【0022】
この中で特に本発明で好適に用いられる熱可塑性樹脂は、高透明性、高靱性、高耐熱性、高屈折率であることから、ポリカーボネート系樹脂である。代表的ポリカーボネート系樹脂としてポリビスフェノールAカーボネートがある。その他、1,1´−ジヒドロキシジフェニル−フェニルメチルメタン、1,1´−ジヒドロキシジフェニル−ジフェニルメタン、1,1´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルジフェニル−2,2−プロパンの単独ポリカーボネート、それら相互の共重合ポリカーボネート、ビスフェノールAとの共重合ポリカーボネートなどのポリカーボネート系樹脂がある。
【0023】
一般的にポリカーボネート系樹脂は、複屈折の大きくなりやすいことが欠点として挙げられる。即ち、成形体の内部へ、成形歪みや局所的配向に起因する光学的異方性を生じやすい。そのため、本発明でポリカーボネート系樹脂を用いる場合は、極力、光学的異方性の形成を防ぐことが重要であり、その対策として、流動性が高く、成形時に過度な剪断力を受けにくい、つまり残留歪みや局所的配向が起こりにくい、比較的重合度の低い樹脂を使用することが好ましい。本発明では、特に重合度120以下、より好ましくは重合度100以下のポリカーボネート系樹脂の使用が推奨される。
【0024】
また、光学的異方性を防止する目的で、上記ポリカーボネート系樹脂の他、本発明では光弾性係数30×10-13cm2/dyne以下、好ましくは20×10-13cm2/dyne以下、ガラス転移温度85℃以上、好ましくは90℃以上の樹脂が推奨される。光弾性係数が30×10-13cm2/dyneを越えると、得られるシートの残留歪みや局所的配向による光学的異方性が目立つようになる。また、ガラス転移温度が85℃を下回ると、サングラスやゴーグル、矯正レンズなど透明光学物品としての実用性が低下するほか、ハードコートや反射防止加工など加熱を要する高次加工において変形を起こしやすい問題がでてくる。
【0025】
上記の光弾性係数及びガラス転移温度を満足する熱可塑性樹脂として、ポリメチルメタクリレート樹脂、透明ナイロン樹脂、アンダマンタン環やシクロペンタン環を主鎖に持つ、JSR社の“アートン”、日本ゼオン社の“ゼオネクッス”、三井化学社の“アペル”などの主鎖が炭化水素系の樹脂、フルオレン基を側鎖に持つ、日立化成工業社の“オプトレッツ”などのポリエステル系樹脂、アセチルセルロース樹脂、プロピルセルロース樹脂が特に推奨される。これらの樹脂は、押出成形法やキャスト成形法により、シート状に調製される。
【0026】
本発明では、通常、複合シート状物を最終的に、球面状、曲面状などカーブ状構造へ加工または変形使用することが多いため、ある程度の加圧または加熱変形性を持っていることが好ましく、他のシートとしては熱可塑性樹脂のシートであることが特に好ましいが、熱硬化性樹脂シートである場合でも、架橋の程度が軽く、塑性的変形性を持っておれば球面状、曲面状などカーブ状構造へ加工することが可能である。
【0027】
本発明で用いることが可能な熱硬化性樹脂の例としては、ジエチレングリコールアリルカーボネート(CR39)、ジアリルフタレートなど多官能性アリル系樹脂、多官能性アクリル系樹脂、多官能性ポリウレタン系樹脂、多官能性ポリチオウレタン系樹脂などが挙げられるが、いずれも共重合成分により、架橋状態の軽減化されていることが好ましい。
【0028】
次に、本発明に関わる複合シート状物Aあるいは複合シート状物Bを調製する方法について説明する。いずれの複合シート状物においても、偏光子シートと他のシートを接合するために接着剤または粘着剤を使用する。接着剤または粘着剤はともに、水、熱、光、変形などに対する長期の耐久性が必要であり、基本的にはそれらに合格するものであれば特に限定しない。
【0029】
接着剤について例を挙げると、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリチオウレタン系、エポキシ系、酢酸ビニル系、アクリル系、ワックス系などがある。粘着剤としては、酢酸ビニル系、アクリル系などが挙げられる。
