JP3793058B2 - 押出機構およびこれを備えた成形金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形や圧縮成形などに用いられる金型の型体から成形体を離型させるための押出機構、およびこれを備えた成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
金型を用いた射出成形や圧縮成形などでは、成形体は、金型において成形体の外形を規定する型体に対して、成形収縮や表面凹凸の作用によって、付着する場合が多い。そのため、射出成形や圧縮成形に用いられる金型には、一般に、型体間で成形された成形体を、型開きした型体から取り外すための押出機構が配設されている。
【0003】
図13は、従来の成形金型の一例である射出成形金型Cの断面図である。射出成形金型Cは、上下開閉式の金型として構成され、固定型取付板81と、これに固定支持される固定型82と、固定型取付板81に対して進退可能な可動型取付板83と、スペーサ84を介して可動型取付板83に固定支持される可動型85とを備える。可動型取付板83は、射出成形装置の第1油圧シリンダ(図示略)に連結されており、この第1油圧シリンダの作動によって、可動型取付板83、スペーサ84および可動型85が上下動される。
【0004】
更に、射出成形金型Cには、可動型85の側に押出機構90が配設されている。押出機構90は、可動型85を上下に摺動自在に貫く押出ピン91と、この押出ピン91の基端部91aを固定支持する押出板92と、押出板92と可動型85との間に介装されたスプリング93とからなる。押出板92は、押出板ロッド92aを備え、この押出板ロッド92aは、射出成形装置のダイプレート100に固定された第2油圧シリンダ101のシリンダロッド101aに当接可能に設けられている。第2油圧シリンダ101の作動とスプリング93の作動によって、押出板92および押出ピン91が上下動される。
【0005】
射出成形装置の第1油圧シリンダの作動によって、図13に示すように、固定型82に対して可動型85が合わされて型締めされると、固定型82と可動型85との間には、空隙部86が形成される。樹脂材料は、固定型82または可動型85に開設された図外の射出孔を介して空隙部86に充填されることによって、所定形状に成形される。樹脂成形体が充分に凝固した後に型開きすると、樹脂成形体は、例えば可動型85の空隙規定面85aに付着している場合が多い。
【0006】
そこで、型開きの後、第2油圧シリンダ101が作動することによって、シリンダロッド101aおよびこれに当接している押出板ロッド92aを介して、押出板92が下方に駆動される。これに伴って押出ピン91も下方に駆動され、その先端が可動型85の空隙規定面85aから突出される。このとき、押出ピン91の先端が樹脂成形体を押動し、これによって、可動型85の空隙規定面85aに付着していた樹脂成形体が、射出成形金型Cから完全に取り外されることとなる。
【0007】
固定型82および可動型83に対する樹脂成形体の付着性は、各型体の空隙規定面の形状などによって相違する。そのため、型開きの際に樹脂成形体が可動型85から離れて固定型82に付着する場合には、押出機構90は、固定型82の側に配設される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
押出機構90が例えば可動型85の側に配設される場合、押出ピン91は、それぞれ、配設箇所における可動型85の厚み寸法に応じた適切な長さを有する必要があるので、樹脂成形体の形状毎に設計変更される可動型85に応じて、押出ピン91も設計変更する必要がある。一方、全ての押出ピン91は、一律に駆動されるべく、その基端部91aが押出板92によって固定支持されており、押出ピン91と押出板92とスプリング93とが一体となって構成する押出機構90、並びに、成形装置に対して可動型85を装着するための可動型取付板83およびこれに固定されているスペーサ84も、可動型85の設計変更に応じて取り替える必要がある。このように、従来の射出成形金型Cでは、成形体の形状毎に全ての金型構成部品を取り替えなければならず、金型作製に要するコストが高くなっており、ひいては樹脂成形体の製造コストの上昇を招いてしまっている。
【0009】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、以上に述べた問題点を解消または軽減することを課題とし、一部が汎用化されることによって金型作製に要するコストを低減することが可能な押出機構、およびこれを備えた成形金型を提供することを目的とする。
