JP3794825B2 - 印刷品質管理方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機の印刷品質管理方法及び装置に関し、更に詳しくは、色調管理に適用される印刷品質管理方法及び装置に関する。
【0002】
図8は従来における印刷機の印刷品質管理装置を示しており、従来においては色調制御を次のようにして行なっている。すなわち、図8に示すように、印刷後の印刷物10上に刷られた画像の色調検出装置である走査型濃度計1にて各色のインキ濃度を計測し、その計測結果を演算装置4で印刷領域を細分し、細分された画像要素(画素)毎の値を演算装置4にて目標値と比較し、その差を基にしてインキキーの調整量を演算して調節することにより、色調管理を行なっている。この時の目標値としては、版に焼き付けるフィルム又は焼き付けられた版をスキャナ16で検出して演算装置4で領域を細分したもの若しくは校正刷り又は印刷結果の良好なOKシートをスキャナ15で検出して演算装置4で領域を細分したものを使用するようにしている。そして、それらの目標値も印刷状況値も細分された画素E(図9参照)毎の値を、印刷機のインキ調整機構の調整単位幅であるインキキーゾーンZ(図9参照)毎に積算し、平均化して比較するようにしている。
【0003】
なお、図8において、4はインキ元ローラ、5はインキキー、9は演算装置4の演算結果を表示する表示装置、10は印刷物、11は印刷胴16に取付けられたエンコーダ、20は演算装置4からの制御信号に基づいてインキキー5の開度(インキキー開度)を制御するインキキー制御装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の装置には次のような問題点が内在していた。
1) 商品のカタログやちらしのように特に色調を注目したい個所がある場合等でも、平均的な部位を基準にして色調を制御するのでは十分な色調結果が得られない。
2) 各画像要素を積算、平均化するなどための処理に時間がかかり、大型高速の処理装置が必要である。
3) 自動制御のための目標値をスキャナで取り込む必要がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、全画像要素(画素)の積算や平均化をする必要がなく、全体の色調を安定的に目標値に制御することができるような印刷品質管理方法及び印刷品質管理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る印刷品質管理方法では、画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを有する電子データを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記自動選定された箇所の画素について設定した色調制御目標値と上記自動選定された箇所の画素の色調状態に関する現状値とを比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記任意選定された箇所の画素について設定した色調制御目標値と上記任意選定された箇所の画素の色調状態に関する現状値とを比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしている。
また、本発明に係る印刷品質管理方法では、印刷画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを有する電子データを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記電子データを演算装置により色調データに変換してこの色調データの上記自動選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とすると共に、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記自動選定された箇所の各画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記電子データを演算装置により色調データに変換してこの色調データの上記任意選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とすると共に、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記任意選定された箇所の各画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしている。
また、本発明に係る印刷品質管理方法では、印刷画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを有する電子データを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記自動選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記自動選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記任意選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調 状態を検知した画素データの上記任意選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしている。