これらの接着剤または粘着剤は、グラビアコーティング法、オフセットコーティング法など通常用いられている塗布方法により、偏光子シートや他のシートへ均一に塗布する。接着剤または粘着剤の厚さは、通常1〜100μmである。
【0030】
接着あるいは粘着に際し、基材との接着力向上を目的に、偏光子シートあるいは他のシートの表面を、酸、アルカリ等による化学薬液処理、紫外線処理、プラズマあるいはコロナ放電処理を行うことがある。
また、複合シート状物Aあるいは複合シート状物Bは、接着剤または粘着剤を事前に付与または貼付直前に付与したシート類を、ロールから直接あるいは裁断状態で、相互に重ね合わせる方法により調製可能である。
【0031】
次に、本発明で用いられる樹脂層について説明する。ここで、樹脂層とは、主として複合シート状物Bの保護あるいは透明光学物品としての強度、耐熱性、姿態保持性あるいはレンズ度数などの実用機能を付与する働きをするものである。
複合シートBの最外層のシート1層に用いる樹脂と樹脂層に用いる樹脂とは、加熱成形法により相互に一体化が可能な樹脂であればよく、一般的には同一系の樹脂である場合が好ましい。しかし、その場合においても、相互に、多少の共重合成分や重合度、粘度、添加剤などを異にしていても、一般に差し支えない。
【0032】
上記の加熱成形法とは、圧縮成法、トランスファ成形法、射出成形法などの熱成形法を指すが、生産性や製品の形状精密性などから、基本的には特願平10−49707に示されるようなインサート射出成形法が好ましい。即ち、樹脂層の樹脂と相互に一体化が可能である複合シート状物Bの最外層側を、金型の成形室側になるように金型内に配置し、樹脂層の樹脂を射出成形する方法である。
【0033】
なかでも、サングラス、ゴーグル、矯正レンズのように特に形状の精密性が必要な用途では、インサートタイプの射出圧縮成形法が好ましい。射出圧縮成形法は、金型の中に樹脂を低圧で射出した後、金型を高圧で閉じて樹脂に圧縮力を加える方法をとるため、成形体に成形歪みや成形時の局所的配向に起因する光学的異方性を生じにくい。また、樹脂に対して均一に加わる金型圧縮力を制御することにより、一定比容で樹脂を冷却することができるので、寸法精度の高い成形品が得られる。複屈折の大きいポリカーボネート系樹脂に特に好ましく適用される方法である。
【0034】
樹脂層は、複合シート状物Bに対し、均一厚み、即ちプラノレンズ状あるいはセミフィニッシュドレンズ状か、マイナスないしプラスの度数を付与するように、加熱成形される。
本発明の複合シート状物Bの厚さをx、樹脂層の厚さをyとすると、xは本発明の透明光学物品の全領域において、通常およそ0.1mmから2mm程度の、均一な厚みの複合シート状物であり得る。一方、yは均一な厚みである場合か、マイナス度数レンズやプラス度数レンズのように、中心部から周辺にかけ連続的に厚みを異にする度付きレンズである場合がある。透明光学物品の中央から半径35mm以内についてみれば、本発明ではyはあらゆる場所において、通常およそ0.5mmから20mm程度の範囲にあり得る。
【0035】
xとyとは、本発明の透明光学物品のあらゆる部分において、100≧y/x≧0.3、なかんずく80≧y/x≧0.5なる関係を持つことが好ましい。y/xが100を越えると、yが大きくなりすぎて、透明光学物品の重量が大きくなったり樹脂層の精密成形性を損なうことがある。あるいは、xが薄くなりすぎて複合シート状物Bの適正な調製を行えなくなることがある。また、y/xが0.3を下回ると、xが大きくなりすぎ、複合シート状物Bの調製を難しくしたり加工性を損なうことがある。
【0036】
次に、本発明の偏光子シート以外の少なくとも1層が持つ調光機能について説明する。調光機能は、調光性色素を用いることにより付与する。
本発明で用いる調光性色素の種類については、スピロピラン系、ナフトピラン系、フラン系、スピロオキサジン系、フルギド系、クロメン系など一般に用いられているものであれば特に限定しないが、紫外線に対する発色濃度が高く、発色速度の速いもの、且つ紫外線除去後の色相ができるだけ無色に近く、消色速度の速いもの、並びに熱、光、湿度など加工条件、実用条件、保管条件での短期、長期の耐久性面で良好なものが好ましい。発色後の色相として、ブラウンやグレーが一般に好まれるため、通常は、複数の調光性色素を同時に用い、好みの色相になるように、各色素の使用比率と使用量を決める。
