JP3790874B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアリーレンスルフィド樹脂結晶化速度を速めることにより、射出成形時の離型性を改良し、かつ、射出成形時の冷却時間を短縮することが可能となる熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくは、ポリアリ−レンスルフィド樹脂特定の有機リン酸エステル金属塩とを含有してなる熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
かかる本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の成形加工時の結晶化速度を著しく速め、成形性を大幅に改善したもので、電気及び電子部品、自動車部品、機械部品、工業部品などの幅広い分野で使用され得るものである。
【0003】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィド樹脂に代表されるポリアリ−レンスルフィド樹脂は、結晶化速度が遅いため、長い成形サイクル時間を要し、生産性が低いことが重大な問題となっている。この問題を解決する方法として、カオリン、ゼオライト、タルク等の無機系結晶核剤を添加する方法(特開昭63−245463号公報、特開平6−57137号公報等)、特定のリン酸エステルを添加する方法(特開昭62−230850号公報、特開平1−225660号公報、特開平3−91563号公報等)、アルキルメルカプタンと無機系核剤(特開平5−140451号公報)、低分子量のフェニレンチオエーテル(特開平5−5061号公報)、ポリアルキレングリコール(特開平3−250049号公報)、炭素原子数22以上の脂肪族カルボン酸金属塩(特開平5−78575号公報)、特定の有機リン酸アルカリ金属塩又は有機ホスホン酸アルカリ金属塩(特開平2−142854号公報)を添加する方法等、数多くの提案がなされている。
【0004】
また、従来、熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化速度を速める一般的な方法としては、結晶核剤(造核剤)を添加する方法が公知であり、造核剤としてはタルク、セラミック粉末等の無機物を添加する方法、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム等の金属を含有する有機化合物が主に使用されている。特に熱可塑性ポリエステルの中ではポリエチレンテレフタレートは結晶化速度が著しく遅く、造核剤の添加は不可欠である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の技術では、造核剤無添加に比べ、結晶化速度の向上は充分ではない。また、近年にみられる低コスト化が激しく進められている中では、安価原料による低コスト化は限界に近づきつつあり、結晶化速度の向上による成形サイクルの短縮(成形コストの低減化)要求がますます大きくなってきている。従って、結晶化速度の更なる向上は必要不可欠な課題である。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ポリアリ−レンスルフィド樹脂重大な欠点である、結晶化速度を速め、成形サイクルの短縮を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これら従来の欠点を解決すべく鋭意検討した結果、周期律表II族の金属を有する特定の有機リン酸エステル金属塩を造核剤としてポリアリーレンスルフィド樹脂添加すると、例えば有機リン酸アルカリ金属塩等を造核剤として添加した場合に比べて、著しく結晶特性の改善が図れること等を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、(1)ポリアリ−レンスルフィド樹脂(A)と、下記一般式(I)で示される有機リン酸エステル金属塩及び/または下記一般式(II)で示される有機リン酸エステル金属塩(B)〔以下、有機リン酸エステル金属塩(B)と略記する〕とを含有してなることを特徴とした熱可塑性樹脂組成物、
【0009】
【化2】
Figure 0003790874
【0010】
(式中、R1、R2は同一または異なる炭化水素基、Mは周期律表II族の金属原子を示す。)
【0011】
(2)ポリアリ−レンスルフィド樹脂(A)90.00〜99.99重量%と、有機リン酸エステル金属塩(B)0.01〜10.00重量%とを含有してなるものである上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物、
【0012】
(3) 一般式(I)及び(II)中のR1、R2が、脂肪族炭化水素基である上記(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物、
【0013】
(4)一般式(I)及び(II)中のMが、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛からなる群から選ばれる1種以上の金属である上記(1)、(2)または(3)記載の熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)としては、例えばー般式〔Ar−S〕(式中のArは少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族基を示す)で示される繰り返し単位を70モル%以上含有する重合体が挙げられ、その代表的物質としては、構造式〔Ph−S〕(ただしPhはフェニル基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含有するポリフェニレンスルフィド樹脂が挙げられる。
【0016】
ポリアリーレンスルフィド樹脂()は、一般にその製造法により実質上線状で分岐、架橋構造を有しない分子構造のものと、分岐や架橋を有する構造のものが知られているが、本発明に於いてはその何れのタイプのものにも有効である。
【0017】
本発明に用いるのに好ましいポリアリーレンスルフィド樹脂()としては繰り返し単位を70モル%以上含有するポリマ−であり、かつ、316℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が、1〜10ポイズのものが挙げられる。
【0018】
更に、本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂()は30モル%未満の他の共重合構成単位を含んでいてもよく、代表例としてポリフェニレンスルフィド樹脂の場合では、その中に含んでもよい共重合構成単位として、例えばメタフェニレンスルフィド単位、ジフェニルケトンスルフィド単位、ジフェニルスルホンスルフィド単位、ジフェニルエ−テルスルフィド単位、2,6−ナフタレンスルフィド単位、三官能単位等が挙げられる。
【0021】
本発明において用いられる有機リン酸エステル金属塩(B)は、下記一般式(I)または(II)で示される有機リン酸エステル金属塩である。
【0022】
【化3】
Figure 0003790874
【0023】
式中、R1、R2は、同一または異なる炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ペプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基、テトラコンチル基、ペンタコンチル基、ヘキサコンチル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基を含む脂肪族炭化水素基;フェニル基、ジフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、カメニル基、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、スチリル基、シンナミル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アンチリル基、フェナンチリル基等の芳香族炭化水素基が挙げられ、なかでも分散が容易なことから脂肪族炭化水素基が好ましい。
【0024】
また、式中のMは、周期律表II族の金属原子であり、なかでもMg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Zn(亜鉛)が好ましく、特にMg、Ca、Znが好ましい。
【0025】
上記有機リン酸エステル金属塩(B)の具体例を挙げると、
上記一般式(I)または(II)中のRが脂肪族炭化水素基である有機リン酸エステル金属塩では、
いずれも上記一般式(I)または(II)で示される、
リン酸メチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸エチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸プロピルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸イソプロピルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
【0026】