【0010】
【発明の開示】
本発明の第1の側面によると、成形金型における型体の空隙規定面から成形体を取り外すための押出機構が提供される。この押出機構は、空隙規定面にて開口するように型体に形成された貫通孔に対して摺動可能に設けられるとともに、基端部および先端部を有する押出ピンと、押出ピンの基端部に当接して押出ピンの先端部を空隙規定面から突出させるための押出板と、押出ピンを戻り位置に変位させるための戻し機構と、を備え、押出ピンは、型体および戻し機構によってのみ支持されており、前記戻し機構は、エアシリンダによって構成されていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によると、成形金型に配設される押出機構の一部を汎用化することができる。具体的には、押出ピンが、型体および戻し機構によって支持されているため、押出板が押出ピンを固定支持する必要がなく、押出ピンと押出板との機械的な分離が図られている。そのため、可動型または固定型の設計変更に応じて、押出機構のうち押出ピンなどの一部の構成部品を取り替えることによって、押出板などの駆動機構の一部を、型体取付板やスペーサと共に、異なる型体に対しても使用することができる。このように、本発明の第1の側面によると、押出機構の一部を汎用化することができ、その結果、金型作製に要するコスト、ひいては樹脂成形体の製造コストを低減することが可能となるのである。
【0012】
【0013】
本発明の第2の側面によると、成形金型が提供される。この成形金型は、第1の型体と、第1の型体に対向して第1の型体とともに空隙を規定し、空隙規定面にて開口する貫通孔を有する第2の型体と、当該第2の型体の貫通孔に対して摺動可能に設けられるとともに、基端部および先端部を有する押出ピンと、押出ピンの基端部に当接して押出ピンの先端部を空隙規定面から突出させるための押出板と、押出板を駆動するための駆動手段と、押出ピンを戻り位置に変位させるための戻し機構と、を備え、押出ピンは、型体および戻し機構によってのみ支持されており、前記戻し機構は、エアシリンダによって構成されていることを特徴とする。
【0014】
このような構成の成形金型は、本発明の第1の側面に係る押出機構を備える。したがって、本発明の第2の側面によっても、第1の側面に関して上述したのと同様の効果が奏される。
【0015】
本発明の第2の側面においては、好ましくは、第1の型体は、固定型取付板に支持固定された固定型であり、第2の型体は、可動型取付板に支持固定され且つ固定型に対して進退可能な可動型である。そして好ましくは、固定型には、その表面に開口し且つ空隙部に連している射出孔が設けられており、樹脂材料射出工程において、射出装置で用意された溶融状態にある樹脂材料がこの射出孔を介して空隙部に射出可能に構成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0017】
図1は、本発明を説明するのに役立つ参考例に係る射出成形金型Aの断面図である。射出成用金型Aは、上下開閉式の金型として構成され、固定型取付板11と、これに固定支持される固定型12と、固定型取付板11に対して進退可能であって、成形装置のダイプレート50に支持される可動型取付板13と、これに固定支持されるスペーサ14と、これに固定支持される可動型15とを備える。固定型12および可動型15は、それぞれ、樹脂成形体が充填される空隙部16を規定するための空隙規定面12a,15aを有する。また、可動型取付板13には、成形装置のダイプレート50を介して、射出成形装置の第1油圧シリンダ(図示略)が連結されており、この第1油圧シリンダの作動によって、可動型取付板13およびこれに一体化されている他の構成部が上下方向に駆動される。
【0018】
更に、射出成形金型Aには、可動型15の側に押出機構20が配設されている。押出機構20は、押出ピン21と、ピン戻しバネ22と、押出板23と、ガイドポスト24と、押出板付勢バネ25と、ストッパ26とを具備する。この押出機構20の押出動作を駆動すべく、成形装置のダイプレート50には、シリンダロッド51aを有する第2油圧シリンダ51が配設されている。
【0019】