また、本発明に係る印刷品質管理方法では、版又はフィルムの画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記自動選定された箇所の画素を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記自動選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記任意選定された箇所の画素を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記任意選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしている。
また、本発明に係る印刷品質管理装置では、
(a) 印刷画像を細分した印刷に関する印刷画像電子データを取り込む印刷画像電子データ取り込み装置と、
(b) 印刷している印刷面の印刷色調を検知する第1の色調検知装置と、
(c) 上記取り込まれる印刷画像電子データを上記第1の色調検知装置からのデータと比較できる数値へ変換して色調制御目標値を計算し、細分されている印刷画像電子データから特定の優先順に従って自動制御すべき画素を選定し、この選定した画素部分の色調制御目標値と、上記第1の色調検知装置からのデータを基に計算される印刷状態色調値とを比較してその差に基いてインキキー開度信号を送出する演算装置と、
(d) 上記演算装置からのインキキー開度信号によりインキキーの開度を制御するインキキー制御装置と、
(e) 上記印刷画像電子データによりモニタに印刷する画像を表示する端末装置と、
をそれぞれ具備し、
上記端末装置により、色調自動制御の対象画素を手動で任意に選定し、この手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを調節設定し得るように構成し、上記調節設定に基づいて、上記手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素を制御対象として、上記自動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記自動選定した箇所の画素についての比較演算と同様にして上記手動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしている。
また、本発明に係る印刷品質管理装置では、
(a) 印刷画像を細分した印刷に関する印刷画像電子データを取り込む印刷画像電子データ取り込み装置と、
(b) 印刷している印刷面の印刷色調を検知する第1の色調検知装置と、
(c) 色調制御の目標値にするために校正刷り又はOKシートを細分された画素毎に検知する第2の色調検知装置と、
(d) 上記印刷画像電子データ取り込み装置から取り込んだ印刷画像電子データから特定の優先順に従って自動制御すべき画素を選定し、この選定した画素部分の色調制御目標値と、上記第1の色調検知装置からのデータを基に計算される印刷状態色調値とを比較し、その差に基いてインキキー開度信号を送出する演算装置と、
(e) 上記演算装置からのインキキー開度信号によりインキキーの開度を制御するインキキー制御装置と、
(f) 上記印刷画像電子データによりモニタに印刷する画像を表示する端末装置と、
をそれぞれ具備し、
上記端末装置により、色調自動制御の対象画素を手動で任意に選定し、この手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを調節設定し得るように構成し、上記調節設定に基づいて、上記手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素を制御対象として、上記自動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記自動選定した箇所の画素についての比較演算と同様にして上記手動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしている。
また、本発明に係る印刷品質管理装置では、
(a) 版又はフィルムの画像を細分した画素を測定して得られる画素データを取り込むための画線検知装置と、
(b) 印刷している印刷面の印刷色調を検知する第1の色調検知装置と、
(c) 色調制御の目標値にするために校正刷り又はOKシートを細分された画素毎に検知する第2の色調検知装置と、
(d) 上記画線検知装置から取り込んだ画素データから特定の優先順に従って自動制御すべき画素を選定し、この選定した画素部分の色調制御目標値と、上記第1の色調検知装置からのデータを基に計算される印刷状態色調値とを比較し、その差に基いてインキキー開度信号を送出する演算装置と、
(e) 上記演算装置からのインキキー開度信号によりインキキーの開度を制御するインキキー制御装置と、
(f) 上記画素データによりモニタに印刷する画像を表示する端末装置と、
をそれぞれ具備し、
