JP3795512B1 - 光学補償板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
基材フィルム上に外観不良のない均一な膜厚で被膜を形成できる被膜シートの製造方法を提供する。
【解決手段】
樹脂材料及び溶剤を含有する塗工液を連続的に走行する基材フィルム上に塗布する塗布工程と、前記塗布工程により基材フィルム上に塗布された被膜を乾燥させる乾燥工程とを含む被膜シートの製造方法において、前記塗工液の粘度を70〜8000mPa・secとし、且つ、前記塗布工程における前記基材フィルムの走行スピードの変動率を3.0%以下に制御する被膜シートの製造方法を提供する。
【選択図】図5

Description

本発明は、主に、光学素子及び画像表示装置等に利用できる光学補償板の製造方法に関する。
TVやパソコンと言ったOA機器の表示装置としては、薄型軽量、低消費電力といった大きな利点を持った液晶表示装置が使用されている。現在の液晶表示装置は、位相差フィルムを作成するための液晶層、表面保護のためのハードコート層、反射防止膜などの表面処理被膜等の光学機能層を有する。このような光学機能層は、光学機能の高性能化に伴って薄膜で形成されるが、該光学機能層の膜厚にムラ等があると、これを用いた画像表示装置(例えば、液晶表示装置等)の表示機能が低下することとなる。
ところで、前記光学機能層は、光学機能を有する樹脂等を溶媒に溶解した塗工液を基材フィルム上に塗布し、乾燥等の工程を施すことで該基材フィルム上に被膜を形成させて製造されている。前記塗工液の塗工方式としては、スロットダイ、リバースグラビアコート、マイクログラビア等の様々な方式が採用されている(例えば、特許文献1)。
近年、光学機能の高性能化に伴って、光学機能を付与している被膜の均一性を向上させる製造方法が必須となってきている。
一般的に、数μm以下で均一な薄膜のコーティングを行う場合、塗工液の粘度を数十mPa・sec以下の低粘度にすることでレベリング効果等を利用して、薄膜のコーティングが行われている。
しかし、低粘度の塗工液を用いる方法の場合には、該塗工液を基材フィルムに塗布してから乾燥工程に移動するまでの間に、塗工液を塗布した基材フィルムの局所で樹脂流動が起こり、その状態のまま、樹脂が硬化してしまうと、塗布面にハジキによる輝点、局部的な樹脂層の厚み差による干渉ムラ、位相差ムラなどが出てきて外観不良を生じ、基材フィルム上に外観不良のない被膜を形成することは困難であるという問題を有している。
そのため、基材フィルム上に外観不良のない均一な膜厚で被膜を形成させる被膜シートの製造方法が要望されている。
特開昭62−140672号公報
本発明は、上記問題点や要望に鑑み、基材フィルム上に外観不良のない均一な膜厚で被膜を形成できる被膜シートの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基材フィルムに塗布する塗工液の粘度と基材フィルムの走行スピードの変動率とを所定の範囲にすることにより、基材フィルム上に均一な膜厚で被膜を形成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリイミド樹脂材料及び溶剤を含有する塗工液を連続的に走行する基材フィルム上に塗布する塗布工程と、前記塗布工程により基材フィルム上に塗布された被膜を乾燥させる乾燥工程とを含み、前記塗布工程と前記乾燥工程とにより、前記基材フィルム上に光学機能層を形成する光学補償板の製造方法において、前記塗工液の粘度を100〜2300mPa・secとし、且つ、前記塗布工程における前記基材フィルムの走行スピードの変動率を0.9〜3.0%に制御することを特徴とする光学補償板の製造方法
を提供する。
塗工液の粘度を100〜2300mPa・secにすることで塗布後乾燥工程までの間に樹脂流動が抑制されることから、ハジキによる輝点、厚み差による干渉ムラ、位相差ムラなどの外観不良を抑制でき、且つ基材フィルムの走行スピードの変動率を0.9〜3.0%に制御することで比較的粘度が高くても塗布時の膜厚の均一性が保たれることから、基材フィルム上に均一な膜厚で光学機能層を形成できる。
また、本発明においては、塗工液の粘度は、100〜2000mPa・secであることが好ましい。
かかる方法であれば、塗布後乾燥工程までの間に樹脂流動による外観不良をより一層抑制でき、また被膜の乾燥中に該被膜中に溶剤の気泡が生じることも防止できる。
また、本発明においては、基材フィルムの走行スピードが10〜300m/minであることが好ましい。
かかる方法であれば、塗工液の吐出が安定し、厚み精度の良好な光学補償板が得られる。
更に、本発明においては、基材フィルム上に塗工液を塗布する装置として、ダイコーターを用いることが好ましい。
該ダイコーターは溶媒が蒸発しない密閉系供給方式であるため、塗工中に塗工液の粘度が変化する虞がなく塗布精度の向上が図れる。
また、本発明においては、ダイコーターに備えられた対をなすダイリップの少なくとも一方の内側先端部に0.2〜1.0mmのR加工が施されていることが好ましい。
かかる方法であれば、ダイリップ先端部からの塗工液の吐出が安定し、厚み精度の良好な光学補償板が得られる。
また、本発明においては、乾燥後の光学機能層の厚みが30μm以下であることが好ましい。
かかる方法であれば、乾燥ムラ及び発泡等を防止することができる。
以上のように、本発明に係る光学補償板の製造方法では、基材フィルム上に外観不良のない均一な膜厚の光学機能層を形成できる。
また、本発明に係る光学補償板の製造方法で製造された光学補償板は、厚み差による外観不良等がないため、光学用途のフィルムを形成する場合に有用である。
本発明に係る光学補償板の製造方法は、ポリイミド樹脂材料及び溶剤を含有する塗工液を連続的に走行する基材フィルム上に塗布する塗布工程と、前記塗布工程により基材フィルム上に塗布された被膜を乾燥させる乾燥工程とを含み、前記塗布工程と前記乾燥工程とにより、前記基材フィルム上に光学機能層を形成する光学補償板の製造方法において、前記塗工液の粘度を100〜2300mPa・secとし、且つ、前記塗布工程における前記基材フィルムの走行スピードの変動率を0.9〜3.0%に制御するものである。
まず、本発明の光学補償板の製造方法で用いられる基材フィルム、樹脂材料及び溶剤等について説明する。
基材フィルムとしては、塗工液に対してある程度の濡れ性を有する材質であれば特に限定されず、透明基材フィルムや各種のガラス板等を挙げることができる。塗工液により、光学機能を有する層を形成させる場合には、基材フィルムとしては透明基材フィルムを用いることが好ましい。
透明基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムを挙げることができる。
また、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムも挙げることができる。
さらにイミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィルムなども挙げることができる。特に光学的に複屈折の少ないものが好適に用いられる。
尚、透明基材フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。
また、基材フィルムとしては、特開2001−343529号公報(WO 01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を挙げることができる。具体例としては、イソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムを挙げることができる。
基材フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より10〜500μm程度であり、20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
本発明に用いられる塗工液は、基材フィルム上に被膜を形成可能なものであれば何れでもよく、目的とする被膜の機能に応じて、塗工液の樹脂材料と溶剤とが適宜選択される。
前記樹脂材料としては、例えば、耐熱性、耐薬品性及び透明性に優れ、剛性にも富むことから、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミド−イミド或いはポリエステル-イミド等のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このようなポリマーの中でも、高透明性、高配向性及び高延伸性であることから、ポリイミドが用いられる。
前記ポリマーの分子量は、特に制限されないが、例えば重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは2,000〜500,000の範囲である。
前記ポリイミドとしては、例えば、面内配向性が高く、有機溶剤に可溶なポリイミドが好ましい。具体的には、例えば、特表2000−511296号公報に開示された、9,9-ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物を含み、下記式(1)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
Figure 0003795512
前記式(1)中、R3〜R6は、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルキル基で置換されたフェニル基、及び炭素数1〜10のアルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくはR3〜R6は、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルキル基で置換されたフェニル基、及び炭素数1〜10のアルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。
前記式(1)中、Zは、例えば、炭素数6〜20の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、又は、下記式(2)で表される基である。
Figure 0003795512
前記式(2)中、Z’は、例えば、共有結合、C(R7) 2基、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(C2H5)2基、又は、NR8基であり、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。
また、wは、1〜10までの整数を表す。R7は、それぞれ独立に、水素又はC(R9)3である。R8は、水素、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。R9は、それぞれ独立に、水素、フッ素、又は塩素である。
前記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレン又はアントラセンから誘導される4価の基を挙げることができる。また、前記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、そのフッ素化誘導体、及びFやCl等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された前記多環式芳香族基を挙げることができる。
この他にも、例えば、特表平8−511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式(3)又は(4)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記一般式(5)で示されるポリイミド等を挙げることができる。尚、下記式(5)のポリイミドは、下記式(3)のホモポリマーの好ましい態様である。
Figure 0003795512
Figure 0003795512
Figure 0003795512
前記一般式(3)〜(5)中、G及びG’は、例えば、共有結合、CH2基、C(CH3)2基、C(CF3)2基、C(CX3)2基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH2CH3)2基、及び、N(CH3)基からなる群から、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同一でも異なってもよい。
前記式(3)及び式(5)中、Lは、置換基であり、d及びeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、及び炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基を挙げることができる。また、前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を挙げることができる。dは、0〜2までの整数であり、eは、0〜3までの整数である。
前記式(3)〜(5)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、及び置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子又は基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができる。前記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基を挙げることができる。