押出ピン21は、可動型15に開設された貫通孔15bに対して摺動自在に設けられている。ピン戻しバネ22は、押出ピン21が貫装されて、押出ピン21の基端部21aと可動型15に取付けられている。押出板23は、押出ピン21の基端部21aに当接して押出ピン21を押動するためのものであり、第2油圧シリンダ51からの駆動力を受けるための押出板ロッド23aを有する。ガイドポスト24は、押出板23を案内するために、押出板23を貫通して可動型取付板13と可動型15との間に架設されている。押出板付勢バネ25は、押出板23と可動型15との間において、ガイドポスト24が貫装されている。ストッパ26は、押出板23が可動型取付板13に直接的に当接または衝突するのを防止するために、固定型取付板13に設けられている。第2油圧シリンダ51は、そのシリンダロッド51aを介して、これに当接した状態にある押出板ロッド23aに対して駆動力を伝達する。この第2油圧シリンダ51の作動によって、押出板23および押出ピン21が図中下方向に駆動され、押出板付勢バネ25およびピン戻しバネ22の作動によって、押出板23および押出ピン21が図中上方向に駆動される。
【0020】
図1に示す射出成形金型Aは、樹脂成形体を製造するための一連の工程における型締工程の配置をとる。型締工程においては、可動型15は、射出成形装置の第1油圧シリンダ(図示略)の作動によって、可動型取付板13と一体となって固定型12に接近し、固定型12に対して合わされる。可動型15が固定型12に対して合わされた状態すなわち型締状態において、両型体の間には樹脂が充填される空間としての空隙部16が形成される。型締工程においては、押出ピン21は、ピン戻しバネ22のバネ弾性力が適宜調節されることによって、その初期位置に位置決めされている。ここで、押出ピン21の初期位置とは、押出ピン21の先端部21bが可動型15の空隙規定面15aと面一状となる位置をいう。また、本工程では、押出板23は、押出板付勢バネ25に付勢されてストッパ26に当接することによって、その後退位置に位置決めされている。本参考例では、型締工程において、押出板23と押出ピン21の基端部21aとは離隔している。
【0021】
図2は、上述の型締工程に続いて行われる樹脂材料射出工程を表す。本工程では、型締工程で形成された空隙部16に、溶融状態にある樹脂材料17が充填される。具体的には、図外の樹脂射出装置で溶融された樹脂材料17が、当該射出装置から、空隙部16に連通するように固定型12に形成された図外の射出孔を介して、所定の圧力で空隙部16に射出される。
【0022】
図3は、空隙部16に充填された樹脂材料17が充分に固化した後に行われる型開工程を表す。本工程では、射出成形装置の第1油圧シリンダ(図示略)が作動することによって、可動型取付板13、可動型15および押出機構20などが一体となって、上方に駆動される。本参考例では、このとき、樹脂成形体17’は、可動型15の空隙規定面15aに付着するものとする。図3に表されている可動型15の空隙規定面15aは凸状であるため、樹脂成形体17’は、特にその成形時における収縮に起因して、固定型12の空隙規定面12aよりも、空隙規定面15aに付着する傾向にある。
【0023】
図4は、上述の型開工程の後に行われる離型工程を表す。本工程では、押出機構20が稼動することによって、樹脂成形体17’が空隙規定面15aから取り外されて、成形体の離型が行われる。具体的には、成形装置の第2油圧シリンダ51が作動して、シリンダロッド51aおよびこれに当接する押出板ロッド23aを介して、押出板23を下方に駆動する。押出板23は、下方移動の過程において、押出ピン21の基端部21aに当接し、当接以後、押出ピン21を押動する。すると、押出ピン21は、その先端部21bが空隙規定面15aから突出しようとして、空隙規定面15aに付着している樹脂成形体17’を押動する。これによって、図4に示すように、樹脂成形体17’は空隙規定面15aから取り外される。
【0024】
図5は、上述の離型工程の後に行われる戻し工程を表す。本工程では、押出機構20が初期状態に復帰する。具体的には、第2油圧シリンダ51が作動して、シリンダロッド51aを後退させると、これに追随して、押出板付勢バネ25から上方への付勢力を受けている押出板23が、図4の下端位置から上方に移動する。押出板23の上方移動過程の途中までは、ピン戻しバネ22から上方への付勢力を受けている押出ピン21は、押出板23の上方移動に追随する。押出ピン21が、その初期位置に復帰したときに、ピン戻しバネ22の押出ピン21に対する付勢力は消滅し、押出ピン21の基端部21aは、押出板23から離隔する。押出板23は、その後も、押出板付勢バネ25に付勢されてシリンダロッド51aに追随し、最終的には、ストッパ26に当接することによって、後退位置に位置決めされる。