上記端末装置により、色調自動制御の対象画素を手動で任意に選定し、この手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを調節設定し得るように構成し、上記調節設定に基づいて、上記手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素を制御対象として、上記自動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記自動選定した箇所の画素についての比較演算と同様にして上記手動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様について図1〜図7を参照して説明する。なお、図1〜図7において、図8及び図9と同様の部分すなわち前記した従来のものと同一の部位については同一の符号を付して示して重複する説明を省略する。
【0008】
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷品質管理装置の構成を示している。この印刷品質管理装置は、印刷後の印刷物10の色調をリアルタイムで計測する反射濃度計(印刷している印刷面の印刷色調を、細分された画素を幅方向で検知する第1の色調検知装置)1と、この反射濃度計1の計測データの印刷物流れ方向の取り込み位置を決めるエンコーダ(幅方向で細分されている第1の色調検知装置のデータを印刷面の流れ方向に細分するためのデータを送る機械運転タイミング発信装置)11と、色調制御目標値と印刷状態値を比較する画像要素の位置を自動的に決定し、その画像要素の目標色の計算をし、インキキー修正信号の計算を行なう演算装置12と、この演算装置12に対し、目標の色調値計算の基となる細分された各画素の各色毎の面積率等のデータを保有する印刷画像電子データ(例えばハイデルベルグ社の提唱したCIP3(Cooperation and Integration for Prepress , Press , Postpress)のPPF(Print Production Format )データやアドビ社提唱のPDF(Print Data Format) など)を取り込む取り込み装置13と、以前に取り込んだ印刷画像電子データによりモニタに絵柄を表示することができかつ上述の計測・比較する画像要素の位置を手動でオペレータが選択指令できるような端末装置14と、上記演算装置12からのインキキー開度信号に応じてインキキーの開度を制御するインキキー制御装置20とをそれぞれ具備している。なお、上述のエンコーダ11は印刷胴16に同軸状に取付けられている。
【0009】
上述の演算装置12は、取り込み装置13にて取り込まれる印刷画像電子データを反射濃度計1からのデータと比較できる数値へ変換して色調制御目標値を計算し、細分されている印刷画像電子データから特定の優先順に従って自動制御すべき画素を選定し、この選定した画素部分の色調制御目標値と印刷状態色調値を比較してその差に基いてインキキー開度信号を送出する機能を有するものである。具体的には、演算装置12は、印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーンZを認知し、このインキキーゾーンZを更に細分化された計測データ又は目標データの画素Eに対し自動制御に使用する画素EをインキキーゾーンZ毎に4個所(n色機のときはn個所)を自動的に選択し、その画素4個所のデータにより各色(各印刷ユニット)の該当インキキーゾーンZのインキキー(インキ元ローラ4のインキキー)5を制御する。また、端末装置14は、自動的に選択したポイントと手動選択したポイントのうちのどちらのデータをどの程度制御に使用するか各色毎に指令することができるように構成されている。
【0010】
図2及び図3に示すように、上記したインキキーゾーンZ毎に自動的に4個所(n色機の時はn個所)の画素Eを制御対象として選択するが、この自動選択の仕方は、各画素Eに対して取り込み装置13から取り込んだ印刷画像電子データに基いて各色毎に次の優先順に基づき1個所(4色機で4個所)を選ぶことにより行なう。
1) 単色かつ高画線
2) 混色かつ高画線
3) 単色かつ中画線
4) 混色かつ中画線
5) 単色かつ低画線
6) 混色かつ低画線
【0011】
なお、ここで、「画線」とは、画素の各色の面積率を意味し、例えば高画線とは画素の各色の面積率が70%以上のもの(各色の面積率の合計ではなく、ある色の面積率)、中画素とは40〜70%のもの、低画素とは40%未満のものと設定される。
【0012】
例えば、あるインキキーゾーンZaの自動選択されたポイント(画素の場所)は、各色についてそれぞれ下記の順に選ばれる。
(1)ポイント1は K:100%、C: 0%、M: 0%、Y: 0%
(2)ポイント2は K: 10%、C:90%、M: 0%、Y:90%
(3)ポイント3は K: 0%、C:20%、M:80%、Y:30%
(4)ポイント4は K: 0%、C: 0%、M: 0%、Y:90%
なお、上述の記載は、例えばポイント2については、ポイント2の画素の墨インキの画線が10%、シアンインキの画線が90%、マゼンタインキの画線が0%、イエローインキの画線が90%であることを意味する。
