JP3792523B2 - 積層シート、積層シートの製造方法及び積層シートの成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量性、曲げ強度、圧縮強度、熱成形性及び寸法安定性に優れた積層シート、積層シートの製造方法及び積層シートの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から熱可塑性樹脂からなる発泡体は、軽量性、断熱性及び柔軟性等に優れていることから各種断熱材、緩衝材、浮揚材等に用いられている。その中でも特にポリオレフィン系樹脂発泡体は、耐熱性や寸法安定性等に優れていることから二次的に熱成形することによって車両用のドア、天井、インストルメンタルパネル等の内装用部材に幅広く用いられている。
そして、特開平8−11254号公報には、ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む熱可塑性樹脂発泡体を用いた車両用内装材に好適な複合発泡体が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記複合発泡体は、軽量性を向上させるために熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率を向上させると、得られる複合発泡体の曲げ強度や圧縮剛性が低下してしまい、車両用天井材に用いた場合、加工時や車両への取付時に曲げ撓みや破損を生じ、取付部分が凹んだり或いは複合発泡体が破損してしまい据え付け安定性が損なわれるといった問題点があった。
【0004】
更に、従来では車両用内装材を車両に取付けた後に該車両用内装材にランプ等の周辺部材を取付けていたが、近年では車両の組み立て作業におけるモジュール化が進み、予め車両用内装材にランプ等の周辺部材を取付けておき、この周辺部材が取付けられた車両用内装材を車両に取付ける取付方法が広く用いられるに至っており、車両用内装材には今まで以上の曲げ強度や圧縮剛性が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、軽量性に優れているとともに曲げ強度、圧縮強度、熱成形性及び寸法安定性に優れた積層シート、積層シートの製造方法及び積層シートの成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層シートは、熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に補強シートが積層一体化され、補強シートは、非溶融性繊維が互いに絡合してなるとともに該非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂によって結着されてなる不織布からなる一方、上記熱可塑性樹脂発泡シートは、その気泡のアスペクト比Dz/Dxyが1.2以上であり且つその発泡倍率が5〜50cm3 /gであり、少なくとも一つの上記補強シートの表面に熱可塑性樹脂からなる表面層が積層一体化されて、上記補強シートの非溶融性繊維による凹凸面が被覆、隠蔽され、更に、表面層を構成する熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂とが相溶性を有していると共に、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂が補強シート中に進入して熱可塑性樹脂発泡シートと一体化していることを特徴とする。
【0007】
上記熱可塑性樹脂発泡シートに用いられる熱可塑性樹脂は、従来から発泡体に汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリピロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体;ポリスチレン、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリスチレン系樹脂等が挙げられ、得られる積層シートが軽量性、耐薬品性、柔軟性、高弾性に優れていることからポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン又はポリプロピレンがより好ましく、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合物が特に好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられても併用されてもよく、ポリオレフィン系樹脂とこれ以外の熱可塑性樹脂とを併用する場合には、ポリオレフィン系樹脂が樹脂総量の70重量%以上となるように調整することが好ましい。これは、後述するようにして熱分解型発泡剤を用いて熱可塑性樹脂を発泡させる際、熱可塑性樹脂を溶融させて流動性を付与する必要があるが、通常、ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂の融点よりも高いためにポリオレフィン系樹脂の含有量が低いと熱可塑性樹脂全体の融点が高くなってしまい、発泡時における熱可塑性樹脂全体の流動性が低下して発泡性が損なわれることがあるからである。
【0008】
又、上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、又、エチレン成分を含有する共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体のいずれであってもよい。
【0009】
更に、ポリオレフィン系樹脂にポリスチレン系樹脂を添加したものを用いれば、軽量性、耐薬品性、柔軟性、高弾性及び機械的強度に優れた積層シートを得ることができ好ましく、かかる場合において、上記ポリスチレン系樹脂の含有量は、多いと、ポリオレフィン系樹脂の有する優れた軽量性、耐薬品性、柔軟性、高弾性が発揮されないので、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の総量の30重量%以下が好ましい。
【0010】
又、上記熱可塑性樹脂は、発泡時においてある程度の伸長応力を備えている必要があることから、例えば、以下の方法によって架橋構造が付与される。
【0011】
第一の架橋方法としては、上記熱可塑性樹脂に発泡時において所望範囲内の流動性と伸長応力とを付与して軽量性及びリサイクル性に優れた熱可塑性樹脂発泡シートを得るべく、上記熱可塑性樹脂及びラジカル反応をし得る官能基を2個以上有する多官能モノマーを、有機過酸化物を必要に応じて加えた上で、押出機やニーダー等の汎用の溶融混練装置に供給し、上記熱可塑性樹脂を円滑に溶融混練できるように熱可塑性樹脂の溶融粘度を調整しつつ、この溶融混練装置中において上記熱可塑性樹脂に多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂とした上で、即ち、熱可塑性樹脂に多官能モノマーを反応させ、最終的に熱可塑性樹脂に付与しようとする架橋構造の一部を熱可塑性樹脂に導入した上でシート状等の所望形状に形成した後、上記変性熱可塑性樹脂を多官能モノマーの反応温度以上に加熱することによって上記熱可塑性樹脂に更に架橋構造を付与して発泡に適した伸長応力を付与する方法が挙げられる。
【0012】
上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性するには、熱可塑性樹脂と多官能モノマーとに、必要に応じて有機過酸化物を加えたものを押出機やニーダー等の汎用の溶融混練装置に供給して溶融、混練することにより行なうことができる。なお、上記多官能モノマーとして特にジビニル化合物又はジアリル化合物を用いた場合には有機過酸化物を添加することが好ましい。
【0013】
上記多官能モノマーとしては、例えば、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニル化合物、アリル系多官能化合物、(メタ)アクリル系多官能化合物、キノン化合物等が挙げられる。
【0014】
上記ジオキシム化合物としては、化1に示されるオキシム基又はこのオキシム基中の水素原子を他の原子団R(主として炭化水素基)で置換した化2に示される置換オキシム基のうちのいずれか一方を2つ有するか、或いは、双方を一つづつ有する化合物を意味し、具体的には、化3で示されるp−キノンジオキシムや化4で示されるp,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等が挙げられる。なお、ジオキシム化合物は単独で用いられても併用されてもよい。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
上記ビスマレイミド化合物とは、化5に示されるマレイン酸イミド(マレイミド)構造を分子内に2つ以上有する化合物を意味し、例えば、化6に示されるN,N’−p−フェニレンビスマレイミド、化7に示されるN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、化8に示されるジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げられ、更に、化9に示されるようなマレイミド構造が分子内に2個以上存在するポリマレイミドもビスマレイミド化合物に包含される。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
上記ジビニル化合物としては、化10に示されるo−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0026】
【化10】
【0027】
上記アリル系多官能化合物とは、アリル基(CH2 =CHCH2 −)を分子内に2つ以上有する化合物を意味し、例えば、化11に示されるようなジアリルフタレート、化12に示されるようなトリアリルシアヌレート、化13に示されるようなトリアリルイソシアヌレート、化14に示されるようなジアリルクロレンデート等が挙げられる。
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
上記(メタ)アクリル系多官能化合物としては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリル化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等のトリ(メタ)アクリル化合物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
上記キノン化合物としては、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベンゾキノン等が挙げられる。
【0034】
上記多官能モノマーの添加量は、多いと、熱可塑性樹脂の架橋密度が高くなりすぎてリサイクル性が低下したり、或いは、積層シートを得るための発泡性シートを押出機から押出す際に押出機に高い付加がかかったりメルトフラクチャーが発生したりすることがあり、又、少ないと、熱可塑性樹脂に発泡時に必要な伸長応力を付与することができないことがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部が好ましく、0.2〜2重量部がより好ましい。
【0035】
上記熱可塑性樹脂と上記多官能モノマーとを溶融、混練する際の樹脂温度は、高いと、熱可塑性樹脂が分解することがあり、又、低いと、熱可塑性樹脂の変性が不十分となって発泡性シートの発泡時における伸長応力が不十分となり所望発泡倍率の熱可塑性樹脂発泡シートが得られないことがあるので、170℃以上で且つ熱可塑性樹脂の分解温度以下であることが好ましく、200〜250℃がより好ましい。
【0036】
更に、上記の如くして多官能モノマーによって変性された熱可塑性樹脂の発泡時における流動性を向上させて、発泡に必要な発泡圧をより低下させるとともに後述する所望範囲内のアスペクト比を有する紡錘形状気泡を備えた熱可塑性樹脂発泡シートをより確実に得るために、この変性された熱可塑性樹脂に更に未変性の熱可塑性樹脂を添加して溶融、混練することが好ましい。なお、上記変性された熱可塑性樹脂と未変性の熱可塑性樹脂とは互いに相溶性を有しておればよく、同種であっても異種であってもよい。
【0037】
上記有機過酸化物としては、上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させることができれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2、4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等が挙げられ、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンが好ましい。上記有機過酸化物は単独で用いられても併用されてもよい。
【0038】
上記有機過酸化物の添加量は、多いと、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用いた場合に所謂β開裂が顕著に生じて得られる変性された熱可塑性樹脂の分子量が低くなりすぎて熱可塑性樹脂の物性の低下や流動性の低下による発泡不良が生じることがあり、又、少ないと、熱可塑性樹脂の多官能モノマーによる変性が不十分となることがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましく、0.005〜0.15重量部が更に好ましい。
【0039】
そして、上記熱可塑性樹脂に架橋構造を付与する第二の方法としては、上記熱可塑性樹脂に架橋助剤を所定量添加した後、この熱可塑性樹脂に所定量の電離性放射線を照射して熱可塑性樹脂に架橋構造を付与する方法が挙げられる。
【0040】
上記架橋助剤としては、熱可塑性樹脂の架橋の際に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、o−ジビニルベンゼン,m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。なお、上記架橋助剤は単独で用いられても併用されてもよい。
【0041】
上記架橋助剤の添加量は、多いと、熱可塑性樹脂の架橋密度が高くなりすぎて発泡性が低下することがあり、又、少ないと、熱可塑性樹脂の架橋密度が低くて均質な発泡体が得られないことがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.3〜5重量部が好ましい。
【0042】
上記電離性放射線による架橋の度合いは、ゲル分率を目安として調整され、該ゲル分率としては、大きいと、積層シートの成形性が低下することがあり、又、小さいと、積層シートの曲げ強度が低下することがあるので、好ましくは15〜70重量%、更に好ましくは18〜65重量%となるように調節され、電離性放射線量としては、通常1〜20Mr
adとされる。なお、電離性放射線としては、発泡体の架橋に従来から用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられる。
【0043】
なお、本発明において、ゲル分率とは、以下の方法によって測定したものをいう。先ず、熱可塑性樹脂発泡シートを所定量秤取し、120℃のキシレン25mlに24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して金網上の不溶解分を真空乾燥する。次に、この真空乾燥された不溶解分の重量を秤量し、下記に示す式にてゲル分率を算出する。
〔ゲル分率(%)〕=(不溶解分の真空乾燥重量/秤取した熱可塑性
樹脂発泡シート重量)×100
【0044】
上述のようにして熱可塑性樹脂は適度な架橋構造を付与されて所望範囲内の流動性と伸長押力とを有し、得られる積層シートは成形性及び表面性に優れたものとなる。
【0045】
更に、上記発泡シートには、積層シートの曲げ強度や圧縮剛性を向上させるために無機充填材が添加されてもよく、このような無機充填材としては、例えば、酸化チタン等の金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレー、マイカ等の粉末状無機充填材、シラスバルン、ガラスバルン、フライアッシュバルン等のバルン状無機充填材等が挙げられ、これらの中でも、熱可塑性樹脂に対する剛性向上の効果が大きく、得られる積層シートの寸法安定性が優れているという点からタルク又はマイカが好ましい。
【0046】
そして、上記無機充填材の大きさは、大きいと、上記発泡性シートの発泡時において破泡してしまい、高発泡倍率の発泡シートを得ることができないことがあるので、粒径が20μm以下のものが好ましく、粒径が5μm以下のものがより好ましい。又、上記無機充填材のアスペクト比は、大きいと、得られる熱可塑性樹脂発泡シートの曲げ弾性勾配が向上するので、5以上が好ましい。
【0047】
上記無機充填材の添加量は、多いと、得られる積層シートの軽量性が低下し、又、少ないと、得られる積層シートの曲げ剛性や圧縮剛性が低下するので、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜100重量部に限定され、5〜30重量部が好ましい。
【0048】
又、上記熱可塑性樹脂発泡シートには、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジラウリルチオプロピオネート等の酸化防止剤やメチルベンゾトリアゾール等の金属防止剤を添加してもよい。
【0049】