【0025】
以上のように、本参考例に係る押出機構20では、樹脂成形体17’を直接押し出すための押出ピン21は、可動型15の貫通孔15b、および、可動型15に取り付けられたピン戻しバネ22によって良好に支持され、その押出機能を発揮することができる。その結果、押出板23は、押出ピン21から機械的に分離して設けることが可能となっているのである。このような構成によると、成形体の設計変更に応じて、固定型12、可動型15、押出ピン21およびピン戻しバネ22を取り替える必要がある場合においても、押出機構20の一部、すなわち、押出板23、ガイドポスト24、押出板付勢バネ25は、取り替える必要がなく、異なる固定型および可動型に対して汎用することができる。また、可動型取付板13およびスペーサ14も汎用可能である。その結果、金型作製に要するコスト、ひいては樹脂成形体の製造コストを低減することが可能となる。
【0026】
図6は、本発明の実施形態に係る射出成形金型Bの断面図である。射出成用金型Bは、上下開閉式の金型として構成され、固定型取付板31と、これに固定支持される固定型32と、固定型取付板31に対して進退可能であって、成形装置のダイプレート50に支持される可動型取付板33と、これに固定支持されるスペーサ34と、これに固定支持される可動型35とを備える。固定型32および可動型35は、それぞれ、樹脂成形体が充填される空隙部36を規定するための空隙規定面32a,35aを有する。また、可動型取付板33には、成形装置のダイプレート50を介して、射出成形装置の第1油圧シリンダ(図示略)が連結されており、この第1油圧シリンダの作動によって、可動型取付板33およびこれに一体化されている他の構成部が上下方向に駆動される。
【0027】
更に、射出成形金型Bには、可動型35の側に押出機構40が配設されている。押出機構40は、押出ピン41と、エアシリンダユニット42と、押出板43と、ガイドポスト44と、押出板付勢バネ45と、ストッパ46とを具備する。この押出機構40の押出動作を駆動すべく、成形装置のダイプレート50には、シリンダロッド51aを有する第2油圧シリンダ51が配設されている。
【0028】
押出ピン41は、可動型35に開設された貫通孔35bに対して摺動自在に設けられている。エアシリンダユニット42は、可動型35に取付けられており、押出ピン41が貫装されている。押出板43は、押出ピン41の基端部41aに当接して押出ピン41を押動するためのものであり、第2油圧シリンダ51からの駆動力を受けるための押出板ロッド43aを有する。ガイドポスト44は、押出板43を案内するために、押出板43を貫通して可動型取付板33と可動型35との間に架設されている。押出板付勢バネ45は、押出板43と可動型35との間において、ガイドポスト44が貫装されている。ストッパ46は、押出板43が可動型取付板33に直接的に当接または衝突するのを防止するために、固定型取付板33に設けられている。第2油圧シリンダ51は、そのシリンダロッド51aを介して、これに当接した状態にある押出板ロッド43aに対して駆動力を伝達する。この第2油圧シリンダ51の作動によって、押出板43および押出ピン41が図中下方向に駆動され、押出板付勢バネ45およびエアシリンダユニット42の作動によって、押出板43および押出ピン41が図中上方向に駆動される。
【0029】
図7は、押出ピン41の戻し機構として機能するエアシリンダユニット42の概略構成図である。エアシリンダユニット42は、基底部47’を有するシリンダ47を有し、シリンダ47には、押出ピン41が貫装されている。押出ピン41には、シリンダ47内で往復動するピン翼41cが設けられている。シリンダ47は、給排気口47aおよび排気口47bを有し、給排気口47aには、電磁弁48を介してエアポンプPが連結されている。電磁弁48によって、エアポンプPおよび排気口48aに対する給排気口47aの連通状態が、適宜切り換えられる。また、エアシリンダユニット42には、接触式センサであるリミットスイッチ49が押出ピン41に対して摺動可能に配設されており、これによって、押出ピン41の位置が検出される。
【0030】