【0013】
ここで、K(墨)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)色について優先順に基づきポイントが自動設定される手順の一例について述べると、以下の通りである。
▲1▼ あるインキキーゾーンをスキャンし、先ずいずれか1つの色の画線が70%以上で地の色の画線が全て0%の画素がないかを調べ、仮にKとCについて該当する画素があった場合には当該画素をKとCについてのポイントとする。
▲2▼ 次に、MとYについて画線が70%以上で地の色の画線が全て0%の画素がないかを調べ、仮にMについて該当する画素があった場合には当該画素をMについてのポイントとする。
▲3▼ 次に、Yについて画線が40〜70%で他の色の画線が全て0%の画素がないかを調べ、仮にYについて該当する画素があった場合には当該画素をYについてのポイントとする。
【0014】
各印刷ユニットすなわち各色のユニットは、該当色用に選んだポイントを自動制御するポイントに選ぶようにする。このインキキーゾーンZaにおいては、墨インキ印刷ユニットはポイント1が目標値になるよう制御され、シアンインキ印刷ユニットはポイント2、マゼンタインキ印刷ユニットはポイント3、イエローインキ印刷ユニットはポイント4を自動制御の対象にする。図2の一部に選択されたポイントが、インキキーゾーンZ毎に4個所、上記によって画素が選ばれる。図3は、図2の一部を拡大したものであって、この図3には選定された画素Eが斜線で示されている。
【0015】
一方、オペレータが任意に端末装置14で選択するポイントの取り扱いは次のようにする。先ず、端末装置14で各色毎の自動−手動利用比率をオペレータが設定し、どちらをどの程度制御に利用するかを調節する。自動−手動利用比率を例えば40%−60%に設定すれば、設定した色の自動選択したポイントの調整値の40%と手動選択したポイントの調整値の60%でインキキー5が調節される。また、印刷画像電子データ取り込み装置13で取り込んだデータ、例えばCIP3のPPFデータによって目標色を計算するには、PPFデータのうち低解像度絵柄データを利用し、予測法(Neugebauer方程式、マスキング方程式や最小二乗法、Look Up Table 補間法等)により目標色を予測する。この目標色と反射濃度計1から取り込んだ印刷中のデータを比較して偏差を求め、該偏差に基いてインキキー開度信号を計算し、該インキキー開度信号を受けてインキキー5の開度を制御するインキキー制御装置20でインキキー5の開度を修正する。
【0016】
さらに、本実施形態の印刷品質管理装置の動作について図4に示すフローチャートを参照して説明すると、以下の通りである。先ず、目標の色調値計算の基となる細分された各画素の各色毎の面積率等のデータを保有する印刷画像電子データであるCIP3データを取り込み装置13に取り込み(ステップS1 )、このデータに基づいてモニタに印刷する絵柄を端末装置14に表示する(ステップS2 )。一方、インキキーゾーンの認知を行なう(ステップS3 )。そして、ユーザ指定の絵柄ポイントがあるか否かを判断し(ステップS4 )、ユーザ指定の絵柄ポイントがない場合には絵柄ポイントの自動決定(自動選定)を行ない(ステップS5 )、ユーザ指定の絵柄ポイントがある場合には絵柄ポイントの指定(手動選定)を行なう(ステップS6 )。そして、端末装置14により自動指定部と手動指定部の使用利率(自動−手動利用比率)を設定し(ステップS7 )、その指令信号を端末装置14から演算装置12に送出する。次いで、この指令信号に基づいて演算装置12において絵柄ポイントの目標色を計算する(ステップS8 )。印刷結果の絵柄すなわち印刷している絵柄の上記ポイントにおける色調値を反射濃度計1にて計測し(ステップS9 )、目標色と印刷結果の色との偏差を計算し(ステップS10)、この偏差に基づいてインキキー開度を演算装置12にて計算する(ステップS11)。この際、インキキー開度信号に対応する数値表示がなされる。そして、演算装置12からインキキー開度信号をインキキー制御装置20に送出し、これに応じて、インキキー5の開度調整を行なう(ステップS12)。なお、ステップS9 〜S12の工程は印刷結果の色が目標色に合うまで施行されて反復計算がなされる。
【0017】
以上のように本実施形態に係る印刷品質管理装置及びこの装置を用いた印刷品質管理方法によれば、自動制御するための印刷物10の対象部を全面にするのではなく、全面を細分した画素Eに対してインキキーゾーンZ毎に例えば4ポイント(自動的に選定)+1ポイント(任意に手動選定)だけにするので、全画像要素Eの積算や平均化をする必要がなくなる。特に、印刷している印刷物10の印刷状態検出器である反射濃度計1のデータは、インキキーゾーンZの1個所につき[4ポイント+1ポイント]の計5ポイントだけ記憶すればよいので、処理が容易で、記憶容量も少なくて済むという利点がある。
【0018】