上記熱可塑性樹脂発泡シートの気泡は、その大半がその長さ方向を熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に指向させてなる紡錘形状(ラグビーボール状)に形成されている。このように、熱可塑性樹脂発泡シートの気泡の大半をその長さ方向が熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に指向させられた状態に配向させることにより、上記熱可塑性樹脂発泡シートは、その厚み方向の圧縮剛性に優れ、しかも、上記熱可塑性樹脂発泡シート中の互いに隣接する気泡同士は、熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向の変形に対して何ら互いに干渉し合わないことから、熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に加えられる成形応力に対して気泡同士は熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に円滑に且つ確実に互いにずれた状態に変位でき、よって、上記熱可塑性樹脂発泡シートはその厚み方向の成形応力によって所望形状に正確に且つ確実に賦形することができる。
【0050】
上記熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比Dz/Dxyは、小さいと、得られる熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向の圧縮剛性が低下するので、1.2以上に限定され、1.5以上が好ましく、2以上が特に好ましい。
【0051】
なお、上記熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比Dz/Dxyは、以下の要領で測定されたものをいう。即ち、先ず、熱可塑性樹脂発泡シートをその厚み方向に切断し、第1図のように、この切断面に露出している気泡断面における熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向の長さDz と熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に対して垂直で且つ切断面に沿った方向の長さDxyとを測定して各気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)を算出する。そして、得られた各気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)の平均値を算出して、熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比Dz/Dxyとしている。なお、上記測定において測定の対象となる気泡は、切断面において隣接する気泡と連結したりすることなく完全に独立した状態の気泡のみであり、例えば、切断面において隣接する気泡同士がそれら対向する部分において連結して一体化している気泡や端部が熱可塑性樹脂発泡シートの表面に達しているような気泡等は測定対象から除外される。
【0052】
上記熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率は、高いと、得られる積層シートの圧縮剛性や曲げ強度等の機械的強度が低下し、又、低いと、得られる積層シートの軽量性が低下するので、5〜50cm3 /gに限定され、10〜30cm3 /gが好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率は、JIS K6767に準拠して測定されたものであり、見かけ密度の逆数である。
【0053】
上記熱可塑性樹脂発泡シートの圧縮強度は、小さいと、熱可塑性樹脂発泡シートの最大曲げ強度も低くなるため積層シートを加工したり車両用内装材として用いる際に作業者が誤って積層シートを曲げて破断したりすることがあり、又、積層シートを積み重ねた際にへたったり変形したり、或いは、車両用天井材としてビスを用いて自動車に取付ける際に、このビスによりその周囲の積層シートがへこみ、取付け安定性が損なわれたりすることがあるので、9.8N/cm2 以上が好ましく、14.7N/cm2 以上がより好ましく、29.4N/cm2 以上が更に好ましい。
【0054】
本明細書において用いられる圧縮強度(σ)は、厚み方向に加わる圧縮力に対する抵抗を示す値であり、以下のようにして求められる。先ず、長さ50mm×幅50mmの熱可塑性樹脂発泡シートを積み重ねて、厚み約25mmの積層体を作成し、この厚みを初期厚みとして正確に測定する。次いで、温度20℃、湿度65%RHの条件下で、圧縮温度10mm/分で、初期厚みの25%を圧縮して(即ち、積層体の厚みが初期厚みの75%となるように圧縮して)、その荷重W(N)を測定し、このWを圧縮面積A(cm2 )で除して算出される。
圧縮強度(σ)=W(N)/A(cm2 )
【0055】
更に、本発明の積層シートは、上記熱可塑性樹脂発泡シートの一面に、好ましくは両面に上記補強シートが積層一体化される。なお、上記熱可塑性樹脂発泡シートの両面に補強シートを積層一体化させる場合、該熱可塑性樹脂発泡シートの両面に積層一体化させる補強シートは互いに異種類のものであってもよいが、得られる積層シートの寸法安定性の観点から熱可塑性樹脂発泡シートの両面に積層一体化させる補強シートは同種類のものを用いるのが好ましい。
【0056】
上記補強シートを構成する非溶融性繊維とは、積層シートの製造工程或いは積層シートを所望形状に成形させる際において加えられる熱により溶融しない繊維、換言すれば、積層シートの製造工程或いは積層シートを所望形状に成形させる際において加えられる熱にかかわらず形態を保持する繊維をいい、このような非溶融性繊維としては、例えば、綿花、カポック面、亜麻、***、洋麻(ケナフ)、マニラ麻、サイザル麻、ニュージランド麻、マゲー麻、コイヤ等の天然繊維;ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製繊維等が挙げられる。
【0057】
上記非溶融性繊維の補強シート中における含有量は、高いと、補強シート中における熱可塑性樹脂の含有量が相対的に低下して非溶融性繊維同士を良好に絡合させたシート状態に形成させることができないことから、補強シートを熱可塑性樹脂発泡シート上に安定した状態に積層一体化させることができず、よって、積層シートを変形させた際に補強シートが熱可塑性樹脂発泡シートから不測に剥離、離脱することがあり、又、低いと、補強シートの引っ張り強度や曲げ強度が低下するので、20〜90重量%が好ましく、25〜75重量%が好ましい。
【0058】
又、上記非溶融性繊維の繊維長は、長いと、補強シート中における非溶融性繊維が必要以上に絡合してしまい、積層シートを加熱して賦形させた際、補強シートを構成している互いに絡合した非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂発泡シートの表面方向に沿って円滑にずれることができず、補強シートが熱可塑性樹脂発泡シートに追従した状態に変形しないことから、補強シートが熱可塑性樹脂発泡シートから剥離、離脱してしまうといった不測の事態を生じ、更には、非溶融性繊維が折れやすくなったり或いは補強シート中において非溶融性繊維の密度が局所的に大きく変動することにより熱可塑性樹脂発泡シートとの密着性が低下することがあり、又、短いと、積層シートを賦形する際に補強シート中の非溶融性繊維同士の絡合が解けて得られる成形品の曲げ強度が低下することがあるので、10〜150mmが好ましい。
【0059】
更に、上記積層シートの目付強度及び曲げ弾性勾配は補強シートの引っ張り弾性率に依存する一方、補強シートの引っ張り弾性率は、非溶融性繊維の引っ張り弾性率、繊維長、繊維径、解繊度に依存し、その中でも引っ張り弾性率に大きく依存する。
【0060】
従って、上記非溶融性繊維の引っ張り弾性率は、低いと、補強シートの引っ張り弾性率が低下するとともに、得られる積層シートの曲げ弾性勾配や目付強度が低下することがあるので、20GPa以上が好ましく、50GPa以上がより好ましい。なお、上記非溶融性繊維の引っ張り弾性率は、JIS 7601に準拠して測定されたものをいう。
【0061】
上記補強シートの非溶融性繊維は熱可塑性樹脂によって結着されてなるが、この熱可塑性樹脂は従来から不織布のバインダーとして用いられている熱可塑性樹脂であれば、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリピロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体;ポリスチレン、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;飽和ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ポリ−n−プロピル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂;線状ウレタン樹脂等のウレタン樹脂;エポキシ樹脂;ジメチルフタレート;ジメチルイソフタレート等のフタル酸誘導体;酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂発泡シートとの熱融着性の観点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0062】
又、上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、又、エチレン成分を含有する共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体のいずれであってもよい。
【0063】
更に、上記非溶融性繊維同士を結着している熱可塑性樹脂のメルトインデックスは、高いと、積層シートを成形するために加熱した際に補強シート中から流出して補強シートの強度が低下し、ひいては積層シートの曲げ強度等が低下したりすることがあり、又、低いと、積層シートを賦形する際に補強シートの非溶融性繊維同士を結着している熱可塑性樹脂の流動性が低下し、補強シートを構成する非溶融性繊維が熱可塑性樹脂発泡シートの変形に対応して互いに円滑にずれることができず、補強シートが熱可塑性樹脂発泡シート表面に円滑に追従できなくなって積層シートの成形性が低下することがあるので、5〜60g/10分が好ましい。なお、本発明において熱可塑性樹脂のメルトインデックスとは、JISK7210に準拠して測定されたものをいう。
【0064】
なお、後述するように、上記補強シート上に表面層として熱可塑性樹脂シートを積層一体化させる場合、上記補強シート内に熱可塑性樹脂シートの一部が溶融して進入する。しかも、この熱可塑性樹脂シートとしては、上記補強シートを確実に被覆させておくためにメルトインデックスが通常20g/10分以下のものが用いられる。従って、上記補強シートの非溶融性繊維を結着している熱可塑性樹脂は、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂の進入によって僅かにメルトインデックスが低下するが、上記補強シートの非溶融性繊維同士を当初から結着している熱可塑性樹脂の量又は後述する熱可塑性樹脂製繊維が溶融して得られる熱可塑性樹脂の量は、上記補強シート内に進入する上記表面層を構成する熱可塑性樹脂の量に比較して極めて多くその影響は殆どない。
【0065】
上記補強シートに用いられる不織布の製造方法としては、従来から用いられている不織布の製造方法が用いられ、例えば、非溶融性繊維を乾式のサーマルボンド法及びニードルパンチ法並びに湿式で行なう抄造法等によって不織布化し、この不織布化した非溶融性繊維間に溶融した熱可塑性樹脂を分布させることによって不織布を製造する方法、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを絡合させた後、この絡合させた熱可塑性樹脂製繊維を溶融させてバインダーとし、このバインダーによって互いに絡合している非溶融性繊維同士を結着することにより不織布を製造する方法、非溶融性合成樹脂製繊維の表面を熱可塑性樹脂で全面的に被覆してなる芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合させた後、この絡合させた芯鞘型合成樹脂製繊維の熱可塑性樹脂を溶融させてバインダーとし、このバインダーによって非溶融性合成樹脂製繊維同士を結着することにより不織布を製造する方法等が挙げられる。
【0066】
上記補強シートの目付重量は、重いと、積層シートを成形するために積層シートを加熱した際、補強シートの重量によって積層シートの中央部が垂れ下がってしまい、この垂れ下がりが原因となって積層シートにおける熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比が小さくなり、得られる成形品の圧縮強度が低下することがあり、又、低いと、積層シートの曲げ強度が低下することがあるので、10〜70g/m2 が好ましく、20〜65g/m2 がより好ましい。
【0067】
又、上記補強シートの引っ張り強度は、下記理由により2.94N/cm2 以上であることが好ましい。即ち、上記積層シートは、後述するが、発泡性シートの一面に補強用シートを積層一体化してなる発泡性積層シートを発泡させることにより製造されるが、上記発泡性積層シートの発泡時、発泡性シートのその面方向の発泡は補強用シートにより規制されている一方、発泡性シートのその厚み方向の発泡は自由発泡状態とされており、発泡方向を発泡性シートの厚み方向に指向させて、得られる熱可塑性樹脂発泡シートの気泡をその長さ方向を熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に指向させた紡錘形状に形成、即ち、そのアスペクト比Dz/Dxyが上述した所定範囲内となるように調整している。
【0068】
従って、上記補強シートの引っ張り強度が小さい場合には、それに応じて補強用シートの引っ張り強度も小さくなり、該補強用シートによって上記発泡性シートのその面方向の発泡を有効に規制することができず、得られる発泡シートの気泡のアスペクト比Dz/Dxyが所定範囲内とならず、得られる積層シートに所望の圧縮剛性を付与することができないことがあるためである。
【0069】
又、上記補強シートの線膨張係数は、大きいと、得られる積層シートの線膨張係数も大きくなって温度変化による積層シートの伸縮度が大きくなり寸法安定性が低下したり、高温時においては自重によって垂れ下がってきたりすることがあるので、5×10-5/℃以下が好ましく、1×10-5/℃以下がより好ましい。
【0070】
更に、上記補強シートの引っ張り弾性率は、低いと、得られる積層シートの曲げ弾性勾配や目付強度が低下することがあるので、500MPa以上が好ましい。なお、補強シートの引っ張り弾性率は、JIS K7127に準拠して1号形試験片を作成して測定したものをいう。
【0071】
加えて、上記積層シートは、その補強シート表面に、ポリウレタン系エラストマーシート、ポリオレフィン系エラストマーシート、ポリ塩化ビニルシート等の合成樹脂シートや布等の表皮材が積層一体化された上で所望形状に賦形されて用いられるが、この際、上記積層シートの補強シート表面に凹凸が発生していると、この補強シート表面に積層一体化させた表皮材表面にも凹凸が発生し、この表皮材表面に光が当たった場合に影によって凹凸が浮き出たような状態となって外観性が損なわれることがある。
【0072】
一方、上記補強シートの凹凸の原因の一つとして、該補強シートの目付重量のばらつきが考えられ、上記補強シートの目付重量のCv値を好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下として補強シート表面の平滑性を向上させて該補強シート表面に表皮材を積層一体化した際における該表皮材の表面性を向上させて積層シートから得られる成形品の外観性を向上させるのが好ましい。
【0073】
なお、上記補強シートの目付重量のCv値は以下の方法によって測定される。即ち、補強シートから3cm×3cmの試験片を100個切り出し、各試験片の1m2 当たりの重量(目付重量)を測定し、その平均重量(x)及び標準偏差(σ)を算出する。そして、下記式により補強シートの目付重量のCv値を求める。
補強シートの目付重量のCv値(%)=100×σ/x
【0074】
更に、上記補強シートの表面に表面層を積層一体化してもよく、このように補強シートの表面にさらに表面層を積層一体化することによって、表面層が補強シートの非溶融性繊維同士を更に強固に結着させるバインダーの役割を果たし、補強シートの線膨張係数を低下させることができ、ひいては、得られる積層シートを寸法安定性に優れたものとすることができる。
【0075】
しかも、補強シートは不織布から形成されて非溶融性繊維が無秩序に絡合した状態に形成されていることから、補強シートの表面は非溶融性繊維が無秩序に突出した凹凸面に形成されており、該補強シート表面に表皮材を積層する際、非溶融性繊維による凹凸面に起因して表皮材を安定した状態に積層させることができないことがあるが、上記の如く、上記補強シートの表面に表面層を積層一体化することによって上記補強シートの非溶融性繊維による凹凸面を被覆、隠蔽して、その表面を平滑面に形成しておけば、積層シートの表面に表皮材を安定的に且つ確実に積層させて表皮材と積層シートの一体化をより強固なものとして、積層シートの成形中に表皮材が積層シートから剥離、離脱するといった不測の事態を確実に防止することができ、よって、一面に表皮材が積層された積層シートを成形する際にあっても該積層シートに強い成形圧力を加えて積層シートを複雑な形状に正確に且つ確実に成形することができる。
【0076】
なお、上記補強シートが上記発泡シートの両面に積層一体化されている場合には、そのうちの一方の補強シートの表面にのみ表面層が積層一体化されてもよい。
【0077】
