JP3792209B2 - 数値制御装置における被加工物中心位置検出方法および数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置における被加工物中心位置検出方法および数値制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、数値制御装置における被加工物中心位置検出方法および数値制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図35は数値制御装置の従来例を示している。この数値制御装置1は、加工プログラム解析処理部10と、加工プログラムを格納するメモリ20と、パラメータ設定部21と、画面表示処理部22と、補間処理部30と、機械制御信号処理部50と、シーケンス回路をなすラダー回路部55と、各可動軸毎に設けられた軸制御部60と、軸移動量入出力回路70とを有している。
【0003】
軸移動量入出力回路70には各系統の可動軸のサーボ制御部80が接続され、また各サーボ制御部80には各可動軸のサーボモータ90が接続されている。なお、図には示されていないが、サーボモータ90は位置検出用のパルスゼネレータ付きのものであり、サーボ制御部80はパルスゼネレータよりの位置フィードバック信号による位置ループを有する。
【0004】
この数値制御装置1では、テープリーダ等から読み込まれた加工プログラムはメモリ20に格納される。加工プログラムを実行する際には、メモリ20から1ブロックずつ加工プログラムを読み出し、加工プログラム解析処理部10によって加工プログラムを解析処理し、各ブロックの終点位置等を算出する。この終点位置を補間処理部30の補間処理手段31によって処理し、終点位置を各可動軸の単位時間当たりの移動指令に分配する。
【0005】
この移動指令は、軸制御部60による加減速処理によって予め指定された加減速パターンに従って加減速を考慮した単位時間当たりの移動指令に変換され、軸移動量入出力回路70よりサーボ制御部80へサーボ移動指令として出力される。
【0006】
このサーボ移動指令によりサーボ制御部80は図示されていない工作機械に取り付けられているサーボモータ90に対して回転指令を与える。
【0007】
また、切削油のオン・オフ等の機械信号は機械制御を記述するラダー回路部55を介して機械制御信号処理部50で処理され、処理結果などは補間処理部30に伝えられる。
【0008】
図示していないキー入力手段によって設定された各可動軸の加減速時定数等はパラメータ設定部21が処理してメモリ20に格納される。このようにして格納されたパラメータ等は画面表示処理部22によって図示していない表示器に表示されるので、パラメータ等の内容を確認することができる。
【0009】
工具長補正を自動的に行うために、工具Tの先端が突当てられたことを検出する圧電素子などによるセンサ100(図36参照)が設けられており、数値制御装置1には、センサ100の信号を取り込みセンサ信号入力回路101と、センサ信号の入力処理を行うセンサ入力処理部102とが設けられている。
【0010】
また、加工プログラム解析部10には加工プログラム解析手段11に加えて工具長補正指令解析手段12が、補間処理部30には補正量算出手段32が、軸制御部60には移動量キャンセル手段61と、軸移動量入出力回路70を介してサーボ制御部80より座標位置情報を取り込む位置検出手段62とが設けられている。
【0011】
なお、ここでは、工具Tの工具長方向はX軸方向であるとする。このことにより移動量キャンセル手段61と位置検出手段62はX軸の軸制御部60に設けられる。
【0012】
この数値制御装置1では、加工プログラム解析手段11が一つのプログラム指令である工具長補正指令を解析すると、工具保有軸(X軸)が図36に示されているような測定開始位置に移動し、工具保有軸がセンサ100へ向けてX軸移動する。
【0013】
工具保有軸に装備されている工具Tの先端がセンサ100に衝突すると、そのことがセンサ100のセンサ信号により検知され、移動量キャンセル手段61が直ちにX軸移動を停止させて残りのX軸移動指令をキャンセルし、補正量算出手段32が、位置検出手段62により検出される軸停止時、換言すれば工具長測定点でのX軸座標値Xaと測定開始位置のX軸座標値Xoとの差により工具長補正量を算出し、この工具長補正量によって工具長を自動補正することが行われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の数値制御装置における工具長補正では、工具長測定のために専用のセンサを使用している、すなわち、工具長補正のための工具長測定のためだけにセンサが必要であり、また軸制御のための通常のハードウェア構成とは別に、センサ信号を取り込むためのセンサ信号入力回路やセンサ入力処理部を構成する特別なハードウェア構成を数値制御装置に付加しなければならないと云う問題点がある。
【0015】
旋盤などにおいて、円形横断面の棒状の被加工物(以下、ワークと云うことがある)を主軸によって自身の中心軸線周りに回転させてバイト工具などにより旋削する場合には、バイト工具の刃先位置とワークの中心位置とが合致している必要があるが、従来の数値制御装置では、ワークの中心位置を特別な計測装置を使用せずに自動的に検出することができないため、バイト工具の刃先位置をワークの中心位置に合致させることを自動化できないと云う問題点がある。
【0016】
また従来の数値制御装置では、画像処理手段などを含む特別な計測装置を使用しなけば、工具の摩耗度合いを検出することができないため、オペレータが工具の交換時期を把握するには、相当の経験を要すると云う問題点があった。
【0017】
この発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、特別なセンサ、計測装置や、特別なハードウェア構成を数値制御装置に付加することなく被加工物の中心位置を検出し得る数値制御装置における被加工物中心位置検出方法および数値制御装置を得ることを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明に係る数値制御装置における被加工物中心位置検出方法は、円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、前記主軸モータをサーボロックさせた状態で工具の先端を前記被加工物の外周面に衝突させるように工具保有軸をX方向に移動させたときの主軸モータの負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出する第1のステップと、前記衝突を検出すると前記工具保有軸を逆方向に移動するとともに、前記衝突検出時の前記主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より前記被加工物の中心軸線に対する前記工具保有軸のY方向のオフセット方向を検出し、前記オフセット量が低減する方向へ前記工具保有軸をY方向に移動させる第2のステップと、前記第1および第2のステップを繰り返すことにより、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する前後のY方向の2位置を求め、これらY方向の2位置の平均値により被加工物の中心位置を検出する第3のステップと、を備えることを特徴とする。
【0020】
