JP3794114B2 - 洗濯機の助成剤注入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯槽に液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の液体の洗濯助成剤を投入する洗濯機の助成剤注入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、洗濯兼脱水槽に液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤を投入する助成剤投入装置は、図6および図7に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図6に示すように、助成剤ケース1は、引き出し自在に注水装置2に収納し、注水装置2内には、助成剤ケース1内に水道水を注水する注水口3を設けている。注水口3より注水された水道水は、助成剤ケース1より溢れ、注水装置2の流水口4より洗濯槽(図示せず)に注水するように構成している。
【0004】
上記構成において、助成剤ケース1を引き出し、液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤5を入れて注水装置2に収納し、注水口3から水道水を注水すると、注水された水道水は、図7に示すように、助成剤ケース1内の洗濯助成剤5を薄めるかたちで注水され、経路aを通り流水口4を通って洗濯槽に洗濯助成剤5とともに注水される。注水口3からの注水が終了すると、助成剤ケース1内に残った洗濯助成剤5を含む助成液は、サイフォンの原理によって経路bより排出され、流水口4を通り洗濯槽に注水される。
【0005】
サイフォンの原理について説明すると、注水口3より注水されて、cの位置まで水位が上がると、管状の通水経路6より洗濯助成剤5を含む助成液が落下をはじめる。このとき、落下する助成液が助成剤ケース1内の助成液を吸い上げる働きをし、連鎖的に助成剤ケース1内の助成液をすべて排出することができる。この原理は、液体の排水装置としては、広く一般に知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、図8に示すように、注水口3からの注水7によって、特に助成液の吐き出し速度より注水速度がはやい場合に、助成剤ケース1の取っ手8側に溢れることがあり、取っ手8が洗濯助成剤5を含む助成液で汚れてしまう不具合があった。
【0007】
また、注水口3からの注水量が多い場合で、サイフォン原理によって、助成液を排出させるキャップ9を別部品のサイフォンふた(図示せず)によって構成した場合に、このサイフォンふたと助成剤ケース1の嵌合が甘い場合に、注水中にサイフォンふたがはずれ、サイフォン原理の連鎖的流出を疎外し、結果的に助成剤ケース1に助成液が残るという問題を有していた。
【0008】
また、注水口3からの注水量が多い場合には、助成剤ケース1中への注水時に空気を巻き込み、この空気が経路bに侵入しサイフォン原理の連鎖的流出を疎外する場合があり、結果的に助成剤ケース1に助成液が残るという問題を有していた
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、注水速度がはやい場合においても、洗濯助成剤を含む助成液が助成剤ケースの外側に溢れるのを防止し、助成液で汚れるのを防止しながら、洗濯助成剤を洗濯槽に注水できるようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤を投入する助成剤投入部を有する助成剤ケースを注水装置に引き出し可能に収納し、流水口より助成剤ケースを通して洗濯槽内に注水し、注水装置内に、助成剤ケースに注水する注水口を配設し、注水口からの注水終了後助成剤投入部内の洗濯助成剤を含む助成液がサイフォンの原理で排出される経路を助成剤投入部に設け、助成剤ケースの引き出し側である前面と助成剤投入部との間に隙間を設け、注水口からの注水中において、助成剤投入部から溢れた助成液が隙間を通って流水口上に排出されるように構成したものである。
【0011】
これにより、注水速度がはやい場合においても、助成剤ケース内に注水された水によって助成剤投入部より溢れた洗濯助成剤を含む助成液は、助成剤投入部との間に設けた隙間を通って流水口に排出されて、助成剤ケースの外側に取っ手を汚すような助成液の溢れを防止することができ、助成液で助成剤ケースの外側が汚れるのを防止しながら、洗濯助成剤を洗濯槽に注水することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤を投入する助成剤投入部を有する助成剤ケースと、前記助成剤ケースを引き出し可能に収納し前記助成剤ケースを通して流水口より洗濯槽内に注水する注水装置と、前記注水装置内に設けられ前記助成剤ケースに注水する注水口と、前記助成剤投入部に設けられ前記注水口からの注水終了後前記助成剤投入部内の洗濯助成剤を含む助成液がサイフォンの原理で排出される経路とを備え、前記助成剤ケースの引き出し側である前面と前記助成剤投入部との間に隙間を設け、前記注水口からの注水中において、前記助成剤投入部から溢れた助成液が前記隙間を通って