上記表面層は、補強シートを被覆することができるものであれば、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体;ポリスチレン、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;飽和ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ポリ−n−プロピル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂;線状ウレタン樹脂等のウレタン樹脂;エポキシ樹脂;ジメチルフタレート;ジメチルイソフタレート等のフタル酸誘導体;酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂から形成され、補強シートの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂の何れか或いは双方と相溶性を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
【0078】
そして、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂と上記熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂とを相溶性を有するものとし、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂を上記補強シートを構成する非溶融性繊維間に進入させて上記熱可塑性樹脂発泡シートの表面に到達させ上記熱可塑性樹脂発泡シートと一体化させておけば、上記補強シートを上記熱可塑性樹脂発泡シート表面に安定した状態に確実に積層させておくことができ、よって、積層シートを加熱して成形する場合にあっても、補強シートを熱可塑性樹脂発泡シートから剥離、離脱させるといった不測の事態を生じさせることなく、積層シートにより強い成形押力を加えてより複雑な形状に確実に成形することができる。加えて、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂と上記補強シートの熱可塑性樹脂(上記補強用シートの熱可塑性樹脂製繊維)と上記熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂とを互いに相溶性を有する熱可塑性樹脂とすれば上記作用効果をより確実に発揮させることができる。
【0079】
しかも、上記表面層は、上記補強シートを構成する非溶融性繊維を包み込んだ状態に被覆していることから、積層シートを加熱して成形する際、上記補強シートを構成する非溶融性繊維はあたかも熱可塑性樹脂中に浮遊したかの如き状態に置かれ、補強シートを構成する非溶融性繊維は熱可塑性樹脂中に浮遊した自由な状態とされており、互いに絡合した非溶融性繊維同士は積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートの変形に追従して該熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に円滑にずれることができ、よって、補強シートは、熱可塑性樹脂発泡シートの変形に追従して該熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に円滑に且つ確実に変形し、熱可塑性樹脂発泡シートの表面から剥離、離脱するといった不測の事態は生じない。従って、積層シートを成形する場合にも該積層シートに強い成形押力を加えて積層シートを複雑な形状に確実に成形させることができると優れた効果を奏する。
【0080】
そして、上記表面層の厚みは、厚いと、得られる積層シートの軽量性が低下することがあり、又、薄いと、表面層を補強シート上に積層一体化させている効果が発揮されないことがあるので、10〜200μmが好ましい。
【0081】
又、上記表面層上には表皮材が積層一体化されて用いられることがあるが、かかる場合、上記表面層は、上記表皮材を上記積層シートに積層一体化させるための接着剤の役割を果たす。
【0082】
即ち、上記表面層上に表皮材を積層一体化させる場合には、上記表面層を加熱して溶融状態とした上で上記表皮材を上記表面層上に載置し、上記表皮材を積層シート側に押圧することによって上記表皮材を上記積層シート上に積層一体化させる。
【0083】
この時、上記表面層には、その表面の前後左右方向に連続的に微細な凹凸部が形成されていることが好ましい。即ち、上記表面層に凹凸部を形成しておくと、上記表皮材を上記積層シート上に積層するために上記表皮材を上記積層シート上に載置した際、上記表面層の凸部が上記表皮材を支持した状態となり、この状態から上記表皮材を上記積層シート側に押圧することになるため上記表面層の凸部には上記表面層全体で支持する場合と異なり大きな圧力が加わることになる。
【0084】
従って、上記表面層の凸部部分は上記表皮材に対して高い圧力でもって押圧、圧壊され、上記表皮材の内面(上記表面層に対向した面)全面に沿って展延され、この展延された凸部部分が高い圧力により上記表皮材の内面に強固に一体化し、上記表皮材は上記表面層上に強固に積層一体化される。
【0085】
このように、上記表面層の凸部部分は、高い圧力によって上記表皮材の内面に沿って全面的に展延、押圧されるので、上記表皮材と上記積層体とを積層一体化させる接着剤の役割を果たす上記表面層を構成する熱可塑性樹脂の量は少量で足り、よって、上記表面層は、該表面層の表面に凹凸部が形成されることなく平滑面に形成されている表面層の場合に比してその厚さを薄くすることができ、よって、積層シートの軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0086】
特に、表皮材として、不織布やニットのような微細孔を多数有する表皮材を用いた場合には、上記表面層の凸部は上記表皮材からの高い圧力を受けて展延されると同時に、上記表皮材の微細孔内に円滑に且つ確実に進入し、よって、上記表皮材は上記積層シート上により強固に且つ確実に積層一体化される。
【0087】
上記表面層に形成される凹凸部の凸部は、上記表皮材によって押圧された後は上記表面層の内面に沿って展延して消失し上記表面層が平滑な面となって上記表皮材の内面の全面が上記表面層の全面に接着一体化した状態となる程度の突出状態に形成されていることが好ましい。
【0088】
具体的には、上記表面層の凹凸部の凸部の形態は、特に限定されず、例えば、円柱状、角柱状、円錐状、角錐状、半球状、截頭円柱状、截頭角錐状等が挙げられる。なお、上記表面層の凹凸部における凸部とは、凹部表面から上方に向かって突出した突出部分のことをいう。
【0089】
そして、上記表面層の凹凸部における凸部の体積は、大きいと、凸部を形成するために表面層の厚みを厚くしなければならず、積層シートの軽量性が低下するとがあり、又、小さいと、凸部による表皮材との接着効果が低下することがありるので、0.001〜5mm3 が好ましく、0.01〜0.5mm3 がより好ましい。
【0090】
又、上記表面層の凹凸部における凸部の高さは、高いと、所望の高さを有する凸部を形成するために表面層の厚みを厚くしなければならず、積層シートの軽量性が低下することがあり、又、低いと、表面層に凹凸部を形成した効果が発揮されないことがあるので、10〜500μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
【0091】
更に、上記表面層の凹凸部における隣接する凸部間の距離は、広いと、表皮材を上記積層シート側に押圧して上記凸部を圧壊、展延させた時、この展延された凸部を構成する樹脂が上記表皮材の内面全体に完全に行き渡らず、上記表皮材と上記積層シートとの接着強度が不足することがあり、又、狭いと、表面層を構成する樹脂量を低減させることができず積層シートの軽量性が低下することがあるので、0.1〜10mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。なお、上記凸部間の距離とは隣接する凸部の上端面間の距離をいい、具体的には、凸部の上端面が尖鋭端となっている場合には隣接する凸部の尖鋭端間の距離をいい、凸部の上端面が平面状となっている場合には隣接する凸部の上端面中央部間の距離をいう。
【0092】
又、上記積層シートは、高い機械的強度を要求された上に補強シート表面を別途用意した基材に接着、固定させて用いられる場合がある。このような場合は、上記積層シートの補強シートを構成する非溶融性繊維として無機繊維を選択して補強シートの機械的強度を向上、ひいては、積層シートの機械的強度を向上させる一方、この無機繊維から構成された補強シート表面に後述する表皮シートを積層一体化すればよい。なお、上記積層シートの補強シート表面に上記表面層が積層一体化されている場合は、上記表面層が積層一体化されていない補強シート表面に上記表皮シートが積層一体化される。
【0093】
上記表皮シートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の非溶融性合成樹脂製繊維が互いに絡合してなるとともに該非溶融性合成樹脂製繊維同士が熱可塑性樹脂によって結着されてなるものである。ここで、上記非溶融性合成樹脂製繊維とは、積層シートの製造工程或いは積層シートを所望形状に成形させる際において加えられる熱により溶融しない合成樹脂製繊維、換言すれば、積層シートの製造工程或いは積層シートを所望形状に成形させる際において加えられる熱にかかわらず形態を保持する合成樹脂製繊維をいう。なお、上記非溶融性合成樹脂製繊維同士を結着している上記熱可塑性樹脂としては、上記補強シートにおいて用いられていると同様の熱可塑性樹脂が用いられる。
【0094】
このように、補強シートの非溶融性繊維として無機繊維を用いる一方、表皮シートの非溶融性繊維として合成樹脂製繊維を用いることにより、上記無機繊維同士を絡合させている補強シートによって上記積層シートの機械的強度を向上させる一方、上記基材と上記積層シートとを接着一体化させるのに用いられる接着剤として、通常、ポリアミド系接着剤、ウレタン系接着剤、ナイロン系接着剤等の合成樹脂製接着剤が用いられるところ、上記表皮シートを構成する非溶融性繊維として、上記接着剤に対して接着性に優れた非溶融性合成樹脂製繊維を用いることによって上記接着剤との接着性を向上させて基材との接着性を向上させ、機械的強度に優れているとともに基材への接着性に優れた積層シートを得ることができる。
【0095】
上記表皮シートを構成する非溶融性合成樹脂製繊維は、長いと、積層シートを成形する際、非溶融性合成樹脂製繊維同士の絡合度合いが大きくなって非溶融性合成樹脂製繊維同士の相互のずれ自由度が低下して積層シートの成形性が低下したり、或いは、積層シートを無理に所望形状に成形しようとすると表皮シートに破れが生じたりすることがあるので、150mm以下が好ましい。更に、この時、上記積層シートの補強シートを構成する無機繊維の繊維長を、上述の通り、10〜150mmに調整することによって、積層シートにより優れた成形性を付与することができる。
【0096】
又、上記表皮シートの目付重量は、重いと、積層シートの軽量性が損なわれ、特に、上記積層シートを車両用内装材に用いた場合には車両の重量が重くなり燃費が低下し、又、軽いと、表皮シート中の非溶融性合成樹脂製繊維量が少なくなり、接着剤を用いて基材に取り付ける際に接着剤の非溶融性合成樹脂繊維に対する接着性及びアンカー効果が低減して積層シートの基材への接着性が低下することがあるので、5〜50g/m2 が好ましい。
【0097】
次に、上記積層シートの製造方法について説明する。上記積層シートの製造方法としては、特に限定されず、例えば、(1) 熱可塑性樹脂に多官能モノマーを添加して上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂を製造し、この変性熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を添加して該熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して発泡性シートを形成した後、この発泡性シートの一面に、非溶融性繊維と合成樹脂製繊維とが互いに絡合した不織布からなる補強用シートを積層して発泡性積層シートを形成し、更に、この発泡性積層シートの少なくとも一つの補強用シート上に表面シートを積層した後、該発泡性積層シートを多官能モノマーの反応温度及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させるとともに補強シートの合成樹脂製繊維を溶融させて非溶融性繊維同士を結着させ、上記表面シートを発泡性積層シートの発泡時に溶融させて補強用シート中に進入させ、発泡性シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと一体化させる積層シートの製造方法、(2) 熱可塑性樹脂、架橋助剤及び熱分解型発泡剤を含有する発泡性樹脂組成物を上記架橋助剤の反応温度及び上記熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して発泡性シートに形成し、この発泡性シートに電離性放射線を照射することによって該発泡性シートに架橋構造を付与する前或いはその後に、上記発泡性シートの一面に、非溶融性繊維と合成樹脂製繊維とが互いに絡合した不織布からなる補強用シートを積層して発泡性積層シートを形成し、更に、この発泡性積層シートの少なくとも一つの補強用シート上に表面シートを積層した後、該発泡性積層シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させるとともに補強シートの合成樹脂製繊維を溶融させて非溶融性繊維同士を結着させ、上記表面シートを発泡性積層シートの発泡時に溶融させて補強用シート中 に進入させ、発泡性シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと一体化させる積層シートの製造方法、(3) 熱可塑性樹脂に多官能モノマーを添加して上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂を製造し、この変性熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を添加して該熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して発泡性シートを形成した後、この発泡性シートの一面に、非溶融性繊維が互いに絡合しているとともに該非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂によって結着されて形成された不織布からなる補強用シートを積層して発泡性積層シートを形成し、更に、この発泡性積層シートの少なくとも一つの補強用シート上に表面シートを積層した後、該発泡性積層シートを多官能モノマーの反応温度及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させ、上記表面シートを発泡性積層シートの発泡時に溶融させて補強用シート中に進入させ、発泡性シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと一体化させる積層シートの製造方法、(4) 熱可塑性樹脂、架橋助剤及び熱分解型発泡剤を含有する発泡性樹脂組成物を上記架橋助剤の反応温度及び上記熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して発泡性シートに形成し、この発泡性シートに電離性放射線を照射することによって該発泡性シートに架橋構造を付与する前或いはその後に、上記発泡性シートの一面に、非溶融性繊維が互いに絡合しているとともに該非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂によって結着されて形成された不織布からなる補強用シートを積層して発泡性積層シートを形成し、更に、この発泡性積層シートの少なくとも一つの補強用シート上に表面シートを積層した後、該発泡性積層シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し、上記表面シートを発泡性積層シートの発泡時に溶融させて補強用シート中に進入させ、発泡性シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと一体化させる積層シートの製造方法等が挙げられ、後述するように得られる積層シートが優れた成形性を有することから上記(1) 及び(2) の製造方法が好ましい。
【0098】
なお、上記(1) 〜(4) の製造方法において、上記発泡性シート上に上記補強用シートを積層する際に上記補強用シートと上記発泡性シートとを予め一体化させておいても、或いは、上記発泡性シートと上記補強用シートとを一体化させることなく上記補強用シートを上記発泡性シート上に重ね合わせて、発泡性積層シートを発泡させる際にその発泡圧を利用して上記発泡シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと上記補強用シートとを一体化させるようにしてもよい。
【0099】
上記熱分解型発泡剤としては、発泡体の製造に汎用されているものであれば、特に限定されるものではなく、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物等の無機系熱分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド等の有機系熱分解型発泡剤等が挙げられる。
【0100】
上記発泡剤の添加量は、多いと、破泡してしまうことがあり、又、少ないと、発泡しないことがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましい。
【0101】
