JP3791957B2 - 自転車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、前輪を駆動させて走行する自転車の改良に関し、より詳細には、前輪の両側に備えられた一対のペダルを下方に踏み込むことにより、当該前輪を駆動させて走行する自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在用いられている自転車の多くは、後輪を駆動させて走行する構造とされている。すなわち、かかる後輪駆動の自転車は通例、前輪と後輪との間における通例三角と称される主部の下端部に設けたギアと、後輪のハブに備えられたフリーホイールとの間に、無端状をなすようにチェーンを掛け渡すと共に、前記主部の下端部に設けたギアに自転車の両側から一対のクランクを固定した構成を備えており、このクランクに設けられたペダルを踏み込んで当該クランクをクランク軸を中心に回転させることにより、前記チェーンの走行を通じて自転車を前進させるように後輪を回転、駆動させる構造とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、かかる後輪駆動の自転車にあっては、前輪と後輪との間に前記クランクおよびギアが設けられており、また、当該ギアと後輪のフリーホイールとの間にチェーンを掛け渡すことを要するものであり、これに付随してこの間にチェーンステーやチェーンケースを要するため、前輪と後輪との間の間隔を縮めることに一定の限界を有するものであった。
【0004】
したがってまた、後輪駆動の自転車はコンパクトに構成し難いものであり、駐輪、運搬などにあたり一定のスペースを要するものであった。このため、一般的なマンションの玄関などにかかる自転車を駐輪することは事実上なし得ないものであり、また、旅行などに際して乗用車にかかる自転車を分解などすることなく積み込むこともまた事実上なしえないものであった。
【0005】
こうしたことから、駐輪、運搬などに都合が良いように、折畳式とした自転車も用いられているが、後輪駆動とする限り前輪と後輪の間に前記ギア、クランク、チェーンなどが必要となるため、この種の折畳式の自転車はこの前輪と後輪との間で単純には折畳をなすこことができないものであり、この結果、折り畳むための手順、構造が複雑で、また、安価に提供し難いものとなっていた。
【0006】
ここで、いわゆるオーディナリー型の自転車のように、前輪の車軸にクランクを取り付け、このクランクに設けられたペダルを踏み込んで当該クランクを回転させる前輪駆動方式を採れば、前輪と後輪との間を可能な限り狭めることはできる。
【0007】
しかし、前輪の車軸に設けられたクランクを当該車軸を中心に回転させるように前記ペダルを踏み込むことは、サドルを前輪と後輪との間に位置付けて自転車の重心がこの間に位置するようにした状態では行い難く、また、だからといって、サドルを前輪の上方に位置付けてしまうと自転車の重心が前輪側に偏り安定した走行をなし得なくなる不都合を生じさせる。また、ペダルが自転車の上方に位置した状態からこのペダルを下方に踏み込むにあたり、自転車の前輪がこのように踏み込まれるペダルが設けられている側と反対の側に振られてしまい、直進走行に支障を生じさせることがあった。
【0008】
そこでこの発明は、かかる従来の技術の不都合を解消することを目的とする。
【0009】
また、前輪と後輪との間の間隔をできる限り狭めることのできる構造を持った前輪駆動方式の自転車を、当該前輪と後輪との間に自転車の重心が位置されるようにサドルを位置付けても、前輪を駆動させるペダルの踏み込みに格別の支障を生じさせないように構成することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、自転車Jを、両端部にそれぞれフリーホイール23、23を備えた胴体21およびこの胴体21に差し込まれる車軸22とを備えるハブ20と、前輪Fを支持するホークHに対して組み付けられ、かつ、上下方向に移動可能に備えられる一対のペダルP、Pと、このペダルPの移動に伴って前記フリーホイール23を回転させる伝達手段Dとを備えており、この伝達手段Dが、一対のフリーホイール23,23の外輪23aの外側に備えられた第一のギア23bと、当該一対のフリーホイール23,23の上方にあって当該フリーホイール23の回転軸と略平行な回転軸を有する第二のギア40と、前記第一のギア23bと当該第二のギア40とに掛け渡され、かつ、前記ペダルPの上下移動により進退されるチェーンCとから構成してあり、前記それぞれのフリーホイール23、23が、前記ペダルPの下方に向けた踏み込み動作に伴って前記前輪Fを自転車Jを前進させる向きに回転させ、かつ、前記ペダルPの上方に向けた移動に伴って当該自転車Jの前輪Fを回転させない構成としてあるものとした。
【0011】
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明にかかる自転車Jが、前輪Fを支持するホークHから自転車Jの前進方向又は前進方向と反対の側に向けて突き出されるフレーム30(30’)と、このフレーム30(30’)の突き出し端側に一端側を回動可能に組み付けられて他端31a(31’a)側を上下方向に回動させる一対のクランク31、31(31’、31’)とを備え、一対のペダルP、Pをこの一対のクランク31、31(31’、31’)の当該他端31a(31’a)部にそれぞれ組み付けているものとした。
【0012】
また、請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明にかかる自転車Jにおける一対のペダルP、Pが、前輪Fを支持するホークHにガイドされて上下方向に移動される一対のスライダ80、80にそれぞれ設けられているものとした。
【0013】
また、請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2又は請求項3記載の発明にかかる自転車Jが、一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rを備えるものとした。
【0014】
また、請求項5記載の発明では、請求項1、請求項2又は請求項3記載の発明にかかる自転車Jが、一対のペダルP、Pのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルPを上方に付勢させる付勢手段fが設けてある構成のものとした。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図15に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0016】
この実施の形態にかかる自転車Jは、両端部にそれぞれフリーホイール23、23を備えた胴体21およびこの胴体21に差し込まれる車軸22とを備えるハブ20と、前輪Fを支持するホークHに対して組み付けられ、かつ、上下方向に移動可能に備えられる一対のペダルP、Pと、このペダルPの移動に伴って前記フリーホイール23を回転させる伝達手段Dとを備え、前記それぞれのフリーホイール23、23が、前記ペダルPの下方に向けた踏み込み動作に伴って前記前輪Fを自転車Jを前進させる向きに回転させ、かつ、前記ペダルPの上方に向けた移動に伴って当該自転車Jの前輪Fを回転させない構成としてあるものとした。
【0017】
したがって、この実施の形態にかかる自転車Jによれば、自転車Jの前輪F両側において前記ペダルPを下方に踏み込むことにより、当該前輪Fを自転車Jを前進する向きに回転させて、自転車Jを前進させることができる。
【0018】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車Jによれば、前記一対のペダルP、Pの一方を踏み込むことにより前記伝達手段Dにより前記胴体21の両端部に設けられたフリーホイール23の一方を自転車Jを前進させる向きに回転させることができ、このフリーホイール23の回転により前記車軸22を中心に前記胴体21ひいてはこの胴体21に通例スポーク25により組み付けられている前輪Fを自転車Jを前進する向きに回転させることができる。また、前記一対のペダルP、Pの他方を踏み込むことにより前記伝達手段Dにより前記胴体21の両端部に設けられた一対のフリーホイール23、23の他方を自転車Jを前進させる向きに回転させることができ、このフリーホイール23の回転により前記車軸22を中心に前記胴体21ひいてはこの胴体21に通例スポーク25により組み付けられている前輪Fを自転車Jを前進させる向きに回転させることができる。また、前記一対のペダルP、Pの上方に向けた移動に伴っては前記伝達手段Dにより回転される前記一対のフリーホイール23、23により自転車Jの前輪Fは回転されることがなく、一旦踏み込まれて下方に移動されたペダルPを下方に向けて再度踏み込めるように当該ペダルPを上方に移動させるに際して自転車Jを前進させる向きへ回転されている前輪Fの当該回転が妨げられることはない。