【0037】
偏光子シート以外の少なくとも1層が調光機能を持つために、本発明では、これらの調光性色素を透明光学物品を構成する他のシート、偏光子シートとともにそれらのシートを接合して複合シート状物にするための接着剤または粘着剤、樹脂層の内の少なくともいずれかへ、練り込み法のような添加法、あるいは染色法やコーティング法のような後加工法で配合付与する。ここで、複数種類の調光性色素を同時に使用する場合は、各層へ別々に先添加法配合あるいは付与するより、同一の層へ全ての調光性色素を配合する方が、一般的に簡便であり、経済的である。
【0038】
配合量のコントロールの容易性から、一般的に練り込み法をとることが多い。しかし、他のシートや樹脂層へは、ペレットあるいは成形加工時に配合するため、樹脂の溶融熱履歴を受けることから、調光性色素が熱劣化することがある。また、樹脂層の厚さyが均一でない場合は、樹脂層に調光性色素を配合すると、厚さによって局所的色相の濃淡が現れることがあるため注意を要する。
【0039】
練り込み法でも、特に接着剤または粘着剤へ練り込む場合は、100℃以下の低温で配合可能であり、調光性色素を熱劣化させないことから優れた方法である。
また、透明光学物品の少なくともいずれかの表面から内部へ、調光性色素を化学的または物理的に染色や含浸や拡散する方法も、比較的低温で調光機能を付与可能であり、簡便性から好ましく使用できる。
【0040】
さらに、透明光学物品の少なくともいずれかの表面へ、コーティング法により、例えば調光性色素を含むハードコートやプライマーコートを膜厚1〜100μm程度にコーティングし、調光機能を有する膜を付与する方法も簡便性があり、好ましく使用できる。
調光性色素に、(メタ)アクリロイルオキシ基や(メタ)アリル基のような重合性基を付与することが可能である。ここで、共重合成分として接着機能または粘着機能を持つものを使用すれば、調光性能を有する接着剤または粘着剤として本発明で使用可能である。また、共重合成分として基材との密着性や膜硬度を高める機能を持つものを使用すれば、透明光学物品の少なくともいずれかの表面へ、コーティング法により調光性能を有する膜を付与することが可能である。
【0041】
本発明の透明光学物品を構成する複合シート状物と樹脂層の各構成と配置、及び調光性色素の配合箇所、方法に関し、本発明の好ましい実施態様を次に例示する。なお、(/)は接着剤層または粘着剤層による接合箇所、=は他のシートと樹脂層の加熱成形法による一体化箇所、*印は調光性色素を練り込み法で配合する箇所、**印は調光性色素を表面内部に染色や含浸や拡散する方法で付与配合する箇所、***印は調光性色素を表面にコーティング法の膜で付与配合する箇所を意味する。
(1)他のシート(/)偏光子シート(/*)他のシート
(2)他のシート(/)偏光子シート(/)他のシート*
(3)他のシート(/)偏光子シート(/)他のシート**
(4)他のシート(/)偏光子シート(/)他のシート***
(5)他のシート(/)偏光子シート(/*)他のシート=樹脂層
(6)他のシート(/*)偏光子シート(/)他のシート=樹脂層
(7)他のシート*(/)偏光子シート(/)他のシート=樹脂層
(8)他のシート**(/)偏光子シート(/)他のシート=樹脂層
(9)他のシート***(/)偏光子シート(/)他のシート=樹脂層
(10)他のシート(/)偏光子シート(/)他のシート*=樹脂層
(11)他のシート(/)偏光子シート(/)他のシート=樹脂層*
(12)他のシート(/)偏光子シート(/)他のシート=樹脂層**
(13)他のシート(/)偏光子シート(/)他のシート=樹脂層***
なお、「他のシート」としては、1層のシートである場合と、相互に接着剤または粘着剤で接合された、同じ系統の複数の樹脂シート複合体状物、あるいは異なる系統の樹脂シートを含む複数の樹脂シートの複合体状物である場合が本発明に含まれる。
【0042】
本発明の透明光学物品は、少なくともいずれかの側の表面が、ハードコート加工されていることが好ましい。ハードコートとしては、シラン系、エポキシ系などの熱硬化型ハードコート、アクリル系、エポキシ系などの活性光線硬化型ハードコートなど一般に用いられているいずれのタイプのハードコートでも良い。通常は0.5〜15μm程度の膜厚で付与する。