また、制御に適する対象要素を自動的に選んでいるので、制御する印刷品質を安定にすることができる。すなわち、低画線の部分を自動制御の対象点にして制御した時、そのゾーンの高画線部分の色調は大きく振れるが、高画線の部分を自動制御の対象点にして制御すると、他の低画線部の色調の振れは小さく安定している。それは、図5にインキ膜厚変化に対する色差変化が画線率に応じてどのように変化するかを表わしたグラフを参照すると明確である。図5から分かるように、同じ色差でもインキ膜厚の変化は画線率が小さい方が大きい。すなわち、濃度計で計測できる変化量がある値だとすれば、その値に対するインキ膜厚の変化は高画線のものに比べ低画線のものは大きい。また、色調検出器の検出精度も混色部分から特定色の値を判定するより、検出する色そのものの方が安定して検出できる。従って、本実施形態において採用している優先順で制御対象点を選定して全体を制御すれば、全体の色調を安定的に目標値に制御できる。
【0019】
一方、端末装置14により手動で制御対象点を選定できるようにしているので、例えば、ちらしやカタログの印刷等において特に注目したい商品などの絵柄が自動制御対象点として選ばれていない場合には、その部分を自動制御対象点に指定できる。そして、自動選択ポイント及び手動選択ポイントのうちのどちらをどの程度重きを置いて自動制御するかを端末装置14にて任意に設定できるようにしているので、より細やかな色調調整を自動制御で行なうことができる。また、印刷画像電子データ取り込み装置13から取り込んだデータを色調制御目標値の設定のために使用するようにしているので、校正刷りや試刷りによるOKシートを印刷する必要がなく、印刷準備時間並びに印刷による費用損失のない高能率で高生産性の印刷機にすることができると共に、自動制御の目標点の選定を電子データで行なえるのでその目標点選定を確実かつ容易に行なうことができる。従って、簡素で、木目細かい色調調節を行なうことが可能な自動式の印刷品質管理装置を提供することができ、この印刷品質管理装置を印刷機に備えることにより高生産性の印刷機を提供することができる。
【0020】
また、図6は、本発明の第2実施形態に係る印刷品質管理装置を示している。この印刷品質管理装置は、既述の第1実施形態に係る印刷品質管理装置の構成に校正刷り又はOKシートスキャナ15(校正刷り又はOKシートの絵柄を検知する第2の色調検知装置)を追加し、このスキャナ15にて取り込んだデータを、色調自動制御の色調の目標値のデータとして加えるようにしたものである。
【0021】
既述の第1実施形態においては、色調制御する画素位置の選定と色調自動制御のための目標値の両方とも印刷画像電子データ取り込み装置13にて取り込んだデータに基いて決定するようにしたが、第2実施例においては、上記色調制御する画素位置の選定は印刷画像電子データ取り込み装置13にて取り込んだデータに基いて既述の如き優先順に従って自動的に決定する一方、色調自動制御のための色調の目標値は校正刷り又はOKシートスキャナ15にて取り込んだデータに基づいて設定するように構成している。
【0022】
既述の第1実施形態では色調自動制御のための色調の目標値も印刷画像電子データ取り込み装置13にて取り込んだデータに基いて設定すべく、このデータを色調の目標値にするためにデータを予測法等を利用して変換するようにしているが、第2実施形態によれば、その手順(工程)を省略することができる。校正刷り又はOKシートが容易に入手できる場合には、第2実施形態の構成に基づき色調の目標値を決定するのが簡便である。第2実施形態の場合には、第1実施形態の場合のように校正刷り又はOKシートを印刷する必要がないという効果は奏し得なくなるが、長い時間(面倒な手間)と費用を注いでも少しでも色調の良いものを得たい場合には、第2実施形態を適用するのが望ましい。従って、第2実施形態の印刷品質管理装置及びその装置を用いた印刷品質管理方法によれば、校正刷り又はOKシートを全く使用しないで済むという作用効果を除いて、既述の1実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0023】
また、図7は、本発明の第3実施形態に係る印刷品質管理装置を示している。この印刷品質管理装置は、既述の第1実施形態に係る印刷品質管理装置において設けられている印刷画像電子データ取り込み装置13を省略し、それに代えて、版又はフィルムの絵柄を検知するスキャナ(画線検知装置)16と、校正刷り又はOKシートの絵柄を検知するスキャナ(第2の色調検知装置)15を設けたものである。
【0024】
既述の第1実施形態においては、印刷画像電子データ取り込み装置13にて取り込んだデータに基づいて、一つは自動制御の対象画素をインキキーゾーンZ毎に自動選定すると共に、もう1つは上記データから自動制御の色調の目標値を予測するようにしていたが、第3実施形態においては、自動制御の対象画素をインキキーゾーンZ毎に自動選定するのは版又はフィルムの絵柄を検知するスキャナ(画線検知装置)16にて取り込んだデータに基づいて行なう一方、自動制御の色調の目標値を設定するのは校正刷り又はOKシートの絵柄を検知するスキャナ(第2の色調検知装置)15にて取り込んだデータを使用するように構成している。
【0025】
このように構成した第3実施形態の場合には、印刷画像電子データがない場合であっても活用でき、かつ、色調制御する色調の目標値を各色の画像の面積データから予測する必要はないという利点がある。従って、第3実施形態の構成によれば、印刷画像電子データの利用に関連した効果を除いて、既述の1実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0026】