つぎの発明に係る数値制御装置における被加工物中心位置検出方法は、円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、円形横断面の棒状の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出する第1のステップと、この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値に基づき前記被加工物における工具保有軸のY方向の中心位置を算出する第2のステップと、工具を前記算出された被加工物の中心位置に位置決めし、初期設定値により工具長補正が行われた移動指令により工具保有軸をX方向に移動して工具刃先で被加工物を切削する第3のステップと、この切削後の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出し、この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値を求める第4のステップと、前記第2のステップで得られた工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値および前記第4のステップで得られた工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値に基づき前記切削時の実切り込み量を算出し、該算出した実切り込み量と、前記切削時のX方向の移動指令量と、前記工具長補正の初期設定値とに基づき工具長補正量を算出する第5のステップと、を備えることを特徴とする。
【0022】
つぎの発明に係る数値制御装置は、円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、主軸モータの負荷電流を検出する主軸電流値入力回路と、前記主軸モータをサーボロックさせた状態で工具の先端を前記被加工物の外周面に衝突させるように工具保有軸をX方向に移動させたときの前記主軸電流値入力回路の出力の変化に基づき前記衝突を検出する第1の処理と、前記衝突を検出すると前記工具保有軸を逆方向に移動するとともに、前記衝突検出時の前記主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より前記被加工物の中心軸線に対する前記工具保有軸のY方向のオフセット方向を検出し、前記オフセット量が低減する方向へ前記工具保有軸をY方向に移動させる第2の処理と、前記第1および第2の処理を繰り返すことにより、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する前後のY方向の2位置を求め、これらY方向の2位置の平均値により被加工物の中心位置を検出する第3の処理とを実行するワーク中心決定手段とを有しているものである。
【0024】
つぎの発明に係る数値制御装置は、円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、前記工具保有軸のモータ負荷電流を検出するサーボ電流値入力回路と、円形横断面の棒状の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出し、この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の第1の座標値に基づき前記被加工物における工具保有軸のY方向の中心位置を算出するワーク中心決定手段と、工具を前記算出された被加工物の中心位置に位置決めし、初期設定値により工具長補正が行われた移動指令により工具保有軸をX方向に移動して工具刃先で被加工物を切削し、この切削後の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出し、この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の第2の座標値を求め、前記第1および第2の座標値に基づき前記切削時の実切り込み量を算出し、該算出した実切り込み量と、前記切削時のX方向の移動指令量と、前記工具長補正の初期設定値とに基づき工具長補正量を算出する手段とを有しているものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に説明するこの発明の実施の形態において上述の従来例と同一構成の部分は、上述の従来例に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】
(実施の形態1)
図1はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態1を示している。
【0028】
この数値制御装置1における工具保有軸はX軸であり、X軸と同一方向に軸移動可能に衝突面板200(図2参照)が設けられている。衝突面板200は、金属板などにより構成され、X軸と直交して工具保有軸の工具Tと対向する平面201を有している。なお、ここでは、衝突面板200の可動軸をW軸とする。
【0029】
この数値制御装置1は、加工プログラム解析部10に、加工プログラム解析手段11に加えて、工具保有軸(X軸)を全ストローク或いは所定ストロークだけ軸移動させて工具保有軸のモータ負荷電流をサンプリングするサンプリングモード指令を解析するサンプリングモード指令解析手段13と、所定の測定開始座標位置から工具保有軸を軸移動させる工具長測定指令を解析する工具長測定指令解析手段14とを有している。
【0030】
補間処理部30は、補間処理手段31に加えて、補正量算出手段32と、サンプリング電流解析手段33と、衝突面板軸移動補間処理手段34とを有している。
【0031】
X軸用の軸制御部60は、移動量キャンセル手段61と、位置検出手段62と、サーボ電流値入力手段63と、電流値サンプリング手段64と、衝突検出手段65とを有している。
【0032】
数値制御装置1にはX軸用のサーボモータ90の負荷電流(以下、サーボ電流値と云うことがある)を入力するサーボ電流値入力回路71が設けられており、サーボ電流値入力回路71によって入力されたサーボ電流値はX軸用軸制御部60のサーボ電流値入力手段63を介して電流値サンプリング手段64と衝突検出手段65とに与えられる。
【0033】
電流値サンプリング手段64は、サンプリングモード指令解析手段13によるサンプリングモード指令の解析により動作し、全ストローク或いは所定ストロークに亙る工具保有軸のX軸移動においてサンプリングされたモータ電流値をメモリ20に書き込む。
【0034】
サンプリング電流解析手段33は、サンプリングモード指令によって全ストローク或いは所定ストロークの軸移動に亙ってサンプリングされたサーボ電流値(メモリ20に書き込まれているサーボ電流値のデータ列)より、サーボ電流値の変動が少ないストローク領域を検出する。
【0035】
ここでのサーボ電流値の変動は図3に例示されているような特性を示し、このサーボ電流値の変動は、主として、工具保有軸の送りねじ機構部をなすリータンパイプ式やデフレクタ式のボールねじナットのボールが循環する際の抵抗変動に起因するものであり、これは、送りねじの移動開始時(ボールねじナットのボール循環開始時)や、潤滑油温度が低い低温時において顕著なものになる。
【0036】
衝突面板軸移動補間処理手段34は、サンプリング電流解析手段33によって検出された前記ストローク領域で衝突面板200に工具先端が衝突するように衝突面板200をW軸移動させる補間処理を行う。
【0037】
工具保有軸は工具長測定指令解析手段14による工具長測定指令の解析によって所定の測定開始座標位置からX軸移動し、衝突検出手段65は、このX軸移動下においてサーボ電流値入力手段63よりサーボ電流値を取り込み、このサーボ電流値の変化より工具Tの先端が衝突面板200の平面(対向面部)201に衝突したことを検出する。なお、測定開始座標位置は衝突面板200の配置位置に応じて適正な位置に可変設定される。
【0038】
サーボ電流値の変化より工具Tの先端が衝突面板200の平面201に衝突したことの検出は、図4(a)に示されているように、負荷電流が衝突検出レベルを超えたことにより、あるいは図4(b)に示されているように、負荷電流の増加率が所定値を超えたことにより行われ、衝突検出レベルなどは負荷電流のサンプリング結果より適正値に可変設定することができる。
【0039】
移動量キャンセル手段61は衝突検出手段65によって工具Tの先端が衝突面板200の平面201に衝突したことが検出されることにより直ちにX軸移動を停止させて残りのX軸移動指令をキャンセルし、補正量算出手段32は、この軸停止時に位置検出手段62により検出されるX軸座標値、即ち工具長測定点でのX軸座標値Xaと測定開始位置のX軸座標値Xoとの差により工具長補正量を算出する。
【0040】
補間処理部30は補正量算出手段32により算出された工具長補正量によって工具長を自動補正する。
【0041】