【0019】
したがってまた、この実施の形態にかかる自転車Jによれば、自転車Jを前進させるように駆動される前輪Fの両側に前記ペダルPを備えさせ、かつ、この前輪F側に当該ペダルPと前記フリーホイール23とを連絡させる前記伝達手段Dを備えさせることができ、この結果、前輪Fと後輪との間隔を可能な限り狭めてコンパクトに自転車Jを構成させることができる。
【0020】
また、自転車Jを駐輪、運搬などするに際して、当該自転車Jの前輪Fと後輪とをさらに近接させるような構造を、比較的容易に当該自転車Jに適用することができる特長を有する。例えば、図3に示されるように、自転車Jのハンドルポスト11を支持する前パイプ12とシートポスト13とを連結させる上パイプ14に後輪Bを支持する後ホークHを回動可能に組み付けておくことにより、図4に示されるように、自転車Jの駐輪などに際してかかる上パイプ14と後ホークHとの組み付け位置を中心に後輪Bと前輪Fが近接されるように、後ホークHを回動させて自転車Jの長さ寸法を比較的簡易な構造をもって小さくすることができる。
【0021】
また、前輪Fの回転は、前記一対のペダルP、Pを下方に向けて踏み込むことによりなし得ることから、前輪Fと後輪Bの間に自転車Jの重心が位置されるようにサドルを位置付けても、当該前輪Fを回転させるためのペダルPの操作に格別の不都合を生じさせることがなく、したがってまた、自転車Jの重心を前輪F側に偏らせることなく、安定的な走行が確保できるように前輪駆動式の自転車Jを構成できる特長を有する。
【0022】
なお、後輪Bは一輪でも、また、二輪として構成してあっても良く、また、前輪Fを支持するハブ20における前記一対のフリーホイール23、23が設けられている位置よりも外側にある当該ハブ20を構成する前記胴体21の両端部にそれぞれ前輪Fを構成する一対の車輪を支持させるなどして、当該前輪Fを二輪として構成しても良い。すなわち、この実施の形態にかかる自転車Jは、三輪車、四輪車として構成してあっても良い。
【0023】
また、前記実施の形態にかかる自転車Jにあって、前輪Fを支持するホークHから自転車Jの前進方向又は前進方向と反対の側に向けて突き出されるフレーム30(30’)と、このフレーム30(30’)の突き出し端側に一端側を回動可能に組み付けられて他端31a(31’a)側を上下方向に回動させる一対のクランク31、31(31’、31’)とを備え、一対のペダルP、Pをこの一対のクランク31、31(31’、31’)の当該他端31a(31’a)部にそれぞれ組み付けている構成とすることが、この発明の最良の実施の形態の一つとされる。
【0024】
かかる構成によれば、前輪Fの前側から後側に向けて当該後側でペダルPの組み付けられている他端31a部を回動させるように、または、前輪Fの後側から前側に向けて当該前側でペダルPの組み付けられている他端31’a部を回動させるように、前記フレーム30(30’)に対して一対のクランク31、31(31’、31’)を組みつけることができ、前輪Fと後輪Bとの間に設けられたサドルに跨がり乗った乗車者が当該ペダルPを下方に向けて踏み込み易い位置に当該ペダルPを位置付けることができる。
【0025】
また、前記実施の形態にかかる自転車Jにあって、一対のペダルP、Pが、前輪Fを支持するホークHにガイドされて上下方向に移動される一対のスライダ80、80に設けられている構成とすることが、この発明の最良の実施の形態のさらに他の一つとされる。
【0026】
かかる構成によれば、前輪Fを支持するホークHを利用して前記一対のペダルP、Pが上下に規則的に移動できるように、当該ホークHに当該一対のペダルP、Pを組み付けることができる。
【0027】
また、前記各実施の形態にかかる自転車Jにあって、ペダルPの移動に伴ってフリーホイール23を回転させる伝達手段Dが、一対のフリーホイール23、23の外輪23aの外側に備えられた第一のギア23bと、当該一対のフリーホイール23、23の上方にあって当該フリーホイール23の回転軸と略平行な回転軸を有する第二のギア40と、前記第一のギア23bと当該第二のギア40とに掛け渡され、かつ、前記ペダルPの上下移動により進退されるチェーンCとから構成してあるものとすることが、この発明の最良の実施の形態のさらに他の一つとされる。
【0028】
かかる構成によれば、前記ペダルPを踏み込むことにより、前記チェーンCを進退させて、このチェーンCの進退により当該ペダルPの踏み込み力を前記フリーホイール23の回転力として伝達することができる。
【0029】
また、前記各実施の形態にかかる自転車Jにあって、一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rを備える構成とすることが、この発明の最良の実施の形態のさらに他の一つとされる。
【0030】
かかる構成によれば、前記一対のペダルP、Pのうち上方に位置されている一方のペダルPを踏み込むことにより、先行して踏み込まれて下方に位置されている他方のペダルPを上方に移動させることができ、再び当該他方のペダルPを下方に踏み込める位置まで引上げ、戻すことができる。すなわち、かかる構成によれば、前記一対のペダルP、Pを交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転させて自転車Jを前進させることができる。
【0031】
また、前記連繋手段Rとは別に、前記各実施の形態にかかる自転車Jにあって、一対のペダルP、Pのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルPを上方に付勢させる付勢手段fを備える構成とすることが、この発明の最良の実施の形態のさらに他の一つとされる。
【0032】
かかる構成によれば、一旦下方に踏み込んだ前記ペダルPを前記付勢により再び当該ペダルPを下方に踏み込める位置まで引上げ、戻すことができる。すなわち、かかる構成によれば、前記一対のペダルP、Pを同時に、あるいは、交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転させて自転車Jを前進させることができる。
【0033】
次いで、図1ないし図5に示されるこの発明のより具体的な実施の形態の一つについて、詳細に説明する。
【0034】
なお、ここで図1は、この実施の形態にかかる自転車Jの前輪Fの構成の概要を理解し易いように、当該前輪Fを当該前輪Fの一側方から見た状態で、当該前輪Fの一側方にある一方のペダルP、クランク31、伝達手段D、連繋手段Rのみを表して示している。また、図2は、当該自転車Jの前輪Fを当該自転車Jの上下方向で断面にした状態で示している。また、図3は、走行可能な状態にある当該自転車Jの全体構成を理解し易いように、当該自転車Jを側方から見て示しており、また、図4は、前輪Fと後輪Bとを近接させるように畳んだ状態とした当該自転車Jの全体構成を理解し易いように、当該自転車Jを側方から見て示している。
【0035】
図1ないし図4に示される実施の形態にかかる自転車Jは、ハンドルポスト11およびシートポスト13と、このハンドルポスト11を回動可能に支持する前パイプ12とシートポスト13のそれぞれに対して略直交するように位置されて当該前パイプ12とシートポスト13を連結させる上パイプ14とを備える主体部10を有する。
【0036】
また、前輪Fを、前記前パイプ12の下側から突き出されるハンドルポスト11の下端部に対して互いに間隔を開けて組み付けられる一対の前ホークH1、H1の下端に車軸22を支持させることにより、備えている。
【0037】
また、この実施の形態にあっては、前記前輪Fに比し後輪Bを小径のものとしており、この後輪Bを、前記上パイプ14におけるシートポスト13近傍の位置で上端を回動可能に組み付けられた後ホークH2の下端に組み付け、備えている。
【0038】
そしてこの実施の形態にあっては、前記前輪Fのハブ20を構成する車軸22が、当該車軸22の両端側をそれぞれ突き出させるように、この車軸22を中心
に回転される当該ハブ20を構成する胴体21に差し込まれており、当該車軸22は、この胴体21から突き出される当該車軸22の両端部をそれぞれ前記一対の前ホークH1、H1の下端にナット22aによりねじ止めして、当該一対の前ホークH1、H1の下端間に亙るように組み付けてある。
【0039】
また、前記胴体21は、その両端部にそれぞれ外輪23aの外側に第一のギア23bを備えたフリーホイール23を、当該フリーホイール23の回転軸と胴体21の回転軸とが同軸となるように備えている。より具体的には、フリーホイール23を構成する内輪(図示は省略する。)に胴体21を差し入れ、両者をねじ付けて、当該フリーホイール23が当該胴体21に組み付けてある。
【0040】
また、前記胴体21は、前記一対のフリーホイール23、23の間に、当該胴体21の軸線を巡るように設けられた一対の鍔21a、21aを間隔を開けて備えており、この鍔21aに当該胴体21とリムとの間に張り込まれるスポーク25の一端が固定される構成としてある。