このような構成のエアシリンダユニット42において、押出板43が基端部41aを押動することによって、押出ピン41ないしピン翼41cが、基底部47’に向かって変位するときは、電磁弁48の作動により、給排気口47aと電磁弁48の排気口48aとが連通状態とされ、給排気口47aを介して排気が行われる。一方、電磁弁48の作動により、給排気口47aとエアポンプPとが連通状態とされ、エアポンプPからシリンダ47へと給気されると、押出ピン41ないしピン翼41cは、基底部47’から離れる方向へ変位させられる。リミットスイッチ49が、押出ピン41が所定位置に達したことを検知するときまで、給気を行うことによって、押出ピン41を、当該所定位置まで変位させることができる。このとき、排気口47bを介して排気が行われる。
【0031】
図6に示す射出成形金型Bは、樹脂成形体を製造するための一連の工程における型締工程の配置をとる。型締工程においては、可動型35は、射出成形装置の第1油圧シリンダ(図示略)の作動によって、可動型取付板33と一体となって固定型32に接近し、固定型32に対して合わされる。可動型35が固定型32に対して合わされた状態すなわち型締状態において、両型体の間には樹脂が充填される空間としての空隙部36が形成される。型締工程においては、押出ピン41は、エアシリンダユニット42に対する相対位置が適宜調節されることによって、その初期位置に位置決めされている。ここで、押出ピン41の初期位置とは、押出ピン41の先端部41bが可動型35の空隙規定面35aと面一状となる位置をいう。また、本工程では、押出板43は、押出板付勢バネ45に付勢されてストッパ46に当接することによって、その後退位置に位置決めされている。本実施形態では、型締工程において、押出板43と押出ピン41の基端部41aとは離隔している。
【0032】
図8は、上述の型締工程に続いて行われる樹脂材料射出工程を表す。本工程では、型締工程で形成された空隙部36に、溶融状態にある樹脂材料37が充填される。具体的には、図2を参照して射出成形装置Aに関して上述したのと同様である。
【0033】
図9は、空隙部36に充填された樹脂材料37が充分に固化した後に行われる型開工程を表す。本工程では、射出成形装置の第1油圧シリンダ(図示略)が作動することによって、可動型取付板33、可動型35および押出機構40などが一体となって、上方に駆動される。本実施形態においても、先の参考例に関して上述したのと同様の理由に基づき、樹脂成形体37’は、可動型35の空隙規定面35aに付着するものとする。
【0034】
図10は、上述の型開工程の後に行われる離型工程を表す。本工程では、押出機構40が稼動することによって、樹脂成形体37’が空隙規定面35aから取り外されて、成形体の離型が行われる。具体的には、成形装置の第2油圧シリンダ51が作動して、シリンダロッド51aおよびこれに当接する押出板ロッド43aを介して、押出板43を下方に駆動する。押出板43は、下方移動の過程において、押出ピン41の基端部41aに当接し、当接以後、押出ピン41を押動する。すると、押出ピン41は、その先端部41bが空隙規定面35aから突出しようとして、空隙規定面35aに付着している樹脂成形体37’を押動する。これによって、図10に示すように、樹脂成形体37’は空隙規定面35aから取り外される。
【0035】
図11は、上述の離型工程の後に行われる戻し第1工程を表す。本工程では、押出板43が後退位置に復帰する。具体的には、第2油圧シリンダ51が作動して、シリンダロッド51aを後退させると、これに追随して、押出板付勢バネ45から上方への付勢力を受けている押出板43が、図10の下端位置から上方に移動し、ストッパ46に当接する後退位置に復帰する。
【0036】
図12は、上述の戻し第1工程の後に行われる戻し第2工程を表す。本工程では、押出ピン41が初期位置に復帰する。具体的には、シリンダユニット42が稼動して、押出ピン41を、図10の下端位置から上方に変位させる。このとき、図7を参照して上述したように、ポンプPからシリンダ47へ給気され、ピン翼41cが給気圧を受けることによって、押出ピン41が上方へ駆動される。ポンプPによる給気は、リミットスイッチ49が押出ピン41の初期位置への変位を検知したときに停止される。押出ピン41がこのように初期位置に変位することによって、押出機構40の全体が初期状態に復帰することとなる。
【0037】