リン酸ブチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸イソブチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸sec−ブチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸tert−ブチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ペンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸イソペンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ネオペンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ヘキシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ヘプチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸オクチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
【0027】
リン酸ノニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸デシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ウンデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ドデシルエステのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸トリデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸テトラデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ペンタデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ヘキサデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ペプタデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸オクタデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
【0028】
リン酸ノナデシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸エイコシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ヘンエイコシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ドコシルエステのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸トリコシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸テトラコシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸トリアコンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸テトラコンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ペンタコンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ヘキサコンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
【0029】
リン酸ビニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸1−プロペニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸アリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸イソプロペニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸1−ブテニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸2−ブテニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸2−ペンテニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸エチニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸シクロプロピルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸シクロペンチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
【0030】
リン酸シクロヘキシルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸1−シクロヘキセニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩等;
【0031】
上記一般式(I)または(II)中のRが芳香族炭化水素基である有機リン酸エステル金属塩では、
いずれも上記一般式(I)または(II)で示される、
リン酸フェニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ジフェニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸o−トリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸m−トリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸p−トリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸2,4−キシリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸2,4,6−メシチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
【0032】
リン酸o−カメニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸m−カメニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸p−カメニルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ベンジルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸フェネチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸α−メチルベンジルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸ジフェニルメチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸トリフェニルメチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
【0033】
リン酸スチリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸シンナミルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸2−ビフェニリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸3−ビフェニリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸4−ビフェニリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸1−ナフチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸2−ナフチルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸1−アンチリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸2−アンチリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸9−アンチリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩、
リン酸フェナンチリルエステルのMg塩、Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zn塩
等がそれぞれ挙げられる。尚、上記以外に、金属として周期律表II族の他の金属を有する有機リン酸エステル金属塩も同様に挙げることができる。
【0034】
上記有機リン酸エステル金属塩(B)の中で特に好ましいものとしては、いずれも上記一般式(I)または(II)で示される、リン酸エチルエステルのMg塩、Ca塩、Zn塩、リン酸ブチルエステルのMg塩、Ca塩、Zn塩、リン酸オクタデシルのMg塩、Ca塩、Zn塩、リン酸テトラコシルエステルのMg塩、Ca塩、Zn塩、リン酸トリアコンチルエステルのMg塩、Ca塩、Zn塩、リン酸ペンタコンチルエステルのMg塩、Ca塩、Zn塩等が挙げられる。