【0041】
また、この実施の形態にあっては、前記一対の前ホークH1、H1に、前輪Fの前側を通るように湾曲され、かつ、両端部をこの一対の前ホークH1、H1の下端部における前輪Fの前側を向いた縁部にそれぞれ固定した略U字状をなすフレーム30が組み付けられている。そして、この実施の形態にあっては、当該フレーム30における前輪Fの前側に位置される湾曲部30aを挟んだ両側位置に、当該前輪Fの両側においてそれぞれ、かかるフレーム30に一端側を回動可能に組み付けられて他端31a側を上下方向に回動させる一対のクランク31、31が設けられており、この一対のクランク31、31の当該他端31a部にそれぞれ前記前輪Fの側方に向けて突き出すようにペダルPが組み付けてある。
【0042】
また、この実施の形態にあっては、前記一対の前ホークH1、H1における互いに向き合った側であって、前記フリーホイール23の上方に、当該フリーホイール23の回転軸と略平行な回転軸を備えた第二のギア40がそれぞれ設けてある。
【0043】
そしてこの実施の形態にあっては、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dを、当該一対のペダルP、Pの一方が組み付けられた前記一方のクランク31の他端31a部に一端を固定された第一のチェーンC1を、この一方のクランク31がある側にある前記一対のホークHの一方に設けられた前記第二のギア40および前記一対のフリーホイール23、23の一方の外輪23aに組み付けられた第一のギア23bに掛け渡すと共に、当該一対のペダルP、Pの他方が組み付けられた前記他方のクランク31の他端部に一端を固定された第二のチェーンC2を、この他方のクランク31がある側にある前記一対のホークHの他方に設けられた前記第二のギア40および前記一対のフリーホイール23、23の他方の外輪23aに組み付けられた第一のギア23bに掛け渡して、構成している。
【0044】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記前輪Fの一方の側にある第一のチェーンC1および他方の側にある第二のチェーンC2がいずれも、前記第二のギア40の後側から当該第二のギア40の上側を通り、かつ、前記フリーホールの軸と前記第二のギア40の軸とを結んだ直線を横切るように両第一のギア23bと第二のギア40との間を通されて、前記フリーホイール23の後側から当該フリーホイール23の下側を通って上方に抜けだされるように、前記第二のギア40および前記フリーホイール23の外輪23aに組み付けられた第一のギア23bに掛け渡される構成としてある。
【0045】
そしてこの実施の形態にあっては、前記前ホークH1の前部上端側に掛け渡された取付板50に互いに間隔を開けて、ローラ軸を前記前輪Fの回転軸に対して略直交させるように外周部にワイヤWの収まる環状溝60aを備えた一対のガイドローラ60、60を設けてある。
【0046】
そして、前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rを、一端を前記第一のチェーンC1の前記クランク31に固定されていない側の他端31a部に固定されると共に、他端を前記第二のチェーンC2の前記クランク31に固定されていない側の他端31a部に固定され、かつ、前記一対のガイドローラ60、60の上側を前記環状溝60aに収められた状態で通されるワイヤWとしてある。
【0047】
この実施の形態にかかる自転車Jは、以上に説明した構成を備えることから、前記一対のペダルP、Pのうち上方に位置されている一方のペダルPを踏み込むことにより、当該一方のペダルPを組み付けている一方のクランク31を下方に回動させることができ、このクランク31の回動に伴う前記第一のチェーンC1を下方に引き込むように走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方を自転車Jを前進させる向きに前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なって、前記ワイヤWにより当該第一のチェーンC1に連繋されている前記第二のチェーンC2を上方に引上げるように走行させることができ、これにより先行して踏み込まれて下方に位置されている他方のペダルPを組み付けている他方のクランク31を上方に回動させることができ、再び当該他方のペダルPを下方に踏み込める位置まで引上げ、戻すことができる。また、この他方のクランク31を上方に移動させる前記第二のチェーンC2の走行により前記一対のフリーホイール23、23の他方は自転車Jを前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fが回転される向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該他方のクランク31を上方に移動させる前記第二のチェーンC2の走行が自転車Jを前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。
【0048】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車Jによれば、前記一対のペダルP、Pを交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車Jを前進させることができる。
【0049】
また、この実施の形態にかかる自転車Jによれば、前記のように、自転車Jのハンドルポスト11を支持する前パイプ12とシートポスト13とを連結させる上パイプ14に後輪Bを支持する後ホークH2を回動可能に組み付けており、また、前記前輪Fの両側に前記一対のクランク31、31および一対のペダルP、Pを位置付けていることから、図3に示されるように、前記前ホークH1に組み付けられた前記フレーム30の湾曲部30aが自転車Jの前進方向に向けられるように前輪Fが位置付けられ、かつ、前記後輪Bを支持する後ホークH2が前記上パイプ14との回動・組みつけ位置を中心に当該後輪Bと前輪Fとの間隔を広げるように開きだされた状態から、図4に示されるように、前記前輪Fを180度回転させると共に、後輪Bを支持する後ホークH2を前記上パイプ14との回動・組みつけ位置を中心に当該後輪Bと前輪Fとの間隔を狭めるように回動させることにより、自転車Jの長さ寸法を容易に小さくすることができる。
【0050】
なお、この実施の形態にあっては、前記前輪Fを支持する前ホークH1に組み付けられたフレーム30の湾曲部30aと、前記後輪Bを支持する後ホークH2の下端部とに、図5に示されるように、爪部材70と当該爪部材70を収める隙間を備えた引っ掛け部材71とが設けてあり、両部材70、71を係合し合わせることにより、自転車Jの長さ寸法を小さくした状態を維持できる構成としてある。
【0051】
次いで、図6および図7に示されるこの発明のより具体的な実施の形態の他の一つについて、詳細に説明する。
【0052】
なお、ここで図6は、この実施の形態にかかる自転車J2の前輪Fの構成の概要を理解し易いように、当該前輪Fを当該前輪Fの一側方から見た状態で、当該前輪Fの一側方にある一方のペダルP、クランク31、伝達手段D、連繋手段Rのみを表して示している。また、図7は、当該自転車J2の前輪Fを当該自転車J2の後方から見た状態で示している。
【0053】
図6および図7に示される実施の形態にかかる自転車J2は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dおよび前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rの構成を、前記図1ないし図5に示される自転車J1と異ならせている。図6および図7に示される自転車J2のその余の構成は、図1ないし図5に示される自転車J1と同一または実質的に同一であるので、当該同一または実質的に同一の構成部分であって図6および図7に示される部分については、図6および図7に図1ないし図5において用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図6および図7に示される実施の形態にかかる自転車J2は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dを、前記前輪Fの一側にある前記一対のフリーホイール23、23の一方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの一側にある一方の前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第一のチェーンC1’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの一方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の一方の略中央部31bとを、連結部材U、この実施の形態では前記第一のチェーンC1’から分岐された分岐チェーンC3によりに連結させると共に、前記前輪Fの他側にある前記一対のフリーホイール23、23の他方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの他側にある他方の前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第二のチェーンC2’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの他方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の他方の略中央部31bとを、前記連結部材Uにより連結させて、構成している。