また前記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基を挙げることができる。fは、0〜4までの整数であり、g及びhは、それぞれ0〜3及び1〜3までの整数である。また、g及びhは、1より大きいことが好ましい。
前記式(4)中、R10及びR11は、水素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、及び置換アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選択される基である。
その中でも、R10及びR11は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
前記式(5)中、M1及びM2は、同一であるか又は異なり、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基である。
前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができる。
また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、及び炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基を挙げることができる。
前記式(3)に示すポリイミドの具体例としては、例えば、下記式(6)で表されるもの等を挙げることができる。
Figure 0003795512
さらに、前記ポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーを挙げることができる。
前記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2'−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
前記ピロメリット酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,6-ジフェニルピロメリット酸二無水物、3,6-ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、3,6-ジブロモピロメリット酸二無水物、3,6-ジクロロピロメリット酸二無水物等を挙げることができる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。前記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロ-ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。前記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピリジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
前記2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2'-ジブロモ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6-トリフルオロ-3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4'-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2,2-ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物(3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物)、4,4'-[4,4'-イソプロピリデン-ジ(p-フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N-(3,4-ジカルボキシフェニル)-N-メチルアミン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等を挙げることができる。
これらの中でも、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2'-ビス(トリハロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンを挙げることができ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、及びその他の芳香族ジアミンを挙げることができる。
前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o-,m-及びp-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノ-2-メトキシベンゼン、1,4-ジアミノ-2-フェニルベンゼン及び1,3-ジアミノ-4-クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンから成る群から選択されるジアミン等を挙げることができる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2'-ジアミノベンゾフェノン、及び3,3'-ジアミノベンゾフェノン等を挙げることができる。前記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8-ジアミノナフタレン、及び1,5-ジアミノナフタレン等を挙げることができる。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノピリジン、及び2,4-ジアミノ-S-トリアジン等を挙げることができる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、これらの他に、4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-(9-フルオレニリデン)-ジアニリン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2'-ジクロロ-4,4'-ジアミノビフェニル、2,2',5,5'-テトラクロロベンジジン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3-へキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン等を挙げることができる。
前記樹脂材料であるポリエーテルケトンとしては、例えば、特開2001−49110号公報に記載された、下記一般式(7)で表されるポリアリールエーテルケトンを挙げることができる。
Figure 0003795512
