JP3795320B2 - ロッカアーム用クリップ - Google Patents

ロッカアーム用クリップ Download PDF

Info

Publication number
JP3795320B2
JP3795320B2 JP2000353307A JP2000353307A JP3795320B2 JP 3795320 B2 JP3795320 B2 JP 3795320B2 JP 2000353307 A JP2000353307 A JP 2000353307A JP 2000353307 A JP2000353307 A JP 2000353307A JP 3795320 B2 JP3795320 B2 JP 3795320B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rocker arm
plate
clip
upper plate
lower plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000353307A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002155710A (ja
Inventor
信綱 本橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2000353307A priority Critical patent/JP3795320B2/ja
Publication of JP2002155710A publication Critical patent/JP2002155710A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3795320B2 publication Critical patent/JP3795320B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/12Transmitting gear between valve drive and valve
    • F01L1/18Rocking arms or levers
    • F01L2001/187Clips, e.g. for retaining rocker arm on pivot

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Punching Or Piercing (AREA)
  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、カムにより傾動させられてシリンダヘッドに配設されるバルブを開閉させるエンドピボットタイプのロッカアームが備えるその長手方向一端のピボット部を、シリンダヘッドに設けられる傾動支持部の上端部に非分離に嵌合させるために用いられるロッカアーム用クリップ(以下、クリップという)に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなロッカアームにおいては、エンジンのクランク軸に連動してカムが回転すると、長手方向一端のピボット部を支点にして傾動し、長手方向他端部を傾動端としてバルブステムを押動してこれを上下動させる。この場合、ピボット部は、傾動支持部の上端部に傾動動作可能に支持されている。
【0003】
そして、クリップは、ピボット部を傾動支持部の上端部に対してがたつかないように係止するものであり、本願出願人は、ピボット部が上向きの半球形構造を有し、また傾動支持部の上端部もピボット部の半球形とした形態のロッカアームに対して、ピボット部を傾動支持部上端部にがたつかずに有効に係止できるクリップを、特願2000−135953号で提案している。
【0004】
本願出願人が、提案したクリップについて図11ないし図13を参照して説明する。図11は、このクリップが適用されるロッカアームの縦断側面図、図12は、そのロッカアームの平面図、図13は、クリップとロッカアームにおける連接壁それぞれの要部を拡大して示す斜視図である。
【0005】
これらの図において、10は、ロッカアーム、20は、カム、30は、ラッシュアジャスタ(傾動支持部)、40は、バルブ、50は、クリップである。
【0006】
クリップ50は、上板52、下板53およびこれらを連接する連接板54を有し、幅方向中間領域でかつ下板53側の隅部Aに開口61が形成されている。
【0007】
ロッカアーム10における連接壁12aからの突出部分Bは、クリップ50における前記開口61から突出させられるとともに、プレス金型の寿命向上のために丸く形成された端面角部12eが、その開口61の内周側壁に係合され、これにより、クリップ50全体が回り止めされている。
【0008】