【0043】
また、本発明の偏光性光学物品は、少なくともいずれかの側の表面が、反射防止加工されていることが好ましい。反射防止加工は、通常はハードコートの上へ、真空蒸着法などにより、隣接層どうしでは互いに屈折率の異なる2〜8層程度の無機質膜を積層するか、湿式法で1〜3層程度の有機膜を、光学膜厚で積層する。
【0044】
また、本発明の偏光性光学物品は、少なくともいずれかの側の表面が、防汚加工されていることが好ましい。防汚加工は、通常は反射防止膜の指紋汚れなど有機物質による汚染を防止し、容易に拭き取れるようにすることを目的に、真空蒸着法か湿式法で、フッ素系有機化合物を、数10nmからμmオーダまでの膜厚で付与する。
【0045】
また、本発明の偏光性光学物品は、少なくともいずれかの側の表面が、防曇加工されていることが好ましい。防曇加工は、通常はポリビニルアルコール系やポリビニルピロリドン系などの親水性樹脂を、1〜50μm程度の膜厚で付与する。
【0046】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、これに限定されるものでない。
実施例1
シート厚さ約20μmのポリビニルアルコール系偏光子シートの片面へ、固形分に対しスピロオキサジン系調光性色素1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ[インドリノ−2,3′[3H]−ナフト(2,1b)(1,4)オキサジンを10重量%含有する粘着剤(サイデン化学社、“サイビノール”AT−245)を膜厚30μmでコーティングした。
平均重合度約80のポリカーボネート樹脂を使用して調製したシート厚さ400μmのポリカーボネートシートを、上記粘着剤面へ貼付した。
さらに、上記と同様にして、偏光子シートのもう片面へ、調光性色素を配合しない粘着剤をコーティングし、その部分へ上記ポリカーボネートシートを貼付した。得られた複合シート状物を40℃で接着処理し、厚さ0.88mm、可視光透過率50%の偏光性調光性の透明光学物品を得た。
本透明光学物品を直射日光へ暴露し、調光性色素を発色させ、直ちに測定した可視光透過率は20%であった。室内光のもとで該透明光学物品を消色すると、可視光透過率がほぼ元の状態へ戻った。
また、本透明光学物品と偏光子シートを直交ニコルにした時、透明光学物品のいずれの側に偏光子シートを置いても、顕著な光弾性現象が観察されなかった。
【0047】
実施例2
シート厚さ20μmのポリビニルアルコール系偏光子シートの片面へ、固形分に対しスピロオキサジン系調光性色素1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ[インドリノ−2,3′[3H]−ナフト(2,1b)(1,4)オキサジンを10重量%含有する粘着剤(サイデン化学社、“サイビノール”AT−245)を膜厚30μmでコーティングした。
厚さ190μmのトリアセテート(TAC)シート2枚を貼り合わせて調製した厚さ400μmのTACシート複合状シートを、上記粘着剤面へ貼付した。
さらに、上記と同様にして、偏光子シートのもう片面へ、調光性色素を配合しない粘着剤をコーティングし、その部分へ上記TACシート複合状シートを貼付した。得られた複合シート状物を40℃で接着処理し、厚さ0.88mm、可視光透過率52%の偏光性調光性の透明光学物品を得た。
本透明光学物品を直射日光へ暴露し、調光性色素を発色させ、直ちに測定した可視光透過率は23%であった。室内光のもとで該透明光学物品を消色すると、可視光透過率がほぼ元の状態へ戻った。
また、本透明光学物品と偏光子シートを直交ニコルにした時、透明光学物品のいずれの側に偏光子シートを置いても、顕著な光弾性現象が観察されなかった。
【0048】
実施例3
平均重合度約80のポリカーボネート樹脂を使用し、実施例1で使用した調光性色素1重量%を練り込み配合して調製した、シート厚さ400μmのポリカーボネートシートの片面に、粘着剤(サイデン化学社、“サイビノール”AT−245)を膜厚30μmでコーティングして、粘着剤付き調光性色素配合ポリカーボネートシートを調製した。