上記発泡性シートの具体的な製造方法としては、例えば(1) 熱可塑性樹脂及び多官能モノマーに必要に応じて過酸化物を添加した上で押出機に供給して熱可塑性樹脂に多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂を製造した後、更に、この押出機中の変性熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を添加して熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練してシート状に押出すことによって発泡性シートを製造する方法、(2) 熱可塑性樹脂、架橋助剤及び熱分解型発泡剤を押出機に供給して架橋助剤の反応温度及び熱分解型発泡剤の分解温度よりも低い温度で溶融混練してシート状に押出すことによって発泡性シートを製造する方法等が挙げられる。
【0102】
そして、上記発泡性シートの製造方法のうちの(2) の方法を用いた場合には、後述するようにして発泡性シートの一面に補強用シートを積層する前、或いは、その後に上述したように電離性放射線を照射して発泡性シートを構成する熱可塑性樹脂に架橋構造を付与しておく。
【0103】
更に、上記発泡性シートの一面又は両面に補強用シートが積層される。この補強用シートは、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを絡合させてなる不織布、芯部を非溶融性合成樹脂から形成するとともに鞘部を熱可塑性樹脂から形成した芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合させてなる不織布、非溶融性繊維が互いに絡合してなるとともに非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂で結着されてなる不織布等が用いられるが、後述するように、得られる積層シートが優れた成形性を有することから、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを絡合させて形成された不織布からなる補強用シートや芯部を非溶融性合成樹脂から形成するとともに鞘部を熱可塑性樹脂から形成した芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合させて形成された不織布からなる補強用シートを用いることが好ましい。
【0104】
なお、上記非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを絡合させてなる不織布又は芯部を非溶融性合成樹脂から形成するとともに鞘部を熱可塑性樹脂から形成した芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合させてなる不織布の製造方法としては、従来から用いられている不織布の製造方法が用いられ、例えば、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維、或いは、芯鞘型合成樹脂製繊維を乾式のサーマルボンド法若しくはニードルパンチ法又は湿式で行う抄造法等が挙げられ、又、非溶融性繊維が互いに絡合してなるとともに非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂で結着されてなる不織布の製造方法としては、従来から用いられている不織布の製造方法が用いられ、例えば、非溶融性繊維を乾式のサーマルボンド法若しくはニードルパンチ法又は湿式で行う抄造法等によって不織布化し、この不織布化した非溶融性繊維間に溶融した熱可塑性樹脂を分布させることによって非溶融性繊維同士を熱可塑性樹脂で結着させる不織布の製造方法等が挙げられる。
【0105】
又、上記熱可塑性樹脂製繊維としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリピロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体;ポリスチレン、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;飽和ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ポリ−n−プロピル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂;線状ウレタン樹脂等のウレタン樹脂;エポキシ樹脂;ジメチルフタレート;ジメチルイソフタレート等のフタル酸誘導体;酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる繊維が挙げられ、熱可塑性樹脂発泡シートとの熱融着性の観点からポリオレフィン系樹脂製繊維が好ましい。
【0106】
上記芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部を構成する熱可塑性樹脂としては、上記熱可塑性樹脂製繊維を構成する熱可塑性樹脂と同様のものが用いられる一方、上記芯鞘型合成樹脂製繊維の芯部を構成する非溶融性合成樹脂としては、積層シートの製造工程或いは積層シートを所望形状に成形させる際において加えられる熱により溶融しない合成樹脂、換言すれば、積層シートの製造工程或いは積層シートを所望形状に成形させる際において加えられる熱にかかわらず形態を保持する合成樹脂をいい、具体的には、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0107】
そして、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを絡合させてなる補強用シート又は芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合させてなる補強用シートを用いた場合には、この補強用シートの熱可塑性樹脂製繊維又は芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部分をその後の発泡性積層シートの加熱によって溶融させ、この溶融した熱可塑性樹脂をバインダーとして、絡合状態の非溶融性繊維同士を結着させることによって補強シートが形成され、この補強シートは発泡性シートを発泡させて得られた熱可塑性樹脂発泡シートに積層一体化される。又、非溶融性繊維が互いに絡合してなるとともに非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂で結着されてなる補強用シートを用いた場合には、この補強用シートが補強シートとなり、この補強シートは発泡性シートを発泡させて得られた熱可塑性樹脂発泡シートに積層一体化される。
【0108】
このように、補強用シートとして、特に、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを絡合してなるものや芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合させてなるものを用いると以下の如き優れた作用効果を奏する。即ち、上述のように、補強用シートの熱可塑性樹脂製繊維又は芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部は溶融し、その形態を略消失させて上記非溶融性繊維(芯鞘型合成樹脂製繊維の芯部分からなる非溶融性繊維)同士を結着するバインダーの役割を果たすことになるが、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを予め絡合させておき或いは芯鞘型合成樹脂製繊維を用いることによって、非溶融性繊維同士が絡合して形成された絡合空間部に予め熱可塑性樹脂製繊維又は鞘部を構成する熱可塑性樹脂を位置させておくことができ、この非溶融性繊維同士の絡合空間部内に位置した熱可塑性樹脂製繊維又は鞘部の熱可塑性樹脂を溶融させることで非溶融性繊維の微細な絡合空間部にもバインダーとなる熱可塑性樹脂を供給して非溶融性繊維同士を均一に且つ微細にして強固に結着させることができ、得られる補強シートは非溶融性繊維が熱可塑性樹脂によって均一に且つ強固に結着されたものとなる。
【0109】
従って、上記のように非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とが絡合して形成された不織布からなる補強用シート或いは芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合してなる不織布からなる補強用シートを用いることにより得られる補強シートは、優れた曲げ強度を有する。しかも、上記補強シートの非溶融性繊維同士は補強シート全面に均等に分布するバインダーたる熱可塑性樹脂を介在させた状態に結着されていることから、積層シートを加熱、成形する際にあっても、非溶融性繊維間に介在する溶融した熱可塑性樹脂は潤滑剤の役割を果たし、よって、非溶融性繊維は積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートの変形に追従して該熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に円滑に且つ確実にずれる。即ち、上記補強シートは、上記熱可塑性樹脂発泡シートの変形に追従して円滑に変形して該熱可塑性樹脂発泡シートの表面から不測に剥離、離脱するといった不測の事態は発生せず、よって、積層シートに強い成形応力を加えて積層シートを複雑な形状に確実に且つ正確に成形することができる。
【0110】
上記補強用シートの目付重量は、重いと、積層シートを成形するために積層シートを加熱した際、補強用シートから得られる補強シートの重量によって積層シートの中央部が垂れ下がってしまい、この垂れ下がりが原因となって積層シートにおける熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比が小さくなり、得られる成形品の圧縮強度が低下することがあり、又、低いと、積層シートの曲げ強度が低下することがあるので、10〜70g/m2 が好ましく、20〜50g/m2 がより好ましい。
【0111】
なお、上記補強用シートの表面に後述するように上記表面シートを積層させると、熱可塑性樹脂シートの一部が補強用シート内に進入し、得られる補強シートの目付重量が増加するので、熱可塑性樹脂シートの一部が進入することによる増加分を考慮して、8〜65g/m2 と調整するのが好ましい。
【0112】
更に、上記補強用シート中における上記非溶融性繊維の含有量は、高いと、補強シート中における熱可塑性樹脂の含有量が相対的に低下して非溶融性繊維同士を良好に絡合させたシート状態に形成させることができないことから、補強シートを熱可塑性樹脂発泡シート上に安定した状態に積層一体化させることができず、よって、積層シートを変形させた際に補強シートが熱可塑性樹脂発泡シートから不測に剥離、離脱することがあり、又、低いと、補強シートの引っ張り強度や曲げ強度が低下するので、20〜90重量%が好ましく、25〜75重量%が好ましい。
【0113】
なお、上記補強用シートの表面に後述するように上記表面シートを積層させる場合には、表面シートの一部が補強用シート内に進入し、得られる補強シート中の非溶融性繊維の含有量が相対的に低下するので、表面シートの一部が進入することによる増加分を考慮して、22〜95重量%が好ましく、27〜80重量%が好ましい。
【0114】
又、上記発泡性シートの一面又は両面に補強用シートを積層一体化する方法としては、例えば、(1) 発泡性シートの一面に補強用シートを加熱しながら押圧して積層一体化させる方法、(2) 溶融状態となった発泡性シートの一面に補強用シートを押圧して積層一体化させる方法、即ち、押出機の先端部に取付けられたTダイから発泡性シートを押出し、この押出された直後の表面が溶融状態にある発泡性シートの一面に補強用シートを載置した後、一対の冷却ロール間に供給し、これら冷却ロールによって発泡性シート及び補強用シートを挟持、一体化させることによって発泡性シートの一面に補強用シートを積層一体化させる方法、(3) 発泡性シートと補強用シートとを接着剤を介して積層一体化させる方法等が挙げられ、発泡性積層シートの厚みを微妙に調整することができることから上記(1) の方法が好ましい。
【0115】
又、上記補強シートの表面に更に表面層を積層一体化させるには、例えば、上記発泡性シートの一面に、表面シートと補強用シートとを補強用シートが内側となるように積層した上で上記表面シートの軟化温度以上に加熱して、発泡性シートの一面に補強用シートと表面シートとを積層一体化する方法等が挙げられる。そして、上記表面シートは、溶融して上記補強用シートから得られる補強シート上に積層一体化して表面層を構成する。
【0116】
上記表面シートとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリピロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体;ポリスチレン、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;飽和ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ポリ−n−プロピル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂;線状ウレタン樹脂等のウレタン樹脂;エポキシ樹脂;ジメチルフタレート;ジメチルイソフタレート等のフタル酸誘導体;酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂等からなる熱可塑性樹脂シートやこれら熱可塑性樹脂から形成された繊維からなる不織布等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂製繊維から形成された不織布が好ましい。なお、表面シートとして熱可塑性樹脂から形成された繊維からなる不織布を用いた場合には、該表面シートを構成する繊維は熱によって溶融しその繊維形態は消失してしまい、得られる表面層は平滑な面に形成されている。又、上記表面シートの中には厚みの薄い所謂フィルム状のものも含まれる。
【0117】
又、上記表面層に凹凸部を形成する場合、この表面層に凹凸部を形成する方法としては、上記表面層上に、外周面に表面層に形成しようとする凹凸部の形態を反転させた凹凸部が形成されたエンボスロールを用意し、溶融状態の表面層を上記エンボスロールによって押圧して該エンボスロールの外周面に形成された凹凸部を上記表面層上に転写して上記表面層上に凹凸部を形成する方法が挙げられる。
【0118】
更に、上記補強用シートを構成する非溶融性繊維が無機繊維である場合には、この補強用シートの表面に表皮用シートを積層してもよい。このような表皮用シートとしては、ポリエチレンテレフタレート等の非溶融性合成樹脂製繊維と上記補強用シートで用いられていたと同様の熱可塑性樹脂製繊維とを絡合させてなる不織布、芯部をポリエチレンテレフタレート等の非溶融性合成樹脂から形成するとともに鞘部を上記熱可塑性樹脂製繊維と同様の熱可塑性樹脂から形成してなる芯鞘型合成樹脂製繊維を絡合させてなる不織布等が挙げられる。
【0119】
そして、上記表皮用シートを上記補強用シート上に積層一体化させる方法としては、例えば、上記発泡性シートの一面に、表皮用シートと補強用シートとを補強用シートが内側となるように積層した上で上記表皮用シート中の熱可塑性樹脂の軟化温度以上に加熱して、発泡性シートの一面に補強用シートと表皮用シートとを積層一体化する方法等が挙げられる。そして、上記表皮用シートは、その熱可塑性樹脂成分が溶融し、この溶融した熱可塑性樹脂がバインダーとなって、非溶融性合成樹脂製繊維又は芯鞘型合成樹脂製繊維の芯部から形成された非溶融性合成樹脂製繊維同士が絡合状態に均一に且つ強固に結着されて表皮シートとなる。
【0120】
上記の如くして製造された発泡性積層シートの加熱方法としては、従来から発泡体の製造に用いられている汎用の加熱装置が用いられ、例えば、対向状態に配設された一対の加熱ロール又は加熱ベルト間に発泡性積層シートを供給して該発泡性積層シートを加熱するロール式加熱装置又はベルト式加熱装置、発泡性積層シートに熱風を吹き付ける熱風恒温槽、発泡性積層シートを熱浴させるオイルバス、メタルバス、ソルトバス等が挙げられる。
【0121】
上記要領で発泡性積層シートの発泡性シートを発泡させると、発泡性シートの発泡は、該発泡性シートの一面に補強用シートが積層一体化されていることから、その面方向の発泡は上記補強用シートによって規制されている一方、その厚さ方向の発泡は上記補強用シートにより規制されることなく自由発泡状態とされている。
【0122】
しかして、上記発泡性シートの発泡方向は、その厚み方向に指向した状態に制限されており、該発泡性シートを発泡させて得られる熱可塑性樹脂発泡シートの気泡は、その長さ方向を発泡性シートの厚み方向に指向させ且つ所定範囲内のアスペクト比Dz/Dxyを有する紡錘形状に形成される。
【0123】
従って、熱可塑性樹脂発泡シートの気泡はその大半がその長さ方向を熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に指向させた紡錘形状に形成されて、得られる積層シートはその一部を熱可塑性樹脂発泡シートから構成して軽量性を保持しつつ、その厚さ方向の圧縮強度に優れたものに形成されている。
【0124】
しかも、上記積層シートは、その発泡シートの一面に、絡合状態の非溶融性繊維同士を熱可塑性樹脂製繊維によって結着して形成された不織布からなる補強シートが積層一体化されてなることから曲げ強度にも優れている。
【0125】
更に、上記積層シートは、成形性に優れた熱可塑性樹脂発泡シートの一面に補強シートを積層一体化させてなるので、一般的な圧縮成形機で加熱型成形を行なう熱プレス法、発泡シートの軟化点以上に加熱、具体的には、積層シートの表面温度を160〜210℃に加熱した後に該発泡シートの軟化点未満の温度、具体的には10〜70℃に保持された雌雄金型内で形状転写を行なうコールドプレス法や真空成形法等の汎用の成形方法によって所望形状に成形することができる。
【0126】