前記流水口上に排出されるように構成したものであり、助成剤ケース内に注水された水によって助成剤投入部より溢れた洗濯助成剤を含む助成液は、助成剤投入部との間に設けた隙間を通って流水口に排出されて、助成剤ケースの外側に取っ手を汚すような助成液の溢れを防止することができ、助成液で助成剤ケースの外側が汚れるのを防止しながら、洗濯助成剤を洗濯槽に注水することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、助成剤ケースにふたを配設し、前記ふたは、助成剤投入部と隙間の間の壁の上部に嵌合するとともに、助成剤投入部内の助成液がサイフォンの原理で排出される経路を形成するためのキャップを一体に形成するように構成したものであり、助成剤ケースの所定の位置にふたを確実に装着することができ、特に強い水流でもふたのはずれ、ずれを防止することができ、サイフォン原理の連鎖的流出を安定化させ、洗濯助成剤を含む助成液が残るのを防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、助成剤ケースにふたを配設し、前記ふたは、注水口の下方に前記注水口からの水の流れに対して直角にならない角度を有する注水反射面を有するように構成したものであり、ふたの注水反射面によって、注水口からの水が直接助成剤ケースに入ることがなく、また、注水口からの水圧を緩和することができるため、助成剤ケース内への空気の侵入を防止することができ、サイフォン原理の連鎖的流出を安定化させ、洗濯助成剤を含む助成液が残るのを防止することができる
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0016】
(実施例1)
図1に示すように、助成剤ケース10は、液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤5を投入する助成剤投入部11を有し、注水装置2に引き出し可能に収納している。この助成剤ケース10の引き出し側に助成剤投入部11との間に隙間12を設けている。他の構成は従来例と同じである。
【0017】
上記構成において、助成剤ケース10を引き出し、助成剤投入部11に液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤5を入れて注水装置3に収納し、注水口3から水道水を注水すると、注水された水道水は、図2に示すように、助成剤ケース10の助成剤投入部11内の洗濯助成剤5を薄めるかたちで注水され、洗濯助成剤5を含む助成液は、経路aを通り流水口4を通って洗濯槽(図示せず)に洗濯助成剤5とともに注水される。
【0018】
ここで、注水口3からの注水速度が助成剤投入部11からの吐き出し速度よりはやい場合は、洗濯助成剤5を含む助成液が助成剤投入部11より溢れる。この溢れた助成液は、図2の矢印で示すように、隙間12を通って流水口4に排出される。
【0019】
これにより、助成液の吐き出し速度より注水速度がはやい場合で、助成剤投入部11より助成液が溢れる場合でも、助成剤ケース10の引き出し側に助成剤投入部11との間に設けた隙間12を通って、助成剤を流水口4側へ排出することができ、取っ手8が助成剤で汚れてしまう不具合を防止することができる。
【0020】
(実施例2)
図3に示すように、ふた13は、助成剤ケース10に配設したもので、管状の通水経路6を形成する突出部14との間に経路bを形成し、サイフォン原理によって、助成剤ケース10内の洗濯助成剤5を含む助成液を排出させるキャップの機能を有している。ふた13には、隙間12に嵌合するコ字状の嵌合継手15を設け、この嵌合継手15を隙間12に嵌合し、てこの原理を利用してふた13を助成剤ケース10に押しつけるブリッジの構成としている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0021】
上記構成において、ふた13は、隙間12に嵌合するように構成しているため、助成剤ケース10に強固に取り付けることができ、注水口3からの注水中に水圧などによりふた13がはずれたり、ずれることがなく、注水口3からの注水が終了すると、助成剤ケース1の助成剤投入部11内に残った洗濯助成剤5を含む助成液は、サイフォンの原理によって経路bよりすべて排出され、助成剤ケース1の助成剤投入部11内に洗濯助成剤5を含む助成液が残るのを防止することができる。
【0022】
(実施例3)
図4に示すように、ふた16は、助成剤ケース10に配設したもので、注水口3からの水の流れに対して直角にならない角度を有する注水反射面17を設けている。他の構成は上記実施例1または2と同じである。
【0023】
上記構成において、注水口3から注水された水は、ふた16の注水反射面17によって、直接助成剤ケース10に入ることがなく、また、注水口3からの水圧を緩和することができるため、助成剤ケース10内へ勢いよく注水されることがなく、注水時に空気の侵入を防止することができる。また、強い注水によって助成液内に巻き込んでいた空気を分離することができる。
【0024】
その結果、注水口3からの注水が終了すると、助成剤ケース1の助成剤投入部11内に残った洗濯助成剤5を含む助成液は、サイフォンの原理によって経路bよりすべて排出され、助成剤ケース1の助成剤投入部11内に洗濯助成剤5を含む助成液が残るのを防止することができる。