さらに、調光性色素を配合しないこと以外は上記と同様にして、粘着剤付きポリカーボネートシートを調製した。
シート厚さ20μmのポリビニルアルコール系偏光子シートの片面へ、上記粘着剤付き調光性色素配合ポリカーボネートシートを貼付し、もう片面へ粘着剤付きポリカーボネートシートを貼付して、接着処理した。得られた複合シート状物は、厚さ0.88mm、可視光透過率41%の偏光性調光性の透明光学物品であった。
本透明光学物品を直射日光へ暴露し、調光性色素を発色させ、直ちに測定した可視光透過率は12%であった。室内光のもとで該透明光学物品を消色すると、可視光透過率がほぼ元の状態へ戻った。
また、本透明光学物品と偏光子シートを直交ニコルにした時、透明光学物品のいずれの側に偏光子シートを置いても、顕著な光弾性現象が観察されなかった。
【0049】
実施例4
エリプソメーター法で測定した光弾性係数が4.1×10-13cm2/dyne、ガラス転移温度170℃であるJSR社製樹脂“アートンG”を用て調製した厚さ1mmのシートの片面に、実施例1で使用したスピロオキサジン系調光性色素を、固形分に対し10重量%含有する粘着剤(サイデン化学社、“サイビノール”AT−D40)を膜厚30μmでコーティングして、調光性色素配合粘着剤付きシートを調製した。
上記と同様にして、調光性色素を配合しない粘着剤付き、厚さ1mmの“アートンG”樹脂製シートを調製した。
シート厚さ20μmのポリビニルアルコール系偏光子シートの片面へ、上記調光性色素配合粘着剤付き“アートンG”樹脂製シートを、もう片面へ上記調光性色素を配合しない粘着剤付き“アートンG”樹脂製シートを貼付して、接着処理した。得られた複合シート状物は、厚さ2.08mm、可視光透過率53%である偏光性調光性の透明光学物品であった。
本透明光学物品を直射日光へ暴露し、調光性色素を発色させ、直ちに測定した可視光透過率は23%であった。室内光のもとで該透明光学物品を消色すると、可視光透過率がほぼ元の状態(54%)へ戻った。
また、本透明光学物品と偏光子シートを直交ニコルにした時、透明光学物品のいずれの側に偏光子シートを置いても、顕著な光弾性現象が観察されなかった。
【0050】
実施例5
インサート成形するために、実施例1で調製した複合シート状物を、凹金型の曲率に等しく、凸状の球面状に成形した。その場合、調光性色素配合粘着剤付きポリカーボネートシートを凸面体の前面(球面状の成形体の凸側)にした。
得られた成形体の凸状側を該凹金型にセットして、凹金型に設けた吸引孔により凹金型の成形面に吸引しておき、凸金型との間で成形用キャビティーを形成した。
樹脂層として、重合度約80のポリカーボネート樹脂を用い、射出圧縮成法でレンズ状の偏光性調光性の透明光学物品をインサート成形した。得られた透明光学物品は、偏光性調光性機能を持つ、厚さ(x)が0.88mmの複合シート状物をレンズ前面に配置し、それと一体化された、半径35mm、厚さ(y)が2mmの樹脂層を背後に持つプラノレンズである。
本透明光学物品を直射日光へ暴露し、調光性色素を発色させ、直ちにレンズの中心部で測定した可視光透過率は19%であった。室内光のもとで該透明光学物品を消色すると、可視光透過率がほぼ元の状態(48%)へ戻った。
また、本レンズと偏光子シートを直交ニコルにした時、レンズのいずれの側に偏光子シートを置いても、顕著な光弾性現象が観察されなかった。
【0051】
実施例6
実施例4で調製した、複合シート状物を、凹金型の曲率に等しくなるように、調光性色素配合粘着剤付き“アートンG”樹脂製シートが前面(球面状の成形体の凸側)にくる凸状の球面状に成形した。得られた成形体の凸状側を該凹金型にセットして、凹金型の設けた吸引孔により凹金型の成形面に吸引しておき、凸金型との間で成形用キャビティーを形成した。
樹脂層として“アートンG”樹脂を用い、射出圧縮成法でレンズ状の偏光性調光性の透明光学物品をインサート成形した。
得られた透明光学物品は、偏光子シートを含む厚さ(x)が2.08mmの複合状シート状物をレンズ前面に配置し、それと一体化された、半径35mm、厚さ約13mmの樹脂層を背後に持つセミフィニッシュドレンズである。