上記コールドプレス法における積層シートの加熱温度は、高いと、積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートが溶融して該熱可塑性樹脂発泡シートのアスペクト比が低下し、得られる成形品の圧縮強度が低下することがあり、又、低いと、積層シートの成形が不十分となって所望の形状に成形できなかったり、或いは、得られる成形品に成形歪みが残存して成形品の寸法安定性が低下することがあるので、160〜210℃が好ましい。
【0127】
上記コールドプレス法における雌雄金型の加熱温度は、高いと、得られる成形品の冷却が不十分となって成形品の寸法が経時変化することがあり、又、低いと、積層シートの成形が不十分となって所望の形状に成形できなかったり、或いは、得られる成形品に成形歪みが残存して成形品の寸法安定性が低下することがあるので、10〜70℃が好ましい。
【0128】
又、上記積層シートの曲げ弾性勾配は、小さいと、積層シートを加工したりする際に作業者が誤って積層シートを折曲げて破損するおそれがあるので、78.4N/50mm/cm以上に限定され、117.6N/50mm/cmが好ましく、156.8N/50mm/cmがより好ましい。
【0129】
なお、上記積層シートの曲げ弾性勾配は、積層シートの厚み方向に加わる荷重に対する抵抗を示す値であり、長さ15cm×幅50cm×厚さ6.5cmの積層シートをJIS
K7203に準拠して測定したものをいう。
【0130】
加えて、上記積層シートの目付強度は、小さいと、積層シートを加工したりする際に作業者が誤って積層シートを折曲げて破損するおそれがあるので、98N/50mm/cm/kg/m2 以上が好ましく、117.6N/50mm/cm/kg/m2 以上が更に好ましい。なお、上記目付強度は、曲げ弾性勾配を目付重量で除したものをいう。
【0131】
又、上記積層シートの線膨張係数は、大きいと、積層シートから得られる成形品の寸法安定性が低下し、所望位置に取り付けた成形品の取付け安定性が低下するので、6.0 ×10-5/℃以下が好ましい。
【0132】
最後に、上記積層シートに表面層を設けた場合には、補強シート中の熱可塑性樹脂が、補強用シートの非溶融性繊維同士を結着する熱可塑性樹脂樹脂、補強用シートの熱可塑性樹脂製繊維若しくは芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部分が溶融したもの、又は、表面層を構成する熱可塑性樹脂が進入したものであるかの区別が付かないことがあるが、かかる点は本発明においては特に問題とはならない。即ち、得られた積層シートの補強シートを構成する互いに絡合する非溶融性繊維同士がとにかく熱可塑性樹脂で結着されていればよい。
【0133】
【作用】
本発明の積層シートは、熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に補強シートが積層一体化され、補強シートは、非溶融性繊維が互いに絡合してなるとともに該非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂によって結着されてなる不織布からなる一方、上記熱可塑性樹脂発泡シートは、その気泡のアスペクト比Dz/Dxyが1.2以上であり且つその発泡倍率が5〜50cm3 /gであり、少なくとも一つの上記補強シートの表面に熱可塑性樹脂からなる表面層が積層一体化されて、上記補強シートの非溶融性繊維による凹凸面が被覆、隠蔽され、更に、表面層を構成する熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂とが相溶性を有していると共に、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂が補強シート中に進入して熱可塑性樹脂発泡シートと一体化していることを特徴とするので、優れた曲げ強度及び厚み方向の圧縮強度を有する。
【0134】
特に、上記積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートは、その気泡が長さ方向を積層シートの厚み方向に指向させられ且つ所定範囲内のアスペクト比Dz/Dxyを有するので、発泡倍率を高くした場合にあっても優れた厚み方向の圧縮強度を保持している。
【0135】
従って、本発明の積層シートは、その熱可塑性樹脂発泡シートとして高発泡倍率のものを用いることができ、高い軽量性を保持しつつ曲げ強度及び圧縮強度に優れたものに形成されている。
【0136】
又、本発明の積層シートは、その熱可塑性樹脂発泡シートの一面に補強シートが積層一体化されていることから温度変化による寸法変化が殆どなく優れた寸法安定性を有している。
【0137】
更に、少なくとも一つの補強シートの表面に表面層が積層されており、補強シートを構成する非溶融性繊維の凹凸を表面層によって被覆、隠蔽して平滑な面とすることができ、よって、積層シートに表皮材等を積層する場合にはこの平滑な表面層上に表皮材等を確実に密着させた安定した状態に強固に積層一体化することができる。
【0138】
従って、表皮材を積層した積層シートに強い成形応力を加えた場合にあっても、表皮材は積層シートの表面層に強固に積層一体化されていることから不用意に剥離、離脱するといった事態は生じず、よって、積層シートに強い成形応力を加えて複雑な形状に正確に且つ確実に成形することができる。
【0139】
加えて、表面層を構成する熱可塑性樹脂が補強シート中に進入して熱可塑性樹脂発泡シートと一体化しており、上記補強シートを上記表面層で覆った状態にして上記熱可塑性樹脂発泡シートの表面に強固に且つ確実に一体化させている。
【0140】
従って、補強シートは熱可塑性樹脂発泡シート表面から不測に分離、離脱するといったことはなく、よって、積層シートに強い成形応力を加えて複雑な形状に確実に且つ正確に成形することができる。
【0141】
更に、補強シートの目付重量を10〜70g/m2 とした場合には、積層シートを加熱、成形する際、軟化状態となった熱可塑性樹脂発泡シートが補強シートの重みによって垂れ下がってその気泡のアスペクト比が低下するといった不測の事態は生じず、よって、優れた圧縮強度を有する成形品を得ることができる。
【0142】
そして、補強シートの目付重量のCv値を25%以下とした場合には、補強シート表面が平滑性が向上し、よって、該補強シート表面に積層一体化させた表皮材の平滑性を向上させて積層シートを成形して得られる成形品の外観性を向上させることができる。
【0143】
又、補強シートの引っ張り弾性率が500MPa以上である場合には、曲げ弾性勾配や目付強度等の機械的強度に優れた積層シートを得ることができる。
【0144】
更に、補強シート中における非溶融性繊維の含有量を20〜90重量%としている場合には、非溶融性繊維同士を良好な状態に絡合させて優れた引っ張り強度を有する補強シートを熱可塑性樹脂発泡シートの一面に安定的に且つ強固に積層一体化させることができ、補強シートが熱可塑性樹脂発泡シート表面から不測に剥離、離脱するといった事態を生じることはなく、よって、積層シートに強い成形応力を加えて複雑な形状に成形することができる。
【0145】
又、非溶融性繊維の繊維長が10〜150mmである場合には、補強シート中の非溶融性繊維同士は互いに熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に円滑にずれることができる程度にしかも確実に絡合されており、得られる積層シートは優れた曲げ強度を有する。
【0146】
加えて、補強シート中の非溶融性繊維は熱可塑性樹脂発泡シートの変形に追従して熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に円滑にずれることができるので、補強シートは熱可塑性樹脂発泡シートの変形に円滑に追従、変形し熱可塑性樹脂発泡シートの表面から剥離、離脱するといった不測の事態は生じず、よって、積層シートに強い成形応力を加えて積層シートを複雑な形状に確実に成形することができる。
【0147】
そして、非溶融性繊維の引っ張り弾性率が20GPa以上である場合には、曲げ弾性勾配や目付強度等の機械的強度に優れた積層シートを得ることができる。
【0148】
又、補強シートの非溶融性繊維同士を結着している熱可塑性樹脂のメルトインデックスが5〜60g/10分である場合には、積層シートを加熱、成形する際、非溶融性繊維を結着している熱可塑性樹脂が潤滑油の役割を果たして、非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に互いにずれるのを助ける。従って、非溶融性繊維は上記熱可塑性樹脂発泡シートの変形に円滑に且つ確実に追従して熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に円滑にずれ、即ち、補強シートは熱可塑性樹脂発泡シートの変形に円滑に追従、変形して不測に剥離、離脱したりすることはなく、よって、積層シートに強い成形応力を加えて積層シートを複雑な形状に確実に成形することができる。
【0149】
更に、表面層が熱可塑性樹脂からなり、この熱可塑性樹脂が補強シートを構成する熱可塑性樹脂と相溶性を有する場合には、積層シートを加熱、変形する際、補強シートを構成する非溶融性繊維は該補強シート中のバインダーである熱可塑性樹脂及び表面層を構成する熱可塑性樹脂に覆われた状態、換言すれば、上記補強シートを構成する非溶融性繊維はこれら溶融する熱可塑性樹脂中に浮遊したような状態となっており、よって、上記補強シートを構成する非溶融性繊維は、上記熱可塑性樹脂発泡シートの変形に追従して極めて円滑に該熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に互いにずれることができる。
【0150】
従って、上記補強シートは、上記積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートの変形に円滑に且つ確実に追従し、熱可塑性樹脂発泡シート表面から不測に分離、離脱するといったことはなく、よって、積層シートに強い成形応力を加えて複雑な形状に確実に且つ正確に成形することができる。
【0151】
しかも、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂が上記補強シート内に進入して非溶融性繊維のバインダーの役割も果たすので上記補強シートは優れた引っ張り強度を有し、よって、得られる積層シートも優れた曲げ強度、圧縮強度等の機械的強度を有する。
【0152】
そして、表面層に凹凸部が形成されている場合には、該表面層上に表皮材を積層一体化させる際、上記表皮材に加えられた積層シート方向への押圧力が上記表面層の凹凸部における凸部に集中的に大きく加わる。一方、上記表面層は、表皮材を積層シートに積層一体化させる場合には溶融状態とされていることから、上記表面層の凸部は、上記表皮材から大きな圧力を受けて該表皮材の内面に沿って円滑に且つ確実に展延し上記表皮材の内面に強固に且つ確実に一体化し、特に、表皮材が不織布やニットのように微細孔を多数有するものである場合には上記凸部を形成する樹脂は円滑に且つ確実に表皮材内に進入し上記表皮材の内面に強固に且つ確実に一体化して、上記表皮材は上記積層シートの一面に強固に且つ確実に積層一体化される。
【0153】
しかも、上記のように、表面層の凸部に集中的に圧力を加えることにより効果的に表面層の樹脂を表皮材に一体化させているので表面層の厚みを薄くすることができ、よって、積層シートの軽量化及びコストダウンを図ることができる。
【0154】
更に、発泡性シートの一面に非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とを互いに絡合させて形成された不織布からなる補強用シートを積層させた後、発泡性シートを発泡させるとともに補強用シートの合成樹脂性繊維を溶融させて非溶融性繊維同士を結着するバインダーとさせている場合には、非溶融性繊維同士が絡合した微細な絡合空間部に予め熱可塑性樹脂性繊維を位置せしめ、この状態で熱可塑性樹脂製繊維を溶融させて上記絡合空間部にバインダーとして熱可塑性樹脂を分布させることができ、よって、得られる補強シートの非溶融製繊維は、熱可塑性樹脂によって均一にしかも微細にして強固に結着された状態となっており、優れた曲げ強度を有し、得られる積層シートも曲げ強度、圧縮強度等の機械的強度にすぐれている。
【0155】
又、上記の如く、補強シート中のバインダーである熱可塑性樹脂は補強シート中に均一に分布しており、この均一に分布した熱可塑性樹脂によって非溶融性繊維は全体的に均一に結着されており、よって、熱可塑性樹脂発泡シートの変形に伴って補強シートが変形する際にあっても、非溶融性繊維が全体的に均一に熱可塑性樹脂発泡シートの面方向に互いにずれ、補強シートの一部に歪みが残るといった不測の事態は生じない。従って、積層シートを成形して得られる成形品は優れた寸法安定性を有する。
【0156】
しかも、上記補強シート中の非溶融性繊維は熱可塑性樹脂発泡シートの変形に伴って互いに円滑にずれ、上記補強シートは熱可塑性樹脂発泡シートの変形に円滑に追従して変形し、熱可塑性樹脂発泡シートの表面から不測に剥離、離脱するといったこともなく、よって、積層シートに強い成形応力を加えて積層シートを複雑な形状に正確に且つ確実に成形することができる。
【0157】
そして、上記積層シートを製造するにあたり、発泡性シートの一面に補強用シートを積層させて発泡性積層シートを形成した後、この発泡性積層シートを加熱、発泡させるといった簡単な作業でもって上記の如き優れた曲げ強度や圧縮強度等の機械的強度を有するとともに軽量性、寸法安定性及び成形性に優れた積層シートを簡単に且つ確実に製造することができる。
【0158】
【実施例】
(実施例1)
発泡性ポリプロピレンシートを作製するために以下の装置を用いた。即ち、同方向回転二軸スクリュー押出機(プラスチック工学研究所社製 商品名「BT40」、以下「第一押出機」という)の先端部にアダプターを介して同方向回転二軸スクリュー押出機(日本製鋼所株式会社製 商品名「TEX−44」、以下「第二押出機」という)を接続させてなる製造装置を用いた。
【0159】
第一押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、D(直径)は39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側にかけて第1バレルから第4バレルに区分され、第4バレルの先端部には連続的に後述するTEX−44型同方向回転二軸スクリュー押出機に接続できるアダプターが備えられている。
【0160】
なお、シリンダーバレル内で揮発した成分、特に、変性用モノマーを回収するために、第4バレルに真空ベントが設けられている。以下の操作においては、第一押出機の第1バレルの温度を180℃に、第2バレル乃至第4バレルの温度を220℃に設定するとともに、スクリュー回転数を150rpmに設定した。
【0161】
上記第二押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmであった。シリンダーバレルは押出機の上流から下流にかけて第1バレルから第12バレルに区分され、第12バレルの先端には1500mm幅のコートハンガーダイが取付けられている。
【0162】
又、発泡剤を供給するために第6バレルにはサイドフィーダーが設けられており、シリンダーバレル内で揮発した成分を回収するために第11バレルに真空ベントが設けられている。
【0163】
以下の操作において、第二押出機の第1バレルを常時冷却し、第2バレル乃至第4バレルの温度を150℃に、第5バレル乃至第8バレルの温度を170℃に、第9バレル乃至第12バレルの温度を180℃に、アダプター及びコートハンガーダイの温度を160℃に設定し、スクリュー回転数を40rpmに設定した。
【0164】
上記第一押出機の第1バレルの後端に一体的に設けられたホッパーにランダムタイプのポリプロピレン(日本ポリケム社製 商品名「EG8」、メルトインデックス=0.8g/10分、密度=0.9g/cm3 )と多官能モノマーとしてp−キノンジオキシム(大内新興化学株式会社製 商品名「バルノックGM−P」)とを供給し溶融、混練して変性ポリプロピレンを製造するとともに、得られた変性ポリプロピレンを第二押出機にアダプターを介して連続的に供給した。なお、上記ポリプロピレンの投入量は10kg/h、p−キノンジオキシムの投入量は0.08kg/hとした。
【0165】
更に、第二押出機の第一バレル後端に備えられたホッパから後述する要領で得られた変性ポリプロピレンのペレットと未変性のホモポリプロピレン(日本ポリケム社製 商品名「MA3」、メルトインデックス=10g/分、密度=0.91g/cm3 )とを供給するとともに、第二押出機の第6バレルに設けられたサイドフィーダーからは、アゾジカルボンアミドを供給し、上記第一押出機から連続供給された変性ポリプロピレン、変性ポリプロピレンのペレット、未変性のホモポリプロピレン及びアゾジカルボンアミドを溶融、混練した上で第二押出機の先端に取付けたコートハンガーダイから厚み0.4mmの発泡性ポリプロピレンシートを得た。なお、変性ポリプロピレンのペレットの投入量は10kg/h、未変性のホモポリプロピレンの投入量は10kg/h、アゾジカルボンアミドの投入量は2kg/hとした。
【0166】
なお、上記第二押出機の第一バレルのホッパから供給された変性ポリプロピレンのペレットは次のようにして作製されたものである。即ち、上記で用いた第一押出機の先端に第二押出機を接続させるために用いていたアダプターの代わりに3穴ストランドダイを取付けたものを用い、押出機の第1バレルの後端に一体的に設けられたホッパーに、ランダムタイプのポリプロピレン(日本ポリケム社製、メルトインデックス=0.8g/10分、密度=0.9g/cm3 )と多官能モノマーとしてp−キノンジオキシム(大内新興化学株式会社製 商品名「バルノックGM−P」)とを供給し溶融、混練して、3穴ストランドダイから変性ポリプロピレンを押出した後、水冷し、これをペレタイザーで所定長さに切断してペレット状の変性ポリプロピレンを得た。なお、上記ポリプロピレンの投入量は10kg/h、p−キノンジオキシムの投入量は0.08kg/hとした。