ところで、上記クリップ50では、前記突出部分Bの端面角部12eの形状に合わせて下板53における連接板54との連接部位(隅部A)における断面形状がほぼ直角に急変したものとなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
隅部Aにおけるこのような断面形状は高い応力集中が生じる形状であるから、ロッカアーム50の繰り返し傾動動作により隅部Aを中心とした連接板54と下板53に対して曲げと曲げ戻しの繰り返し荷重がかかると、その隅部Aが早期に金属疲労し強度低下を来すおそれがある。そのため、本願出願人が提供したクリップ50には改善の余地が残されていた。
【0010】
したがって、本発明は、クリップにおいて、上述したがた発生を防止可能とする場合、ロッカアームが繰り返し傾動動作しても前記隅部に対する応力集中を緩和し、金属疲労を軽減させることで、その寿命に対する影響を排除可能とすることを解決課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るロッカアーム用クリップは、一対の対向側壁の長手方向一端側を連接壁で結合してなる板金製の胴体を備え、前記連接壁に上向き半球形に膨出形成されたピボット部を、シリンダヘッドに設けられかつ上端が半球形の傾動支持部に対して傾動可能に支持した状態で、カムが回転するとそのピボット部を支点にして傾動し、シリンダヘッドに配設されるバルブを開閉させるために用いられるロッカアーム用クリップであって、側面視でほぼ「コ」の字形状に形成された帯板からなり、その上板に前記連接壁のピボット部に対して係止される円形の切欠きが、また、下板に前記傾動支持部に対して係止される切欠きがそれぞれ設けられ、さらに、前記上板と下板とを連接する連接板が側面視でほぼ「C」の字形状に湾曲されていて、その幅方向中間領域でかつ前記下板側の隅部に、開口が設けられており、前記上板が、その基端部から延びる二股の突片を有し、両突片は、その対向間隔を前記ピボット部に係止される前記円形の切欠き形状に対応させて自由端方向に延ばされているとともに、その自由側が斜め下向きに折り曲げられてピボット部に当接可能とされており、前記上板および下板がロッカアーム胴体における傾動支点側の連接壁に対して、厚み方向両側から弾性的に挟み込んで、当該上板と下板との弾性力でもって上板の切欠きがピボット部に対して強く係止させられ、かつ前記上板の二股突片の自由側端部の斜め下向きに折り曲げられた部分がピボット部に当接することにより、ロッカアーム胴体の対向側壁間幅より狭い幅に形成された前記連接壁の端面が前記連接板の内面に対して押し付けられるとともに、前記連接壁の端縁下角部前記連接板の開口に対して入り込む形態で回り止め係合部を形成している。
【0012】
そして、本発明のクリップは、前記ピボット部を傾動支持部に対して非分離に嵌合させるために用いられるロッカアーム用クリップであって、側面視でほぼ「コ」の字形状に形成された帯板からなり、その上板に前記連接壁のピボット部に対して係止される切欠きが、また、下板に前記傾動支持部に対して係止される切欠きがそれぞれ設けられ、さらに、前記上板と下板とを連接する連接板が側面視でほぼ「C」の字形状に湾曲されていて、その幅方向中間領域でかつ前記下板側の隅部に、開口が設けられており、かつ、前記上板および下板がロッカアーム胴体における傾動支点側の連接壁に対して、厚み方向両側から弾性的に挟み込んで、当該上板と下板との弾性力でもって上板の切欠きがピボット部に対して強く係止させられることにより、前記連接壁の端面が前記連接板の内面に対して押し付けられるとともに、前記連接壁の端縁下角部が前記連接板の開口に対して入り込む形態とされるものである。
【0013】
ここで、明細書に添付した図面上で帯板を一方の側面から見た場合、その形状はほぼ「⊂」形状となっているが、これを他方の側面から見た場合は、上記のようにほぼ「コ」の字形状となる。また、前記したほぼ「コ」の字形状における「ほぼ」は、「コ」の字形状そのものに限定されるものでは何らないことを意味し、上板と下板とが上下に離隔して対向し、上板と下板とをそれらの基端部で上下に連接した場合にあたかも片仮名の「コ」の字の形状に類似ないしはほぼ類似しているという意義にすぎず、本発明の作用効果をその程度を問わず有する形態であればそのすべてを含む。
【0014】
また、上記上板と下板とを連接する連接板が側面視でほぼ「C」の字形状に湾曲という表現は、連接板の途中部位に湾曲していない部位や逆方向に湾曲している部位などで多少の変形があっても全体的に見た場合に英語のアルファベット記号の「C」に類似ないしはほぼ類似している形状を含む意義であり、本発明の作用効果をその程度を問わず有する形態であればそのすべてを含む。
【0015】
さらに、上記上板と下板との弾性力でもって上板の切欠きがピボット部に対して「強く」係止させられるという表現で「強く」の程度は、本発明の作用効果をその程度を問わず発揮することができるものであればそのすべての強さ程度を含む。