【0025】
(実施例4)
図5に示すように、ふた18は、助成剤ケース10に配設したもので、隙間12に嵌合するコ字状の嵌合継手15を設けるとともに、嵌合継手15と対向する位置に取っ手部19を設け、この取っ手部19により助成剤ケース10より着脱自在に取り外すように構成している。他の構成は上記実施例2と同じである。
【0026】
上記構成において、ふた18は、隙間12に嵌合するように構成しているため、上記実施例2と同様に、助成剤ケース10に強固に取り付けることができ、注水口3からの注水中に水圧などによりふた18がはずれたり、ずれることがなくなる。
【0027】
掃除などのメンテナンスのためにふた18を取り外すとき、取っ手部19に指をかけて引っ張ることで、ふた18を簡単にはずすことができ、掃除などのメンテナンスを行うことができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤を投入する助成剤投入部を有する助成剤ケースと、前記助成剤ケースを引き出し可能に収納し前記助成剤ケースを通して流水口より洗濯槽内に注水する注水装置と、前記注水装置内に設けられ前記助成剤ケースに注水する注水口と、前記助成剤投入部に設けられ前記注水口からの注水終了後前記助成剤投入部内の洗濯助成剤を含む助成液がサイフォンの原理で排出される経路とを備え、前記助成剤ケースの引き出し側である前面と前記助成剤投入部との間に隙間を設け、前記注水口からの注水中において、前記助成剤投入部から溢れた助成液が前記隙間を通って前記流水口上に排出されるように構成したから、助成剤ケース内に注水された水によって助成剤投入部より溢れた洗濯助成剤を含む助成液は、助成剤投入部との間に設けた隙間を通って流水口に排出されて、助成剤ケースの外側に取っ手を汚すような助成液の溢れを防止することができ、助成液で助成剤ケースの外側が汚れるのを防止しながら、洗濯助成剤を洗濯槽に注水することができる。
【0029】
また、請求項2に記載の発明によれば、助成剤ケースにふたを配設し、前記ふたは、助成剤投入部と隙間の間の壁の上部に嵌合するとともに、助成剤投入部内の助成液がサイフォンの原理で排出される経路を形成するためのキャップを一体に形成するように構成したから、助成剤ケースの所定の位置にふたを確実に装着することができ、特に強い水流でもふたのはずれ、ずれを防止することができ、サイフォン原理の連鎖的流出を安定化させ、洗濯助成剤を含む助成液が残るのを防止することができる。
【0030】
また、請求項3に記載の発明によれば、助成剤ケースにふたを配設し、前記ふたは、注水口の下方に前記注水口からの水の流れに対して直角にならない角度を有する注水反射面を有するように構成したから、ふたの注水反射面によって、注水口からの水が直接助成剤ケースに入ることがなく、また、注水口からの水圧を緩和することができるため、助成剤ケース内への空気の侵入を防止することができ、サイフォン原理の連鎖的流出を安定化させ、洗濯助成剤を含む助成液が残るのを防止することができる
図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯機の助成剤注入装置の斜視図
【図2】 同洗濯機の助成剤注入装置の断面図
【図3】 本発明の第2の実施例の洗濯機の助成剤注入装置の断面図
【図4】 本発明の第3の実施例の洗濯機の助成剤注入装置の断面図
【図5】 本発明の第4の実施例の洗濯機の助成剤注入装置の斜視図
【図6】 従来の洗濯機の助成剤注入装置の斜視図
【図7】 同洗濯機の助成剤注入装置の断面図
【図8】 同洗濯機の助成剤注入装置の注水状態の断面図
【符号の説明】
2 注水装置
3 注水口
4 流水口
5 洗濯助成剤
10 助成剤ケース
11 助成剤投入部
12 隙間

Claims (3)

  1. 液体洗剤、リンス剤、仕上げ剤等の洗濯助成剤を投入する助成剤投入部を有する助成剤ケースと、前記助成剤ケースを引き出し可能に収納し前記助成剤ケースを通して流水口より洗濯槽内に注水する注水装置と、前記注水装置内に設けられ前記助成剤ケースに注水する注水口と、前記助成剤投入部に設けられ前記注水口からの注水終了後前記助成剤投入部内の洗濯助成剤を含む助成液がサイフォンの原理で排出される経路とを備え、前記助成剤ケースの引き出し側である前面と前記助成剤投入部との間に隙間を設け、前記注水口からの注水中において、前記助成剤投入部から溢れた助成液が前記隙間を通って前記流水口上に排出されるように構成した洗濯機の助成剤注入装置。
  2. 助成剤ケースにふたを配設し、前記ふたは、助成剤投入部と隙間の間の壁の上部に嵌合するとともに、助成剤投入部内の助成液がサイフォンの原理で排出される経路を形成するためのキャップを一体に形成するように構成した請求項1記載の洗濯機の助成剤注入装置。
  3. 成剤ケースにふたを配設し、前記ふたは、注水口の下方に前記注水口からの水の流れに対して直角にならない角度を有する注水反射面を有するように構成した請求項1または2に記載の洗濯機の助成剤注入装置。
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