【0055】
そしてこの実施の形態にあっては、前記前ホークH1の後部上端側に掛け渡された取付板90に互いに間隔を開けて、ローラ軸を前記前輪Fの回転軸に対して略直交させるように外周部にワイヤWの収まる環状溝60aを備えた一対のガイドローラ60’、60’を設けてある。
【0056】
そして、前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rを、一端を前記一対のクランク31、31の一方における前記ペダルPの設けられている他端31a部に固定されると共に、他端を前記一対のクランク31、31の他方における前記ペダルPの設けられている他端31a部に固定され、かつ、前記一対のガイドローラ60、60の上側を前記環状溝60aに収められた状態で通されるワイヤWとしてある。
【0057】
したがって、この実施の形態にかかる自転車J2によれば、前記一対のペダルP、Pのうち上方に位置されている一方のペダルPを踏み込むことにより、当該一方のペダルPを組み付けている一方のクランク31を下方に回動させることができ、このクランク31の回動により前記第一のチェーンC1’を走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1’に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方を自転車J2を前進させる向きに当該前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なって、前記ワイヤWにより当該第一のチェーンC1’に連繋されている前記第二のチェーンC2’を上方に引上げるように走行させることができ、これにより先行して踏み込まれて下方に位置されている他方のペダルPを組み付けている他方のクランク31を上方に回動させることができ、再び当該他方のペダルPを下方に踏み込める位置まで引上げ、戻すことができる。また、この他方のクランク31の上方への回動に伴った前記第二のチェーンC2’の走行により前記一対のフリーホイール23、23の他方は自転車J2を前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fを回転させる向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該他方のクランク31を上方に移動させる前記第二のチェーンC2’の走行が自転車J2を前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。
【0058】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車J2によれば、前記一対のペダルP、Pを交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車J2を前進させることができる。
【0059】
次いで、図8に示されるこの発明のより具体的な実施の形態のさらに他の一つについて、詳細に説明する。
【0060】
なお、ここで図8は、この実施の形態にかかる自転車J3の前輪Fの構成の概要を理解し易いように、当該前輪Fを当該前輪Fの一側方から見た状態で、当該前輪Fの一側方にある一方のペダルP、クランク31、伝達手段D、付勢手段fのみを表して示している。
【0061】
図8に示される実施の形態にかかる自転車J3は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dの構成を、前記図1ないし図5に示される自転車J1と異ならせていると共に、前記連繋手段Rに変えて一対のペダルP、Pのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルPを上方に付勢させる付勢手段fを備える構成としてある。図8に示される自転車J3のその余の構成は、図1ないし図5に示される自転車J1と同一または実質的に同一であるので、当該同一または実質的に同一の構成部分であって図8に示される部分については、図8に図1ないし図5において用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0062】
図8に示される実施の形態にかかる自転車J3は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dを、前記前輪Fの一側にある前記一対のフリーホイール23、23の一方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの一側にある前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第一のチェーンC1’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの一方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の一方の略中央部31bとを、連結部材U、この実施の形態では前記第一のチェーンC1’から分岐された分岐チエーンによりに連結させると共に、前記前輪Fの他側にある前記一対のフリーホイール23、23の他方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの他側にある前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第二のチェーンC2’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの他方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の他方の略中央部31bとを、前記連結部材Uによりに連結させて、構成している。なお、前記第二のチェーンC2’の構成は、前記第一のチェーンC1’と同一であり、その配置を対称とするものである。
【0063】
そしてこの実施の形態にあっては、前記一対のペダルP、Pのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルPを上方に付勢させる付勢手段fを、当該一対のペダルP、Pが設けられている前輪Fの両側においてそれぞれ、一端を前記クランク31における前記ペダルPが組み付けられている他端部に固定されると共に、他端を前記ハンドルポスト11の下部に固定させた引っ張りコイルバネ100としてある。
【0064】
したがって、この実施の形態にかかる自転車J3によれば、前記一対のペダルP、Pの一方又は双方を下方に踏み込むことにより、当該ペダルPを組み付けているクランク31を下方に回動させることができ、このクランク31の回動により前記第一のチェーンC1’若しくは第二のチェーンC2’又は第一のチェーンC1’および第二のチェーンC2’を走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1’又は第二のチェーンC2’に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方若しくは他方又は一方および他方を自転車J3を前進させる向きに当該前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なつて、一旦下方に踏み込んだ前記ペダルPを前記引っ張りコイルバネ100の付勢により再び当該ペダルPを下方に踏み込める位置まで前記クランク31を上方に回動させることができる。また、このクランク31の上方への回動に伴った前記第一のチェーンC1’又は第二のチェーンC2’の走行により前記一対のフリーホイール23、23一方又は他方は自転車J3を前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fを回転させる向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該クランク31の上方への移動に伴った前記第一のチェーンC1’又は第二のチェーンC2’の走行が自転車J3を前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。