本発明の実施形態につき述べたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、反射濃度計1に代えて反射分光計を使用しても良く、反射分光計にすれば、4色以上のものに対応できる。インキキーゾーンZ毎の画素におけるポイントの数はn色機のときはn個所(但し、nは整数)に変更可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、印刷画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを有する電子データを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1個所だけ自動的に選定してこの選定された箇所を色調の自動制御対象とし、上記選定された箇所の画素について設定した色調制御目標値(例えば、上記電子データを演算装置により色調データに変換してこの色調データの上記選定された箇所の画素を色調制御目標値とする)と上記選定された箇所の画素の色調状態に関する現状値とを比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにしているので、次にような作用効果を得ることができる。すなわち、自動制御するための印刷物の対象部を全面にするのではなく、全面を細分した画像要素に対してインキキーゾーンZ毎に所定数のポイントだけにするので、全画像要素の積算や平均化をする必要がなくなる。また、選定された箇所の画素の色調状態に関する現状値を検出する印刷状態検出器(反射濃度計等)のデータは、インキキーゾーンの1個所につき所定数のポイントだけ記憶すればよいので、処理が容易で、記憶容量も少なくて済むという利点がある。さらに、インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1個所だけ自動的に選定することにより、全体の色調を安定的に目標値に制御でき、制御する印刷品質を安定にすることができる。しかも、印刷画像電子データを目標値の設定のために使用するようにしているので、校正刷りや試刷りによるOKシートを印刷する必要がなく、印刷準備時間並びに印刷による費用損失のない高能率で高生産性の印刷機にすることができると共に、自動制御の目標点の選定を電子データで行なえるのでその目標点選定を確実かつ容易に行なうことができる。従って、簡素で、木目細かい色調調節を行なうことが可能な自動式の印刷品質管理装置を提供することができ、この印刷品質管理装置を印刷機に備えることにより高生産性の印刷機を提供することができる。
【0028】
また、本発明によれば、端末装置により色調自動制御の対象画素を手動で任意に選定し、この手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを調節設定するように構成(端末装置により手動で制御対象点を選定できるように構成)しているので、ちらしやカタログの印刷等において特に注目したい絵柄部分を自動制御対象点に指定でき、より細やかな色調調整を自動制御で行なうことができる。
【0029】
また、本発明によれば、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記選定された箇所の画素を色調制御目標値とするようにしたので(すなわち、色調自動制御のための色調の目標値は校正刷り又はOKシートスキャナ等にて取り込んだデータに基づいて設定するようにしたので)、校正刷り又はOKシートが容易に入手できる場合には、このような手段にて色調の目標値を簡便に決定することができる。この場合、校正刷り又はOKシートを印刷する必要が生じるが、長い時間(面倒な手間)と費用を注いでも少しでも色調の良いものを得たいときには、この方法及び装置を用いるのが望ましい。
【0030】
また、本発明によれば、版又はフィルムの画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータに基づいて自動制御の対象画素をインキキーゾーン毎に自動選定するようにしたので、印刷画像電子データがない場合であっても活用でき、かつ、色調制御する色調の目標値を各色の画像の面積データから予測する必要がないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷品質管理装置のシステム構成図である。
【図2】図1の印刷品質管理装置による制御対象設定例を示す説明図である。
【図3】図2において符号Xで示す部分の拡大図である。
【図4】図1の印刷品質管理装置により施行される動作手順を示すフローチャートである。
【図5】色調検知する色差とインキ膜厚との関係を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る印刷品質管理装置のシステム構成図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る印刷品質管理装置のシステム構成図である。
【図8】従来における印刷機の印刷品質管理装置のシステム構成図である。