前記式(7)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、又は、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及びヨウ素原子があげられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。前記低級アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖を有する低級アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、及び、tert-ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基及びエチル基である。前記ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の前記低級アルキル基のハロゲン化物を挙げることができる。前記低級アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、及び、tert-ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基及びエトキシ基である。前記ハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等の前記低級アルコキシ基のハロゲン化物を挙げることができる。
前記式(7)中、qは、0〜4までの整数である。前記式(7)においては、q=0であり、かつ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好ましい。
また、前記式(7)中、R1は、下記式(8)で表される基であり、mは、0又は1の整数である。
Figure 0003795512
前記式(8)中、X’は置換基を表し、例えば、前記式(7)におけるXと同様である。前記式(8)において、X’が複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。q’は、前記X’の置換数を表し、0〜4までの整数であって、q’=0が好ましい。また、pは、0又は1の整数である。
前記式(8)中、R2は、2価の芳香族基を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o-、m-もしくはp-フェニレン基、又は、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o-、m-もしくはp-テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導される2価の基等を挙げることができる。これらの2価の芳香族基において、芳香族に直接結合している水素が、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基で置換されてもよい。これらの中でも、前記R2としては、下記式(9)〜(15)からなる群から選択される芳香族基が好ましい。
Figure 0003795512
前記式(7)中、前記R1としては、下記式(16)で表される基が好ましく、下記式(16)において、R2及びpは前記式(8)と同義である。
Figure 0003795512
さらに、前記式(7)中、nは重合度を表し、例えば、2〜5,000の範囲であり、好ましくは、5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造の繰り返し単位からなるものであってもよく、異なる構造の繰り返し単位からなるものであってもよい。後者の場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合でもよい。
さらに、前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの末端は、p-テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であることが好ましく、このようなポリアリールエーテルケトンは、例えば、下記一般式(17)で表すことができる。尚、下記式において、nは前記式(7)と同様の重合度を表す。
Figure 0003795512
前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの具体例としては、下記式(18)〜(21)で表されるもの等があげられ、下記各式において、nは、前記式(7)と同様の重合度を表す。
Figure 0003795512
Figure 0003795512
Figure 0003795512
Figure 0003795512
また、これらの他に、前記樹脂材料であるポリアミド又はポリエステルとしては、例えば、特表平10−508048号公報に記載されるポリアミドやポリエステルがあげられ、それらの繰り返し単位は、例えば、下記一般式(22)で表すことができる。
Figure 0003795512
前記式(22)中、Yは、O又はNHである。また、Eは、例えば、共有結合、C2アルキレン基、ハロゲン化C2アルキレン基、CH2基、C(CX3)2基(ここで、Xはハロゲン又は水素である。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(R)2基、及び、N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基であり、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。前記Eにおいて、Rは、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル官能基又はY基に対してメタ位又はパラ位にある。
また、前記(22)中、A及びA’は、置換基であり、t及びzは、それぞれの置換数を表す。また、pは、0〜3までの整数であり、qは、1〜3までの整数であり、rは、0〜3までの整数である。
前記Aは、例えば、水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、OR(ここで、Rは、前記定義のものである。)で表されるアルコキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリール基、炭素数1〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜9のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数1〜12のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜12のアリールカルボニルオキシ基及びその置換誘導体、炭素数1〜12のアリールカルバモイル基、並びに、炭素数1〜12のアリールカルボニルアミノ基及びその置換誘導体からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記A’は、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記置換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基及びこれらの組み合わせを挙げることができる。前記tは、0〜4までの整数であり、前記zは、0〜3までの整数である。