つぎに、図5に示されているフローチャートを参照して上述のような構成による数値制御装置による工具長補正方法の実施手順を説明する。
【0042】
電流サンプリングモード指定の場合には(ステップS10)、衝突面板200を退避させ(ステップS11)、工具保有軸を全ストロークに亙ってX軸移動させ、電流値サンプリング手段64によって工具保有軸のモータ負荷電流をサンプリングし、これをメモリ20に登録する(ステップS12)。
【0043】
つぎに、メモリ20に書き込まれている全ストロークのサンプリング負荷電流をサンプリング電流解析手段33によって解析し、サーボ電流値の変動が少ないストローク領域を検出する(ステップS13)。
【0044】
つぎに、サンプリング電流解析手段33によって検出された負荷電流変動が少ないストローク領域で衝突面板200に工具先端が衝突するように、衝突面板軸移動補間処理手段34が衝突面板200をW軸移動させる補間処理を行う。これにより衝突面板200が負荷電流の変動が少ない箇所に位置決めされ、この位置を基準にパラメータで決められた範囲を工具長の測定領域とする(ステップS14)。
【0045】
つぎに、負荷電流変動が少ないストローク領域でのサーボ電流値に応じて衝突検出負荷電流レベルを決定し(ステップS15)、衝突面板200の配置位置に基づいて測定開始位置を変更する(ステップS16)。
【0046】
工具長測定指令では(ステップS17)、まず工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし(ステップS18)、工具保有軸を工具長測定速度(10mm/分程度)により衝突面板200に接近する方向にX軸移動させる(ステップS19)。
【0047】
この軸移動下で、工具保有軸のモータ負荷電流を検出し(ステップS20)、モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えたか否かを衝突検出手段65によって判別する(ステップS21)。この衝突検出はサーボ電流値の変動が少ないストローク領域で行われるから、誤検出のない正確な衝突検出が行われる。
【0048】
モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えれば、工具Tの先端が衝突面板200の平面201に衝突したとして、移動量キャンセル手段61によって残りのX軸移動指令をキャンセルし、工具保有軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で移動させ(ステップS22)、工具Tの先端が衝突面板200の平面201に衝突した位置(工具長測定点)のX座標値Xaを読み出し(ステップS23)、補正量算出手段32によってX軸座標値Xaと測定開始位置のX軸座標値Xoとの差により工具長補正量を算出する(ステップS24)。
【0049】
これにより特別なセンサなどを必要とすることなく工具長補正量が得られるようになる。
【0050】
工具Tの先端が衝突面板200の平面201に衝突すれば、即座に工具保有軸を逆方向へ最大送り速度で移動させることにより、工具先端にチッピングが生じることが回避される。
【0051】
(実施の形態2)
図6はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態2を示している。なお、図6に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0052】
この実施の形態では、対向面部として円形横断面の棒状のワークW(図7参照)が使用される。ワークWは、図7に示されているように、コレットチャック211によって把持され、主軸210によって自身の中心軸線周りに回転される。
【0053】
主軸210は主軸モータ91(図6参照)により回転駆動され、主軸モータ91はサーボロック可能な主軸制御部81(図6参照)により運転制御される。数値制御装置1における工具保有軸はこの実施の形態でもX軸である。
【0054】
この数値制御装置1は、加工プログラム解析部10に、加工プログラム解析手段11に加えて、サンプリングモード指令解析手段13と、工具長測定指令解析手段14と、ワーク中心を計測決定するワーク中心決定指令を解析するワーク中心決定指令解析手段15とを有している。
【0055】
補間処理部30は、補間処理手段31に加えて、補正量算出手段32と、サンプリング電流解析手段33と、ワーク中心決定手段35と、高速送り付加手段36とを有している。
【0056】
X軸用の軸制御部60は、移動量キャンセル手段61と、位置検出手段62と、サーボ電流値入力手段63と、電流値サンプリング手段64と、衝突検出手段65と、主軸電流値入力手段66とを有している。
【0057】
なお、工具長測定指令解析手段14、補正量算出手段32、サンプリング電流解析手段33、移動量キャンセル手段61、位置検出手段62、サーボ電流値入力手段63、電流値サンプリング手段64は、実施の形態1における場合と同等のものである。
【0058】
数値制御装置1にはサーボ電流値入力回路71とは別に、主軸モータ91の負荷電流(以下、主軸電流値と云うことがある)を入力する主軸電流値入力回路72が設けられており、主軸電流値入力回路71によって入力された主軸電流値はX軸用軸制御部60に設けられている主軸電流値入力手段66を介して衝突検出手段65に与えられる。
【0059】
衝突検出手段65は、工具保有軸のX軸移動下においてサーボ電流値入力手段63よりサーボ電流値を取り込み、このサーボ電流値の変化より工具Tの先端がワークWの外周面に衝突したことを検出し、また主軸モータ91をサーボロックした状態において主軸電流値入力手段66より主軸電流値を取り込み、この主軸電流値の変化より工具Tの先端がワークWの外周面に衝突したことを検出する。
【0060】
ワーク中心決定手段35は、ワーク中心決定指令により、主軸モータ91をサーボロックさせた状態で、主軸モータ91の負荷電流を取り込み、工具保有軸をX軸移動させて工具保有軸に装着されている工具Tの先端をワークWの外周面に衝突させた時の主軸モータ91の負荷電流の増減変化の極性よりワークWの中心軸線に対する工具保有軸のY軸方向のオフセット方向を検出し、オフセット量が低減する方向へ工具保有軸をY軸移動させ、衝突時の主軸モータ91の負荷電流の増減変化の極性より工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り返し、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する位置よりワークWの中心位置を検出する。
【0061】
高速送り付加手段36は、サンプリング電流解析手段33によるサンプリング電流の解析により工具長測定領域におけるX軸のモータ負荷電流の変動が大きい場合に、工具先端をワークWに衝突させることに先立って工具保有軸(ツール)を測定開始座標位置まで高速移動させる。この高速移動速度は3000mm/分程度であってよい。
【0062】
つぎに図8、図9、図12に示されているフローチャートを参照して上述のような構成による数値制御装置による被加工物中心位置検出方法および中心工具長補正方法の実施手順を説明する。
【0063】
先ず準備プロセスとして、図8に示されている負荷電流サンプリングルーチンを実行する。このルーチンでは、まず工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし(ステップS30)、ワークWを−Z軸方向(図7にて右側)に移動させてワークWを退避させる(ステップS31)。つぎに工具保有軸を工具長の測定領域に対応する所定ストロークに亙ってX軸移動させ、電流値サンプリング手段64によって工具保有軸のモータ負荷電流をサンプリングし、これをメモリ20に登録する(ステップS32)。
【0064】
つぎにメモリ20に書き込まれている工具長測定領域の負荷電流をサンプリング電流解析手段33によって解析し(ステップS33)、工具長の測定領域に所定レベル以上の負荷変動があるか否かを判別する(ステップS34)。工具長の測定領域に所定レベル以上の負荷変動がある場合には高速送り付加モードを設定する(ステップS35)。
【0065】