【0065】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車J3によれば、前記一対のペダルP、Pを同時に、あるいは、交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車J3を前進させることができる。
【0066】
次いで、図9および図10に示されるこの発明のより具体的な実施の形態のさらに他の一つについて、詳細に説明する。
【0067】
なお、ここで図9は、この実施の形態にかかる自転車J4の前輪Fを当該自転車J4の上下方向で断面にした状態で示している。また、図10は、当該自転車J4のスライダと前ホークH1および第一のチェーンC1”との組み付け状態を理解し易いように、当該組み付け部分を拡大して、斜視の状態として示している。
【0068】
図9および図10に示される実施の形態にかかる自転車J4は、前記一対のペダルP、Pの構成および当該一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dの構成を、前記図1ないし図5に示される自転車J1と異ならせている。図9および図10に示される自転車J4のその余の構成は、図1ないし図5に示される自転車J1と同一または実質的に同一であるので、当該同一または実質的に同一の構成部分であって図9および図10に示される部分については、図9および図10に図1ないし図5において用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0069】
図9および図10に示される実施の形態にかかる自転車J4は、前記一対のペダルP、Pが、前記前輪Fを支持する前ホークH1にガイドされて上下方向に移動される一対のスライダ80、80に設けられている。
【0070】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記前ホークH1を横断面形状を略方形状に構成してあると共に、前記一対のスライダ80、80がそれぞれ、この前ホークH1における前記前輪Fの前側に向けられた側面H1aと後側に向けられた側面H1bとにそれぞれ向き合い、かつ、当該前輪Fの側方に向けて突き出す一対の側板81、81と、この一対の側板81、81における前記前輪Fに向き合わない側の端部間を繋ぐ連結側板82とを備える構成としてある。
【0071】
そして、この実施の形態にあっては、当該スライダ80における前記連結側板82が設けられている側の上縁部に、前記一対の側板81、81と当該連結側板82とにより構成される空間の上方を塞ぐよう天板83を組み付けてある。
【0072】
また、前記一対の側板81、81間には、前記前ホークH1における前輪F側に向けられた側面H1cに接する上下一対の第一のローラ110、110と、当該前ホークH1における前輪F側に向けられた側面H1cに対向する側面H1dに接する上下一対の第二のローラ111、111とが、それぞれ当該各ローラ110、110・111、111の周面を前記前ホークH1の両側面に接しさせるように、掛け渡し状に組み付けてある。
【0073】
したがって、この実施の形態にあっては、前記のように構成されるスライダに80おける前記天板83を踏み込み面として、すなわち、この天板83をペダルPとして、当該ペダルPひいては前記スライダ80を前記前ホークH1をガイドとして上下に移動させることができる。
【0074】
また、この実施の形態にかかる自転車J4にあっては、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dを、前記前輪Fの一側にある前記一対のフリーホイール23、23の一方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの一側にある前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第一のチェーンC1”の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のスライダ80、80の一方における前輪Fの前側に向けられた側板81とを、連結部材U、この実施の形態では前記第一のチェーンC1”の互いに連結される隣り合った一対の「ころ」(図示は省略する。)間の隙間に連通されるネジ穴121を備えた固定板120を当該ネジ穴121にネジ122を差し入れて前記側板にネジ止めすることにより連結させると共に、前記前輪Fの他側にある前記一対のフリーホイール23、23の他方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの他側にある前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第二のチェーンC2”の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のスライダ80、80の他方における前輪Fの前側に向けられた側板とを、前記連結部材Uにより連結させて、構成している。
【0075】
そしてこの実施の形態にあっては、前記前ホークH1の前部上端側に掛け渡された取付板50に互いに間隔を開けて、ローラ軸を前記前輪Fの回転軸に対して略直交させるように外周部にワイヤWの収まる環状溝60aを備えた一対のガイドローラ60、60を設けてある。
【0076】
そして、前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rを、一端を前記一対のスライダ80、80の一方の側板上縁に固定されると共に、他端を前記一対のスライダ80、80の他方の側板上縁に固定され、かつ、前記一対のガイドローラ60、60の上側に前記環状溝60aに収められた状態で通されるワイヤW’としてある。
【0077】
したがって、この実施の形態にかかる自転車J4によれば、前記一対のペダルP、Pのうち上方に位置されている一方のペダルPを踏み込むことにより、当該一方のペダルPが設けてある前記一方のスライダ80を下方に移動させることができ、このスライダ80の移動により前記第一のチェーンC1”を走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1”に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方を自転車J4を前進させる向きに当該前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なつて、前記ワイヤW’により当該第一のチェーンC1”に連繋されている前記第二のチェーンC2”を上方に引上げるように走行させることができ、これにより先行して踏み込まれて下方に位置されている他方のペダルPを組み付けている他方のスライダ80を上方に移動させることができ、再び当該他方のペダルPを下方に踏み込める位置まで引上げ、戻すことができる。また、この他方のスライダ80の上方への移動に伴った前記第二のチェーンC2”の走行により前記一対のフリーホイール23、23の他方は自転車J4を前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fを回転させる向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該他方のスライダ80を上方に移動させる前記第二のチェーンC2”の走行が自転車J4を前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。
【0078】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車J4によれば、前記一対のペダルP、Pを交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車J4を前進させることができる。
【0079】
なお、この実施の形態にかかるペダルPを、前記スライダ80の前記連結側板から側方に向けて突き出されるように当該連結側板82に組み付けられる心棒と当該心棒に回転可能に嵌め付けられる枠とを備えるペダルPとして構成しても良い。
【0080】
次いで、図11に示されるこの発明のより具体的な実施の形態の他の一つについて、詳細に説明する。
【0081】
なお、ここで図11は、この実施の形態にかかる自転車J5の前輪Fの構成の概要を理解し易いように、当該前輪Fを当該前輪Fの一側方から見た状態で、当該前輪Fの一側方にある一方のペダルP、クランク31、伝達手段D、付勢手段fのみを表して示している。
【0082】
図11に示される実施の形態にかかる自転車J5は、前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの付勢手段fを備える構成としてある。図11に示される自転車J5のその余の構成は、図1ないし図5に示される自転車J1と同一または実質的に同一であるので、当該同一または実質的に同一の構成部分であって図11に示される部分については、図11に図1ないし図5において用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0083】