前記式(22)で表されるポリアミド又はポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記一般式(23)で表されるものが好ましい。
Figure 0003795512
前記式(23)中、A、A’及びYは、前記式(22)で定義したものであり、vは0〜3の整数、好ましくは、0〜2の整数である。x及びyは、それぞれ0又は1であるが、共に0であることはない。
また、ポリエステルとしては、繰り返し単位が下記一般式(24)(25)で表されるものであってもよい。
Figure 0003795512
前記式(24)(25)中、X及びYは、置換基である。該Xは、水素、塩素及び臭素からなる群から選択される。また、該Yは、下記式(26),(27),(28),(29)からなる群から選択される。
Figure 0003795512
更に、ポリエステルとしては、前記一般式(24),(25)で表されるポリエステルを組み合わせたコポリマーであってもよい。
前記樹脂材料を溶解させる溶剤としては、前記樹脂材料を溶解でき、且つ基材フィルムを極度には浸食しないものであればよく、使用する樹脂材料及び基材フィルムに応じ適宜選択することができる。具体的には、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、酢酸エチル、t-ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ブチロニトリル、メチルイソブチルケトン、メチルエーテルケトン、シクロペンタノン、二硫化炭素等を用いることができる。
上記溶剤の中では、メチルイソブチルケトンが樹脂組成物の溶解製に優れ、且つ基材フィルムを浸食することがないので特に好ましい。
これら溶剤は、1種又は2種以上を適宜に組み合わせて使用することができる。
次に、本発明の光学補償板の製造方法について説明する。
まず、前記ポリイミド樹脂材料と前記溶剤とを配合し、所定の粘度になるように塗工液を調整する。該塗工液の粘度は、100〜2300mPa・secであり、100〜2000mPa・secが好ましく、150〜500mPa・secがより好ましい。
塗工液の粘度が100mPa・sec未満の場合、塗布後乾燥工程までの間に樹脂流動により、ハジキによる輝点、厚み差による干渉ムラ、位相差ムラ或いは乾燥ムラ等の外観不良を生じる。
また、塗工液の粘度が2300mPa・secを超える場合、僅かな走行変動により膜厚が均一な被膜(光学機能層)を形成することができない。また、被膜の乾燥中に該被膜中に溶剤の気泡が生じたり、数十μm程度の薄膜を形成するのが困難になるという問題を有する。
尚、塗工液の粘度は、実施例記載の方法により測定される。
塗布工程は、調整した塗工液を連続的に走行する基材フィルム上に塗布する工程をいう。
塗工液を基材フィルム上に塗布する際に用いる装置としては、特に制限されず、一般的に使用されている装置を用いることができる。
該装置としては、例えば、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等を挙げることができる。
これらの中でも、塗布精度等を考慮すれば、計量タイプで、溶媒が蒸発しない密閉系供給方式であるダイコーターが用いられる。溶媒が蒸発しない密閉系供給方式であるダイコーターを用いることで、塗布工程において塗工液の粘度が変動することを防止できる。
該ダイコーターは、互いに対向するように配され、基材フィルムの幅方向に延在した一対のダイリップを備え、両ダイリップ間の先端部(即ち、内側先端部)から塗工液を吐出し得るように構成されている。
ダイリップの先端幅(ダイリップ間の間隔)は、0.1〜10.0mmであり、0.1〜5.0mmが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。
該ダイリップの先端幅が0.1mm未満の場合には、ダイ作製時において、加工精度に問題があり、また、塗工時にダイリップ先端部分の欠けが発生するという問題がある。
該ダイリップの先端幅が10.0mmを超える場合には、ダイリップ先端での塗工液の流れが不安定となり、その結果、得られた光学補償板の外観不良が生じるという問題がある。
また、前記ダイコーターとしては、ダイリップの少なくとも一方の内側先端部にR加工が施されているものが用いられる。
該ダイコーター(1)としては、具体的に図1に示すように矢印方向に走行する基材フィルム(2)の上流側のダイリップ(3)の内側先端部にR加工(4)が施されているもの、又は図2に示すように矢印方向に走行する基材フィルム(2)の下流側のダイリップ(3)の内側先端部にR加工(4)が施されているもの、更には、図3に示すように両方にR加工(4)が施されているものを挙げることができる。
前記R加工の径としては、0.2〜1.0mmであり、0.4〜0.8mmが好ましい。
R加工の径が0.2〜1.0mmの範囲内にあれば、ダイリップ先端部からの塗工液の吐出が安定し、厚み精度の良好な光学補償板が得られるという効果を奏する。
前記基材フィルムは、連続的に走行するものであり、該基材フィルムの走行スピードは、10〜300m/minであり、10〜100m/minが好ましく、10〜50m/minがより好ましい。
基材フィルムの走行スピードが10〜300m/minの範囲内にあれば、ダイリップ先端部からの塗工液の吐出が安定し、厚み精度の良好な光学補償板が得られるという効果を奏する。
また、基材フィルムの走行スピードの変動率は、0.9〜3.0%に制御されるものである。
前記基材フィルムの走行スピードの変動率が、0.9〜3.0%に制御されることで、基材フィルムへの塗工液の塗布状態が安定し、ムラのない均一な光学補償板が得られるという効果を奏する。
基材フィルムの走行スピードの変動率が、3.0%を超えてる場合には、基材フィルムへの塗布状態が不安定になり、幅方向ムラ(幅方向のスジ)が発生するという問題がある。
尚、基材フィルムの走行スピードの変動率は実施例記載の方法により測定される。また、本発明において走行スピードとは、平均走行スピードであり、前記走行スピードの変動率を求めるのと同様の方法を用いて測定される。