図9はワーク中心決定ルーチンを示している。このルーチンでは、まず工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし(ステップS40)、ワークWをZ軸方向(図7にて左側)に移動させてワークWを位置決めする(ステップS41)。このワークWの位置決め位置は工具保有軸のX軸によって工具刃先がワークWの外周面に衝突し得る位置である。
【0066】
つぎに、ワーク中心決定手段35によって主軸モータ91をサーボロック状態にし(ステップS42)、主軸制御部81が内蔵している主軸アンプの電流値の変化が現れやすいように工具TのY軸方向位置をツール選択位置よりパラメータで指定された初期オフセット分だけ偏倚させる(ステップS43)。
【0067】
つぎに、工具保有軸を10mm/分程度の工具長測定速度(低速送り)によりワークWの外周面に接近する方向にX軸移動させる(ステップS44)。
【0068】
この軸移動下で、主軸モータ91の負荷電流を検出し(ステップS45)、この負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えたか否かを衝突検出手段65によって判別する(ステップS46)。この衝突検出負荷電流レベルは、図10に示されているように、プラス側とマイナス側とがある。
【0069】
図11に示されているように、工具Tがワーク中心より左側にオフセットされていると、工具刃先がワークWの外周面に押し付けられることによってワークWを反時計廻り方向を回転せようとする力が作用する。主軸モータ91がサーボロック状態であることにより、主軸モータ91はワークWの現在の回転角位置を維持するように動作する。この結果、主軸モータ91の正回転方向が時計廻り方向であると、衝突によって主軸モータ91の負荷電流はプラス側の衝突検出負荷電流レベルを超えることになる。
【0070】
これに対し、工具Tがワーク中心より右側にオフセットされていると、衝突によって主軸モータ91の負荷電流はマイナス側の衝突検出負荷電流レベルを超えることになる。
【0071】
主軸モータ91の負荷電流がプラス側あるいはマイナス側の衝突検出負荷電流レベルを超えれば、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突したとして、移動量キャンセル手段61によって残りのX軸移動指令をキャンセルし、刃先のチッピング防止のために工具保有軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で移動させる(ステップS47)。
【0072】
つぎにワーク中心決定手段35が衝突検出手段2より主軸電流値が増加したか、減少したかの通知を受け、その増減変化の極性より工具保有軸がワーク中心より何れの側(図12にて右側か左側)にオフセットしているかを検出し(ステップS48)、そのオフセット量が減少する方向へ工具保有軸をY軸移動させる(ステップS49)。
【0073】
この後に再び、ステップS44〜ステップS48と同等の処理を繰り返すことによってオフセット方向を検出し(ステップS50)、主軸電流値の増減変化の極性が反転するまで(ステップS51)、オフセット方向検出とステップS49による工具保有軸のY軸移動を繰り返す。
【0074】
主軸電流値の増減変化の極性が反転すると云うことは、ステップS49による工具保有軸のY軸移動により、工具保有軸がワーク中心を超え、工具保有軸のオフセット方向が反転したことを意味する。例えば、初期オフセットの方向が左側であると、オフセット方向が右側になったことを意味する。
【0075】
主軸電流値の増減変化の極性が反転すれば(ステップS51肯定)、オフセット量が減少する方向へ工具保有軸を微少量だけY軸移動させる(ステップS52)。この後に再び、ステップS44〜ステップS48と同等の処理を繰り返すことによってオフセット方向を検出し(ステップS53)、主軸電流値の増減変化の極性が再度反転するまで(ステップS54)、オフセット方向検出とステップS53による工具保有軸のY軸移動を繰り返す。
【0076】
主軸電流値の増減変化の極性が反転すれば(ステップS54肯定)、この極性反転前後の2位置のY座標値の平均値よりワーク中心位置を決定する(ステップS55)。
【0077】
これにより、特別な計測装置などを必要とすることなく、ワーク中心位置が自動検出され、バイト工具などの刃先位置とワークの中心位置との心合わせを自動化することが可能になる。
【0078】
図12は工具長測定ルーチンを示している。まず、工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし(ステップS60)、ワーク中心決定手段35によって測定したワーク中心に工具選択軸(工具刃先)を位置決めする(ステップS61)。
【0079】
つぎに、負荷サンプリングルーチンで高速送り付加モードが設定されているか否かを調べる(ステップS63)。高速送り付加モードが設定されていれば、工具保有軸を後退させ(ステップS64)、図13に示されているように、後退位置より測定開始位置まで工具保有軸を高速送りする。
【0080】
この高速送りは、高速送りにより工具保有軸の送りねじ機構部をなすボールねじナットのボールが高速循環し、その後の低速送りでも慣性力によりボールの高速循環が速い状態が得られることによってボールねじナットのボールが循環する際の抵抗変動に起因する工具保有軸のサーボ電流値の変動を低減するために行われる。図14は高速送りによってその後の低速送りでの負荷電流の変動が低減することを模式的に示している。この高速送りによる負荷電流の変動低減効果は、図15に示されているように、3000mm/分程度で飽和するから、高速送り速度は3000mm/分程度であればよい。
【0081】
高速送りにより工具保有軸が測定開始位置に到達すると、工具保有軸の送り速度が工具長測定速度に切り換えられ、工具保有軸が工具長の測定領域を低速送りされる(ステップS66)。
【0082】
この軸移動下で、工具保有軸のモータ負荷電流を検出し(ステップS67)、モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えたか否かを判別する(ステップS68)。この衝突検出は、負荷電流の変動が低減された状態で行われるから、誤検出を生じることなく正確に行われる。
【0083】
モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えれば、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突したとして、移動量キャンセル手段61によって残りのX軸移動指令をキャンセルし、工具保有軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で移動させ(ステップS69)、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突した位置(工具長測定点)のX座標値Xaを読み出し(ステップS70)、実施の形態1における場合と同様に、補正量算出手段32によってX軸座標値Xaと測定開始位置のX軸座標値Xoとの差により工具長補正量を算出する(ステップS71)。
【0084】
従って、この実施の形態でも、特別なセンサなどを必要とすることなく工具長補正量が得られるようになる。
【0085】
(実施の形態3)
図16はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態3を示している。なお、図16に於いて、図6に対応する部分は図6に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0086】
この実施の形態は、実施の形態2の応用例であり、実施の形態2との相違点は、測定領域送り速度設定手段37が設けられ、測定領域送り速度を自動盤にセットされているワークの材質(SUS,BS,Al等)に応じて適正値に可変設定されることである。
【0087】