【0035】
上記有機リン酸エステル金属塩(B)としては、それぞれ単独、あるいは2種以上混合して用いることができる。その添加量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と有機リン酸エステル金属塩(B)の合計を100重量%とした場合、結晶化速度が早く、機械的強度の低下がほとんどないことから、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)90.00〜99.99重量%に対して有機リン酸エステル金属塩(B)が10.00〜0.01重量%となる範囲が好ましく、なかでもポリアリーレンスルフィド樹脂(A)95.00〜99.95重量%に対して有機リン酸エステル金属塩(B)が5.00〜0.05重量%となる範囲が特に好ましい。
【0036】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には目的に応じて各種の無機及び有機の充填材を1種または2種以上組合わせて加えることができる。具体的には、シリカ、ケイ藻土、ドロマイト、γ−アルミナ、γ以外のアルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アンチモン酸、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化ジルコニウムなどの酸化物;水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドーソナイトなどの炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩又は亜硫酸塩;タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩、ハイドロタルサイト類;その他カーボンブラック、グラファイト、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム、チタン酸、ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどの無機充填材の粒子状、繊維状、ウイスカー状、球状、中空状物;更に芳香族ポリアミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン、シリコンゴムなどの有機充填材などが挙げられる。該充填材の好ましい添加量は、本発明組成物中、0.1〜80重量%である。
【0037】
更に本発明においては、本発明の目的を損わぬ範囲において、他の樹脂を添加することができる。該他の樹脂としては、例えばポリフェニレンエーテル、スチレングラフトなどの変性ポリフェニレンエーテル類、ポリアリレート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ 1.4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリカーボネート、各種液晶ポリマ−類、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリルスルフィッド、ポリアリルサルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、水添スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂などの熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0038】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、他の公知の添加剤、例えばシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、アルミニウムキレート化合物系カップリング剤などの表面処理剤、ブロム化エポキシ樹脂、ブロム化ポリカーボネート、ブロム化ポリスチレン等のハロゲン化物等の難燃剤、燐系難燃剤、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物の難燃助剤、酸化防止剤、熱安定剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又は炭酸塩などの腐食防止剤、滑剤、着色剤、本発明以外の結晶核剤、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強化材、マイカ、タルク、炭酸カルシュウム等の無機フィラーなどを本発明組成物に対して必要に応じて加えることができる。
【0039】
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、押出機、射出成形機、各種ミキサ−などの公知方法で混練、混合することにより作製することができる。更に射出成形等により電子部品を作製することができる。混練温度条件、射出成形温度条件は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の場合、280〜370℃の範囲が適切であるが、特に280〜330℃が好ましい。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の射出成形時の金型温度条件としては、50〜200℃の範囲が好ましい。
【0040】
以下に、本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するための典型的な具体的方法について説明する。
【0041】
【実施例】
本発明を実施例及び比較例により更に説明する。尚、本発明は実施例のみに限定されるものではない。また、例中の部は、重量部である。
【0042】
実施例1〜5及び比較例1〜3
316℃、剪断速度100sec-1での溶融粘度が400ポイズの線状のポリフェニレンスルフィド樹脂、ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製、直径10μm)及び有機リン酸エステル金属塩1、2、3、4、1′を、表1(その1)〜表1(その2)に示す配合組成にて均一に混合後、バレル温度300℃に設定した二軸押出機で溶融混練りし、押し出したストランドを冷却固化後、ペレットを得た。
【0043】
尚、ここで用いた有機リン酸エステル金属塩1、2、3、4、1′は、下記の化合物である(以下、同様)。
有機リン酸エステル金属塩1 =下記構造式(1)で示される化合物
有機リン酸エステル金属塩2 =下記構造式(2)で示される化合物
有機リン酸エステル金属塩3 =下記構造式(3)で示される化合物
有機リン酸エステル金属塩4 =下記構造式(4)と(5)で示される化合物の等モル混合物
有機リン酸エステル金属塩1′=下記構造式(6)で示される化合物
【0044】
【化4】
Figure 0003790874
【0045】
(式中、tBはtert−ブチル基を示す。)
【0046】
該ペレットをDSC(示差操作熱量計、パーキンエルマー製DSC7)にて、室温から20℃/minの速度で350℃まで昇温し、350℃で3分間保持した後、−20℃/minの速度で冷却して、結晶化の発熱ピークのピーク温度を結晶化温度とし測定した。結晶化温度は一般に高い方が結晶化が速いといわれている。結果を表1(その1)〜表1(その2)に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003790874
【0048】
【表2】
Figure 0003790874
【0049】
表1(その1)〜表1(その2)の結果から明かなように、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は結晶化が著しく速い。
【0056】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物比べて著しく結晶化が速く、成形サイクルが短縮されるため、各種機能部品等の用途に好適な材料である。

Claims (4)

  1. ポリアリ−レンスルフィド樹脂(A)と、下記一般式(I)で示される有機リン酸エステル金属塩及び/または下記一般式(II)で示される有機リン酸エステル金属塩(B)〔以下、有機リン酸エステル金属塩(B)と略記する〕とを含有してなることを特徴とした熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 0003790874
    (式中、R1、R2は同一または異なる炭化水素基、Mは周期律表II族の金属原子を示す。)
  2. ポリアリ−レンスルフィド樹脂(A)90.00〜99.99重量%と、有機リン酸エステル金属塩(B)0.01〜10.00重量%とを含有してなるものである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 一般式(I)及び(II)中のR1、R2が、脂肪族炭化水素基である請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 一般式(I)及び(II)中のMが、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛からなる群から選ばれる1種以上の金属である請求項1、2または3記載の熱可塑性樹脂組成物。
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