前記基材フィルムの走行スピードの変動率を0.9〜3.0%に制御するためには、まず、実施例記載の方法により基材フィルムの走行スピードの変動率を求める。次いで、走行スピードの変動率が、0.9〜3.0%になるように、例えば、基材フィルムを走行させるための駆動ロールの回転スピードを制御したり、或いは該駆動ロールを駆動させるベルトの張力を制御したり、或いは駆動ロールと基材フィルムとの接触角を調整したり、また、駆動ロールに表面処理を行い基材フィルムとの摩擦力を調整等する。尚、これらの調整は、各々単独ですることもできるし、総合的にすることもできる。
基材フィルム上に塗布された塗工液を乾燥させる方法としては、乾燥工程直後から乾燥風を吹き付ける公知の方法が用いられる。尚、前記塗工液の粘度が100〜2300mPa・secと高いため、乾燥風を吹き付けても液流動がほとんど起こらず、乾燥速度を上げることができ、製造効率を格段に向上させることができる。
本発明の光学補償板の製造方法によって製造された光学補償板は、塗布面のハジキによる輝点、厚みムラに起因する干渉ムラ、位相差による外観不良等の欠陥を解消することができるという優れた特性を有している。
本発明の光学補償板の製造方法では、基材フィルムに塗布する塗工液の供給量を調整することにより基材フィルム上に形成する乾燥後の光学機能層の厚みを適宜調整することができる。 該光学補償板の製造方法においては、乾燥後の光学機能層の厚みが、30μm以下であり、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。乾燥厚みが30μmを超えると乾燥工程での乾燥ムラ及び発泡等が生じ、膜厚の均一性を保つのが困難となる。
本発明の光学補償板の製造方法においては、前記被膜が光学機能を有する光学機能層の場合に用いることができ、特に乾燥後の被膜厚みが30μm以下の光学機能層を形成する場合に好適に用いることができる。
光学補償板の製造方法では、薄膜で均一な光学機能層を有する光学補償板が得られる。 該光学機能層としては、例えば、ハードコート層、反射防止層、位相差層、光学補償層等を挙げることができる。
ハードコート層を形成する透明樹脂としてはハードコート性に優れ(JIS K5400の鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すもの)、十分な強度を持ち、光線透過率の優れたものを伴うものであれば特に制限はない。例えば、熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂等を挙げることができ、これらの中でも紫外線硬化型樹脂が好ましく用いられる。該紫外線硬化型樹脂としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系等の各種のものを挙げることができ、また、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等も挙げることができる。好ましく用いられる紫外線硬化型樹脂は、例えば紫外線重合性の官能基を有するもの、なかでも当該官能基を2個以上、特に3〜6個有するアクリル系のモノマーやオリゴマーを成分に含むものを挙げることができる。また、紫外線硬化型樹脂には、紫外線重合開始剤が配合されていてもよい。
ハードコート層には、導電性微粒子を含有させることができる。導電性微粒子としては、例えば、アルミニウム、チタン、錫、金、銀などの金属微粒子、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)等の超微粒子を挙げることができる。導電性超微粒子の平均粒子径は通常0.1μm以下程度であるのが好ましい。ハードコート層には、高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加して、高屈折率に調整することができる。高屈折率の超微粒子としては、TiO2 、SnO2 、ZnO2 、ZrO2 、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの金属酸化物の超微粒子を挙げることができる。かかる超微粒子の平均粒子径は通常0.1μm以下程度であるのが好ましい。
また、ハードコート層は、無機または有機の球形もしくは不定形のフィラーを分散含有させて、その表面を微細凹凸構造にして防眩性を付与することができる。ハードコート層の表面を凹凸形状とすることにより光拡散による防眩性を付与することができる。光拡散性の付与は反射率を低減する上でも好ましい。
無機または有機の球形もしくは不定形のフィラーとしては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリウレタン、ポリスチレン、メラミン樹脂等の各種ポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、チタニア、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の無機系粒子や、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモンまたはこれらの複合物等の導電性無機系粒子等を挙げることができる。上記フィラーの平均粒子径は0.5〜10μm、さらには1〜4μmのものが好ましい。微粒子により微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は樹脂100重量部に対して、1〜30重量部程度とするのが好ましい。
また、ハードコート層(防眩層)の形成には、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることができる。ハードコート層(防眩層)の形成に当たり、チクソトロピー剤(0.1μm以下のシリカ、マイカ等)を含有させることにより、防眩層表面において、突出粒子により微細凹凸構造を容易に形成することができる。
反射防止層の形成材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂系材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド系材料、テトラエトキシシラン、チタンテトラエトキシド等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル系材料等を挙げることができる。また、それぞれの材料は、表面の防汚染性付与するためフッ素基含有化合物が用いられる。耐擦傷性の面からは、無機成分含有量が多い低屈折率層材料が優れる傾向にあり、特にゾル−ゲル系材料が好ましい。ゾル−ゲル系材料は部分縮合して用いることができる。