【0167】
一方、炭素繊維(炭素繊維径=7μm、繊維長=50mm、引っ張り弾性率=220GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)の一面に、幅が1500mmで且つ厚みが70μmのホモ系ポリプロピレン(トクヤマ社製 商品名「SH−152」、メルトインデックス=15g/分、密度=0.91g/cm3 )フィルムからなる表面フィルムを熱ラミネートすることによって積層一体化して積層面材を得た。
【0168】
そして、上記発泡性ポリプロピレンシートの両面の夫々に上記積層面材を補強用シートが内側となるように積層させて得られた発泡性積層シートをベルト式加熱装置に供給し230℃に加熱させて、発泡性ポリプロピレンシートを発泡させるとともに、発泡性ポリプロピレンシートを発泡させて得られる熱可塑性樹脂発泡シートの両面の夫々に上記積層面材を押圧させることによって両者を一体化させた後、冷却して、ポリプロピレン発泡シートの両面に補強シート及び表面層が補強シートを内側にして順次積層一体化されてなる厚さ6.5mmの積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0169】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。又、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0170】
又、上記ベルト式加熱装置は、図3に示したように、予熱ゾーン1、発泡ゾーン2及び冷却ゾーン3並びにこれらの3つのゾーンに跨がって配設された上下方向に一定間隔を存して配設された一対の搬送ベルト4とからなり、一対の搬送ベルト4の下側搬送ベルトの上面に発泡性積層シートを載置して、発泡性積層シートを予熱ゾーン1、発泡ゾーン2、冷却ゾーン3の順序で送り込み、搬送ベルト4、4の対向内面間において上記発泡性積層シートを発泡させるとともに、一対の搬送ベルト4の対向内面間で発泡途上の上記発泡性積層シート5を上下方向から挟持、押圧して、補強用シートを発泡性ポリプロピレンシートの両面に向かって押圧しこれらを一体化させて、ポリプロピレン発泡シートの両面に補強シート、表面層が順次積層されてなる積層シートを得た。なお、上記余熱ゾーンの温度を190℃、上記発泡ゾーンの温度を230℃、冷却ゾーンの温度を25℃に設定し、発泡性ポリプロピレンシートの上記ベルト式加熱装置への供給線速度は、0.5m/分とした。
【0171】
(実施例2)
補強用シートとして、ガラス繊維(ガラス繊維径=9μm、ガラス繊維長=50mm、引っ張り弾性率=70GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、ガラス繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0172】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成するガラス繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、ガラス繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0173】
(実施例3)
補強用シートとして、洋麻(ケナフ)繊維(洋麻繊維径=9μm、洋麻繊維長=50mm、引っ張り弾性率=22GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、洋麻繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0174】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する洋麻繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、洋麻繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0175】
(実施例4)
補強用シートとして、連続シート状のガラスペーパー(オリベスト社製 商品名「グラベスト」、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、厚み=0.3mm、ガラス繊維径=9μm、ガラス繊維長=25mm、ガラス繊維の引っ張り弾性率=70GPa、バインダー=アクリレート系エマルジョン樹脂、ガラス繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0176】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成するガラス繊維同士は、アクリレート系エマルジョン樹脂をバインダーとして強固に結着されていた。加えて、ガラス繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0177】
(実施例5)
補強用シートとして、連続シート状の炭素繊維ペーパー(オリベスト社製 商品名「カーボライト」、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、厚み=0.3mm、炭素繊維径=7μm、炭素繊維長=25mm、炭素繊維の引っ張り弾性率=220GPa、バインダー=アクリレート系エマルジョン樹脂、炭素繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0178】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、アクリレート系エマルジョン樹脂をバインダーとして強固に結着されていた。加えて、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0179】
(実施例6)
補強用シートとして、連続シート状の洋麻(ケナフ)ペーパー(オリベスト社製、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.4×10-5/℃、厚み=0.3mm、洋麻繊維径=80μm、洋麻繊維長=25mm、洋麻繊維の引っ張り弾性率=22GPa、バインダー=ポリビニルアルコール70重量%と熱可塑性ウレタン樹脂30重量%との混合物、洋麻繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0180】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する洋麻繊維同士は、ポリビニルアルコールと熱可塑性ウレタン樹脂とをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、洋麻繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0181】
(実施例7)
実施例1で用いられた第一押出機の先端に第二押出機を接続させるために用いていたアダプターの代わりに幅1600mmのTダイを取付けた押出機を用い、押出機の第1バレルの後端に一体的に設けられたホッパーに、ランダムタイプのポリプロピレン(日本ポリケム社製 商品名「EG8」、メルトインデックス=0.8g/10分、密度=0.9g/cm3 )50重量部、ホモタイプのポリプロピレン(日本ポリケム社製 商品名「MA3」、メルトインデックス=10g/10分、密度=0.91g/cm3 )50重量部、架橋助剤として1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.0重量部、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド10重量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重量部、ジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部及び金属防止剤としてメチルベンゾトリアゾール0.2重量部を供給し、190℃で溶融、混練して厚み0.4mmの発泡性ポリプロピレンシートを押出成形した。
【0182】
得られた発泡性ポリプロピレンシートに加速電圧600kVで電子線を2Mrad照射して架橋構造を付与した。なお、発泡性ポリプロピレンシートのゲル分率は20重量%であった。
【0183】
一方、炭素繊維(炭素繊維径=7μm、繊維長=50mm、引っ張り弾性率=220GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)の一面に、幅が1500mmで且つ厚みが70μmのホモ系ポリプロピレン(トクヤマ社製 商品名「SH−152」、メルトインデックス=15g/分、密度=0.91g/cm3 )フィルムからなる表面フィルムを熱ラミネートすることによって積層一体化して積層面材を得た。
【0184】
そして、上記発泡性ポリプロピレンシートの両面の夫々に上記積層面材を補強用シートが内側となるように積層させて得られた発泡性積層シートをベルト式加熱装置に供給し230℃に加熱させて、発泡性ポリプロピレンシートを発泡させるとともに、発泡性ポリプロピレンシートを発泡させて得られる熱可塑性樹脂発泡シートの両面の夫々に上記積層面材を押圧させることによって両者を一体化させた後、冷却して、ポリプロピレン発泡シートの両面に補強シート及び表面層が補強シートを内側にして順次積層一体化されてなる厚さ6.5mmの積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0185】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0186】
又、上記ベルト式加熱装置は、図3に示したように、予熱ゾーン1、発泡ゾーン2及び冷却ゾーン3並びにこれらの3つのゾーンに跨がって配設された上下方向に一定間隔を存して配設された一対の搬送ベルト4とからなり、一対の搬送ベルト4の下側搬送ベルトの上面に発泡性積層シートを載置して、発泡性積層シートを予熱ゾーン1、発泡ゾーン2、冷却ゾーン3の順序で送り込み、搬送ベルト4、4の対向内面間において上記発泡性積層シートを発泡させるとともに、一対の搬送ベルト4の対向内面間で発泡途上の上記発泡性積層シート5を上下方向から挟持、押圧して、補強用シートを発泡性ポリプロピレンシートの両面に向かって押圧しこれらを一体化させて、ポリプロピレン発泡シートの両面に補強シート、表面層が順次積層されてなる積層シートを得た。なお、上記余熱ゾーンの温度を190℃、上記発泡ゾーンの温度を230℃、冷却ゾーンの温度を25℃に設定し、発泡性ポリプロピレンシートの上記ベルト式加熱装置への供給線速度は、0.5m/分とした。
【0187】
(実施例8)
補強用シートとして、ガラス繊維(ガラス繊維径=9μm、ガラス繊維長=50mm、引っ張り弾性率=70GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、ガラス繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)を用いたこと以外は実施例7と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0188】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成するガラス繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、ガラス繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0189】
(実施例9)
補強用シートとして、洋麻(ケナフ)繊維(洋麻繊維径=9μm、洋麻繊維長=50mm、引っ張り弾性率=22GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=42g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、洋麻繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)を用いたこと以外は実施例7と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0190】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する洋麻繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、洋麻繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0191】
(実施例10)
補強用シートとして、連続シート状のガラスペーパー(オリベスト社製 商品名「グラベスト」、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、厚み=0.3mm、ガラス繊維径=9μm、ガラス繊維長=25mm、ガラス繊維の引っ張り弾性率=70GPa、バインダー=アクリレート系エマルジョン樹脂、ガラス繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外は実施例7と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0192】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成するガラス繊維同士は、アクリレート系エマルジョン樹脂をバインダーとして強固に結着されていた。加えて、ガラス繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0193】
(実施例11)
補強用シートとして、連続シート状の炭素繊維ペーパー(オリベスト社製 商品名「カーボライト」、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、厚み=0.3mm、炭素繊維径=7μm、炭素繊維長=25mm、炭素繊維の引っ張り弾性率=220GPa、バインダー=アクリレート系エマルジョン樹脂、炭素繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外は実施例7と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0194】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、アクリレート系エマルジョン樹脂をバインダーとして強固に結着されていた。加えて、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0195】
(実施例12)
補強用シートとして、連続シート状の洋麻(ケナフ)ペーパー(オリベスト社製、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.4×10-5/℃、厚み=0.3mm、洋麻繊維径=80μm、洋麻繊維長=25mm、洋麻繊維の引っ張り弾性率=22GPa、バインダー=ポリビニルアルコール70重量%と熱可塑性ウレタン樹脂30重量%との混合物、洋麻繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外は実施例7と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0196】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する洋麻繊維同士は、ポリビニルアルコールと熱可塑性ウレタン樹脂とをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、洋麻繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0197】
(実施例13)
実施例1で用いられた第一押出機の先端に第二押出機を接続させるために用いていたアダプターの代わりに幅1600mmのTダイを取付けた押出機を用い、押出機の第1バレルの後端に一体的に設けられたホッパーに、アイソタクチックホモポリプロピレン(メルトインデックス=15g/10分、融点=167.8℃)40重量部、ランダムポリプロピレン(エチレン含有量=3.2重量%、メルトインデックス=2.0g/10分、融点=150.5℃)40重量部、高密度ポリエチレン(密度=0.969g/cm3 、メルトインデックス=5.0g/10分)20重量部、架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート3重量部、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド8重量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチオプロピオネート0.3重量部、並びに、金属防止剤としてメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を供給し、190℃で溶融、混練して厚み1.5mmの発泡性シートを押出成形した。
【0198】
得られた発泡性シートに加速電圧800kVで電子線を3Mrad照射して架橋構造を付与した。なお、発泡性シートのゲル分率は50重量%であった。
【0199】
そして、上記発泡性シートを熱風及び赤外線ヒータにより250℃に保持された縦型熱風発泡炉に供給して上記発泡性シートを加熱し発泡させて、発泡倍率が25cm3 /gで且つ厚みが4.0mmである熱可塑性樹脂発泡シートを得た。
【0200】