これは、硬質の材料ほど、バイトの刃先のチッピングの危険性が増えるため、送り速度を小さくすることが好ましく、軟質の材料ほど、衝突時の電流値の変化が小さくなるため、送り速度を大きくすることによって衝突時の電流値の変化を大きくすることが好ましいからである。また、材料が軟らかい場合は、送り速度を大きくしても刃先がチッピングすることはあまりない。この実施の形態では、衝突検出は電流変化率によって行われればよい。
【0088】
この測定領域送り速度は数値制御装置1に接続されている画面表示器による画面表示のもとにオペレータにより入力され、ワーク材質設定手段23によってパラメータ設定部21に登録される。
【0089】
つぎに、この実施の形態においける工具長測定ルーチンを図17に示す。この実施の形態における工具長測定ルーチンと実施の形態2における場合との相違点は、図12と比較して明らかなように、最初にワークの材質を読み出すこと(ステップS59)と、ステップS66で、材質に応じて測定領域送り速度を設定して工具保有軸を低速送りすることだけであり、その他のことは実施の形態2における場合と同じである。
【0090】
この実施の形態では、ワークの材質の如何に拘らず、正確な衝突検出が行われ、ついては正確な工具長補正が行われるようになる。
【0091】
(実施の形態4)
図18はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態4を示している。なお、図18に於いて、図6に対応する部分は図6に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0092】
この実施の形態は、実施の形態2の変形例であり、高速送り付加手段36に代えてウォームアップ手段38が設けられている。ウォームアップ手段38は、工具先端をワークWに衝突させることに先立って工具保有軸を所定時間に亙って軸移動させ、工具保有軸の送りねじ機構部のウォームアップを行う。
【0093】
この実施の形態では、工具長測定に先立って、図19に示されているような負荷サンプリング・ウォームアップルーチンを実行する。このルーチンでは、まずワークWを−Z軸方向(図7にて右側)に移動させてワークWを退避させ(ステップS80)、工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めする(ステップS81)。
【0094】
つぎに工具保有軸を工具長の測定領域に対応する所定ストロークに亙ってX軸移動させ、電流値サンプリング手段64によって工具保有軸のモータ負荷電流をサンプリングし、これをメモリ20に登録する(ステップS82)。
【0095】
つぎにメモリ20に書き込まれている工具長測定領域の負荷電流をサンプリング電流解析手段33によって解析し(ステップS83)、工具長の測定領域に所定レベル以上の負荷変動があるか否かを判別する(ステップS84)。工具長の測定領域に所定レベル以上の負荷変動がある場合には、ウォームアップ手段38によって測定開始位置から工具保有軸がワークWに対して遠ざかる方向のストロークエンドの手前までの間を早送り速度で1分程度繰り返し往復動させる(ステップS85)。これによって、ボールねじが発熱し、ボールとパイプまたディフクレタの間の摩擦抵抗が小さくなり、負荷変動が徐々になくなっていく。
【0096】
以降、工具長の測定領域に所定レベル以上の負荷変動が低下するまで、上述の処理を繰り返し、負荷変動がなくなった時点で、工具長測定に入る。
【0097】
工具長測定は、測定開始位置から低速送りのみで送り、実施例2と同様な手段で衝突を検出し、補正量算出手段32によって工具長補正量を算出する。
【0098】
この実施の形態でも、衝突検出は、負荷電流の変動が低減された状態で行われるから、誤検出を生じることなく正確に行われ、工具長補正も正確に行われるようになる。
【0099】
(実施の形態5)
図20はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態5を示している。なお、図20に於いても、図6に対応する部分は図6に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0100】
この実施の形態では、衝突検出手段65は、円形横断面の棒状のワークWを回転させる主軸モータ91をサーボロックさせた状態での主軸モータ91の負荷電流の変化と、工具保有軸のモータ負荷電流の変化とにより工具先端がワークWの外周面に衝突したことを検出する。
【0101】
衝突時にワークWに回転力が与えられることによって主軸電流値が変化するよう、ワーク中心から数μm程度〜数mm程度、Y軸方向にずらした位置に工具刃先を位置決めするから、衝突位置はワーク中心線上でない。このため、補正量算出のための工具長測定点での座標値をワーク中心線上に対応するものに補正する必要がある。
【0102】
このため補間処理部30には衝突位置計算手段39が設けられている。
【0103】
図21(a)、(b)に示されているように、ワーク中心からの工具刃先の衝突位置のY軸方向のオフセット量をA、ワークWの半径をRとすると、座標値補正量Bは下式により算出される。すなわち、
B=R−√(R2 −A2
である。
【0104】
図22はこの実施の形態における工具長測定ルーチンを示している。このルーチンでは、まず、工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし(ステップS90)、ワークWのZ軸方向の位置決めを行う(ステップS91)。そしてワーク中心決定手段35によって測定したワーク中心に工具選択軸(工具刃先)を所定のオフセット量をもって位置決めする(ステップ92)。
【0105】
つぎに、工具保有軸が工具長の測定領域を低速送りされる(ステップS93)。
【0106】
この軸移動下で、工具保有軸(ツール送り軸)のモータ負荷電流と主軸モータ91の負荷電流とを検出し(ステップS94)、ツール送り軸のモータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超え(ステップS95)、且つ主軸モータ91の電流値に変化があったかを判別する(ステップS96)。
【0107】
ツール送り軸のモータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えたことと、主軸モータ91の電流値に変化があったことのAND条件が成立すれば、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突したとして、移動量キャンセル手段61によって残りのX軸移動指令をキャンセルし、工具保有軸を逆方向へ早送り速度で移動させ(ステップS97)、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突した位置(工具長測定点)のX座標値Xbを読み出し(ステップS98)、衝突位置計算手段39によって座標値補正量Bを算出する(ステップS99)。
【0108】
そして補正量算出手段32によってX軸座標値Xb+座標値補正量Bをセンタ中心上のX軸座標値Xaとし、X軸座標値Xb+座標値補正量Bと、測定開始位置のX軸座標値Xoとの差により工具長補正量を算出する(ステップS100)。
【0109】
この実施の形態では、図23に示されているように、送りねじ機構による送り動作に起因した負荷変動eによって途中で、ツール送り軸のモータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えても、この時には主軸モータ91の電流値に変化が生じないから、誤った衝突検出が行われることがない。
【0110】
(実施の形態6)
図24はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態6を示している。なお、図24に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0111】
この実施の形態では、補間処理部30に主軸回転指令手段40が設けられており、主軸回転指令手段40は工具長測定指令によって主軸モータ91をパラメータ、加工プログラム指令等で決められた回転数をもって回転させる制御を行う。
【0112】