上記フッ素基を含有するゾル−ゲル系材料としては、パーフルオロアルキルアルコキシシランを例示できる。パーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、例えば、一般式:CF3(CF2)nCH2CH2Si(OR)3 (式中、Rは、炭素数1〜5個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で表される化合物を挙げることができる。具体的には、例えば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等を挙げることができる。これらのなかでも上記nが2〜6の化合物が好ましい。
また反射防止層にはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム、セリア等をアルコール溶剤に分散したゾルなどを添加しても良い。その他、金属塩、金属化合物などの添加剤を適宜に配合することができる。
位相差層、光学補償層の形成には、前記樹脂材料として記載したポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ポリエステル-イミド等のポリマーを用いることができる。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このようなポリマーの中でも、高透明性、高配向性、高延伸性であることから、ポリイミドが用いられる。
樹脂材料としてポリイミドを用いて、本発明の光学補償板の製造方法により、基材フィルム上にポリイミド樹脂からなる光学補償層を有する光学補償板を作製する場合、該ポリイミド樹脂からなる光学補償層の乾燥後の厚みは、0.5〜10μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。
該ポリイミド樹脂からなる光学補償層を有する光学補償板において、該光学補償層の乾燥後の厚みが、0.5〜10μmの範囲内にあれば、液晶セルの斜め方向のコントラスト向上、カラーシフト抑制等の光学特性を向上させる効果を奏する。
本発明の光学補償板の製造方法により製造された光学機能層を有する光学補償板は、偏光板と積層させることができる。
光学補償層を有する光学補償板と偏光板とを積層させることで、液晶セルの斜め方向のコントラスト向上、カラーシフト抑制等の光学特性を向上させる効果を奏する。
特に、本発明の光学補償板の製造方法により製造されたポリイミド樹脂からなる光学補償層の乾燥後の厚みが0.5〜10μmの光学補償板と偏光板とを積層させることで前記効果がより明確になる。即ち、通常の液晶セル等に用いられている光学補償層の厚みは、50〜100μmであるのに対し、本発明の光学補償層は、0.5〜10μmと非常に薄型であるため、液晶セルに組み込んだ場合に、該液晶セルの薄型化、軽量化が可能となる。
本発明の光学補償板の製造方法により製造された光学機能層(例えば、ハードコート層、反射防止層、位相差層、光学補償層等)を有する光学補償板、該シートと偏光板とを積層させたもの等は、光学素子として用いることができる。
該光学素子は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置の形成等に用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、各種特性については以下の方法によって測定を行った。
(粘度の測定方法)
粘度は、Haake社製、レオメーターRS1を用い、液温23℃、剪断速度10[l/s]で測定した。
(基材フィルムの走行スピード測定方法)
基材フィルムの走行スピードは、レーザードップラー方式の日本カノマックス(株)、商品名「レーザースピードシステム MODEL LS200」を用いて測定した。
(走行スピードの変動率の測定方法)
「レーザースピードシステム MODEL LS200」を用いて、60秒間連続して、基材フィルムの走行スピードを表にプロットし、該表から基材フィルムの走行スピードの最大値X1、最小値X2及び平均値AV(平均走行スピード)を求め、下記式(1)を用いて変動率を算出した。
変動率(%)={[(X1−X2)÷AV]÷2}×100 …(1)
(被膜厚みの測定方法)
(株)尾崎製作所製、ダイヤルゲージを用いて測定した。
(実施例1)
メチルイソブチルケトンにポリイミド(下記式(30)、重量平均分子量Mw=140,000)を10重量%で溶解した粘度200mPa・secのポリイミド溶液を調整した。
塗布方式としてダイコーターを用いて、走行スピード(20m/min)、走行スピードの変動率を2.7%に制御したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm)上に前記ポリイミド溶液を塗布し、該塗布後、120℃で3分間乾燥させて光学機能層の厚み6μmの光学補償板を得た。
図5に、実施例1で得られた光学補償板の平面写真を示した。尚、図5に示す矢印は、基材フィルムの走行方向を示すものである。
図5に示すように得られた光学補償板において、厚みムラにより生じる干渉ムラは、目視で確認できなかった。
なお、実施例1で用いたダイコーターの形状を図4に示す。
図4に示すダイコーターは、ダイコーターの内側先端部の両方にR加工が施されていないものである。
尚、ダイリップの先端幅が0.8mmのものを使用した。
Figure 0003795512
(実施例2)
ポリイミド溶液の粘度を500mPa・secとした以外は、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
(実施例3)
ポリイミド溶液の粘度を1000mPa・secとした以外は、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
(実施例4)
ポリイミド溶液の粘度を1500mPa・secとした以外は、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
(実施例5)
ポリイミド溶液の粘度を500mPa・sec、走行スピードを10m/minとした以外は、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
(実施例6)
ポリイミド溶液の粘度を500mPa・sec、走行スピードを150m/minとした以外は、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に、厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
(実施例7)
ポリイミド溶液の粘度を500mPa・sec、走行スピードを300m/minとした以外は、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、厚みムラにより生じる干渉ムラは、目視で確認できなかった。
尚、実用上問題のないレベルであるが、基材フィルムの進行方向と同じ方向(基材フィルム長手方向)に若干のスジムラがあった。
(実施例8)