一方、炭素繊維(幅=1500mm、炭素繊維径=7μm、繊維長=50mm、引っ張り弾性率=220GPa)とポリエチレン繊維(メルトインデックス=25g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(目付重量=35g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリエチレン繊維(重量比)=80/20)の一面に、幅が1500mmで且つ厚みが60μmのポリプロピレン(メルトインデックス=15g/分、密度=0.91g/cm3 )フィルムからなる表面フィルムを熱ラミネートすることによって積層一体化して積層面材を得た。
【0201】
そして、ブロックポリプロピレン(メルトインデックス=4g/10分、融点=166.7℃)100重量部及び平均粒径が10μmのタルク50重量部を二軸押出機に供給し、上記熱可塑性樹脂発泡シートの両面に厚さ0.1mmで押出しラミネートした。続いて、上記熱可塑性樹脂発泡シートの両面に積層した溶融状態のブロックポリプロピレン層の夫々に上記積層面材を積層した後、この積層体を一対の挟圧ロールで挟圧するこにより、上記熱可塑性樹脂発泡シートの両面に補強シート及び表面層が補強シートを内側にして順次積層一体化されてなる厚さ4.6mmの積層シートを得た。又、積層シートの一面に積層された補強シートと表面層の合計厚みは、0.3mmであった。
【0202】
なお、上記一対の挟圧ロールのうちの一方のロールの外周面全面には、底辺の一辺が1mmで且つ高さが40μmである体積が0.013mm3 の正四角錘状の凸部が互いに隣接する凸部の頂点間の距離が4mmとなるように千鳥状に突設されている一方、他方のロールは外周面が平滑面に形成されたゴムロールであった。
【0203】
得られた積層シートAの補強シートA1は熱可塑性樹脂発泡シートの両面にブロックポリプロピレン層を介して強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリエチレン繊維が溶融してなるポリエチレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており、この表面層A3の表面には凹凸部A31 が形成されていた。この凹凸部A31 の凸部A311は、高さが40μmで且つ体積が0.013mm3 である正四角錘状に形成されており、隣接する凸部A311の頂点間の距離が4mmとなるように千鳥状に配列、形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記熱可塑性樹脂発泡シートA1の表面に達して該熱可塑性樹脂発泡シートA1と強固に一体化していた(図4参照)。
【0204】
(実施例14)
補強用シートとして、ガラス繊維(ガラス繊維径=9μm、ガラス繊維長=50mm、引っ張り弾性率=70GPa)とポリエチレン繊維(メルトインデックス=25g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、ガラス繊維/ポリエチレン繊維(重量比)=80/20)を用いたこと以外は実施例13と同様にして積層シートを得た(図4参照)。
【0205】
得られた積層シートAの補強シートA1は熱可塑性樹脂発泡シートの両面にブロックポリプロピレン層を介して強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成するガラス繊維同士は、ポリエチレン繊維が溶融してなるポリエチレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、ガラス繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており、この表面層A3の表面には凹凸部A31 が形成されていた。この凹凸部A31 の凸部A311は、高さが40μmで且つ体積が0.013mm3 である正四角錘状に形成されており、隣接する凸部A311の頂点間の距離が4mmとなるように千鳥状に配列、形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記熱可塑性樹脂発泡シートA1の表面に達して該熱可塑性樹脂発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0206】
(実施例15)
補強用シートとして、洋麻(ケナフ)繊維(洋麻繊維径=80μm、洋麻繊維長=50mm、引っ張り弾性率=22GPa)とポリエチレン繊維(メルトインデックス=25g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.4×10-5/℃、洋麻繊維/ポリエチレン繊維(重量比)=80/20)を用いたこと以外は実施例13と同様にして積層シートを得た(図4参照)。
【0207】
得られた積層シートAの補強シートA1は熱可塑性樹脂発泡シートの両面にブロックポリプロピレン層を介して強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する洋麻繊維同士は、ポリエチレン繊維が溶融してなるポリエチレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、洋麻繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており、この表面層の表面には凹凸部A31 が形成されていた。この凹凸部A31 の凸部A311は、高さが40μmで且つ体積が0.013mm3 である正四角錘状に形成されており、隣接する凸部A311の頂点間の距離が4mmとなるように千鳥状に配列、形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記熱可塑性樹脂発泡シートA1の表面に達して該熱可塑性樹脂発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0208】
(実施例16)
発泡性シートの樹脂原料として、アイソタクチックホモポリプロピレン40重量部及びランダムポリプロピレン40重量部の代わりに、上記ランダムホモポリプロピレン80重量部を用いるとともに、高密度ポリエチレン20重量部の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン(密度=0.917g/cm3 、メルトインデックス=2.5g/10分、1−オクテン含有量=15重量%)20重量部を用いたこと以外は実施例13と同様にして積層シートを得た(図4参照)。
【0209】
得られた積層シートAの補強シートA1は熱可塑性樹脂発泡シートの両面にブロックポリプロピレン層を介して強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリエチレン繊維が溶融してなるポリエチレンをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており、この表面層A3の表面には凹凸部A31 が形成されていた。この凹凸部A31 の凸部A311は、高さが40μmで且つ体積が0.013mm3 である正四角錘状に形成されており、隣接する凸部A311の頂点間の距離が4mmとなるように千鳥状に配列、形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記熱可塑性樹脂発泡シートA1の表面に達して該熱可塑性樹脂発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0210】
(実施例17)
補強用シートとして、炭素繊維(炭素繊維径=9μm、繊維長=120mm,引っ張り弾性率=220GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0211】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。又、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0212】
(実施例18)
補強用シートとして、ガラス繊維(ガラス繊維径=9μm、繊維長=120mm、引っ張り弾性率=70GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、ガラス繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0213】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成するガラス繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。又、ガラス繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0214】
(実施例19)
補強用シートとして、洋麻(ケナフ)繊維(洋麻繊維径=9μm、繊維長=120mm,引っ張り弾性率=22GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=30g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、洋麻繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0215】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する洋麻繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着されていた。又、洋麻繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0216】
(実施例20)
補強用シートとして、連続シート状のガラスペーパー(オリベスト社製 商品名「グラベスト」、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.2×10-5/℃、厚み=0.3mm、ガラス繊維径=9μm、ガラス繊維長=15mm、ガラス繊維の引っ張り弾性率=70GPa、バインダー=アクリレート系エマルジョン樹脂、ガラス繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0217】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成するガラス繊維同士は、アクリレート系エマルジョン樹脂をバインダーとして強固に結着されていた。加えて、ガラス繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0218】
(実施例21)
補強用シートとして、連続シート状の炭素繊維ペーパー(オリベスト社製 商品名「カーボライト」、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、厚み=0.3mm、炭素繊維径=7μm、炭素繊維長=15mm、炭素繊維の引っ張り弾性率=220Gpa、バインダー=アクリレート系エマルジョン樹脂、炭素繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0219】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、アクリレート系エマルジョン樹脂をバインダーとして強固に結着されていた。加えて、炭素繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートと強固に一体化していた。
【0220】
(実施例22)
補強用シートとして、連続シート状の洋麻(ケナフ)ペーパー(オリベスト社製、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.4×10-5/℃、厚み=0.3mm、洋麻繊維径=80μm、洋麻繊維長=15mm、洋麻繊維の引っ張り弾性率=22GPa、バインダー=ポリビニルアルコール70重量%と熱可塑性ウレタン樹脂30重量%との混合物、洋麻繊維の含有量=85重量%)を用いたこと、表面フィルムの厚みを80μmとしたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(a)参照)。
【0221】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する洋麻繊維同士は、ポリビニルアルコールと熱可塑性ウレタン樹脂とをバインダーとして強固に結着されていた。加えて、洋麻繊維は上記表面層A3によって被覆、隠蔽された状態となっており積層シートAの両面は平滑面に形成されていた。又、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。
【0222】
(実施例23)
発泡性ポリプロピレンシートの一面に積層面材を補強用シートが内側となるように積層する一方、他面に炭素繊維(炭素繊維径=7μm、繊維長=50mm、引っ張り弾性率=220GPa)とポリプロピレン繊維(メルトインデックス=15g/10分)とを絡合させてなる連続シート状の補強用シート(幅=1500mm、目付重量=43g/m2 、線膨張係数=−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリプロピレン繊維(重量比)=70/30)と、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点=250℃)で且つ鞘部がポリプロピレン(メルトインデックス=15g/10分)である芯鞘型合成樹脂製繊維(繊維長=50mm)を絡合させてなる連続シート状の幅が1500mmの表皮用シートとを補強用シートを内側にして積層して発泡性積層シートを作製したこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た(図2(b)参照)。
【0223】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着され、又、表面層A3は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。更に、表皮シートA4のポリエチレンテレフタレート繊維は、芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部を構成するポリプロピレンが溶融し、これがバインダーとなってポリエチレンテレフタレート繊維同士が絡合状態に強固に結着されていた。
【0224】
(実施例24)
表皮用シートとして、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点=250℃)で且つ鞘部がポリプロピレン(メルトインデックス=15g/10分)である芯鞘型合成樹脂製繊維(繊維長=100mm)を絡合させてなる連続シート状の幅が1500mmの表皮用シートを用いたこと以外は実施例23と同様にして積層シートを得た(図2(b)参照)。
【0225】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着され、又、表面層A3は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。更に、表皮シートA4のポリエチレンテレフタレート繊維は、芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部を構成するポリプロピレンが溶融し、これがバインダーとなってポリエチレンテレフタレート繊維同士が絡合状態に強固に結着されていた。
【0226】
(実施例25)
表皮用シートとして、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点=250℃)で且つ鞘部がポリプロピレン(メルトインデックス=15g/10分)である芯鞘型合成樹脂製繊維(繊維長=150mm)を絡合させてなる連続シート状の幅が1500mmの表皮用シートを用いたこと以外は実施例23と同様にして積層シートを得た(図2(b)参照)。
【0227】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着され、又、表面層A3は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。更に、表皮シートA4のポリエチレンテレフタレート繊維は、芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部を構成するポリプロピレンが溶融し、これがバインダーとなってポリエチレンテレフタレート繊維同士が絡合状態に強固に結着されていた。
【0228】
(実施例26)
表皮用シートとして、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点=250℃)で且つ鞘部がポリプロピレン(メルトインデックス=15g/10分)である芯鞘型合成樹脂製繊維(繊維長=300mm)を絡合させてなる連続シート状の幅が1500mmの表皮用シートを用いたこと以外は実施例23と同様にして積層シートを得た(図2(b)参照)。
【0229】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着され、又、表面層A3は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。更に、表皮シートA4のポリエチレンテレフタレート繊維は、芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部を構成するポリプロピレンが溶融し、これがバインダーとなってポリエチレンテレフタレート繊維同士が絡合状態に強固に結着されていた。
【0230】
(実施例27)
表皮用シートとして、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点=250℃)で且つ鞘部がポリプロピレン(メルトインデックス=15g/10分)である芯鞘型合成樹脂製繊維(繊維長=1000mm)を絡合させてなる連続シート状の幅が1500mmの表皮用シートを用いたこと以外は実施例23と同様にして積層シートを得た(図2(b)参照)。