従って、実施の形態1における工具長測定処理と同様の工具長測定処理において、図25に示されているように、回転しているワークWの外周面に工具刃先が衝突することになる。ワークWの外周面に工具刃先が衝突すると、ワークWが回転していることから、工具Tに接線方向の力が作用し、ツール送り軸のモータ負荷電流が比較的大きい増加率をもって急激に増加する。
【0113】
これにより停止している面部に工具刃先を衝突させる場合に比してモータ負荷電流の衝突検出負荷電流レベルを高く設定でき、送りねじ機構による送り動作に起因した負荷変動があっても、誤った衝突検出が行われることがない。
【0114】
(実施の形態7)
図26はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態7を示している。なお、図26に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0115】
この実施の形態では、加工プログラム解析処理部10に、通常の加工プログラム解析手段11に加えて、ワーク中心を算出するワーク中心算出指令を解析するワーク中心算出指令解析手段16と、工具長補正用切り込み・測定指令を解析する工具長補正用切り込み・測定指令解析手段17とを有している。
【0116】
補間処理部30にはワーク中心算出手段41が設けられている。ワーク中心算出手段41は、ワーク中心算出指令により円形横断面の棒状のワークWに対して工具保有軸を径方向(Y軸方向)に移動させ、工具保有軸に装着されている工具Tの側面がワークWに衝突したことを工具保有軸のモータ負荷電流の変化より検出し、この衝突時の工具保有軸の径方向の座標値よりワークWの中心位置を算出する。工具保有軸の径方向座標値(Y軸座標値)はY軸用の軸制御部60が有している位置検出手段より取得することができる。
【0117】
このワーク中心算出手段41によるワーク中心算出は、具体的には、図27に示されているように、左側より工具Tの側面をワークWに衝突させてこの時のY軸座標値Yaを取得し、つぎに右側より工具Tの側面をワークWに衝突させてこの時のY軸座標値Ybを取得し、工具Tの既知の工具幅寸法tを考慮して下式によりワークWのY軸方向の中心座標値Wcを算出する。すなわち、
Figure 0003792209
である。
【0118】
なお、ワークWの半径rが既知の場合には片側計測だけで下式などによりワークWのY軸方向の中心座標値Wcを算出することもできる。すなわち、
Wc=Ya+(r/2)
である。
【0119】
補間処理部30は、主軸回転指令手段40を含み、工具長補正用切り込み・測定指令により、主軸モータ91の回転を指令し、工具保有軸を所定量だけX軸移動させて回転しているワークWを工具保有軸に装着されている工具Tによって切削するための補間処理を行う。
【0120】
補正量算出手段32は、切削前のワークWの半径と切削後のワークWの半径との差により実切り込み量を算出し、実切り込み量と工具保有軸の軸移動指令値から得られる指令切り込み量との偏差より工具長補正量を算出する。実際には、工具長補正量の初期設定値が存在するから、この初期設定値をCo、実切り込み量をCr、指令切り込み量をCtとすると(図28参照)、工具長補正量Cは下式により算出される。すなわち、
C=Co+(Cr−Ct)
である。
【0121】
つぎに図29、図30に示されているフローチャートを参照して上述のような構成による数値制御装置による被加工物中心位置検出方法および工具長補正方法の実施手順を説明する。
【0122】
図29はワーク中心算出ルーチンを示している。このルーチンでは、まず、ツール(工具T)をワークWの左側に位置決めし(ステップS110)、ツールホルダとワークWとが接触する手前2〜3mm程度のY軸位置に工具保有軸をもってツールを位置決めする(ステップS111)。
【0123】
つぎに、工具保有軸を工具長測定速度(10mm/分程度)によりワークWに接近する方向にY軸移動させ(ステップS112)、この軸移動下で、工具保有軸のサーボ電流値(モータ負荷電流)を検出し(ステップS113)、サーボ電流値が衝突検出負荷電流レベルを超えたか否かを衝突検出手段65によって判別する(ステップS114)。この衝突時の電流変化は、工具刃先をワークWに衝突させる場合に比して大きく、また食い込みもないから、衝突検出位置の誤差が非常に小さくなり、正確な衝突検出が行われるようになる。
【0124】
工具保有軸のサーボ電流値が衝突検出負荷電流レベルを超えれば、ツールTの先端がワークWの外周面に衝突したとして、残りのY軸移動指令をキャンセルし、工具保有軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で移動させ(ステップS115)、工具Tの側面がワークWの外周面に衝突した位置のY座標値Yaを読み出し、これをメモリ20に書き込む(ステップS116)。
【0125】
つぎに、ワークの右側と左側の両方の衝突位置が読み出されたかをチェックし、まだ両方の衝突位置が読み出されていない場合には、ツールTをワークWの右側に位置決めし、ワークの右側の衝突位置を検出するために、ステップS111〜ステップS116を再度実行する。
【0126】
これにより、ワークWの左側の衝突位置のY座標値Yaと、ワークWの右側の衝突位置のY座標値Ybとが得られ、ワーク中心算出手段41によって上述のような計算式によりワークWのY軸方向の中心座標値Wcを算出する(ステップS119)。
【0127】
これにより、特別な計測装置などを必要とすることなく、ワーク中心位置が自動検出され、バイト工具などの刃先位置とワークの中心位置との心合わせを自動化することが可能になる。
【0128】
図30は工具長計測ルーチンを示している。まず、主軸回転指令手段40の刃令により主軸モータ91を回転駆動し、主軸回転によりワークWを所定の旋削速度で回転させる(ステップS120)。
【0129】
つぎにツールを上述のワーク中心算出ルーチンで算出されたワーク中心に位置決めし(ステップS121)、基準工具長補正(初期工具長補正を行われたX軸移動指令(切り込み指令)により工具保有軸をX軸移動させ、工具保有軸のツールTによってワークWを切削する(ステップS122)。
【0130】
この切削が完了すれば、主軸の回転を停止し(ステップS123)、ツールTをワークWの左側に位置決めし(ステップS124)、ツールホルダとワークWとが接触する手前2〜3mm程度のY軸位置に工具保有軸をもってツールを位置決めする(ステップS125)。
【0131】
つぎに、工具保有軸を工具長測定速度によりワークWに接近する方向にY軸移動させ(ステップS126)、この軸移動下で、工具保有軸のサーボ電流値を検出し(ステップS127)、サーボ電流値が衝突検出負荷電流レベルを超えたか否かを衝突検出手段65によって判別する(ステップS128)。この衝突時の電流変化も、工具刃先をワークWに衝突させる場合に比して大きいため、衝突検出位置の誤差が非常に小さくなり、また食い込みもないから、正確な衝突検出が行われるようになる。
【0132】
工具保有軸のサーボ電流値が衝突検出負荷電流レベルを超えれば、ツールTの先端がワークWの外周面に衝突したとして、残りのY軸移動指令をキャンセルし、工具保有軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で移動させ(ステップS129)、工具Tの側面がワークWの外周面に衝突した位置のY座標値Ya'を読み出し、これをメモリ20に書き込む(ステップS130)。
【0133】
つぎに、補正量算出手段34が、ワーク中心算出ルーチンで取得した切削前のY座標値Yaと切削後のY座標値Ya'より実切り込み量Crを算出し、これと切り込み指令よりわかる指令切り込み量Ctと初期設定値Coとにより上述の計算式により工具長補正量Cを算出する。
【0134】
従って、この実施の形態でも、特別なセンサなどを必要とすることなく工具長補正量が得られるようになる。
【0135】
(実施の形態8)
図31はこの発明に係る数値制御装置の実施の形態8を示している。なお、図31に於いて、図26に対応する部分は図26に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0136】