【0016】
さらにまた、上記「切欠き」は、開放している形態、閉じている形態のいずれも含む。
【0017】
本発明のクリップは、上板と下板の切欠きそれぞれでピボット部と傾動支持部とを係止した状態で、その上板および下板でロッカアーム胴体における傾動支点側の連接壁に対して、厚み方向両側から弾性的に挟み込むから、当該上板と下板との弾性力でもって上板の切欠きがピボット部に対して強く係止させられる。そして、この強い係止によって、前記連接壁の端面が前記連接板の内面に対して押し付けられるので、ロッカアームにおけるピボット部と傾動支持部との間におけるがたつきを有効に防止できる。
【0018】
そして、この場合、前記上板と下板とを連接する連接板が側面視でほぼ「C」の字形状に湾曲されて隅部における断面形状は緩やかに変化する形状とされているから、ロッカアームが繰り返し傾動動作して隅部を中心にして連接板と下板に対する曲げとその曲げ戻しが繰り返されても隅部に対して応力集中が発生しなくなり、本願出願人が提案したクリップのように早期に金属疲労するようなことが回避される。
【0021】
本発明の好ましい実施態様として、前記両突片は、その自由端側が互いに連結されて一体化されているとともに、ロッカアームにおける一対の対向側壁の内壁面に対して当接ないし近接する膨出部分を有する。
【0022】
この実施態様によると、上板の二股突片の自由端部分でクリップが回り止めされて前記がた発生防止に好ましい。
【0023】
本発明のさらに好ましい実施態様として、前記上板の自由端側に、一旦、斜め下向きに屈曲してから斜め上向きに屈曲する側面視でほぼ「V」の字形状の爪が設けられている。
【0024】
この実施態様によると、その「V」の字形状の爪で上板の自由端側を下方に押圧できるが、この場合、傾動支点に対してその爪の位置が上板の切欠きがピボット部に対してより強く係止させられる位置にあるから、その爪の押圧も加えてロッカアームにおけるピボット部と傾動支持部との間におけるがたつきをより有効に防止できる。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様として、前記上板と下板との間隔が、その連接板側から自由端側へ向けて漸次小さく設定されている。
【0026】
この実施態様によると、上板と下板との弾性力でもって上板の切欠きがピボット部に対してより強く係止させられ、ロッカアームにおけるピボット部と傾動支持部との間におけるがたつきをより有効に防止できる。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施態様として、一枚の金属板からプレスにより打ち抜いてから、側面視でほぼ「コ」の字形状に屈曲されることにより製造されるものであり、前記打ち抜いた母体の打ち抜き方向上流側の面が外側に、また、下流側の面が内側にそれぞれ位置するよう屈曲加工されることにより、上板および下板と連接板との境界部分の内面が圧縮状態とされている。
【0028】
一枚の金属板からプレスにより打ち抜いた場合、打ち抜いた母体の打ち抜き方向上流側の面は剪断面となり、また、下流側の面が破断面となる。したがって、この実施態様のように打ち抜き方向上流側の面が外側に、また、下流側の面が内側にそれぞれ位置するよう屈曲加工すると、上板および下板と連接板との境界部分の内面が圧縮状態となるから、ロッカアームが繰り返し傾動動作しその境界部分に折り曲げとその曲げ戻しが繰り返されてもその境界部分に対する疲労強度が高くなり、クリップ寿命向上に貢献することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図1ないし図8に示す実施形態に基づいて説明する。
【0030】
図1はロッカアームの縦断側面図、図2はその平面図、図3はロッカアームの胴体となる部分破断斜視図である。図4ないし図8は、本実施形態のクリップに係り、図4は、その平面図、図5は、その側面図、図6は、その正面図、図7は、その底面図、図8は、その斜視図である。これらの図において、図11ないし図13と同一ないし対応する部分には同一の符号を付している。
【0031】
上記クリップの詳細な説明に先立ち、これが適用されるロッカアームの構成について説明する。
【0032】
図1ないし図3において、10は、ロッカアーム、20は、カム、30は、ラッシュアジャスタ(傾動支持部)、40は、バルブ、50は、クリップである。
【0033】
ロッカアーム10は、カム20により傾動させられてシリンダヘッドに配設されるバルブ40を開閉させるエンドピボットタイプである。
【0034】
ロッカアーム10はまた、略平行に対向する一対の対向側壁11,11の長手方向両端側を連接壁12a,12bで結合してなる板金製の胴体13を有する。