【0231】
得られた積層シートAの補強シートA2はポリプロピレン発泡シートA1の両面に強固に積層一体化されていた。そして、上記補強シートA2を構成する炭素繊維同士は、ポリプロピレン繊維が溶融してなるポリプロピレンをバインダーとして強固に結着され、又、表面層A3は平滑面に形成されていた。加えて、上記積層シートAの表面層A3を構成するホモ系ポリプロピレンは補強シートA2内に進入するとともに上記ポリプロピレン発泡シートA1の表面に達して該ポリプロピレン発泡シートA1と強固に一体化していた。更に、表皮シートA4のポリエチレンテレフタレート繊維は、芯鞘型合成樹脂製繊維の鞘部を構成するポリプロピレンが溶融し、これがバインダーとなってポリエチレンテレフタレート繊維同士が絡合状態に強固に結着されていた。
【0232】
(比較例1)
気泡のアスペクト比Dz/Dxyが1である厚みが6.0mmの架橋ポリプロピレン発泡シート(積水化学工業株式会社製 商品名「ソフトロンSP」、発泡倍率=15cm3 /g)の両面に、シート状の洋麻(ケナフ)ペーパー(オリベスト社製、目付重量=35g/m2 、線膨張係数=0.4×10-5/℃、厚み=0.3mm、洋麻繊維径=80μm、洋麻繊維長=25mm、バインダー=ポリビニルアルコール70重量%と熱可塑性ウレタン樹脂30重量%との混合物、洋麻繊維の含有量=85重量%)からなる補強用シートを積層させた上で、上記架橋ポリプロピレン発泡シートの両面から加熱成形を行なって、重量が600g/m2 で且つ厚みが6.5mmの積層シートを得た。
【0233】
実施例1乃至実施例27及び比較例1で得られた積層シートの目付強度、線膨張係数、成形性及び成形品取扱性、積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率及びアスペクト比、補強シートの目付重量、補強シート中における非溶融性繊維の含有量、表皮材剥離強度、補強シートの目付重量のCv値、外観性、補強シートの引っ張り弾性率、更に、実施例23乃至実施例27で得られた積層シートの接着性、成形精度及び表皮シートの破れを以下の方法で測定し、その結果を表1乃至表6に示した。
【0234】
(目付強度)
積層シートから長さ15cm×幅50cmの試験片を切り出し、JIS K7203に準拠して曲げ弾性勾配X(N/50mm/cm)を測定する一方、積層シートの目付重量Y(kg/m2 )測定して下記式により目付強度を測定した。
目付強度(N/50mm/cm/kg/m2 )=X/Y
【0235】
(線膨張係数)
積層シートから長さ15cm×幅2cmの試験片を切り出し、85℃雰囲気中で24時間加熱後、その温度で試験片の表面に130mm間隔の一対の表線を付する。次に、この試験片を80℃の恒温槽に6時間放置し、その温度における表線間の長さ(L80)を測定する。更に、上記試験片を0℃の恒温槽に6時間放置し、その温度における表線間の長さ(L0 )の長さを測定する。そして、以下の式によって線膨張係数を算出した。
線膨張係数(1/℃)=(L80−L0 )/(L0 ×80)
【0236】
(成形性)
図5に示したような雌雄金型を用いて積層シートを成形した。具体的には、上記雌型金型6は、平面正方形状の雌型金型本体61の上面中央部に縦1500mm×横1200mm×深さ300mmの截頭四角錐形状の凹部62が形成されてなり、該凹部62の各稜線部及び開口端縁は共に面取りされて円弧状に形成されていた一方、上記雄型金型7は、その雄型金型本体71が上記雌型金型6の雌型金型本体62と同一形状で且つ同一大きさの平面正方形状に形成されているとともに、該雄型金型本体71の下面中央部には上記雌型金型6の凹部62に嵌合可能な截頭四角錐形状の凸部72が突設されていた。なお、上記雄型金型7の凸部72の各稜線部は面取りされて円弧状に形成されていた。
【0237】
積層シートAの表面層A3上に目付重量が200g/m2 であるポリエステル製不織布8を載置し、上記積層シートAの表面温度が180℃になるまで加熱した上で、上記積層シートAを上記ポリエステル製不織布8が雄型金型7側となるように上記雌雄金型6、7間に配設した後、該雌雄金型6、7をクリアランス5mmで型閉めして上記積層シートAを挟圧、成形し、図6に示したような形状の成形品9を得た。なお、上記雌雄金型6、7は40℃に調整されているとともに、上記雌雄金型6、7の型閉め時間は30秒であった。又、上記雌雄金型6、7を型開きした後、得られた成形品9をトリミングした。得られた成形品を目視観察し、成形品表面に皺、亀裂等が全くないものを◎、皺、亀裂等が僅かにあるものを○、皺、亀裂等が多数あるものを×とした。
【0238】
(成形品取扱性)
上記の如くして得られた成形品9の凹部91の中央部に500gの鉄製の重錘を貼着した上で平坦な床面上に載置し、成形品の四方辺縁部における中央部を把持して上方に向かって所定高さだけ持ち上げて再度床面上に載置した。この動作を10回繰り返して成形品に皺、凹み又は折れの何れもが全く発生していないものについては○、一か所でも皺、凹み又は折れのいずれかが発生しているものについては×とした。
【0239】
(発泡倍率)
JIS K6767に準拠して測定した。
【0240】
(アスペクト比)
積層シートのポリプロピレン発泡シートをその厚み方向に切断し、切断面の中央部を光学顕微鏡で観察しつつ20倍の拡大写真を撮影した。写真に写っている気泡について、測定対象となる各気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)を測定し、その平均を算出した。なお、実物大の大きさにおけるDz が0.1mm未満の気泡、或いは、Dz が2mmを越える気泡についても測定対象外とした。
【0241】
(補強シートの目付重量)
積層シート10枚から横2cm×縦5cmの試験片を夫々切り出し、この試験片のポリプロピレン発泡シートを剥離、除去する。このポリプロピレン発泡シートを剥離、除去して残った補強シート及び表面層部分における補強シート面をサンドペーパー2000番で擦って上記熱可塑性樹脂発泡シートを完全に除去した。更に、上記補強シートの表面に積層一体化されている表面層をフライス板を用いて補強シートの非溶融性繊維が露出するまで削り取った。このようにして得られた各補強シートの目付重量を測定し、その個数平均を算出し補強シートの目付重量とした。
【0242】
(補強シート中の非溶融性繊維含有量)
先ず、上記補強シートの目付重量の測定方法で得られた補強シートの夫々の重量を測定する。次いで、この補強シートを120℃のキシレン中に24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して残った金網上の非溶融性繊維を真空乾燥する。そして、この真空乾燥された非溶融性繊維の重量を秤量して、下記に示す式にて各補強シート中の非溶融性繊維の含有量を算出し、その個数平均を補強シート中の非溶融性繊維含有量とした。
補強シート中の非溶融性繊維含有量(重量%)
=100×非溶融性繊維重量/キシレン浸漬前の補強シート重量
【0243】
(表皮材剥離強度)
上記成形性評価で得られた成形品9の底面部中央から25×150mmの平面矩形状の試験片を切り出す。そして、この試験片の短辺側から上記表皮材を上記表面層から剥離する際の引っ張り強さを引っ張り速度200mm/minで測定した。
【0244】
(補強シートの目付重量のCv値)
補強用シートを両面から平板状の加熱プレスで挟圧し、補強用シート中の熱可塑性樹脂成分の融点以上に加熱して熱可塑性樹脂を完全に溶融させた後、冷却し、補強シートとみなした。このシートから3cm×3cmの試験片を100個切り出し、各試験片の1m2 当たりの重量(目付重量)を測定し、その平均重量(x)及び標準偏差(σ)を算出する。そして、下記式により補強シートの目付重量のCv値を求める。
補強シートの目付重量のCv値(%)=100×σ/x
【0245】
(外観性)
成形性の評価において得られた成形品9のポリエステル製不織布に光を照射し、ポリエステル製不織布表面に凹凸に起因する影が生じたか否かを目視観察し、影が生じなかったものを○、影が生じたものを×とした。
【0246】
(補強シートの引っ張り弾性率)
補強用シートを両面から平板状の加熱プレスで挟圧し、補強用シート中の熱可塑性樹脂成分の融点以上に加熱して熱可塑性樹脂を完全に溶融させた後、冷却し、補強シートとみなし、この補強シートの引っ張り弾性率をJIS K7127に準拠して1号形試験片を作成して測定した。
【0247】
(接着性)
雌雄面ファスナーを用意し、積層シートの表皮シート表面にポリアミド系ホットメルト接着剤を1330g/m2 塗布し、この接着剤上に上記雄型面ファスナーを圧力87kPaで2時間押しつけた後一日放置し、両者を接着一体化した後、この雄型面ファスナーに雌型面ファスナーを取り付けて雄型面ファスナーを表皮シート表面から剥離する際の剥離強度を測定した。
【0248】
(成形精度)
成形性において用いた雌雄金型を用いて、積層シートをその表皮シートが雄型金型7側となるようにして成形した成形品を得た。そして、雄型金型7の凸部72における先端面外周縁部の円弧状面72a のRと、この円弧状面72a に対応する成形品のRを測定し、両者の差が5mm以下のものを○、5mmを越えるものを×とした。
【0249】
(表皮シートの破れ)
成形精度の評価において得られた成形品の表皮シートの破れの有無を目視観察し、破れが発生しなかったものを○、破れが発生したものを×とした。
【0250】
【表1】
【0251】
【表2】
【0252】
【表3】
【0253】
【表4】
【0254】
【表5】
【0255】
【表6】
【0256】
【発明の効果】
本発明の積層シートは、上記の如き構成を有するので、軽量性に優れているとともに曲げ強度、圧縮強度、熱成形性及び寸法安定性に優れており、車両用内装材、断熱材、緩衝材等に好適に用いられる。
【0257】
又、本発明の積層シートの製造方法によれば、発泡性シートの一面に補強用シートを積層して発泡性積層シートを得た後、この発泡性積層シートを汎用の加熱装置を用いて発泡させるといった簡単な工程でもって上記積層シートを確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートを厚み方向に切断した時の該熱可塑性樹脂発泡シートの気泡断面形状を示した図である。
【図2】 積層シートの縦断面図である。
【図3】 積層シートを製造する際に用いられるベルト式加熱装置を示した模式側面図である。
【図4】 積層シートの縦断面図である。
【図5】 積層シートを成形する際に用いられた雌雄金型を示した斜視図である。
【図6】 図5に示した雌雄金型を用いて得られた成形品を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 予熱ゾーン
2 発泡ゾーン
3 冷却ゾーン
4 搬送ベルト
5 発泡性積層シート
A 積層シート
A1 発泡シート
A2 補強シート
A3 表面層
A4 表皮シート
Claims (20)
- 熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に補強シートが積層一体化され、補強シートは、非溶融性繊維が互いに絡合してなるとともに該非溶融性繊維同士が熱可塑性樹脂によって結着されてなる不織布からなる一方、上記熱可塑性樹脂発泡シートは、その気泡のアスペクト比Dz/Dxyが1.2以上であり且つその発泡倍率が5〜50cm3 /gであり、少なくとも一つの上記補強シートの表面に熱可塑性樹脂からなる表面層が積層一体化されて、上記補強シートの非溶融性繊維による凹凸面が被覆、隠蔽され、更に、表面層を構成する熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂とが相溶性を有していると共に、上記表面層を構成する熱可塑性樹脂が補強シート中に進入して熱可塑性樹脂発泡シートと一体化していることを特徴とする積層シート。
- 補強シートの目付重量が10〜70g/m2 であることを特徴とする請求項1に記載の積層シート。
- 補強シートの目付重量のCv値が25%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層シート。
- 補強シートの引っ張り弾性率が500MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の積層シート。
- 補強シート中における非溶融性繊維の含有量が20〜90重量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の積層シート。
- 非溶融性繊維の繊維長が10〜150mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の積層シート。
- 非溶融性繊維の引っ張り弾性率が20GPa以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の積層シート。
- 補強シートの非溶融性繊維同士を結着している熱可塑性樹脂のメルトインデックスが5〜60g/10分であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の積層シート。
- 表面層に凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の積層シート。
- 凹凸部は、隣接する凸部間の距離が0.1〜10mmとなるように前後左右方向に連続的に形成されており、上記凸部の体積は0.001〜5mm3 であるとともに上記凸部の高さは10〜500μmであることを特徴とする請求項9に記載の積層シート。
- 積層シートの目付強度が98N/50mm/cm/kg/m2 以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の積層シートの製造方法。
- 所望形状に賦形されて車両用内装材として用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の積層シート。
- 熱可塑性樹脂に多官能モノマーを添加して上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂を製造し、この変性熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を添加して該熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して発泡性シートを形成した後、この発泡性シートの少なくとも一面に、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とが互いに絡合することにより形成された不織布からなる補強用シートを積層して発泡性積層シートを形成し、更に、この発泡性積層シートの少なくとも一つの補強用シート上に表面シートを積層した後、該発泡性積層シートを多官能モノマーの反応温度及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させるとともに補強用シートの熱可塑性樹脂製繊維を溶融させて非溶融性繊維同士を結着させ、上記表面シートを発泡性積層シートの発泡時に溶融させて補強用シート中に進入させ、発泡性シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと一体化させることを特徴とする積層シートの製造方法。
- 熱可塑性樹脂、架橋助剤及び熱分解型発泡剤を含有する発泡性樹脂組成物を上記架橋助剤の反応温度及び上記熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して発泡性シートに形成し、この発泡性シートに電離性放射線を照射することによって該発泡性シートに架橋構造を付与する前或いはその後に、上記発泡性シートの少なくとも一面に、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂製繊維とが互いに絡合することにより形成された不織布からなる補強用シートを積層して発泡性積層シートを形成し、更に、この発泡性積層シートの少なくとも一つの補強用シート上に表面シートを積層した後、該発泡性積層シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させるとともに補強用シートの熱可塑性樹脂製繊維を溶融させて非溶融性繊維同士を結着させ、上記表面シートを発泡性積層シートの発泡時に溶融させて補強用シート中に進入させ、発泡性シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと一体化させることを特徴とする積層シートの製造方法。
- 補強用シートの目付重量が10〜70g/m2 であることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の積層シートの製造方法。
- 補強用シート中における非溶融性繊維の含有量が20〜90重量%であることを特徴とする請求項13乃至請求項15の何れか1項に記載の積層シートの製造方法。
- 非溶融性繊維の繊維長が10〜150mmであることを特徴とする請求項13乃至請求項16の何れか1項に記載の積層シートの製造方法。
- 熱可塑性樹脂製繊維のメルトインデックスが5〜60g/10分であることを特徴とする請求項13乃至請求項17の何れか1項に記載の積層シートの製造方法。
- 表面シートは熱可塑性樹脂シートから形成され、該表面シートを構成する熱可塑性樹脂は補強用シートを構成する熱可塑性樹脂製繊維と相溶性を有することを特徴とする請求項13乃至請求項18の何れか1項に記載の積層シートの製造方法。
- 請求項1乃至請求項12に記載の積層シートを表面温度160〜210℃に加熱し、10〜70℃に保持された雌雄金型によって成形することを特徴とする積層シートの成形方法。
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