このレンズの背後側を研磨し、中心厚さ3mm(樹脂層の厚さyとして0.92mm)、レンズ周辺部で厚さ5mm(樹脂層の厚さyとして2.92mm)のマイナス度数のレンズを作成した。
本透明光学物品を直射日光へ暴露し、調光性色素を発色させ、直ちにレンズの中心部で測定した可視光透過率は22%であった。室内光のもとで該透明光学物品を消色すると、可視光透過率がほぼ元の状態(53%)へ戻った。
また、本レンズと偏光子シートを直交ニコルにした時、レンズのいずれの側に偏光子シートを置いても、顕著な光弾性現象が観察されなかった。
【0052】
比較例1
ポリカーボネート樹脂の平均重合度が約120以外は実施例1と同様にして偏光性調光性の透明光学物品を調製した。
本透明光学物品と偏光子シートを直交ニコルにした時、透明光学物品のいずれの側に偏光子シートを置いても、顕著な光弾性現象が観察された。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、偏光機能と調光機能を持つ、安価な偏光性調光性の透明光学物品、例えば偏光性調光性サングラス、ゴーグル、レンズ類を提供することができる。

Claims (6)

  1. 複合シート状物と樹脂層とを積層状に有するサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法であって、
    調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により偏光子シートの一方の面に1層以上の他のシートを接合しかつ接着剤または粘着剤もしくは調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により前記偏光子シートの他方の面に1層以上の他のシートを接合して前記複合シート状物を形成し、
    形成された前記複合シート状物の最外層のシート1層にインサート射出成形によって前記樹脂層を積層する
    ことを特徴とするサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法。
  2. 複合シート状物と樹脂層とを積層状に有するサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法であって、
    調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により偏光子シートの一方の面に1層以上の他のシートを接合しかつ接着剤または粘着剤もしくは調光性色素が練り込まれた接着剤または粘着剤により前記偏光子シートの他方の面に1層以上の他のシートを接合して前記複合シート状物を形成し、
    形成された前記複合シート状物を凸状の球面状に成形し、
    球面状の前記複合シート状物の凹面側の最外層にインサート射出成形によって前記樹脂層を積層する
    ことを特徴とするサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法。
  3. 前記複合シート状物の最外層の少なくともいずれかの他のシートが、ポリカーボネート系樹脂である
    請求項1または請求項2に記載のサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法。
  4. 前記ポリカーボネート系樹脂が、平均重合度120以下のポリカーボネート系樹脂である
    請求項3に記載のサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法。
  5. 前記他のシートがポリアミド系樹脂またはポリウレタン系樹脂である
    請求項1または請求項2に記載のサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法。
  6. 前記ポリアミド系樹脂またはポリウレタン系樹脂が、光弾性係数30×10 -13 cm 2 /dyne以下、ガラス転移温度85℃以上の樹脂である
    請求項5に記載のサングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法。
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