以上のように、本実施形態に係る押出機構40では、樹脂成形体37’を直接押し出すための押出ピン41は、可動型35の貫通孔35b、および、可動型35およびこれに取りつけられたシリンダユニット42によって良好に支持され、その押出機能を発揮することができる。その結果、押出板43は、押出ピン41から分離して設けることが可能となっているのである。このような構成によると、成形体の設計変更に応じて、固定型32、可動型35、押出ピン41およびシリンダユニット42を取り替える必要がある場合においても、押出機構40の一部、すなわち、押出板43、ガイドポスト44、押出板付勢バネ45は、取り替える必要がなく、異なる固定型および可動型に対して汎用することができる。また、可動型取付板33およびスペーサ34も汎用可能である。その結果、金型作製に要するコスト、ひいては樹脂成形体の製造コストを低減することが可能となる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について上下開閉式の射出成形金型およびそれに配設される押出機構を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限らず、水平開閉式の射出成形金型およびそれに配設される押出機構においても適用できる。また、可動型の側に代えて、又はこれに加えて、固定型の側に押出機構を配設することもできる。また、本発明に係る押出機構およびこれを備えた成形金型は、射出成形金型に限らず、圧縮成形用の金型にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によると、押出機構の一部を汎用化することができ、その結果、金型作製に要するコストを低減することが可能となり、ひいては、樹脂成形体の製造コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するのに役立つ参考例に係る成形金型の断面図である。
【図2】 図1に示す成形金型を用いた射出成形における樹脂材料射出工程を表す。
【図3】 図2に続く型開工程を表す。
【図4】 図3に続く離型工程を表す。
【図5】 図4に続く戻し工程を表す。
【図6】 本発明の実施形態に係る成形金型の断面図である。
【図7】 図6に示す成形金型が備えるエアシリンダユニットの概略構成図である。
【図8】 図6に示す成形金型を用いた射出成形における樹脂材料射出工程を表す。
【図9】 図8に続く型開工程を表す。
【図10】 図9に続く離型工程を表す。
【図11】 図10に続く戻し第1工程を表す。
【図12】 図11に続く戻し第2工程を表す。
【図13】 従来の成形金型の一例の断面図である。
【符号の説明】
A,B 射出成形金型
12,32 固定型
15,35 可動型
12a,15a,32a,35a 空隙規定面
20,40 押出機構
21,41 押出ピン
21a,41a 基端部
21b,41b 先端部
22 ピン戻しバネ
42 エアシリンダユニット
23,43 押出板
23a,43a 押出板ロッド
24,44 ガイドポスト
25,45 押出板付勢バネ
26,46 ストッパ
41c ピン翼
51 第2油圧シリンダ
51a シリンダロッド

Claims (2)

  1. 成形金型における型体の空隙規定面から成形体を取り外すための押出機構であって、
    前記空隙規定面にて開口するように前記型体に形成された貫通孔に対して摺動可能に設けられるとともに、基端部および先端部を有する押出ピンと、
    前記押出ピンの基端部に当接して前記押出ピンの先端部を前記空隙規定面から突出させるための押出板と、
    前記押出ピンを戻り位置に変位させるための戻し機構と、を備え、
    前記押出ピンは、前記型体および前記戻し機構によってのみ支持されており、
    前記戻し機構は、エアシリンダによって構成されていることを特徴とする、押出機構。
  2. 第1の型体と、
    前記第1の型体に対向して前記第1の型体とともに空隙を規定し、空隙規定面にて開口する貫通孔を有する第2の型体と、
    前記第2の型体の前記貫通孔に対して摺動可能に設けられるとともに、基端部および先端部を有する押出ピンと、
    前記押出ピンの基端部に当接して前記押出ピンの先端部を前記空隙規定面から突出させるための押出板と、
    前記押出板を駆動するための駆動手段と、
    前記押出ピンを戻り位置に変位させるための戻し機構と、を備え、
    前記押出ピンは、前記型体および前記戻し機構によってのみ支持されており、
    前記戻し機構は、エアシリンダによって構成されていることを特徴とする、成形金型
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