【図9】図8の印刷品質管理装置による制御対象設定例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 反射濃度計(第1の色調検知装置)
5 インキキー
10 印刷物
11 エンコーダ
12 演算装置
13 印刷画像電子データ取り込み装置
14 端末装置
15 校正刷り又はOKシートスキャナ(第2の色調検知装置)
16 版又はフィルムスキャナ(画線検知装置)
20 インキキー制御装置
E 画素(画像要素)
Z インキキーゾーン
Claims (7)
- 画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを有する電子データを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記自動選定された箇所の画素について設定した色調制御目標値と上記自動選定された箇所の画素の色調状態に関する現状値とを比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記任意選定された箇所の画素について設定した色調制御目標値と上記任意選定された箇所の画素の色調状態に関する現状値とを比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしたことを特徴とする印刷品質管理方法。
- 印刷画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを有する電子データを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記電子データを演算装置により色調データに変換してこの色調データの上記自動選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とすると共に、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記自動選定された箇所の各画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、上記電子データを演算装置により色調データに変換してこの色調データの上記任意選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とすると共に、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記任意選定された箇所の各画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしたことを特徴とする印刷品質管理方法。
- 印刷画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを有する電子データを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記自動選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記自動選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記任意選定された箇所の各画素の値を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記任意選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両 値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしたことを特徴とする印刷品質管理方法。
- 版又はフィルムの画像を細分した画素毎の画線面積率等のデータを印刷機のインキ調整機構の調節単位幅であるインキキーゾーン毎に認知し、各インキキーゾーン内の画素のうち制御対象にする画素を特定の優先順により各色毎に1箇所だけ自動的に選定してこの自動選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記自動選定された箇所の画素を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記自動選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、さらに、各インキキーゾーン毎の制御対象にする画素の箇所選定を自動選定することに加えて、オペレータが任意の箇所を選定してこの任意選定された箇所の画素を色調の自動制御対象とし、校正刷り又はOKシートの色調を読み取ってこの読み取ったデータの上記任意選定された箇所の画素を色調制御目標値とし、印刷している印刷物の色調状態を検知した画素データの上記任意選定された箇所の画素の値を現状値とし、上記色調制御目標値及び現状値の両値を比較演算し、その差に基いて各色のインキキーを制御するようにし、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを指定し、上記指定に基づいて、上記自動選定した箇所の画素及び上記任意選定した箇所の画素を自動制御対象にして、上記自動選定された箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記任意選定された箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしたことを特徴とする印刷品質管理方法。