【0035】
ロッカアーム10はまた、胴体13における一対の対向側壁11,11の長手方向中間部位に架設される支軸14と、この支軸14に回動可能に支持されてカム20が当接されるローラ15とを有している。
【0036】
胴体13の一方連接壁12aには、上向き半球形のピボット部16が膨出形成されている。
【0037】
胴体13の他方連接壁12bは、バルブ40に当接されるバルブ係合部とされている。
【0038】
ピボット部16は、曲率半径の大きい上向きの第1半球部16aと、この第1半球部16aの頂点付近に形成されてこれよりも曲率半径の小さい上向きの第2半球部16bとからなる。第2半球部16bには、潤滑油をローラ15側へ放出する油孔16cが形成されている。
【0039】
ラッシュアジャスタ30は、ピボット部16の第1半球部16aと同じ曲率半径を有する半球形とされた上端部30aを有している。
【0040】
ピボット部16の内面にラッシュアジャスタ30の上端部30aを嵌合させた場合、ピボット部16の第1半球部16aに、ラッシュアジャスタ30の上端部30aが密接し、これによって、ピボット部16の第2半球部16bとラッシュアジャスタ30の上端部30aとの間の嵌め合い部分には潤滑油溜まり16dが構成される。
【0041】
この構成により、胴体13がピボット部16を傾動支点として回動すると、潤滑油溜まり16dに溜まっている潤滑油は、その傾動動作に伴い潤滑油溜まり16d内の圧力が増減することにより、ピボット部16の第2半球部16bの油孔16cからローラ15側に向けて放出される。
【0042】
次に、上記ロッカアーム10に使用されるクリップ50について図4ないし図8を中心に説明する。
【0043】
クリップ50は、側面視ほぼ「コ」の字形状の帯板51を備える。
【0044】
帯板51は、上板52、下板53、およびこれらを連接する連接板54からなる。
【0045】
上板52は、その基端部から延びる二股の突片55,55を有し、これら両突片55,55の対向間隔によって連接壁12aのピボット部16に係止される円形の切欠き56が形成されている。
【0046】
上板52における両突片55,55それぞれの自由端側に、一旦、斜め下向きに屈曲してから斜め上向きに屈曲する側面視でほぼ「V」の字形状の爪57,57が設けられ、この両爪57,57がピボット部16に当接可能とされている。
【0047】
両突片55,55の自由端側は、互いに連結されて一体化されているとともに、ロッカアーム10における一対の対向側壁11,11の内壁面に対して当接ないしは近接する膨出部分58,58を有している。
【0048】
切欠き56の大きさは、ピボット部16に係止された状態で当該ピボット部16の油孔16cを露呈させる大きさに設定されている。
【0049】
また、切欠き56の平面視円形箇所は、両突片55,55の自由端部分において閉じているが、この自由端部分を離してその切欠き55,55が開放された平面視略円形としてもよい。
【0050】
下板52は、その基端部から延びる二股の突片59,59を有している。
【0051】
両突片59,59の対向間隙は、ラッシュアジャスタ30の半球形上端部30aよりも下側位置に係止される切欠き60とされている。
【0052】
下板52におけるその幅方向中間領域の隅部Aに開口61が設けられている。
【0053】
上板52と下板53との間隔は、その連接板54側から自由端側へ向けて漸次小さく設定されている。
【0054】
連接板54は、側面視でほぼ「C」の字形状に湾曲されて下板52と連接板54との連接部位における隅部Aを含む周辺の断面は緩やかに変化する形状となっている。
【0055】
上記構成を備えたクリップ50の場合、上板52および下板53がロッカアーム胴体13における傾動支点側の連接壁12aに対して、厚み方向両側から弾性的に挟み込んで、上板52と下板53との弾性力でもって上板52の切欠き56がピボット部16に対して強く係止させられる。
【0056】
この係止により、連接壁12aの端面が連接板54の内面に対して押し付けられ、これによって、連接壁12aにおいて端面両側が斜めにカットされた先端縁12cの下角部12dが連接板54の開口61に対して入り込む。この場合、連接壁12aの端面が連接板54の内面に対して押し付けられ、かつ、連接壁12aにおいて端面両側が斜めにカットされているから、連接板54が側面視でほぼ「C」の字形状に湾曲されていても、前記下角部12dは、連接板54の開口61に対して入り込むことができる。
【0057】
図9を参照して上記構成のクリップ50の製造方法について説明する。
【0058】
まず、図9(a)で示される一枚の金属板62に対してプレスをかけて図9(b)で示されるクリップ母体63を打ち抜く。そして、図9(c)で示すようにクリップ母体63を側面視でほぼ「コ」の字形状に屈曲加工する。この加工でクリップ母体63は、クリップ50となり、その屈曲部位64が前記連接板54となり、その両側が上板52と下板53となる。