この実施の形態では、加工プログラム解析処理部10に工具摩耗度合いを推定するための工具摩耗度合い推定指令を解析する工具摩耗度合い推定指令解析手段18が設けられている。
【0137】
補間処理部30には、摩耗度推定手段42が設けられている。摩耗度推定手段42は、工具摩耗度合い推定指令より工具保有軸をX軸移動させ、工具保有軸に装着されている工具Tの先端がワークに衝突したことを工具保有軸のモータ負荷電流を検出し、この衝突時のモータ負荷電流の変化率の大小より工具Tの摩耗度合いを推定する。この推定は、被加工物の材質毎に設定された電流変化率と工具摩耗度合いとの相関性を示すデータを表または近似曲線でグラフ化して予めメモリ20に登録しておき、このデータに基づいて行うことができる。
【0138】
この工具摩耗度の推定は、工具摩耗が進むと、切れ味が低下し、工具刃先がワークに衝突した時の食い込みが少なくなり、これに応じて、図32、図33に示されているように、衝突時のモータ負荷電流の変化率(傾き)が大きくなることに基づいて行われる。衝突時のモータ負荷電流の傾きは摩耗度が大きいほど大きくなる。
【0139】
つぎに図34を参照して工具摩耗度推定ルーチンを説明する。まず、工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし(ステップS140)、ワーク中心算出手段41によって算出したワーク中心に工具選択軸(工具刃先)を位置決めする(ステップS141)。
【0140】
つぎに、工具長測定速度によって工具保有軸が工具長の測定領域を低速送りされる(ステップS142)。
【0141】
この軸移動下で、工具保有軸のモータ負荷電流を検出し(ステップS143)、モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えたか否かを判別する(ステップS144)。
【0142】
モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベルを超えれば、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突したとして、移動量キャンセル手段61によって残りのX軸移動指令がキャンセルされ、工具保有軸が逆方向へ早送り(最大送り)速度で移動し(ステップS145)、この時のモータ負荷電流の変化率(傾き)を検出する(ステップS146)。つぎにモータ負荷電流の傾きに基づいて工具Tの摩耗度を推定する(ステップS147)。
【0143】
これにより、画像処理手段などを含む特別な計測装置を使用することなく、工具の摩耗度合いが検出され、工具の交換時期を容易に把握することができるようになる。
【0144】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明に係る数値制御装置における被加工物中心位置検出方法によれば、工具の先端が被加工物の外周面に衝突する時の主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より被加工物の中心軸線に対する工具保有軸のオフセット方向を検出し、オフセット量が低減する方向へ工具保有軸を移動させて衝突時の主軸モータ負荷電流の増減変化の極性より工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り返し、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する位置より被加工物の中心位置を検出するから、被加工物の中心位置検出が特別なセンサ、計測装置や、特別なハードウェア構成を数値制御装置に付加することなく簡便に行われるようになる。
【0145】
つぎの発明に係る数値制御装置における被加工物中心位置検出方法によれば、工具の側面が被加工物の外周面に衝突したことを工具保有軸のモータ負荷電流の変化より検出し、この衝突時の工具保有軸の径方向の座標値より被加工物の中心位置を算出するから、被加工物の中心位置検出が特別なセンサ、計測装置や、特別なハードウェア構成を数値制御装置に付加することなく簡便に行われるようになる。
【0146】
つぎの発明に係る数値制御装置によれば、工具の先端が被加工物の外周面に衝突する時の主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より被加工物の中心軸線に対する工具保有軸のオフセット方向を検出し、オフセット量が低減する方向へ工具保有軸を移動させて衝突時の主軸モータ負荷電流の増減変化の極性より工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り返し、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する位置より被加工物の中心位置を検出するから、被加工物の中心位置検出が特別なセンサ、計測装置や、特別なハードウェア構成を数値制御装置に付加することなく簡便に行われるようになる。
【0147】
つぎの発明に係る数値制御装置によれば、工具の側面が被加工物の外周面に衝突したことを工具保有軸のモータ負荷電流の変化より検出し、この衝突時の工具保有軸の径方向の座標値より被加工物の中心位置を算出するから、被加工物の中心位置検出が特別なセンサ、計測装置や、特別なハードウェア構成を数値制御装置に付加することなく簡便に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態1を示すブロック線図である。
【図2】 実施の形態1における工具長測定要領を示す説明図である。
【図3】 工具保有軸のモータ負荷電流の変動特性を示すグラフである。
【図4】 (a)、(b)は各々実施の形態1における衝突検出要領を示す負荷電流特性のグラフである。
【図5】 実施の形態1における工具長補正ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態2を示すブロック線図である。
【図7】 実施の形態2で適用される工作機械を示す説明図である。
【図8】 実施の形態2における負荷サンプリングルーチンを示すフローチャートである。
【図9】 実施の形態2におけるワーク中心決定ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態2における衝突検出要領を示す負荷電流特性のグラフである。
【図11】 実施の形態2におけるワーク中心決定要領を示す説明図である。
【図12】 実施の形態2における工具長測定ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】 実施の形態2における工具長測定要領を示す説明図である。
【図14】 実施の形態2における工具長測定要領を示す負荷電流特性のグラフである。
【図15】 送り速度と負荷変動との関係を示すグラフである。
【図16】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態3を示すブロック線図である。
【図17】 実施の形態3における工具長測定ルーチンを示すフローチャートである。
【図18】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態4を示すブロック線図である。
【図19】 実施の形態4における負荷サンプリング・ウォームアップルーチンを示すフローチャートである。
【図20】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態5を示すブロック線図である。
【図21】 (a)、(b)は実施の形態5における工具長測定要領を示す説明図である。
【図22】 実施の形態5における工具長測定ルーチンを示すフローチャートである。
【図23】 実施の形態5における衝突検出要領を示す負荷電流特性のグラフである。
【図24】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態6を示すブロック線図である。
【図25】 実施の形態6における衝突検出要領を示す説明図である。
【図26】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態7を示すブロック線図である。