この実施の形態にあっては、前記一対のペダルP、Pのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルPを上方に付勢させる付勢手段fを、前記前輪の両側においてそれぞれ、一端を前記チェーンC、図11にあっては第一のチェーンC1の前記クランク31に固定されていない側の端部に固定されると共に、他端を前記ハンドルポスト11の前側下部に固定させた引っ張りコイルバネ100’とから構成してある。
【0084】
したがって、この実施の形態にかかる自転車J5によれば、前記一対のペダルP、Pの一方又は双方を下方に踏み込むことにより、当該ペダルPを組み付けているクランク31を下方に回動させることができ、このクランク31の回動により前記第一のチェーンC1若しくは第二のチェーンC2又は第一のチェーンC1および第二のチェーンC2を走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1又は第二のチェーンC2に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方若しくは他方又は一方および他方を自転車J3を前進させる向きに当該前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なつて、一旦下方に踏み込んだ前記ペダルPを前記引っ張りコイルバネ100の付勢により再び当該ペダルPを下方に踏み込める位置まで前記クランク31を上方に回動させることができる。また、このクランク31の上方への回動に伴った前記第一のチェーンC1又は第二のチェーンC2の走行により前記一対のフリーホイール23、23一方又は他方は自転車J3を前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fを回転させる向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該クランク31の上方への移動に伴った前記第一のチェーンC1又は第二のチェーンC2の走行が自転車J3を前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。なお、前記第二のチェーンC2の構成は、前記第一のチェーンC1と同一であり、その配置を対称とするものである。
【0085】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車J5によれば、前記一対のペダルP、Pを同時に、あるいは、交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車J3を前進させることができる。
【0086】
次いで、図12に示されるこの発明のより具体的な実施の形態のさらに他の一つについて、詳細に説明する。
【0087】
なお、ここで図12は、この実施の形態にかかる自転車J6の前輪Fの構成の概要を理解し易いように、当該前輪Fを当該前輪Fの一側方から見た状態で、当該前輪Fの一側方にある一方のペダルP、クランク31、伝達手段D、付勢手段fのみを表して示している。
【0088】
図12に示される実施の形態にかかる自転車J6は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dの構成を、前記図1ないし図5に示される自転車J1と異ならせていると共に、前記連繋手段Rに変えて一対のペダルP、Pのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルPを上方に付勢させる付勢手段fを備える構成としてある。図12に示される自転車J6のその余の構成は、図1ないし図5に示される自転車J1と同一または実質的に同一であるので、当該同一または実質的に同一の構成部分であって図8に示される部分については、図12に図1ないし図5において用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0089】
図12に示される実施の形態にかかる自転車J6は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dを、前記前輪Fの一側にある前記一対のフリーホイール23、23の一方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの一側にある前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第一のチェーンC1’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの一方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の一方の略中央部31bとを、連結部材U、この実施の形態では前記第一のチェーンC1’から分岐された分岐チエーンC3によりに連結させると共に、前記前輪Fの他側にある前記一対のフリーホイール23、23の他方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの他側にある前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第二のチェーンC2’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの他方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の他方の略中央部31bとを、前記連結部材Uによりに連結させて、構成している。なお、前記第二のチェーンC2’の構成は、前記第一のチェーンC1’と同一であり、その配置を対称とするものである。
【0090】
そしてこの実施の形態にあっては、前記一対のペダルP、Pのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルPを上方に付勢させる付勢手段fを、当該一対のペダルP、Pが設けられている前輪Fの両側においてそれぞれ、一端を分岐チェーンの前記クランク31への組み付け側と反対の端部に固定されると共に、他端を前記ハンドルポスト11の前側下部に固定させた引っ張りコイルバネ100’としてある。
【0091】
したがって、この実施の形態にかかる自転車J6によれば、前記一対のペダルP、Pの一方又は双方を下方に踏み込むことにより、当該ペダルPを組み付けているクランク31を下方に回動させることができ、このクランク31の回動により前記第一のチェーンC1’若しくは第二のチェーンC2’又は第一のチェーンC1’および第二のチェーンC2’を走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1’又は第二のチェーンC2’に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方若しくは他方又は一方および他方を自転車J6を前進させる向きに当該前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なつて、一旦下方に踏み込んだ前記ペダルPを前記引っ張りコイルバネ100の付勢により再び当該ペダルPを下方に踏み込める位置まで前記クランク31を上方に回動させることができる。また、このクランク31の上方への回動に伴った前記第一のチェーンC1’又は第二のチェーンC2’の走行により前記一対のフリーホイール23、23一方又は他方は自転車J6を前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fを回転させる向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該クランク31の上方への移動に伴った前記第一のチェーンC1’又は第二のチェーンC2’の走行が自転車J6を前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。
【0092】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車J6によれば、前記一対のペダルP、Pを同時に、あるいは、交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車J6を前進させることができる。
【0093】
次いで、図13に示されるこの発明のより具体的な実施の形態の他の一つについて、詳細に説明する。
【0094】
なお、ここで図13は、この実施の形態にかかる自転車J7の前輪Fの構成の概要を理解し易いように、当該前輪Fを当該前輪Fの一側方から見た状態で、当該前輪Fの一側方にある一方のペダルP、クランク31、伝達手段D、連繋手段Rのみを表して示している。