【0059】
この場合、図9(c)中において破線円部分Dを拡大して示すように連接板54となる屈曲部位64は、打ち抜き方向上流側の面65が外側に、また、下流側の面66が内側にそれぞれ位置するので、その屈曲部位64とその両側部位との境界つまり連接板54とその両側の上板52および下板53との間の境界部分67,67の下流側の面(内面)が圧縮状態とされている。
【0060】
次に、屈曲加工したクリップ母体63において、上板52における両突片55,55それぞれの自由端側の爪57,57となる屈曲部位68は、一旦、斜め下向きに屈曲してから斜め上向きに屈曲するために、ピボット部16に当接する面69が打ち抜き方向下流側の面となっている。
【0061】
ところが、プレス打ち抜きの場合、図9(c)中において破線円部分Eを拡大して示すように打ち抜き方向上流側の面から所定深さまでがプレスによる剪断面70となり、それより下流側方向の面までが破断面71となる。
【0062】
なお、説明の都合で両面70,71を異なる向きのハッチングで示しかつその境界を破線で示している。
【0063】
しかも、その破断面71はその屈曲方向により引っ張り応力がかかっているために亀裂(クラック)が発生しやすく、これまではその亀裂発生防止の措置が必要となっている。本実施形態の場合、その破断面71に対して再度プレス加工で面押しを実施して、その破断面71をプレスで押しその破断面を潰し面粗度を向上させたうえで「レ」の字に折り曲げることで引っ張り応力が発生しても前記亀裂が発生しにくくしている。
【0064】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく種々の変形や応用が可能である。
【0065】
(1)上述の実施形態のロッカアーム10における一対の対向側壁11,11の長手方向の長さは実施形態の長さに限定されるものではない。例えば図10で示すようなロッカアームに対しても上述した各実施形態のクリップを使用することができる。なお、図10で図1と対応する部分には同一の符号を付している。
【0066】
(4)上述の実施形態のクリップ50は、金属を素材として作られているが、樹脂で作られたものであっても構わない。この場合、上板と下板とが前記屈曲形状で弾性を有することのできる耐熱性樹脂素材が選定される。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のクリップは、上板と下板との弾性力により上板の切欠きをピボット部に対して強く係止して、連接壁の端面を連接板の内面に対して押し付けるので、ロッカアームにおけるピボット部と傾動支持部との間におけるがたつきを有効に防止できる。そして、連接壁の端縁下角部を連接板の開口に対して入り込ませるので、下板の隅部において連接板と下板とが直角に屈曲させる必要がなくなり、その屈曲角度を拡大した形状とすることができるようになった。
【0068】
その結果、本発明のクリップの場合、ロッカアームが繰り返し傾動動作して隅部を中心にして連接板と下板に対する折り曲げとその曲げ戻しが繰り返されても前記隅部に対する応力集中を大きく緩和することができ、その隅部が早期に金属疲労するようなことが回避されてその寿命を延ばすことができるようになった。
【0069】
加えて、このことはその使用対象であるロッカアームの傾動動作によっても外れにくくなり、例えばエンジンの回転数を高くしたときのロッカアームの動作安定化により貢献できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクリップが適用されるロッカアームの縦断側面図
【図2】図1のロッカアームの平面図
【図3】図1のロッカアームの胴体となる部分破断斜視図
【図4】図1のクリップの平面図
【図5】図1のクリップの側面図
【図6】図1のクリップの正面図
【図7】図1のクリップの底面図
【図8】図1のクリップの斜視図
【図9】図1のクリップの製造過程の説明に供する図
【図10】図1のクリップが適用される他のロッカアームの斜視図
【図11】従来のクリップが適用されるロッカアームの斜視図
【図12】図11のクリップが適用されるロッカアームの平面図
【図13】図11のクリップとロッカアームにおける連接壁それぞれの要部を拡大して示す斜視図
【符号の説明】
10 ロッカアーム
11 対向側壁
12a,12b 連接壁
13 胴体
14 支軸
15 ローラ
16 ピボット部
20 カム
30 ラッシュアジャスタ
30a ラッシュアジャスタの上端部
40 バルブ
50 クリップ
51 帯板
52 上板
53 下板
54 連接板
55,55 上板の二股突片
56 切欠き(上板の二股突片の対向間隙)
57,57 爪
59,59 下板の二股突片
60 切欠き(下板の二股突片の対向間隙)