【図27】 実施の形態7におけるワーク中心算出要領を示す説明図である。
【図28】 実施の形態7における工具長補正量算出要領を示す説明図である。
【図29】 実施の形態7におけるワーク中心算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図30】 実施の形態7における工具長測定ルーチンを示すフローチャートである。
【図31】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態8を示すブロック線図である。
【図32】 実施の形態8における衝突検出要領を示す負荷電流特性のグラフである。
【図33】 工具の摩耗度と負荷電流の傾きとの関係を示すグラフである。
【図34】 実施の形態8における摩耗度推定ルーチンを示すフローチャートである。
【図35】 従来における数値制御装置を示すブロック線図である。
【図36】 従来における工具長測定要領を示す説明図である。
【符号の説明】
1 数値制御装置,10 加工プログラム解析処理部,11 加工プログラム解析処理手段,13 サンプリングモード指令解析手段,14 工具長測定指令解析手段,15 ワーク中心決定指令解析手段,16 ワーク中心算出指令解析手段,17 工具長補正用切り込み・測定指令解析手段,18 工具摩耗度合い推定指令解析手段18,20 メモリ,21 パラメータ設定部,22 画面表示処理部,23 ワーク材質設定手段,30 補間処理部,31 補間処理手段,32 補正量算出手段,33 サンプリング電流解析手段,34 衝突面板軸移動補間処理手段,35 ワーク中心決定手段,36 高速送り付加手段,37測定領域送り速度設定手段,38 ウォームアップ手段,39 衝突位置計算手段,40 主軸回転指令手段,41 ワーク中心算出手段,42 摩耗度推定手段,50 機械制御信号処理部,55 ラダー回路部,60 軸制御部,61移動量キャンセル手段,62 位置検出手段,63 サーボ電流値入力手段,64 電流値サンプリング手段,65 衝突検出手段,66 主軸電流値入力手段,70 軸移動量出力回路,71 サーボ電流値入力回路,72 主軸電流値入力回路,80 サーボ制御部,81 主軸制御部,90 サーボモータ,91主軸モータ,200 衝突面板,210 主軸,211 コレットチャック。

Claims (4)

  1. 円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、
    前記主軸モータをサーボロックさせた状態で工具の先端を前記被加工物の外周面に衝突させるように工具保有軸をX方向に移動させたときの主軸モータの負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出する第1のステップと、
    前記衝突を検出すると前記工具保有軸を逆方向に移動するとともに、前記衝突検出時の前記主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より前記被加工物の中心軸線に対する前記工具保有軸のY方向のオフセット方向を検出し、前記オフセット量が低減する方向へ前記工具保有軸をY方向に移動させる第2のステップと、
    前記第1および第2のステップを繰り返すことにより、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する前後のY方向の2位置を求め、これらY方向の2位置の平均値により被加工物の中心位置を検出する第3のステップと、
    を備えることを特徴とする数値制御装置における被加工物中心位置検出方法。
  2. 円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、
    円形横断面の棒状の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出する第1のステップと、
    この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値に基づき前記被加工物における工具保有軸のY方向の中心位置を算出する第2のステップと、
    工具を前記算出された被加工物の中心位置に位置決めし、初期設定値により工具長補正が行われた移動指令により工具保有軸をX方向に移動して工具刃先で被加工物を切削する第3のステップと、
    この切削後の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出し、この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値を求める第4のステップと、
    前記第2のステップで得られた工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値および前記第4のステップで得られた工具の衝突側側面部の前記Y方向の座標値に基づき前記切削時の実切り込み量を算出し、該算出した実切り込み量と、前記切削時のX方向の移動指令量と、前記工具長補正の初期設定値とに基づき工具長補正量を算出する第5のステップと、
    を備えることを特徴とする数値制御装置における被加工物中心位置検出方法。
  3. 円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、
    軸モータの負荷電流を検出する主軸電流値入力回路と、
    前記主軸モータをサーボロックさせた状態で工具の先端を前記被加工物の外周面に衝突させるように工具保有軸をX方向に移動させたときの前記主軸電流値入力回路の出力の変化に基づき前記衝突を検出する第1の処理と、前記衝突を検出すると前記工具保有軸を逆方向に移動するとともに、前記衝突検出時の前記主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より前記被加工物の中心軸線に対する前記工具保有軸のY方向のオフセット方向を検出し、前記オフセット量が低減する方向へ前記工具保有軸をY方向に移動させる第2の処理と、前記第1および第2の処理を繰り返すことにより、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する前後のY方向の2位置を求め、これらY方向の2位置の平均値により被加工物の中心位置を検出する第3の処理とを実行するワーク中心決定手段と、
    を有していることを特徴とする数値制御装置。
  4. 円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータと、工具が装着されXY方向に移動可能な工具保有軸とを備える数値制御装置において、
    前記工具保有軸のモータ負荷電流を検出するサーボ電流値入力回路と、
    円形横断面の棒状の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出し、この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の第1の座標値に基づき前記被加工物における工具保有軸のY方向の中心位置を算出するワーク中心決定手段と、
    工具を前記算出された被加工物の中心位置に位置決めし、初期設定値により工具長補正が行われた移動指令により工具保有軸をX方向に移動して工具刃先で被加工物を切削し、この切削後の被加工物に対して工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突するように工具保有軸を被加工物の径方向であるY方向に移動させたときの工具保有軸のモータ負荷電流の変化に基づき前記衝突を検出し、この衝突検出時の前記工具保有軸に装着された工具の衝突側側面部の前記Y方向の第2の座標値を求め、前記第1および第2の座標値に基づき前記切削時の実切り込み量を算出し、該算出した実切り込み量と、前記切削時のX方向の移動指令量と、前記工具長補正の初期設定値とに基づき工具長補正量を算出する手段と、
    を有していることを特徴とする数値制御装置。
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