走行スピードを350m/min、走行スピードの変動率を2.5%に制御した以外は、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、厚みムラにより生じる干渉ムラは、目視で確認できなかった。
尚、実用上問題のないレベルであるが、基材フィルムの進行方向と同じ方向(基材フィルム長手方向)に若干のスジムラがあった。
(実施例9)
ポリイミド溶液の粘度を2000mPa・sec 、走行スピードの変動率を2.5%に制御した以外、実施例1と同様にした。
得られた光学補償板は、厚みムラにより生じる干渉ムラは、目視で確認できなかった。
尚、実用上問題のないレベルであるが、基材フィルムの進行方向と同じ方向(基材フィルム長手方向)に若干のスジムラがあった。
(実施例10)
ポリイミド溶液の粘度を2300mPa・sec 、走行スピードの変動率を2.5%に制御した以外、実施例1と同様にした。
実用上問題のないレベルであるが、得られた光学補償板には、厚みムラにより生じる干渉ムラが若干確認できた。
また、実用上問題のないレベルであるが、基材フィルムの進行方向と同じ方向(基材フィルム長手方向)に若干のスジムラがあった。
(実施例11)
走行スピードの変動率を0.9%に制御した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に、厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
(実施例12)
メチルイソブチルケトンにポリイミド(上記式(30)、重量平均分子量Mw=140,000)を10重量%で溶解した粘度200mPa・secのポリイミド溶液を調整した。
塗布方式としてダイコーターを用いて、走行スピード(20m/min)、走行スピードの変動率を0.9%に制御したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm)上に前記ポリイミド溶液を塗布し、該塗布後、120℃で3分間乾燥させて光学機能層の厚み6μmの光学補償板を得た。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に、厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
なお、実施例12で用いたダイコーターは、図2に示す形状のもので、ダイリップの先端幅が0.8mmで、基材フィルム下流側にR加工(R径0.5mm)が施されたものを使用した。
(実施例13)
乾燥後の被膜厚みを3μmにした以外は、実施例12と同様の操作を行った。
得られた光学補償板は、図5に示すのと同様に、厚みムラにより生じる干渉ムラは目視で確認できなかった。
(比較例1)
走行スピードの変動率を3.5%に制御した以外、実施例1と同様の操作を行った。
図6に、比較例1で得られた光学補償板の平面写真を示した。尚、図6に示す矢印は、基材フィルムの走行方向を示すものである。
図6に示すように得られた光学補償板には、厚みムラにより生じるスジ状の干渉ムラが、該光学補償板の幅方向(基材フィルムの走行方向と垂直の方向)に目視で確認できた。
(比較例2)
走行スピードの変動率を5.2%に制御した以外、実施例13と同様の操作を行った。
得られた光学補償板は、図6に示すのと同様に、厚みムラにより生じる干渉ムラが該光学補償板の幅方向に目視で確認できた。
(比較例3)
走行スピード(5m/min)、走行スピードの変動率を5.0%に制御した以外、実施例1と同様の操作を行った。
得られた光学補償板は、厚みムラにより生じる干渉ムラが該光学補償板の幅方向に目視で確認できた。
走行スピードを低速化すると、基材フィルムの走行スピードの変動率を3%以下に制御することが困難となり、ダイと基材フィルムとの間に形成されるビードが不安定となるため、光学補償板に厚みムラにより生じる干渉ムラが生じた。
(比較例4)
ポリイミド溶液の粘度を40mPa・sec 、走行スピードの変動率を2.5%に制御した以外、実施例1と同様にした。
ポリイミド溶液の粘度を下げたため塗布後の乾燥ムラが生じ、その結果、ランダムな干渉ムラが生じた。
(比較例5)
ポリイミド溶液の粘度を9000mPa・sec 、被膜厚みを22μm及び走行スピードの変動率を2.5%に制御した以外、実施例1と同様にした。
光学補償板表面に面荒れが生じ、大きな凹凸が形成された。
表1に各実施例・比較例で用いたポリイミド溶液の粘度、走行スピード、走行スピードの変動率等をまとめて記載した。
Figure 0003795512
*1:ダイリップの先端幅が0.8mmで、ダイコーターの内側先端部の両方にR加工が施されていないものである。
*2:ダイリップの先端幅が0.8mmで、基材フィルム下流側にR加工(R径0.5mm)が施されたダイコーターを使用した。
実施例1〜13においては、厚みムラにより生じる干渉ムラのない均一な光学補償板が得られた。
図1は、走行する基材フィルムの上流側にR加工を施したダイコーターの断面図である。 図2は、走行する基材フィルムの下流側にR加工を施したダイコーターの断面図である。 図3は、内側先端部の両方にR加工を施したダイコーターの断面図である。 図4は、実施例1で用いたダイコーターの形状を示した断面図である。 図5は、実施例1で得られた光学補償板の平面写真である。 図6は、比較例1で得られた光学補償板の平面写真である。
符号の説明
1 ダイコーター
2 基材フィルム
3 ダイリップ
4 R加工

Claims (5)

  1. ポリイミド樹脂材料及び溶剤を含有する塗工液を連続的に走行する基材フィルム上に塗
    布する塗布工程と、
    前記塗布工程により基材フィルム上に塗布された被膜を乾燥させる乾燥工程とを含み、
    前記塗布工程と前記乾燥工程とにより、前記基材フィルム上に光学機能層を形成する光
    学補償板の製造方法において、
    前記塗工液の粘度を100〜2300mPa・secとし、且つ、前記塗布工程におけ
    る前記基材フィルムの走行スピードの変動率を0.9〜3.0%に制御することを特徴と
    する光学補償板の製造方法。
  2. 前記走行スピードを10〜300m/minとする請求項1記載の光学補償板の製造方
    法。
  3. 前記基材フィルム上に塗工液を塗布する装置として、ダイコーターを用いる請求項1又
    は2記載の光学補償板の製造方法。
  4. 前記ダイコーターに備えられた対をなすダイリップの少なくとも一方の内側先端部に0
    .2〜1.0mmのR加工が施されている請求項3記載の光学補償板の製造方法。
  5. 乾燥後の光学機能層の厚みが30μm以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の光
    学補償板の製造方法。
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