Claims (5)

  1. 一対の対向側壁の長手方向一端側を連接壁で結合してなる板金製の胴体を備え、前記連接壁に上向き半球形に膨出形成されたピボット部を、シリンダヘッドに設けられかつ上端が半球形の傾動支持部に対して傾動可能に支持した状態で、カムが回転するとそのピボット部を支点にして傾動し、シリンダヘッドに配設されるバルブを開閉させるために用いられるロッカアーム用クリップであって、
    側面視でほぼ「コ」の字形状に形成された帯板からなり、その上板に前記連接壁のピボット部に対して係止される円形の切欠きが、また、下板に前記傾動支持部に対して係止される切欠きがそれぞれ設けられ、さらに、前記上板と下板とを連接する連接板が側面視でほぼ「C」の字形状に湾曲されていて、その幅方向中間領域でかつ前記下板側の隅部に、開口が設けられており、
    前記上板が、その基端部から延びる二股の突片を有し、両突片は、その対向間隔を前記ピボット部に係止される前記円形の切欠き形状に対応させて自由端方向に延ばされているとともに、その自由側が斜め下向きに折り曲げられてピボット部に当接可能とされており、
    前記上板および下板がロッカアーム胴体における傾動支点側の連接壁に対して、厚み方向両側から弾性的に挟み込んで、当該上板と下板との弾性力でもって上板の切欠きがピボット部に対して強く係止させられ、かつ前記上板の二股突片の自由側端部の斜め下向きに折り曲げられた部分がピボット部に当接することにより、ロッカアーム胴体の対向側壁間幅より狭い幅に形成された前記連接壁の端面が前記連接板の内面に対して押し付けられるとともに、前記連接壁の端縁下角部前記連接板の開口に対して入り込む形態で回り止め係合部を形成している、ことを特徴とするロッカアーム用クリップ。
  2. 請求項に記載のロッカアーム用クリップにおいて、
    前記両突片は、その自由端側が互いに連結されて一体化されているとともに、ロッカアームにおける一対の対向側壁の内壁面に対して当接ないしは近接する膨出部分を有する、ことを特徴とするロッカアーム用クリップ。
  3. 請求項1に記載のロッカアーム用クリップにおいて、
    前記上板の自由端側に、一旦、斜め下向きに屈曲してから斜め上向きに屈曲する側面視でほぼ「V」の字形状の爪が設けられている、ことを特徴とするロッカアーム用クリップ。
  4. 請求項1ないしいずれかに記載のロッカアーム用クリップにおいて、
    前記上板と下板との間隔が、その連接板側から自由端側へ向けて漸次小さく設定されている、ことを特徴とするロッカアーム用クリップ。
  5. 請求項1ないしいずれかに記載のロッカアーム用クリップにおいて、
    一枚の金属板からプレスにより打ち抜いてから、側面視でほぼ「コ」の字形状に屈曲されることにより製造されるものであり、前記打ち抜いた母体の打ち抜き方向上流側の面が外側に、また、下流側の面が内側にそれぞれ位置するよう屈曲加工されることにより、上板および下板と連接板との境界部分の内面が圧縮状態とされている、ことを特徴とするロッカアーム用クリップ。
JP2000353307A 2000-11-20 2000-11-20 ロッカアーム用クリップ Expired - Lifetime JP3795320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000353307A JP3795320B2 (ja) 2000-11-20 2000-11-20 ロッカアーム用クリップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000353307A JP3795320B2 (ja) 2000-11-20 2000-11-20 ロッカアーム用クリップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002155710A JP2002155710A (ja) 2002-05-31
JP3795320B2 true JP3795320B2 (ja) 2006-07-12