【0095】
図13に示される実施の形態にかかる自転車J7は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dおよび前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rの構成を、前記図1ないし図5に示される自転車J1と異ならせている。図13に示される自転車J7のその余の構成は、図1ないし図5に示される自転車J1と同一または実質的に同一であるので、当該同一または実質的に同一の構成部分であって図13に示される部分については、図13に図1ないし図5において用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0096】
図13に示される実施の形態にかかる自転車J7は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dを、前記前輪Fの一側にある前記一対のフリーホイール23、23の一方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの一側にある一方の前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第一のチェーンC1’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの一方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の一方の略中央部31bとを、連結部材U、この実施の形態では前記第一のチェーンC1’から分岐された分岐チェーンC3によりに連結させると共に、前記前輪Fの他側にある前記一対のフリーホイール23、23の他方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの他側にある他方の前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第二のチェーンC2’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの他方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の他方の略中央部31bとを、前記連結部材Uにより連結させて、構成している。なお、前記第二のチェーンC2’の構成は、前記第一のチェーンC1’と同一であり、その配置を対称とするものである。
【0097】
そしてこの実施の形態にあっては、前記前ホークH1の前部上端側に掛け渡された取付板50に互いに間隔を開けて、ローラ軸を前記前輪Fの回転軸に対して略直交させるように外周部にワイヤW”の収まる環状溝60aを備えた一対のガイドローラ60、60を設けてある。
【0098】
そして、前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rを、一端を前記第一のチェーンC1’における分岐チェーンC3のクランク31への固定側と反対の側の端部に固定されると共に、他端を前記第二のチェーンC2’における分岐チェーンC3のクランク31への固定側と反対の側の端部に固定され、かつ、前記一対のガイドローラ60、60の上側を前記環状溝60aに収められた状態で通されるワイヤW”としてある。
【0099】
したがって、この実施の形態にかかる自転車J7によれば、前記一対のペダルP、Pのうち上方に位置されている一方のペダルPを踏み込むことにより、当該一方のペダルPを組み付けている一方のクランク31を下方に回動させることができ、このクランク31の回動により前記第一のチェーンC1’を走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1’に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方を自転車J7を前進させる向きに当該前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なって、前記ワイヤW”により当該第一のチェーンC1’に連繋されている前記第二のチェーンC2’を上方に引上げるように走行させることができ、これにより先行して踏み込まれて下方に位置されている他方のペダルPを組み付けている他方のクランク31を上方に回動させることができ、再び当該他方のペダルPを下方に踏み込める位置まで引上げ、戻すことができる。また、この他方のクランク31の上方への回動に伴った前記第二のチェーンC2’の走行により前記一対のフリーホイール23、23の他方は自転車J7を前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fを回転させる向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該他方のクランク31を上方に移動させる前記第二のチェーンC2’の走行が自転車J7を前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。
【0100】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車J7によれば、前記一対のペダルP、Pを交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車J7を前進させることができる。
【0101】
次いで、図14および図15に示されるこの発明のより具体的な実施の形態の他の一つについて、詳細に説明する。
【0102】
なお、ここで図14は、この実施の形態にかかる自転車J8の前輪Fの構成の概要を理解し易いように、当該前輪Fを当該前輪Fの一側方から見た状態で、当該前輪Fの一側方にある一方のペダルP、クランク31’、伝達手段D、連繋手段Rのみを表して示している。また、図15は、当該自転車J8の前輪を当該自転車J8の前方から見た状態で示している。
【0103】
図14および図15に示される実施の形態にかかる自転車J8は、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段D、前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段R、および当該一対のペダルP、Pの組み付けられる前記クランク31’並びに当該クランク31’を支持するフレーム30’の構成を、前記図1ないし図5に示される自転車J1と異ならせている。図14および図15に示される自転車J8のその余の構成は、図1ないし図5に示される自転車J1と同一または実質的に同一であるので、当該同一または実質的に同一の構成部分であって図14および図15に示される部分については、図14および図15に図1ないし図5において用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0104】
図14および図15に示される実施の形態にかかる自転車J8にあっては、一対の前ホークH1、H1に、前輪Fの後側を通るように湾曲され、かつ、両端部をこの一対の前ホークH1、H1の下端部における前輪Fの後側を向いた縁部にそれぞれ固定した略U字状をなすフレーム30’が組み付けられている。そして、当該フレーム30’における前輪Fの後側に位置される湾曲部30’aを挟んだ両側位置に、当該前輪Fの両側においてそれぞれ、かかるフレーム30’に一端側を回動可能に組み付けられて他端31’a側を上下方向に回動させる一対のクランク31’、31’の当該他端31’a部にそれぞれ前記前輪Fの側方に向けて突き出すようにペダルPが組み付けてある。
【0105】
また、この実施の形態にかかる自転車J8にあっては、前記一対のペダルP、Pの上下動に伴って前記一対のフリーホイール23、23をそれぞれ回転させる伝達手段Dを、前記前輪Fの一側にある前記一対のフリーホイール23、23の一方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの一側にある一方の前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第一のチェーンC1’の前輪Fの前側に
位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの一方が組み付けられた前記一対のクランク31’、31’の前記他端31’aとを、連結部材U、この実施の形態では前記第一のチェーンC1’から分岐された分岐チェーンC3によりに連結させると共に、前記前輪Fの他側にある前記一対のフリーホイール23、23の他方に設けられた第一のギア23bと当該フリーホイール23の上方にあってこの前輪Fの他側にある他方の前ホークH1の内側に組み付けられた第二のギア40とに無端状をなすように掛け渡された第二のチェーンC2’の前輪Fの前側に位置される箇所と、前記一対のペダルP、Pの他方が組み付けられた前記一対のクランク31、31の前記他端31’aとを、前記連結部材Uにより連結させて、構成している。なお、前記第二のチェーンC2’の構成は、前記第一のチェーンC1’と同一であり、その配置を対称とするものである。