- (a) 印刷画像を細分した印刷に関する印刷画像電子データを取り込む印刷画像電子データ取り込み装置と、
(b) 印刷している印刷面の印刷色調を検知する第1の色調検知装置と、
(c) 上記取り込まれる印刷画像電子データを上記第1の色調検知装置からのデータと比較できる数値へ変換して色調制御目標値を計算し、細分されている印刷画像電子データから特定の優先順に従って自動制御すべき画素を選定し、この選定した画素部分の色調制御目標値と、上記第1の色調検知装置からのデータを基に計算される印刷状態色調値とを比較してその差に基いてインキキー開度信号を送出する演算装置と、
(d) 上記演算装置からのインキキー開度信号によりインキキーの開度を制御するインキキー制御装置と、
(e) 上記印刷画像電子データによりモニタに印刷する画像を表示する端末装置と、
をそれぞれ具備し、
上記端末装置により、色調自動制御の対象画素を手動で任意に選定し、この手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを調節設定し得るように構成し、上記調節設定に基づいて、上記手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素を制御対象として、上記自動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記自動選定した箇所の画素についての比較演算と同様にして上記手動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしたこと、
を特徴とする印刷品質管理装置。 - (a) 印刷画像を細分した印刷に関する印刷画像電子データを取り込む印刷画像電子データ取り込み装置と、
(b) 印刷している印刷面の印刷色調を検知する第1の色調検知装置と、
(c) 色調制御の目標値にするために校正刷り又はOKシートを細分された画素毎に検知する第2の色調検知装置と、
(d) 上記印刷画像電子データ取り込み装置から取り込んだ印刷画像電子データから特定の優先順に従って自動制御すべき画素を選定し、この選定した画素部分の色調制御目標値と、上記第1の色調検知装置からのデータを基に計算される印刷状態色調値とを比較し、その差に基いてインキキー開度信号を送出する演算装置と、
(e) 上記演算装置からのインキキー開度信号によりインキキーの開度を制御するインキキー制御装置と、
(f) 上記印刷画像電子データによりモニタに印刷する画像を表示する端末装置と、
をそれぞれ具備し、
上記端末装置により、色調自動制御の対象画素を手動で任意に選定し、この手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを調節設定し得るように構成し、上記調節設定に基づいて、上記手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素を制御対象として、上記自動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記自動選定した箇所の画素についての比較演算と同様にして上記手動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしたこと、
を特徴とする印刷品質管理装置。 - (a) 版又はフィルムの画像を細分した画素を測定して得られる画素データを取り込むための画線検知装置と、
(b) 印刷している印刷面の印刷色調を検知する第1の色調検知装置と、
(c) 色調制御の目標値にするために校正刷り又はOKシートを細分された画素毎に検知する第2の色調検知装置と、
(d) 上記画線検知装置から取り込んだ画素データから特定の優先順に従って自動制御すべき画素を選定し、この選定した画素部分の色調制御目標値と、上記第1の色調検知装置からのデータを基に計算される印刷状態色調値とを比較し、その差に基いてインキキー開度信号を送出する演算装置と、
(e) 上記演算装置からのインキキー開度信号によりインキキーの開度を制御するインキキー制御装置と、
(f) 上記画素データによりモニタに印刷する画像を表示する端末装置と、
をそれぞれ具備し、
上記端末装置により、色調自動制御の対象画素を手動で任意に選定し、この手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素のうちのどちらをどの程度だけ制御対象として利用するかを調節設定し得るように構成し、上記調節設定に基づいて、上記手動選定した自動制御対象画素及び上記演算装置で自動選定した自動制御対象画素を制御対象として、上記自動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果と、上記自動選定した箇所の画素についての比較演算と同様にして上記手動選定した箇所の画素について行った比較演算の結果との両方を合わせて、各色のインキキーを制御するようにしたこと、
を特徴とする印刷品質管理装置。
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