Family

ID=18826088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000353307A Expired - Lifetime JP3795320B2 (ja) 2000-11-20 2000-11-20 ロッカアーム用クリップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3795320B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101845974A (zh) * 2009-01-30 2010-09-29 伊顿公司 摇臂保持装置

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10249560A1 (de) 2002-10-24 2004-05-06 Ina-Schaeffler Kg Schlepphebel eines Ventiltriebs einer Brennkraftmaschine
DE60318836T2 (de) * 2003-07-23 2009-01-22 Eaton S.R.L., Rivarolo Canavese Blechklammer für Kipphebel
DE102004005831A1 (de) * 2004-02-06 2005-08-25 Ina-Schaeffler Kg Verbindungsvorrichtung für einen Betätigungshebel und ein Abstützelement einer Ventilsteuerung einer Brennkraftmaschine
DE102004033973A1 (de) 2004-07-14 2006-02-16 Ina-Schaeffler Kg Verbindungselement zur verliersicheren Halterung eines hebelartigen Nockenfolgers
JP5164545B2 (ja) 2007-12-07 2013-03-21 株式会社オティックス 動弁装置及びロッカアームユニット
JP5137627B2 (ja) * 2008-03-07 2013-02-06 株式会社オティックス ロッカアームユニット及びロッカアームユニットの組立方法
EP2189631B1 (en) * 2008-11-24 2012-02-01 Perkins Engines Company Limited Push rod retainer
JP2010188502A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Nsk Ltd 自在継手用ヨークの製造方法
JP5241612B2 (ja) * 2009-05-28 2013-07-17 株式会社オティックス ロッカアームユニット
JP5355296B2 (ja) 2009-08-18 2013-11-27 株式会社オティックス ロッカアームユニット
JP2011117326A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Otics Corp ロッカアーム
RU2472008C1 (ru) * 2011-05-05 2013-01-10 Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Елецкий государственный университет им. И.А. Бунина" Газораспределительный механизм двс
JP5917957B2 (ja) * 2012-03-12 2016-05-18 株式会社オティックス 内燃機関の動弁装置
DE102012208238A1 (de) * 2012-05-16 2013-11-21 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Ventiltriebsbetätigungseinrichtung für eine Brennkraftmaschine
WO2014025555A1 (en) * 2012-08-08 2014-02-13 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Securing device for an actuating lever
DE102012221516A1 (de) * 2012-11-26 2014-05-28 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Halteklammer für Motorkomponenten
DE102014208005A1 (de) * 2014-04-29 2015-10-29 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Baueinheit eines Ventiltriebs einer Brennkraftmaschine
FR3080647B1 (fr) * 2018-04-26 2020-11-27 Renault Sas Ensemble de linguet comportant un moyen de detrompage.

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101845974A (zh) * 2009-01-30 2010-09-29 伊顿公司 摇臂保持装置
CN101845974B (zh) * 2009-01-30 2014-03-05 伊顿公司 摇臂保持装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002155710A (ja) 2002-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3795320B2 (ja) ロッカアーム用クリップ
WO1993014301A1 (en) Roller rocker arm and process for manufacturing the same
US7725991B2 (en) Low insertion effort fastener with offset for wing
US7568841B2 (en) Ball end for a link
EP1450007A1 (en) Rocker arm
EP0745172B1 (en) Snap hinge
KR20050037351A (ko) 록홈을 갖는 헤드레스트 록의 구조, 록홈의 성형 방법 및헤드레스트폴의 제조 방법
JPH09210064A (ja) 半割すべり軸受
EP1122408B1 (en) Rocker arm and method of manufacturing rocker arm body
JP3707723B2 (ja) ロッカアーム用クリップ
KR0178814B1 (ko) 로커암
EP1471214A1 (en) Cam follower provided with rocker arm made of sheet metal
KR102294206B1 (ko) 회전-방지 특징부를 갖는 종동 기구
JP3120068B2 (ja) ロッカーアームの製造方法
EP1744021A2 (en) Stamped two-step rocker arm component
JP3302395B2 (ja) ローラタペット
JP2873653B2 (ja) ロッカアームの製造方法
JP2007205288A (ja) ロッカアームとその製造方法
JP4284812B2 (ja) ロッカアーム
CN217501919U (zh) 一种双阀舌吸气阀片、阀片组件及压缩机
JP2003155903A (ja) ロッカアームおよびロッカアームの胴体の製造方法
JP4608473B2 (ja) バルブ開閉機構に用いる動力伝達部品
JP2001280106A (ja) 板金製ロッカーアーム
JPH0338467Y2 (ja)
JP3731675B2 (ja) ロッカアーム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100421

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100421

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110421

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120421

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130421

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140421

Year of fee payment: 8