【0106】
そしてこの実施の形態にあっては、前記前ホークH1の前部上端側に掛け渡された取付板50に互いに間隔を開けて、ローラ軸を前記前輪Fの回転軸に対して略直交させるように外周部にワイヤW”の収まる環状溝60aを備えた一対のガイドローラ60、60を設けてある。
【0107】
そして、前記一対のペダルP、Pの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルP、Pの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルP、Pの連繋手段Rを、一端を前記第一のチェーンC1’における分岐チェーンC3のクランク31への固定側と反対の側の端部に固定されると共に、他端を前記第二のチェーンC2’における分岐チェーンC3のクランク31への固定側と反対の側の端部に固定され、かつ、前記一対のガイドローラ60、60の上側を前記環状溝60aに収められた状態で通されるワイヤW”としてある。
【0108】
したがって、この実施の形態にかかる自転車J8によれば、前記一対のペダルP、Pのうち上方に位置されている一方のペダルPを踏み込むことにより、当該一方のペダルPを組み付けている一方のクランク31’を下方に回動させることができ、このクランク31の回動により前記第一のチェーンC1’を走行させることができ、この結果、当該第一のチェーンC1’に第一のギア23bを噛み合わされている前記一対のフリーホイール23、23の一方を自転車J8を前進させる向きに当該前輪Fを回転させる向きに、回転させることができる。また、これに伴なって、前記ワイヤW”により当該第一のチェーンC1’に連繋されている前記第二のチェーンC2’を上方に引上げるように走行させることができ、これにより先行して踏み込まれて下方に位置されている他方のペダルPを組み付けている他方のクランク31’を上方に回動させることができ、再び当該他方のペダルPを下方に踏み込める位置まで引上げ、戻すことができる。また、この他方のクランク31’の上方への回動に伴った前記第二のチェーンC2’の走行により前記一対のフリーホイール23、23の他方は自転車J8を前進させる向きと反対の向きに前記前輪Fを回転させる向きに回転されることになるが、この向きの回転に伴っては当該フリーホイール23は前記内輪に対して外輪23aを空転させる構成としてあり、したがって、当該他方のクランク31’を上方に移動させる前記第二のチェーンC2’の走行が自転車J8を前進させる向きへの前記前輪Fの回転を妨げることはないものとされている。
【0109】
すなわち、この実施の形態にかかる自転車J8によれば、前記一対のペダルP、Pを交互に連続して踏み込みながら、前輪Fを回転、駆動させて自転車J8を前進させることができる。
【0110】
また、この実施の形態にかかる自転車J8にあっては、特に前記クランク31’の他端31’aで前記第一、第二のチェーンC1’、C2’と当該クランク31’とを前記分岐チェーンC3により連結させていることから、当該クランク31’の中央部で当該クランク31’と前記第一、第二のチェーンC1’、C2’とを連結させた場合に比べ、当該クランク31’の下方への踏み込みに伴う当該第一、第二のチェーンC1’、C2’の走行量を大きくすることができる特長を有する。
【0111】
【発明の効果】
この発明にかかる自転車Jは、両端部にそれぞれフリーホイール23、23を備えた胴体21およびこの胴体21に差し込まれる車軸22とを備えるハブ20と、前輪Fを支持するホークHに対して組み付けられ、かつ、上下方向に移動可能に備えられる一対のペダルP、Pと、このペダルPの移動に伴って前記フリーホイール23を回転させる伝達手段Dとを備え、前記それぞれのフリーホイール23、23が、前記ペダルPの下方に向けた踏み込み動作に伴って前記前輪Fを自転車Jを前進させる向きに回転させ、かつ、前記ペダルPの上方に向けた移動に伴って当該自転車Jの前輪Fを回転させない構成としてあることから、自転車Jの前輪F両側において前記ペダルPを下方に踏み込むことにより、当該前輪Fを自転車Jを前進する向きに回転させて、自転車Jを前進させることができる。
【0112】
したがってまた、この発明にかかる自転車Jによれば、自転車Jを前進させるように駆動される前輪Fの両側に前記ペダルPを備えさせ、かつ、この前輪F側に当該ペダルPと前記フリーホイール23とを連絡させる前記伝達手段Dを備えさせることができ、この結果、前輪Fと後輪との間隔を可能な限り狭めてコンパクトに自転車Jを構成させることができる。
【0113】
また、自転車Jを駐輪、運搬などするに際して、当該自転車Jの前輪Fと後輪とをさらに近接させるような構造を、比較的容易に当該自転車Jに適用することができる特長を有する。例えば、図3に示されるように、自転車Jのハンドルポスト11を支持する前パイプ12とシートポスト13とを連結させる上パイプ14に後輪Bを支持する後ホークHを回動可能に組み付けておくことにより、図4に示されるように、自転車Jの駐輪などに際してかかる上パイプ14と後ホークHとの組み付け位置を中心に後輪Bと前輪Fが近接されるように、後ホークHを回動させて自転車Jの長さ寸法を比較的簡易な構造をもって小さくすることができる。
【0114】
また、前輪Fの回転は、前記一対のペダルP、Pを下方に向けて踏み込むことによりなし得ることから、前輪Fと後輪Bの間に自転車Jの重心が位置されるようにサドルを位置付けても、当該前輪Fを回転させるためのペダルPの操作に格別の不都合を生じさせることがなく、したがってまた、自転車Jの重心を前輪F側に偏らせることなく、安定的な走行が確保できるように前輪駆動式の自転車Jを構成できる特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自転車J1の前輪Fの側面図
【図2】 自転車J1の前輪Fの縦断面図
【図3】 自転車J1の側面図
【図4】 自転車J1の側面図
【図5】 自転車J1の要部拡大斜視図
【図6】 自転車J2の前輪Fの側面図
【図7】 自転車J2の前輪Fの側面図
【図8】 自転車J3の前輪Fの側面図
【図9】 自転車J4の前輪Fの縦断面図
【図10】 自転車J4の要部拡大斜視図
【図11】 自転車J5の前輪Fの側面図
【図12】 自転車J6の前輪Fの側面図
【図13】 自転車J7の前輪Fの側面図
【図14】 自転車J8の前輪Fの側面図
【図15】 自転車J8の前輪Fの側面図
【符号の説明】
J 自転車
F 前輪
H ホーク
P ペダル
D 伝達手段
20 ハブ
21 胴体
22 車軸
23 フリーホイール
Claims (5)
- 両端部にそれぞれフリーホイールを備えた胴体と、この胴体に差し込まれる車軸とを備えるハブと、
前輪を支持するホークに対して組み付けられ、かつ、上下方向に移動可能に備えられる一対のペダルと、
このペダルの移動に伴って前記フリーホイールを回転させる伝達手段とを備え、
この伝達手段が、一対のフリーホイールの外輪に備えられた第一のギアと、
当該一対のフリーホイールの上方にあって当該フリーホイールの回転軸と略平行な回転軸を有する第二のギアと、
前記第一のギアと当該第二のギアとに掛け渡され、かつ、前記ペダルの上下移動により進退されるチェーンとから構成してあり、
前記それぞれのフリーホイールが、前記ペダルの下方に向けた踏み込み動作に伴って前記前輪を自転車を前進させる向きに回転させ、かつ、前記ペダルの上方に向けた移動に伴って当該自転車の前輪を回転させない構成としてあることを特徴とする自転車。 - 前輪を支持するホークから自転車の前進方向又は前進方向と反対の側に向けて突き出されるフレームと、このフレームの突き出し端側に一端側を回動可能に組み付けられて他端側を上下方向に回動させる一対のクランクとを備え、一対のペダルをこの一対のクランクの当該他端部にそれぞれ組み付けていることを特徴とする請求項1記載の自転車。
- 一対のペダルがそれぞれ、前輪を支持するホークにガイドされて上下方向に移動される一対のスライダに設けられていることを特徴とする請求項1記載の自転車。
- 一対のペダルの一方の下方に向けた踏み込み動作に伴って、当該一対のペダルの他方を上方に向けて引き上げさせる当該一対のペダルの連繋手段を備えることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の自転車。
- 一対のペダルのそれぞれを下方に踏み込んだ際に当該ペダルを上方に付勢させる付勢手段が設けてあることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の自転車。
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